JP2004223635A - パラレルリンク機構の配線配管構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】パラレルリンク機構において、移動体の動きに追従して配線配管類を無理なく配線し、配線配管類の耐久性を向上させる配線配管構造を提供する。
【解決手段】配線配管類11は、天井部7の上面中央からやや離れた位置に立設された支持板9に固定され、その後、最寄りの自在継手5に、自在継手5が揺動し位置が変わる障害とならないようにある程度の遊びをもって導かれる。自在継手5に導かれた配線配管類11は、自在継手5における内側リングの側面にクランプ部材により固定されて機内に導かれた後、ボールネジ4の伸縮に障害とならないようにある程度の遊びをもってボールネジ4の連結スリーブ18上にクランプ部材19で固定される。そして、配線配管類11は、ボールネジ4が揺動し位置が変わる障害とならないようにある程度の遊びをもって主軸頭2に継手20にて接続される。
【選択図】 図1
【解決手段】配線配管類11は、天井部7の上面中央からやや離れた位置に立設された支持板9に固定され、その後、最寄りの自在継手5に、自在継手5が揺動し位置が変わる障害とならないようにある程度の遊びをもって導かれる。自在継手5に導かれた配線配管類11は、自在継手5における内側リングの側面にクランプ部材により固定されて機内に導かれた後、ボールネジ4の伸縮に障害とならないようにある程度の遊びをもってボールネジ4の連結スリーブ18上にクランプ部材19で固定される。そして、配線配管類11は、ボールネジ4が揺動し位置が変わる障害とならないようにある程度の遊びをもって主軸頭2に継手20にて接続される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は産業用ロボット、バリ取り装置、工作機械等に用いられるパラレルリンク機構の移動体への配線配管構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
パラレルリンク機構の作業機として、従来、図11に示すように、加工空間を6軸方向へ自由に動き回る主軸頭2を装備した工作機械が知られている。この工作機械においては、基台となる天井部7に6つの自在継手5が配設されている。各自在継手5には、リンク部材として、伸縮アクチュエータであるボールネジ4の上端部が支持されるとともに、ボールネジ4を駆動するサーボモータ6が設置されている。
【0003】
6本のボールネジ4の下端部には自在継手3を介して移動体としての主軸頭2が支持され、この主軸頭2に主軸8が回転可能に設けられている。そして、自在継手3と自在継手5との間のボールネジ4の長さを変えることにより、主軸頭2を加工空間の任意の姿勢で位置決めし、主軸8に取り付けた工具でテーブル1上のワークを加工するようになっている。
【0004】
主軸頭2には、主軸駆動モータの給電線、制御信号線等の電気配線や、工具クランプ用の加圧油、軸受の潤滑油、冷却水又は切削水等の流体を供給するための配管が接続されている。従来、これらの電気配線や配管(以下「配線配管類」という)は図12および図13に示すように、天井部7に設けた継手51と主軸頭2に設けた継手52との間に可撓管53を余裕を持たせて配管し、この可撓管53に配線配管類を通していた。
同様に、特許文献1のように、天井部の略中央に設けたクランプ部材にクランプして配線配管類を垂下させ、所定の遊びを設けてから主軸頭へ引き回す発明も知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−126954号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の配線配管類の案内装置によると、長い可撓管53やケーブル(以下「可撓管等」という)を機内に垂らしておくため、主軸頭2の移動に伴い、可撓管53等がボールネジ4と接触して摩耗したり、可撓管53等と継手51、52やクランプ部材との接続部が可撓管53等の振れによる慣性力で破損したり、可撓管53を通る配線配管類が多くなると管内を占める密度が高くなってお互いに擦れ断線するなど、装置の耐久性に問題があった。これらに加え、主軸頭2の移動領域が可撓管等の屈曲半径により制限されてしまっていた。また、工作機械では主軸頭2の運動精度が重要視されるが、可撓管53等の慣性力が主軸頭にはたらき運動精度に影響を及ぼす恐れもあった。
【0007】
そこで、本発明は、配線配管類をパラレルリンク機構の移動体の動きに無理なく追従させて耐久性、運動精度を向上しつつ、移動領域を確保する配線配管構造を提供することを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、配線配管類を、任意のリンク部材上の所定位置に、その動きの妨げとならないように遊びを持たせて支持させてから移動体に接続することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、配線配管類の耐久性を向上させるために、リンク部材上での配線配管類の支持位置を、基台に対する移動体の相対速度よりも低くなる位置、すなわち、より基台に近い位置としたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の目的に加えて、配線配管類の耐久性や運動精度の向上を図るために、配線配管類を複数のリンク部材に分散して支持させたものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの目的に加えて、主軸頭の移動領域を拡大するために、配線配管類を基台から弾性体で支持したものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの目的に加えて、配線配管類の耐久性の一層の向上を図るために、配線配管類をリンク部材上での支持位置を中心に回転自在としたものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの目的に加えて、一つの配線配管経路に複数本の配線配管類を束ねて配線配管する場合において、耐久性の一層の向上を図るために、各配線配管類が直接接触しないように摺動低減機構を設けたものである。
【0009】
なお、配線配管類とは、配線部材又は配管部材のみ、又は配線部材と配管部材とを束ねたもの、又はこれらを一管内に収めたものを指し、配線部材又は配管部材自体もそれぞれ一本から複数本を束ねた構成とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3は本発明の第1実施形態を示すものである。パラレルリンク機構の工作機械は、可撓管53以外は図11に示したものと同じで、天井部7に6つの自在継手5を介し6本のボールネジ4の上端部を支持し、各ボールネジ4の下端部に自在継手3を介し主軸頭2を支持して構成されている。
【0011】
図1は、本発明の配線配管構造を示す説明図である。まず、配線配管類11は、天井部7の上面で中央からやや離れた位置に立設された支持板9に固定され、その後、配線配管類11は最寄りの自在継手5に、自在継手5が揺動し位置が変わる障害とならないようにある程度の遊びをもって導かれる。なお、天井部7での配線配管類11は、このような支持板9を利用するものに限らず、天井部7の上面に直接固定したり、天井部7以外の機械本体の任意の位置に固定したりしても良い。
【0012】
ここでの自在継手5は、図3に示すように、天井部7に固定される外側リング12内に、中間リング13と内側リング14とを同軸で配置して、外側リング12と中間リング13、中間リング13と内側リング14とが夫々軸心と直交状に配置される一対のピン15,15により両端で支持されるジンバル構造となっており、内側リング14と中間リング13とは互いに直交する方向に回転するように、ピン15,15による支持方向が互いに直交している。この内側リング14の上方にサーボモータ6が設けられて、内側リング14内には、サーボモータ6の駆動によりネジ送りされるボールネジ4が同軸で貫通している。
【0013】
よって、自在継手5に導かれた配線配管類11は、自在継手5における内側リング14の側面にクランプ部材16により固定される。すなわち、中間リング13と内側リング14との間を通って機内に導かれることになる。クランプ部材16は2つの部材で構成され、一方は内側リング14に取り付けられ、他方は配線配管類11を挟む格好で一方側に取り付けられる。
【0014】
機内に導かれた配線配管類11は、ボールネジ4の伸縮に障害とならないようにある程度の遊びをもってボールネジ4上に支持される。ここでのボールネジ4は、その同軸延長上に、下端が自在継手3に連結されるロッド17を連結スリーブ18を介して連結していることから、配線配管類11はその連結スリーブ18上でクランプ部材19により固定される。クランプ部材19は2つの部材で構成され、一方は連結スリーブ18に取り付けられ、他方は配線配管類11を挟む格好で一方側に取り付けられる。そして、配線配管類11は、ボールネジ4が揺動し位置が変わる障害とならないようにある程度の遊びをもって主軸頭2に継手20にて接続される。
【0015】
このように上記形態の配線配管構造によれば、配線配管類11を、任意の1のボールネジ4上の所定位置に、その動きの妨げとならないように遊びを持たせて支持させてから主軸頭2に接続しているから、配線配管類11が定常的に他のものと接触することがなく、無理に引っ張られることが無いから断線が生じることはない。また、ボールネジ4は伸縮の動作をするので、クランプ部材16,19間の配線配管類11は主にボールネジ4の軸方向の屈曲運動のみとなり、捩れが生じにくく寿命が向上する。さらに、パラレルリンク機構はシリアルリンク機構と異なり、各ボールネジ4の伸縮の合成速度が主軸頭2の速度となるので、各ボールネジ4の伸縮速度は主軸頭2の速度を上回ることがない。このため配線配管類11を直接主軸頭2に接続するよりも作用する慣性力が減少し、耐久性の向上につながる。加えて、移動体の移動領域も十分確保可能となる。
【0016】
図4,5は本発明の第2実施形態を示す説明図である。ここでは配線配管類11を自在継手5に支持させずに、天井部7を貫通するクランプ部材31によって天井部7に固定される。その後、クランプ部材31から主軸頭2の位置姿勢の変化によって自在継手3とともに揺動し長さが変わるボールネジ4の動きの障害とならないように、配線配管類11はある程度の遊びをもって連結スリーブ18上にクランプ部材32によって支持されている。クランプ部材32は2つの部材で構成され、一方は連結スリーブ18に取り付けられ、他方は配線配管類11を挟む格好で一方側に取り付けられる。そして、配線配管類11は、ボールネジ4が揺動し位置が変わる障害とならないように遊びをもって主軸頭2に継手33にて接続されている。
【0017】
この形態においても、配線配管類11が定常的に他のものと接触することがなく、無理に引っ張られることが無いから断線が生じない、等の先の形態と同様の作用効果が得られる。特に、この配線配管構造によれば、ボールネジ4上の支持点を少なくすることで配線配管類11の必要な長さを縮めることが可能となる。配線配管類11の長さが短くなれば、配線配管類11の取り回しのために利用する領域が減るため、主軸頭2の移動領域を増やすことができる。
【0018】
図6は、本発明第3〜第5実施形態を同時に実現した図であり、この図を用いて第3〜第5実施形態について説明する。第1、2実施形態では、一本にまとめた配線配管類11を、1のボールネジ4を経由して取り回していたが、第3実施形態では、配線配管類11を複数に分散し、各配線配管類11,11・・を夫々別のボールネジ4,4・・を経由して取り回している。このように分散することによって、1組あたりの重量を軽減し作用する慣性力を減らすことと、主軸頭2に作用する力のバランスをとることができ、耐久性や運動精度の向上につながる。
【0019】
第4実施形態は、天井部7のクランプ部材41を貫通した配線配管類11が、外装された係止リング42を介して弾性体43(ここでは引張コイルバネ)によって、天井部7に設けた係止具44から吊下支持されていることを特徴とし、この弾性体43により配線配管類11は、図7,8に示すように、ボールネジ4や主軸頭2に接触することがない方向に支持され、主軸頭2の移動領域を拡大することが可能となる。また、図6では1のボールネジ4を支持する弾性体43は1本としたが、複数本としてもよい。
【0020】
第5実施形態では、経由場所となる連結スリーブ18上で配線配管類11を先の形態と同様に2つの部材で固定するクランプ部材45を、クランプ部材45の取り付けに対して垂直な軸回り(図6に矢印で示す)に回転自在としたことを特徴とする。配線配管類11の受ける力を回転運動として分散させ耐久性の向上を図るものである。46は主軸頭2への継手である。
【0021】
図9,10は第6実施形態を示す説明図である。配線配管類を複数本束ねた場合、各配線配管類がお互いに直接擦れ合わないように、摺動低減機構を設けて接触を避けている。図9の形態では、摺動低減機構となる半割の保護材52,53を、各配線配管類51において接触しやすい部分に取り付けたもので、この保護材52,53は十分な柔軟性を備え、配線配管類51の動きの妨げとはならないようになっている。なお、保護材52,53同士が擦れ合い損傷した場合は、配線配管類51はそのままで保護材52,53のみを交換すれば良い。
また、図10の形態では、各配線配管類54にクランプ部材55を取り付け、各クランプ部材55間を弾性体56(ここではコイルバネ)で連結することで摺動低減機構を構成している。この弾性体56による緩やかな連結によりクランプ部分の急激な屈曲を和らげ、お互いの擦れ合いを防ぐことにより耐久性の向上を図ることができる。
なお、摺動低減機構としては、これ以外に、例えば螺旋状のチューブを配線配管類に巻き付けたりする等、配線配管類の直接接触を防止可能であれば、具体的な構造は適宜変更可能である。
【0022】
なお、これらの第1〜第6の各形態は、任意に組み合わせて実施可能で、例えば第1形態の自在継手5におけるクランプ部材16も第5形態のように取付軸回りに回転可能としたり、分散させた配線配管類11の一部を第1形態のように自在継手5にクランプし、他を天井部7を貫通させて弾性体43で吊下支持させたり等の設計変更は可能で、第1〜第5形態の配線配管類が複数本を束ねた形態であれば第6形態の摺動低減機構を採用することもできる。
また、ボールネジ4等のリンク部材上での配線配管類の支持位置やその数、具体的な支持構造等も、上記形態に限らず適宜変更可能で、例えばリンク部材上での支持位置を3箇所以上設けることもできる。
【0023】
但し、リンク部材上での配線配管類の支持位置は、基台に対する移動体の相対速度よりも低くなる位置に設けるのが望ましい。例えば、上記形態においては、ボールネジ4上のn箇所で配線配管類11を支持させる場合、天井部7に対する主軸頭2の相対速度のおおよそa/(n+1)、{ただしaは1〜nまでの整数}となるように天井部7側から順にボールネジ4での支持位置を選べば良い。よって、例えば2箇所で支持する場合、第1支持位置は天井部7に対する主軸頭2の相対速度が1/3程度となるボールネジ4上で、第2支持位置は相対速度が2/3となるボールネジ4上とし、天井部7に導かれた配線配管類を第1支持位置、第2支持位置と順番に経由し主軸頭2に接続する。このように支持位置を配慮することによって、経由位置の前後での急激な速度変化をさけて配線配管類の耐久性を向上させることができる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、配線配管類が定常的に他のものと接触することがなく、無理に引っ張られることが無いから断線が生じることはない。また、リンク部材が伸縮の動作をしても、配線配管類は主にリンク部材の軸方向の屈曲運動のみとなり、捩れが生じにくく寿命が向上する。さらに、パラレルリンク機構はシリアルリンク機構と異なり、各リンク部材の合成速度が移動体の速度となるので、各リンク部材の移動速度は移動体の速度を上回ることがない。このため配線配管類を直接移動体に接続するよりも作用する慣性力が減少し、耐久性の向上につながる。加えて、移動体の移動領域も十分確保可能となる。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、リンク部材上での配線配管類の支持位置を、基台に対する移動体の相対速度よりも低くなる位置としたことで、配線配管類の耐久性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、配線配管類を複数のリンク部材に分散して支持させたことで、配線配管類の耐久性や運動精度の向上を図ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、配線配管類を基台から弾性体で支持したことで、主軸頭の移動領域を拡大することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、配線配管類をリンク部材上での支持位置を中心に回転自在としたことで、配線配管類の耐久性の一層の向上を図ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の何れかの効果に加えて、複数本の配線配管類を束ねた場合に配線配管類の耐久性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を適用したパラレルリンク機構の正面図である。
【図2】図1の動作説明図である。
【図3】自在継手の説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態を適用したパラレルリンク機構の正面図である。
【図5】図4の動作説明図である。
【図6】本発明の第3〜第5実施形態を適用したパラレルリンク機構の斜視図である。
【図7】図6の動作説明図である。
【図8】図6の動作説明図である。
【図9】本発明の第6実施形態の摺動低減機構の説明図である。
【図10】摺動低減機構の変更例の説明図である。
【図11】パラレルリンク機構の工作機械の斜視図である。
【図12】従来のパラレルリンク機構における配線配管構造を示す正面図である。
【図13】図12の動作説明図である。
【符号の説明】
1・・テーブル、2・・主軸頭、3,5・・自在継手、4・・ボールネジ、6・・サーボモータ、7・・天井部、8・・主軸、11・・・配線配管類、16,19,31,32,41,45・・クランプ部材、18・・連結スリーブ、43・・弾性体。
【発明の属する技術分野】
本発明は産業用ロボット、バリ取り装置、工作機械等に用いられるパラレルリンク機構の移動体への配線配管構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
パラレルリンク機構の作業機として、従来、図11に示すように、加工空間を6軸方向へ自由に動き回る主軸頭2を装備した工作機械が知られている。この工作機械においては、基台となる天井部7に6つの自在継手5が配設されている。各自在継手5には、リンク部材として、伸縮アクチュエータであるボールネジ4の上端部が支持されるとともに、ボールネジ4を駆動するサーボモータ6が設置されている。
【0003】
6本のボールネジ4の下端部には自在継手3を介して移動体としての主軸頭2が支持され、この主軸頭2に主軸8が回転可能に設けられている。そして、自在継手3と自在継手5との間のボールネジ4の長さを変えることにより、主軸頭2を加工空間の任意の姿勢で位置決めし、主軸8に取り付けた工具でテーブル1上のワークを加工するようになっている。
【0004】
主軸頭2には、主軸駆動モータの給電線、制御信号線等の電気配線や、工具クランプ用の加圧油、軸受の潤滑油、冷却水又は切削水等の流体を供給するための配管が接続されている。従来、これらの電気配線や配管(以下「配線配管類」という)は図12および図13に示すように、天井部7に設けた継手51と主軸頭2に設けた継手52との間に可撓管53を余裕を持たせて配管し、この可撓管53に配線配管類を通していた。
同様に、特許文献1のように、天井部の略中央に設けたクランプ部材にクランプして配線配管類を垂下させ、所定の遊びを設けてから主軸頭へ引き回す発明も知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−126954号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の配線配管類の案内装置によると、長い可撓管53やケーブル(以下「可撓管等」という)を機内に垂らしておくため、主軸頭2の移動に伴い、可撓管53等がボールネジ4と接触して摩耗したり、可撓管53等と継手51、52やクランプ部材との接続部が可撓管53等の振れによる慣性力で破損したり、可撓管53を通る配線配管類が多くなると管内を占める密度が高くなってお互いに擦れ断線するなど、装置の耐久性に問題があった。これらに加え、主軸頭2の移動領域が可撓管等の屈曲半径により制限されてしまっていた。また、工作機械では主軸頭2の運動精度が重要視されるが、可撓管53等の慣性力が主軸頭にはたらき運動精度に影響を及ぼす恐れもあった。
【0007】
そこで、本発明は、配線配管類をパラレルリンク機構の移動体の動きに無理なく追従させて耐久性、運動精度を向上しつつ、移動領域を確保する配線配管構造を提供することを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、配線配管類を、任意のリンク部材上の所定位置に、その動きの妨げとならないように遊びを持たせて支持させてから移動体に接続することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、配線配管類の耐久性を向上させるために、リンク部材上での配線配管類の支持位置を、基台に対する移動体の相対速度よりも低くなる位置、すなわち、より基台に近い位置としたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の目的に加えて、配線配管類の耐久性や運動精度の向上を図るために、配線配管類を複数のリンク部材に分散して支持させたものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの目的に加えて、主軸頭の移動領域を拡大するために、配線配管類を基台から弾性体で支持したものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの目的に加えて、配線配管類の耐久性の一層の向上を図るために、配線配管類をリンク部材上での支持位置を中心に回転自在としたものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの目的に加えて、一つの配線配管経路に複数本の配線配管類を束ねて配線配管する場合において、耐久性の一層の向上を図るために、各配線配管類が直接接触しないように摺動低減機構を設けたものである。
【0009】
なお、配線配管類とは、配線部材又は配管部材のみ、又は配線部材と配管部材とを束ねたもの、又はこれらを一管内に収めたものを指し、配線部材又は配管部材自体もそれぞれ一本から複数本を束ねた構成とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3は本発明の第1実施形態を示すものである。パラレルリンク機構の工作機械は、可撓管53以外は図11に示したものと同じで、天井部7に6つの自在継手5を介し6本のボールネジ4の上端部を支持し、各ボールネジ4の下端部に自在継手3を介し主軸頭2を支持して構成されている。
【0011】
図1は、本発明の配線配管構造を示す説明図である。まず、配線配管類11は、天井部7の上面で中央からやや離れた位置に立設された支持板9に固定され、その後、配線配管類11は最寄りの自在継手5に、自在継手5が揺動し位置が変わる障害とならないようにある程度の遊びをもって導かれる。なお、天井部7での配線配管類11は、このような支持板9を利用するものに限らず、天井部7の上面に直接固定したり、天井部7以外の機械本体の任意の位置に固定したりしても良い。
【0012】
ここでの自在継手5は、図3に示すように、天井部7に固定される外側リング12内に、中間リング13と内側リング14とを同軸で配置して、外側リング12と中間リング13、中間リング13と内側リング14とが夫々軸心と直交状に配置される一対のピン15,15により両端で支持されるジンバル構造となっており、内側リング14と中間リング13とは互いに直交する方向に回転するように、ピン15,15による支持方向が互いに直交している。この内側リング14の上方にサーボモータ6が設けられて、内側リング14内には、サーボモータ6の駆動によりネジ送りされるボールネジ4が同軸で貫通している。
【0013】
よって、自在継手5に導かれた配線配管類11は、自在継手5における内側リング14の側面にクランプ部材16により固定される。すなわち、中間リング13と内側リング14との間を通って機内に導かれることになる。クランプ部材16は2つの部材で構成され、一方は内側リング14に取り付けられ、他方は配線配管類11を挟む格好で一方側に取り付けられる。
【0014】
機内に導かれた配線配管類11は、ボールネジ4の伸縮に障害とならないようにある程度の遊びをもってボールネジ4上に支持される。ここでのボールネジ4は、その同軸延長上に、下端が自在継手3に連結されるロッド17を連結スリーブ18を介して連結していることから、配線配管類11はその連結スリーブ18上でクランプ部材19により固定される。クランプ部材19は2つの部材で構成され、一方は連結スリーブ18に取り付けられ、他方は配線配管類11を挟む格好で一方側に取り付けられる。そして、配線配管類11は、ボールネジ4が揺動し位置が変わる障害とならないようにある程度の遊びをもって主軸頭2に継手20にて接続される。
【0015】
このように上記形態の配線配管構造によれば、配線配管類11を、任意の1のボールネジ4上の所定位置に、その動きの妨げとならないように遊びを持たせて支持させてから主軸頭2に接続しているから、配線配管類11が定常的に他のものと接触することがなく、無理に引っ張られることが無いから断線が生じることはない。また、ボールネジ4は伸縮の動作をするので、クランプ部材16,19間の配線配管類11は主にボールネジ4の軸方向の屈曲運動のみとなり、捩れが生じにくく寿命が向上する。さらに、パラレルリンク機構はシリアルリンク機構と異なり、各ボールネジ4の伸縮の合成速度が主軸頭2の速度となるので、各ボールネジ4の伸縮速度は主軸頭2の速度を上回ることがない。このため配線配管類11を直接主軸頭2に接続するよりも作用する慣性力が減少し、耐久性の向上につながる。加えて、移動体の移動領域も十分確保可能となる。
【0016】
図4,5は本発明の第2実施形態を示す説明図である。ここでは配線配管類11を自在継手5に支持させずに、天井部7を貫通するクランプ部材31によって天井部7に固定される。その後、クランプ部材31から主軸頭2の位置姿勢の変化によって自在継手3とともに揺動し長さが変わるボールネジ4の動きの障害とならないように、配線配管類11はある程度の遊びをもって連結スリーブ18上にクランプ部材32によって支持されている。クランプ部材32は2つの部材で構成され、一方は連結スリーブ18に取り付けられ、他方は配線配管類11を挟む格好で一方側に取り付けられる。そして、配線配管類11は、ボールネジ4が揺動し位置が変わる障害とならないように遊びをもって主軸頭2に継手33にて接続されている。
【0017】
この形態においても、配線配管類11が定常的に他のものと接触することがなく、無理に引っ張られることが無いから断線が生じない、等の先の形態と同様の作用効果が得られる。特に、この配線配管構造によれば、ボールネジ4上の支持点を少なくすることで配線配管類11の必要な長さを縮めることが可能となる。配線配管類11の長さが短くなれば、配線配管類11の取り回しのために利用する領域が減るため、主軸頭2の移動領域を増やすことができる。
【0018】
図6は、本発明第3〜第5実施形態を同時に実現した図であり、この図を用いて第3〜第5実施形態について説明する。第1、2実施形態では、一本にまとめた配線配管類11を、1のボールネジ4を経由して取り回していたが、第3実施形態では、配線配管類11を複数に分散し、各配線配管類11,11・・を夫々別のボールネジ4,4・・を経由して取り回している。このように分散することによって、1組あたりの重量を軽減し作用する慣性力を減らすことと、主軸頭2に作用する力のバランスをとることができ、耐久性や運動精度の向上につながる。
【0019】
第4実施形態は、天井部7のクランプ部材41を貫通した配線配管類11が、外装された係止リング42を介して弾性体43(ここでは引張コイルバネ)によって、天井部7に設けた係止具44から吊下支持されていることを特徴とし、この弾性体43により配線配管類11は、図7,8に示すように、ボールネジ4や主軸頭2に接触することがない方向に支持され、主軸頭2の移動領域を拡大することが可能となる。また、図6では1のボールネジ4を支持する弾性体43は1本としたが、複数本としてもよい。
【0020】
第5実施形態では、経由場所となる連結スリーブ18上で配線配管類11を先の形態と同様に2つの部材で固定するクランプ部材45を、クランプ部材45の取り付けに対して垂直な軸回り(図6に矢印で示す)に回転自在としたことを特徴とする。配線配管類11の受ける力を回転運動として分散させ耐久性の向上を図るものである。46は主軸頭2への継手である。
【0021】
図9,10は第6実施形態を示す説明図である。配線配管類を複数本束ねた場合、各配線配管類がお互いに直接擦れ合わないように、摺動低減機構を設けて接触を避けている。図9の形態では、摺動低減機構となる半割の保護材52,53を、各配線配管類51において接触しやすい部分に取り付けたもので、この保護材52,53は十分な柔軟性を備え、配線配管類51の動きの妨げとはならないようになっている。なお、保護材52,53同士が擦れ合い損傷した場合は、配線配管類51はそのままで保護材52,53のみを交換すれば良い。
また、図10の形態では、各配線配管類54にクランプ部材55を取り付け、各クランプ部材55間を弾性体56(ここではコイルバネ)で連結することで摺動低減機構を構成している。この弾性体56による緩やかな連結によりクランプ部分の急激な屈曲を和らげ、お互いの擦れ合いを防ぐことにより耐久性の向上を図ることができる。
なお、摺動低減機構としては、これ以外に、例えば螺旋状のチューブを配線配管類に巻き付けたりする等、配線配管類の直接接触を防止可能であれば、具体的な構造は適宜変更可能である。
【0022】
なお、これらの第1〜第6の各形態は、任意に組み合わせて実施可能で、例えば第1形態の自在継手5におけるクランプ部材16も第5形態のように取付軸回りに回転可能としたり、分散させた配線配管類11の一部を第1形態のように自在継手5にクランプし、他を天井部7を貫通させて弾性体43で吊下支持させたり等の設計変更は可能で、第1〜第5形態の配線配管類が複数本を束ねた形態であれば第6形態の摺動低減機構を採用することもできる。
また、ボールネジ4等のリンク部材上での配線配管類の支持位置やその数、具体的な支持構造等も、上記形態に限らず適宜変更可能で、例えばリンク部材上での支持位置を3箇所以上設けることもできる。
【0023】
但し、リンク部材上での配線配管類の支持位置は、基台に対する移動体の相対速度よりも低くなる位置に設けるのが望ましい。例えば、上記形態においては、ボールネジ4上のn箇所で配線配管類11を支持させる場合、天井部7に対する主軸頭2の相対速度のおおよそa/(n+1)、{ただしaは1〜nまでの整数}となるように天井部7側から順にボールネジ4での支持位置を選べば良い。よって、例えば2箇所で支持する場合、第1支持位置は天井部7に対する主軸頭2の相対速度が1/3程度となるボールネジ4上で、第2支持位置は相対速度が2/3となるボールネジ4上とし、天井部7に導かれた配線配管類を第1支持位置、第2支持位置と順番に経由し主軸頭2に接続する。このように支持位置を配慮することによって、経由位置の前後での急激な速度変化をさけて配線配管類の耐久性を向上させることができる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、配線配管類が定常的に他のものと接触することがなく、無理に引っ張られることが無いから断線が生じることはない。また、リンク部材が伸縮の動作をしても、配線配管類は主にリンク部材の軸方向の屈曲運動のみとなり、捩れが生じにくく寿命が向上する。さらに、パラレルリンク機構はシリアルリンク機構と異なり、各リンク部材の合成速度が移動体の速度となるので、各リンク部材の移動速度は移動体の速度を上回ることがない。このため配線配管類を直接移動体に接続するよりも作用する慣性力が減少し、耐久性の向上につながる。加えて、移動体の移動領域も十分確保可能となる。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、リンク部材上での配線配管類の支持位置を、基台に対する移動体の相対速度よりも低くなる位置としたことで、配線配管類の耐久性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、配線配管類を複数のリンク部材に分散して支持させたことで、配線配管類の耐久性や運動精度の向上を図ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、配線配管類を基台から弾性体で支持したことで、主軸頭の移動領域を拡大することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、配線配管類をリンク部材上での支持位置を中心に回転自在としたことで、配線配管類の耐久性の一層の向上を図ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の何れかの効果に加えて、複数本の配線配管類を束ねた場合に配線配管類の耐久性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を適用したパラレルリンク機構の正面図である。
【図2】図1の動作説明図である。
【図3】自在継手の説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態を適用したパラレルリンク機構の正面図である。
【図5】図4の動作説明図である。
【図6】本発明の第3〜第5実施形態を適用したパラレルリンク機構の斜視図である。
【図7】図6の動作説明図である。
【図8】図6の動作説明図である。
【図9】本発明の第6実施形態の摺動低減機構の説明図である。
【図10】摺動低減機構の変更例の説明図である。
【図11】パラレルリンク機構の工作機械の斜視図である。
【図12】従来のパラレルリンク機構における配線配管構造を示す正面図である。
【図13】図12の動作説明図である。
【符号の説明】
1・・テーブル、2・・主軸頭、3,5・・自在継手、4・・ボールネジ、6・・サーボモータ、7・・天井部、8・・主軸、11・・・配線配管類、16,19,31,32,41,45・・クランプ部材、18・・連結スリーブ、43・・弾性体。
Claims (6)
- 基台と移動体とを有し、両者間を複数のリンク部材で並列に結合すると共に、配線配管類を前記基台を通して前記移動体に導き、前記各リンク部材を駆動することにより前記移動体の位置や姿勢を自由に変化させるパラレルリンク機構の配線配管構造であって、
前記配線配管類を、任意のリンク部材上の所定位置に、その動きの妨げとならないように遊びを持たせて支持させてから前記移動体に接続することを特徴とするパラレルリンク機構の配線配管構造。 - リンク部材上での配線配管類の支持位置を、基台に対する移動体の相対速度よりも低くなる位置とした請求項1に記載のパラレルリンク機構の配線配管構造。
- 配線配管類が複数のリンク部材に分散して支持されている請求項1又は2に記載のパラレルリンク機構の配線配管構造。
- 配線配管類が基台から弾性体で支持されている請求項1乃至3の何れかに記載のパラレルリンク機構の配線配管構造。
- 配線配管類をリンク部材上での支持位置を中心に回転自在とした請求項1乃至4の何れかに記載のパラレルリンク機構の配線配管構造。
- 複数本の配線配管類を束ねた構造においては、各配線配管類が直接接触しないように摺動低減機構を設けた請求項1乃至5の何れかに記載のパラレルリンク機構の配線配管構造。
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