JP2004207661A - 放熱部材および放熱部材を有する電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の発熱素子が発生する熱を分散して放熱できるとともに、発熱素子が発生するノイズを各発熱素子ごとにシールドすることができる放熱部材および放熱部材を有する電子機器を提供すること。
【解決手段】電子機器10の筐体内に配置されて、筐体内の基板32に搭載された複数の発熱素子40,42,43の発生する熱を分散して放熱するための放熱部材31であり、放熱部材31は、基板32に対面するように配置されて、複数の発熱素子40,42,43を熱的に区画する区画部60乃至65を有し、導電性と熱伝導性を持つ炭素繊維が含有された樹脂モールド材からなる。
【選択図】 図3
【解決手段】電子機器10の筐体内に配置されて、筐体内の基板32に搭載された複数の発熱素子40,42,43の発生する熱を分散して放熱するための放熱部材31であり、放熱部材31は、基板32に対面するように配置されて、複数の発熱素子40,42,43を熱的に区画する区画部60乃至65を有し、導電性と熱伝導性を持つ炭素繊維が含有された樹脂モールド材からなる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器の筐体内に配置されて、筐体内の基板に搭載された複数の発熱素子の発生する熱を分散して放熱するための放熱部材および放熱部材を有する電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化の要請に伴い、電子機器内に収容される回路基板には、各種の電子素子がより高い集積度で搭載されるようになっており、作動時には各電子素子は発熱素子となる。しかも各発熱素子の占める体積は小さくなっている。
このことから回路基板上の単位体積あたりにおける複数の発熱素子の発生する発熱量の増加が著しく、その発熱量の増加が懸念されている。
【0003】
コンピュータ、オーディオビジュアル(AV)機器、携帯電話、電話機、ファクシミリ等の電子機器に搭載されている半導体素子やその他の種類の電子素子は、それぞれ動作する時に熱を発生する発熱素子である。
このような発熱素子の冷却が、特に電子機器の筐体の小型化に伴い注目されている。この種の電子機器(電機機器とも呼ぶ)の構成部品や筐体は、成形性に優れ安価であり軽量化の可能なことからプラスチックにより作られている。
特に、携帯電話やBluetooth(ブルートゥース:プロトコルの総称)、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)などの通信モジュールの入ったPDA(携帯情報端末)などは、モールドに金属をコーティングしたシールドケースを用いている。従来の電子機器用の部材は、繊維強化プラスチックと金属成形品を複合した成形品である(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−147286号公報(第1頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、携帯電話や携帯情報端末のような電子機器は、高集積化と多機能化が進み、消費電力がなかなか減らない状態になっている。しかも、高集積化および多機能化が進んだ回路の各素子から発生するノイズが、電子機器の外部に出るのを防ぐ必要もある。
そこで本発明は上記課題を解消し、複数の発熱素子が発生する熱を分散して放熱できるとともに、発熱素子が発生するノイズを各発熱素子ごとにシールドすることができる放熱部材および放熱部材を有する電子機器を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、電子機器の筐体内に配置されて、前記筐体内の基板に搭載された複数の発熱素子の発生する熱を分散して放熱するための放熱部材であり、前記放熱部材は、前記基板に対面するように配置されて、複数の前記発熱素子を熱的に区画する区画部を有し、導電性と熱伝導性を持つ炭素繊維が含有された樹脂モールド材からなることを特徴とする放熱部材である。
【0007】
請求項1では、放熱部材は、基板に対面して配置される。この放熱部材は、複数の発熱素子を熱的に区画する区画部を有している。放熱部材は、導電性と熱伝導性を持つ炭素繊維が含有された樹脂モールド材から作られている。
これにより、複数の発熱素子が発生する熱を分散して放熱することができるとともに、複数の発熱素子が発生するノイズが、区画部によりそれぞれ区画してシールドすることができる。したがって、発熱素子の発生する熱は確実に分散して放熱できるとともに、発熱素子の発生するノイズは外部に漏れないようにカットすることができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の放熱部材において、前記発熱素子の面には、シート状の熱伝達部材が配置されており、前記放熱部材は、前記シート状の熱伝達部材に対して熱的に密着されている。
【0009】
請求項2では、発熱素子の面には、シート状の熱伝達部材が配置されている。この放熱部材は、シート状の熱伝達部材に対して熱的に密着されている。
これにより、発熱素子の発生する熱は、シート状の熱伝達部材を介して放熱部材側に確実に伝えることができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載の放熱部材において、複数の前記発熱素子の面に対して密着して配置されたヒートスプレッダをさらに有する。
【0011】
請求項3では、複数の発熱素子の面に対してヒートスプレッダが密着して配置されている。シート状の熱伝達部材は、ヒートスプレッダと放熱部材の間に配置されている。
これにより、複数の発熱素子の発生する熱はヒートスプレッダにより平準化される。平準化された熱は、ヒートスプレッダからシート状の熱伝達部材を介して放熱部材側に放熱される。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1に記載の放熱部材において、電気絶縁性を有するセラミックス材が配置されている。
【0013】
請求項4では、電気絶縁性を有するセラミックス材が放熱部材に配置されることにより、シールド部材として機能する放熱部材に対して電気絶縁性を持たせるとともに、さらに放熱特性を上げることができる。
【0014】
請求項5の発明は、電子機器の筐体内に配置されて、前記筐体内の基板に搭載された複数の発熱素子の発生する熱を分散して放熱するための放熱部材を有する電子機器であり、前記放熱部材は、前記基板に対面するように配置されて、複数の前記発熱素子を熱的に区画する区画部を有し、導電性と熱伝導性を持つ炭素繊維が含有された樹脂モールド材からなることを特徴とする放熱部材を有する電子機器である。
【0015】
請求項5では、放熱部材は、基板に対面して配置される。この放熱部材は、複数の発熱素子を熱的に区画する区画部を有している。放熱部材は、導電性と熱伝導性を持つ炭素繊維が含有された樹脂モールド材から作られている。
これにより、複数の発熱素子が発生する熱を分散して放熱することができるとともに、複数の発熱素子が発生するノイズが、区画部によりそれぞれ区画してシールドすることができる。したがって、発熱素子の発生する熱は確実に分散して放熱できるとともに、発熱素子の発生するノイズは外部に漏れないようにカットすることができる。
【0016】
請求項6の発明は、請求項5に記載の放熱部材を有する電子機器において、前記発熱素子の面には、シート状の熱伝達部材が配置されており、前記放熱部材は、前記シート状の熱伝達部材に対して熱的に密着されている。
【0017】
請求項6では、発熱素子の面には、シート状の熱伝達部材が配置されている。この放熱部材は、シート状の熱伝達部材に対して熱的に密着されている。
これにより、発熱素子の発生する熱は、シート状の熱伝達部材を介して放熱部材側に確実に伝えることができる。
【0018】
請求項7の発明は、請求項5に記載の放熱部材を有する電子機器において、複数の前記発熱素子の面に対して密着して配置されたヒートスプレッダをさらに有する。
【0019】
請求項7では、複数の発熱素子の面に対してヒートスプレッダが密着して配置されている。シート状の熱伝達部材は、ヒートスプレッダと放熱部材の間に配置されている。
これにより、複数の発熱素子の発生する熱はヒートスプレッダにより平準化される。平準化された熱は、ヒートスプレッダからシート状の熱伝達部材を介して放熱部材側に放熱される。
【0020】
請求項8の発明は、請求項5に記載の放熱部材を有する電子機器において、電気絶縁性を有するセラミックス材が配置されている。
【0021】
請求項8では、電気絶縁性を有するセラミックス材が放熱部材に配置されることにより、シールド部材として機能する放熱部材に対して電気絶縁性を持たせるとともに、さらに放熱特性を上げることができる。
【0022】
請求項9の発明は、請求項5に記載の放熱部材を有する電子機器において、第1筐体部と、前記第1筐体部に対してヒンジ部を介して機械的に接続されている第2筐体部を有し、前記第1筐体部の内部に配置された前記放熱部材は、前記第2筐体部側の放熱部に対して前記ヒンジ部を介して熱的に接続されている。
【0023】
請求項9では、電子機器は、第1筐体部と第2筐体部を有している。第2筐体部は第1筐体部に対してヒンジ部を介して機械的に接続されている。第1筐体部の内部に配置された放熱部材は、第2筐体部の放熱部に対してヒンジ部を介して熱的に接続されている。
これによって、第1筐体部側の熱は放熱部材とヒンジ部を介して第2筐体部側の放熱部に対して熱を確実に放出することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0025】
図1は、本発明の電子機器の一例である携帯電話の好ましい実施の形態を示している。図2は、図1の携帯電話の本体の分解斜視図である。
図1と図2に示す電子機器10は、携帯電話機である。この携帯電話機10は、本体11と表示部12を有している。表示部12は本体11に対して連結部13によりR方向に開閉可能になっている。表示部12は、例えば液晶表示パネル14と受話口15を有している。
本体11は、操作ダイヤル16、複数のキー17、送話口18を有している。本体11は、筐体上部20と筐体下部21から構成されている。
【0026】
図1に示す本体11は、その内部に図2に示すような構成要素を有している。筐体上部20と筐体下部21の中の空間には、キー基板30、キー保持ケース31およびメイン基板32を収容している。
キー基板30は筐体上部20の内面側に配置されている。筐体上部20の各キー17を押すことにより、キー基板30のキースイッチ33がオン操作できるようになっている。
【0027】
キー基板30はキー保持ケース31の外面34にたとえば貼り付けて固定されている。キー保持ケース31は、本発明の放熱部材に相当する。キー保持ケース31は、筐体上部20のキー17を押した時にキー基板30とメイン基板32に対して圧力が及ばないようにして、キー基板30とメイン基板32が相互に傷まないようにする機能を有している。
キー保持ケース31は、メイン基板32に対して対面して覆うことができる部材である。
【0028】
メイン基板32は、たとえば発熱素子40,42,43を搭載している。その他にメイン基板32はダイヤル16を搭載している。キー保持ケース31は、このダイヤル16を避けるようにしてメイン基板32に対して固定するために凹部35を有している。
発熱素子40,42,43は、たとえばLSI(大規模集積回路)やその他の電子素子であり、動作する際には発熱をする発熱素子である。
これらの発熱素子40,42,43の周りには、グランドライン45がメイン基板32の面に形成されている。
メイン基板32は領域51,52,53を有している。これらの領域51,52,53は、グランドライン45により電気的に区切られたたとえば長方形状の領域である。
【0029】
次に、上述した放熱部材としてのキー保持ケース31について詳しく説明する。
キー保持ケース31は、高熱伝導性を有する炭素繊維が含有された樹脂モールド材により作られたものである。
図3は、キー保持ケース31とメイン基板32を拡大して示している。図3ではキー保持ケース31の内面56側を示している。
この炭素繊維は、高熱伝導性と導電性を併せ持つ材料である。この炭素繊維が含有された樹脂モールド材は、発熱素子40,42,43から発生するノイズをカットすることができるとともに、発熱素子40,42,43から発生する熱を分散して放熱できる機能を有している。
【0030】
炭素繊維は黒鉛を繊維状にしたもので、導電性があり、繊維の方向性を揃えることにより600〜1000W/mKまでの高熱伝導性を有する。
これにより、樹脂モールド材が高熱伝導性と電気シールド性の特性を同時に持ち、かつ炭素の比重が軽いため、モールド材の比重が2.0g/cm3より軽量であり、熱伝導率が20〜100W/mKを有することができる。
また、このモールド材は導電性を持っているために、従来のようにモールドに金属をコーティングするプロセスが省けるという利点がある。
【0031】
放熱部材であるキー保持ケース31は、それ自体がヒートスプレッダの役割も果たすことができるので、発熱素子40,42,43が発生する熱はキー保持ケース31の全体で放熱して平準化できる。このことから、図2に示す筐体上部20は、いわゆるホットスポット(熱集中箇所)を発生させないようにすることが可能である。
【0032】
このキー保持ケース31は、さらに特徴的な点としては図3に示すように複数の区画部60乃至65を有していることである。区画部61は、メイン基板32の領域53に対応する形状を有している。区画部63は、メイン基板32の領域52に対応する形状を有している。区画部64は、メイン基板32の領域51に対応する形状を有している。
したがって、区画部61はメイン基板32の領域53内の発熱素子43を覆ってしまうことができる。同様にして区画部63はメイン基板32の領域52の発熱素子42を覆ってしまうことができる。区画部64はメイン基板32の領域51の発熱素子40を覆ってしまうことができるのである。
【0033】
発熱素子40,42,43がそれぞれ発生する熱は、キー保持ケース31の全体を使って平準化して、ホットスポットを無くすことができる。しかも、キー保持ケース31の区画部61,63,64を用いることにより、発熱素子40,42,43がそれぞれ発生するノイズを相互に遮断することができる。発熱素子40,42,43の発生するノイズは、キー保持ケース31により完全に遮蔽されるので電子機器の外部に漏れてしまうことを防ぐのである。
キー保持ケース31の区画部60乃至65、好ましくは区画部61,63,64の内面61A,63A,64Aには、ノイズ反射用の金属をコーティングするのが望ましい。このノイズ反射用の金属は、たとえば銅やニッケルなどを用いることができる。
【0034】
次に、図4と図5を参照して、本発明の電子機器の別の実施の形態について説明する。
図4と図5の実施の形態が図3の実施の形態と異なるのは、放熱スペーサ70が用いられていることである。これらの放熱スペーサ70は、発熱素子40,42,43のそれぞれの面に貼り付けて熱的に密着されている。放熱スペーサ70は、シート状の熱伝達部材であり、放熱スペーサ70は、各発熱素子40,42,43の面とキー保持ケース31の区画部61,63,64の内面61A,63A,64Aを熱的に密着するためのものである。
【0035】
この放熱スペーサ70は、発熱素子40,42,43の発生する熱をキー保持ケース31側に効率よく確実に伝えることができる。この放熱スペーサ70を設けることにより、発熱素子40,42,43の高さがそれぞれ異なっていても、図5に示すように、放熱スペーサ70の厚みを変えるだけで、各発熱素子40,42,43はキー保持ケース31の内面61A,63A,64Aに対して確実に密着することができる。
【0036】
この放熱スペーサ70は、シート状の熱伝達部材であるが、この放熱スペーサ70は、電磁波吸収機能を兼用して持たせても勿論構わない。この場合に放熱スペーサ70は、発熱素子の特定の周波数をカットすることに用いる。放熱スペーサ70が電磁波吸収を行うために、放熱スペーサ70は、たとえばMn−ZnやNi−Zn合金やあるいは1μm以下の粒径を持つ金属片などの電磁波吸収フィラーと、放熱性を持つアルミナまたは窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化ホウ素、金属粉などの放熱フィラーを含んでいる。
【0037】
図6は、本発明のさらに別の実施の形態を示している。
図6(A)に示すキー保持ケース31は、その区画部61,63,64の内面には、ヒートスプレッダ80がたとえば接着されている。このヒートスプレッダ80を含む放熱構造は、図6(B)に示している。
ヒートスプレッダ80は、メイン基板32の複数の発熱素子40A,40Bに対して熱的に密着して貼り付けられている。ヒートスプレッダ80はシート状の部材である。ヒートスプレッダ80は、キー保持ケース31の区画部61,63,64の内面61A,63A,64Aに対して貼り付けて熱的に密着されている。このヒートスプレッダ80は、シート状の熱伝達部材である放熱スペーサ70を介して複数の発熱素子40A,40Bに熱的に密着されている。このようにすると、複数の発熱素子40A,40Bの熱は、放熱スペーサ70を通じてヒートスプレッダ80に伝えられる。ヒートスプレッダ80は、複数の発熱素子40A,40Bの発生する熱を平準化してキー保持ケース31の区画部64の内面64Aに伝えることができる。
【0038】
キー保持ケース31は、この伝えられた熱をさらに平準化して放熱をする。ヒートスプレッダ80の材質としては、銅箔、アルミニウム箔、グラファイトシートなどの高熱伝導率を持つ材質を用いる。キー保持ケース31の内面とヒートスプレッダ80は、たとえば熱伝導性を持つフィラーが含有された接着剤で熱的に密着して接続するのが望ましい。
【0039】
図7は、本発明のさらに別の実施の形態を示している。
図7(A)に示すキー保持ケース31の外面34には、セラミックス板90が図7(B)のように熱的に密着して貼り付けて固定されている。セラミックス板90は、キー保持ケース31の外面34に対して電気絶縁性を持たせるとともに、さらに熱を拡散させるためにヒートスプレッダの機能をも兼ね備えている。
このように電気絶縁性を有するセラミックス板90を用いるのは、図2に示すキー保持ケース31とキー基板30の間に電気絶縁性を持たせる必要がある場合である。セラミックス板90は、たとえば厚みが0.2mm乃至0.5mm程度のものである。
【0040】
セラミックス板90の材質としては、アルミナまたは窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などを用いることができる。特に窒化珪素と窒化アルミニウムは、熱伝導性が優れているために、電気絶縁性ばかりではなく、ヒートスプレッダのような熱拡散性機能をも有している。
キー保持ケース31の外面34とセラミックス板90は、たとえば熱伝導性を持つフィラーが含有された接着剤により熱的に密着して固定することも可能である。
【0041】
図8は、本発明の電子機器のさらに別の実施の形態を示している。
筐体下部21と筐体上部20の間には、シールドケースとしてのキー保持ケース31と、放熱スペーサ70が、発熱素子40に対して熱的に密着して固定されている。このキー保持ケース31は、端子98を介して、メイン基板32のグランドライン45に対して電気的に接続されている。
【0042】
またキー保持ケース31は、金属製のヒンジ95を介して、表示部12側の放熱部100に対して熱的に接続されている。このようにすることで、発熱素子40が発生する熱は、放熱スペーサ70を介してキー保持ケース31に伝わる。この伝わった熱は、キー保持ケース31およびヒンジ95を通じて表示部12側の放熱部100に熱を放出することができる。
放熱部100は、たとえば筐体の外部に対して熱を放出する。キー保持ケース31から、比較的大きな熱容量を持つ金属製のヒンジ95に放熱したり、そしてさらに大きな熱容量を持つ放熱部100が効率よく熱を外部に放出することができる。
【0043】
上述したようなシート状の熱伝達部材である放熱スペーサ70は、たとえばシリコンやアクリルなどの素材により作ることができる。このシリコンやアクリルの素材に対してアルミナなどの高熱伝導性フィラーを含有するようにすることで、シート状の熱伝達部材は熱伝達効率を上げることができる。
【0044】
上述したようにキー保持ケース31は区画部60乃至65を有しており、特に区画部61,63,64はメイン基板32の領域53,52,51にそれぞれ対応して別々に覆ってしまうことができる。
このことから各領域53,52,51における発熱素子43,42,40の発生するノイズをシールドすることができるとともに、発熱素子43,42,40が発生する熱を放熱することができる。
本発明の放熱部材は、導電性と高熱伝導性を持つ炭素繊維が含有されたモールド材をシールドケースに用いることにより、良好なシールド性と放熱性を持たせることができる。
【0045】
ところで本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上述した実施の形態では、電子機器として、いわゆる携帯型の電子機器である携帯電話を例に挙げている。
しかしこれに限らず電子機器としては、携帯情報端末(PDA)や、デジタルビデオカメラその他の情報関連機器または筐体の中にシールドケースを持つ電子機器であっても勿論構わない。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の発熱素子が発生する熱を分散して放熱できるとともに、発熱素子が発生するノイズを各発熱素子ごとにシールドすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子機器の一例である携帯電話を示す斜視図。
【図2】図1の携帯電話の本体の分解斜視図。
【図3】本発明の実施の形態であるメイン基板とキー保持ケースを示す斜視図。
【図4】本発明の別の実施の形態を示す斜視図。
【図5】図4の実施の形態における放熱構造を示す図。
【図6】本発明のさらに別の実施の形態を示す斜視図。
【図7】本発明のさらに別の実施の形態を示す斜視図。
【図8】本発明のさらに別の実施の形態を示す断面図。
【符号の説明】
10・・・電子機器、11・・・本体、31・・・キー保持ケース(放熱部材)、32・・・メイン基板、40,42,43・・・発熱素子、60乃至65・・・キー保持ケースの区画部、70・・・放熱スペーサ(シート状の熱伝達部材)、80・・・ヒートスプレッダ、90・・・セラミックス板、95・・・ヒンジ
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器の筐体内に配置されて、筐体内の基板に搭載された複数の発熱素子の発生する熱を分散して放熱するための放熱部材および放熱部材を有する電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化の要請に伴い、電子機器内に収容される回路基板には、各種の電子素子がより高い集積度で搭載されるようになっており、作動時には各電子素子は発熱素子となる。しかも各発熱素子の占める体積は小さくなっている。
このことから回路基板上の単位体積あたりにおける複数の発熱素子の発生する発熱量の増加が著しく、その発熱量の増加が懸念されている。
【0003】
コンピュータ、オーディオビジュアル(AV)機器、携帯電話、電話機、ファクシミリ等の電子機器に搭載されている半導体素子やその他の種類の電子素子は、それぞれ動作する時に熱を発生する発熱素子である。
このような発熱素子の冷却が、特に電子機器の筐体の小型化に伴い注目されている。この種の電子機器(電機機器とも呼ぶ)の構成部品や筐体は、成形性に優れ安価であり軽量化の可能なことからプラスチックにより作られている。
特に、携帯電話やBluetooth(ブルートゥース:プロトコルの総称)、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)などの通信モジュールの入ったPDA(携帯情報端末)などは、モールドに金属をコーティングしたシールドケースを用いている。従来の電子機器用の部材は、繊維強化プラスチックと金属成形品を複合した成形品である(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−147286号公報(第1頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、携帯電話や携帯情報端末のような電子機器は、高集積化と多機能化が進み、消費電力がなかなか減らない状態になっている。しかも、高集積化および多機能化が進んだ回路の各素子から発生するノイズが、電子機器の外部に出るのを防ぐ必要もある。
そこで本発明は上記課題を解消し、複数の発熱素子が発生する熱を分散して放熱できるとともに、発熱素子が発生するノイズを各発熱素子ごとにシールドすることができる放熱部材および放熱部材を有する電子機器を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、電子機器の筐体内に配置されて、前記筐体内の基板に搭載された複数の発熱素子の発生する熱を分散して放熱するための放熱部材であり、前記放熱部材は、前記基板に対面するように配置されて、複数の前記発熱素子を熱的に区画する区画部を有し、導電性と熱伝導性を持つ炭素繊維が含有された樹脂モールド材からなることを特徴とする放熱部材である。
【0007】
請求項1では、放熱部材は、基板に対面して配置される。この放熱部材は、複数の発熱素子を熱的に区画する区画部を有している。放熱部材は、導電性と熱伝導性を持つ炭素繊維が含有された樹脂モールド材から作られている。
これにより、複数の発熱素子が発生する熱を分散して放熱することができるとともに、複数の発熱素子が発生するノイズが、区画部によりそれぞれ区画してシールドすることができる。したがって、発熱素子の発生する熱は確実に分散して放熱できるとともに、発熱素子の発生するノイズは外部に漏れないようにカットすることができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の放熱部材において、前記発熱素子の面には、シート状の熱伝達部材が配置されており、前記放熱部材は、前記シート状の熱伝達部材に対して熱的に密着されている。
【0009】
請求項2では、発熱素子の面には、シート状の熱伝達部材が配置されている。この放熱部材は、シート状の熱伝達部材に対して熱的に密着されている。
これにより、発熱素子の発生する熱は、シート状の熱伝達部材を介して放熱部材側に確実に伝えることができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載の放熱部材において、複数の前記発熱素子の面に対して密着して配置されたヒートスプレッダをさらに有する。
【0011】
請求項3では、複数の発熱素子の面に対してヒートスプレッダが密着して配置されている。シート状の熱伝達部材は、ヒートスプレッダと放熱部材の間に配置されている。
これにより、複数の発熱素子の発生する熱はヒートスプレッダにより平準化される。平準化された熱は、ヒートスプレッダからシート状の熱伝達部材を介して放熱部材側に放熱される。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1に記載の放熱部材において、電気絶縁性を有するセラミックス材が配置されている。
【0013】
請求項4では、電気絶縁性を有するセラミックス材が放熱部材に配置されることにより、シールド部材として機能する放熱部材に対して電気絶縁性を持たせるとともに、さらに放熱特性を上げることができる。
【0014】
請求項5の発明は、電子機器の筐体内に配置されて、前記筐体内の基板に搭載された複数の発熱素子の発生する熱を分散して放熱するための放熱部材を有する電子機器であり、前記放熱部材は、前記基板に対面するように配置されて、複数の前記発熱素子を熱的に区画する区画部を有し、導電性と熱伝導性を持つ炭素繊維が含有された樹脂モールド材からなることを特徴とする放熱部材を有する電子機器である。
【0015】
請求項5では、放熱部材は、基板に対面して配置される。この放熱部材は、複数の発熱素子を熱的に区画する区画部を有している。放熱部材は、導電性と熱伝導性を持つ炭素繊維が含有された樹脂モールド材から作られている。
これにより、複数の発熱素子が発生する熱を分散して放熱することができるとともに、複数の発熱素子が発生するノイズが、区画部によりそれぞれ区画してシールドすることができる。したがって、発熱素子の発生する熱は確実に分散して放熱できるとともに、発熱素子の発生するノイズは外部に漏れないようにカットすることができる。
【0016】
請求項6の発明は、請求項5に記載の放熱部材を有する電子機器において、前記発熱素子の面には、シート状の熱伝達部材が配置されており、前記放熱部材は、前記シート状の熱伝達部材に対して熱的に密着されている。
【0017】
請求項6では、発熱素子の面には、シート状の熱伝達部材が配置されている。この放熱部材は、シート状の熱伝達部材に対して熱的に密着されている。
これにより、発熱素子の発生する熱は、シート状の熱伝達部材を介して放熱部材側に確実に伝えることができる。
【0018】
請求項7の発明は、請求項5に記載の放熱部材を有する電子機器において、複数の前記発熱素子の面に対して密着して配置されたヒートスプレッダをさらに有する。
【0019】
請求項7では、複数の発熱素子の面に対してヒートスプレッダが密着して配置されている。シート状の熱伝達部材は、ヒートスプレッダと放熱部材の間に配置されている。
これにより、複数の発熱素子の発生する熱はヒートスプレッダにより平準化される。平準化された熱は、ヒートスプレッダからシート状の熱伝達部材を介して放熱部材側に放熱される。
【0020】
請求項8の発明は、請求項5に記載の放熱部材を有する電子機器において、電気絶縁性を有するセラミックス材が配置されている。
【0021】
請求項8では、電気絶縁性を有するセラミックス材が放熱部材に配置されることにより、シールド部材として機能する放熱部材に対して電気絶縁性を持たせるとともに、さらに放熱特性を上げることができる。
【0022】
請求項9の発明は、請求項5に記載の放熱部材を有する電子機器において、第1筐体部と、前記第1筐体部に対してヒンジ部を介して機械的に接続されている第2筐体部を有し、前記第1筐体部の内部に配置された前記放熱部材は、前記第2筐体部側の放熱部に対して前記ヒンジ部を介して熱的に接続されている。
【0023】
請求項9では、電子機器は、第1筐体部と第2筐体部を有している。第2筐体部は第1筐体部に対してヒンジ部を介して機械的に接続されている。第1筐体部の内部に配置された放熱部材は、第2筐体部の放熱部に対してヒンジ部を介して熱的に接続されている。
これによって、第1筐体部側の熱は放熱部材とヒンジ部を介して第2筐体部側の放熱部に対して熱を確実に放出することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0025】
図1は、本発明の電子機器の一例である携帯電話の好ましい実施の形態を示している。図2は、図1の携帯電話の本体の分解斜視図である。
図1と図2に示す電子機器10は、携帯電話機である。この携帯電話機10は、本体11と表示部12を有している。表示部12は本体11に対して連結部13によりR方向に開閉可能になっている。表示部12は、例えば液晶表示パネル14と受話口15を有している。
本体11は、操作ダイヤル16、複数のキー17、送話口18を有している。本体11は、筐体上部20と筐体下部21から構成されている。
【0026】
図1に示す本体11は、その内部に図2に示すような構成要素を有している。筐体上部20と筐体下部21の中の空間には、キー基板30、キー保持ケース31およびメイン基板32を収容している。
キー基板30は筐体上部20の内面側に配置されている。筐体上部20の各キー17を押すことにより、キー基板30のキースイッチ33がオン操作できるようになっている。
【0027】
キー基板30はキー保持ケース31の外面34にたとえば貼り付けて固定されている。キー保持ケース31は、本発明の放熱部材に相当する。キー保持ケース31は、筐体上部20のキー17を押した時にキー基板30とメイン基板32に対して圧力が及ばないようにして、キー基板30とメイン基板32が相互に傷まないようにする機能を有している。
キー保持ケース31は、メイン基板32に対して対面して覆うことができる部材である。
【0028】
メイン基板32は、たとえば発熱素子40,42,43を搭載している。その他にメイン基板32はダイヤル16を搭載している。キー保持ケース31は、このダイヤル16を避けるようにしてメイン基板32に対して固定するために凹部35を有している。
発熱素子40,42,43は、たとえばLSI(大規模集積回路)やその他の電子素子であり、動作する際には発熱をする発熱素子である。
これらの発熱素子40,42,43の周りには、グランドライン45がメイン基板32の面に形成されている。
メイン基板32は領域51,52,53を有している。これらの領域51,52,53は、グランドライン45により電気的に区切られたたとえば長方形状の領域である。
【0029】
次に、上述した放熱部材としてのキー保持ケース31について詳しく説明する。
キー保持ケース31は、高熱伝導性を有する炭素繊維が含有された樹脂モールド材により作られたものである。
図3は、キー保持ケース31とメイン基板32を拡大して示している。図3ではキー保持ケース31の内面56側を示している。
この炭素繊維は、高熱伝導性と導電性を併せ持つ材料である。この炭素繊維が含有された樹脂モールド材は、発熱素子40,42,43から発生するノイズをカットすることができるとともに、発熱素子40,42,43から発生する熱を分散して放熱できる機能を有している。
【0030】
炭素繊維は黒鉛を繊維状にしたもので、導電性があり、繊維の方向性を揃えることにより600〜1000W/mKまでの高熱伝導性を有する。
これにより、樹脂モールド材が高熱伝導性と電気シールド性の特性を同時に持ち、かつ炭素の比重が軽いため、モールド材の比重が2.0g/cm3より軽量であり、熱伝導率が20〜100W/mKを有することができる。
また、このモールド材は導電性を持っているために、従来のようにモールドに金属をコーティングするプロセスが省けるという利点がある。
【0031】
放熱部材であるキー保持ケース31は、それ自体がヒートスプレッダの役割も果たすことができるので、発熱素子40,42,43が発生する熱はキー保持ケース31の全体で放熱して平準化できる。このことから、図2に示す筐体上部20は、いわゆるホットスポット(熱集中箇所)を発生させないようにすることが可能である。
【0032】
このキー保持ケース31は、さらに特徴的な点としては図3に示すように複数の区画部60乃至65を有していることである。区画部61は、メイン基板32の領域53に対応する形状を有している。区画部63は、メイン基板32の領域52に対応する形状を有している。区画部64は、メイン基板32の領域51に対応する形状を有している。
したがって、区画部61はメイン基板32の領域53内の発熱素子43を覆ってしまうことができる。同様にして区画部63はメイン基板32の領域52の発熱素子42を覆ってしまうことができる。区画部64はメイン基板32の領域51の発熱素子40を覆ってしまうことができるのである。
【0033】
発熱素子40,42,43がそれぞれ発生する熱は、キー保持ケース31の全体を使って平準化して、ホットスポットを無くすことができる。しかも、キー保持ケース31の区画部61,63,64を用いることにより、発熱素子40,42,43がそれぞれ発生するノイズを相互に遮断することができる。発熱素子40,42,43の発生するノイズは、キー保持ケース31により完全に遮蔽されるので電子機器の外部に漏れてしまうことを防ぐのである。
キー保持ケース31の区画部60乃至65、好ましくは区画部61,63,64の内面61A,63A,64Aには、ノイズ反射用の金属をコーティングするのが望ましい。このノイズ反射用の金属は、たとえば銅やニッケルなどを用いることができる。
【0034】
次に、図4と図5を参照して、本発明の電子機器の別の実施の形態について説明する。
図4と図5の実施の形態が図3の実施の形態と異なるのは、放熱スペーサ70が用いられていることである。これらの放熱スペーサ70は、発熱素子40,42,43のそれぞれの面に貼り付けて熱的に密着されている。放熱スペーサ70は、シート状の熱伝達部材であり、放熱スペーサ70は、各発熱素子40,42,43の面とキー保持ケース31の区画部61,63,64の内面61A,63A,64Aを熱的に密着するためのものである。
【0035】
この放熱スペーサ70は、発熱素子40,42,43の発生する熱をキー保持ケース31側に効率よく確実に伝えることができる。この放熱スペーサ70を設けることにより、発熱素子40,42,43の高さがそれぞれ異なっていても、図5に示すように、放熱スペーサ70の厚みを変えるだけで、各発熱素子40,42,43はキー保持ケース31の内面61A,63A,64Aに対して確実に密着することができる。
【0036】
この放熱スペーサ70は、シート状の熱伝達部材であるが、この放熱スペーサ70は、電磁波吸収機能を兼用して持たせても勿論構わない。この場合に放熱スペーサ70は、発熱素子の特定の周波数をカットすることに用いる。放熱スペーサ70が電磁波吸収を行うために、放熱スペーサ70は、たとえばMn−ZnやNi−Zn合金やあるいは1μm以下の粒径を持つ金属片などの電磁波吸収フィラーと、放熱性を持つアルミナまたは窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化ホウ素、金属粉などの放熱フィラーを含んでいる。
【0037】
図6は、本発明のさらに別の実施の形態を示している。
図6(A)に示すキー保持ケース31は、その区画部61,63,64の内面には、ヒートスプレッダ80がたとえば接着されている。このヒートスプレッダ80を含む放熱構造は、図6(B)に示している。
ヒートスプレッダ80は、メイン基板32の複数の発熱素子40A,40Bに対して熱的に密着して貼り付けられている。ヒートスプレッダ80はシート状の部材である。ヒートスプレッダ80は、キー保持ケース31の区画部61,63,64の内面61A,63A,64Aに対して貼り付けて熱的に密着されている。このヒートスプレッダ80は、シート状の熱伝達部材である放熱スペーサ70を介して複数の発熱素子40A,40Bに熱的に密着されている。このようにすると、複数の発熱素子40A,40Bの熱は、放熱スペーサ70を通じてヒートスプレッダ80に伝えられる。ヒートスプレッダ80は、複数の発熱素子40A,40Bの発生する熱を平準化してキー保持ケース31の区画部64の内面64Aに伝えることができる。
【0038】
キー保持ケース31は、この伝えられた熱をさらに平準化して放熱をする。ヒートスプレッダ80の材質としては、銅箔、アルミニウム箔、グラファイトシートなどの高熱伝導率を持つ材質を用いる。キー保持ケース31の内面とヒートスプレッダ80は、たとえば熱伝導性を持つフィラーが含有された接着剤で熱的に密着して接続するのが望ましい。
【0039】
図7は、本発明のさらに別の実施の形態を示している。
図7(A)に示すキー保持ケース31の外面34には、セラミックス板90が図7(B)のように熱的に密着して貼り付けて固定されている。セラミックス板90は、キー保持ケース31の外面34に対して電気絶縁性を持たせるとともに、さらに熱を拡散させるためにヒートスプレッダの機能をも兼ね備えている。
このように電気絶縁性を有するセラミックス板90を用いるのは、図2に示すキー保持ケース31とキー基板30の間に電気絶縁性を持たせる必要がある場合である。セラミックス板90は、たとえば厚みが0.2mm乃至0.5mm程度のものである。
【0040】
セラミックス板90の材質としては、アルミナまたは窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などを用いることができる。特に窒化珪素と窒化アルミニウムは、熱伝導性が優れているために、電気絶縁性ばかりではなく、ヒートスプレッダのような熱拡散性機能をも有している。
キー保持ケース31の外面34とセラミックス板90は、たとえば熱伝導性を持つフィラーが含有された接着剤により熱的に密着して固定することも可能である。
【0041】
図8は、本発明の電子機器のさらに別の実施の形態を示している。
筐体下部21と筐体上部20の間には、シールドケースとしてのキー保持ケース31と、放熱スペーサ70が、発熱素子40に対して熱的に密着して固定されている。このキー保持ケース31は、端子98を介して、メイン基板32のグランドライン45に対して電気的に接続されている。
【0042】
またキー保持ケース31は、金属製のヒンジ95を介して、表示部12側の放熱部100に対して熱的に接続されている。このようにすることで、発熱素子40が発生する熱は、放熱スペーサ70を介してキー保持ケース31に伝わる。この伝わった熱は、キー保持ケース31およびヒンジ95を通じて表示部12側の放熱部100に熱を放出することができる。
放熱部100は、たとえば筐体の外部に対して熱を放出する。キー保持ケース31から、比較的大きな熱容量を持つ金属製のヒンジ95に放熱したり、そしてさらに大きな熱容量を持つ放熱部100が効率よく熱を外部に放出することができる。
【0043】
上述したようなシート状の熱伝達部材である放熱スペーサ70は、たとえばシリコンやアクリルなどの素材により作ることができる。このシリコンやアクリルの素材に対してアルミナなどの高熱伝導性フィラーを含有するようにすることで、シート状の熱伝達部材は熱伝達効率を上げることができる。
【0044】
上述したようにキー保持ケース31は区画部60乃至65を有しており、特に区画部61,63,64はメイン基板32の領域53,52,51にそれぞれ対応して別々に覆ってしまうことができる。
このことから各領域53,52,51における発熱素子43,42,40の発生するノイズをシールドすることができるとともに、発熱素子43,42,40が発生する熱を放熱することができる。
本発明の放熱部材は、導電性と高熱伝導性を持つ炭素繊維が含有されたモールド材をシールドケースに用いることにより、良好なシールド性と放熱性を持たせることができる。
【0045】
ところで本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上述した実施の形態では、電子機器として、いわゆる携帯型の電子機器である携帯電話を例に挙げている。
しかしこれに限らず電子機器としては、携帯情報端末(PDA)や、デジタルビデオカメラその他の情報関連機器または筐体の中にシールドケースを持つ電子機器であっても勿論構わない。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の発熱素子が発生する熱を分散して放熱できるとともに、発熱素子が発生するノイズを各発熱素子ごとにシールドすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子機器の一例である携帯電話を示す斜視図。
【図2】図1の携帯電話の本体の分解斜視図。
【図3】本発明の実施の形態であるメイン基板とキー保持ケースを示す斜視図。
【図4】本発明の別の実施の形態を示す斜視図。
【図5】図4の実施の形態における放熱構造を示す図。
【図6】本発明のさらに別の実施の形態を示す斜視図。
【図7】本発明のさらに別の実施の形態を示す斜視図。
【図8】本発明のさらに別の実施の形態を示す断面図。
【符号の説明】
10・・・電子機器、11・・・本体、31・・・キー保持ケース(放熱部材)、32・・・メイン基板、40,42,43・・・発熱素子、60乃至65・・・キー保持ケースの区画部、70・・・放熱スペーサ(シート状の熱伝達部材)、80・・・ヒートスプレッダ、90・・・セラミックス板、95・・・ヒンジ
Claims (9)
- 電子機器の筐体内に配置されて、前記筐体内の基板に搭載された複数の発熱素子の発生する熱を分散して放熱するための放熱部材であり、
前記放熱部材は、前記基板に対面するように配置されて、複数の前記発熱素子を熱的に区画する区画部を有し、導電性と熱伝導性を持つ炭素繊維が含有された樹脂モールド材からなることを特徴とする放熱部材。 - 前記発熱素子の面には、シート状の熱伝達部材が配置されており、前記放熱部材は、前記シート状の熱伝達部材に対して熱的に密着されている請求項1に記載の放熱部材。
- 複数の前記発熱素子の面に対して密着して配置されたヒートスプレッダをさらに有する請求項2に記載の放熱部材。
- 電気絶縁性を有するセラミックス材が配置されている請求項1に記載の放熱部材。
- 電子機器の筐体内に配置されて、前記筐体内の基板に搭載された複数の発熱素子の発生する熱を分散して放熱するための放熱部材を有する電子機器であり、
前記放熱部材は、前記基板に対面するように配置されて、複数の前記発熱素子を熱的に区画する区画部を有し、導電性と熱伝導性を持つ炭素繊維が含有された樹脂モールド材からなることを特徴とする放熱部材を有する電子機器。 - 前記発熱素子の面には、シート状の熱伝達部材が配置されており、前記放熱部材は、前記シート状の熱伝達部材に対して熱的に密着されている請求項5に記載の放熱部材を有する電子機器。
- 複数の前記発熱素子の面に対して密着して配置されたヒートスプレッダをさらに有する請求項5に記載の放熱部材を有する電子機器。
- 電気絶縁性を有するセラミックス材が配置されている請求項5に記載の放熱部材を有する電子機器。
- 第1筐体部と、前記第1筐体部に対してヒンジ部を介して機械的に接続されている第2筐体部を有し、前記第1筐体部の内部に配置された前記放熱部材は、前記第2筐体部側の放熱部に対して前記ヒンジ部を介して熱的に接続されている請求項5に記載の放熱部材を有する電子機器。
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