JP2004226830A - 液晶表示装置及び電子機器 - Google Patents

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JP2004226830A JP2003016219A JP2003016219A JP2004226830A JP 2004226830 A JP2004226830 A JP 2004226830A JP 2003016219 A JP2003016219 A JP 2003016219A JP 2003016219 A JP2003016219 A JP 2003016219A JP 2004226830 A JP2004226830 A JP 2004226830A
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Abstract

【課題】表示輝度の改善、及び視野角の改善、並びにバックライト光の利用効率の改善を実現した表示品質に優れる反射型、あるいは半透過反射型の液晶表示装置を提供する。
【解決手段】互いに対向して配置された上基板と下基板の間に、TNモードの液晶層16が挟持され、前記液晶層の上基板側に上偏光板が設けられた液晶表示装置において、前記下基板の内面側に設けられた、有限のチルト角を有して配向された液晶性化合物を主体とする位相差層20を構成する高分子液晶20aのダイレクタ20dが、平面視において当該液晶表示装置の明視方向と略平行かつ略逆向きに配向されている
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置及び電子機器に関し、特に、特に、半透過反射型の液晶表示装置であって、反射モードのみならず、透過モード時にも十分に明るい表示が可能な優れた視認性を有する液晶表示装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、明るい場所では、通常の反射型の液晶表示装置と同様に外光を利用し、暗い場所では、内部の光源により表示を視認可能にした液晶表示装置が提案されている。この液晶表示装置は、反射型と透過型を兼ね備えた表示方式を採用しており、周囲の明るさに応じて反射表示または透過表示のいずれかの表示方式に切り替えることにより、消費電力を低減しつつ周囲が暗い場合でも明瞭な表示を行うことができる。
【0003】
図15は、この種の半透過反射膜を用いた半透過反射型液晶表示装置の一例を示す断面構造図であり、本出願人により出願された特許文献1に記載の構成を有する液晶表示装置である。
この液晶表示装置100では、一対のガラス基板101,102間に液晶層103が挟持されており、下基板101の内面に、開口部104aを有する半透過反射層104、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)等の透明導電膜からなる透明電極108が積層され、透明電極108を覆うように配向膜107が形成されている。一方、上基板102の内面には、ITO等の透明導電膜からなる透明電極112が形成され、この透明電極112を覆うように配向膜113が形成されている。また、上基板102の外面側には、上基板102側から順に2枚の位相差板118、119(これら位相差板は1/4波長板120として機能する)、上偏光板114が配置され、下基板101の外面側には、1/4波長板115、下偏光板116がこの順に設けられている。また、光源122、導光板123、反射板124等からなるバックライト117(照明手段)が下偏光板116の下方に配置されている。なお、1/4波長板115,120は、ある波長帯域において直線偏光をほぼ円偏光にすることができるものである。
【0004】
上記構成の液晶表示装置100によれば、外光の有無に関わらず表示の視認が可能ではあるものの、反射表示に比べて透過表示の明るさが不足するという問題があった。その原因の一つは、バックライト117から出射された光のうち、半透過反射層104の開口部104aを通過しない光は、半透過反射層104の裏面で反射されると、回転方向が反転した円偏光となり、1/4波長板115を透過すると下偏光板116の透過軸と垂直な直線偏光になる。そして、この直線偏光が下偏光板116によって吸収されることになり、バックライトから出射された光の利用効率が低くなってしまうことにある。
【0005】
これに対して、特許文献2に記載の、液晶パネルの内面側に円偏光層を設けた構成では、バックライト光の利用効率を高めることが可能になっている。この円偏光層は、特定の回転方向の円偏光を透過し、逆回りの円偏光を反射する特性を有する光学層であり、上記円偏光層で反射された光をバックライト側へ戻して再利用するようになっている。さらに、係る文献には、上記円偏光層の液晶層側に液晶性化合物からなる位相差層を設け、円偏光層を透過した光を直線偏光に変換することで直線偏光による表示を行う構成が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特許第3235102号公報
【特許文献2】
特開平9−258210号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献2に記載の技術を特許文献1に記載の液晶表示装置に適用すれば、バックライト光の利用効率を向上させることができ、表示の明るさを改善できると考えられる。しかしながら、係る効果が得られるのは半透過反射型液晶表示装置の透過表示領域に限ってである。また、特許文献2にも反射型、あるいは半透過反射型の液晶表示装置に適用するための記載はなされていない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであって、表示輝度の改善、及び視野角の改善、並びにバックライト光の利用効率の改善を実現した表示品質に優れる反射型、あるいは半透過反射型の液晶表示装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の構成の液晶表示装置、及び電子機器を提供する。
本発明の液晶表示装置は、互いに対向して配置された上基板と下基板の間に、TNモードの液晶層が挟持された液晶表示装置において、前記液晶層の上基板側に上偏光板が設けられ、前記下基板の内面側に、基板側から順に反射層と、有限のチルト角を有して配向された液晶性化合物を主体とする位相差層とが設けられており、前記位相差層を構成する液晶性化合物のダイレクタが、平面視において当該液晶表示装置の明視方向と略平行かつ略逆向きに配向されていることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る液晶表示装置は、反射表示を行うための反射層の液晶層側に位相差層を備えており、かつ位相差層を構成する液晶性化合物のダイレクタが、当該液晶表示装置の明視方向に対して上記方位関係となるように配置されていることで、反射表示における視角特性を改善し、広い視角で高コントラストの表示が得られるようになっている。尚、本発明者は上記位相差層の高分子液晶の配向方向が適切であることを、試作した液晶表示装置を用いて検証しており、その詳細は(実施例)の項に記載している。
尚、上記液晶性化合物のダイレクタの方向は、液晶層を構成する液晶分子のダイレクタと同様に、液晶性化合物の長手方向に沿って、水平面から上基板側に起きあがる方向を指すベクトルの方向を指す。また、上記明視方向は、TNモードの液晶層においては、その層厚方向ほぼ中央に配置された液晶分子のダイレクタの方向である。
【0011】
次に、本発明の液晶表示装置は、互いに対向して配置された上基板と下基板の間に、TNモードの液晶層が挟持され、1ドット領域内に透過表示領域と反射表示領域とを有する半透過反射型液晶表示装置において、前記液晶層の上基板側に上偏光板が設けられ、前記下基板の内面側の前記反射表示領域に基板側から順に反射層と、有限のチルト角を有して配向された液晶性化合物を主体とする位相差層とが設けられており、前記位相差層を構成する液晶性化合物のダイレクタが、平面視において当該液晶表示装置の明視方向と略平行かつ略逆向きに配向されており、選択電圧印加時、非選択電圧印加時のいずれか一方において、前記透過表示領域における前記液晶層の位相差が前記反射表示領域における前記液晶層の位相差よりも大きいことを特徴とする。
【0012】
上記構成は、前記の反射型液晶表示装置の構成を、半透過反射型液晶表示装置に適用したものであり、その反射表示領域において、反射層上に位相差層が設けられ、位相差層を構成する高分子液晶のダイレクタが、当該液晶表示装置の明視方向と平面視略平行かつ略逆向きとされている。係る構成の液晶表示装置によれば、反射表示において広い視角範囲で高コントラストの表示が得られ、かつ従来の半透過反射型液晶表示装置の透過表示の輝度が不足するという問題点も解決できるものである。
【0013】
すなわち、上記構成では、下基板の内面の反射表示領域にのみ位相差層を設け、この位相差層の存在により反射表示領域にのみ位相差が付加されるのを補償すべく、透過表示領域での液晶層の位相差を反射表示領域での液晶層の位相差よりも大きくされている。この構成においては、位相差層、液晶層の位相差等の設定条件によって透過表示において直線偏光のみで表示を行うことが可能となり、下側の位相差板のみならず、上側の位相差板も不要とすることができる。その結果、従来の構成において円偏光の略半分が上偏光板で吸収されることで透過表示が暗くなる問題を解決することができ、従来に比べて透過表示を明るくすることができる。また、従来に比べて構造が簡単になり、装置の薄型化を図ることができる。なお、本発明の液晶表示装置の表示原理については(発明の実施の形態)の項で説明する。
【0014】
本発明の液晶表示装置では、前記位相差層を構成する液晶性化合物が、チルト構造を成して配向されており、前記液晶性化合物の平均チルト角が、2°以上35°以下であることが好ましい。上記平均チルト角が2°未満では、視角の改善効果がほとんど得られない。また、35°を越えるチルト角では、視角特性が低下する。具体的には、液晶表示装置の正面でコントラストが最大とならずに、斜め方向から視認した場合にコントラストが最大となるため、観察者に視認される実質的なコントラストが低下することになる。また、上記35°を越えるチルト角では、駆動電圧が上昇する傾向になるため、消費電力の点からも好ましくない。
【0015】
本発明の液晶表示装置では、前記位相差層を構成する液晶性化合物の平均チルト角が、10°以上25°以下であることが好ましい。
このような構成とすることで、液晶表示装置正面の観察者左右方向で対称な視角特性を有する、特に視認性に優れた液晶表示装置が得られる。
【0016】
また本発明の液晶表示装置では、前記位相差層を構成する液晶性化合物が、スプレイ構造を成して配向されている構成とすることもできる。
上記構成であっても、本発明の液晶表示装置は、広い視角で明るい表示が得られる。
【0017】
本発明の液晶表示装置では、前記透過表示領域における液晶層厚が、前記反射表示領域における液晶層厚よりも大きいことが好ましい。このような構成とすることで、液晶層を透過する光に対する複屈折作用を、透過表示領域と反射表示領域とで近づけることができ、表示コントラストの改善を図ることができる。
【0018】
本発明の液晶表示装置では、前記透過表示領域における液晶層厚が、前記反射表示領域における液晶層厚の略2倍であることが好ましい。
すなわち、透過表示領域での液晶層の位相差を反射表示領域での液晶層の位相差よりも大きくする手段としては、例えば液晶層の厚さをd、液晶の屈折率異方性をΔnとしたときに、複屈折位相差(リタデーション)はこれらの積Δn・dで表されるので、液晶層の厚さd、液晶の屈折率異方性Δnの少なくともいずれか一方を透過表示領域と反射表示領域とで異ならせればよい。しかしながら、実際には透過表示領域と反射表示領域で液晶の屈折率異方性Δnを大きく変えるのは困難なので、透過表示領域における液晶層の層厚を反射表示領域における液晶層の層厚よりも大きく設定することが容易である。
上記構成はいわゆるマルチギャップ構造を備えた液晶表示装置であり、本発明の液晶表示装置に係る構成を導入するすることで、透過表示領域における液晶層の実質的リタデーションと反射表示領域の実質的リタデーションを容易に揃えることができ、高コントラストの液晶表示装置を実現できる。
【0019】
本発明の液晶表示装置では、前記反射表示領域における液晶層のΔndが、0.13以上0.34以下であることが好ましい。上記範囲とすることで、高輝度、高コントラストの反射表示が得られる。上記範囲を超えると、輝度及びコントラストが低下する傾向になり好ましくない。
【0020】
本発明の液晶表示装置では、前記位相差層が、透過光に対して略1/4波長の複屈折位相差を付与するものとされていることが好ましい。
上記構成とすることで、例えば透過表示領域の液晶層のリタデーションを1/2波長とし、反射表示領域のリタデーションを1/4波長とした場合に、反射表示と透過表示とで上偏光板の透過時の偏光状態を略同一方向の直線偏光に揃えることができ、また反射表示領域におけるリタデーションと透過表示領域におけるリタデーションを略等しくされるので、光の利用効率を最も向上でき、透過表示が最も明るい構成とすることができる。また、コントラストの高い表示を得ることができる。
【0021】
次に、本発明の電子機器は、先に記載の本発明の液晶表示装置を備えたことを特徴とする。係る構成によれば、透過表示、反射表示のいずれにおいても高輝度、高コントラストの表示が得られ、かつ広視野角の反射表示が得られる表示部を備えた電子機器を提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本実施の形態の液晶表示装置の概略構成を示す断面図であり、図2はその表示原理を説明するための図であって、表示原理の説明に必要な構成要素のみを示す図である。また、本実施の形態はアクティブマトリクス方式の半透過反射型カラー液晶表示装置の例である。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0023】
本実施の形態の液晶表示装置10は、図1に示すように、液晶セル11とバックライト12(照明装置)とを備えたものである。液晶セル11は、下基板13と上基板14とが対向配置され、これら上基板14と下基板13と挟まれた空間にTN(Twisted Nematic)液晶等が封入されて液晶層16が形成されている。そして、液晶セル11の後面側(下基板13の外面側)にバックライト12が配置されている。
【0024】
ガラスやプラスチックなどの透光性材料からなる下基板13の内面側には、アルミニウム、銀、またはこれらの合金等の反射率の高い金属膜からなる半透過反射層18が形成されている。半透過反射層18には、バックライト12から出射された光を透過させるための開口部18aが各画素毎に設けられており、半透過反射層18の形成領域のうち、実際に金属膜が存在している部分が反射表示領域R、開口部18aの部分が透過表示領域Tを構成している。
【0025】
反射表示領域Rにおける半透過反射層18上には、位相差層20と、保護層21とが基板側から順次積層されている。位相差層20は例えば高分子液晶等の液晶性化合物から構成され、係る位相差層20を透過する光に対して1/4波長の複屈折位相差を付与するものである。保護層21は、例えばアクリル系感光性樹脂等の絶縁膜から構成されている。
【0026】
これら位相差層20および保護層21は、例えば以下の2通りの方法によって形成することができる。
第1の方法は、まず最初に、半透過反射層18を形成した基板上に配向膜材料であるSE−3140(商品名、日産化学(株)製)をスピンコート法、あるいはフレキソ印刷法で塗布、焼成した後、ラビング処理を行う。次に、この配向膜上に高分子液晶溶液をスピンコート法(例えば回転数700rpmで30秒)により塗布する。ここで用いる高分子液晶は、例えばPLC−7023(商品名、旭電化工業(株)製)の8%溶液であり、溶媒はシクロヘキサノンとメチルエチルケトンの混合液、アイソトロピック転移温度が170℃、屈折率異方性Δnが0.21のものである。
【0027】
次に、高分子液晶層のプレベイクを80℃で1分間行い、さらに高分子液晶のアイソトロピック転移温度(170℃)以上となる180℃で30分間加熱した後、徐々に冷却して高分子液晶を配向させる。本発明者らがこの条件で実際に製造したところ、膜厚は630nm、位相差は133nmが得られている。
【0028】
次に、保護層の材料としてアクリル系感光性樹脂NN−525(商品名、JSR(株)製)をスピンコート法(例えば回転数700rpmで30秒)で塗布する。このとき、膜厚は2.3μmであった。次に、保護層のプレベイクを80℃で3分間行った後、フォトマスクを用いた露光(例えば露光強度が140mJ/cm、350nmに感度を持つ紫外線光量計で測定した値)を行い、アルカリ性現像液中に室温で90秒浸漬して現像を行い、反射表示領域にのみ保護層を残存させる。なお、上記のアクリル系感光性樹脂はネガ型のため、反射表示領域が露光されるようにフォトマスクを形成しておく必要がある。
【0029】
次に、保護層を完全に硬化させるため、ポスト露光を露光強度2000mJ/cmで行う。なお、1000mJ/cm以下では次工程の高分子液晶の現像時に保護層の剥離が生じたが、1300mJ/cm以上では問題なかったので、2000mJ/cmと設定した。次いで、Nメチル−2ピロリジノンからなるエッチング液に室温で30分間浸漬し、高分子液晶のエッチングを行う。次いで、この基板を80℃で3分間乾燥することにより、高分子液晶からなる位相差層20とアクリル系感光性樹脂からなる保護層21が形成される。
【0030】
第2の方法は、第1の方法と同様にして配向膜を形成した基板上に、液晶性モノマーであるUVキュアラブル液晶UCL−008−K1(商品名、大日本インキ化学工業(株)製)の溶液を、スピンコート法(例えば回転数700rpmで30秒)により塗布する。ここで用いる液晶性モノマー溶液は、Nメチル−2ピロリジノンとγ−ブチロラクトンの混合溶媒に25%に希釈したものであり、アイソトロピック転移温度が69℃、屈折率異方性Δnが0.20である。
【0031】
次に、液晶性モノマーを60℃で5分間乾燥させ、アイソトロピック転移温度(69℃)以上となる90℃で5分間加熱した後、徐々に冷却して液晶性モノマーを配向させる。本発明者らがこの条件で実際に製造したところ、膜厚は650nmが得られた。次いで、フォトマスクを用いた露光(例えば露光強度が3000mJ/cm)を行うことにより液晶性モノマーを局所的に光重合させた後、アルカリ性現像液、もしくはケトン系有機溶剤中に60秒浸漬して現像を行い、反射表示領域にのみ液晶性モノマー重合体を残存させる。これにより、液晶性モノマー重合体からなる位相差層20が形成される。その後、第1の方法と同様に、位相差層20上に保護層21を形成すればよい。
【0032】
このように、本実施の形態の液晶表示装置10においては、反射表示領域Rにのみ位相差層20、保護層21が設けられたことにより、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの間に段差が形成されている。そして、この段差に沿ってITO等の透明導電膜からなる画素電極23が形成され、画素電極23を覆うようにポリイミド等からなる配向膜24が積層されている。本実施の形態の場合、下基板13はTFT等の画素スイッチング素子、データ線、走査線等が形成された素子基板から構成されているが、図1においては画素スイッチング素子、データ線、走査線等の図示は省略している。また、下基板13の外面側には下偏光板28が設けられており、従来の位相差板は設けられていない。
【0033】
一方、ガラスやプラスチックなどの透光性材料からなる上基板14の内面側には、ITO等の透明導電膜からなる共通電極32、ポリイミド等からなる配向膜33が順次積層されている。また、上基板14の外面側には上偏光板36が設けられており、従来の位相差板は設けられていない。なお、図示を省略したが、上基板の内面側にはR(赤)、G(緑)、B(青)の各色素層を有するカラーフィルタが設けられている。
【0034】
上基板14と下基板13との間に挟持された液晶層16は、反射表示領域Rのみに位相差層20と保護層21が設けられ、これらの層が液晶層16側に突出するように形成されたことにより、反射表示領域Rと透過表示領域Tとでその層厚が異なっている。本実施の形態の場合、保護層21の膜厚は位相差層20の膜厚の略4倍程度であり、液晶層16の層厚は主に保護層21の膜厚によって調整されている。具体的には、透過表示領域Tの液晶層16の層厚は反射表示領域Rの液晶層16の層厚の略2倍となっている。そして、液晶層16の材料としてポジ型の晶が用いられ、選択電圧印加(電圧オン)時には電界方向に沿って液晶分子が立ち上がり、液晶層16の位相のずれが反射表示領域R、透過表示領域Tともに0となる一方、非選択電圧印加(電圧オフ)時には液晶分子が寝た状態となり、液晶層16のリタデーションが反射表示領域Rでは1/4波長、透過表示領域Tでは1/2波長となるように、液晶の屈折率異方性Δnおよび液晶層厚dが設定されている。上基板14のラビング軸と上偏光板36の透過軸とが垂直または平行であり、液晶層16の液晶分子が、非選択電圧印加時において上基板14と下基板13との間で90°ツイストした状態となっている。
【0035】
また、バックライト12は、光源37と反射板38と導光板39を有しており、導光板39の下面側(液晶パネル1と反対側)には、導光板39中を透過する光を液晶セル11側に向けて出射させるための反射板40が設けられている。
【0036】
上記構成を備えた本実施形態の液晶表示装置は、反射表示領域Rにあたる領域に形成された位相差層20の液晶性化合物のダイレクタと、液晶層16の液晶分子のダイレクタとの方位関係を適切に調整することで、反射表示において広い視角範囲で明るい表示が得られるようになっている。この位相差層20及び液晶層16との関係を、図2の説明図を参照して以下に説明する。
【0037】
図2(a)は、図1に示す液晶層16と位相差層20とを示す断面構成図であり、図2(b)は、同平面構成図である。これらの図では、上記各層を構成する液晶分子(16a、20a)を模式的に示している。
図2(a)、図2(b)には、液晶層16の非選択電圧印加状態が示されており、液晶層16を構成する液晶分子16aは、図2(a)左右方向に横たわるように配向されており、液晶層16の層厚方向ほぼ中央に位置する液晶分子16bのダイレクタ16dは、水平方向よりやや右上向きとなっている。また、平面的には、図2(b)に示すように、液晶層16を構成する液晶分子16aは、90°にツイスト配向されている。また、同平面図において位相差層20は、チルト構造(図4(a)参照)を成して配向された複数の高分子液晶20aから構成されており、複数の高分子液晶20aは、ほぼ平行に配向されている。また、図2(a)に示すように高分子液晶20aのダイレクタ20dは、図示やや左上向きである。
【0038】
図2(a)、(b)に示すように、本実施形態の液晶表示装置の明視方向は、液晶層16の層厚方向ほぼ中央に配置された液晶分子16bのダイレクタ16dの向きにより決定され、図2(a)の断面視においては、図示右方向とされ、図2(b)の平面視においては、図示下方向とされている。そして、この明視方向に対して、位相差層20のダイレクタ20dは、図2(b)に示すように、平面視略平行かつ逆向きになっている。すなわち、液晶分子16bのダイレクタ16dと、位相差層20の高分子液晶のダイレクタ20dとが、平面視略平行、かつ逆向きに配置されている。
【0039】
また、図2(b)に符号28a、36aで示す矢印は、それぞれ下偏光板28及び上偏光板36の透過軸の向きを示しており、両透過軸28a、36aは互いに直交する向きに配置されている。液晶層16を構成する液晶分子16aのうち、下偏光板28aに隣接して配置された液晶分子のダイレクタは下偏光板28の透過軸28aと略平行とされ、上偏光板36に隣接する液晶分子のダイレクタは上偏光板36の透過軸36aと略平行とされている。従って、本実施形態において、位相差層20aの高分子液晶のダイレクタ20dと、上下偏光板の透過軸28a、36aは、それぞれほぼ45°の角度を成して配置されている。
【0040】
本実施形態の液晶表示装置では、液晶層16を構成する液晶分子16a、16bと、位相差層20を構成する高分子液晶20aとが、上記方位関係を有していることで、広い視角範囲で明るい表示が得られるようになっている。本発明者は、係る構成により高輝度表示が可能な視角範囲が実質的に広がることを実際の液晶表示装置の視角特性を評価することにより検証しており、その詳細は後述の(実施例)に記載している。
【0041】
本実施形態の場合、上記位相差層20の高分子液晶のダイレクタ20dと、明視方向とが、平面視略平行とされ、かつ逆向きとされている。本発明に係る液晶表示装置においては、前記両者が平行に配置されるのが最も好ましいが、前記ダイレクタ20dと、液晶表示装置の明視方向とは、平面視において実質的に逆向きに配置されていれば、平面的に交差する向きであってもよい。具体的には、ダイレクタ20dと、明視方向との交差角度が3°以下であれば、実用上は問題とならない(明視方向を対称軸としてほぼ対称の視角範囲で高輝度の表示が得られる)。また、上記交差角度は1°以下とすることがより好ましい。尚、上記ダイレクタ20dと、明視方向とが平面視において互いに交差する向きとされた場合には、ダイレクタ20dと、偏光板28、36の透過軸との方位関係もそれに準じた交差角度となる。
【0042】
また、図4(a)は、チルト構造を成して配向された液晶分子を示す模式図であり、図4(b)は、スプレイ構造を成して配向された液晶分子を示す模式図である。これらの図に示す矢印が位相差層20の厚さ方向に対応しており、A方向が液晶層16側、B方向が下基板13側である。
先に記載のように、本実施形態では、位相差層20の高分子液晶20aは、図4(a)に示すようなチルト構造に配向されている。本実施形態の場合、図4(a)に示すチルト角θは、2°以上35°以下とされる。チルト角が2°未満では、位相差層20の視角特性の非対称性が小さくなるために、上記視角改善効果がほとんど得られなくなる。また、チルト角が35°を越えると、位相差層の厚さ方向における相対的な光学異方性が大きくなりすぎるために、コントラストが最大となる視角方向が表示装置正面から外れ、観察者に視認される実質的なコントラストが低下するため好ましくない。また、チルト角が35°を越える場合には、光進行方向のズレのために、最適な表示が得られる液晶層16の駆動電圧が大きくなる傾向になり、消費電力の点で不利になる。
【0043】
さらに、本実施の形態では、位相差層20を構成する高分子液晶20aが、チルト構造を成して配向されている場合について説明したが、高分子液晶20aが、図4(b)に示すスプレイ構造を成して配向された構成も適用することができる。その場合にも、各高分子液晶のダイレクタと、液晶表示装置の明視方向とが、平面視において略平行かつ略逆向きとなるように位相差層20を構成することで、上記と同様に広い視角で高コントラストの表示が可能な液晶表示装置とすることができる。
また、図4(b)に示すスプレイ構造において、角度α、βは、それぞれ位相差層20内における高分子液晶20aの仰角の最大値α、及び最小値βを示すものであり、本発明に係る液晶表示装置では、下基板13側で仰角が最小(β)となり、位相差層20の厚さ方向に沿って連続的に仰角が大きくなり、液晶層16側で仰角が最大(α)となる。これらの仰角の最大値α及び最小値βは、それぞれ40°、2°程度とすることが好ましい。その理由は、充分な視角改善効果が得られる平均チルト角10°から25°の範囲であり、また最大値αと最小値βの差を大きくすることでより視角改善の効果が得られるためである。
【0044】
次に、本実施の形態の液晶表示装置10の表示原理を図3を用いて説明する。
まず、暗表示を行う場合には、液晶層16に電圧を印加した状態(選択電圧印加状態)とし、液晶層16でのリタデーションがほぼ0(位相のずれがない)となるようにしておく。反射表示においては、上偏光板36の上方から入射した光は、上偏光板36の透過軸を紙面に垂直とすると、上偏光板36を透過した後、紙面に垂直な直線偏光となり、そのままの状態で液晶層16を透過する。そして、紙面に垂直な直線偏光は、下基板13上の位相差層20により1/4波長のリタデーションが付加され、位相差層20を透過した後、左回りの円偏光となる。次に、この円偏光が半透過反射層18の表面で反射すると回転方向が反転して右回りの円偏光となり、位相差層20を再度透過した後、紙面に平行な直線偏光となり、そのままの状態で液晶層16を透過する。ここで、上偏光板36は紙面に垂直な透過軸を有しているので、紙面に平行な直線偏光は上偏光板36に吸収されて外部(観察者側)へは戻らず、暗表示となる。
【0045】
一方、透過表示においては、バックライト12から出射された光は、下偏光板28の透過軸を紙面に平行とした場合、下偏光板28を透過した後、紙面に平行な直線偏光となり、そのままの状態で液晶層16を透過する。この光は、反射モードと同様、上偏光板36に吸収されるので、暗表示となる。
【0046】
次に、明表示を行う場合には、液晶層16に電圧を印加しない状態(非選択電圧印加状態)とし、反射表示領域Rにおけるリタデーションが1/4波長、透過表示領域Tにおけるリタデーションが1/2波長となるようにする。反射表示においては、上偏光板114を透過した紙面に垂直な直線偏光は、液晶層16により1/4波長のリタデーションが付与されて液晶層16を透過して位相差層20の表面に到達した段階で左回りの円偏光となる。そして、位相差層20を透過した後、紙面に平行な直線偏光となり、半透過反射層18の表面でそのままの偏光状態で反射し、位相差層20を再度透過すると、左回りの円偏光に戻る。次に、この光が液晶層16を再度透過した段階で紙面に垂直な直線偏光に戻り、紙面に垂直な透過軸を有する上偏光板36を透過して外部(観察者側)へ戻り、明表示となる。
【0047】
一方、透過表示においては、バックライト12から出射され、下偏光板28を透過した紙面に平行な直線偏光は、液晶層16の持つ旋光性によって、液晶層16を透過した段階で紙面に垂直な直線偏光となり、紙面に垂直な透過軸を有する上偏光板36を透過して外部へ戻り、明表示となる。
また透過表示において、下偏光板28を透過した紙面に平行な直線偏光のうち、半透過反射層18の裏面で反射した光は、そのまま下偏光板28を透過してバックライト12に戻り、バックライト12下面の反射板40で反射して再度液晶セル11に向けて出射されるので、半透過反射層18の裏面で反射した光を再利用して透過表示に寄与させることができる。
【0048】
本実施の形態の液晶表示装置10においては、下基板13内面の反射表示領域Rにのみ1/4波長のリタデーションを持つ位相差層20を設け、さらに、透過表示領域Tにおける液晶層16の層厚を反射表示領域Rにおける液晶層16の層厚の略2倍とし、電圧無印加時の液晶層16のリタデーションを反射表示領域Rで1/4波長、透過表示領域Tで1/2波長としたことによって、透過表示については直線偏光のみで表示を行うことが可能となり、図15に示す従来の装置で用いていた液晶セルの上下の位相差板をともに不要とすることができる。
【0049】
この構成によれば、従来の構成において液晶層側から入射される円偏光の略半分が上偏光板で吸収されることで透過表示が暗くなる問題、半透過反射層の裏面で反射された照明光が下偏光板で吸収され、表示に再利用できない問題の双方を同時に解決することができるので、従来に比べて透過表示を明るくすることができる。また本実施の形態の場合、特に透過表示領域Tでのリタデーションを反射表示領域Rの2倍としたことにより、反射表示と透過表示とで上偏光板36を透過する前の偏光状態を同一方向の直線偏光に揃えることができるため、光の利用効率を最も向上でき、透過表示が最も明るい構成とすることができる。また、コントラストの高い表示を得ることができる。特に本実施の形態の場合、透過表示が直線偏光を用いたTNモードの表示となるので、光の利用効率が高く、明るい表示が可能であるとともに、視野角も広くすることができる。また、透過表示領域のセル厚がばらついても、更にはかなり厚く反射表示領域のセル厚の2倍以上になっても、旋光性を利用しているため、コントラストの高い表示が可能である。
【0050】
本実施の形態の構成によれば、高分子液晶で位相差層20を形成しているが、その上に絶縁膜を形成しているので、この絶縁膜が保護膜21として機能し、位相差層20の変質等を防止することができる。また、反射表示領域Rにのみ位相差層20を設けているため、その位相差層20上に保護層21を形成したことにより、反射表示領域Rにおける液晶層16の層厚を透過表示領域Tにおける液晶層16の層厚よりも小さくする構造を容易に実現することができる。さらに、外付けの位相差板が要らないので、従来に比べて構造が簡単になり、部品点数を削減できるとともに、装置の薄型化を図ることができる。
【0051】
本発明者は、本実施の形態の液晶表示装置において反射表示領域の位相差(リタデーションR=Δn・d)と反射率との相関関係をシミュレーションにより求めた。シミュレーション結果を図14に示す。図14の横軸はΔn・d[nm]、縦軸は反射率[−]である。本実施の形態の場合、透過表示がTNモードの表示となることから光の利用効率が高く、明るい表示となる一方、反射表示に対しては実用上必要な明るさとして少なくとも反射率20%以上が要求される。このレベルの反射率を得るためには、反射表示領域の位相差(Δn・d)を、130nm≦Δn・d≦340nmの範囲とする必要がある。この条件を満たすように反射表示領域のΔn・dを設定することによって、反射表示の視認性も確保することができる。
【0052】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施の形態では、反射表示領域上の位相差層でのリタデーションを1/4波長とし、透過表示領域の液晶層の層厚を反射表示領域の2倍とすることで選択電圧印加時の液晶層のリタデーションが反射表示領域、透過表示領域ともにほぼ0、非選択電圧印加時の液晶層のリタデーションが反射表示領域で1/4波長、透過表示領域で1/2波長とした。この設定が透過表示を最も明るくし、コントラストが最も向上できる構成ではあるが、各部のリタデーションは必ずしも上記の設定通りでなくても良く、少なくとも反射表示領域にのみ位相差層20によるリタデーションが付与され、そのリタデーションを緩和すべく透過表示領域でのリタデーションが反射表示領域でのリタデーションよりも大きければよい。この構成とすれば、少なくとも従来に比べて透過表示を明るくすることができる。
【0053】
また、上記実施の形態ではポジ型液晶を用い、初期状態を水平配向として電圧印加時のリタデーションがほぼ0、電圧無印加時に反射表示領域のリタデーションが1/4波長、透過表示領域のリタデーションが1/2波長となる例で説明したが、これとは逆に、ネガ型液晶を用い、初期状態を垂直配向として電圧無印加時に位相のずれがほぼ0、電圧印加時に反射表示領域のリタデーションが1/4波長、透過表示領域のリタデーションが1/2波長となるように構成することもできる。さらに、本発明は、上記実施の形態のようにアクティブマトリクス方式の半透過反射型カラー液晶表示装置に限ることなく、パッシブマトリクス方式、白黒表示の液晶表示装置に適用することも可能である。
【0054】
(電子機器)
図16は、本発明に係る液晶表示装置を表示部に備えた電子機器の一例である携帯電話の斜視構成図であり、この携帯電話1300は、本発明の液晶表示装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。
上記実施の形態の液晶表示装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器の表示部においても、高コントラストの反射/透過表示が得られ、かつ広い視角で明るい表示が得られる。
【0055】
【実施例】
以下、実施例により本発明の液晶表示装置をさらに詳細に説明する。本例では、上記実施の形態の構成の液晶表示装置において、液晶性化合物からなる位相差層の配向方向を異ならせたものを作製し、その視野角特性を評価した。その結果について以下、報告する。
【0056】
(実施例1)
実施例1の液晶表示装置として、図1に示した上記実施の形態の構成の液晶表示装置を作製した。パネルの構成として、画素数を160×120、画素ピッチを255μm、透過表示領域となる開口部の面積を68μm×22μm(ただし、この開口部を1ドットに2個形成)、とした。
液晶層16は右90°ツイストのTN液晶とし、6時明視(表示装置正面の観察者から見て手前側方向が明視方向)とした。反射表示領域の液晶層のリタデーション(Δn・d)は0.26、透過表示領域の液晶層のリタデーションは0.48とした。位相差層20は、上記実施の形態で説明した第1の形成方法(高分子液晶を用いる方法)に準じて形成し、その配向方向を12時方向(表示装置正面の観察者から見て奥側方向)とした。位相差層を構成する高分子液晶はチルト構造とし、そのチルト角(図4(a)に示す角度θ)は位相差層内で一律に20°とした。位相差層20は正面方向のリタデーションが1/4波長となるようにした。
【0057】
次いで、比較サンプル1として、上記実施例1の構成において、位相差層20の高分子液晶の配向方向を6時方向(表示装置正面の観察者から見て手前側方向)とした以外は同様の構成を備えた液晶表示装置を作製した。
次に、比較サンプル2として、上記実施例1の構成において、位相差層20の高分子液晶の配向方向を3時方向(表示装置正面の観察者から見て手前側方向)とした以外は同様の構成を備えた液晶表示装置を作製した。
次に、比較サンプル3として、上記実施例1の構成において、位相差層20の高分子液晶の配向方向を9時方向(表示装置正面の観察者から見て手前側方向)とした以外は同様の構成を備えた液晶表示装置を作製した。
【0058】
次に、上記実施例1、及び比較サンプル1の液晶表示装置について、反射表示のコントラストの視角特性を評価した。その結果を図5及び図6に示す。また、実施例1の液晶表示装置について透過表示のコントラストの視角特性の測定結果を図7に示す。また、比較サンプル2,3の液晶表示装置について反射表示におけるコントラストの視角特性の測定結果を図8及び図9に示す。
【0059】
図5ないし図9において、中心が表示装置の正面に対応しており、中心から離れるに従って視角が大きくなっている。また、符号Aで示された領域(図中左上がりの鎖線で示す領域)は、測定範囲内におけるコントラストの最大値の75%以上のコントラストが得られた視角範囲を示し、符号Bで示された領域(図中右上がりの鎖線で示す領域)は、同、50%以上のコントラストが得られた視角範囲を示し、符号Cで示された領域(図中模様無しの領域)は、同、50%未満のコントラストが得られた視角範囲を示している。また、図6中、符号Dで示された領域(図中水平線で示す領域)は、コントラストが1未満となった領域であり、すなわち表示が反転して視認された視角範囲である。
【0060】
図5に示すように、本発明の構成要件を満たす実施例1の液晶表示装置では、より広い視角範囲が得られ、また液晶表示装置の正面を中心として左右対称に高コントラストの領域(領域A)が分布している。これに対して、図6に示す比較サンプル1の液晶表示装置では、最大コントラストの50%以上が得られる視角範囲が図5に比して狭く、また、高コントラスト領域(領域A)も、左右対称になっていない。また、図6中左右端に、表示が反転した領域Dが現れており、この点においても図5に示す実施例1の液晶表示装置の方が視角が広いことが分かる。
【0061】
また、図8及び図9に示す、位相差層の配向方向が3時方向、及び9時方向とされた液晶表示装置では、高コントラスト領域(領域A)が、高視角側に現れており、通常観察者から視認される液晶表示装置正面方向ではコントラストがやや低くなる。そのため、実質的にコントラストの低下が生じている。また、図8及び図9のいずれにおいても、表示が反転した領域Dが現れており、視角がやや狭くなっている。
【0062】
本実施形態の液晶表示装置では、図7に示す透過表示でも、高コントラストの領域が左右対称に分布しているので、透過表示、反射表示のいずれにおいても、左右対称な表示特性を有しており、実質的に視認性の高い表示を実現している。
このように、本発明の要件を満たす実施例1の液晶表示装置によれば、視角が広く、かつ左右対称にコントラストが分布した視認性に優れる反射表示及び透過表示が得られる。
【0063】
(実施例2)
次に、実施例2として、上記実施例1と位相差層の構成のみを異ならせた液晶表示装置を作製した。つまり、パネルの構成として、画素数を160×120、画素ピッチを255μm、透過表示領域となる開口部の面積を68μm×22μm(ただし、この開口部を1ドットに2個形成)、とした。
液晶層16は右90°ツイストのTN液晶とし、6時明視(表示装置正面の観察者から見て手前側方向が明視方向)とした。反射表示領域の液晶層のリタデーション(Δn・d)は0.26、透過表示領域の液晶層のリタデーションは0.48とした。位相差層20は、上記実施の形態で説明した第1の形成方法(高分子液晶を用いる方法)に準じて形成し、その配向方向を12時方向(表示装置正面の観察者から見て奥側方向)とした。位相差層を構成する高分子液晶はスプレイ構造とし、その仰角(図4(b)に示す角度α、β)は位相差層内で連続的に変化するようにし、仰角の最小値βを3°、最大値αを50°とした。位相差層20は正面方向のリタデーションが1/4波長となるようにした。
【0064】
次いで、比較サンプル4として、上記実施例2の構成において、位相差層20の高分子液晶の配向方向を6時方向(表示装置正面の観察者から見て手前側方向)とした以外は同様の構成を備えた液晶表示装置を作製した。
次に、比較サンプル5として、上記実施例2の構成において、位相差層20の高分子液晶の配向方向を3時方向(表示装置正面の観察者から見て手前側方向)とした以外は同様の構成を備えた液晶表示装置を作製した。
次に、比較サンプル6として、上記実施例1の構成において、位相差層20の高分子液晶の配向方向を9時方向(表示装置正面の観察者から見て手前側方向)とした以外は同様の構成を備えた液晶表示装置を作製した。
【0065】
次に、上記実施例2、及び比較サンプル4〜6の液晶表示装置について、反射表示のコントラストの視角特性を評価した。その結果を図10ないし及び図13に示す。これらの図に示すA〜Dの領域の定義については上記実施例1と同様である。
【0066】
図10に示すように、本発明の構成要件を満たす実施例2の液晶表示装置では、より広い視角範囲が得られ、また液晶表示装置の正面を中心として左右対称に高コントラストの領域(領域A)が分布している。これに対して、図11に示す比較サンプル4の液晶表示装置では、最大コントラストの50%以上が得られる視角範囲が図10に比して狭く、また、高コントラスト領域(領域A)も、左右対称になっていない。また、図11中左右端に、表示が反転した領域Dが現れており、この点においても図10に示す実施例2の液晶表示装置の方が視角が広いことが分かる。
また、実施例2の液晶表示装置では、透過表示領域の構成は上記実施例1と同様としているため、透過表示の視角特性としては図7に示すものと極めて近いものが得られると考えられる。従って、本例の液晶表示装置においても、透過表示、反射表示のいずれにおいても左右対称のコントラストの分布が得られ、視認性に優れる表示が得られる。
【0067】
また、位相差層の高分子液晶の配向方向が、3時方向及び9時方向とされた比較サンプル5,6は、図12及び図13に示すように、いずれも高コントラスト領域Aが図中心から外れており、実質的なコントラストの低下が生じていることが分かる。また、いずれのサンプルにおいても、表示が反転した領域Dが現れており、この点においても視角が狭くなっている。
このように、本発明の要件を満たす実施例2の液晶表示装置によれば、位相差層を構成する高分子液晶がスプレイ構造を成して配向されていても、視角が広く、かつ左右対称にコントラストが分布した視認性に優れる反射表示及び透過表示が得られることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態の液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】図2は、図1に示す液晶層と位相差層を構成する液晶分子の配向状態の説明図であり、図2(a)は模式断面構造、図2(b)は模式平面構造を示している。
【図3】図3は、同、液晶表示装置の表示原理を説明するための図であって、表示原理の説明に必要な構成要素のみを示す図である。
【図4】図4は、図1に示す位相差層の高分子液晶の配向構造を示す図であり、図4(a)はチルト構造、図4(b)はスプレイ構造を示している。
【図5】図5は、実施例における視角特性の評価結果を示す図である。
【図6】図6は、実施例における視角特性の評価結果を示す図である。
【図7】図7は、実施例における視角特性の評価結果を示す図である。
【図8】図8は、実施例における視角特性の評価結果を示す図である。
【図9】図9は、実施例における視角特性の評価結果を示す図である。
【図10】図10は、実施例における視角特性の評価結果を示す図である。
【図11】図11は、実施例における視角特性の評価結果を示す図である。
【図12】図12は、実施例における視角特性の評価結果を示す図である。
【図13】図13は、実施例における視角特性の評価結果を示す図である。
【図14】図14は、本発明の液晶表示装置における反射表示領域のΔn・dと反射率との相関関係を示すシミュレーション結果である。
【図15】図15は、従来の半透過反射型液晶表示装置の部分断面図である。
【図16】図16は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 液晶表示装置、11 液晶セル、12 バックライト、13 下基板、14 上基板、16 液晶層、16a 液晶分子、18 半透過反射層、18a開口部、20 位相差層、20a 高分子液晶(液晶性化合物)、20d ダイレクタ、21 保護層、28 下偏光板、36 上偏光板、R 反射表示領域、T 透過表示領域

Claims (10)

  1. 互いに対向して配置された上基板と下基板の間に、TNモードの液晶層が挟持された液晶表示装置において、
    前記液晶層の上基板側に上偏光板が設けられ、前記下基板の内面側に、基板側から順に反射層と、有限のチルト角を有して配向された液晶性化合物を主体とする位相差層とが設けられており、
    前記位相差層を構成する液晶性化合物のダイレクタが、平面視において当該液晶表示装置の明視方向と略平行かつ略逆向きに配向されていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 互いに対向して配置された上基板と下基板の間に、TNモードの液晶層が挟持され、1ドット領域内に透過表示領域と反射表示領域とを有する半透過反射型液晶表示装置において、
    前記液晶層の上基板側に上偏光板が設けられ、前記下基板の内面側の前記反射表示領域に基板側から順に反射層と、有限のチルト角を有して配向された液晶性化合物を主体とする位相差層とが設けられており、
    前記位相差層を構成する液晶性化合物のダイレクタが、平面視において当該液晶表示装置の明視方向と略平行かつ略逆向きに配向されており、
    選択電圧印加時、非選択電圧印加時のいずれか一方において、前記透過表示領域における前記液晶層の位相差が前記反射表示領域における前記液晶層の位相差よりも大きいことを特徴とする液晶表示装置。
  3. 前記位相差層を構成する液晶性化合物が、チルト構造を成して配向されており、前記液晶性化合物の平均チルト角が、2°以上35°以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記位相差層を構成する液晶性化合物の平均チルト角が、10°以上25°以下であることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
  5. 前記位相差層を構成する液晶性化合物が、スプレイ構造を成して配向されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  6. 前記透過表示領域における液晶層厚が、前記反射表示領域における液晶層厚よりも大きいことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  7. 前記透過表示領域における液晶層厚が、前記反射表示領域における液晶層厚の略2倍であることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
  8. 前記反射表示領域における液晶層のΔndが、0.13以上0.34以下であることを特徴とする請求項2ないし7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  9. 前記位相差層が、透過光に対して略1/4波長の複屈折位相差を付与するものとされていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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