JP2004232328A - 半プレキャスト式アーチカルバートの構造及びその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アーチカルバートのアーチ部の施工に際し、支保工や型枠、鉄筋の設置やコンクリート打設を必要としないアーチカルバートの構造およびその施工方法を提供すること。
【解決手段】アーチカルバートの下半部の底版21および側壁22を構築した後、プレキャストコンクリート1の上半アーチ部を側壁22との接続部3に架設する。上半アーチ部の接続部3の下半部との接触面31が、下半部の側壁22の上面とトンネル内空側の一部にて面着させるように、上半アーチ部の接続部3はその外側を切り欠いた構造としておく。上半アーチ部を架設後、間詰コンクリート4をアーチカルバートの外側から切欠き部32に充填して半プレキャスト式アーチカルバートの一体化を図るアーチカルバートの構造および施工方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】アーチカルバートの下半部の底版21および側壁22を構築した後、プレキャストコンクリート1の上半アーチ部を側壁22との接続部3に架設する。上半アーチ部の接続部3の下半部との接触面31が、下半部の側壁22の上面とトンネル内空側の一部にて面着させるように、上半アーチ部の接続部3はその外側を切り欠いた構造としておく。上半アーチ部を架設後、間詰コンクリート4をアーチカルバートの外側から切欠き部32に充填して半プレキャスト式アーチカルバートの一体化を図るアーチカルバートの構造および施工方法である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アーチカルバートのうち、アーチカルバートの下半部を底版と側壁とからなる現場打ちコンクリートとし、アーチカルバートの上半部を断面アーチ状のプレキャストコンクリートとした半プレキャスト式アーチカルバートの構造およびその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のアーチカルバートの構築は、アーチカルバートaの基礎cを現場打ちコンクリートにて構築した後、支保工に支持をとってアーチカルバートaの側壁および天井を構成するアーチ部を現場打ちコンクリートにて構築する方法により行なわれていた(特許文献1参照)。また、上記のアーチ部の支保工としてアーチセントルbと呼ばれるトンネル軸方向に走行可能な支保工架構を使用する場合もある(図5参照)。
アーチ部の形状は曲率を有しており、アーチ部を場所打ちコンクリートにて施工する場合には、支保工を組立て、曲率をもった内型枠および鉄筋を取付け、曲率をもった外型枠を組立てた後、均等にコンクリートを充填できるように施工管理をおこないながらコンクリートを打設している。
従来のアーチカルバートの施工方法には、上記のようにアーチ部を場所打ちコンクリート施工する方法の他に、プレキャスト化したアーチ部を場所打ちコンクリートにて施工した基礎cに架設する半プレキャスト式アーチカルバートの施工方法もある(特許文献2参照)。かかる半プレキャスト式アーチカルバートの施工方法によれば、アーチ部と基礎cの接続部は夫々の曲げモーメントを伝達しないピン結合構造となる。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−323974号公報
【特許文献2】
特開2002−38502号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来のアーチカルバートの施工方法にあっては、次のような問題点がある。
<イ>アーチカルバートのアーチ部を場所打ちコンクリートとした場合、アーチ部の施工にともなって、支保工の構築や、内型枠、鉄筋、外型枠などの設置が必要となり、品質管理が困難で、施工性がよくないといった問題がある。
<ロ>支保工としてアーチセントルを使用した場合は、セントル架構が支保工となるとともに、セントル架構自体が作業足場となることからカルバートの構築にともなってセントルを走行させながら施工を進めることができる。
したがって、アーチセントルを使用する場合は効率的なアーチカルバートの施工を実現できる。
しかし、アーチセントルは高価であり、転用が難しいという欠点を有しており、例えば、50m程度のアーチカルバート1基のみの施工にアーチセントルを使用しても採算性が悪いという問題が生じる。
【0005】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、アーチカルバートのアーチ部の施工に際し、過大な支保工や型枠などの設置を必要としないアーチカルバートの構造およびその施工方法を提供することを目的とする。また、工程を短縮することができ、施工性や経済性、品質管理に優れた剛結合構造のアーチカルバートの構造およびその施工方法を提供することを目的とする。
本発明は、これらの目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、アーチカルバートの下半部を底版と底版に略垂直に設けた側壁とからなる現場打ちコンクリートとし、アーチカルバートの上半部を断面アーチ状のプレキャストコンクリートとした本発明の半プレキャスト式アーチカルバートの構造は、前記プレキャストコンクリートのトンネル内空側の壁面が予め形成されており、トンネル外側の壁面が前記側壁と接続する接続部において切欠き部を備えたことを特徴とする構造である。
また、前記半プレキャスト式アーチカルバートの構造において、前記プレキャストコンクリートの前記接続部側に露出させたプレキャストコンクリートの鉄筋と、前記現場打ちコンクリートの前記接続部側に露出させた鉄筋を相互に定着可能とすることができる。
さらに、前記半プレキャスト式アーチカルバートの構造を構築する半プレキャスト式アーチカルバートの施工方法は、前記底版と前記側壁を構築する下半部構築工程と、前記プレキャストコンクリートの前記接続部に架設する上半部架設工程と、前記接続部にトンネル軸方向鉄筋を配設して、前記切欠き部に間詰コンクリートを充填する接続部仕上げ工程とからなることを特徴とする施工方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0008】
<イ>半プレキャスト式アーチカルバート
アーチカルバートは、上部断面がアーチ状を呈するコンクリート製の管渠のことである。通常の断面矩形のボックスカルバートにおいては、土被り荷重や側方土圧により天井や底版、壁に曲げモーメントが卓越することとなる。一方、アーチカルバートでは、上記の荷重を断面アーチ方向の軸力に変えながら、発生曲げモーメントを抑えることができる。特に今回提案する接続部3の位置は、小さい曲げモーメントしか発生しない箇所である。発生する曲げモーメントは負の曲げモーメントが卓越し、常に外側に引張応力が作用する。これらがこの位置に接続部3を設ける根拠となっている。なお、負の曲げモーメントとは、例えば水平部材に鉛直荷重を下方に作用させた場合に、部材の上方に引張り応力を生じさせる曲げモーメントのことをいう。
アーチカルバートのうち、半プレキャスト式アーチカルバートは、底版21および側壁22からなる後述する下半部を現場打ちコンクリートとし、断面アーチ状を呈した後述する上半部をプレキャストコンクリート1としたものである(図1参照)。
【0009】
従来のアーチカルバートの施工は、地盤上にベースコンクリートを施工してから、支保工を組立て、またはアーチセントルを使用して、支保工に支持をとって曲率をもった内型枠を組立て、配筋をおこない、曲率をもった外型枠を組立てた後、内型枠と外型枠に囲まれた空間にコンクリートを打設している。かかる方法によると、型枠や鉄筋に所定の曲率をもたせるように加工する必要があり、また、アーチ部のコンクリート打設に際してコンクリートの充填性などの品質管理が困難であるという問題が生じていた。
そこで、本発明は、アーチカルバートのうち、曲率をもたない底版21および側壁22を現場にて場所打ち施工し、場所打ち施工が困難な上半部をプレキャスト製品として工場または現場ヤードにて製作し、上半部を下半部に架設することにより品質のよいアーチカルバートを短い工期で構築することを実現するものである。
【0010】
また、上記の問題を解決するために、従来のアーチカルバートの構造には、基礎を現場打ちコンクリートにて構築後、プレキャスト化したアーチ部を基礎上に架設する半プレキャスト式アーチカルバートなどがある。かかる半プレキャスト式アーチカルバートは、基礎とアーチ部の接続部が夫々の曲げモーメントの伝達をおこなわないピン結合構造となっている。一方、剛結合構造の特徴は、埋め戻し作業の手順に制約がないこと、接続部3の製作において許容誤差が大きく、手軽なこと、防水性に優れていること等が挙げられる。
そこで、本発明では、下半部と上半部の接続部3を剛結合構造とした半プレキャスト式アーチカルバートの構造を提案している。
なお、アーチカルバートの完成後は、アーチカルバートを地上に露出した状態で設置する場合や、アーチカルバートを埋土にて埋め戻して管渠とする場合などがある。図4に、盛土上を道路として供用させる際にかかる盛土内を横断するように設けたアーチカルバートの実施例を示す。
【0011】
<ロ>下半部
アーチカルバートの下半部は、底版21および側壁22により構成されるものであり、場所打ちコンクリートにて構築するものである。
下半部の構築に際しては、カルバートの底版21を構築後、底版21に略垂直に側壁22を立ち上げる。したがって、下半部構築においては、過大な支保工を必要とせず、また、曲率をもった型枠を加工する必要もない。
アーチカルバートの構築は、例えば、施工地盤上に、トンネル延長にわたって下半部の構築を終了させ、その後にトンネル軸方向に所定の幅をもった複数の後述する上半部を架設していく方法によりおこなうことができる。
なお、側壁22の上面からは、断面方向鉄筋23を露出させておく。
【0012】
<ハ>上半部
アーチカルバートの上半部は、断面アーチ状を呈したカルバートの側壁および天井を構成するものである。
本発明においては、施工性、品質等を向上させるために、上半部は工場や現場ヤードにて製作したプレキャストコンクリート1を使用する。すなわち、従来のように支保工に支持をとって、内型枠、鉄筋、外型枠を組立て、コンクリートを打設して構築する方法と異なり、上半部を別途単独に製作するため、例えば、下半部の構築と同時並行で上半部を製作することも可能であり、コンクリートの充填性などの品質管理なども容易となる。プレキャストコンクリート1の幅は、例えば、搬送や現場における切り回し、架設などを容易に行うことができる長さとすることができる。
上半部の接続部3は以下のように成形する。すなわち、接続部3のトンネル内空側は、上半部を下半部に架設した際にトンネルの内壁面が形成されるように下半部の側壁22の上面と接触する接触面31とトンネル内壁面により構成させる。
一方、接続部3のトンネル外側は切欠き部32を設け、かかる切欠き部32に上半部の断面方向鉄筋11を露出させておく。
【0013】
<ニ>接続部
接続部3は、下半部の側壁22と後述する上半部をつなぐ箇所である。上半部の接続部の接触面31は、下半部の側壁22の上面とトンネル内空側の一部にて面着させる。すなわち、上半部の接続部3はトンネル側の一部の接触面31とトンネル外側から接続面31に向かって切欠いたように成形させた切欠き部32を設けるものである。かかる切欠き部32を要する目的は、上半部、下半部の夫々の接続部3端部より断面方向鉄筋11、23を露出させて相互に定着できるようにするためである。ここで定着とは、所定長さだけ露出させた上半部および下半部側壁22の鉄筋を相互に重ね合わせることをいう。かかる鉄筋の定着により、接続部を剛結合構造とすることができる。なお、接続部3の鉄筋形状は図2(b)のように、負の曲げモーメント(アーチカルバート断面の外側に生じる曲げモーメント)のみが作用することが確認されたら、外側のみの鉄筋継手とすることも可能である。かかる場合は簡易な構造となり得る。
上半部の接触面31と下半部側壁22の上面とを面着させて架設した後、トンネル軸方向鉄筋51を配設し、切り欠部32に間詰コンクリート4を充填して上半部と下半部の一体化を図る。切り欠部32を接続部3の外側に設けることにより、アーチカルバートの内側面に後打ちの間詰コンクリート4が露出しないため、間詰コンクリート4が剥離する問題が解消でき、また、間詰コンクリート4の施工をアーチカルバートの外側のみからすることができるため、施工性がよい。間詰コンクリート4とプレキャストコンクリート1または側壁22の取り合い部の外壁端や、接触面31のトンネル内空側端部は、例えば台形状やV字状に切り欠を設け、止水用の弾性シーリング材53などを充填する。
間詰コンクリート4とプレキャストコンクリート1または側壁22の取り合い部の外壁端に弾性シーリング材53などを充填した後、かかる弾性シーリング材53を覆うように、例えば防水シート52などを敷設することにより、止水効果をさらに高めることができる。
【0014】
以下、図を参照しながら本発明の半プレキャスト式アーチカルバートの施工方法について説明する。
【0015】
整地した施工地盤上に、アーチカルバートの下半部の底版21を構築し、側壁22を底版21から略垂直に構築する(下半部構築工程)(図3(a)参照)。この際、アーチカルバートの施工延長にわたり、下半部の構築を完了させてもよい。
アーチカルバートの上半部を工場または現場ヤードにて製作し、上半部の接触面31を下半部の側壁22の上面に面着させるように重機5にて架設する(上半部架設工程)(図3(b)参照)。
上半部および下半部の接続部3に露出させた鉄筋11、23を重ね合わせ、トンネル軸方向鉄筋51を配設し、切り欠部32に間詰コンクリート4をアーチカルバートの外側から充填して、上半部と下半部の一体化を図る(接続部仕上げ工程)(図3(c)参照)。
接続部仕上げ工程をアーチカルバート施工延長にわたって繰り返す。
接続部仕上げ工程終了後、間詰コンクリート4とプレキャストコンクリート1または側壁22の取り合い部の外壁端や、接続面31のトンネル内空側端部に、例えば台形状やV字状に切り欠を設け、止水用の弾性シーリング材53などを充填する。間詰コンクリート4とプレキャストコンクリート1または側壁22の取り合い部の外壁端に充填した弾性シーリング材53を覆うように、例えば防水シート52などを敷設させる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の半プレキャスト式アーチカルバートの構造およびその施工方法は以上説明したようになるから、次のような効果を得ることができる。
<イ>アーチカルバートの上半アーチ部をプレキャスト化することにより、工期の短縮や品質の確保、施工性の向上を図ることができる。
<ロ>上半部施工にアーチセントルなどの支保工を使用する必要がないため、工費が全体として安価となる。
<ハ>上半部と下半部の接続部の間詰コンクリート充填をアーチカルバートの外側のみからできることから、施工性がよく、またアーチカルバート内部に間詰コンクリートが露出せず、間詰コンクリートが剥離するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半プレキャスト式アーチカルバートの斜視図。
【図2】(a)半プレキャスト式アーチカルバートの接続部を説明した断面図。(b)接続部に負の曲げモーメントのみが作用する場合の接続部の配筋形状の実施例を説明した断面図。
【図3】(a)下半部構築工程の実施例を示した説明図。(b)上半部架設工程の実施例を示した説明図。(c)接続部仕上げ工程の実施例を示した説明図。
【図4】アーチカルバートの実施例を示した斜視図。
【図5】アーチカルバートをアーチセントルにて施工することを説明した正面図。
【符号の説明】
1・・・プレキャストコンクリート
2・・・現場打ちコンクリート
21・・底版
22・・側壁
3・・・接続部
4・・・間詰コンクリート
【発明の属する技術分野】
本発明は、アーチカルバートのうち、アーチカルバートの下半部を底版と側壁とからなる現場打ちコンクリートとし、アーチカルバートの上半部を断面アーチ状のプレキャストコンクリートとした半プレキャスト式アーチカルバートの構造およびその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のアーチカルバートの構築は、アーチカルバートaの基礎cを現場打ちコンクリートにて構築した後、支保工に支持をとってアーチカルバートaの側壁および天井を構成するアーチ部を現場打ちコンクリートにて構築する方法により行なわれていた(特許文献1参照)。また、上記のアーチ部の支保工としてアーチセントルbと呼ばれるトンネル軸方向に走行可能な支保工架構を使用する場合もある(図5参照)。
アーチ部の形状は曲率を有しており、アーチ部を場所打ちコンクリートにて施工する場合には、支保工を組立て、曲率をもった内型枠および鉄筋を取付け、曲率をもった外型枠を組立てた後、均等にコンクリートを充填できるように施工管理をおこないながらコンクリートを打設している。
従来のアーチカルバートの施工方法には、上記のようにアーチ部を場所打ちコンクリート施工する方法の他に、プレキャスト化したアーチ部を場所打ちコンクリートにて施工した基礎cに架設する半プレキャスト式アーチカルバートの施工方法もある(特許文献2参照)。かかる半プレキャスト式アーチカルバートの施工方法によれば、アーチ部と基礎cの接続部は夫々の曲げモーメントを伝達しないピン結合構造となる。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−323974号公報
【特許文献2】
特開2002−38502号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来のアーチカルバートの施工方法にあっては、次のような問題点がある。
<イ>アーチカルバートのアーチ部を場所打ちコンクリートとした場合、アーチ部の施工にともなって、支保工の構築や、内型枠、鉄筋、外型枠などの設置が必要となり、品質管理が困難で、施工性がよくないといった問題がある。
<ロ>支保工としてアーチセントルを使用した場合は、セントル架構が支保工となるとともに、セントル架構自体が作業足場となることからカルバートの構築にともなってセントルを走行させながら施工を進めることができる。
したがって、アーチセントルを使用する場合は効率的なアーチカルバートの施工を実現できる。
しかし、アーチセントルは高価であり、転用が難しいという欠点を有しており、例えば、50m程度のアーチカルバート1基のみの施工にアーチセントルを使用しても採算性が悪いという問題が生じる。
【0005】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、アーチカルバートのアーチ部の施工に際し、過大な支保工や型枠などの設置を必要としないアーチカルバートの構造およびその施工方法を提供することを目的とする。また、工程を短縮することができ、施工性や経済性、品質管理に優れた剛結合構造のアーチカルバートの構造およびその施工方法を提供することを目的とする。
本発明は、これらの目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、アーチカルバートの下半部を底版と底版に略垂直に設けた側壁とからなる現場打ちコンクリートとし、アーチカルバートの上半部を断面アーチ状のプレキャストコンクリートとした本発明の半プレキャスト式アーチカルバートの構造は、前記プレキャストコンクリートのトンネル内空側の壁面が予め形成されており、トンネル外側の壁面が前記側壁と接続する接続部において切欠き部を備えたことを特徴とする構造である。
また、前記半プレキャスト式アーチカルバートの構造において、前記プレキャストコンクリートの前記接続部側に露出させたプレキャストコンクリートの鉄筋と、前記現場打ちコンクリートの前記接続部側に露出させた鉄筋を相互に定着可能とすることができる。
さらに、前記半プレキャスト式アーチカルバートの構造を構築する半プレキャスト式アーチカルバートの施工方法は、前記底版と前記側壁を構築する下半部構築工程と、前記プレキャストコンクリートの前記接続部に架設する上半部架設工程と、前記接続部にトンネル軸方向鉄筋を配設して、前記切欠き部に間詰コンクリートを充填する接続部仕上げ工程とからなることを特徴とする施工方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0008】
<イ>半プレキャスト式アーチカルバート
アーチカルバートは、上部断面がアーチ状を呈するコンクリート製の管渠のことである。通常の断面矩形のボックスカルバートにおいては、土被り荷重や側方土圧により天井や底版、壁に曲げモーメントが卓越することとなる。一方、アーチカルバートでは、上記の荷重を断面アーチ方向の軸力に変えながら、発生曲げモーメントを抑えることができる。特に今回提案する接続部3の位置は、小さい曲げモーメントしか発生しない箇所である。発生する曲げモーメントは負の曲げモーメントが卓越し、常に外側に引張応力が作用する。これらがこの位置に接続部3を設ける根拠となっている。なお、負の曲げモーメントとは、例えば水平部材に鉛直荷重を下方に作用させた場合に、部材の上方に引張り応力を生じさせる曲げモーメントのことをいう。
アーチカルバートのうち、半プレキャスト式アーチカルバートは、底版21および側壁22からなる後述する下半部を現場打ちコンクリートとし、断面アーチ状を呈した後述する上半部をプレキャストコンクリート1としたものである(図1参照)。
【0009】
従来のアーチカルバートの施工は、地盤上にベースコンクリートを施工してから、支保工を組立て、またはアーチセントルを使用して、支保工に支持をとって曲率をもった内型枠を組立て、配筋をおこない、曲率をもった外型枠を組立てた後、内型枠と外型枠に囲まれた空間にコンクリートを打設している。かかる方法によると、型枠や鉄筋に所定の曲率をもたせるように加工する必要があり、また、アーチ部のコンクリート打設に際してコンクリートの充填性などの品質管理が困難であるという問題が生じていた。
そこで、本発明は、アーチカルバートのうち、曲率をもたない底版21および側壁22を現場にて場所打ち施工し、場所打ち施工が困難な上半部をプレキャスト製品として工場または現場ヤードにて製作し、上半部を下半部に架設することにより品質のよいアーチカルバートを短い工期で構築することを実現するものである。
【0010】
また、上記の問題を解決するために、従来のアーチカルバートの構造には、基礎を現場打ちコンクリートにて構築後、プレキャスト化したアーチ部を基礎上に架設する半プレキャスト式アーチカルバートなどがある。かかる半プレキャスト式アーチカルバートは、基礎とアーチ部の接続部が夫々の曲げモーメントの伝達をおこなわないピン結合構造となっている。一方、剛結合構造の特徴は、埋め戻し作業の手順に制約がないこと、接続部3の製作において許容誤差が大きく、手軽なこと、防水性に優れていること等が挙げられる。
そこで、本発明では、下半部と上半部の接続部3を剛結合構造とした半プレキャスト式アーチカルバートの構造を提案している。
なお、アーチカルバートの完成後は、アーチカルバートを地上に露出した状態で設置する場合や、アーチカルバートを埋土にて埋め戻して管渠とする場合などがある。図4に、盛土上を道路として供用させる際にかかる盛土内を横断するように設けたアーチカルバートの実施例を示す。
【0011】
<ロ>下半部
アーチカルバートの下半部は、底版21および側壁22により構成されるものであり、場所打ちコンクリートにて構築するものである。
下半部の構築に際しては、カルバートの底版21を構築後、底版21に略垂直に側壁22を立ち上げる。したがって、下半部構築においては、過大な支保工を必要とせず、また、曲率をもった型枠を加工する必要もない。
アーチカルバートの構築は、例えば、施工地盤上に、トンネル延長にわたって下半部の構築を終了させ、その後にトンネル軸方向に所定の幅をもった複数の後述する上半部を架設していく方法によりおこなうことができる。
なお、側壁22の上面からは、断面方向鉄筋23を露出させておく。
【0012】
<ハ>上半部
アーチカルバートの上半部は、断面アーチ状を呈したカルバートの側壁および天井を構成するものである。
本発明においては、施工性、品質等を向上させるために、上半部は工場や現場ヤードにて製作したプレキャストコンクリート1を使用する。すなわち、従来のように支保工に支持をとって、内型枠、鉄筋、外型枠を組立て、コンクリートを打設して構築する方法と異なり、上半部を別途単独に製作するため、例えば、下半部の構築と同時並行で上半部を製作することも可能であり、コンクリートの充填性などの品質管理なども容易となる。プレキャストコンクリート1の幅は、例えば、搬送や現場における切り回し、架設などを容易に行うことができる長さとすることができる。
上半部の接続部3は以下のように成形する。すなわち、接続部3のトンネル内空側は、上半部を下半部に架設した際にトンネルの内壁面が形成されるように下半部の側壁22の上面と接触する接触面31とトンネル内壁面により構成させる。
一方、接続部3のトンネル外側は切欠き部32を設け、かかる切欠き部32に上半部の断面方向鉄筋11を露出させておく。
【0013】
<ニ>接続部
接続部3は、下半部の側壁22と後述する上半部をつなぐ箇所である。上半部の接続部の接触面31は、下半部の側壁22の上面とトンネル内空側の一部にて面着させる。すなわち、上半部の接続部3はトンネル側の一部の接触面31とトンネル外側から接続面31に向かって切欠いたように成形させた切欠き部32を設けるものである。かかる切欠き部32を要する目的は、上半部、下半部の夫々の接続部3端部より断面方向鉄筋11、23を露出させて相互に定着できるようにするためである。ここで定着とは、所定長さだけ露出させた上半部および下半部側壁22の鉄筋を相互に重ね合わせることをいう。かかる鉄筋の定着により、接続部を剛結合構造とすることができる。なお、接続部3の鉄筋形状は図2(b)のように、負の曲げモーメント(アーチカルバート断面の外側に生じる曲げモーメント)のみが作用することが確認されたら、外側のみの鉄筋継手とすることも可能である。かかる場合は簡易な構造となり得る。
上半部の接触面31と下半部側壁22の上面とを面着させて架設した後、トンネル軸方向鉄筋51を配設し、切り欠部32に間詰コンクリート4を充填して上半部と下半部の一体化を図る。切り欠部32を接続部3の外側に設けることにより、アーチカルバートの内側面に後打ちの間詰コンクリート4が露出しないため、間詰コンクリート4が剥離する問題が解消でき、また、間詰コンクリート4の施工をアーチカルバートの外側のみからすることができるため、施工性がよい。間詰コンクリート4とプレキャストコンクリート1または側壁22の取り合い部の外壁端や、接触面31のトンネル内空側端部は、例えば台形状やV字状に切り欠を設け、止水用の弾性シーリング材53などを充填する。
間詰コンクリート4とプレキャストコンクリート1または側壁22の取り合い部の外壁端に弾性シーリング材53などを充填した後、かかる弾性シーリング材53を覆うように、例えば防水シート52などを敷設することにより、止水効果をさらに高めることができる。
【0014】
以下、図を参照しながら本発明の半プレキャスト式アーチカルバートの施工方法について説明する。
【0015】
整地した施工地盤上に、アーチカルバートの下半部の底版21を構築し、側壁22を底版21から略垂直に構築する(下半部構築工程)(図3(a)参照)。この際、アーチカルバートの施工延長にわたり、下半部の構築を完了させてもよい。
アーチカルバートの上半部を工場または現場ヤードにて製作し、上半部の接触面31を下半部の側壁22の上面に面着させるように重機5にて架設する(上半部架設工程)(図3(b)参照)。
上半部および下半部の接続部3に露出させた鉄筋11、23を重ね合わせ、トンネル軸方向鉄筋51を配設し、切り欠部32に間詰コンクリート4をアーチカルバートの外側から充填して、上半部と下半部の一体化を図る(接続部仕上げ工程)(図3(c)参照)。
接続部仕上げ工程をアーチカルバート施工延長にわたって繰り返す。
接続部仕上げ工程終了後、間詰コンクリート4とプレキャストコンクリート1または側壁22の取り合い部の外壁端や、接続面31のトンネル内空側端部に、例えば台形状やV字状に切り欠を設け、止水用の弾性シーリング材53などを充填する。間詰コンクリート4とプレキャストコンクリート1または側壁22の取り合い部の外壁端に充填した弾性シーリング材53を覆うように、例えば防水シート52などを敷設させる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の半プレキャスト式アーチカルバートの構造およびその施工方法は以上説明したようになるから、次のような効果を得ることができる。
<イ>アーチカルバートの上半アーチ部をプレキャスト化することにより、工期の短縮や品質の確保、施工性の向上を図ることができる。
<ロ>上半部施工にアーチセントルなどの支保工を使用する必要がないため、工費が全体として安価となる。
<ハ>上半部と下半部の接続部の間詰コンクリート充填をアーチカルバートの外側のみからできることから、施工性がよく、またアーチカルバート内部に間詰コンクリートが露出せず、間詰コンクリートが剥離するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半プレキャスト式アーチカルバートの斜視図。
【図2】(a)半プレキャスト式アーチカルバートの接続部を説明した断面図。(b)接続部に負の曲げモーメントのみが作用する場合の接続部の配筋形状の実施例を説明した断面図。
【図3】(a)下半部構築工程の実施例を示した説明図。(b)上半部架設工程の実施例を示した説明図。(c)接続部仕上げ工程の実施例を示した説明図。
【図4】アーチカルバートの実施例を示した斜視図。
【図5】アーチカルバートをアーチセントルにて施工することを説明した正面図。
【符号の説明】
1・・・プレキャストコンクリート
2・・・現場打ちコンクリート
21・・底版
22・・側壁
3・・・接続部
4・・・間詰コンクリート
Claims (3)
- アーチカルバートの下半部を底版と底版に略垂直に設けた側壁とからなる現場打ちコンクリートとし、アーチカルバートの上半部を断面アーチ状のプレキャストコンクリートとした半プレキャスト式アーチカルバートの構造であって、
前記プレキャストコンクリートは、トンネル内空側の壁面が予め形成されており、トンネル外側の壁面が前記側壁と接続する接続部において切欠き部を備えたことを特徴とする、
半プレキャスト式アーチカルバートの構造。 - 請求項1記載の半プレキャスト式アーチカルバートの構造であって、
前記プレキャストコンクリートの前記接続部側に露出させたプレキャストコンクリートの鉄筋と、前記現場打ちコンクリートの前記接続部側に露出させた鉄筋を相互に定着可能としたことを特徴とする、
半プレキャスト式アーチカルバートの構造。 - 請求項1又は2記載の半プレキャスト式アーチカルバートの構造を構築する半プレキャスト式アーチカルバートの構造の施工方法であって、
前記底版と前記側壁を構築する下半部構築工程と、
前記プレキャストコンクリートの前記接続部に架設する上半部架設工程と、
前記接続部にトンネル軸方向鉄筋を配設して、前記切欠き部に間詰コンクリートを充填する接続部仕上げ工程と、からなることを特徴とする、
半プレキャスト式アーチカルバートの構造の施工方法。
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| JP2003021872A JP2004232328A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 半プレキャスト式アーチカルバートの構造及びその施工方法 |
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