JP2004223354A - 液状組成物の塗布方法、el素子の製造方法、カラーフィルタの製造方法、電気光学装置、電子機器 - Google Patents

液状組成物の塗布方法、el素子の製造方法、カラーフィルタの製造方法、電気光学装置、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット塗布法を採用することによって材料の無駄を抑え、しかも形成する膜全体の厚さを均一にすることが可能な液状組成物の塗布方法を提供する。
【解決手段】本発明の液状組成物の塗布方法は、溶媒に溶質を溶解又は分散してなる液状組成物Lの塗布方法であって、インクジェットヘッド2を有するインクジェット装置1により、基材S上に液状組成物Lを吐出する吐出工程を含み、該吐出工程が、大気圧よりも圧力の高い高圧雰囲気下で行われることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状組成物の塗布方法、EL素子の製造方法、カラーフィルタの製造方法、電気光学装置、電子機器に関し、特に、一層均一な薄膜の形成を可能にする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特許文献1には、インクジェット法によって基板上に塗布液を塗布し、薄膜を形成する技術が記載されている。この技術は、相対移動手段によってインクジェットのノズルを基板に対して直線的に相対移動させ、これによって塗布液を、角型基板上に均一に塗布できるようにしたものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−40358号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のインクジェット法による成膜技術では、形成する薄膜の膜厚が不均一となる場合がある。すなわち、従来のインクジェット法では、塗布液の吐出を大気圧下で行っており、基板上に塗布する塗布液の量が微量であるため乾燥速度が速く、吐出時において塗布液が乾燥してしまうため、膜厚ムラが生じる場合があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、インクジェット塗布法を採用することによって材料の無駄を抑え、しかも形成する膜全体の厚さを均一にすることができるようにした液状組成物の塗布方法、及びその塗布方法を用いたEL素子の製造方法、カラーフィルタの製造方法、さらにはこれらEL素子、カラーフィルタを用いた電気光学装置、ならびに該電気光学装置を備えた電子機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の液状組成物の塗布方法は、溶媒に溶質を溶解又は分散してなる液状組成物の塗布方法であって、液滴吐出ヘッドを有する液滴吐出装置により、基材上に前記液状組成物を吐出する吐出工程を含み、前記吐出工程が、大気圧よりも圧力の高い高圧雰囲気下で行われることを特徴とする。
【0007】
このような塗布方法によると、液状組成物の吐出工程を高圧雰囲気下で行うものとしているため、吐出工程における溶媒の乾燥速度が抑えられ、該吐出工程中に液状組成物が速乾して、不均一な膜厚が形成されてしまうことを防止ないし抑制することが可能となる。なお、前記吐出工程の後に、吐出された液状組成物の溶媒を乾燥させる乾燥工程を行うことで、均一な膜を確実に得ることが可能な成膜方法を提供することができる。
【0008】
すなわち、例えば図10(a)に示すように液状組成物が、大気圧中で基材91上に吐出され薄膜状に塗布されると、液状組成物からなる膜92は塗布直後、その周辺部(エッジ部)92aに表面張力によって図10(a)中矢印Aで示すような内側に縮まろうとする力が生じる。また、このような力とは別に、膜92表面の近傍では、膜92から蒸発した溶媒蒸気の濃度が膜92の中央部92bの直上で高く、周辺部92aの直上で拡散により低くなっている。したがって、表面近傍の溶媒蒸気濃度が高い中央部92bでは溶媒の蒸発が起こりにくく、溶媒蒸気濃度の低い周辺部92aでは蒸発が起こり易くなっていることにより、膜92内では溶媒の対流が、図10(b)中矢印Bで示すように中央部92b側から周辺部92a側に向かって起こる。したがって、図10(b)に示したように液状組成物(膜92)がノズルからの着弾位置より内側に引き寄せられ、かつ溶媒の対流により溶質が周辺部へ移動するため、膜厚が厚くなってしまう。そして、このようにして周辺部92aの膜厚が中央部の膜厚より厚くなると、当然ながら乾燥後得られる膜92はその全体の膜厚の均一性が損なわれてしまう。
【0009】
しかしながら本発明では上述の通り、吐出工程を高圧下にて行うものとしているため、該吐出工程中に溶媒の蒸発が生じ難くなり、図10で示したような不具合が生じ難くなった。その結果、乾燥後得られる塗膜の膜厚を極めて均一なものとすることができたのである。なお、吐出工程の後の乾燥工程では、例えば真空下で加熱乾燥するのが好ましく、さらには加熱乾燥後に焼成を行うものとすることもできる。
また、本発明の方法では、吐出工程を高圧下にて行うものとしているため、例えば基板上にインクジェットヘッドを移動させつつ基板上に順次吐出を行う場合にも、吐出工程の初期に吐出された液状組成物が後の吐出工程中に乾燥することもなく、したがって、基板面内において膜厚の均一な塗膜を形成することが可能となる。
【0010】
前記吐出工程は、具体的には2.0bar〜5.0barの雰囲気下で行うものとすることができる。また、前記液状組成物は、高沸点溶媒を含んでなるものが好ましく、例えば水よりも沸点の高い、具体的には大気圧下で200℃〜400℃の沸点を有する高沸点溶媒(あるいは室温での蒸気圧が0.00001〜0.1mmHgの溶媒)、又はそれを主体としてなる混合溶媒を用いることができる。
【0011】
次に、本発明のEL素子の製造方法は、上記液状組成物の塗布方法を用いたEL素子の製造方法であって、前記液状組成物を構成する溶質としてEL素子構成材料を用い、該EL素子構成材料を成膜する成膜工程を含むことを特徴とする。このような方法により、EL素子を構成する各種層、例えば発光層たる有機EL層、または正孔注入輸送層たる導電性ポリマー層等を均一な膜厚にて構成することが可能となり、面内において発光ムラの少ないEL素子を製造することが可能となる。そして、このような製造方法により得られるEL素子を備えた電気光学装置(例えばEL装置)は、表示ムラが少なく表示特性に優れたものとなる。
【0012】
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法は、上記液状組成物の塗布方法を用いたカラーフィルタの製造方法であって、前記液状組成物を構成する溶質として着色層形成材料を用い、該着色層を成膜する成膜工程を含むことを特徴とする。このような方法により、膜厚の均一な着色層を形成でき、ひいては面内において色むらの少ないカラーフィルタを製造することが可能となる。そして、このような製造方法により得られるカラーフィルタを備えた電気光学装置(例えば液晶装置)は、色ムラが少なく優れたカラー表示を実現可能となる。
【0013】
また、本発明の電子機器は、上記電気光学装置を例えば表示手段として備えてなることを特徴としている。この電子機器によれば、例えば発光ムラや色ムラといった不具合の生じ難い表示手段を実現でき、信頼性の高い電子機器を提供することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の液状組成物の塗布方法を実施可能な塗布装置の一実施の形態を示す模式図である。塗布装置100は、2つのグローブボックス101,102が連通部110を介して連結された構成をなし、グローブボックス101が吐出室(以下、吐出室101とも言う)と、グローブボックス102が乾燥室(以下、乾燥室102とも言う)とされている。また、塗布装置100は、加圧装置103により内部の雰囲気が加圧可能に構成されている。さらに、乾燥室102内には真空装置105が設けられ、該真空装置105は、減圧装置106により内部の雰囲気が減圧可能に構成されている。
【0015】
吐出室101には、液滴吐出装置たるインクジェット装置1が設けられ、該インクジェット装置1は、塗布対象である基板Sの所定位置に塗布液Lを吐出するためのインクジェットヘッド2と、インクジェットヘッド2と基板Sとの位置を相対的に移動させる移動機構(図示略)と、インクジェットヘッド2と移動機構との作動制御を行う制御部等を備えた本体部(インクジェット機構)3とを備えてなる。
【0016】
移動機構は、基板ステージ6上に載置された基板Sの上方に、インクジェットヘッド2を下方に向けて支持するヘッド支持部4を備え、上方のインクジェットヘッド2に対して基板ステージ6とともに基板SをX、Y方向に移動させるステージ駆動部(図示略)とから構成されたものである。
【0017】
本体部3は、上記制御部の他にインクジェットヘッド2とこれにチューブを介して接続されたタンク(図示略)を備えてなるものである。タンクは塗布液Lを貯留するもので、チューブを介してこの塗布液Lをインクジェットヘッド2に供給するものとなっている。このような構成によって本体部3は、タンクに貯留された塗布液Lをインクジェットヘッド2から吐出し、これを基板S上に塗布するようになっている。
【0018】
インクジェットヘッド2は、例えばピエゾ素子によって液室を圧縮してその圧力波で液体を吐出させるもので、一列又は複数列に配列された複数のノズル(ノズル孔)を有している。
このインクジェットヘッド2の構造の一例を説明すると、インクジェットヘッド2は、図2(a)に示すように例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数の空間15と液溜まり16とが形成されている。各空間15と液溜まり16の内部はインクで満たされており、各空間15と液溜まり16とは供給口17を介して連通したものとなっている。また、ノズルプレート12には、空間15からインクを噴射するためのノズル18が形成されている。一方、振動板13には、液溜まり16にインクを供給するための孔19が形成されている。
【0019】
また、振動板13の空間15に対向する面と反対側の面上には、図2(b)に示すように圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21の間に位置し、通電するとこれが外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたものである。そして、このような構成のもとに圧電素子20が接合されている振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲するようになっており、これによって空間15の容積が増大するようになっている。したがって、空間15内に増大した容積分に相当するインクが、液溜まり16から供給口17を介して流入する。また、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。したがって、空間15も元の容積に戻ることから、空間15内部のインクの圧力が上昇し、ノズル18から基板に向けてインクの液滴22が吐出される。
なお、インクジェットヘッド2のインクジェット方式としては、前記の圧電素子20を用いたピエゾジェットタイプ以外の方式でもよく、例えば、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた方式を採用してもよい。
【0020】
本体部3に搭載された制御部は、装置全体の制御を行うマイクロプロセッサ等のCPUや、各種信号の入出力機能を有するコンピュータなどによって構成されたもので、インクジェットヘッド2や移動機構等にそれぞれ電気的に接続されることにより、インクジェットヘッド2による吐出動作、及び移動機構による移動動作の少なくとも一方、本例では両方を制御するものとなっている。そして、このような構成により、塗布液Lの塗布条件を変え、形成する薄膜(オーバーコート膜)の膜厚を制御する機能を有したものとなっている。
【0021】
すなわち、制御部は、基板S上の塗布液Lの吐出間隔を変える制御機能と、1滴当たりの塗布液Lの吐出量を変える制御機能と、ノズル18の配列方向と移動機構による移動方向との角度θを変える制御機能と、基板S上の同一位置に繰り返し塗布を行う際に繰り返す塗布ごとに塗布条件を設定する制御機能と、基板S上を複数の領域に分けて各領域ごとに塗布条件を設定する制御機能とを備えている。
【0022】
さらに、制御部は、前記吐出間隔を変える制御機能として、基板Sとインクジェットヘッド2との相対的な移動の速度を変えて吐出間隔を変える制御機能と、移動時における吐出の時間間隔を変えて吐出間隔を変える制御機能と、複数のノズルのうち同時に塗布液Lを吐出させるノズルを任意に設定して吐出間隔を変える機能とを備えている。
【0023】
このような構成を備えるインクジェット装置1により、基板Sの所定位置に所定量の塗布液Lが吐出される。本実施形態では、この吐出工程を塗布装置100の吐出室101内で行うものとしており、具体的には加圧装置103により吐出室101を例えば2.0bar〜5.0bar程度の高圧雰囲気として吐出を行うものとしている。
【0024】
一方、吐出室101に連結された乾燥室102では、上記のようなインクジェット装置1による塗布液Lの吐出が行われた後の基板Sを、連通部110を介して真空室105内に搬送可能に構成されており、該真空室105内にて減圧下、塗布液Lの乾燥が行われるものとなっている。なお、減圧装置106による排気速度は、例えば真空室105の容積を45lとした場合には20l/min程度とするのが好ましい。
【0025】
以上のような構成の塗布装置100を用いることにより、塗布液Lに含まれる溶質(溶媒に溶解ないし分散された成膜材料)を基板S上に成膜可能となる。特に、吐出工程を高圧下で可能なため、吐出工程における溶媒の乾燥速度が抑えられ、該吐出工程中に液状組成物が速乾して、不均一な膜厚が形成されてしまうことを防止ないし抑制することが可能となる。
【0026】
具体的には、本実施形態に示した塗布装置100を用いた塗布方法によると、例えば隔壁にて囲まれた領域に塗布液Lを吐出するものとした場合には、吐出された塗布液Lが例えば図8(a)に示すように、周辺部(隔壁との境界部)において盛り上がる現象が生じ難くなる。すなわち、上記塗布方法によると、吐出工程が高圧下にて行われるため、吐出後に溶媒が速乾し難く、したがって図10に示したような膜厚が不均一となる現象が生じ難くなるのである。
【0027】
図8はドット内の膜厚を示した説明図であって、縦軸は膜厚、横軸はドットの断面位置を示すものであり、図8(a)は大気圧下で吐出工程を行ったもの、図8(b)は高圧下で吐出工程を行ったものである。このように大気圧下で吐出工程を行った場合の膜厚の高低差Aは、高圧下で吐出工程を行った場合の膜厚の高低差Bの約1/3以上となること分かる。
【0028】
また、上記塗布方法では、例えば基板Sとインクジェットヘッド2とを相対移動させつつ基板S上に順次吐出を行うものとしており、吐出工程の初期に吐出された塗布液Lが後の吐出工程中に乾燥することもなく、したがって、基板Sの面内において膜厚の均一な塗膜を形成することが可能となる。
【0029】
なお上記塗布方法を用いた場合、塗布液Lの溶媒としては高沸点溶媒、例えば大気圧下で沸点が200〜400℃程度のもの(あるいは室温での蒸気圧が0.00001〜0.1mmHgの溶媒)を用いるのが好ましい。具体的には、DFM(ジメチルホルムアミド)等の高沸点溶媒を例示することができる。
【0030】
次に、上記実施形態の塗布装置1を用いた塗布方法を適用可能な実施例について説明する。まず、基板S上にカラーフィルタを形成する例について説明する。上記塗布装置1を用いた塗布方法は、図3に示すように長方形形状の基板S上に、生産性をあげる観点から複数個のカラーフィルター領域51をマトリックス状に形成する際に適用できる。これらのカラーフィルター領域51は、後で基板Sを切断することにより、液晶表示装置に適合するカラーフィルターとして用いることができる。なお、カラーフィルター領域51としては、図3に示したようにRのインク、Gのインク、およびBのインクをそれぞれ所定のパターン、本例では従来公知のストライプ型で形成して配置する。なお、この形成パターンとしては、ストライプ型のほかに、モザイク型やデルタ型あるいはスクウェアー型等としてもよい。
【0031】
このようなカラーフィルター領域51を形成するには、まず、図4(a)に示すように透明の基板Sの一方の面に対し、ブラックマトリックス52を形成する。このブラックマトリックス52の形成方法としては、光透過性のない樹脂(好ましくは黒色)を、スピンコート等の方法で所定の厚さ(例えば2μm程度)に塗布し、パターニングすることで行う。このブラックマトリックス52の格子で囲まれる最小の表示要素、すなわちフィルターエレメント53については、例えばX軸方向の巾を30μm、Y軸方向の長さを100μm程度とする。
【0032】
次に、図4(b)に示すように、図1に示した吐出室101において、高圧雰囲気下、インクジェットヘッド2からインク滴54(塗布液L)を吐出し、これをフィルターエレメント53に着弾させる。吐出するインク滴54の量については、加熱工程におけるインクの体積減少を考慮した十分な量とする。
このようにして基板S上のすべてのフィルターエレメント53にインク滴54を充填したら、乾燥室102において減圧下、基板Sが所定の温度(例えば50℃程度)となるように加熱処理する。この減圧加熱処理により、インクの溶媒が蒸発してインクの体積が減少する。この体積減少の激しい場合には、カラーフィルターとして十分なインク膜の厚みが得られるまで、インク吐出工程と加熱工程とを繰り返す。この処理により、インクに含まれる溶媒が蒸発して、最終的にインクに含まれる固形分のみが残留して膜化し、図4(c)に示すようにカラーフィルタ55となる。
【0033】
次いで、基板Sを平坦化し、かつカラーフィルタ55を保護するため、図4(d)に示すようにカラーフィルタ55やブラックマトリックス52を覆って基板S上に保護膜56を形成する。この保護膜56の形成にあたっては、スピンコート法、ロールコート法、リッピング法等の方法を採用することもできるが、カラーフィルタ55の場合と同様に、図1に示したインクジェット装置1を用いて行うこともできる。
【0034】
次いで、図4(e)に示すようにこの保護膜56の全面に、スパッタ法や真空蒸着法等によって透明導電膜57を形成する。その後、透明導電膜57をパターニングし、図4(f)に示すように画素電極58を前記フィルターエレメント53に対応させてパターニングする。なお、液晶表示パネルの駆動にTFT(ThinFilm Transistor)を用いる場合には、このパターニングは不用となる。
【0035】
次に、上記カラーフィルタ55を備えた液晶装置(電気光学装置)の一実施形態を示す。図5はパッシブマトリックス型の液晶装置を示す図であり、図4中符号30は液晶装置である。この液晶装置30は透過型のもので、一対のガラス基板31、32の間にSTN(Super Twisted Nematic)液晶等からなる液晶層33が挟持されてなるものである。
【0036】
一方のガラス基板31には、その内面に上記カラーフィルタ55が形成されている。カラーフィルタ55は、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色からなる着色層34R、34G、34Bが規則的に配列されて構成されたものである。なお、これらの色素層34R(34G、34B)間には、ブラックマトリクス52が形成されている。そして、これらカラーフィルタ55及びブラックマトリクス52の上には、該カラーフィルタ55やブラックマトリクス52によって形成される段差をなくしてこれを平坦化するため、オーバーコート膜(保護膜)56が形成されている。オーバーコート膜56の上には複数の電極37がストライプ状に形成され、さらにその上には配向膜38が形成されている。
【0037】
他方のガラス基板32には、その内面に、前記のカラーフィルタ55側の電極と直交するようにして、複数の電極39がストライプ状に形成されており、これら電極39上には、配向膜40が形成されている。なお、前記カラーフィルタ55の各着色層34R、34G、34Bは、それぞれガラス基板32の電極39と前記ガラス基板31の電極37との交差位置に対応する位置に、配置されたものとなっている。また、電極37、39は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料によって形成されたものである。さらに、ガラス基板32とカラーフィルタ55の外面側にはそれぞれ偏向板(図示せず)が設けられ、ガラス基板31、32間にはこれら基板31、32間の間隔(セルギャップ)を一定に保持するためスペーサ41が設けられ、さらにこれらガラス基板31、32間には該ガラス基板31、32を密着させてセルを作り、液晶33を外気から遮断するためのシール材42が設けられている。
【0038】
以上のような液晶装置30では、上記塗布装置100を用いた本発明に係る塗布方法を採用して製造されるカラーフィルタ55を適用しているため、該カラーフィルタ55の膜厚が不均一となり難く、したがって、面内において色ムラ等が生じ難くい表示特性に優れたものとなる。
【0039】
また、上記塗布装置100を用いた塗布方法は、有機EL装置(電気光学装置)の有機EL素子の構成要素となる薄膜の形成にも用いることができる。図6は、有機EL装置としての有機ELパネルの構成を説明するための平面図であり、図6中符号270は有機ELパネルである。この有機ELパネル270は、ガラス等からなる基板210と、マトリックス状に配置された画素271を形成する多数の有機EL素子と、封止基板220(図7参照)とを具備して構成されたものである。
【0040】
基板210(基板S)は、例えばガラス等の透明基板からなるもので、基板210の中央に位置する表示領域202aと、基板210の周辺部に位置して表示領域202aの外側に配置された非表示領域202bとに区画されている。表示領域202aは、マトリックス状に配置された有機EL素子によって形成された領域であり、有効表示領域とも言われるものである。
【0041】
図6は、図10に示した有機ELパネルの画素271を形成する有機EL素子の構成を示す断面模式図である。有機EL素子は、ITO211がパターニングされたガラス基板210上に、SiO膜212およびポリイミド膜213が積層されている。ポリイミド膜213は隔壁部を構成し、該隔壁部の間にはパターン化したITO211が配設されるとともに、ITO211上には正孔注入/輸送層216及び発光層218が形成され、さらに発光層218上には陰極219及び封止層220が形成されている。
【0042】
以上のような構成の有機EL素子においても、例えば正孔注入/輸送層216、及び/又は発光層218を成膜する際に、図1に示した塗布装置100を用いた塗布方法を採用することができる。具体的な成膜方法を正孔注入/輸送層216の成膜工程を例にとり説明する。
【0043】
まず、正孔注入/輸送層216を構成するための液状組成物(塗布液L)を滴下する前に、大気圧プラズマ処理によりポリイミド膜213にて構成されるバンクを撥インク処理する。大気圧プラズマ処理条件は、大気圧下で、パワー300W、電極−基板間距離1mm、酸素プラズマ処理では酸素ガス流量80ccm、ヘリウムガス流量10SLM、テーブル搬送速度5mm/sで行い、続けてCF4プラズマ処理では、CF4ガス流量100ccm、ヘリウムガス流量10SLM、テーブル搬送速度3mm/sで行った。
【0044】
基板の表面処理後、不活性ガス雰囲気下、例えばグローブボックス(窒素ガス2.0〜5.0bar、水分濃度ならびに酸素濃度1ppm以下)内で、ポリチオフェン誘導体(PEDOT)を含むインク(塗布液L)を調整し、該インクをインクジェット装置1のヘッド2(図1参照)から15pl吐出し、パターン塗布した。そして、温度50℃の真空中(1torr)、20分という条件で溶媒を除去し、その後大気中200℃(ホットプレート上)10分の熱処理により正孔注入/輸送層216を形成した。なお、発光層218についても、例えばフルオレン系高分子誘導体を含むインクを調整し、このインクを上記と略同様の方法にて、図1に示した塗布装置100を用いた塗布方法により成膜することが可能である。
【0045】
このような方法により成膜された正孔注入/輸送層216、発光層218は膜厚が不均一となり難く、また、これら各層を備えた有機EL装置は、面内において発光ムラ等が生じ難くい表示特性に優れたものとなる。
【0046】
次に、上記液晶装置若しくは有機EL装置を用いた表示装置からなる表示手段が備えられた電子機器の具体例について説明する。
図7(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図7(a)において、500は携帯電話本体を示し、501は上記実施形態の液晶装置若しくは有機EL装置を用いた表示装置からなる表示部(表示手段)を示している。このような電子機器は、優れた表示品質が得られるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布方法を好適に実施可能な塗布装置の一例を示す模式図。
【図2】図1に示した塗布装置の要部の概略構成を説明するための斜視図。
【図3】基板上のカラーフィルタ領域を示す図。
【図4】カラーフィルタ領域の形成方法を工程順に示す要部断面図。
【図5】本発明の電気光学装置の一実施形態たる液晶装置の断面図。
【図6】本発明の電気光学装置の一実施形態たる有機EL装置の断面図。
【図7】図6の有機EL装置の要部構成について示す断面図。
【図8】本発明の塗布方法の効果を説明するための模式図
【図9】本発明の電子機器の一実施形態たる携帯電話の斜視図。
【図10】本発明の塗布方法の作用を説明するための模式図。
【符号の説明】
1…インクジェット装置、2…インクジェットヘッド、100…塗布装置、S…基板(基材)、L…塗布液(液状組成物)

Claims (12)

  1. 溶媒に溶質を溶解又は分散してなる液状組成物の塗布方法であって、
    液滴吐出ヘッドを有する液滴吐出装置により、基材上に前記液状組成物を吐出する吐出工程を含み、
    前記吐出工程が、大気圧よりも圧力の高い高圧雰囲気下で行われることを特徴とする液状組成物の塗布方法。
  2. 前記吐出工程が、2.0bar以上の圧力雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1に記載の液状組成物の塗布方法。
  3. 前記溶媒が、高沸点溶媒を含んでなることを特徴とする請求項1又は2に記載の液状組成物の塗布方法。
  4. 前記高沸点溶媒が、大気圧下で200℃〜400℃の沸点を有するもの、又はそれを主体としてなる混合溶媒であることを特徴とする請求項3に記載の液状組成物の塗布方法。
  5. 前記吐出工程の後、真空下で溶媒を除去する乾燥工程を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液状組成物の塗布方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液状組成物の塗布方法を用いたEL素子の製造方法であって、
    前記液状組成物を構成する溶質としてEL素子構成材料を用い、該EL素子構成材料を成膜する成膜工程を含むことを特徴とするEL素子の製造方法。
  7. 前記EL素子構成材料は、発光層形成材料を含むことを特徴とする請求項6に記載のEL素子の製造方法。
  8. 前記EL素子構成材料は、正孔注入輸送層形成材料を含むことを特徴とする請求項6に記載のEL素子の製造方法。
  9. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液状組成物の塗布方法を用いたカラーフィルタの製造方法であって、
    前記液状組成物を構成する溶質として着色層形成材料を用い、該着色層を成膜する成膜工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  10. 請求項6ないし8のいずれか1項に記載のEL素子の製造方法により得られるEL素子を備えたことを特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項9に記載のカラーフィルタの製造方法により得られるカラーフィルタを備えたことを特徴とする電気光学装置。
  12. 請求項10又は11に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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