JP2004204716A - 空燃比サブフィードバック制御異常検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】空燃比サブフィードバック制御における補正異常を適切に判定し、ドライバ(運転者)に警告等を行うことでエミッション低下を最小限に抑えること。
【解決手段】空燃比サブフィードバック制御における補正異常が、酸素センサ27で検出される酸素濃度に応じた出力電圧VOX2とその目標電圧との偏差、空燃比サブフィードバック補正量、空燃比サブフィードバック学習値のうち少なくとも何れか1つの指標を用いて判定される。このため、各指標の変動がエミッションに影響を与える各判定値まで到達すると空燃比サブフィードバック制御における補正異常と判定され、例えば、メータパネル内の警告灯が点灯され、ドライバに速やかに伝達されることで、エミッション低下を最小限に抑えることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】空燃比サブフィードバック制御における補正異常が、酸素センサ27で検出される酸素濃度に応じた出力電圧VOX2とその目標電圧との偏差、空燃比サブフィードバック補正量、空燃比サブフィードバック学習値のうち少なくとも何れか1つの指標を用いて判定される。このため、各指標の変動がエミッションに影響を与える各判定値まで到達すると空燃比サブフィードバック制御における補正異常と判定され、例えば、メータパネル内の警告灯が点灯され、ドライバに速やかに伝達されることで、エミッション低下を最小限に抑えることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気通路途中に設置された触媒の下流側に酸素(O2 )センサを配設して、触媒の浄化率が最も良くなる状態に空燃比をフィードバック制御する空燃比サブフィードバック制御における異常を検出する空燃比サブフィードバック制御異常検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、空燃比フィードバック制御に関連する先行技術文献として、特開平11−82117号公報にて開示されたものが知られている。このものでは、空燃比(実空燃比)と目標空燃比との差、その学習補正量、空燃比フィードバック補正量からなる指標のうち、何れかが更新されない状態であっても、燃料供給系の異常が発生したときには、その異常を速やかに検出する技術が示されている。
【0003】
ここで、近年、環境への配慮から、内燃機関の排気通路途中に設置された触媒の下流側に酸素センサを配設して、触媒の浄化率が最も良くなる状態に空燃比をフィードバック制御する空燃比サブフィードバック制御技術が実用化されている。
【0004】
この空燃比サブフィードバック制御の目的は、触媒の酸素ストレージ(Storage:吸着及び吸蔵)量の状態を検出して速やかに適性な状態に戻すことと、触媒の上流側に配設された空燃比(A/F)センサの特性ばらつきを吸収してエミッションのロバスト(robust:安定)性を向上することにある。
【特許文献】特開平11−82117号公報(第2頁〜第3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述の空燃比サブフィードバック制御において、例えば、空燃比センサが特性ずれを起こして空燃比サブフィードバック制御における通常の補正で吸収できないような異常状態になると、結果的にエミッション低下が生じるという不具合があった。
【0006】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、空燃比サブフィードバック制御における補正異常を適切に判定し、ドライバ(運転者)に警告等を行うことでエミッション低下を最小限に抑えることが可能な空燃比サブフィードバック制御異常検出装置の提供を課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置によれば、制御手段によって内燃機関からの排出ガスを浄化する触媒の浄化率に応じて酸素センサで検出される酸素濃度に基づき空燃比センサで検出される排出ガスの空燃比を補正する空燃比サブフィードバック制御が実行され、判定手段にて酸素センサで検出される酸素濃度とその目標値との偏差、空燃比サブフィードバック補正量、空燃比サブフィードバック学習値のうち少なくとも何れか1つの指標が用いられ、各指標の変動がエミッションに影響を与える各判定値まで到達すると空燃比サブフィードバック制御における補正異常と判定され、例えば、メータパネル内の警告灯が点灯され、ドライバに速やかに伝達されることで、エミッション低下が最小限に抑えられる。
【0008】
請求項2の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置では、指標として平滑化した値が用いられることで、指標がノイズ等による瞬間的な変動や内燃機関の急激な運転状態の変動等の過渡的な影響を受けることがなくなり、常に安定して空燃比サブフィードバック制御における補正異常を判定することができるため、判定精度が向上される。
【0009】
請求項3の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置における判定手段では、内燃機関の運転条件に応じて指標に対する判定値が設定されると共に、その判定までの時間が可変とされることで、内燃機関の運転条件の変化に応じて空燃比サブフィードバック制御における補正異常を判定することができるため、判定精度が向上される。
【0010】
請求項4の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置における判定手段では、空燃比センサまたは酸素センサのうち少なくとも何れか1つが異常であるときには、判定が停止されるため、空燃比サブフィードバック制御における補正異常の判定で、誤った診断が回避される。
【0011】
請求項5の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置における判定制御では、空燃比サブフィードバック制御における補正異常と判定されたときには、空燃比サブフィードバック制御のみならず空燃比フィードバック制御も停止されるため、空燃比フィードバック制御及び空燃比サブフィードバック制御の過補正が未然に防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【0014】
図1において、内燃機関1は4気筒4サイクルの火花点火式として構成され、その吸入空気は上流側からエアクリーナ2、吸気通路3、スロットルバルブ4、サージタンク5及びインテークマニホルド6を通過し、インテークマニホルド6内でインジェクタ(燃料噴射弁)7から噴射された燃料と混合され、所定空燃比の混合気として各気筒に分配供給される。また、内燃機関1の各気筒に設けられた点火プラグ8に直接、接続されたイグナイタ9には、後述のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)30からの点火信号が入力され、各気筒の混合気が点火プラグ8の火花点火によって所定タイミングにて燃焼される。そして、燃焼後の排出ガスはエキゾーストマニホルド11及び排気通路12を通過し、排気通路12に設けられ、白金やロジウム等の触媒成分とセリウムやランタン等の添加物を担持した三元触媒13にて有害成分であるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx (窒素酸化物)等が浄化され大気中に排出される。
【0015】
また、エアクリーナ2の下流側の吸気通路3にはエアフローメータ21が設けられ、このエアフローメータ21にてエアクリーナ2を通過する単位時間当たりの吸入空気量GA〔g/sec:グラム毎秒〕が検出される。また、スロットルバルブ4にはスロットル開度センサ22が設けられ、このスロットル開度センサ22にてスロットル開度TA〔°〕に応じたアナログ信号が検出されると共に、スロットルバルブ4がほぼ全閉であることが図示しないアイドルスイッチからのオン/オフ信号によって検出される。そして、サージタンク5には吸気圧センサ23が設けられ、この吸気圧センサ23にて吸気圧PM〔kPa:キロパスカル〕が検出される。また、内燃機関1のシリンダブロックには水温センサ24が設けられ、この水温センサ24にて内燃機関1の冷却水温THW〔℃〕が検出される。
【0016】
そして、内燃機関1にはクランク角センサ25が設けられ、このクランク角センサ25にて内燃機関1の機関回転速度NE〔rpm〕が検出される。更に、排気通路12の三元触媒13の上流側には、内燃機関1から排出される排出ガスの空燃比λに応じたリニアな電圧VOX1〔V:ボルト〕を出力する空燃比センサ26が設けられている。また、排気通路12の三元触媒13の下流側には、三元触媒13を通過した排出ガスのリーン状態やリッチ状態、また、リーンからリッチまたはリッチからリーンへの反転状態による酸素濃度変化に応じた電圧VOX2〔V〕を出力する酸素センサ27が設けられている。
【0017】
内燃機関1の運転状態を制御するECU30は、周知の各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU、制御プログラムや制御マップ等を格納したROM、各種データ等を格納するRAM、B/U(バックアップ)RAM等を中心に論理演算回路として構成され、各種センサからの検出信号を入力する入力ポート及び各種アクチュエータ等に制御信号を出力する出力ポートに対しバスを介して接続されている。
【0018】
このECU30には、入力ポートを介してエアフローメータ21からの吸入空気量GA、スロットル開度センサ22からのスロットル開度TA、吸気圧センサ23からの吸気圧PM、水温センサ24からの冷却水温THW、クランク角センサ25からの機関回転速度NE等の各種センサ信号が入力され、それらに基づいて燃料噴射量TAU、点火時期Ig等が算出され、出力ポートを介してインジェクタ7及びイグナイタ9等にそれぞれ制御信号が出力される。
【0019】
また、ECU30によって空燃比フィードバック制御が実行され、空燃比センサ26で検出されるリニアな電圧VOX1によって、内燃機関1からの排出ガスの空燃比λが判定され、この空燃比λに基づき内燃機関1に供給される混合気が理論空燃比となるよう吸入空気量GA及び燃料噴射量TAUが調整される。そして、ECU30によって空燃比サブフィードバック制御が実行され、三元触媒13を通過した排出ガスの浄化率に応じて酸素センサ27で検出される酸素濃度に対応する電圧VOX2によって、排出ガスのリーン状態やリッチ状態、また、リーンからリッチまたはリッチからリーンへの反転時点が判定され、空燃比センサ26で検出される空燃比λが補正される。
【0020】
次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECU30における異常診断実行条件判定の処理手順を示す図2のフローチャートに基づき、図8を参照して説明する。ここで、図8は図2及び後述の図3、図4及び図6の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイムチャートである。なお、この異常診断実行条件判定ルーチンは所定時間毎にECU30にて繰返し実行される。
【0021】
図2において、まず、ステップS101で、始動後経過時間が60〔sec:秒〕を越えているかが判定される。ステップS101の判定条件が成立、即ち、内燃機関1の始動後経過時間が60〔sec〕を越え長いときにはステップS102に移行し、空燃比フィードバック制御中であるかが判定される。ステップS102の判定条件が成立、即ち、空燃比センサ26による空燃比フィードバック制御中であるときにはステップS103に移行し、空燃比サブフィードバック制御中であるかが判定される。ステップS103の判定条件が成立、即ち、酸素センサ27による空燃比サブフィードバック制御中であるときにはステップS104に移行し、冷却水温THWが70〔℃〕から90〔℃〕までの範囲内にあるかが判定される。
【0022】
ステップS104の判定条件が成立、即ち、内燃機関1の冷却水温THWが70〔℃〕から90〔℃〕までの範囲内にあるときにはステップS105に移行し、機関回転速度NEが1200〔rpm〕から3000〔rpm〕までの範囲内にあるかが判定される。ステップS105の判定条件が成立、即ち、内燃機関1の機関回転速度NEが1200〔rpm〕から3000〔rpm〕までの範囲内にあるときにはステップS106に移行し、吸入空気量GAが10〔g/sec〕から30〔g/sec〕までの範囲内にあるかが判定される。
【0023】
ステップS106の判定条件が成立、即ち、内燃機関1の吸入空気量GAが10〔g/sec〕から30〔g/sec〕までの範囲内にあるときにはステップS107に移行し、空燃比センサ26及び酸素センサ27が共に正常であるかが判定される。ここで、空燃比センサ26からの出力電圧VOX1、酸素センサ27からの出力電圧VOX2が所定範囲外となることで例えば、断線や短絡等の異常と判定される。ステップS107の判定条件が成立、即ち、空燃比センサ26及び酸素センサ27が共に正常であるときにはステップS108に移行し、加減速走行中であるかが判定される。ステップS108の判定条件が成立せず、即ち、加減速走行中でなく定常走行中であるときにはステップS109に移行し、異常診断実行条件成立と判定され(図8に示す時刻t0 以降)、本ルーチンを終了する。
【0024】
一方、ステップS101の判定条件が成立せず、即ち、内燃機関1の始動後経過時間が60〔sec〕以内と短いとき、またはステップS102の判定条件が成立せず、即ち、空燃比センサ26による空燃比フィードバック制御中でないとき、またはステップS103の判定条件が成立せず、即ち、酸素センサ27による空燃比サブフィードバック制御中でないとき、またはステップS104の判定条件が成立せず、即ち、内燃機関1の冷却水温THWが70〔℃〕から90〔℃〕までの範囲外にあるとき、またはステップS105の判定条件が成立せず、即ち、内燃機関1の機関回転速度NEが1200〔rpm〕から3000〔rpm〕までの範囲外にあるとき、またはステップS106の判定条件が成立せず、即ち、内燃機関1の吸入空気量GAが10〔g/sec〕から30〔g/sec〕までの範囲外にあるとき、またはステップS107の判定条件が成立せず、即ち、空燃比センサ26または酸素センサ27のうち少なくとも一方が異常であるとき、またはステップS108の判定条件が成立、即ち、加減速走行中であるときにはステップS110に移行し、異常診断実行条件不成立と判定され(図8に示す時刻t0 以前)、本ルーチンを終了する。
【0025】
次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECU30における空燃比サブフィードバック学習値演算の処理手順を示す図3のフローチャートに基づき、図8を参照して説明する。なお、この空燃比サブフィードバック学習値演算ルーチンは所定時間毎にECU30にて繰返し実行される。
【0026】
図3において、まず、ステップS201で、学習条件成立であるかが判定される。この学習条件成立するときとしては、内燃機関1の運転状態が安定している、例えば、定常走行中であるとき等が挙げられる。ステップS201の判定条件が成立、即ち、学習条件成立しているときにはステップS202に移行して、空燃比サブフィードバック補正量fafsb を平滑化した値としての空燃比サブフィードバック補正量なまし値fafsbsm 〔%〕が次式(1)にて算出される。なお、fafsb は今回の空燃比サブフィードバック補正量、fafsbsm(i-1)は前回の空燃比サブフィードバック補正量なまし値、K1 はなまし定数である。
【0027】
【数1】
fafsbsm ←fafsbsm(i-1)+{fafsb −fafsbsm(i-1)*K1 } ・・・(1)
【0028】
次にステップS203に移行して、空燃比サブフィードバック補正量なまし値fafsbsm が0.3〔%〕を越え大きいかが判定される。ステップS203の判定条件が成立、即ち、空燃比サブフィードバック補正量なまし値fafsbsm が0.3〔%〕を越え大きいときにはステップS204に移行し、前回の空燃比サブフィードバック学習値flafsb(i-1) に所定値L1 が加算され、空燃比サブフィードバック学習値flafsb〔%〕が更新され、本ルーチンを終了する。
【0029】
一方、ステップS203の判定条件が成立せず、即ち、空燃比サブフィードバック補正量なまし値fafsbsm が0.3〔%〕以下と小さいときにはステップS205に移行し、空燃比サブフィードバック補正量なまし値fafsbsm が−0.3〔%〕を越え小さいかが判定される。ステップS205の判定条件が成立、即ち、空燃比サブフィードバック補正量なまし値fafsbsm が−0.3〔%〕を越え小さいときにはステップS206に移行し、前回の空燃比サブフィードバック学習値flafsb(i-1) から所定値L2 が減算され、空燃比サブフィードバック学習値flafsb〔%〕が更新され(図8参照)、本ルーチンを終了する。
【0030】
一方、ステップS201の判定条件が成立せず、即ち、学習条件不成立であるとき、またはステップS205の判定条件が成立せず、即ち、空燃比サブフィードバック補正量なまし値fafsbsm が0.3〔%〕と−0.3〔%〕との間にあるときにはステップS207に移行し、前回の空燃比サブフィードバック学習値flafsb(i-1) がそのまま今回の空燃比サブフィードバック学習値flafsb〔%〕としてホールド(保持)され(図8参照)、本ルーチンを終了する。
【0031】
次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECU30における異常診断判定なまし値演算の処理手順を示す図4のフローチャートに基づき、図3、図5及び図8を参照して説明する。ここで、図5は図4における吸入空気量GA〔g/sec〕をパラメータとして目標電圧TVOX2〔V〕を算出するマップである。なお、この異常診断判定なまし値演算ルーチンは所定時間毎にECU30にて繰返し実行される。
【0032】
図4において、まず、ステップS301で、空燃比フィードバック制御中であるかが判定される。ステップS301の判定条件が成立、即ち、空燃比フィードバック制御中であるときにはステップS302に移行し、空燃比サブフィードバック制御中であるかが判定される。ステップS302の判定条件が成立、即ち、空燃比サブフィードバック制御中であるときにはステップS303に移行し、酸素センサ27からの出力電圧VOX2〔V〕が読込まれる(図8参照)。次にステップS304に移行して、図5に示すマップに基づき、吸入空気量GA〔g/sec〕に対応する目標電圧TVOX2〔V〕が読込まれる。
【0033】
次にステップS305に移行して、空燃比サブフィードバック補正量fafsb 〔%〕が読込まれる(図8参照)。なお、空燃比サブフィードバック補正量fafsb 〔%〕は、図8に示すように、上下限値(ガード値)に到達したのちは、それを越えることなく張付いた状態に保持される。次にステップS306に移行して、上述の図3の空燃比サブフィードバック学習値演算ルーチンにより算出されている空燃比サブフィードバック学習値flafsb〔%〕が読込まれる(図8参照)。次にステップS307に移行して、空燃比サブフィードバック制御における異常診断判定値DGFAFSB 〔%〕が次式(2)にて算出される。なお、αは変換係数である。
【0034】
【数2】
DGFAFSB ←(VOX2−TVOX2)*α+fafsb +flafsb ・・・(2)
【0035】
次にステップS308に移行して、ステップS307で算出された異常診断判定値DGFAFSB に基づき異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕が次式(3)にて算出され(図8参照)、本ルーチンを終了する。なお、DGFAFSB は今回の異常診断判定値、DGFAFSBSM(i-1)は前回の異常診断判定値、K2 はなまし定数である。
【0036】
【数3】
DGFAFSBSM ←DGFAFSBSM(i-1)+{DGFAFSB −DGFAFSBSM(i-1)}*K2・・・(3)
【0037】
一方、ステップS301の判定条件が成立せず、即ち、空燃比フィードバック制御中でないとき、またはステップS302の判定条件が成立せず、即ち、空燃比サブフィードバック制御中でないときにはステップS309に移行し、空燃比サブフィードバック制御における異常診断判定値DGFAFSB が「0〔%〕」に設定される。次にステップS310に移行して、空燃比サブフィードバック制御における異常診断判定なまし値DGFAFSBSM が「0〔%〕」に設定され、本ルーチンを終了する。
【0038】
次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECU30における異常診断制御の処理手順を示す図6のフローチャートに基づき、図2、図4、図7及び図8を参照して説明する。ここで、図7は図6における吸入空気量GA〔g/sec〕をパラメータとして異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕に対応するリッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 〔%〕及びリーン側異常診断判定値tDGFAFSBL 〔%〕を算出するマップである。なお、この異常診断制御ルーチンは所定時間毎にECU30にて繰返し実行される。
【0039】
図6において、まず、ステップS401で、異常診断実行条件成立であるかが判定される。ステップS401の判定条件が成立、即ち、上述の図2の異常診断実行条件判定ルーチンにより異常診断実行条件成立と判定されているとき(図8に示す時刻t0 以降)にはステップS402に移行し、上述の図4の異常診断判定なまし値演算ルーチンにより算出されている空燃比サブフィードバック制御における異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕が読込まれる。次にステップS403に移行して、図7に示すマップに基づき、吸入空気量GA〔g/sec〕に対応して設定されたリッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 〔%〕、リーン側異常診断判定値tDGFAFSBL 〔%〕が読込まれる。なお、図7のマップに示すように、吸入空気量GA〔g/sec〕が多くなるに連れて異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕に対するリッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 〔%〕、リーン側異常診断判定値tDGFAFSBL 〔%〕の余裕が共に少なくなるよう設定される。
【0040】
次にステップS404に移行して、ステップS402で読込まれた空燃比サブフィードバック制御における異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕がステップS403で読込まれたリッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 〔%〕を越え大きいかが判定される。ステップS404の判定条件が成立、即ち、異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕がリッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 〔%〕を越え大きいときにはステップS405に移行し、リッチ側異常継続カウンタCDGFAFSBR が「+1」インクリメントされる。次にステップS406に移行して、リッチ側異常継続カウンタCDGFAFSBR が「20」を越えているかが判定される。ステップS406の判定条件が成立、即ち、リッチ側異常継続カウンタCDGFAFSBR が「20」を越え大きいときにはステップS407に移行し、リッチ側異常診断確定としてリッチ側異常診断フラグxDGFAFSBR が「1(異常)」にセットされる。
【0041】
一方、ステップS404の判定条件が成立せず、即ち、異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕がリッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 〔%〕以下と小さいときにはステップS408に移行し、ステップS402で読込まれた空燃比サブフィードバック制御における異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕がステップS403で読込まれたリーン側異常診断判定値tDGFAFSBL 〔%〕を越え小さいかが判定される。ステップS408の判定条件が成立、即ち、異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕がリーン側異常診断判定値tDGFAFSBL 〔%〕を越え小さいときにはステップS409に移行し、リーン側異常継続カウンタCDGFAFSBL が「+1」インクリメントされる(図8に示す時刻t1 以降)。
【0042】
次にステップS410に移行し、リーン側異常継続カウンタCDGFAFSBL が「20」を越えているかが判定される。ステップS410の判定条件が成立、即ち、リーン側異常継続カウンタCDGFAFSBL が「20」を越え大きいとき(図8に示す時刻t2 以降)にはステップS411に移行し、リーン側異常診断確定としてリーン側異常診断フラグxDGFAFSBL が「1(異常)」にセットされる(図8に示す時刻t2 )。ステップS407またはステップS411による異常診断確定ののちステップS412に移行し、例えば、メータパネル内の警告灯(図示略)が点灯される。次にステップS413に移行して、空燃比フィードバック制御、空燃比サブフィードバック制御が停止され、本ルーチンを終了する。
【0043】
一方、ステップS401の判定条件が成立せず、即ち、上述の図2の異常診断実行条件判定ルーチンにより異常診断実行条件不成立と判定されているとき、またはステップS408の判定条件が成立せず、即ち、空燃比サブフィードバック制御における異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕がリッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 〔%〕とリーン側異常診断判定値tDGFAFSBL 〔%〕との間にあるときにはステップS414に移行し、リッチ側異常継続カウンタCDGFAFSBR が「0」及びリーン側異常継続カウンタCDGFAFSBL が「0」にクリアされ、本ルーチンを終了する。なお、ステップS406の判定条件が成立せず、即ち、リッチ側異常継続カウンタCDGFAFSBR が「20」以下のとき、またはステップS410の判定条件が成立せず、即ち、リーン側異常継続カウンタCDGFAFSBL が「20」以下のときには、何もすることなく本ルーチンを終了する。
【0044】
このように、本実施例の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置は、内燃機関1の排気通路12中に配設され、内燃機関1からの排出ガスを浄化する三元触媒13と、排気通路12中で三元触媒13の上流側に配設され、内燃機関1からの排出ガスの空燃比λに応じた出力電圧VOX1を検出する空燃比センサ26と、排気通路12中で三元触媒13の下流側に配設され、三元触媒13を通過した排出ガスの酸素濃度に応じた出力電圧VOX2を検出する酸素センサ27と、三元触媒13の浄化率に応じて酸素センサ27で検出される酸素濃度に応じた出力電圧VOX2に基づき空燃比センサ26で検出される空燃比λに応じた出力電圧VOX1を補正する空燃比サブフィードバック制御を実行するECU30にて達成される制御手段と、前記制御手段による空燃比サブフィードバック制御における補正異常を、酸素センサ27で検出される酸素濃度に応じた出力電圧VOX2とその目標電圧TVOX2との偏差、空燃比サブフィードバック補正量fafsb 、空燃比サブフィードバック学習値flafsbのうち少なくとも何れか1つの指標を用いて判定するECU30にて達成される判定手段とを具備するものである。
【0045】
つまり、空燃比サブフィードバック制御における補正異常が、酸素センサ27で検出される酸素濃度に応じた出力電圧VOX2とその目標電圧TVOX2との偏差、空燃比サブフィードバック補正量fafsb 、空燃比サブフィードバック学習値flafsbのうち少なくとも何れか1つの指標を用いて判定される。このため、各指標の変動がエミッションに影響を与える各判定値まで到達すると空燃比サブフィードバック制御における補正異常と判定され、例えば、メータパネル内の警告灯が点灯され、ドライバに速やかに伝達されることで、エミッション低下を最小限に抑えることができる。
【0046】
また、本実施例の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置は、指標として平滑化した値として異常診断判定なまし値DGFAFSBSM を用いるものである。これにより、指標がノイズ等による瞬間的な変動や内燃機関の急激な運転状態の変動等の過渡的な影響を受けることがなくなり、常に安定して空燃比サブフィードバック制御における補正異常を判定することができるため、判定精度を向上することができる。
【0047】
そして、本実施例の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置のECU30にて達成される判定手段は、内燃機関1の運転条件に応じて指標として総合的かつ平滑化された異常診断判定なまし値DGFAFSBSM に対するリッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 、リーン側異常診断判定値tDGFAFSBL を設定すると共に、その判定までの時間を、リッチ側異常継続カウンタCDGFAFSBR 及びリーン側異常継続カウンタCDGFAFSBL に対する比較値「20」として、可変とするものである。これにより、内燃機関1の運転条件の変化に応じて空燃比サブフィードバック制御における補正異常を判定することができるため、判定精度を向上することができる。
【0048】
更に、本実施例の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置のECU30にて達成される判定手段は、空燃比センサ26または酸素センサ27のうち少なくとも何れか1つが異常であるときには、判定を停止するものである。これにより、空燃比サブフィードバック制御における補正異常の判定で、誤った診断を回避することができる。
【0049】
更にまた、本実施例の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置のECU30にて達成される判定手段は、空燃比サブフィードバック制御における補正異常と判定したときには、空燃比センサ26からの出力に基づく空燃比フィードバック制御及び酸素センサ27からの出力に基づく空燃比サブフィードバック制御を停止するものである。つまり、空燃比サブフィードバック制御における補正異常と判定されたときには、空燃比サブフィードバック制御のみならず空燃比フィードバック制御も停止される。これにより、空燃比フィードバック制御及び空燃比サブフィードバック制御の過補正を未然に防止することができる。
【0050】
ところで、上記実施例では、酸素センサ27からの出力電圧VOX2が目標電圧TVOX2に対してリーン側にずれ、空燃比サブフィードバック補正量fafsb 及び空燃比サブフィードバック学習値flafsbがマイナス側に遷移し、この結果、異常診断判定なまし値DGFAFSBSM がリーン側異常診断判定値tDGFAFSBL を越え、リーン側異常継続カウンタCDGFAFSBL が「20」を越えることによって、リーン側異常診断フラグxDGFAFSBL が「1」となる空燃比サブフィードバック制御における補正異常と判定される場合について説明したが、酸素センサ27からの出力電圧VOX2が目標電圧TVOX2に対してリッチ側にずれた場合には、リッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 及びリッチ側異常継続カウンタCDGFAFSBR を用いてリッチ側異常診断フラグxDGFAFSBR が「1」となることにより、同様に説明することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECUにおける異常診断実行条件判定の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECUにおける空燃比サブフィードバック学習値演算の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECUにおける異常診断判定なまし値演算の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は図4における吸入空気量をパラメータとして目標電圧を算出するマップである。
【図6】図6は本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECUにおける異常診断制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は図6における吸入空気量をパラメータとして異常診断判定なまし値に対応する異常診断判定値を算出するマップである。
【図8】図8は本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECUにおける各処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関
12 排気通路
13 三元触媒
26 空燃比センサ
27 酸素センサ
30 ECU(電子制御ユニット)
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気通路途中に設置された触媒の下流側に酸素(O2 )センサを配設して、触媒の浄化率が最も良くなる状態に空燃比をフィードバック制御する空燃比サブフィードバック制御における異常を検出する空燃比サブフィードバック制御異常検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、空燃比フィードバック制御に関連する先行技術文献として、特開平11−82117号公報にて開示されたものが知られている。このものでは、空燃比(実空燃比)と目標空燃比との差、その学習補正量、空燃比フィードバック補正量からなる指標のうち、何れかが更新されない状態であっても、燃料供給系の異常が発生したときには、その異常を速やかに検出する技術が示されている。
【0003】
ここで、近年、環境への配慮から、内燃機関の排気通路途中に設置された触媒の下流側に酸素センサを配設して、触媒の浄化率が最も良くなる状態に空燃比をフィードバック制御する空燃比サブフィードバック制御技術が実用化されている。
【0004】
この空燃比サブフィードバック制御の目的は、触媒の酸素ストレージ(Storage:吸着及び吸蔵)量の状態を検出して速やかに適性な状態に戻すことと、触媒の上流側に配設された空燃比(A/F)センサの特性ばらつきを吸収してエミッションのロバスト(robust:安定)性を向上することにある。
【特許文献】特開平11−82117号公報(第2頁〜第3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述の空燃比サブフィードバック制御において、例えば、空燃比センサが特性ずれを起こして空燃比サブフィードバック制御における通常の補正で吸収できないような異常状態になると、結果的にエミッション低下が生じるという不具合があった。
【0006】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、空燃比サブフィードバック制御における補正異常を適切に判定し、ドライバ(運転者)に警告等を行うことでエミッション低下を最小限に抑えることが可能な空燃比サブフィードバック制御異常検出装置の提供を課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置によれば、制御手段によって内燃機関からの排出ガスを浄化する触媒の浄化率に応じて酸素センサで検出される酸素濃度に基づき空燃比センサで検出される排出ガスの空燃比を補正する空燃比サブフィードバック制御が実行され、判定手段にて酸素センサで検出される酸素濃度とその目標値との偏差、空燃比サブフィードバック補正量、空燃比サブフィードバック学習値のうち少なくとも何れか1つの指標が用いられ、各指標の変動がエミッションに影響を与える各判定値まで到達すると空燃比サブフィードバック制御における補正異常と判定され、例えば、メータパネル内の警告灯が点灯され、ドライバに速やかに伝達されることで、エミッション低下が最小限に抑えられる。
【0008】
請求項2の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置では、指標として平滑化した値が用いられることで、指標がノイズ等による瞬間的な変動や内燃機関の急激な運転状態の変動等の過渡的な影響を受けることがなくなり、常に安定して空燃比サブフィードバック制御における補正異常を判定することができるため、判定精度が向上される。
【0009】
請求項3の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置における判定手段では、内燃機関の運転条件に応じて指標に対する判定値が設定されると共に、その判定までの時間が可変とされることで、内燃機関の運転条件の変化に応じて空燃比サブフィードバック制御における補正異常を判定することができるため、判定精度が向上される。
【0010】
請求項4の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置における判定手段では、空燃比センサまたは酸素センサのうち少なくとも何れか1つが異常であるときには、判定が停止されるため、空燃比サブフィードバック制御における補正異常の判定で、誤った診断が回避される。
【0011】
請求項5の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置における判定制御では、空燃比サブフィードバック制御における補正異常と判定されたときには、空燃比サブフィードバック制御のみならず空燃比フィードバック制御も停止されるため、空燃比フィードバック制御及び空燃比サブフィードバック制御の過補正が未然に防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【0014】
図1において、内燃機関1は4気筒4サイクルの火花点火式として構成され、その吸入空気は上流側からエアクリーナ2、吸気通路3、スロットルバルブ4、サージタンク5及びインテークマニホルド6を通過し、インテークマニホルド6内でインジェクタ(燃料噴射弁)7から噴射された燃料と混合され、所定空燃比の混合気として各気筒に分配供給される。また、内燃機関1の各気筒に設けられた点火プラグ8に直接、接続されたイグナイタ9には、後述のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)30からの点火信号が入力され、各気筒の混合気が点火プラグ8の火花点火によって所定タイミングにて燃焼される。そして、燃焼後の排出ガスはエキゾーストマニホルド11及び排気通路12を通過し、排気通路12に設けられ、白金やロジウム等の触媒成分とセリウムやランタン等の添加物を担持した三元触媒13にて有害成分であるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx (窒素酸化物)等が浄化され大気中に排出される。
【0015】
また、エアクリーナ2の下流側の吸気通路3にはエアフローメータ21が設けられ、このエアフローメータ21にてエアクリーナ2を通過する単位時間当たりの吸入空気量GA〔g/sec:グラム毎秒〕が検出される。また、スロットルバルブ4にはスロットル開度センサ22が設けられ、このスロットル開度センサ22にてスロットル開度TA〔°〕に応じたアナログ信号が検出されると共に、スロットルバルブ4がほぼ全閉であることが図示しないアイドルスイッチからのオン/オフ信号によって検出される。そして、サージタンク5には吸気圧センサ23が設けられ、この吸気圧センサ23にて吸気圧PM〔kPa:キロパスカル〕が検出される。また、内燃機関1のシリンダブロックには水温センサ24が設けられ、この水温センサ24にて内燃機関1の冷却水温THW〔℃〕が検出される。
【0016】
そして、内燃機関1にはクランク角センサ25が設けられ、このクランク角センサ25にて内燃機関1の機関回転速度NE〔rpm〕が検出される。更に、排気通路12の三元触媒13の上流側には、内燃機関1から排出される排出ガスの空燃比λに応じたリニアな電圧VOX1〔V:ボルト〕を出力する空燃比センサ26が設けられている。また、排気通路12の三元触媒13の下流側には、三元触媒13を通過した排出ガスのリーン状態やリッチ状態、また、リーンからリッチまたはリッチからリーンへの反転状態による酸素濃度変化に応じた電圧VOX2〔V〕を出力する酸素センサ27が設けられている。
【0017】
内燃機関1の運転状態を制御するECU30は、周知の各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU、制御プログラムや制御マップ等を格納したROM、各種データ等を格納するRAM、B/U(バックアップ)RAM等を中心に論理演算回路として構成され、各種センサからの検出信号を入力する入力ポート及び各種アクチュエータ等に制御信号を出力する出力ポートに対しバスを介して接続されている。
【0018】
このECU30には、入力ポートを介してエアフローメータ21からの吸入空気量GA、スロットル開度センサ22からのスロットル開度TA、吸気圧センサ23からの吸気圧PM、水温センサ24からの冷却水温THW、クランク角センサ25からの機関回転速度NE等の各種センサ信号が入力され、それらに基づいて燃料噴射量TAU、点火時期Ig等が算出され、出力ポートを介してインジェクタ7及びイグナイタ9等にそれぞれ制御信号が出力される。
【0019】
また、ECU30によって空燃比フィードバック制御が実行され、空燃比センサ26で検出されるリニアな電圧VOX1によって、内燃機関1からの排出ガスの空燃比λが判定され、この空燃比λに基づき内燃機関1に供給される混合気が理論空燃比となるよう吸入空気量GA及び燃料噴射量TAUが調整される。そして、ECU30によって空燃比サブフィードバック制御が実行され、三元触媒13を通過した排出ガスの浄化率に応じて酸素センサ27で検出される酸素濃度に対応する電圧VOX2によって、排出ガスのリーン状態やリッチ状態、また、リーンからリッチまたはリッチからリーンへの反転時点が判定され、空燃比センサ26で検出される空燃比λが補正される。
【0020】
次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECU30における異常診断実行条件判定の処理手順を示す図2のフローチャートに基づき、図8を参照して説明する。ここで、図8は図2及び後述の図3、図4及び図6の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイムチャートである。なお、この異常診断実行条件判定ルーチンは所定時間毎にECU30にて繰返し実行される。
【0021】
図2において、まず、ステップS101で、始動後経過時間が60〔sec:秒〕を越えているかが判定される。ステップS101の判定条件が成立、即ち、内燃機関1の始動後経過時間が60〔sec〕を越え長いときにはステップS102に移行し、空燃比フィードバック制御中であるかが判定される。ステップS102の判定条件が成立、即ち、空燃比センサ26による空燃比フィードバック制御中であるときにはステップS103に移行し、空燃比サブフィードバック制御中であるかが判定される。ステップS103の判定条件が成立、即ち、酸素センサ27による空燃比サブフィードバック制御中であるときにはステップS104に移行し、冷却水温THWが70〔℃〕から90〔℃〕までの範囲内にあるかが判定される。
【0022】
ステップS104の判定条件が成立、即ち、内燃機関1の冷却水温THWが70〔℃〕から90〔℃〕までの範囲内にあるときにはステップS105に移行し、機関回転速度NEが1200〔rpm〕から3000〔rpm〕までの範囲内にあるかが判定される。ステップS105の判定条件が成立、即ち、内燃機関1の機関回転速度NEが1200〔rpm〕から3000〔rpm〕までの範囲内にあるときにはステップS106に移行し、吸入空気量GAが10〔g/sec〕から30〔g/sec〕までの範囲内にあるかが判定される。
【0023】
ステップS106の判定条件が成立、即ち、内燃機関1の吸入空気量GAが10〔g/sec〕から30〔g/sec〕までの範囲内にあるときにはステップS107に移行し、空燃比センサ26及び酸素センサ27が共に正常であるかが判定される。ここで、空燃比センサ26からの出力電圧VOX1、酸素センサ27からの出力電圧VOX2が所定範囲外となることで例えば、断線や短絡等の異常と判定される。ステップS107の判定条件が成立、即ち、空燃比センサ26及び酸素センサ27が共に正常であるときにはステップS108に移行し、加減速走行中であるかが判定される。ステップS108の判定条件が成立せず、即ち、加減速走行中でなく定常走行中であるときにはステップS109に移行し、異常診断実行条件成立と判定され(図8に示す時刻t0 以降)、本ルーチンを終了する。
【0024】
一方、ステップS101の判定条件が成立せず、即ち、内燃機関1の始動後経過時間が60〔sec〕以内と短いとき、またはステップS102の判定条件が成立せず、即ち、空燃比センサ26による空燃比フィードバック制御中でないとき、またはステップS103の判定条件が成立せず、即ち、酸素センサ27による空燃比サブフィードバック制御中でないとき、またはステップS104の判定条件が成立せず、即ち、内燃機関1の冷却水温THWが70〔℃〕から90〔℃〕までの範囲外にあるとき、またはステップS105の判定条件が成立せず、即ち、内燃機関1の機関回転速度NEが1200〔rpm〕から3000〔rpm〕までの範囲外にあるとき、またはステップS106の判定条件が成立せず、即ち、内燃機関1の吸入空気量GAが10〔g/sec〕から30〔g/sec〕までの範囲外にあるとき、またはステップS107の判定条件が成立せず、即ち、空燃比センサ26または酸素センサ27のうち少なくとも一方が異常であるとき、またはステップS108の判定条件が成立、即ち、加減速走行中であるときにはステップS110に移行し、異常診断実行条件不成立と判定され(図8に示す時刻t0 以前)、本ルーチンを終了する。
【0025】
次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECU30における空燃比サブフィードバック学習値演算の処理手順を示す図3のフローチャートに基づき、図8を参照して説明する。なお、この空燃比サブフィードバック学習値演算ルーチンは所定時間毎にECU30にて繰返し実行される。
【0026】
図3において、まず、ステップS201で、学習条件成立であるかが判定される。この学習条件成立するときとしては、内燃機関1の運転状態が安定している、例えば、定常走行中であるとき等が挙げられる。ステップS201の判定条件が成立、即ち、学習条件成立しているときにはステップS202に移行して、空燃比サブフィードバック補正量fafsb を平滑化した値としての空燃比サブフィードバック補正量なまし値fafsbsm 〔%〕が次式(1)にて算出される。なお、fafsb は今回の空燃比サブフィードバック補正量、fafsbsm(i-1)は前回の空燃比サブフィードバック補正量なまし値、K1 はなまし定数である。
【0027】
【数1】
fafsbsm ←fafsbsm(i-1)+{fafsb −fafsbsm(i-1)*K1 } ・・・(1)
【0028】
次にステップS203に移行して、空燃比サブフィードバック補正量なまし値fafsbsm が0.3〔%〕を越え大きいかが判定される。ステップS203の判定条件が成立、即ち、空燃比サブフィードバック補正量なまし値fafsbsm が0.3〔%〕を越え大きいときにはステップS204に移行し、前回の空燃比サブフィードバック学習値flafsb(i-1) に所定値L1 が加算され、空燃比サブフィードバック学習値flafsb〔%〕が更新され、本ルーチンを終了する。
【0029】
一方、ステップS203の判定条件が成立せず、即ち、空燃比サブフィードバック補正量なまし値fafsbsm が0.3〔%〕以下と小さいときにはステップS205に移行し、空燃比サブフィードバック補正量なまし値fafsbsm が−0.3〔%〕を越え小さいかが判定される。ステップS205の判定条件が成立、即ち、空燃比サブフィードバック補正量なまし値fafsbsm が−0.3〔%〕を越え小さいときにはステップS206に移行し、前回の空燃比サブフィードバック学習値flafsb(i-1) から所定値L2 が減算され、空燃比サブフィードバック学習値flafsb〔%〕が更新され(図8参照)、本ルーチンを終了する。
【0030】
一方、ステップS201の判定条件が成立せず、即ち、学習条件不成立であるとき、またはステップS205の判定条件が成立せず、即ち、空燃比サブフィードバック補正量なまし値fafsbsm が0.3〔%〕と−0.3〔%〕との間にあるときにはステップS207に移行し、前回の空燃比サブフィードバック学習値flafsb(i-1) がそのまま今回の空燃比サブフィードバック学習値flafsb〔%〕としてホールド(保持)され(図8参照)、本ルーチンを終了する。
【0031】
次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECU30における異常診断判定なまし値演算の処理手順を示す図4のフローチャートに基づき、図3、図5及び図8を参照して説明する。ここで、図5は図4における吸入空気量GA〔g/sec〕をパラメータとして目標電圧TVOX2〔V〕を算出するマップである。なお、この異常診断判定なまし値演算ルーチンは所定時間毎にECU30にて繰返し実行される。
【0032】
図4において、まず、ステップS301で、空燃比フィードバック制御中であるかが判定される。ステップS301の判定条件が成立、即ち、空燃比フィードバック制御中であるときにはステップS302に移行し、空燃比サブフィードバック制御中であるかが判定される。ステップS302の判定条件が成立、即ち、空燃比サブフィードバック制御中であるときにはステップS303に移行し、酸素センサ27からの出力電圧VOX2〔V〕が読込まれる(図8参照)。次にステップS304に移行して、図5に示すマップに基づき、吸入空気量GA〔g/sec〕に対応する目標電圧TVOX2〔V〕が読込まれる。
【0033】
次にステップS305に移行して、空燃比サブフィードバック補正量fafsb 〔%〕が読込まれる(図8参照)。なお、空燃比サブフィードバック補正量fafsb 〔%〕は、図8に示すように、上下限値(ガード値)に到達したのちは、それを越えることなく張付いた状態に保持される。次にステップS306に移行して、上述の図3の空燃比サブフィードバック学習値演算ルーチンにより算出されている空燃比サブフィードバック学習値flafsb〔%〕が読込まれる(図8参照)。次にステップS307に移行して、空燃比サブフィードバック制御における異常診断判定値DGFAFSB 〔%〕が次式(2)にて算出される。なお、αは変換係数である。
【0034】
【数2】
DGFAFSB ←(VOX2−TVOX2)*α+fafsb +flafsb ・・・(2)
【0035】
次にステップS308に移行して、ステップS307で算出された異常診断判定値DGFAFSB に基づき異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕が次式(3)にて算出され(図8参照)、本ルーチンを終了する。なお、DGFAFSB は今回の異常診断判定値、DGFAFSBSM(i-1)は前回の異常診断判定値、K2 はなまし定数である。
【0036】
【数3】
DGFAFSBSM ←DGFAFSBSM(i-1)+{DGFAFSB −DGFAFSBSM(i-1)}*K2・・・(3)
【0037】
一方、ステップS301の判定条件が成立せず、即ち、空燃比フィードバック制御中でないとき、またはステップS302の判定条件が成立せず、即ち、空燃比サブフィードバック制御中でないときにはステップS309に移行し、空燃比サブフィードバック制御における異常診断判定値DGFAFSB が「0〔%〕」に設定される。次にステップS310に移行して、空燃比サブフィードバック制御における異常診断判定なまし値DGFAFSBSM が「0〔%〕」に設定され、本ルーチンを終了する。
【0038】
次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECU30における異常診断制御の処理手順を示す図6のフローチャートに基づき、図2、図4、図7及び図8を参照して説明する。ここで、図7は図6における吸入空気量GA〔g/sec〕をパラメータとして異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕に対応するリッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 〔%〕及びリーン側異常診断判定値tDGFAFSBL 〔%〕を算出するマップである。なお、この異常診断制御ルーチンは所定時間毎にECU30にて繰返し実行される。
【0039】
図6において、まず、ステップS401で、異常診断実行条件成立であるかが判定される。ステップS401の判定条件が成立、即ち、上述の図2の異常診断実行条件判定ルーチンにより異常診断実行条件成立と判定されているとき(図8に示す時刻t0 以降)にはステップS402に移行し、上述の図4の異常診断判定なまし値演算ルーチンにより算出されている空燃比サブフィードバック制御における異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕が読込まれる。次にステップS403に移行して、図7に示すマップに基づき、吸入空気量GA〔g/sec〕に対応して設定されたリッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 〔%〕、リーン側異常診断判定値tDGFAFSBL 〔%〕が読込まれる。なお、図7のマップに示すように、吸入空気量GA〔g/sec〕が多くなるに連れて異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕に対するリッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 〔%〕、リーン側異常診断判定値tDGFAFSBL 〔%〕の余裕が共に少なくなるよう設定される。
【0040】
次にステップS404に移行して、ステップS402で読込まれた空燃比サブフィードバック制御における異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕がステップS403で読込まれたリッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 〔%〕を越え大きいかが判定される。ステップS404の判定条件が成立、即ち、異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕がリッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 〔%〕を越え大きいときにはステップS405に移行し、リッチ側異常継続カウンタCDGFAFSBR が「+1」インクリメントされる。次にステップS406に移行して、リッチ側異常継続カウンタCDGFAFSBR が「20」を越えているかが判定される。ステップS406の判定条件が成立、即ち、リッチ側異常継続カウンタCDGFAFSBR が「20」を越え大きいときにはステップS407に移行し、リッチ側異常診断確定としてリッチ側異常診断フラグxDGFAFSBR が「1(異常)」にセットされる。
【0041】
一方、ステップS404の判定条件が成立せず、即ち、異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕がリッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 〔%〕以下と小さいときにはステップS408に移行し、ステップS402で読込まれた空燃比サブフィードバック制御における異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕がステップS403で読込まれたリーン側異常診断判定値tDGFAFSBL 〔%〕を越え小さいかが判定される。ステップS408の判定条件が成立、即ち、異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕がリーン側異常診断判定値tDGFAFSBL 〔%〕を越え小さいときにはステップS409に移行し、リーン側異常継続カウンタCDGFAFSBL が「+1」インクリメントされる(図8に示す時刻t1 以降)。
【0042】
次にステップS410に移行し、リーン側異常継続カウンタCDGFAFSBL が「20」を越えているかが判定される。ステップS410の判定条件が成立、即ち、リーン側異常継続カウンタCDGFAFSBL が「20」を越え大きいとき(図8に示す時刻t2 以降)にはステップS411に移行し、リーン側異常診断確定としてリーン側異常診断フラグxDGFAFSBL が「1(異常)」にセットされる(図8に示す時刻t2 )。ステップS407またはステップS411による異常診断確定ののちステップS412に移行し、例えば、メータパネル内の警告灯(図示略)が点灯される。次にステップS413に移行して、空燃比フィードバック制御、空燃比サブフィードバック制御が停止され、本ルーチンを終了する。
【0043】
一方、ステップS401の判定条件が成立せず、即ち、上述の図2の異常診断実行条件判定ルーチンにより異常診断実行条件不成立と判定されているとき、またはステップS408の判定条件が成立せず、即ち、空燃比サブフィードバック制御における異常診断判定なまし値DGFAFSBSM 〔%〕がリッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 〔%〕とリーン側異常診断判定値tDGFAFSBL 〔%〕との間にあるときにはステップS414に移行し、リッチ側異常継続カウンタCDGFAFSBR が「0」及びリーン側異常継続カウンタCDGFAFSBL が「0」にクリアされ、本ルーチンを終了する。なお、ステップS406の判定条件が成立せず、即ち、リッチ側異常継続カウンタCDGFAFSBR が「20」以下のとき、またはステップS410の判定条件が成立せず、即ち、リーン側異常継続カウンタCDGFAFSBL が「20」以下のときには、何もすることなく本ルーチンを終了する。
【0044】
このように、本実施例の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置は、内燃機関1の排気通路12中に配設され、内燃機関1からの排出ガスを浄化する三元触媒13と、排気通路12中で三元触媒13の上流側に配設され、内燃機関1からの排出ガスの空燃比λに応じた出力電圧VOX1を検出する空燃比センサ26と、排気通路12中で三元触媒13の下流側に配設され、三元触媒13を通過した排出ガスの酸素濃度に応じた出力電圧VOX2を検出する酸素センサ27と、三元触媒13の浄化率に応じて酸素センサ27で検出される酸素濃度に応じた出力電圧VOX2に基づき空燃比センサ26で検出される空燃比λに応じた出力電圧VOX1を補正する空燃比サブフィードバック制御を実行するECU30にて達成される制御手段と、前記制御手段による空燃比サブフィードバック制御における補正異常を、酸素センサ27で検出される酸素濃度に応じた出力電圧VOX2とその目標電圧TVOX2との偏差、空燃比サブフィードバック補正量fafsb 、空燃比サブフィードバック学習値flafsbのうち少なくとも何れか1つの指標を用いて判定するECU30にて達成される判定手段とを具備するものである。
【0045】
つまり、空燃比サブフィードバック制御における補正異常が、酸素センサ27で検出される酸素濃度に応じた出力電圧VOX2とその目標電圧TVOX2との偏差、空燃比サブフィードバック補正量fafsb 、空燃比サブフィードバック学習値flafsbのうち少なくとも何れか1つの指標を用いて判定される。このため、各指標の変動がエミッションに影響を与える各判定値まで到達すると空燃比サブフィードバック制御における補正異常と判定され、例えば、メータパネル内の警告灯が点灯され、ドライバに速やかに伝達されることで、エミッション低下を最小限に抑えることができる。
【0046】
また、本実施例の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置は、指標として平滑化した値として異常診断判定なまし値DGFAFSBSM を用いるものである。これにより、指標がノイズ等による瞬間的な変動や内燃機関の急激な運転状態の変動等の過渡的な影響を受けることがなくなり、常に安定して空燃比サブフィードバック制御における補正異常を判定することができるため、判定精度を向上することができる。
【0047】
そして、本実施例の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置のECU30にて達成される判定手段は、内燃機関1の運転条件に応じて指標として総合的かつ平滑化された異常診断判定なまし値DGFAFSBSM に対するリッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 、リーン側異常診断判定値tDGFAFSBL を設定すると共に、その判定までの時間を、リッチ側異常継続カウンタCDGFAFSBR 及びリーン側異常継続カウンタCDGFAFSBL に対する比較値「20」として、可変とするものである。これにより、内燃機関1の運転条件の変化に応じて空燃比サブフィードバック制御における補正異常を判定することができるため、判定精度を向上することができる。
【0048】
更に、本実施例の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置のECU30にて達成される判定手段は、空燃比センサ26または酸素センサ27のうち少なくとも何れか1つが異常であるときには、判定を停止するものである。これにより、空燃比サブフィードバック制御における補正異常の判定で、誤った診断を回避することができる。
【0049】
更にまた、本実施例の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置のECU30にて達成される判定手段は、空燃比サブフィードバック制御における補正異常と判定したときには、空燃比センサ26からの出力に基づく空燃比フィードバック制御及び酸素センサ27からの出力に基づく空燃比サブフィードバック制御を停止するものである。つまり、空燃比サブフィードバック制御における補正異常と判定されたときには、空燃比サブフィードバック制御のみならず空燃比フィードバック制御も停止される。これにより、空燃比フィードバック制御及び空燃比サブフィードバック制御の過補正を未然に防止することができる。
【0050】
ところで、上記実施例では、酸素センサ27からの出力電圧VOX2が目標電圧TVOX2に対してリーン側にずれ、空燃比サブフィードバック補正量fafsb 及び空燃比サブフィードバック学習値flafsbがマイナス側に遷移し、この結果、異常診断判定なまし値DGFAFSBSM がリーン側異常診断判定値tDGFAFSBL を越え、リーン側異常継続カウンタCDGFAFSBL が「20」を越えることによって、リーン側異常診断フラグxDGFAFSBL が「1」となる空燃比サブフィードバック制御における補正異常と判定される場合について説明したが、酸素センサ27からの出力電圧VOX2が目標電圧TVOX2に対してリッチ側にずれた場合には、リッチ側異常診断判定値tDGFAFSBR 及びリッチ側異常継続カウンタCDGFAFSBR を用いてリッチ側異常診断フラグxDGFAFSBR が「1」となることにより、同様に説明することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECUにおける異常診断実行条件判定の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECUにおける空燃比サブフィードバック学習値演算の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECUにおける異常診断判定なまし値演算の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は図4における吸入空気量をパラメータとして目標電圧を算出するマップである。
【図6】図6は本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECUにおける異常診断制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は図6における吸入空気量をパラメータとして異常診断判定なまし値に対応する異常診断判定値を算出するマップである。
【図8】図8は本発明の実施の形態の一実施例にかかる空燃比サブフィードバック制御異常検出装置で使用されているECUにおける各処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関
12 排気通路
13 三元触媒
26 空燃比センサ
27 酸素センサ
30 ECU(電子制御ユニット)
Claims (5)
- 内燃機関の排気通路中に配設され、前記内燃機関からの排出ガスを浄化する触媒と、
前記排気通路中で前記触媒の上流側に配設され、前記内燃機関からの排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、
前記排気通路中で前記触媒の下流側に配設され、前記触媒を通過した排出ガスの酸素濃度を検出する酸素センサと、
前記触媒の浄化率に応じて前記酸素センサで検出される酸素濃度に基づき前記空燃比センサで検出される空燃比を補正する空燃比サブフィードバック制御を実行する制御手段と、
前記制御手段による空燃比サブフィードバック制御における補正異常を、前記酸素センサで検出される酸素濃度とその目標値との偏差、空燃比サブフィードバック補正量、空燃比サブフィードバック学習値のうち少なくとも何れか1つの指標を用いて判定する判定手段と
を具備することを特徴とする空燃比サブフィードバック制御異常検出装置。 - 前記指標は、平滑化した値を用いることを特徴とする請求項1に記載の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置。
- 前記判定手段は、前記内燃機関の運転条件に応じて前記指標に対する判定値を設定すると共に、その判定までの時間を可変とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置。
- 前記判定手段は、前記空燃比センサまたは前記酸素センサのうち少なくとも何れか1つが異常であるときには、判定を停止することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置。
- 前記判定手段は、空燃比サブフィードバック制御における補正異常と判定したときには、前記空燃比センサからの出力に基づく空燃比フィードバック制御及び前記酸素センサからの出力に基づく空燃比サブフィードバック制御を停止することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の空燃比サブフィードバック制御異常検出装置。
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Cited By (4)
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|---|---|---|---|---|
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-
2002
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