JP2004201360A - コンバータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電流検出器やゲートパルス信号を制御する制御装置を設けないで、ユニット間の循環電流を抑制し、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置を提供する。
【解決手段】独立して制御され、交流を直流に変換する複数の変換器ユニットを並列接続した構成とし、複数の変換器ユニットの1ユニットを除く各変換器ユニットの入力側に、複数の同一巻数のコイルを巻回し、互いに磁気的に結合された電流平衡器を配置し、この電流平衡器の各コイルを変換器ユニットの入力側接続線の各線に直列接続した構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】独立して制御され、交流を直流に変換する複数の変換器ユニットを並列接続した構成とし、複数の変換器ユニットの1ユニットを除く各変換器ユニットの入力側に、複数の同一巻数のコイルを巻回し、互いに磁気的に結合された電流平衡器を配置し、この電流平衡器の各コイルを変換器ユニットの入力側接続線の各線に直列接続した構成とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、独立して制御され、交流を直流に変換する複数の変換器ユニットが並列接続されたコンバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば複数の単位インバータが並列接続されたインバータ装置における単位インバータの出力電流の不平衡を抑制する制御方法が特許文献1に示されている。
このインバータ装置では、各単位インバータの出力電流瞬時値を検出する出力電流検出器、各単位インバータに共通のPWM制御信号を発生するPWM信号発生回路、オフ時間の上限値と下限値との信号をPWM制御信号のレベル変化時に発生するオフ時間限度値発生回路、各単位インバータの内その出力電流瞬時値の絶対値が最小となるもののオフ時間を下限値とし、他の単位インバータのオフ時間を上限値の範囲内において当該単位インバータの出力電流絶対値と絶対値最小の単位インバータの出力電流絶対値とが等しくなった時点で終了するよう各単位インバータのオフ時間信号を発生するオフ時間信号発生回路、およびPWM制御信号とオフ時間信号とから各単位インバータ各アーム素子へのゲートパルス信号を発生するゲートパルス信号発止回路を備えた構成としている。
【0003】
この構成では、各単位インバータの出力電流のアンバランス量を出力電流の最も小さい単位インバータの出力電流を基準にして検出し、出力電流最小の単位インバータのアーム素子のオフ時間をその下限値に設定するとともに、これより出力電流の大きい単位インバータのアーム素子のオフ時間を出力電流のアンバランス量に応じて下限値より大きく設定することにより、これらオフ時間のずれに伴う単位インバータ相互間に流れる循環電流を利用して出力電流の不平衡を抑制している(特許文献1、図1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−153518号公報(第4頁および図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
独立して制御される複数の単位インバータのユニットを組み合わせたインバータ装置においては、ユニット間のキャリア位相の違いにより、出力電流の単位インバータの相互間に循環電流が流れて、各ユニットの出力電流に不平衡が生じるが、従来のインバータ装置では、各ユニットの出力電流を検出し、各ユニット毎に電流平衡がとれるようにアーム素子のゲートパルス信号を制御して循環電流を抑制する方法が採られている。このために電流検出器や制御装置が必要となり、コストが高くなる問題点があった。また、変化が早い循環電流に対して制御装置の制御応答が追従しないために循環電流が細かく抑制できず、出力電流制御が正常に動作しない問題点もあった。複数の単位コンバータを組み合わせたコンバータ装置においても上記インバータ装置と同様の問題点がある。
【0006】
この発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、コンバータ装置において、電流検出器やゲートパルス信号を制御する制御装置を設けないで、ユニット間の循環電流を抑制し、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るコンバータ装置は、独立して制御され、交流を直流に変換する複数の変換器ユニットを並列接続した構成とし、複数の変換器ユニットの1ユニットを除く各変換器ユニットの入力側に、複数の同一巻数のコイルを巻回し、互いに磁気的に結合した電流平衡器を配置し、この電流平衡器の各コイルを変換器ユニットの入力側接続線の各線に直列接続したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は実施の形態1のコンバータ装置の構成を示す回路図である。この構成は単相交流電源に接続され、交流を直流に変換して出力するものであり、2つの単相交流を直流に変換する変換器ユニット11、12が並列接続され、入力側は交流電源1に接続され、出力側にはバッテリ電源2および負荷3に接続されている。変換器ユニット11は、自己消弧形半導体素子Q1、Q2、Q3、Q4とダイオードD1、D2、D3、D4の組み合わせが、Q1とD1、Q2とD2、Q3とD3、Q4とD4の組合せで並列接続された変換素子がブリッジ接続され、出力側にコンデンサCが接続された構成である。変換器ユニット12は、変換器ユニット11と同一の構成である。変換器ユニット11の入力側2線それぞれに、同一巻数の2つのコイルが巻回され、磁気的に結合された電流平衡器15のコイルが直列接続されている。変換器ユニット11、12の制御は、それぞれ独立した図示していない制御装置で制御される。
【0009】
変換器ユニット11と変換器ユニット12を並列接続したことによる生じる循環電流Ijを抑制する電流平衡器15が変換器ユニット11の入力側に直列に接続されている。電流平衡器15は、同一巻数の2つのコイルが巻回され互いに磁気的に結合された構成とし、2つのコイルは変換器ユニット11の入力側の各線にそれぞれ直列に接続している。このように電流変換器15を接続すると、変換器ユニット11の入力側の各線の電流を平衡させる働きをするものであり、図1に示す2つの変換器ユニットの間に流れる循環電流Ijを抑制することができる。
【0010】
変換器ユニット11と変換器ユニット12は、それぞれ独立した制御装置により制御され、それぞれの制御装置の制御信号が同一であってもキャリア信号にはどうしても位相のずれが生じるので、図1に示す循環電流Ijが流れる。その循環電流Ijが流れるメカニズムについて、図2のハーフブリッジインバータで説明する。
図2(a)は説明回路図、図2(b)は信号の位相の関係を示す位相説明図である。図2において、変換器ユニット11および変換器ユニット12はハーフブリッジとしているが図1の変換器ユニット11および12と同一機能である。変換器ユニット11はキャリア信号S1、制御信号S2との比較によるPWM波形により、±Edの出力電圧S3の波形の電圧が出力される。変換器ユニット12においても、変換器ユニット11とは別のキャリア信号S5、制御信号S6との比較により±Edの出力電圧S7の波形の電圧が出力される。変換器ユニット11の制御信号S2と変換器ユニット12の制御信号S6が一致した場合においても、キャリア信号S1とキャリア信号S5の位相がずれていると出力電圧S3とS7がずれ、その結果直流側と交流側で変換器ユニット11と変換器ユニット12との間には、±2Edのユニット間の電圧差S9が生じて、図1に示す循環ループで循環電流Ijが流れる。この循環電流Ijによって、変換器ユニット11と変換器ユニット12の間に出力電流の不平衡が生じることになる。
【0011】
この循環電流Ijのループと、循環電流が流れていないループの2線の間に、電流平衡器15の2つのコイルをそれぞれに直列接続することで、循環電流Ijが抑制され、各変換器ユニット11および変換器ユニット12のそれぞれの入力電流および出力電流が平衡させることができる。
【0012】
電流変換器15の配置位置は、循環電流Ijが変換器ユニット11と変換器ユニット12にまたがったループであり、この循環電流のループの中に電流変換器15を配置することで、循環電流Ijが抑制されされる。
実施の形態1では、変換器ユニット11の交流入力側の各線に電流変換器15の2つのコイルをそれぞれ直列に接続することにより、変換器ユニット11と12のキャリア信号の位相のずれによって生じる循環電流Ijを抑制した構成としたことにより、変換器ユニット11と変換器ユニット12の間の出力電流の不平衡が抑制される。
【0013】
このように電流平衡器15を設けた構成にすると、従来のように、電流検出器やゲートパルス信号を制御する制御装置を設けないで、ユニット間の循環電流が抑制し、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置が構成できる。
【0014】
実施の形態2.
実施の形態2のコンバータ装置の回路図を図3に示す。実施の形態2は、電流平衡器を出力側に配置した構成である。図3の構成は、図2の構成とは電流平衡器16を直流の出力側に配置した点が異なり、それ以外の交流電源1、バッテリ電源2、負荷3および変換器ユニット11、変換器ユニット12は実施の形態1の図1と同一である。電流平衡器16は、2つのコイルの巻数を同一とし、各コイルを互いに磁気的結合する点は同一であり、印加電圧が直流電圧となる点のみが異なるものであり、直流用として製作する必要があるが、実際には同一の構成である。
【0015】
このように電流変換器16を変換器ユニット11の出力側に配置することで、変換器ユニット11と変換器ユニット12のキャリア信号の位相のずれにより循環電流Ijを抑制した構成となり、実施の形態1と同様に電流検出器やゲートパルス信号を制御する制御装置を設けないで、ユニット間の循環電流が抑制し、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置が構成できる。
【0016】
実施の形態3.
実施の形態3のコンバータ装置の回路図を図4に示す。実施の形態3は、変換器ユニットを3ユニットとし、電流平衡器を交流側に配置した構成である。図4の構成は、実施の形態1の図1の構成に変換器ユニット13を追加した点が相違する部分であり、その他の交流電源1、変換器ユニット11、変換器ユニット12、バッテリ電源2および負荷3は、実施の形態1と同一である。
【0017】
変換器ユニットを3ユニットにすると、キャリア信号に位相のずれにより循環電流Ijのループは、変換器ユニット11と変換器ユニット12との間、変換器ユニット12と変換器ユニット13、変換器ユニット13と変換器ユニット11との間のそれぞれに流れるので、いずれの循環電流ルートにも電流平衡器が配置されているようにするためには、3つの変換器ユニット11、12、13の3ユニットの内、2ユニットに電流平衡器15を配置すれば循環電流が流れるすべてのルートに対応できる構成となる。
【0018】
このように変換器ユニットが3ユニットの構成では、3ユニットの内の1ユニットを除く2ユニットに電流変換器を設けることで、各ユニット間のキャリア信号の位相のずれにより生じる循環電流が抑制できる構成となり、実施の形態1と同様に電流検出器やゲートパルス信号を制御する制御装置を設けないで、ユニット間の循環電流が抑制し、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置が構成できる。
【0019】
上記は変換器ユニットが3ユニットが並列接続される場合について説明したが、それ以上の変換器ユニットの場合は、ユニット数をNとすると、ユニット数Nに対して1ユニットを減じたN−1のユニットに電流平衡器を配置することで、キャリア信号に位相のずれにより循環電流が抑制され、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置が構成できる。
【0020】
実施の形態4.
実施の形態4のコンバータ装置の回路図を図5に示す。実施の形態4は、3相交流電源電源に接続され場合の構成である、回路構成は、独立して制御される2つの3相交流を直流に変換する変換器ユニット21、22を並列接続し、入力側は3相交流電源20に接続され、出力側にはバッテリ電源2および負荷3に接続された構成である。変換器ユニット21は、自己消弧形半導体素子Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6とダイオードD1、D2、D3、D4、D5、D6の組み合わせが、Q1とD1、Q2とD2、Q3とD3、Q4とD4、Q5とD5、Q6とD6の組合せで並列接続された変換素子が接続され、出力側にコンデンサCが接続された構成である。変換器ユニット22は、変換器ユニット21と同一の構成である。変換器ユニット21の入力側に3相用の電流平衡器25を配置し、変換器ユニット21、22の制御は、それぞれ独立した図示していない制御装置で制御される。電流平衡器25は、3つの同一巻数のコイルを設け、各コイル間は互いに磁気的結合した構成である。
【0021】
3相交流を直流に変換する独立して制御される変換器ユニットの場合にもキャリア信号の位相のずれにより生じる循環電流は単相の場合と同様に生じるものであり、3相交流の入力側に3相用の電流平衡器25を変換器ユニット21の入力側に配置し、この電流平衡器25の各コイルを入力側の各線に直列に接続することで、循環電流を抑制することができる。
【0022】
3相の場合の循環電流は、いずれかの相に循環電流が生じた場合の循環電流ルートは生じた相と他の2相に分流するルートとなり、3相電流平衡器25により循環電流が抑制され、変換器ユニット21と変換器ユニット22の間の出力電流の不平衡が抑制される。
【0023】
このように電流平衡器25により、循環電流Ijを抑制する構成にすると、上記の単相電源に接続される場合と同様に、電流検出器やゲートパルス信号を制御する制御装置を設けないで、ユニット間の循環電流が抑制し、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置が構成できる。
【0024】
3相交流電源に接続される場合で、並列接続する変換器ユニットを3ユニットを越えるユニット数にする場合は、単相の場合と同様に、ユニット数Nに対して1ユニットを減じたN−1のユニットに電流平衡器を配置することで、キャリア信号に位相のずれにより循環電流が抑制され、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置が構成できる。
【0025】
実施の形態5.
実施の形態5のコンバータ装置の回路図を図6に示す。実施の形態5は、交流側が3相であり、電流平衡器を出力側に配置した構成である。図6の構成は実施の形態4の図5の構成とは電流平衡器を直流用として出力側に配置した点が異なり、交流電源1、バッテリ電源2、負荷3および変換器ユニット21、変換器ユニット22は実施の形態4の図5と同一である。電流平衡器26の構成は、2つのコイルの巻数を同一とし、各コイルを互いに磁気的結合した構成であり、上記の実施の形態2の電流平衡器16と同一である。
出力側に電流変換器26を設けると、実施の形態2の単相の場合と同じ構成することができるため、実施の形態4の3相電源の場合の電流変換器25に比較して簡単な構成の電流変換器26となって装置として小型に構成できるメリットがあり、上記の実施の形態1〜4と同様に、キャリア信号に位相のずれにより循環電流を抑制し、出力電流の不平衡を抑制することができる。
【0026】
実施の形態6.
実施の形態6のコンバータ装置の回路図を図7に示す。実施の形態6は、交流側が3相であり、変換器ユニットを3ユニットとし、電流平衡器を出力側に配置した構成である。
回路構成は独立して制御される3つの3相の変換器ユニット21、22、23を並列接続し、入力側は3相交流電源に接続し、変換器ユニット21および変換器ユニット23の出力側に3相の電流平衡器26を設け、負荷に接続している。変換器ユニット21、22、23および電流変換器26は実施の形態5と同一である。
【0027】
変換器ユニットを3ユニットにすると、キャリア信号の位相のずれにより生じる循環電流Ijのループは、変換器ユニット21と変換器ユニット22との間、変換器ユニット22と変換器ユニット23との間、変換器ユニット23と変換器ユニット21との間、それぞれに流れるので、いずれの循環電流ルートにも電流平衡器が配置されているようにするためには、3つの変換器ユニット21、22、23の3ユニットの内、2ユニットに電流平衡器26を配置すれば循環電流が流れるすべてのルートに対応できる状態となる。
【0028】
並列接続する変換器ユニット数が3以上のときは、1ユニットを除く他のユニットに電流平衡器26を配置すれば、循環電流Ijルートすべてに対応できる構成となる。実施の形態5と同様の効果が得られる。
【0029】
【発明の効果】
この発明に係るコンバータ装置は、独立して制御され、交流を直流に変換する複数の変換器ユニットが並列接続した構成とし、複数の変換器ユニットの1ユニットを除く各変換器ユニットの入力側に、複数の同一巻数のコイルを巻回し、互いに磁気的に結合された電流平衡器を配置し、この電流平衡器の各コイルを変換器ユニットの入力側接続線の各線に直列接続した構成としたものであり、変換器ユニット間に流れる循環電流が抑制され、変換器ユニット間の出力電流の不平衡が抑制され、電流検出器やゲートパルス信号を制御する制御装置を設けないで、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置が構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のコンバータ装置の構成を示す回路図である。
【図2】独立して制御される変換器ユニットの間に循環電流が生じる状況を説明する説明図である。
【図3】実施の形態2のコンバータ装置の構成を示す回路図である。
【図4】実施の形態3のコンバータ装置の構成を示す回路図である。
【図5】実施の形態4のコンバータ装置の構成を示す回路図である。
【図6】実施の形態5のコンバータ装置の構成を示す回路図である。
【図7】実施の形態6のコンバータ装置の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 交流電源、2 バッテリ電源、3 負荷、
11,12,13 変換器ユニット、15 電流平衡器、16 電流平衡器、
20 3相交流電源、21,22,23 変換器ユニット、25 電流平衡器、
26 電流平衡器。
【発明の属する技術分野】
この発明は、独立して制御され、交流を直流に変換する複数の変換器ユニットが並列接続されたコンバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば複数の単位インバータが並列接続されたインバータ装置における単位インバータの出力電流の不平衡を抑制する制御方法が特許文献1に示されている。
このインバータ装置では、各単位インバータの出力電流瞬時値を検出する出力電流検出器、各単位インバータに共通のPWM制御信号を発生するPWM信号発生回路、オフ時間の上限値と下限値との信号をPWM制御信号のレベル変化時に発生するオフ時間限度値発生回路、各単位インバータの内その出力電流瞬時値の絶対値が最小となるもののオフ時間を下限値とし、他の単位インバータのオフ時間を上限値の範囲内において当該単位インバータの出力電流絶対値と絶対値最小の単位インバータの出力電流絶対値とが等しくなった時点で終了するよう各単位インバータのオフ時間信号を発生するオフ時間信号発生回路、およびPWM制御信号とオフ時間信号とから各単位インバータ各アーム素子へのゲートパルス信号を発生するゲートパルス信号発止回路を備えた構成としている。
【0003】
この構成では、各単位インバータの出力電流のアンバランス量を出力電流の最も小さい単位インバータの出力電流を基準にして検出し、出力電流最小の単位インバータのアーム素子のオフ時間をその下限値に設定するとともに、これより出力電流の大きい単位インバータのアーム素子のオフ時間を出力電流のアンバランス量に応じて下限値より大きく設定することにより、これらオフ時間のずれに伴う単位インバータ相互間に流れる循環電流を利用して出力電流の不平衡を抑制している(特許文献1、図1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−153518号公報(第4頁および図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
独立して制御される複数の単位インバータのユニットを組み合わせたインバータ装置においては、ユニット間のキャリア位相の違いにより、出力電流の単位インバータの相互間に循環電流が流れて、各ユニットの出力電流に不平衡が生じるが、従来のインバータ装置では、各ユニットの出力電流を検出し、各ユニット毎に電流平衡がとれるようにアーム素子のゲートパルス信号を制御して循環電流を抑制する方法が採られている。このために電流検出器や制御装置が必要となり、コストが高くなる問題点があった。また、変化が早い循環電流に対して制御装置の制御応答が追従しないために循環電流が細かく抑制できず、出力電流制御が正常に動作しない問題点もあった。複数の単位コンバータを組み合わせたコンバータ装置においても上記インバータ装置と同様の問題点がある。
【0006】
この発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、コンバータ装置において、電流検出器やゲートパルス信号を制御する制御装置を設けないで、ユニット間の循環電流を抑制し、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るコンバータ装置は、独立して制御され、交流を直流に変換する複数の変換器ユニットを並列接続した構成とし、複数の変換器ユニットの1ユニットを除く各変換器ユニットの入力側に、複数の同一巻数のコイルを巻回し、互いに磁気的に結合した電流平衡器を配置し、この電流平衡器の各コイルを変換器ユニットの入力側接続線の各線に直列接続したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は実施の形態1のコンバータ装置の構成を示す回路図である。この構成は単相交流電源に接続され、交流を直流に変換して出力するものであり、2つの単相交流を直流に変換する変換器ユニット11、12が並列接続され、入力側は交流電源1に接続され、出力側にはバッテリ電源2および負荷3に接続されている。変換器ユニット11は、自己消弧形半導体素子Q1、Q2、Q3、Q4とダイオードD1、D2、D3、D4の組み合わせが、Q1とD1、Q2とD2、Q3とD3、Q4とD4の組合せで並列接続された変換素子がブリッジ接続され、出力側にコンデンサCが接続された構成である。変換器ユニット12は、変換器ユニット11と同一の構成である。変換器ユニット11の入力側2線それぞれに、同一巻数の2つのコイルが巻回され、磁気的に結合された電流平衡器15のコイルが直列接続されている。変換器ユニット11、12の制御は、それぞれ独立した図示していない制御装置で制御される。
【0009】
変換器ユニット11と変換器ユニット12を並列接続したことによる生じる循環電流Ijを抑制する電流平衡器15が変換器ユニット11の入力側に直列に接続されている。電流平衡器15は、同一巻数の2つのコイルが巻回され互いに磁気的に結合された構成とし、2つのコイルは変換器ユニット11の入力側の各線にそれぞれ直列に接続している。このように電流変換器15を接続すると、変換器ユニット11の入力側の各線の電流を平衡させる働きをするものであり、図1に示す2つの変換器ユニットの間に流れる循環電流Ijを抑制することができる。
【0010】
変換器ユニット11と変換器ユニット12は、それぞれ独立した制御装置により制御され、それぞれの制御装置の制御信号が同一であってもキャリア信号にはどうしても位相のずれが生じるので、図1に示す循環電流Ijが流れる。その循環電流Ijが流れるメカニズムについて、図2のハーフブリッジインバータで説明する。
図2(a)は説明回路図、図2(b)は信号の位相の関係を示す位相説明図である。図2において、変換器ユニット11および変換器ユニット12はハーフブリッジとしているが図1の変換器ユニット11および12と同一機能である。変換器ユニット11はキャリア信号S1、制御信号S2との比較によるPWM波形により、±Edの出力電圧S3の波形の電圧が出力される。変換器ユニット12においても、変換器ユニット11とは別のキャリア信号S5、制御信号S6との比較により±Edの出力電圧S7の波形の電圧が出力される。変換器ユニット11の制御信号S2と変換器ユニット12の制御信号S6が一致した場合においても、キャリア信号S1とキャリア信号S5の位相がずれていると出力電圧S3とS7がずれ、その結果直流側と交流側で変換器ユニット11と変換器ユニット12との間には、±2Edのユニット間の電圧差S9が生じて、図1に示す循環ループで循環電流Ijが流れる。この循環電流Ijによって、変換器ユニット11と変換器ユニット12の間に出力電流の不平衡が生じることになる。
【0011】
この循環電流Ijのループと、循環電流が流れていないループの2線の間に、電流平衡器15の2つのコイルをそれぞれに直列接続することで、循環電流Ijが抑制され、各変換器ユニット11および変換器ユニット12のそれぞれの入力電流および出力電流が平衡させることができる。
【0012】
電流変換器15の配置位置は、循環電流Ijが変換器ユニット11と変換器ユニット12にまたがったループであり、この循環電流のループの中に電流変換器15を配置することで、循環電流Ijが抑制されされる。
実施の形態1では、変換器ユニット11の交流入力側の各線に電流変換器15の2つのコイルをそれぞれ直列に接続することにより、変換器ユニット11と12のキャリア信号の位相のずれによって生じる循環電流Ijを抑制した構成としたことにより、変換器ユニット11と変換器ユニット12の間の出力電流の不平衡が抑制される。
【0013】
このように電流平衡器15を設けた構成にすると、従来のように、電流検出器やゲートパルス信号を制御する制御装置を設けないで、ユニット間の循環電流が抑制し、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置が構成できる。
【0014】
実施の形態2.
実施の形態2のコンバータ装置の回路図を図3に示す。実施の形態2は、電流平衡器を出力側に配置した構成である。図3の構成は、図2の構成とは電流平衡器16を直流の出力側に配置した点が異なり、それ以外の交流電源1、バッテリ電源2、負荷3および変換器ユニット11、変換器ユニット12は実施の形態1の図1と同一である。電流平衡器16は、2つのコイルの巻数を同一とし、各コイルを互いに磁気的結合する点は同一であり、印加電圧が直流電圧となる点のみが異なるものであり、直流用として製作する必要があるが、実際には同一の構成である。
【0015】
このように電流変換器16を変換器ユニット11の出力側に配置することで、変換器ユニット11と変換器ユニット12のキャリア信号の位相のずれにより循環電流Ijを抑制した構成となり、実施の形態1と同様に電流検出器やゲートパルス信号を制御する制御装置を設けないで、ユニット間の循環電流が抑制し、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置が構成できる。
【0016】
実施の形態3.
実施の形態3のコンバータ装置の回路図を図4に示す。実施の形態3は、変換器ユニットを3ユニットとし、電流平衡器を交流側に配置した構成である。図4の構成は、実施の形態1の図1の構成に変換器ユニット13を追加した点が相違する部分であり、その他の交流電源1、変換器ユニット11、変換器ユニット12、バッテリ電源2および負荷3は、実施の形態1と同一である。
【0017】
変換器ユニットを3ユニットにすると、キャリア信号に位相のずれにより循環電流Ijのループは、変換器ユニット11と変換器ユニット12との間、変換器ユニット12と変換器ユニット13、変換器ユニット13と変換器ユニット11との間のそれぞれに流れるので、いずれの循環電流ルートにも電流平衡器が配置されているようにするためには、3つの変換器ユニット11、12、13の3ユニットの内、2ユニットに電流平衡器15を配置すれば循環電流が流れるすべてのルートに対応できる構成となる。
【0018】
このように変換器ユニットが3ユニットの構成では、3ユニットの内の1ユニットを除く2ユニットに電流変換器を設けることで、各ユニット間のキャリア信号の位相のずれにより生じる循環電流が抑制できる構成となり、実施の形態1と同様に電流検出器やゲートパルス信号を制御する制御装置を設けないで、ユニット間の循環電流が抑制し、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置が構成できる。
【0019】
上記は変換器ユニットが3ユニットが並列接続される場合について説明したが、それ以上の変換器ユニットの場合は、ユニット数をNとすると、ユニット数Nに対して1ユニットを減じたN−1のユニットに電流平衡器を配置することで、キャリア信号に位相のずれにより循環電流が抑制され、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置が構成できる。
【0020】
実施の形態4.
実施の形態4のコンバータ装置の回路図を図5に示す。実施の形態4は、3相交流電源電源に接続され場合の構成である、回路構成は、独立して制御される2つの3相交流を直流に変換する変換器ユニット21、22を並列接続し、入力側は3相交流電源20に接続され、出力側にはバッテリ電源2および負荷3に接続された構成である。変換器ユニット21は、自己消弧形半導体素子Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6とダイオードD1、D2、D3、D4、D5、D6の組み合わせが、Q1とD1、Q2とD2、Q3とD3、Q4とD4、Q5とD5、Q6とD6の組合せで並列接続された変換素子が接続され、出力側にコンデンサCが接続された構成である。変換器ユニット22は、変換器ユニット21と同一の構成である。変換器ユニット21の入力側に3相用の電流平衡器25を配置し、変換器ユニット21、22の制御は、それぞれ独立した図示していない制御装置で制御される。電流平衡器25は、3つの同一巻数のコイルを設け、各コイル間は互いに磁気的結合した構成である。
【0021】
3相交流を直流に変換する独立して制御される変換器ユニットの場合にもキャリア信号の位相のずれにより生じる循環電流は単相の場合と同様に生じるものであり、3相交流の入力側に3相用の電流平衡器25を変換器ユニット21の入力側に配置し、この電流平衡器25の各コイルを入力側の各線に直列に接続することで、循環電流を抑制することができる。
【0022】
3相の場合の循環電流は、いずれかの相に循環電流が生じた場合の循環電流ルートは生じた相と他の2相に分流するルートとなり、3相電流平衡器25により循環電流が抑制され、変換器ユニット21と変換器ユニット22の間の出力電流の不平衡が抑制される。
【0023】
このように電流平衡器25により、循環電流Ijを抑制する構成にすると、上記の単相電源に接続される場合と同様に、電流検出器やゲートパルス信号を制御する制御装置を設けないで、ユニット間の循環電流が抑制し、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置が構成できる。
【0024】
3相交流電源に接続される場合で、並列接続する変換器ユニットを3ユニットを越えるユニット数にする場合は、単相の場合と同様に、ユニット数Nに対して1ユニットを減じたN−1のユニットに電流平衡器を配置することで、キャリア信号に位相のずれにより循環電流が抑制され、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置が構成できる。
【0025】
実施の形態5.
実施の形態5のコンバータ装置の回路図を図6に示す。実施の形態5は、交流側が3相であり、電流平衡器を出力側に配置した構成である。図6の構成は実施の形態4の図5の構成とは電流平衡器を直流用として出力側に配置した点が異なり、交流電源1、バッテリ電源2、負荷3および変換器ユニット21、変換器ユニット22は実施の形態4の図5と同一である。電流平衡器26の構成は、2つのコイルの巻数を同一とし、各コイルを互いに磁気的結合した構成であり、上記の実施の形態2の電流平衡器16と同一である。
出力側に電流変換器26を設けると、実施の形態2の単相の場合と同じ構成することができるため、実施の形態4の3相電源の場合の電流変換器25に比較して簡単な構成の電流変換器26となって装置として小型に構成できるメリットがあり、上記の実施の形態1〜4と同様に、キャリア信号に位相のずれにより循環電流を抑制し、出力電流の不平衡を抑制することができる。
【0026】
実施の形態6.
実施の形態6のコンバータ装置の回路図を図7に示す。実施の形態6は、交流側が3相であり、変換器ユニットを3ユニットとし、電流平衡器を出力側に配置した構成である。
回路構成は独立して制御される3つの3相の変換器ユニット21、22、23を並列接続し、入力側は3相交流電源に接続し、変換器ユニット21および変換器ユニット23の出力側に3相の電流平衡器26を設け、負荷に接続している。変換器ユニット21、22、23および電流変換器26は実施の形態5と同一である。
【0027】
変換器ユニットを3ユニットにすると、キャリア信号の位相のずれにより生じる循環電流Ijのループは、変換器ユニット21と変換器ユニット22との間、変換器ユニット22と変換器ユニット23との間、変換器ユニット23と変換器ユニット21との間、それぞれに流れるので、いずれの循環電流ルートにも電流平衡器が配置されているようにするためには、3つの変換器ユニット21、22、23の3ユニットの内、2ユニットに電流平衡器26を配置すれば循環電流が流れるすべてのルートに対応できる状態となる。
【0028】
並列接続する変換器ユニット数が3以上のときは、1ユニットを除く他のユニットに電流平衡器26を配置すれば、循環電流Ijルートすべてに対応できる構成となる。実施の形態5と同様の効果が得られる。
【0029】
【発明の効果】
この発明に係るコンバータ装置は、独立して制御され、交流を直流に変換する複数の変換器ユニットが並列接続した構成とし、複数の変換器ユニットの1ユニットを除く各変換器ユニットの入力側に、複数の同一巻数のコイルを巻回し、互いに磁気的に結合された電流平衡器を配置し、この電流平衡器の各コイルを変換器ユニットの入力側接続線の各線に直列接続した構成としたものであり、変換器ユニット間に流れる循環電流が抑制され、変換器ユニット間の出力電流の不平衡が抑制され、電流検出器やゲートパルス信号を制御する制御装置を設けないで、各ユニットの出力電流を平衡させたコンバータ装置が構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のコンバータ装置の構成を示す回路図である。
【図2】独立して制御される変換器ユニットの間に循環電流が生じる状況を説明する説明図である。
【図3】実施の形態2のコンバータ装置の構成を示す回路図である。
【図4】実施の形態3のコンバータ装置の構成を示す回路図である。
【図5】実施の形態4のコンバータ装置の構成を示す回路図である。
【図6】実施の形態5のコンバータ装置の構成を示す回路図である。
【図7】実施の形態6のコンバータ装置の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 交流電源、2 バッテリ電源、3 負荷、
11,12,13 変換器ユニット、15 電流平衡器、16 電流平衡器、
20 3相交流電源、21,22,23 変換器ユニット、25 電流平衡器、
26 電流平衡器。
Claims (5)
- 独立して制御され、交流を直流に変換する複数の変換器ユニットが並列接続されたコンバータ装置において、上記複数の変換器ユニットの1ユニットを除く各変換器ユニットの入力側に、複数の同一巻数のコイルが巻回され、互いに磁気的に結合された電流平衡器を配置し、該電流平衡器の各コイルを上記変換器ユニットの入力側接続線の各線に直列接続したことを特徴とするコンバータ装置。
- 独立して制御され、交流を直流に変換する複数の変換器ユニットが並列接続されたコンバータ装置において、上記複数の変換器ユニットの1ユニットを除く各変換器ユニットの出力側に、複数の同一巻数のコイルが巻回され、互いに磁気的に結合された電流平衡器を配置し、該電流平衡器の各コイルを上記変換器ユニットの出力側接続線の各線に直列接続したことを特徴とするコンバータ装置。
- 上記変換器ユニットは、単相交流を直流に変換する変換器ユニットで構成され、上記電流平衡器は2つのコイルが磁気的に結合された構成としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のコンバータ装置。
- 上記変換器ユニットは、3相交流を直流に変換する変換器ユニットで構成され、上記電流平衡器は3つのコイルが磁気的に結合された構成とし、この電流平衡器の各コイルを上記変換器ユニットの入力側接続線の各線に直列接続したことを特徴とする請求項1記載のコンバータ装置。
- 上記変換器ユニットは、3相交流を直流に変換する変換器ユニットで構成され、上記電流平衡器は2つのコイルが磁気的に結合され、この電流平衡器の各コイルを上記変換器ユニットの出力側接続線の各線に直列接続したことを特徴とする請求項2記載のコンバータ装置。
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