JP2004207445A - パワーモジュール用基板の製造方法並びにパワーモジュール用基板及びパワーモジュール - Google Patents
パワーモジュール用基板の製造方法並びにパワーモジュール用基板及びパワーモジュール Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】金属基板2、3上にNiP無電解メッキを施してNiPメッキ層6を形成する第1のメッキ工程と、前記NiPメッキ層上にCu原子を付着させてCu原子層7を形成するCu付着工程とを有する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気自動車や電気車両等、大電流・大電圧を制御する半導体装置に用いられるパワーモジュール用基板の製造方法並びにパワーモジュール用基板及びパワーモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子の中でも電力供給のためのパワーモジュールは発熱量が比較的高いため、これを搭載する基板としては、通常、セラミックス基板上にAl等の回路基板が直接又はろう材を介して接着されたパワーモジュール用基板が用いられる。
【0003】
上記パワーモジュール用基板の回路基板は、パワー素子のSiチップを搭載するために、従来、金属基板上にNi−P無電解メッキによりNiPメッキ層を形成、又はその上にさらに、電解メッキによりNiメッキ層をメッキ形成している。そして、これらメッキ層上に半田付けを行うことにより、半田層を介してSiチップをパワーモジュール用基板上に搭載していた。この技術は、例えば、下記特許文献1に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−226274号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のパワーモジュール用基板技術には、以下の課題が残されている。すなわち、NiPメッキ層のみ設けた従来技術では、表面に酸化膜が形成されて半田濡れ性が悪く、ボイド等が発生する場合があり、また、NiPメッキ層とNiメッキ層との2層メッキ構造では、半田濡れ性は向上するが製造コストが高くなるという不都合があった。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、半田濡れ性の向上及び低コスト化を図ることができるパワーモジュール用基板の製造方法並びにパワーモジュール用基板及びパワーモジュールを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、金属基板上にNiP無電解メッキを施してNiPメッキ層を形成する第1のメッキ工程と、前記NiPメッキ層上にCu原子を付着させてCu原子層を形成するCu付着工程とを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のパワーモジュール用基板は、金属基板上にNiPメッキ層が形成され、該NiPメッキ層上にCu原子が付着したCu原子層が形成されていることを特徴とする。
【0009】
このパワーモジュール用基板の製造方法では、NiPメッキ層上にCu原子を付着させてCu原子層を形成するCu付着工程を有するので、又はこのパワーモジュール用基板では、NiPメッキ層上にCu原子が付着したCu原子層が形成されているので、Cu原子層によってNiPメッキ層表面の酸化膜形成を抑制でき、半田濡れ性が大幅に向上すると共に、従来の2層メッキ構造に比べて製造コストを低減することができる。
【0010】
また、本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、前記Cu付着工程において、Cuを含有するNi電解メッキ液中において前記金属基板に電流を流さずに犠牲電極にのみ電流を流して前記NiPメッキ層上にCu原子を付着させることを特徴とする。すなわち、このパワーモジュール用基板の製造方法では、Cuを含有するNi電解メッキ液中において金属基板に電流を流さずに犠牲電極にのみ電流を流してNiPメッキ層上にCu原子を付着させるので、NiPメッキ層上に数十原子層の極薄Cu原子層を形成することができる。
【0011】
また、本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、前記Cu付着工程において、前記Cu原子をナノメートルオーダーの厚さで付着させることを特徴とする。すなわち、このパワーモジュール用基板の製造方法では、Cu原子をナノメートルオーダーの厚さで付着させることにより、ナノメートルオーダーを超えた厚いCu層の場合に生じやすい半田との化合層が形成されることを防ぐことができる。
【0012】
本発明のパワーモジュール用基板は、上記本発明のパワーモジュール用基板の製造方法で作製されたことを特徴とする。すなわち、このパワーモジュール用基板では、上記本発明のパワーモジュール用基板の製造方法で作製されているので、接着特性の優れた半田付けが可能であり、半導体チップの接着に関し高い信頼性を得ることができる。
【0013】
本発明のパワーモジュールは、セラミックス基板と該セラミックス基板上に回路基板とを備え、該回路基板上に半導体チップが搭載されたパワーモジュールであって、前記回路基板は、上記本発明のパワーモジュール用基板であり、前記半導体チップは、前記回路基板上に半田付けにより接着されていることを特徴とする。すなわち、このパワーモジュールでは、回路基板が、上記本発明のパワーモジュール用基板であり、半導体チップが、回路基板上に半田付けにより接着されているので、接着特性の優れた半田付けにより高い信頼性を有することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るパワーモジュール用基板の製造方法並びにパワーモジュール用基板及びパワーモジュールの一実施形態を、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0015】
本実施形態のパワーモジュール用基板及びこれを用いたパワーモジュールは、図1に示すように、電力供給用のパワー素子を有するSiチップ(半導体チップ)5を搭載するものである。
このパワーモジュール用基板及びパワーモジュールの構造を、その製造プロセスと合わせて説明すると、まず、Al2O3等を含むセラミックス基板1の上面にAl(アルミニウム)等の回路基板2を直接又はろう材を介して接着すると共に、セラミックス基板1の下面にAl等の金属基板3を直接又はろう材を介して接着する。なお、上記回路基板2の表面には、所望の回路パターンが形成されている。
【0016】
次に、上記回路基板2及び金属基板3の表面上に、従来と同様に、図2の(a)に示すように、NiP無電解メッキを施してNiPメッキ層6を形成する(第1のメッキ工程)。次に、不純物としてCuを含有するNi電解メッキ液中において、NiPメッキ層6を形成した回路基板2及び金属基板3に電流を流さずに(金属基板3に電極を付けないで)犠牲電極にのみ電流を流してNiPメッキ層6上にCu原子を付着させ、図2の(b)に示すように、Cu原子層7を形成する(Cu付着工程)。
【0017】
このCu原子層7は、数十原子層(例えば、6nm)のナノメートルオーダーの厚さに形成される。なお、このCu原子層7は、一様な膜状の他に、表面上に複数の島状に形成される場合でも構わない。
このように上記工程により、本実施形態のパワーモジュール用基板が作製される。
【0018】
次に、上記パワーモジュール用基板の回路基板2上面、すなわちCu原子層7上に、Siチップ5を半田8により接着すると共に、パワーモジュール用基板を、金属基板3を介して放熱板4上に半田8により接着する。
この半田付けの際、回路基板2上及び金属基板3上のNiPメッキ層6は、Cu原子層7により半田層8の濡れ性が向上し、良好なフィレット形成ができると共に、低いボイド率を得ることができる。
このようにして、本実施形態のパワーモジュールが作製される。
【0019】
本実施形態では、NiPメッキ層6上にCu原子を付着させてCu原子層7を形成するので、Cu原子層7によってNiPメッキ層6表面の酸化膜形成を抑制でき、半田濡れ性が大幅に向上すると共に、従来の2層メッキ構造に比べて製造コストを低減することができる。
【0020】
また、Cuを含有するNi電解メッキ液中において回路基板2及び金属基板3に電流を流さずに犠牲電極にのみ電流を流してNiPメッキ層6上にCu原子を付着させるので、NiPメッキ層6上に数十原子層の極薄Cu原子層7を形成することができる。また、Cu原子をナノメートルオーダーの厚さで付着させることにより、ナノメートルオーダーを超えた厚いCu層の場合に生じやすい半田との化合層が形成されることを防ぐことができる。
【0021】
このように、回路基板2上にSiチップ5を接着特性の優れた半田付けにより搭載することができ、パワーモジュールとして高い信頼性を有することができる。
【0022】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0023】
例えば、上記実施形態では、回路基板2及び金属基板3の両表面において上記メッキ及び半田付けを行ったが、いずれか一方にのみ行っても構わない。なお、回路基板2及び金属基板3の両表面に適用すれば、両方で半田接合部の高い信頼性が得られ、より好ましいことは言うまでもない。
また、Cu原子層を形成する方法としては、上記メッキ方法以外の手段を用いても構わない。例えば、MBE(分子線エピタキシー)法を用いてCu原子層を形成してもよい。なお、上述したように、上記メッキ方法によれば低コスト化を実現可能である。
【0024】
【実施例】
次に、本発明に係るパワーモジュール用基板の製造方法を、実施例により具体的に説明する。
【0025】
上記実施形態により実際に作製したパワーモジュール用基板において、その半田濡れ性を測定した。この半田濡れ性試験は、還元雰囲気炉中(N2:93%、H2:7%の混合ガス)、ピーク温度365℃にて10%Snの半田ボール2mmφを回路基板2上に半田付けしてその濡れ率を測定した。比較として、Ni−Pメッキ層のみの場合と、さらに電解Niメッキ層を形成した2層メッキ構造の場合についても同様に測定した。この試験結果を下記の表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
この表1から、本発明品の場合、Ni−Pメッキ層のみの場合及び電解Niメッキ層を形成した場合よりも、半田濡れ性が向上していることがわかる。また、Ni−Pメッキ層のみの場合には、濡れ率30%程度のものも発生しており、濡れ率に大きなバラツキがあるのに対し、本発明品の場合、濡れ率が全て75%以上で安定した濡れ性を有している。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明のパワーモジュール用基板の製造方法並びにパワーモジュール用基板及びパワーモジュールによれば、NiPメッキ層上にCu原子を付着させてCu原子層を形成するので、Cu原子層によってNiPメッキ層表面の酸化膜形成を抑制でき、半田濡れ性が大幅に向上すると共に、従来の2層メッキ構造に比べて製造コストを低減することができる。したがって、ボイドを低減することができ、低コストで接合部分の高い信頼性を有するパワーモジュールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態において、パワーモジュールを示す断面図である。
【図2】本発明に係る一実施形態において、パワーモジュールの製造工程(回路基板及び金属基板のメッキ工程)を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 セラミックス基板
2 回路基板(金属基板)
3 金属基板
4 放熱板
5 Siチップ(半導体チップ)
6 NiPメッキ層
7 Cu原子層
8 半田
Claims (6)
- 金属基板上にNiP無電解メッキを施してNiPメッキ層を形成する第1のメッキ工程と、
前記NiPメッキ層上にCu原子を付着させてCu原子層を形成するCu付着工程とを有することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。 - 請求項1に記載のパワーモジュール用基板の製造方法において、
前記Cu付着工程は、Cuを含有するNi電解メッキ液中において前記金属基板に電流を流さずに犠牲電極にのみ電流を流して前記NiPメッキ層上にCu原子を付着させることを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。 - 請求項1又は2に記載のパワーモジュール用基板の製造方法において、
前記Cu付着工程は、前記Cu原子をナノメートルオーダーの厚さで付着させることを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載のパワーモジュール用基板の製造方法で作製されたことを特徴とするパワーモジュール用基板。
- 金属基板上にNiPメッキ層が形成され、
該NiPメッキ層上にCu原子が付着したCu原子層が形成されていることを特徴とするパワーモジュール用基板。 - セラミックス基板と該セラミックス基板上に回路基板とを備え、該回路基板上に半導体チップが搭載されたパワーモジュールであって、
前記回路基板は、請求項4又は5に記載のパワーモジュール用基板であり、
前記半導体チップは、前記回路基板上に半田付けにより接着されていることを特徴とするパワーモジュール。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2002373892A JP3901086B2 (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | パワーモジュール用基板の製造方法並びにパワーモジュール用基板及びパワーモジュール |
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|---|---|---|---|
| JP2002373892A JP3901086B2 (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | パワーモジュール用基板の製造方法並びにパワーモジュール用基板及びパワーモジュール |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
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| JP3901086B2 JP3901086B2 (ja) | 2007-04-04 |
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|---|---|---|---|---|
| JP2006269682A (ja) * | 2005-03-23 | 2006-10-05 | Fuji Electric Holdings Co Ltd | 半導体装置およびその製造方法 |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002373892A patent/JP3901086B2/ja not_active Expired - Lifetime
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