JP2004213028A - 鍵盤楽器の消音装置及び鍵盤楽器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 押鍵時に打弦可能なハンマアセンブリ40の移動範囲に対して進退自在にストッパレール65の緩衝部68を設け、緩衝部68がハンマアセンブリ40の移動範囲に侵入した時に、ハンマ44の打弦を阻止させる。ストッパレール65は、固定された支持ブラケット62に連結部64を介して移動可能なように支持されている。連結部64は、ワイヤ93で駆動され、ねじりコイルバネ83で元の位置に復帰する。連結部64は、二つのリンク76,77と、リンク76,77の両端をそれぞれ支持ブラケット62およびストッパレール65に結合する四つのピン74,75,78,79とを有しており、二つのリンク76,77と支持ブラケット62とストッパレール65とで平行クランク機構をなす。
【選択図】 図10
Description
従来よりハンマの打弦による発音を防止する消音装置として、シャンクストッパが使用されている。このシャンクストッパは、長尺のレール状の部材であって、並列されたハンマシャンクを横断する方向に延在させられている。そして、演奏モードを切り換える際に、このシャンクストッパを変位させることにより、消音演奏モードでは、押鍵してもハンマシャンクがシャンクストッパに当接して停止することによって、ハンマが打弦せず、通常の演奏モードでは、ハンマシャンクがシャンクストッパに当接することなく、ハンマが打弦する。
この点を解決するため、シャンクストッパにワイヤを連結し、消音演奏モードでは、ワイヤでシャンクストッパを直接牽引する機構が一応考えられる。しかし、この場合、入り組んだアクション機構を避けながらワイヤを配置しなければならない。一方、消音演奏モードのためにシャンクストッパを移動させる方向は、ハンマシャンクの揺動方向である。従って、ワイヤを配置できたとしても、ワイヤによる牽引方向とシャンクストッパの移動方向とがずれてしまい、力を効率的に利用できない。また、牽引方向と移動方向がずれるから、シャンクストッパを案内するガイド機構が必須となる。
押鍵時に打弦可能な打弦部材の移動範囲に対して進退自在に設けられ、上記打弦部材の移動範囲に侵入した時に、上記打弦部材の打弦を阻止するストッパ部材を備える鍵盤楽器の消音装置において、
上記ストッパ部材を支持するための固定された固定部材と、
上記ストッパ部材を移動可能に上記固定部材に連結する少なくとも一つの連結部と、
上記ストッパ部材を移動させて、上記打弦部材の移動範囲に侵入した時の上記ストッパ部材の位置と、上記打弦部材の移動範囲から待避した時の上記ストッパ部材の位置を設定する位置設定手段とを備え、
上記連結部は、二つの連接部材と、
上記各連接部材の両端をそれぞれ上記固定部および上記ストッパ部材に回転自在に結合する四つのピン部材とを有しており、上記二つの連接部材と上記固定部材と上記ストッパ部材とで平行クランク機構を構成したことを特徴とする。
鍵盤楽器においては、ストッパ部材の長手方向に沿って、ハンマアセンブリおよびダンパアセンブリが並列されている。従って、ストッパ部材の長手軸線を含むいずれかの面に沿って連結部の連接部材が揺動するようにしたのでは、連接部材またはストッパ部材がアクション機構にぶつかる可能性が高くなる、しかし、連接部材が上記ストッパ部材の長手方向を横切って揺動するように配置されていれば、連接部材が、アクション機構にぶつからないようにするのが容易である。また、アクション機構の移動の邪魔にならないように駆動部材などの付属部材を配置するのも容易である。
これによれば、係合部といずれかの連接部材とを一体的に成形することができ、部品数の増加を防止できる。
これによれば、付勢部材がアクション機構の移動範囲内にならないように付勢部材を配設するのが容易である。
これによれば、簡単に入手可能な部品で付勢部材を構成するのが可能である。また、引張りバネのように消音装置以外の部分に一部を係止させる必要もない。従って、消音装置を鍵盤楽器に組み付ける作業が簡単である。
1.実施形態の構成
1−1.全体構成
図1は、アップライトピアノの1つの鍵の動作に応じて駆動されるアクション機構を示す側断面図である。図に示すアクション機構は、鍵10と、この鍵10の動作により駆動されるウイペン23と、ウイペン23の動作により駆動されるジャック26により駆動されて弦Sを打撃するハンマアセンブリ40と、ウイペン23の動作により駆動される弦Sを押さえるダンパアセンブリ50を備える。そして、押鍵により鍵10の後端部(図1において左端部)が上昇し、そこに固定されたキャプスタン12がウイペン23を押し上げるようになってる。
この実施形態のアップライトピアノは、以下の構成の消音装置(消音手段)60を備えている(図1では省略する)。図2において、符号61a,61bは、アップライトピアノの左右両側に配置されるフレームを示す。図2では、図中手前側すなわちアップライトピアノの左側のフレーム61aの一部を破断して示す。このフレーム61a,61bの平面部61cには、板金を屈曲して成形した支持ブラケット(固定部材)62の屈曲部62aがネジ63によって固定されている。支持ブラケット62の上方には、連結部64が配置され、この連結部64を介して、シャンクストッパレール(ストッパ部材)65が移動可能に支持されている。ストッパレール65は、ハンマシャンク43の移動範囲に対して進退自在に設けられ、ハンマシャンク43の移動範囲に侵入した時に、ハンマシャンク43による打弦を阻止するようになされている。
シース101は、支持ブラケット62から下方に延在させられており、さらにアップライトピアノの棚板102に形成された孔103を通過させられ、その支持ブラケット62と反対側の端部は、棚板102の下面に取り付けられた別のブラケット104に固定されている。そして、ワイヤ93は、ブラケット104のある位置より下方では、シース101から露出されており、その下方の端部には、係合部材105が固定されている。係合部材105にはリング106が形成されている。
なお、図示はしないが消音ペダル100にはラチェット機構が設けられ、一度踏み込むとラチェット機構の働きにより消音ペダル100が戻らないように固定されるようになっている。また、消音ペダル100を再度踏み込むとラチェット機構が解除され、ねじりコイルバネ83の弾性力により連結部64を含む平行クランク機構が回動し、緩衝部68が待避位置に戻るようになっている。
以上の消音装置は、図5の駆動機構90を含めて、アップライトピアノを元々消音ピアノとして製造する場合に付属させることも可能であるし、通常のアップライトピアノに後から付属させることも可能である。この駆動機構90は、非常に簡単な構成であり、これを設ける位置もかなり自由に決めることができる。従って、取付作業が非常に簡単で便利である。
アップライトピアノの内部においては、かぎ状に屈曲した一対のリンクプレート94,94が横方向に互いに離間してピン94a,94aにより回転自在に支持されている。そして、図中左側のリンクプレート94の左端部にはワイヤ90Bの直角に屈曲された下端部が回転自在に取り付けられている。また、リンクプレート94,94の下端部には、ワイヤ95の両端部が回転自在に取り付けられている。
なお、図示はしないが消音ペダル100には、上述と同様のラチェット機構が設けられている。この駆動機構90Aもまた、アップライトピアノを元々消音ピアノとして製造する場合に付属させることも可能であるし、通常のアップライトピアノに後から付属させることも可能である。
2−1.通常演奏モードでの動作
次に、上述した構成によるこの実施形態の動作について説明する。
押鍵が行われると、ウイペン23(図1参照)はキャプスタン12によって突き上げられ、ピン22aを中心として反時計方向に回動する。これにより、ジャック大26aがバット41を突き上げてハンマアセンブリ40を反時計方向へ回転させ、ハンマ44が押鍵された鍵10に対応する弦Sを打撃する(図2仮想線参照)。この打弦操作時において、ジャック26は、その回動途中にジャック小26bがレギュレーティングボタン34に当接することによりそれ以上の反時計方向への回動が阻まれる。一方、ウイペン23は回動を継続しているため、ジャック26は、レギュレーティングボタン34を支点としてウイペン23に対して時計方向へ相対的に回動し、これにより、ジャック大26aの上端面がバット41の下面から図中右方向へ逃げ、バット41との非当接位置に移動する。そして、ハンマ44による打弦後のハンマアセンブリ40の回動復帰の動作は、キャッチャー46がバックチェック38に当接することにより一時的に停止され、その間にジャック26は、鍵10の復帰動作に伴うウイペン23の回動復帰に連動し、ジャック大26aの上端部は再びバット41の下部に入り込み、次の打弦動作を可能にする。
次に、消音演奏モードにするには、消音ペダル100を踏み込むことにより、ワイヤ93または90Bを引き下げる(図5または図8参照)。これにより、リンク76,77がその平行状態を保ったまま図中時計方向に回動し、ストッパレール65に取り付けられた緩衝部68が初期の向きを保ったまま図の右方向つまりアップライトピアノの前方に移動する。図10は、この移動後の状態を示す。
上記構成の消音装置60においては、連結部64の平行クランク機構の作用により、移動中のストッパレール65および緩衝部68の姿勢が変更するのが防止される。従って、例えばストッパレール65を90゜回動させる場合に比べて、ストッパレール65などがハンマアセンブリ40やダンパアセンブリ50に干渉するのを容易に回避することができる。これによって、アップライトピアノのフレームやアクション機構などの部品に組立上の誤差があったとしても、その影響を受けることが極めて少ない。しかも、平行クランク機構には、ガイド機構は必要ない。さらに、一つの連結部64には、二つのリンク76,77があれば足りる。このことにより、部品数を削減することが可能である。
例えば、本実施形態では、リンク77に設けた突出部81の先端の係合部82にワイヤ93または90Bを係合しており、図2および図10に示すように、突出部81の回動方向に対してほぼ直交する方向にワイヤ93または90Bを往復動するようにしている。従って、ワイヤ93または90Bの駆動力がリンク77に効率的に伝達される。また、係合部82がリンク77に一体的に成形されており、これによって部品数の増加を防止できる。
なお、上記の実施形態では、ラチェット機構を付属させた消音ペダル100によって、ワイヤ93または90Bを駆動してストッパレール65を移動させるようにしているが、このような構成でなくても、例えば操作摘みまたはレバーを回動させてストッパレール65を連動させるようにしてもよい。また、例えば、連結部64をそれぞれソレノイドなどの電気的駆動手段で駆動可能にし、電気的駆動手段を同期通電してもよい。
また、本発明は、アップライトピアノに限定されず、グランドピアノに適用することも可能である。
Claims (3)
- 押鍵時に打弦可能な打弦部材の移動範囲に対して進退自在に設けられ、上記打弦部材の移動範囲に侵入した時に、上記打弦部材の打弦を阻止するストッパ部材を備える鍵盤楽器の消音装置において、
上記ストッパ部材を支持するための固定された固定部材と、
上記ストッパ部材を移動可能に上記固定部材に連結する少なくとも一つの連結部と、
上記ストッパ部材を移動させて、上記打弦部材の移動範囲に侵入した時の上記ストッパ部材の位置と、上記打弦部材の移動範囲から待避した時の上記ストッパ部材の位置を設定する位置設定手段とを備え、
上記連結部は、二つの連接部材と、
上記各連接部材の両端をそれぞれ上記固定部および上記ストッパ部材に回転自在に結合する前記鍵の配列方向に平行な軸線となる四つのピン部材とを有しており、
上記二つの連接部材と上記固定部材と上記ストッパ部材とで平行クランク機構を構成したことを特徴とする鍵盤楽器の消音装置。 - 複数の鍵と、
複数の弦と、
前記鍵を操作することにより、対応する弦を打撃する打弦部材とを備えた鍵盤楽器において、
押鍵時に打弦可能な打弦部材の移動範囲に対して進退自在に設けられ、上記打弦部材の移動範囲に侵入した時に、上記打弦部材の打弦を阻止する部材であって、前記鍵の配列方向に延在されたストッパ部材と、
上記ストッパ部材を支持するための、楽器本体に対して固定された固定部材と、
上記ストッパ部材と上記固定部材とを連結し、上記ストッパ部材をその初期の向きを保ったまま打弦部材の移動範囲に対して進退自在に移動させることが可能な連結部と、
上記ストッパ部材を移動させて、上記打弦部材の移動範囲に入ったときのストッパ部材の位置と上記打弦部材の移動範囲から退避したときの前記ストッパの位置を設定する位置設定手段とを備え、
前記連結部は、
前記ストッパ部材の二つの連接部材と、
上記各連接部材の両端をそれぞれ上記固定部材および上記ストッパ部材に回転自在に結合する四つのピン部材とを有しており、
上記二つの連接部材と上記固定部材とで平行クランク機構を構成したことを特徴とする鍵盤楽器。 - 押鍵時に打弦可能な打弦部材の移動範囲に対して進退自在に設けられ、上記打弦部材の移動範囲に侵入した時に、上記打弦部材に緩衝材を当接させて打弦を阻止するストッパ部材を備える鍵盤楽器の消音装置において、
上記ストッパ部材を支持するための固定された固定部材と、
上記ストッパ部材を移動可能に上記固定部材に連結する連結部と、
上記ストッパ部材を移動させて、上記打弦部材の移動範囲に侵入した時の上記ストッパ部材の位置と、上記打弦部材の移動範囲から待避した時の上記ストッパ部材の位置を設定する位置設定手段とを備え、
上記固定部材は、上記ストッパ部材の両端部の位置において該ストッパ部材を支持する両端固定部材と、上記ストッパ部材の各端部の間の位置において該ストッパ部材を支持する中間固定部材とを備え、
上記連結部は、前記両端固定部材と上記ストッパ部材とを連結する両端連結部と、前記中間固定部材と上記ストッパ部材とを連結する中間連結部とを備えることを特徴とする鍵盤楽器の消音装置。
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