JP2004197040A - 射出用塩化ビニル系樹脂組成物および成形品 - Google Patents

射出用塩化ビニル系樹脂組成物および成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】防音性に優れ、柔軟性、機械的強度、成形性、製品外観にも優れた塩化ビニル系樹脂組成物、特に自動車内装材料、建材などに有用な塩化ビニル系樹脂組成物およびその成形品を提供すること。
【解決手段】平均重合度1,300〜5,000の塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、可塑剤30〜400重量部、一次粒子径0.1〜10μmの範囲内でpH5.0〜9.0の硫酸バリウム100〜1,000重量部、メタクリル酸メチル系共重合体1〜30重量部、及び滑剤2〜10重量部を配合してなる射出用塩化ビニル系樹脂組成物である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防音性に優れ、柔軟性、機械的強度、成形性、製品外観にも優れた射出用塩化ビニル系樹脂組成物(以下、単に塩化ビニル系樹脂組成物とする)、特には自動車内装材料、建材などに有用な塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の車内や住宅の室内は静粛性が求められ、外部からの音または外部へ漏れる音に対する低減の検討が行われている。
自動車の車内の場合には、走行時に発生する異音、外部からの騒音、エンジンルームから発生するエンジン音を防ぐために防音材や吸音材など様々な検討が行われている。特に、エンジン音は大きな騒音であり、車内とエンジンルームの間には防音材から成形されたダッシュパネルが装備されており、この遮音対策は重要視されている。
住宅の室内などの場合も静かで快適な空間が求められ、ペアガラスや気密材、防音壁などの防音対策が施されている住宅が増大している。
【0003】
しかし、自動車の車内のダッシュパネルにはステアリング、各種ケーブルやコード類を通すための貫通孔が設けられており、ステアリングシャフト、ブレーキ、アクセル、シフトレバーなどはそれらの隙間からエンジンルームや外部の音が漏れる可能性がある。また、住宅の室内もエアコンの排水ホース、換気扇などの隙間から音が漏れる可能性がある。通常これらにはカバー材やシールド材が使用されている場合が多いが、カバー材やシールド材は防音効果のある材料ではなく、一般的な軟質塩化ビニル樹脂やゴムが使用されている。
【0004】
これらのカバー材やシールド材について、形状のフレキシブル性や共振現象による遮音性の低下を防止するためには、柔軟性に富むものが好ましく、また製品外観やある程度の機械的強度が求められる。それに対応する防音効果のある材料としては、軟質塩化ビニル樹脂やゴムに高密度の硫酸バリウムなどを大量に練りこんだものが主流となっている(例えば、参考文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−20572号公報(段落番号[0012]〜[0013])
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のカバー材やシールド材などのように、軟質塩化ビニル樹脂やゴムに高密度の硫酸バリウムなどを大量に練りこんだものを用いた場合、柔軟性、製品外観、機械的強度が大幅に低下したものとなってしまう。また成形性に関しても、離型性や溶融強度の低下から射出成形ができる材料ではなかった。
従って、本発明の目的は、前述した従来技術の問題点を解決し、防音性に優れ、柔軟性、機械的強度、成形性、製品外観にも優れた塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形品を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、塩化ビニル系樹脂に特定の硫酸バリウム、可塑剤、メタクリル酸メチル系共重合体及び滑剤を特定の割合で添加配合することにより、上記問題点を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、平均重合度1,300〜5,000の塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、可塑剤30〜400重量部、一次粒子径0.1〜10μmの範囲内でpH5.0〜9.0の硫酸バリウム100〜1,000重量部およびメタクリル酸メチル系共重合体1〜30重量部、滑剤2〜10重量部を配合してなるものである。
また、上記組成物からなる成形品は、表面硬度(JIS K 7215 タイプAによる)が40〜80で、密度は1.7〜4.0g/cm3であることが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明に用いられる塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル単独重合体、50重量%以上の塩化ビニル単量体と、これと共重合可能なビニル系単量体との共重合体、またはこれら以外の重合体に塩化ビニル単量体をグラフト重合させたグラフト共重合体などが例示されるが、これらの内では塩化ビニル単独重合体が好ましい。
これらの塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、成形性と機械的物性とのバランスから平均重合度が1,300〜5,000、好ましくは2,000〜4,000のものが使用される。この平均重合度が1,300未満では機械的強度が低くなり、製品強度に劣るという問題があり、また溶融強度も低下するため、金型から取り出す時の製品の裂けや型くずれを起こしやすいという問題もあり好ましくない。逆に平均重合度が5,000を超えると極端に流動性が低下し、フローマークなどが発生し製品外観を損ねてしまう。
【0009】
上記した共重合体における塩化ビニル単量体と共重合可能なビニル系単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエステル類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアクリル酸のエステル類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどのメタクリル酸のエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニルオクチルエーテルなどのビニルエーテル類;エチレン、プロピレン、ブチレンなどのα−オレフィン類;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、などの不飽和カルボン酸又はその酸無水物類;塩化ビニリデン、臭化ビニル、各種ウレタンなどが挙げられ、これらは1種単独または2種以上の組み合わせで用いられる。
【0010】
塩化ビニル単量体とグラフト重合可能な重合体としては、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート・一酸化炭素共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・α−メチルスチレン共重合体、ポリブチルアクリレート、ブチルゴム、ポリスチレン、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリルゴムなどが挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上組み合わせてもよい。また、これらは上記塩化ビニル単量体と共重合可能な不飽和基を1個以上有する単量体と併用してもよい。
【0011】
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物において、第2成分として用いられる可塑剤としては、上記で例示した塩化ビニル系樹脂と相溶性のあるものであればよく、これには例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル(以下、DINPとする)、フタル酸ブチルベンジルまたは炭素数11〜13程度の高級アルコールのフタル酸エステルなどのフタル酸エステル類;アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、セバシン酸ジブチルなどの脂肪族二塩基酸エステル類;リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−n−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニルなどのリン酸エステル類;トリメリット酸−トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリブチルなどのトリメリット酸エステル類;ペンタエリスリトールエステル、ジエチレングリコールベンゾエートなどのグリコールエステル類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などのエポキシ化エステル類;アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリオクチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレートなどのクエン酸エステル類;テトラ−n−オクチルピロメリテート、ポリプロピレンアジペート、その他のポリエステル系可塑剤などが挙げられ、これらは1種単独または2種以上の組み合わせで使用される。これらの中でも機械的強度、耐候性等を考慮するとフタル酸エステル類が好ましく採用される。
また、上記で例示した可塑剤は、上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、30〜400重量部、好ましくは100〜300重量部の範囲で添加配合される。この添加量が30重量部未満では十分な柔軟性が得られず、また流動性も悪くなるので好ましくなく、逆に400重量部を超えると強度が低下して破損する虞があると共に、ブリードアウトを起こしベタツキ感を生じるため好ましくない。
【0012】
本発明において、第3成分として用いられる硫酸バリウムとしては、通常市販されているもので構わないが、一次粒子径0.1〜10μmの範囲内でpH5.0〜9.0のものが使用される。
硫酸バリウムの一次粒子径が0.1μm未満のものでは、粒径の細かい硫酸バリウムが2次凝集を起こし、配合物のブロッキングや金属への粘着と言った問題があり、成形性を悪くしてしまう。逆に一次粒子径が10μmを超えた場合には、物性低下および製品外観を損ねるので、一次粒子径は、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmの範囲内である。
【0013】
また、硫酸バリウムのpH値は、JIS K5101に準拠した煮沸法によって測定される。このpH値の変化によって樹脂の熱安定性を疎外する虞もあるため、pH値は5.0〜9.0、好ましくは6.5〜8.5の範囲内であることが重要であり、このpH値が7.0に近い方がプラスチックへの分散性が優れ、離れるにしたがって分散性が悪くなる傾向になる。
さらに硫酸バリウムはシリカ、アルミナなどで表面処理されたものも使用できるが、塩化ビニル系樹脂に対しては未処理品の方が分散性が良い。
【0014】
本発明に用いられる第4成分としてのメタクリル酸メチル系共重合体は、メタクリル酸メチルとアクリル酸エステルの共重合体であり、メタクリル酸メチルと重合されるアクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルなどが挙げられ、これらは1種単独または2種以上の組み合せで使用される。
これらのメタクリル酸メチル系共重合体の重量平均分子量は、300万以上のものを使用した方が分散性、溶融強度が高まるのでより好ましい。また、これらのメタクリル酸メチル系共重合体は、上記の塩化ビニル系樹脂100重量部に対して1〜30重量部、好ましくは3〜10重量部の範囲内で添加配合される。これが1重量部未満では機械的強度、溶融強度が不足してしまうという不利があり、逆に30重量部を超えると流動性を損ねてしまうので好ましくない。
【0015】
本発明に用いられる第5成分としての滑剤は、通常市販されているもので構わないが、例えば、低分子ワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、流動パラフィンなどの脂肪族炭化水素系滑剤;ステアリルアルコールなどの高級脂肪族アルコール系滑剤;ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレンビステアロアミドなどの脂肪族アミド系滑剤;モノステアリン酸グリセリン、ジアミノステアリン酸エチル、ブチルステアレートなどの脂肪酸エステル系滑剤;あるいは金属石けんなどが挙げられ、これらは1種単独または2種以上の組み合わせで使用される。
本発明に用いられる滑剤は、主に分散性と金属との離型性のために添加されるものであり、特に外部滑性の高い滑剤、具体的には、ポリエチレンワックス、パラフィンワックスがより好ましく採用される。
また、これらの滑剤は、上記の塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、2〜10重量部、好ましくは3〜8重量部の範囲内で添加配合される。これが2重量部未満では分散性や離型性が不足してしまうという不利があり、逆に10重量部を超えるとゲル化性が低下して加工性を著しく悪くするので好ましくない。
【0016】
本発明に用いられる塩化ビニル系樹脂組成物には、上記各成分の他に、必要に応じて塩化ビニル系樹脂に一般に使用される安定剤、改質剤、充填剤、発泡剤、着色剤などを、本発明の目的を損なわない範囲で添加配合することができる。
安定剤としては、例えば、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、鉛白、鉛のラウレートまたはステアレートなどの鉛系安定剤;ブチル錫マレート、オクチル錫マレート、ジ−n−アルキル錫メルカプチド、ジ−n−アルキル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫ラウリルメルカプチド、ジオクチル錫S,S’−ビス−(イソオクチルメルカプトアセテート)、ジブチル錫ビス−イソオクチルチオグリコレート、ジ−(n−オクチル)錫マレートポリマー、ジブチル錫メルカプトプロピオナートなどの錫系安定剤;カルシウム、カドミウム、バリウムまたは亜鉛のラウレートまたはステアレートなどの有機金属塩系安定剤及び金属石ケン系安定剤;アンチモンメルカプトカルボン酸塩またはエステル塩のようなアンチモン系安定剤;ホスフェート系安定剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などのエポキシ化油安定剤、BHT、硫黄、メチレン基などで二量体化したビスフェノールなどのヒンダートフェノール、サリチル酸エステル、ベンゾフェノン、べンゾトリアゾールなどの紫外線吸収剤が挙げられ、これらは1種単独または2種以上の組み合せで使用される。
【0017】
改質剤としては、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、塩素化ポリエチレン、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリルゴムなどの耐衝撃改良剤;ポリメチルメタクリレートなどのゲル化促進剤;メチルメタクリレート・アクリル酸エステル共重合体、その他マレイミドを使用した共重合体などの耐熱改質剤;三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、アンチモン酸ソーダ、リン酸エステルおよびリン酸化合物、塩素化パラフィン、塩素化オレフィン、ヘキサブロモベンゼンなどの難燃化剤;部分架橋NBR、アクリルゴム、ポリウレタンなどの弾性付与剤;さらには発泡剤、帯電防止剤、界面活性剤、導電性付与剤などの中から任意に選択し、1種単独または2種以上の組み合せで使用される。
【0018】
充填剤としては、例えば、炭酸マグネシウム、ドーソナイトなどの炭酸塩系;シリカ、ケイ藻土、酸化チタンなどの酸化物系;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物系;硫酸カルシウムなどの(亜)硫酸塩系;タルク、クレー、マイカ、ケイ酸カルシウムなどのケイ酸塩系;カーボンブラック、グラファイトなどの炭素系;中空または中実ガラスビーズ、ガラス短繊維、金属繊維、カーボン短繊維、カーボン繊維などの無機繊維系;鉄粉、銅粉などの金属粉系;ポリイミド、シリコーンなどの耐熱性樹脂などが挙げられ、これらは1種単独または2種以上の組み合せで使用される。
【0019】
着色剤としては、通常、プラスチックの着色に慣用されているものの中から任意のものを選択して用いることができる。このような着色剤としては、例えば、アルミニウム粉、ブロンズ粉などの金属粉類、カーボンブラックなどの炭素塩類、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラなどの酸化物類、沈降性硫酸バリウムなどの硫酸塩類、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの炭酸塩類、クレー、群青などのケイ酸塩類、黄鉛などのクロム酸塩類、コバルトブルーなどのアルミン酸塩類、紺青などのフェロシアン化合物類などの無機顔料;トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB、ジスアゾイエローAAA、レーキレッドCなどのアゾ顔料類、フタロシアニンブルー、インダントロンブルー、キナクリドンレッドなどの多環式顔料類、ビクトリアピュアブルーBOレーキ、アルカリブルートナーなどの染付レーキ類、アジン顔料類、蛍光顔料類などの有機顔料および塩基性染料、酸性染料、油溶染料、分散染料などの染料が挙げられ、これらは1種単独または2種以上の組み合せで使用される。
【0020】
発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾイソブチロニトリル(AIBN)、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド(TSH)などが挙げられる。
【0021】
このような上記各成分からなる塩化ビニル系樹脂組成物は、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等の混合機によって混合された後、バンバリーミキサー、ミキシングロール、単軸または二軸押出機などにより混練し、造粒される。これを通常用いられている方法及び条件で射出成形することにより、目的とする自動車内装材料、建材などのシール材、パッキン材などの成形品を作製することができる。
【0022】
本発明は、上記組成物を成形して得られる成形品が、特定の表面硬度と密度を有するものであることが望ましい。
防音効果として、透過損失の大きいものが良く、透過損失は密度(面密度)を高めることが最も好ましい。このような成形品の密度範囲は、1.7〜4.0g/cm3であることが好ましい。この密度が1.7g/cm3未満では防音効果が得られず、逆に4.0g/cm3を超えると、過剰に硫酸バリウムを添加しなければならず、柔軟性、機械的強度、成形性などが悪くなり好ましくない。
また、この成形品の表面硬度は、JIS K 7215 タイプAに準拠して測定され、この値が40〜80の範囲内が好ましく、この値が40未満であると、機械的強度が低く、成形性が悪くなるという不利があり、逆にこの値が80を超えると、シール材、パッキン材としての柔軟性が不足するという不利があるので好ましくない。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の具体的態様を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。
表1および表2に示した処方の各成分(重量部)を、容量20リットルのヘンシェルミキサーに投入して混合し、その混合物をL/D=22、圧縮比3.0のフルフライトスクリューを使用した50mm二軸押出機にて造粒して試料(ペレット)を得た。これらの試料について、以下のような試験方法により評価を行い、その結果を表1及び表2に示した。
なお、各成分の明細は下記のとおりである。
【0024】
[射出シートの作成]
得られた試料(ペレット)を80tの汎用射出成形機により、樹脂温度190℃にて射出成形し、所定の時間冷却した後、その成形体を金型から取り出し、射出シートを作製した。
【0025】
(成分の明細)
・塩化ビニル系樹脂(表中、PVCとする):TK−2500PE(信越化学工業社製、商品名、平均重合度3,000)
・塩化ビニル系樹脂(表中、PVCとする):TK−1000(信越化学工業社製、商品名、平均重合度1,000)
・可塑剤:DINP(新日本理化杜製、商品名)
・エポキシ化大豆油:O−130P(旭電化工業社製、商品名)
・硫酸バリウムA:B−54(堺化学工業社製、商品名、一次粒子径1.2μm、pH7.5)
・硫酸バリウムB:B−55(堺化学工業社製、商品名、一次粒子径0.66μm、pH7.0)
・硫酸バリウムC:BF−20(堺化学工業社製、商品名、一次粒子径0.03μm、pH9.6)
・メタクリル酸メチル共重合体(表中、PMMA−1とする):メタブレンP−530A(三菱レーヨン社製、商品名、重量平均分子量310万)
・滑剤A:VPN−963(コグニスジャパン社製、商品名、エステル系ワックス)
・滑剤B:AC−6A(アライドケミカル社製、商品名、ポリエチレンワックス)
・Ba−Zn系安定剤:AC−255(旭電化工業社製、商品名)
・BLACK顔料:DAP−4710(大日精化工業社製、商品名)
【0026】
(試験方法の明細)
▲1▼.成形性:
上記の射出シートの成形において、射出成形した時の成形性(流動性)を下記の評価基準で評価し、その結果を表1および表2に示した。
○:全く問題なく成形することができる。
×:成形が困難である。(離型不良、焼け不良、製品の裂けや変形不良)
【0027】
▲2▼.製品外観:
上記で作製した射出シートの表面を目視にて観察し、下記の評価基準で表し、その結果を表1および表2に示した。
○:全く外観に問題はなかった。
×:硫酸バリウムの分散不良物が見られる。
【0028】
▲3▼.引張試験:
得られた試料(ペレット)を3.5インチテストロール(2本)を用いて150℃で7分間混練してロールシート成形物を得た。これを鏡面板で挟持して170℃で4分間予熱した後、100kg/cm2の圧力で4分間加圧して120×120×1.0mmの試料(シート)を得た。この試料(シート)からダンベル2号形で打ち抜き、25mmの標線を記入して試験片とした。引張試験機により23℃にて200mm/minの速さで引張り、試験片が破断するのに要する最大荷重および破断時の標線間距離を測定し、引張強さおよび伸び率を算出し、その結果を表1および表2に示した。
【0029】
▲4▼.表面硬度:
上記引張試験で作製した試料(シート)を採取し、それを重ねて6mm以上とした試験片を自動硬度計(高分子計器社製)にて表面硬度を測定した(JIS K 7215タイプA 直後)。
【0030】
▲5▼.密度:
上記引張試験で作製した試験片から30×30×1.0mmの試料を採取し、自動比重計(東洋精機製作所社製)にて密度を測定し、その結果を表1および表2に示した。
【0031】
【表1】
Figure 2004197040
【0032】
【表2】
Figure 2004197040
【0033】
[評価の結果]
表1の結果から明らかなように、本発明の実施例では、密度が1.7〜4.0g/cm3の範囲内であり、防音効果を有すると共に、柔軟性、機械的強度、成形性、製品外観にも優れているのに対し、表2の結果に示す比較例では、上記評価のいずれかに欠点があり、望ましいものではなかった。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、自動車の車内や住宅の室内の静粛性を高め、防音性に優れると共に、柔軟性、機械的強度、成形性、製品外観にも優れた塩化ビニル系樹脂組成物とその成形品を提供できるので、産業上の利用価値は極めて高い。

Claims (2)

  1. 平均重合度1,300〜5,000の塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、可塑剤30〜400重量部、一次粒子径0.1〜10μmの範囲内でpH5.0〜9.0の硫酸バリウム100〜1,000重量部、メタクリル酸メチル系共重合体1〜30重量部、及び滑剤2〜10重量部を配合してなることを特徴とする射出用塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の射出用塩化ビニル系樹脂組成物を成形してなり、表面硬度(JIS K 7215 タイプAによる)が40〜80で、密度が1.7〜4.0g/cm3であることを特徴とする成形品。
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