JP2004196282A - 車両コクピット部品のモジュール構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両コクピット部品のモジュール構造を、設計変更作業を簡略にできる構造にする。
【解決手段】空調ユニット10およびその周辺部品20〜22を一体に組み付た機能モジュール組付体M1と、ステアリング支持部材30およびエアバッグ装置40、41を一体に組み付けた構造体モジュール組付体M2と、表示装置60、計器61および計器盤50を一体に組み付けた意匠モジュール組付体M3とに分けてモジュール化する。これによれば、グレード毎においては、意匠モジュール組付体M3の設計変更のみを行えばよく、構造体モジュール組付体M2および機能モジュール組付体M1をグレードを越えて共通化できる。また、車種毎においては、意匠モジュール組付体M3および構造体モジュール組付体M2の設計変更のみを行えばよく、機能モジュール組付体M1を車種を越えて共通化できる。
【選択図】 図3
【解決手段】空調ユニット10およびその周辺部品20〜22を一体に組み付た機能モジュール組付体M1と、ステアリング支持部材30およびエアバッグ装置40、41を一体に組み付けた構造体モジュール組付体M2と、表示装置60、計器61および計器盤50を一体に組み付けた意匠モジュール組付体M3とに分けてモジュール化する。これによれば、グレード毎においては、意匠モジュール組付体M3の設計変更のみを行えばよく、構造体モジュール組付体M2および機能モジュール組付体M1をグレードを越えて共通化できる。また、車種毎においては、意匠モジュール組付体M3および構造体モジュール組付体M2の設計変更のみを行えばよく、機能モジュール組付体M1を車種を越えて共通化できる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両コクピット部品のモジュール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、計器盤および計器盤内側にて車両に組み付けられる各種のコクピット部品を、サブライン等にて予め一体に組み付けてモジュール化しておき、車両の組付ラインではモジュール化された組付体を車両に組み付けるのみとするようにして、車両の組付ラインにて各種のコクピット部品を1つ1つ組み付ける場合に比べて車両の組付ラインにおける組付作業時間の短縮を図るようになってきている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記コクピット部品の例としては、表示装置、計器、計器盤、ステアリング支持部材、エアバッグ装置、空調ユニット、空調ダクトおよびこれらの周辺の部品等が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−163031号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、表示装置、計器および計器盤は車室内の意匠として機能するものであり、このようなコクピット部品の意匠デザインは車種毎に異なることは勿論のこと、同一車種であってもスタンダード仕様、デラックス仕様等のグレードによって異なる場合が多い。
【0006】
また、エアバッグ装置は、意匠として機能するものではないためグレードを越えて共通化できる場合が多いが、座席の上下方向高さや前後左右位置等の条件に応じて設計されるものであるため車種毎に異なる構造となる場合が多い。
【0007】
また、空調ユニットは、座席高さ、位置等の条件や意匠に関与するものではないため、グレードおよび車種を越えて共通化でき、場合によっては車両メーカーを越えて共通化できる場合が多い。
【0008】
しかしながら、従来のモジュール構造では、上記複数のコクピット部品を単純に一体に組み付けてモジュール化しただけであり、グレードや車種に応じて設計変更を必要とするコクピット部品と設計変更を必要としないコクピット部品とを同一の組付体としてモジュール化している。
【0009】
よって、従来のモジュール構造では、空調ユニットが車種を越えて共通化できる場合や、エアバッグ装置がグレードを越えて共通化できる場合であっても、モジュール化された組付体全体をグレード毎或いは車種毎に設計変更しなければならず、設計変更作業に膨大な手間がかかる。
【0010】
本発明は、上記点に鑑み、車両コクピット部品のモジュール構造を、設計変更作業を簡略にできる構造にすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空調空気を温度調整して車室内へ吹き出す空調ユニット(10)と、当該空調ユニット(10)周辺の部品(20、21、22)とを一体に組み付けてモジュール化した機能モジュール組付体(M1)と、ステアリングシャフト(43)を支持するステアリング支持部材(30)と、車両衝突時に乗員を保護するエアバッグ装置(40、41)とを一体に組み付けてモジュール化した構造体モジュール組付体(M2)と、表示装置(60)および計器(61)のうち少なくとも1つと、計器盤(50)とを一体に組み付けてモジュール化した意匠モジュール組付体(M3)とに分けてモジュール化したことを特徴とする。
【0012】
このように、機能モジュール組付体(M1)と構造体モジュール組付体(M2)と意匠モジュール組付体(M3)との少なくとも3つに分けたモジュール構造とすることにより、グレード毎においては、意匠モジュール組付体(M3)の設計変更のみを行えばよく、構造体モジュール組付体(M2)および機能モジュール組付体(M1)をグレードを越えて共通化することを容易にできる。また、車種毎においては、意匠モジュール組付体(M3)および構造体モジュール組付体(M2)の設計変更のみを行えばよく、機能モジュール組付体(M1)を車種を越えて共通化することを容易にできる。
【0013】
以上により、車両コクピット部品のモジュール構造を、設計変更作業を簡略にできる構造にできる。
【0014】
また、本発明では上記3つのモジュール組付体(M1、M2、M3)を構成するので、表示装置(60)、計器(61)および計器盤(50)と、ステアリング支持部材(30)およびエアバッグ装置(40、41)と、空調ユニット(10)およびその周辺部品(20、21、22)とをそれぞれ別々にコクピット部品として構成し、これらのコクピット部品を1つ1つ車両の組付ラインにて車両に組み付ける場合に比べて、車両の組付ラインにおける組付作業時間の短縮を図ることができる。
【0015】
ここで、車両のAピラーは車種毎に形状が異なる場合が多く、フロアパネル等から構成されるプラットフォームは車種を越えて共通化される場合が多い。従って、プラットフォームが共通であってもAピラーの形状は異なるといった場合がある。よって、請求項2に記載の発明のようにステアリング支持部材(30)が車両のAピラーに支持固定されている場合には、構造体モジュール組付体(M2)を車種を越えて共通化することをより一層容易にできる。
【0016】
因みに、本明細書におけるAピラーとは、車両の天井を下方から支持する柱部材のうち、フロントウインドシールドの車両側方に位置する柱部材のことである。
【0017】
請求項3に記載の発明では、計器盤(50)を上側計器盤(50)とし、構造体モジュール組付体(M2)に下側計器盤(50)を一体に組み付けてモジュール化し、意匠モジュール組付体(M3)および構造体モジュール組付体(M2)を車両に組み付けた状態では、上側計器盤(50)と下側計器盤(50)とは接合して一体の意匠面を形成し、上側計器盤(50)は意匠面の上側部分を形成し、下側計器盤(50)は意匠面の下側部分を形成することを特徴とする。
【0018】
ここで、計器盤(50)のうち上側の意匠面は乗員の視界に入り易い部分であるため意匠として機能する度合が大きいものの、計器盤(50)のうち下側の意匠面は乗員の視界に入り難い部分であるため意匠として機能する度合が小さい。よって、上記請求項3に記載の発明のように、上側計器盤(50)を意匠モジュール組付体(M3)に組み付けてモジュール化し、下側計器盤(50)を構造体モジュール組付体(M2)に組み付けてモジュール化して好適である。
【0019】
この場合には、請求項4に記載の発明のように、下側計器盤(50)に、ステアリング支持部材(30)としての機能を兼ねさせるようにして好適である。具体例としては、下側計器盤(50)を、ステアリングを支持できる程度の強度を有する金属製の板材で構成し、当該板材の車室内側の面に意匠シートを設けるようにすることが挙げられる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明のように、車室内に向けて空調風を流通させる第1空調ダクト(51、52、53、54)を、意匠モジュール組付体(M3)に一体に組み付けてモジュール化すれば、モジュール化の促進を図ることができ、車両の組付ラインにおける組付作業時間のより一層の短縮を図ることができる。
【0021】
なお、構造体モジュール組付体(M2)を構成するエアバッグ装置(40、41)には、請求項6に記載のように、助手席側の乗員を保護する助手席側エアバッグ装置(41)および乗員の膝部を保護するニーエアバッグ装置(40)のうち少なくとも一方が挙げられる。
【0022】
また、請求項7に記載の発明のように、ステアリングシャフト(43)およびグローブボックス(42)のうち少なくとも1つを、構造体モジュール組付体(M2)に一体に組み付けてモジュール化すれば、モジュール化の促進を図ることができ、車両の組付ラインにおける組付作業時間のより一層の短縮を図ることができる。
【0023】
なお、空調ユニット(10)周辺の部品(20、21、22)の一例として、請求項8に記載の発明のように電子制御機器を収納する収納ケース(20)、ジャンクションボックス(21)、ワイヤハーネス(22)および第2空調ダクト(11g〜11j)のうち少なくとも1つが挙げられる。
【0024】
請求項9に記載の発明では、空調ユニット(10)は空気通路を形成する樹脂製の空調ケース(11)を備え、電子制御機器を収納する収納ケース(20)およびジャンクションボックス(21)のうち少なくとも一方を、空調ケース(11)に樹脂成形により一体化したことを特徴とするので、部品点数を削減できるとともに、材質別に分別解体してリサイクルの促進を図る上で、その解体作業性の向上を図ることができる。
【0025】
ところで、フロントウインドシールド前方を見ながら運転している最中に、ステアリングホイール前方に位置する計器(61)を見ようとしたときにおいて、運転者の焦点移動距離を短くして計器(61)の視認性向上を図ることが望ましく、その場合には、運転者の視点からできるだけ遠い位置に計器(61)を配置する必要がある。
【0026】
しかし、図5に示すように、ステアリング支持部材(30)のうちステアリングシャフト(43)を支持する部分を、ステアリングシャフト(43)の上方に位置させる場合には、運転者の視点から計器(61)を遠ざけようとするとステアリング支持部材(30)に計器(61)が干渉してしまい、計器(61)を十分に遠ざけることができない。
【0027】
そこで、請求項10に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)のうちステアリングシャフト(43)を支持する部分を、ステアリングシャフト(43)の下方に位置させたことを特徴とする。
【0028】
これによれば、図6(a)に例示するように、計器(61)の車両前方側に一点鎖線Sに示すスペースを作ることができる。よって、図6(b)に例示するように、ステアリング支持部材(30)に干渉してしまうことなく、計器(61)を十分に遠ざけることができるので、計器(61)の視認性向上を図ることができる。
【0029】
また、請求項11に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)に形成された挿入穴(30b)にステアリングシャフト(43)を挿入配置させたことを特徴とする。
【0030】
これにより、ステアリング支持部材(30)をステアリングシャフト(43)の上方に位置させる場合に比べれば、ステアリング支持部材(30)に干渉してしまうことなく、計器(61)を運転者の視点から十分に遠ざけることができ、計器(61)の視認性向上を図ることができる。
【0031】
ところで、一般的に、計器盤(50)のうち車両幅方向の略中央部分に開口するセンタフェイス吹出口には、センタフェイスダクトが接続されている。そして、計器盤(50)のうちセンタフェイス吹出口の上部に、表示装置(60)が組み付けられている場合において、ステアリング支持部材(30)をオーディオ機器(78)の上端よりも上方に位置させると、図7(a)に例示するように、センタフェイスダクトは、ステアリング支持部材(30)と表示装置(60)との間に挟まれて、空気通路断面積を十分に確保することができない。
【0032】
そこで、請求項12に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)のうち車両幅方向の略中央部分を、計器盤(50)のうち車両幅方向の略中央部分に搭載されたオーディオ機器(78)の上端よりも下方に位置させたことを特徴としている。
【0033】
これによれば、図7(b)に例示するように、ステアリング支持部材(30)と表示装置(60)との間を大きくすることができるので、ステアリング支持部材(30)と表示装置(60)との間に配置されたセンタフェイスダクトの空気通路断面積を十分に確保することができる。
【0034】
また、請求項13に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)は、車両幅方向に延びる筒形状に形成されていることを特徴とするので、ステアリング支持部材(30)の大型化を抑制しつつ、曲げやねじり等に対する強度を高めることができる。
【0035】
また、請求項14に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)は、車両幅方向に延びる板材により形成されるとともに、前記幅方向と直交する方向に開口した開口部(30c)を有する開断面形状に形成されていることを特徴としている。
【0036】
これにより、ステアリング支持部材(30)を、単純に直線的に延びる形状ではなく曲がり部の多い複雑な形状に形成することを容易にできる。また、ステアリング支持部材(30)を金属にてダイキャスト成形することを実現可能にできる。
【0037】
ここで、上述のように開断面形状にすると、閉断面形状に比べてステアリング支持部材(30)の強度が低下してしまう。そこで、請求項15に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)のうちステアリングシャフト(43)を支持する部分に、前記幅方向と直交する方向に拡がる板状の補強リブ(30d)を、前記開口部(30c)の内側に設けたことを特徴としている。
【0038】
これにより、開断面形状によって強度低下したステアリング支持部材(30)を補強することができ、好適である。
【0039】
また、請求項16に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)の材質を、アルミニウムおよびマグネシウムのうち少なくとも一方としたことを特徴とするので、ステアリング支持部材(30)の大型化を抑制しつつ、強度アップおよび軽量化を図ることができる。
【0040】
そして、このようにアルミニウムやマグネシウムをステアリング支持部材(30)の材質に採用した場合において、請求項17に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)をダイキャストにて形成することを特徴としている。これにより、ステアリング支持部材(30)を複雑な形状に形成することを容易にでき、好適である。
【0041】
また、請求項18に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)のうち、ステアリングシャフト(43)を支持する部分の材質を金属製とし、その他の部分の材質を樹脂製としたことを特徴とする。
【0042】
ここで、ステアリング支持部材(30)のうち、ステアリングシャフト(43)を支持する部分は、その他の部分に比べて高い強度が求められるが、上記請求項18に記載の発明によれば、当該高強度が求められる部分を金属製としているので、ステアリング支持部材(30)の全体を樹脂製とした場合に比べてステアリング支持部材(30)の小型化を図ることができる。しかも、その他の部分を樹脂製としているので、ステアリング支持部材(30)の全体を金属製とした場合に比べてステアリング支持部材(30)の軽量化を図ることができる。
【0043】
また、請求項19に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)を車両ボディーに組み付けるためのサイドブラケット(82)、ステアリング支持部材(30)を下方から支持するブレス(81)、ブレーキペダル、アクセルペダルおよびクラッチペダルのうち少なくとも1つを、ステアリング支持部材(30)に支持させることを特徴としている。
【0044】
特に、請求項10ないし12のいずれか1つに記載の発明では、ステアリング支持部材(30)が下方に位置することとなるので、前記発明においてステアリング支持部材(30)にブレス(81)を支持させる場合には、ブレス(81)の上下方向長さを短くすることができ、好適である。また、請求項10ないし12のいずれか1つに記載の前記発明においてステアリング支持部材(30)に各種ペダルを支持させる場合には、各種ペダルの上下方向長さを短くすることができ、好適である。
【0045】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図に基づいて説明する。
【0047】
(第1実施形態)
本実施形態では、図1〜図4に示すように各種車両用コクピット部品を、機能モジュール組付体M1と、構造体モジュール組付体M2と、意匠モジュール組付体M3とに分けてモジュール化している。図1は機能モジュール組付体M1を示す斜視図、図2は機能モジュール組付体M1を構成する空調ユニット10を示す模式図、図3は構造体モジュール組付体M2を示す斜視図、図4は意匠モジュール組付体M3を示す斜視図である。
【0048】
なお、図中の前後左右上下方向を示す矢印は、各モジュール組付体M1、M2、M3を車両に搭載した状態における方向を示している。
【0049】
図1に示すように、機能モジュール組付体M1は、空調空気を温度調整して車室内へ吹き出す空調ユニット10と、空調ユニット10の周辺部品20、21、22とを一体に組み付けてモジュール化されており、周辺部品20は電子制御機器を収納する収納ケース、周辺部品21はジャンクションボックス、周辺部品22は統合電気配線束である。
【0050】
なお、統合電気配線束22とは、多数本のワイヤハーネスを1つの束状に統合したものである。また、ジャンクションボックス21は、統合電気配線束22の電気分配を行う機器を収納するケースである。また電子制御機器とは、空調装置の作動を制御するものに限られず、車両に搭載された各種電気機器の作動を制御するものであればよい。
【0051】
空調ユニット10は、図2に示すように、送風手段等を有する送風ユニットと熱交換手段等を有する熱交換ユニットとを一体に構成したものであり、車両のフロアパネルおよびダッシュパネルのうち少なくとも一方に設置される。周辺部品20、21、22は空調ユニット10に支持される。
【0052】
因みに、ダッシュパネルとはエンジンルームと車室内とを仕切る金属製のパネルであり、フロアパネルおよびダッシュパネル等から車両のプラットフォームが構成されている。
【0053】
空調ユニット10は空気通路を形成する樹脂製の空調ケース11を備え、空気通路には、空気流れ上流側から順に、第1および第2送風ファン12、13、冷房用熱交換器としての蒸発器14、温度調節手段としてのエアミックスドア15、暖房用熱交換器としてのヒータコア16が備えられている。
【0054】
エアミックスドア15には、空調ケース11に回転自在に取り付けられた回転軸15aが形成されており、蒸発器14を通過してヒータコア16をバイパスする空気と、ヒータコア16を通過した空気との混合比を、エアミックスドア15の回転角度により調節して、車室内に送風される空気の温度を調節するようになっている。
【0055】
蒸発器14は、冷凍サイクルを循環する冷媒を蒸発させて空気を冷却するものであり、ヒータコア16は、エンジン冷却水等の温水を熱源として空気を加熱するものである。
【0056】
空調ケース11のうち第1および第2ファン12、13が配置された部分は、ファンケーシング12a、13aとして機能しており、ファンケーシング12a、13aには、第1ファン12により空気が吸い込まれる第1空気吸込口11aおよび第2ファン13により空気が吸い込まれる第2空気吸込口11bが形成されている。
【0057】
第1および第2ファン12、13は共通の電動モータMにより回転駆動するようになっており、第1および第2ファン12、13、ファンケーシング12a、13aおよび電動モータMにて送風手段としてのブロワを構成している。当該ブロワは遠心式のブロワである。
【0058】
また、空調ケース11のうち第1空気吸込口11aの空気流れ上流部分は、外気導入口17aおよび第1内気導入口17bが形成された内外気切替ケース部17として機能している。
【0059】
内外気切替ケース部17内には、内外気切替ケース部17に回転自在に取り付けられた回転軸18aを有する内外気切替ドア18が備えられており、内外気切替ドア18の回動により、外気導入口17aおよび第1内気導入口17bを切替開閉するようになっている。なお、第2空気吸込口11bは内気のみが導入されるようになっている。
【0060】
空調ケース11内のうち蒸発器14の空気流れ上流側は、仕切板19により第1空気通路19aと第2空気通路19bとに仕切られており、第1空気通路19a内には第1ファン12が配置され、第2空気通路19b内には第2ファン13が配置されている。
【0061】
また、空調ケース11のうちヒータコア16の空気流れ下流側部分には、図示しないデフロスタ開口部、センタフェイス開口部11c、サイドフェイス開口部11dおよびフット開口部11eが形成されている。また、空調ケース11のうち第2空気通路19bを形成する部分のうち、蒸発器14の空気流れ上流側部分には、電子部品冷却用開口部11fが形成されている。
【0062】
図1は、空調ユニット10に各ダクト11g、11h、11i、11jが接続された状態を示しており、各ダクト11g〜11jのうち、機能側センタデフロスタダクト11gは、デフロスタ開口部と後述の意匠側センタデフロスタダクト51とを接続する。機能側サイドデフロスタダクト11hは、デフロスタ開口部と後述の意匠側サイドデフロスタダクト52とを接続する。機能側サイドフェイスダクト11iは、サイドフェイス開口部11dと後述の意匠側サイドフェイスダクト53とを接続する。図示しない機能側センタフェイスダクトは、センタフェイス開口部11cと後述の意匠側センタフェイスダクト54とを接続する。
【0063】
また、電子機器冷却ダクト11jは、電子部品冷却用開口部11fに接続され、蒸発器14の空気流れ上流側の空気、かつ、内気を、電子部品に向けて流通させて、当該内気により電子部品が冷却されるようになっている。電子部品の例としては、表示装置60および計器61の電子制御装置に備えられたICチップ等の発熱性の高い電子部品が挙げられる。
【0064】
本実施形態では、各ダクト11g〜11jを樹脂成形により空調ケース11に一体化して部品点数低減を図っている。なお、これらのダクト11g〜11jは、上記特許請求の範囲に記載の第2空調ダクトに相当する。
【0065】
図3に示すように、構造モジュール組付体M2は、ステアリングシャフト43を支持するステアリング支持部材30と、車両衝突時に乗員を保護するエアバッグ装置40、41と、これらの周辺の部品42、43、44とを一体に組み付けてモジュール化されている。
【0066】
ステアリング支持部材30は車両左右方向(幅方向)に延びる板状の部材であり、金属製である。ステアリング支持部材30の両端はAピラーにボルト等で固定されて支持されるようになっており、エアバッグ装置40、41および周辺部品42、43、44はステアリング支持部材30に支持される。なお、Aピラーは車種毎に形状が異なるものであり、従って、Aピラーに支持されるステアリング支持部材30も車種毎に異なる形状に設計されている。
【0067】
また、エアバッグ装置40、41はある程度強度を有する部材に支持させる必要性があるため、上述のような強度を有するステアリング支持部材30に支持させて好適である。
【0068】
エアバッグ装置40は乗員の膝部を保護するニーエアバッグ装置であり、エアバッグ装置41は助手席側の乗員を保護する助手席側エアバッグ装置である。これらのエアバッグ装置40、41は、座席の上下方向高さや前後左右位置等の条件に応じて設計されている。エアバッグ装置40、41は座席の上下方向高さや前後左右位置等の条件に応じて設計されており、車種毎に異なる仕様で設計されている。
【0069】
なお、符号41aはステアリング支持部材30に支持されたブラケットであり、このブラケット41aに助手席側エアバッグ装置41を取り付けて支持するようにしている。
【0070】
周辺部品42は樹脂製のグローブボックス、周辺部品43は金属製のステアリングシャフト、周辺部品44は空調装置の作動を操作するスイッチを有する操作パネルである。
【0071】
図4に示すように、意匠モジュール組付体M3は、計器盤50、空調ダクト51、52、53、54、表示装置60および計器61を一体に組み付けてモジュール化されている。表示装置60にはナビゲーションシステム用のディスプレイ等が挙げられ、計器61には車速、エンジン回転数、燃料残量等を表示するメータが挙げられる。
【0072】
計器盤50には、フロントウインドシールドに向けて空調風を吹き出すセンタデフロスタ吹出口50a、サイドウインドシールドに向けて空調風を吹き出すサイドデフロスタ吹出口50b、乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すセンタフェイス吹出口50cおよびサイドフェイス吹出口50dが形成されている。
【0073】
空調ダクト51は、機能側センタデフロスタダクト11gとセンタデフロスタ吹出口50aとを接続する意匠側センタデフロスタダクトである。空調ダクト52は、機能側サイドデフロスタダクト11hとサイドデフロスタ吹出口50bとを接続する意匠側サイドデフロスタダクトである。空調ダクト53は、機能側サイドフェイスダクト11iとサイドフェイス吹出口50dとを接続する意匠側サイドフェイスダクトである。空調ダクト54は、センタフェイス開口部11cとセンタフェイス吹出口50dとを接続する意匠側センタフェイスダクトである。
【0074】
本実施形態では、各ダクト51〜54を樹脂成形により計器盤50に一体化して部品点数低減を図っている。なお、これらのダクト51〜54は、上記特許請求の範囲に記載の第1空調ダクトに相当し、当該意匠モジュール組付体M3の計器盤50は、上記特許請求の範囲に記載の上側計器盤に相当し、構造体モジュール組付体M2のステアリング支持部材30は、上記特許請求の範囲に記載の下側計器盤に相当する。
【0075】
すなわち、ステアリング支持部材30は、ステアリングを支持できる程度の強度を有する金属製の板材で構成され、当該板材の車室内側の面に意匠シートを設けている。これにより、計器盤の下側の意匠面31を構成している。一方、上側計器盤50は樹脂製であり、計器盤の上側の意匠面55を構成している。このように、本実施形態では計器盤を上下に分割し、上側計器盤50を意匠モジュール組付体M3の一部とし、下側計器盤としてのステアリング支持部材30を構造体モジュール組付体M2の一部としている。下側計器盤30の分割面30aと上側計器盤50の分割面50eとが合わさることにより、上側の意匠面55と下側の意匠面31とで一体の意匠面を構成している。
【0076】
以上の各モジュール組付体M1〜M3は、車両組付ラインとは別の組付ラインにおけるコクピット部品の組付作業により形成されており、車両組付ラインでは、モジュール組付体M1〜M3を車両に組み付けるだけとなるようにしている。これにより、車両組付ラインにおける組み付け工数の削減を図っている。
【0077】
因みに、本実施形態では各モジュール組付体M1〜M3をそれぞれ別々に車両組付ラインにて車両に組み付けるようにしているが、本発明の実施にあたり、各モジュール組付体M1〜M3を1つの統合モジュール組付体M1、M2、M3に組み付けた後に、当該統合モジュール組付体M1、M2、M3を車両組付ラインにて車両に組み付けるようにしてもよいし、各モジュール組付体M1〜M3のいずれか2つを1つの統合モジュール組付体M1、M2に組み付け、その後に、当該統合モジュール組付体M1、M2および残りのモジュール組付体M3を車両組付ラインにて車両に組み付けるようにしてもよい。
【0078】
ここで、空調ユニット10の作動を簡単に説明すると、空調ユニット10には図示しない電子制御装置が備えられており、当該電子制御装置は、空調操作パネルにて乗員に操作された設定温度、日射量、外気温度、内気温度等により目標吹出温度TAOを算出する。また、目標吹出温度TAOに応じてブロワの風量レベル、吹出モード等の判定を行う。
【0079】
吹出モードには、センタデフロスタ吹出口50aおよびサイドデフロスタ吹出口50bのみから空調風を吹き出すデフロスタ吹出モード、センタフェイス吹出口50cおよびサイドフェイス吹出口50dのみから空調風を吹き出すフェイス吹出モード、フット開口部から主に空調風を吹き出すフット吹出モード等がある。なお、全ての吹出モードにおいて電子部品冷却用開口部11fは常時開口し、各種電子部品に向けて内気が送風されるようになっている。
【0080】
さらに、本実施形態では、電子部品冷却用開口部11fを開口しつつ、各開口部11c、11d、11eを閉じるシャットモードが選定可能になっている。なお、本明細書では、シャットモード以外の吹出モードを空調制御モードと呼ぶ。また、シャットモードの場合には、内外気切替ドア18により外気導入口17aを閉じて第1内気導入口17bを開口させるとともに、冷凍サイクルの運転を停止させ、ヒータコア16への温水循環を停止させる。
【0081】
そして、ブロワのモータMに電圧を印可して第1および第2ファン12、13を回転駆動させると、第1空気吸込口11aから吸い込まれた空気は第1空気通路19aを流通し、第2空気吸込口11bから吸い込まれた空気は第2空気通路19bを流通する。
【0082】
そして、吹出モードが空調制御モードとなっている場合には、これらの通路19a、19bを流通した空気は蒸発器14を通過し、エアミックスドア15によって温度調節された後、開口部11c、11d、11eのうち選定された開口部から車室内に向けて吹き出される。また、第2空気通路19bを流通する内気は、蒸発器14にて熱交換されることなく、電子部品冷却用開口部11fから各種各種電子部品に向けて送風される。
【0083】
一方、吹出モードがシャットモードとなっている場合には、第1空気通路19aには内気のみが流通し、当該内気は、蒸発器14を通過した後に電子部品冷却用開口部11fのみから吹き出される。これにより、空調ユニット10のブロワを利用して各種電子部品の放熱を図りつつ、各種電子部品を過剰に冷却してしまい、電子部品表面の露点温度低下による凝縮水付着防止を図っている。
【0084】
以上のように本実施形態では、機能モジュール組付体M1と構造体モジュール組付体M2と意匠モジュール組付体M3との3つに分けてモジュール化している。そして、機能モジュール組付体M1を、空調ユニット10およびその周辺部品20〜22から構成し、構造体モジュール組付体M2を、ステアリング支持部材30およびエアバッグ装置40、41等から構成し、意匠モジュール組付体M3を、表示装置60、計器61および計器盤50等から構成している。
【0085】
これにより、グレード毎においては、意匠モジュール組付体M3の設計変更のみを行えばよく、構造体モジュール組付体M2および機能モジュール組付体M1をグレードを越えて共通化できる。また、車種毎においては、意匠モジュール組付体M3および構造体モジュール組付体M2の設計変更のみを行えばよく、機能モジュール組付体M1を車種を越えて共通化でき、ひいては、車両コクピット部品のモジュール構造を、設計変更作業を簡略にできる構造にできる。
【0086】
また、このようなモジュール構造とすることで、上側計器盤50、表示装置60、計器61等の意匠モジュール組付体M3を構成するコクピット部品のデザインの自由度を向上できる。
【0087】
(第2実施形態)
以下、本実施形態における上記第1実施形態との相違点を図5および図6に基づいて説明する。
【0088】
上記第1実施形態では、ステアリングシャフト43を、ステアリング支持部材30に形成された挿入穴に挿入配置させているのに対し、本実施形態では、図6(b)に示すように、ステアリング支持部材30のうちステアリングシャフト43を支持する部分を、ステアリングシャフト43の下方に位置させている。
【0089】
なお、上記第1実施形態ではステアリング支持部材30にて計器盤の下側の意匠面31を構成していたが、本実施形態では、計器盤50の内側にて車室内からは見えないようにステアリング支持部材30を配置している。因みに、本実施形態のステアリング支持部材30は車両左右方向(幅方向)に延びるパイプ形状である。
【0090】
そして、ステアリング支持部材30にはステアリングシャフト43を支持するブラケット32が備えられており、ステアリングシャフト43の締結部43aとブラケット32とをボルト33で締結している。
【0091】
以上により、本実施形態によれば、ステアリング支持部材30をステアリングシャフト43の下方に位置させているので、ステアリング支持部材30に干渉してしまうことなく、計器61を十分に車両前方側に遠ざけることができる。よって、計器61の視認性向上を図ることができる。
【0092】
因みに、図5に示す構造では運転者の視点から計器61までの距離が約750mmであるのに対し、図6(b)に示す構造によれば、前記距離を900mm以上にすることができる。
【0093】
ところで、図5および図6(b)中の符号L1に示すように、ステアリング支持部材30とステアリングホイール43bとの距離L1を短く設定するほど、ステアリングホイール43bの振動を低減でき、好ましい。しかしながら、図5に示すようにステアリング支持部材30をステアリングシャフト43の上方に位置させた構造では、ステアリング支持部材30をステアリングホイール43bに近づけようとすると計器61にステアリング支持部材30が干渉してしまい、上記距離L1を十分に短く設定することができない。
【0094】
これに対し、本実施形態によれば、ステアリング支持部材30をステアリングシャフト43の下方に位置させているので、計器61に干渉してしまうことなく、ステアリング支持部材30をステアリングホイール43bに近づけることができ、ステアリングホイール43bの振動低減を図ることができる。
【0095】
因みに、符号71はボンネット、符号72はカウル、符号73はカウル強度部材を示しており、ブラケット32とカウル72とはブラケット74により連結されている。また、符号75はステアリングコラムカバーを示している。
【0096】
また、計器盤50内側のうち計器61の車両後方部分にはヘッドアップディスプレイユニット76が搭載されており、ヘッドアップディスプレイユニット75から出射された表示光は、計器盤50上面に設けられた透光部を透過してフロントウインドシールド77にて反射する。これにより、運転者に表示光を虚像として視認させるようになっている。
【0097】
(第3実施形態)
以下、本実施形態における上記各実施形態との相違点を図7に基づいて説明する。
【0098】
本実施形態では、図7(b)に示すように、ステアリング支持部材30のうち車両幅方向の略中央部分は、計器盤50のうち車両幅方向の略中央部分に搭載されたオーディオ機器78と空調ケース11との間に位置しており、かつ、オーディオ機器78の上端よりも下方に位置している。
【0099】
なお、上記オーディオ機器78には、ラジオ、CDプレーヤー、MDプレーヤー、DVDプレーヤー、ナビゲーション機器等の電気機器が含まれており、また、当該電気機器の操作スイッチ、空調ユニット10の操作スイッチが備えられている。
【0100】
また、図7(b)中の符号79は、センタフェイス開口部11cとセンタフェイス吹出口50cとを連結するセンタフェイスダクトを示している。また、符号80は、空調ケース11に開口するセンタデフロスタ開口部11kとセンタデフロスタ吹出口50aとを連結するセンタデフロスタダクトを示している。
【0101】
以上により、本実施形態によれば、ステアリング支持部材30をオーディオ機器78の上端よりも下方に位置させているので、ステアリング支持部材30と表示装置60との間を大きく確保でき、ステアリング支持部材30と表示装置60との間に配置されたセンタフェイスダクト79の空気通路断面積を十分に確保することができる。
【0102】
(第4実施形態)
以下、本実施形態における上記各実施形態との相違点を図8に基づいて説明する。
【0103】
上記第1実施形態では、ステアリングシャフト43を、ステアリング支持部材30に形成された挿入穴に挿入配置させているのに対し、本実施形態では、図8(b)に示すように、ステアリング支持部材30をステアリングシャフト43の下方に位置させている。また、ステアリング支持部材30を車両左右方向(幅方向)に直線的に延びる形状にしている。
【0104】
ところで、ニーエアバッグ装置40は、爆発時に衝撃を吸収するため、ステアリング支持部材30に支持された金属製のブラケット83に固定する必要がある。しかしながら、図8(a)に示すように、ステアリング支持部材30をステアリングシャフト43の上方に位置させた場合には、ニーエアバッグ装置40がステアリング支持部材30から離れた位置となるため、ブレス部材81およびサイドブラケット82にブラケット83を支持させなければならず、ブラケット83が大型化および重量化してしまう。
【0105】
これに対し、本実施形態によれば、ステアリング支持部材30をステアリングシャフト43の下方に位置させているので、ニーエアバッグ装置40をステアリング支持部材30に近づけることができ、ブラケット83をステアリング支持部材30に直接取り付けることができる。よって、ブラケット83の小型化および軽量化を図ることができる。
【0106】
なお、ブレス部材81は、ステアリング支持部材30を下方から支持する金属部材である。また、サイドブラケット82は、ステアリング支持部材30の両端部に固定され、車両ボディーとボルト等により締結されるものである。
【0107】
(第5実施形態)
以下、本実施形態における上記各実施形態との相違点を図9に基づいて説明する。
【0108】
上記第1実施形態では、ステアリングシャフト43を挿入するブラケット部分をステアリング支持部材30とは別体に形成しているが、本実施形態では、図9に示すように、ステアリングシャフト43に挿入穴30bを直接形成し、上記ブラケット部分をステアリング支持部材30に一体的に形成している。
【0109】
(第6実施形態)
以下、本実施形態における上記各実施形態との相違点を図10に基づいて説明する。
【0110】
上記第1実施形態のステアリング支持部材30は、車両幅方向に延びる中空パイプで形成されているが、本実施形態のステアリング支持部材30は、車両幅方向に延びる板材により形成されるとともに、前記幅方向と直交する方向(車両後方側)に開口した開口部30cを有する開断面形状に形成されている。
【0111】
そして、ステアリング支持部材30のうちブレス部材81近傍部分から運転席側のサイドブラケット82近傍部分までを、補強リブ30dで補強している。補強リブ30dは、前記幅方向と直交する方向に拡がる板状であり、ステアリング支持部材30の内部(開口部30cの内側)に複数設けられている。
【0112】
ところで、ステアリング支持部材30のうち助手席正面部分は、助手席側エアバッグ装置41との干渉を避けるためエアバッグ装置41の上方に位置せざるを得ない場合がある。また、ステアリング支持部材30のうち車両幅方向略中央部分は、上記第3実施形態で説明したようにオーディオ機器78の上端よりも下方に位置させると有利な場合が多い。また、ステアリング支持部材30のうち運転席正面部分は、上記第3実施形態で説明したようにステアリングシャフト43の下方に位置させると有利な場合が多い。
【0113】
そして、上述のようにステアリング支持部材30の各部位を配置すると、ステアリング支持部材30の各部位の上下方向位置が異なることとなり、ステアリング支持部材30全体が上下方向に蛇行した形状になる。
【0114】
このように、ステアリング支持部材30を、車両幅方向に直線的に延びる形状ではなく曲がり部の多い複雑な形状に形成しようとした場合において、本実施形態によれば、ステアリング支持部材30を板材による開断面形状に形成しているので、ステアリング支持部材30を金属にてダイキャスト成形することを実現可能にできる。よって、複雑に曲がるステアリング支持部材30の形成を容易にできる。
【0115】
(他の実施形態)
上記各実施形態のステアリング支持部材30は金属製であったが、本発明のステアリング支持部材30は金属製に限られるものではなく、例えば樹脂製であってもよい。また、上記実施形態のステアリング支持部材30は車両左右方向(幅方向)に延びてその両端をAピラーに固定することにより車体の強度部材としても機能しているが、本発明のステアリング支持部材30は少なくともステアリングを支持できる程度の強度を有していればよく、両端をAピラーに固定する場合に限られるものではない。また、上記実施形態のステアリング支持部材30は板状部材により形成されているが、本発明の実施にあたり、ステアリング支持部材30をパイプ部材や棒状部材で形成するようにしてもよい。
【0116】
また、上記各実施形態の空調ユニット10では、ファンケーシング12a、13aと空調ケース11を一体に構成し、内外気切替ケース部17と空調ケース11を一体に構成しているが、本発明の実施にあたり、ファンケーシング12a、13aと空調ケース11を別体に構成してもよいし、内外気切替ケース部17と空調ケース11を別体に構成してもよい。
【0117】
また、上記各実施形態の機能モジュール組付体M1では、収納ケース20およびジャンクションボックス21を樹脂成形により空調ケース11と一体化しているが、本発明の機能モジュール組付体M1は、収納ケース20およびジャンクションボックス21は空調ケース11と樹脂にて一体化するものに限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る機能モジュール組付体M1を示す斜視図である。
【図2】図1の機能モジュール組付体M1を構成する空調ユニットを示す模式図である。
【図3】第1実施形態に係る構造体モジュール組付体M2を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態に係る意匠モジュール組付体M3を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態の効果を説明する図であり、計器盤のうち運転席正面に位置する部分の断面図である。
【図6】計器盤のうち運転席正面に位置する部分の断面図であり、(a)は第2実施形態の効果を説明する図、(b)は第2実施形態を示す図である。
【図7】計器盤のうち車両幅方向略中央部分の断面図であり、(a)は本発明の第3実施形態の効果を説明する図、(b)は第3実施形態を示す図である。
【図8】ステアリング支持部材およびステアリングシャフトを示す斜視図であり、(a)は本発明の第4実施形態の効果を説明する図、(b)は第4実施形態を示す図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係る、ステアリング支持部材およびステアリングシャフトを示す斜視図である。
【図10】本発明の第6実施形態に係るステアリング支持部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…空調ユニット、20…収納ケース(周辺部品)、
21…ジャンクションボックス(周辺部品)、
22…統合電気配線束(周辺部品)、30…ステアリング支持部材、
40…ニーエアバッグ装置、41…助手席側エアバッグ装置、50…計器盤、
60…表示装置、61…計器、M1…機能モジュール組付体、
M2…構造体モジュール組付体、M3…意匠モジュール組付体。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両コクピット部品のモジュール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、計器盤および計器盤内側にて車両に組み付けられる各種のコクピット部品を、サブライン等にて予め一体に組み付けてモジュール化しておき、車両の組付ラインではモジュール化された組付体を車両に組み付けるのみとするようにして、車両の組付ラインにて各種のコクピット部品を1つ1つ組み付ける場合に比べて車両の組付ラインにおける組付作業時間の短縮を図るようになってきている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記コクピット部品の例としては、表示装置、計器、計器盤、ステアリング支持部材、エアバッグ装置、空調ユニット、空調ダクトおよびこれらの周辺の部品等が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−163031号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、表示装置、計器および計器盤は車室内の意匠として機能するものであり、このようなコクピット部品の意匠デザインは車種毎に異なることは勿論のこと、同一車種であってもスタンダード仕様、デラックス仕様等のグレードによって異なる場合が多い。
【0006】
また、エアバッグ装置は、意匠として機能するものではないためグレードを越えて共通化できる場合が多いが、座席の上下方向高さや前後左右位置等の条件に応じて設計されるものであるため車種毎に異なる構造となる場合が多い。
【0007】
また、空調ユニットは、座席高さ、位置等の条件や意匠に関与するものではないため、グレードおよび車種を越えて共通化でき、場合によっては車両メーカーを越えて共通化できる場合が多い。
【0008】
しかしながら、従来のモジュール構造では、上記複数のコクピット部品を単純に一体に組み付けてモジュール化しただけであり、グレードや車種に応じて設計変更を必要とするコクピット部品と設計変更を必要としないコクピット部品とを同一の組付体としてモジュール化している。
【0009】
よって、従来のモジュール構造では、空調ユニットが車種を越えて共通化できる場合や、エアバッグ装置がグレードを越えて共通化できる場合であっても、モジュール化された組付体全体をグレード毎或いは車種毎に設計変更しなければならず、設計変更作業に膨大な手間がかかる。
【0010】
本発明は、上記点に鑑み、車両コクピット部品のモジュール構造を、設計変更作業を簡略にできる構造にすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空調空気を温度調整して車室内へ吹き出す空調ユニット(10)と、当該空調ユニット(10)周辺の部品(20、21、22)とを一体に組み付けてモジュール化した機能モジュール組付体(M1)と、ステアリングシャフト(43)を支持するステアリング支持部材(30)と、車両衝突時に乗員を保護するエアバッグ装置(40、41)とを一体に組み付けてモジュール化した構造体モジュール組付体(M2)と、表示装置(60)および計器(61)のうち少なくとも1つと、計器盤(50)とを一体に組み付けてモジュール化した意匠モジュール組付体(M3)とに分けてモジュール化したことを特徴とする。
【0012】
このように、機能モジュール組付体(M1)と構造体モジュール組付体(M2)と意匠モジュール組付体(M3)との少なくとも3つに分けたモジュール構造とすることにより、グレード毎においては、意匠モジュール組付体(M3)の設計変更のみを行えばよく、構造体モジュール組付体(M2)および機能モジュール組付体(M1)をグレードを越えて共通化することを容易にできる。また、車種毎においては、意匠モジュール組付体(M3)および構造体モジュール組付体(M2)の設計変更のみを行えばよく、機能モジュール組付体(M1)を車種を越えて共通化することを容易にできる。
【0013】
以上により、車両コクピット部品のモジュール構造を、設計変更作業を簡略にできる構造にできる。
【0014】
また、本発明では上記3つのモジュール組付体(M1、M2、M3)を構成するので、表示装置(60)、計器(61)および計器盤(50)と、ステアリング支持部材(30)およびエアバッグ装置(40、41)と、空調ユニット(10)およびその周辺部品(20、21、22)とをそれぞれ別々にコクピット部品として構成し、これらのコクピット部品を1つ1つ車両の組付ラインにて車両に組み付ける場合に比べて、車両の組付ラインにおける組付作業時間の短縮を図ることができる。
【0015】
ここで、車両のAピラーは車種毎に形状が異なる場合が多く、フロアパネル等から構成されるプラットフォームは車種を越えて共通化される場合が多い。従って、プラットフォームが共通であってもAピラーの形状は異なるといった場合がある。よって、請求項2に記載の発明のようにステアリング支持部材(30)が車両のAピラーに支持固定されている場合には、構造体モジュール組付体(M2)を車種を越えて共通化することをより一層容易にできる。
【0016】
因みに、本明細書におけるAピラーとは、車両の天井を下方から支持する柱部材のうち、フロントウインドシールドの車両側方に位置する柱部材のことである。
【0017】
請求項3に記載の発明では、計器盤(50)を上側計器盤(50)とし、構造体モジュール組付体(M2)に下側計器盤(50)を一体に組み付けてモジュール化し、意匠モジュール組付体(M3)および構造体モジュール組付体(M2)を車両に組み付けた状態では、上側計器盤(50)と下側計器盤(50)とは接合して一体の意匠面を形成し、上側計器盤(50)は意匠面の上側部分を形成し、下側計器盤(50)は意匠面の下側部分を形成することを特徴とする。
【0018】
ここで、計器盤(50)のうち上側の意匠面は乗員の視界に入り易い部分であるため意匠として機能する度合が大きいものの、計器盤(50)のうち下側の意匠面は乗員の視界に入り難い部分であるため意匠として機能する度合が小さい。よって、上記請求項3に記載の発明のように、上側計器盤(50)を意匠モジュール組付体(M3)に組み付けてモジュール化し、下側計器盤(50)を構造体モジュール組付体(M2)に組み付けてモジュール化して好適である。
【0019】
この場合には、請求項4に記載の発明のように、下側計器盤(50)に、ステアリング支持部材(30)としての機能を兼ねさせるようにして好適である。具体例としては、下側計器盤(50)を、ステアリングを支持できる程度の強度を有する金属製の板材で構成し、当該板材の車室内側の面に意匠シートを設けるようにすることが挙げられる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明のように、車室内に向けて空調風を流通させる第1空調ダクト(51、52、53、54)を、意匠モジュール組付体(M3)に一体に組み付けてモジュール化すれば、モジュール化の促進を図ることができ、車両の組付ラインにおける組付作業時間のより一層の短縮を図ることができる。
【0021】
なお、構造体モジュール組付体(M2)を構成するエアバッグ装置(40、41)には、請求項6に記載のように、助手席側の乗員を保護する助手席側エアバッグ装置(41)および乗員の膝部を保護するニーエアバッグ装置(40)のうち少なくとも一方が挙げられる。
【0022】
また、請求項7に記載の発明のように、ステアリングシャフト(43)およびグローブボックス(42)のうち少なくとも1つを、構造体モジュール組付体(M2)に一体に組み付けてモジュール化すれば、モジュール化の促進を図ることができ、車両の組付ラインにおける組付作業時間のより一層の短縮を図ることができる。
【0023】
なお、空調ユニット(10)周辺の部品(20、21、22)の一例として、請求項8に記載の発明のように電子制御機器を収納する収納ケース(20)、ジャンクションボックス(21)、ワイヤハーネス(22)および第2空調ダクト(11g〜11j)のうち少なくとも1つが挙げられる。
【0024】
請求項9に記載の発明では、空調ユニット(10)は空気通路を形成する樹脂製の空調ケース(11)を備え、電子制御機器を収納する収納ケース(20)およびジャンクションボックス(21)のうち少なくとも一方を、空調ケース(11)に樹脂成形により一体化したことを特徴とするので、部品点数を削減できるとともに、材質別に分別解体してリサイクルの促進を図る上で、その解体作業性の向上を図ることができる。
【0025】
ところで、フロントウインドシールド前方を見ながら運転している最中に、ステアリングホイール前方に位置する計器(61)を見ようとしたときにおいて、運転者の焦点移動距離を短くして計器(61)の視認性向上を図ることが望ましく、その場合には、運転者の視点からできるだけ遠い位置に計器(61)を配置する必要がある。
【0026】
しかし、図5に示すように、ステアリング支持部材(30)のうちステアリングシャフト(43)を支持する部分を、ステアリングシャフト(43)の上方に位置させる場合には、運転者の視点から計器(61)を遠ざけようとするとステアリング支持部材(30)に計器(61)が干渉してしまい、計器(61)を十分に遠ざけることができない。
【0027】
そこで、請求項10に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)のうちステアリングシャフト(43)を支持する部分を、ステアリングシャフト(43)の下方に位置させたことを特徴とする。
【0028】
これによれば、図6(a)に例示するように、計器(61)の車両前方側に一点鎖線Sに示すスペースを作ることができる。よって、図6(b)に例示するように、ステアリング支持部材(30)に干渉してしまうことなく、計器(61)を十分に遠ざけることができるので、計器(61)の視認性向上を図ることができる。
【0029】
また、請求項11に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)に形成された挿入穴(30b)にステアリングシャフト(43)を挿入配置させたことを特徴とする。
【0030】
これにより、ステアリング支持部材(30)をステアリングシャフト(43)の上方に位置させる場合に比べれば、ステアリング支持部材(30)に干渉してしまうことなく、計器(61)を運転者の視点から十分に遠ざけることができ、計器(61)の視認性向上を図ることができる。
【0031】
ところで、一般的に、計器盤(50)のうち車両幅方向の略中央部分に開口するセンタフェイス吹出口には、センタフェイスダクトが接続されている。そして、計器盤(50)のうちセンタフェイス吹出口の上部に、表示装置(60)が組み付けられている場合において、ステアリング支持部材(30)をオーディオ機器(78)の上端よりも上方に位置させると、図7(a)に例示するように、センタフェイスダクトは、ステアリング支持部材(30)と表示装置(60)との間に挟まれて、空気通路断面積を十分に確保することができない。
【0032】
そこで、請求項12に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)のうち車両幅方向の略中央部分を、計器盤(50)のうち車両幅方向の略中央部分に搭載されたオーディオ機器(78)の上端よりも下方に位置させたことを特徴としている。
【0033】
これによれば、図7(b)に例示するように、ステアリング支持部材(30)と表示装置(60)との間を大きくすることができるので、ステアリング支持部材(30)と表示装置(60)との間に配置されたセンタフェイスダクトの空気通路断面積を十分に確保することができる。
【0034】
また、請求項13に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)は、車両幅方向に延びる筒形状に形成されていることを特徴とするので、ステアリング支持部材(30)の大型化を抑制しつつ、曲げやねじり等に対する強度を高めることができる。
【0035】
また、請求項14に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)は、車両幅方向に延びる板材により形成されるとともに、前記幅方向と直交する方向に開口した開口部(30c)を有する開断面形状に形成されていることを特徴としている。
【0036】
これにより、ステアリング支持部材(30)を、単純に直線的に延びる形状ではなく曲がり部の多い複雑な形状に形成することを容易にできる。また、ステアリング支持部材(30)を金属にてダイキャスト成形することを実現可能にできる。
【0037】
ここで、上述のように開断面形状にすると、閉断面形状に比べてステアリング支持部材(30)の強度が低下してしまう。そこで、請求項15に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)のうちステアリングシャフト(43)を支持する部分に、前記幅方向と直交する方向に拡がる板状の補強リブ(30d)を、前記開口部(30c)の内側に設けたことを特徴としている。
【0038】
これにより、開断面形状によって強度低下したステアリング支持部材(30)を補強することができ、好適である。
【0039】
また、請求項16に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)の材質を、アルミニウムおよびマグネシウムのうち少なくとも一方としたことを特徴とするので、ステアリング支持部材(30)の大型化を抑制しつつ、強度アップおよび軽量化を図ることができる。
【0040】
そして、このようにアルミニウムやマグネシウムをステアリング支持部材(30)の材質に採用した場合において、請求項17に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)をダイキャストにて形成することを特徴としている。これにより、ステアリング支持部材(30)を複雑な形状に形成することを容易にでき、好適である。
【0041】
また、請求項18に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)のうち、ステアリングシャフト(43)を支持する部分の材質を金属製とし、その他の部分の材質を樹脂製としたことを特徴とする。
【0042】
ここで、ステアリング支持部材(30)のうち、ステアリングシャフト(43)を支持する部分は、その他の部分に比べて高い強度が求められるが、上記請求項18に記載の発明によれば、当該高強度が求められる部分を金属製としているので、ステアリング支持部材(30)の全体を樹脂製とした場合に比べてステアリング支持部材(30)の小型化を図ることができる。しかも、その他の部分を樹脂製としているので、ステアリング支持部材(30)の全体を金属製とした場合に比べてステアリング支持部材(30)の軽量化を図ることができる。
【0043】
また、請求項19に記載の発明では、ステアリング支持部材(30)を車両ボディーに組み付けるためのサイドブラケット(82)、ステアリング支持部材(30)を下方から支持するブレス(81)、ブレーキペダル、アクセルペダルおよびクラッチペダルのうち少なくとも1つを、ステアリング支持部材(30)に支持させることを特徴としている。
【0044】
特に、請求項10ないし12のいずれか1つに記載の発明では、ステアリング支持部材(30)が下方に位置することとなるので、前記発明においてステアリング支持部材(30)にブレス(81)を支持させる場合には、ブレス(81)の上下方向長さを短くすることができ、好適である。また、請求項10ないし12のいずれか1つに記載の前記発明においてステアリング支持部材(30)に各種ペダルを支持させる場合には、各種ペダルの上下方向長さを短くすることができ、好適である。
【0045】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図に基づいて説明する。
【0047】
(第1実施形態)
本実施形態では、図1〜図4に示すように各種車両用コクピット部品を、機能モジュール組付体M1と、構造体モジュール組付体M2と、意匠モジュール組付体M3とに分けてモジュール化している。図1は機能モジュール組付体M1を示す斜視図、図2は機能モジュール組付体M1を構成する空調ユニット10を示す模式図、図3は構造体モジュール組付体M2を示す斜視図、図4は意匠モジュール組付体M3を示す斜視図である。
【0048】
なお、図中の前後左右上下方向を示す矢印は、各モジュール組付体M1、M2、M3を車両に搭載した状態における方向を示している。
【0049】
図1に示すように、機能モジュール組付体M1は、空調空気を温度調整して車室内へ吹き出す空調ユニット10と、空調ユニット10の周辺部品20、21、22とを一体に組み付けてモジュール化されており、周辺部品20は電子制御機器を収納する収納ケース、周辺部品21はジャンクションボックス、周辺部品22は統合電気配線束である。
【0050】
なお、統合電気配線束22とは、多数本のワイヤハーネスを1つの束状に統合したものである。また、ジャンクションボックス21は、統合電気配線束22の電気分配を行う機器を収納するケースである。また電子制御機器とは、空調装置の作動を制御するものに限られず、車両に搭載された各種電気機器の作動を制御するものであればよい。
【0051】
空調ユニット10は、図2に示すように、送風手段等を有する送風ユニットと熱交換手段等を有する熱交換ユニットとを一体に構成したものであり、車両のフロアパネルおよびダッシュパネルのうち少なくとも一方に設置される。周辺部品20、21、22は空調ユニット10に支持される。
【0052】
因みに、ダッシュパネルとはエンジンルームと車室内とを仕切る金属製のパネルであり、フロアパネルおよびダッシュパネル等から車両のプラットフォームが構成されている。
【0053】
空調ユニット10は空気通路を形成する樹脂製の空調ケース11を備え、空気通路には、空気流れ上流側から順に、第1および第2送風ファン12、13、冷房用熱交換器としての蒸発器14、温度調節手段としてのエアミックスドア15、暖房用熱交換器としてのヒータコア16が備えられている。
【0054】
エアミックスドア15には、空調ケース11に回転自在に取り付けられた回転軸15aが形成されており、蒸発器14を通過してヒータコア16をバイパスする空気と、ヒータコア16を通過した空気との混合比を、エアミックスドア15の回転角度により調節して、車室内に送風される空気の温度を調節するようになっている。
【0055】
蒸発器14は、冷凍サイクルを循環する冷媒を蒸発させて空気を冷却するものであり、ヒータコア16は、エンジン冷却水等の温水を熱源として空気を加熱するものである。
【0056】
空調ケース11のうち第1および第2ファン12、13が配置された部分は、ファンケーシング12a、13aとして機能しており、ファンケーシング12a、13aには、第1ファン12により空気が吸い込まれる第1空気吸込口11aおよび第2ファン13により空気が吸い込まれる第2空気吸込口11bが形成されている。
【0057】
第1および第2ファン12、13は共通の電動モータMにより回転駆動するようになっており、第1および第2ファン12、13、ファンケーシング12a、13aおよび電動モータMにて送風手段としてのブロワを構成している。当該ブロワは遠心式のブロワである。
【0058】
また、空調ケース11のうち第1空気吸込口11aの空気流れ上流部分は、外気導入口17aおよび第1内気導入口17bが形成された内外気切替ケース部17として機能している。
【0059】
内外気切替ケース部17内には、内外気切替ケース部17に回転自在に取り付けられた回転軸18aを有する内外気切替ドア18が備えられており、内外気切替ドア18の回動により、外気導入口17aおよび第1内気導入口17bを切替開閉するようになっている。なお、第2空気吸込口11bは内気のみが導入されるようになっている。
【0060】
空調ケース11内のうち蒸発器14の空気流れ上流側は、仕切板19により第1空気通路19aと第2空気通路19bとに仕切られており、第1空気通路19a内には第1ファン12が配置され、第2空気通路19b内には第2ファン13が配置されている。
【0061】
また、空調ケース11のうちヒータコア16の空気流れ下流側部分には、図示しないデフロスタ開口部、センタフェイス開口部11c、サイドフェイス開口部11dおよびフット開口部11eが形成されている。また、空調ケース11のうち第2空気通路19bを形成する部分のうち、蒸発器14の空気流れ上流側部分には、電子部品冷却用開口部11fが形成されている。
【0062】
図1は、空調ユニット10に各ダクト11g、11h、11i、11jが接続された状態を示しており、各ダクト11g〜11jのうち、機能側センタデフロスタダクト11gは、デフロスタ開口部と後述の意匠側センタデフロスタダクト51とを接続する。機能側サイドデフロスタダクト11hは、デフロスタ開口部と後述の意匠側サイドデフロスタダクト52とを接続する。機能側サイドフェイスダクト11iは、サイドフェイス開口部11dと後述の意匠側サイドフェイスダクト53とを接続する。図示しない機能側センタフェイスダクトは、センタフェイス開口部11cと後述の意匠側センタフェイスダクト54とを接続する。
【0063】
また、電子機器冷却ダクト11jは、電子部品冷却用開口部11fに接続され、蒸発器14の空気流れ上流側の空気、かつ、内気を、電子部品に向けて流通させて、当該内気により電子部品が冷却されるようになっている。電子部品の例としては、表示装置60および計器61の電子制御装置に備えられたICチップ等の発熱性の高い電子部品が挙げられる。
【0064】
本実施形態では、各ダクト11g〜11jを樹脂成形により空調ケース11に一体化して部品点数低減を図っている。なお、これらのダクト11g〜11jは、上記特許請求の範囲に記載の第2空調ダクトに相当する。
【0065】
図3に示すように、構造モジュール組付体M2は、ステアリングシャフト43を支持するステアリング支持部材30と、車両衝突時に乗員を保護するエアバッグ装置40、41と、これらの周辺の部品42、43、44とを一体に組み付けてモジュール化されている。
【0066】
ステアリング支持部材30は車両左右方向(幅方向)に延びる板状の部材であり、金属製である。ステアリング支持部材30の両端はAピラーにボルト等で固定されて支持されるようになっており、エアバッグ装置40、41および周辺部品42、43、44はステアリング支持部材30に支持される。なお、Aピラーは車種毎に形状が異なるものであり、従って、Aピラーに支持されるステアリング支持部材30も車種毎に異なる形状に設計されている。
【0067】
また、エアバッグ装置40、41はある程度強度を有する部材に支持させる必要性があるため、上述のような強度を有するステアリング支持部材30に支持させて好適である。
【0068】
エアバッグ装置40は乗員の膝部を保護するニーエアバッグ装置であり、エアバッグ装置41は助手席側の乗員を保護する助手席側エアバッグ装置である。これらのエアバッグ装置40、41は、座席の上下方向高さや前後左右位置等の条件に応じて設計されている。エアバッグ装置40、41は座席の上下方向高さや前後左右位置等の条件に応じて設計されており、車種毎に異なる仕様で設計されている。
【0069】
なお、符号41aはステアリング支持部材30に支持されたブラケットであり、このブラケット41aに助手席側エアバッグ装置41を取り付けて支持するようにしている。
【0070】
周辺部品42は樹脂製のグローブボックス、周辺部品43は金属製のステアリングシャフト、周辺部品44は空調装置の作動を操作するスイッチを有する操作パネルである。
【0071】
図4に示すように、意匠モジュール組付体M3は、計器盤50、空調ダクト51、52、53、54、表示装置60および計器61を一体に組み付けてモジュール化されている。表示装置60にはナビゲーションシステム用のディスプレイ等が挙げられ、計器61には車速、エンジン回転数、燃料残量等を表示するメータが挙げられる。
【0072】
計器盤50には、フロントウインドシールドに向けて空調風を吹き出すセンタデフロスタ吹出口50a、サイドウインドシールドに向けて空調風を吹き出すサイドデフロスタ吹出口50b、乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すセンタフェイス吹出口50cおよびサイドフェイス吹出口50dが形成されている。
【0073】
空調ダクト51は、機能側センタデフロスタダクト11gとセンタデフロスタ吹出口50aとを接続する意匠側センタデフロスタダクトである。空調ダクト52は、機能側サイドデフロスタダクト11hとサイドデフロスタ吹出口50bとを接続する意匠側サイドデフロスタダクトである。空調ダクト53は、機能側サイドフェイスダクト11iとサイドフェイス吹出口50dとを接続する意匠側サイドフェイスダクトである。空調ダクト54は、センタフェイス開口部11cとセンタフェイス吹出口50dとを接続する意匠側センタフェイスダクトである。
【0074】
本実施形態では、各ダクト51〜54を樹脂成形により計器盤50に一体化して部品点数低減を図っている。なお、これらのダクト51〜54は、上記特許請求の範囲に記載の第1空調ダクトに相当し、当該意匠モジュール組付体M3の計器盤50は、上記特許請求の範囲に記載の上側計器盤に相当し、構造体モジュール組付体M2のステアリング支持部材30は、上記特許請求の範囲に記載の下側計器盤に相当する。
【0075】
すなわち、ステアリング支持部材30は、ステアリングを支持できる程度の強度を有する金属製の板材で構成され、当該板材の車室内側の面に意匠シートを設けている。これにより、計器盤の下側の意匠面31を構成している。一方、上側計器盤50は樹脂製であり、計器盤の上側の意匠面55を構成している。このように、本実施形態では計器盤を上下に分割し、上側計器盤50を意匠モジュール組付体M3の一部とし、下側計器盤としてのステアリング支持部材30を構造体モジュール組付体M2の一部としている。下側計器盤30の分割面30aと上側計器盤50の分割面50eとが合わさることにより、上側の意匠面55と下側の意匠面31とで一体の意匠面を構成している。
【0076】
以上の各モジュール組付体M1〜M3は、車両組付ラインとは別の組付ラインにおけるコクピット部品の組付作業により形成されており、車両組付ラインでは、モジュール組付体M1〜M3を車両に組み付けるだけとなるようにしている。これにより、車両組付ラインにおける組み付け工数の削減を図っている。
【0077】
因みに、本実施形態では各モジュール組付体M1〜M3をそれぞれ別々に車両組付ラインにて車両に組み付けるようにしているが、本発明の実施にあたり、各モジュール組付体M1〜M3を1つの統合モジュール組付体M1、M2、M3に組み付けた後に、当該統合モジュール組付体M1、M2、M3を車両組付ラインにて車両に組み付けるようにしてもよいし、各モジュール組付体M1〜M3のいずれか2つを1つの統合モジュール組付体M1、M2に組み付け、その後に、当該統合モジュール組付体M1、M2および残りのモジュール組付体M3を車両組付ラインにて車両に組み付けるようにしてもよい。
【0078】
ここで、空調ユニット10の作動を簡単に説明すると、空調ユニット10には図示しない電子制御装置が備えられており、当該電子制御装置は、空調操作パネルにて乗員に操作された設定温度、日射量、外気温度、内気温度等により目標吹出温度TAOを算出する。また、目標吹出温度TAOに応じてブロワの風量レベル、吹出モード等の判定を行う。
【0079】
吹出モードには、センタデフロスタ吹出口50aおよびサイドデフロスタ吹出口50bのみから空調風を吹き出すデフロスタ吹出モード、センタフェイス吹出口50cおよびサイドフェイス吹出口50dのみから空調風を吹き出すフェイス吹出モード、フット開口部から主に空調風を吹き出すフット吹出モード等がある。なお、全ての吹出モードにおいて電子部品冷却用開口部11fは常時開口し、各種電子部品に向けて内気が送風されるようになっている。
【0080】
さらに、本実施形態では、電子部品冷却用開口部11fを開口しつつ、各開口部11c、11d、11eを閉じるシャットモードが選定可能になっている。なお、本明細書では、シャットモード以外の吹出モードを空調制御モードと呼ぶ。また、シャットモードの場合には、内外気切替ドア18により外気導入口17aを閉じて第1内気導入口17bを開口させるとともに、冷凍サイクルの運転を停止させ、ヒータコア16への温水循環を停止させる。
【0081】
そして、ブロワのモータMに電圧を印可して第1および第2ファン12、13を回転駆動させると、第1空気吸込口11aから吸い込まれた空気は第1空気通路19aを流通し、第2空気吸込口11bから吸い込まれた空気は第2空気通路19bを流通する。
【0082】
そして、吹出モードが空調制御モードとなっている場合には、これらの通路19a、19bを流通した空気は蒸発器14を通過し、エアミックスドア15によって温度調節された後、開口部11c、11d、11eのうち選定された開口部から車室内に向けて吹き出される。また、第2空気通路19bを流通する内気は、蒸発器14にて熱交換されることなく、電子部品冷却用開口部11fから各種各種電子部品に向けて送風される。
【0083】
一方、吹出モードがシャットモードとなっている場合には、第1空気通路19aには内気のみが流通し、当該内気は、蒸発器14を通過した後に電子部品冷却用開口部11fのみから吹き出される。これにより、空調ユニット10のブロワを利用して各種電子部品の放熱を図りつつ、各種電子部品を過剰に冷却してしまい、電子部品表面の露点温度低下による凝縮水付着防止を図っている。
【0084】
以上のように本実施形態では、機能モジュール組付体M1と構造体モジュール組付体M2と意匠モジュール組付体M3との3つに分けてモジュール化している。そして、機能モジュール組付体M1を、空調ユニット10およびその周辺部品20〜22から構成し、構造体モジュール組付体M2を、ステアリング支持部材30およびエアバッグ装置40、41等から構成し、意匠モジュール組付体M3を、表示装置60、計器61および計器盤50等から構成している。
【0085】
これにより、グレード毎においては、意匠モジュール組付体M3の設計変更のみを行えばよく、構造体モジュール組付体M2および機能モジュール組付体M1をグレードを越えて共通化できる。また、車種毎においては、意匠モジュール組付体M3および構造体モジュール組付体M2の設計変更のみを行えばよく、機能モジュール組付体M1を車種を越えて共通化でき、ひいては、車両コクピット部品のモジュール構造を、設計変更作業を簡略にできる構造にできる。
【0086】
また、このようなモジュール構造とすることで、上側計器盤50、表示装置60、計器61等の意匠モジュール組付体M3を構成するコクピット部品のデザインの自由度を向上できる。
【0087】
(第2実施形態)
以下、本実施形態における上記第1実施形態との相違点を図5および図6に基づいて説明する。
【0088】
上記第1実施形態では、ステアリングシャフト43を、ステアリング支持部材30に形成された挿入穴に挿入配置させているのに対し、本実施形態では、図6(b)に示すように、ステアリング支持部材30のうちステアリングシャフト43を支持する部分を、ステアリングシャフト43の下方に位置させている。
【0089】
なお、上記第1実施形態ではステアリング支持部材30にて計器盤の下側の意匠面31を構成していたが、本実施形態では、計器盤50の内側にて車室内からは見えないようにステアリング支持部材30を配置している。因みに、本実施形態のステアリング支持部材30は車両左右方向(幅方向)に延びるパイプ形状である。
【0090】
そして、ステアリング支持部材30にはステアリングシャフト43を支持するブラケット32が備えられており、ステアリングシャフト43の締結部43aとブラケット32とをボルト33で締結している。
【0091】
以上により、本実施形態によれば、ステアリング支持部材30をステアリングシャフト43の下方に位置させているので、ステアリング支持部材30に干渉してしまうことなく、計器61を十分に車両前方側に遠ざけることができる。よって、計器61の視認性向上を図ることができる。
【0092】
因みに、図5に示す構造では運転者の視点から計器61までの距離が約750mmであるのに対し、図6(b)に示す構造によれば、前記距離を900mm以上にすることができる。
【0093】
ところで、図5および図6(b)中の符号L1に示すように、ステアリング支持部材30とステアリングホイール43bとの距離L1を短く設定するほど、ステアリングホイール43bの振動を低減でき、好ましい。しかしながら、図5に示すようにステアリング支持部材30をステアリングシャフト43の上方に位置させた構造では、ステアリング支持部材30をステアリングホイール43bに近づけようとすると計器61にステアリング支持部材30が干渉してしまい、上記距離L1を十分に短く設定することができない。
【0094】
これに対し、本実施形態によれば、ステアリング支持部材30をステアリングシャフト43の下方に位置させているので、計器61に干渉してしまうことなく、ステアリング支持部材30をステアリングホイール43bに近づけることができ、ステアリングホイール43bの振動低減を図ることができる。
【0095】
因みに、符号71はボンネット、符号72はカウル、符号73はカウル強度部材を示しており、ブラケット32とカウル72とはブラケット74により連結されている。また、符号75はステアリングコラムカバーを示している。
【0096】
また、計器盤50内側のうち計器61の車両後方部分にはヘッドアップディスプレイユニット76が搭載されており、ヘッドアップディスプレイユニット75から出射された表示光は、計器盤50上面に設けられた透光部を透過してフロントウインドシールド77にて反射する。これにより、運転者に表示光を虚像として視認させるようになっている。
【0097】
(第3実施形態)
以下、本実施形態における上記各実施形態との相違点を図7に基づいて説明する。
【0098】
本実施形態では、図7(b)に示すように、ステアリング支持部材30のうち車両幅方向の略中央部分は、計器盤50のうち車両幅方向の略中央部分に搭載されたオーディオ機器78と空調ケース11との間に位置しており、かつ、オーディオ機器78の上端よりも下方に位置している。
【0099】
なお、上記オーディオ機器78には、ラジオ、CDプレーヤー、MDプレーヤー、DVDプレーヤー、ナビゲーション機器等の電気機器が含まれており、また、当該電気機器の操作スイッチ、空調ユニット10の操作スイッチが備えられている。
【0100】
また、図7(b)中の符号79は、センタフェイス開口部11cとセンタフェイス吹出口50cとを連結するセンタフェイスダクトを示している。また、符号80は、空調ケース11に開口するセンタデフロスタ開口部11kとセンタデフロスタ吹出口50aとを連結するセンタデフロスタダクトを示している。
【0101】
以上により、本実施形態によれば、ステアリング支持部材30をオーディオ機器78の上端よりも下方に位置させているので、ステアリング支持部材30と表示装置60との間を大きく確保でき、ステアリング支持部材30と表示装置60との間に配置されたセンタフェイスダクト79の空気通路断面積を十分に確保することができる。
【0102】
(第4実施形態)
以下、本実施形態における上記各実施形態との相違点を図8に基づいて説明する。
【0103】
上記第1実施形態では、ステアリングシャフト43を、ステアリング支持部材30に形成された挿入穴に挿入配置させているのに対し、本実施形態では、図8(b)に示すように、ステアリング支持部材30をステアリングシャフト43の下方に位置させている。また、ステアリング支持部材30を車両左右方向(幅方向)に直線的に延びる形状にしている。
【0104】
ところで、ニーエアバッグ装置40は、爆発時に衝撃を吸収するため、ステアリング支持部材30に支持された金属製のブラケット83に固定する必要がある。しかしながら、図8(a)に示すように、ステアリング支持部材30をステアリングシャフト43の上方に位置させた場合には、ニーエアバッグ装置40がステアリング支持部材30から離れた位置となるため、ブレス部材81およびサイドブラケット82にブラケット83を支持させなければならず、ブラケット83が大型化および重量化してしまう。
【0105】
これに対し、本実施形態によれば、ステアリング支持部材30をステアリングシャフト43の下方に位置させているので、ニーエアバッグ装置40をステアリング支持部材30に近づけることができ、ブラケット83をステアリング支持部材30に直接取り付けることができる。よって、ブラケット83の小型化および軽量化を図ることができる。
【0106】
なお、ブレス部材81は、ステアリング支持部材30を下方から支持する金属部材である。また、サイドブラケット82は、ステアリング支持部材30の両端部に固定され、車両ボディーとボルト等により締結されるものである。
【0107】
(第5実施形態)
以下、本実施形態における上記各実施形態との相違点を図9に基づいて説明する。
【0108】
上記第1実施形態では、ステアリングシャフト43を挿入するブラケット部分をステアリング支持部材30とは別体に形成しているが、本実施形態では、図9に示すように、ステアリングシャフト43に挿入穴30bを直接形成し、上記ブラケット部分をステアリング支持部材30に一体的に形成している。
【0109】
(第6実施形態)
以下、本実施形態における上記各実施形態との相違点を図10に基づいて説明する。
【0110】
上記第1実施形態のステアリング支持部材30は、車両幅方向に延びる中空パイプで形成されているが、本実施形態のステアリング支持部材30は、車両幅方向に延びる板材により形成されるとともに、前記幅方向と直交する方向(車両後方側)に開口した開口部30cを有する開断面形状に形成されている。
【0111】
そして、ステアリング支持部材30のうちブレス部材81近傍部分から運転席側のサイドブラケット82近傍部分までを、補強リブ30dで補強している。補強リブ30dは、前記幅方向と直交する方向に拡がる板状であり、ステアリング支持部材30の内部(開口部30cの内側)に複数設けられている。
【0112】
ところで、ステアリング支持部材30のうち助手席正面部分は、助手席側エアバッグ装置41との干渉を避けるためエアバッグ装置41の上方に位置せざるを得ない場合がある。また、ステアリング支持部材30のうち車両幅方向略中央部分は、上記第3実施形態で説明したようにオーディオ機器78の上端よりも下方に位置させると有利な場合が多い。また、ステアリング支持部材30のうち運転席正面部分は、上記第3実施形態で説明したようにステアリングシャフト43の下方に位置させると有利な場合が多い。
【0113】
そして、上述のようにステアリング支持部材30の各部位を配置すると、ステアリング支持部材30の各部位の上下方向位置が異なることとなり、ステアリング支持部材30全体が上下方向に蛇行した形状になる。
【0114】
このように、ステアリング支持部材30を、車両幅方向に直線的に延びる形状ではなく曲がり部の多い複雑な形状に形成しようとした場合において、本実施形態によれば、ステアリング支持部材30を板材による開断面形状に形成しているので、ステアリング支持部材30を金属にてダイキャスト成形することを実現可能にできる。よって、複雑に曲がるステアリング支持部材30の形成を容易にできる。
【0115】
(他の実施形態)
上記各実施形態のステアリング支持部材30は金属製であったが、本発明のステアリング支持部材30は金属製に限られるものではなく、例えば樹脂製であってもよい。また、上記実施形態のステアリング支持部材30は車両左右方向(幅方向)に延びてその両端をAピラーに固定することにより車体の強度部材としても機能しているが、本発明のステアリング支持部材30は少なくともステアリングを支持できる程度の強度を有していればよく、両端をAピラーに固定する場合に限られるものではない。また、上記実施形態のステアリング支持部材30は板状部材により形成されているが、本発明の実施にあたり、ステアリング支持部材30をパイプ部材や棒状部材で形成するようにしてもよい。
【0116】
また、上記各実施形態の空調ユニット10では、ファンケーシング12a、13aと空調ケース11を一体に構成し、内外気切替ケース部17と空調ケース11を一体に構成しているが、本発明の実施にあたり、ファンケーシング12a、13aと空調ケース11を別体に構成してもよいし、内外気切替ケース部17と空調ケース11を別体に構成してもよい。
【0117】
また、上記各実施形態の機能モジュール組付体M1では、収納ケース20およびジャンクションボックス21を樹脂成形により空調ケース11と一体化しているが、本発明の機能モジュール組付体M1は、収納ケース20およびジャンクションボックス21は空調ケース11と樹脂にて一体化するものに限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る機能モジュール組付体M1を示す斜視図である。
【図2】図1の機能モジュール組付体M1を構成する空調ユニットを示す模式図である。
【図3】第1実施形態に係る構造体モジュール組付体M2を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態に係る意匠モジュール組付体M3を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態の効果を説明する図であり、計器盤のうち運転席正面に位置する部分の断面図である。
【図6】計器盤のうち運転席正面に位置する部分の断面図であり、(a)は第2実施形態の効果を説明する図、(b)は第2実施形態を示す図である。
【図7】計器盤のうち車両幅方向略中央部分の断面図であり、(a)は本発明の第3実施形態の効果を説明する図、(b)は第3実施形態を示す図である。
【図8】ステアリング支持部材およびステアリングシャフトを示す斜視図であり、(a)は本発明の第4実施形態の効果を説明する図、(b)は第4実施形態を示す図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係る、ステアリング支持部材およびステアリングシャフトを示す斜視図である。
【図10】本発明の第6実施形態に係るステアリング支持部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…空調ユニット、20…収納ケース(周辺部品)、
21…ジャンクションボックス(周辺部品)、
22…統合電気配線束(周辺部品)、30…ステアリング支持部材、
40…ニーエアバッグ装置、41…助手席側エアバッグ装置、50…計器盤、
60…表示装置、61…計器、M1…機能モジュール組付体、
M2…構造体モジュール組付体、M3…意匠モジュール組付体。
Claims (19)
- 空調空気を温度調整して車室内へ吹き出す空調ユニット(10)と、当該空調ユニット(10)周辺の部品(20、21、22)とを一体に組み付けてモジュール化した機能モジュール組付体(M1)と、
ステアリングシャフト(43)を支持するステアリング支持部材(30)と、車両衝突時に乗員を保護するエアバッグ装置(40、41)とを一体に組み付けてモジュール化した構造体モジュール組付体(M2)と、
表示装置(60)および計器(61)のうち少なくとも1つと、計器盤(50)とを一体に組み付けてモジュール化した意匠モジュール組付体(M3)とに分けてモジュール化したことを特徴とする車両用コクピット部品のモジュール構造。 - 前記ステアリング支持部材(30)は、車両のAピラーに支持固定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。
- 前記計器盤(50)を上側計器盤(50)とし、
前記構造体モジュール組付体(M2)に下側計器盤(50)を一体に組み付けてモジュール化し、
前記意匠モジュール組付体(M3)および前記構造体モジュール組付体(M2)を車両に組み付けた状態では、前記上側計器盤(50)と前記下側計器盤(50)とは接合して一体の意匠面を形成し、
前記上側計器盤(50)は前記意匠面の上側部分を形成し、前記下側計器盤(50)は前記意匠面の下側部分を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。 - 前記下側計器盤(50)に、前記ステアリング支持部材(30)としての機能を兼ねさせることを特徴とする請求項3に記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。
- 車室内に向けて空調風を流通させる第1空調ダクト(51、52、53、54)を、前記意匠モジュール組付体(M3)に一体に組み付けてモジュール化したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。
- 前記エアバッグ装置(40、41)は、助手席側の乗員を保護する助手席側エアバッグ装置(41)および乗員の膝部を保護するニーエアバッグ装置(40)のうち少なくとも一方であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。
- 前記ステアリングシャフト(43)およびグローブボックス(42)のうち少なくとも1つを、前記構造体モジュール組付体(M2)に一体に組み付けてモジュール化したことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。
- 前記周辺の部品は、電子制御機器を収納する収納ケース(20)、ジャンクションボックス(21)、ワイヤハーネス(22)および第2空調ダクト(11g〜11j)のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。
- 前記空調ユニット(10)は空気通路を形成する樹脂製の空調ケース(11)を備え、
電子制御機器を収納する収納ケース(20)およびジャンクションボックス(21)のうち少なくとも一方を、前記空調ケース(11)に樹脂成形により一体化したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。 - 前記ステアリング支持部材(30)のうち前記ステアリングシャフト(43)を支持する部分を、前記ステアリングシャフト(43)の下方に位置させたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。
- 前記ステアリング支持部材(30)に形成された挿入穴(30b)に前記ステアリングシャフト(43)を挿入配置させたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。
- 前記ステアリング支持部材(30)のうち車両幅方向の略中央部分を、前記計器盤(50)のうち車両幅方向の略中央部分に搭載されたオーディオ機器(78)の上端よりも下方に位置させたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。
- 前記ステアリング支持部材(30)は、車両幅方向に延びる筒形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。
- 前記ステアリング支持部材(30)は、車両幅方向に延びる板材により形成されるとともに、前記幅方向と直交する方向に開口した開口部(30c)を有する開断面形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。
- 前記ステアリング支持部材(30)のうち前記ステアリングシャフト(43)を支持する部分に、前記幅方向と直交する方向に拡がる板状の補強リブ(30d)を、前記開口部(30c)の内側に設けたことを特徴とする請求項14に記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。
- 前記ステアリング支持部材(30)の材質を、アルミニウムおよびマグネシウムのうち少なくとも一方としたことを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1つに記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。
- 前記ステアリング支持部材(30)をダイキャストにて形成したことを特徴とする請求項16に記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。
- 前記ステアリング支持部材(30)のうち、前記ステアリングシャフト(43)を支持する部分の材質を金属製とし、その他の部分の材質を樹脂製としたことを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1つに記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。
- 前記ステアリング支持部材(30)を車両ボディーに組み付けるためのサイドブラケット(82)、前記ステアリング支持部材(30)を下方から支持するブレス(81)、ブレーキペダル、アクセルペダルおよびクラッチペダルのうち少なくとも1つを、前記ステアリング支持部材(30)に支持させることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1つに記載の車両用コクピット部品のモジュール構造。
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