JP2004232684A - クラッチ装置 - Google Patents

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JP2004232684A
JP2004232684A JP2003019839A JP2003019839A JP2004232684A JP 2004232684 A JP2004232684 A JP 2004232684A JP 2003019839 A JP2003019839 A JP 2003019839A JP 2003019839 A JP2003019839 A JP 2003019839A JP 2004232684 A JP2004232684 A JP 2004232684A
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Takuo Kimura
拓夫 木村
Noriyasu Higuchi
徳康 樋口
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GKN Driveline Japan Ltd
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Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

【課題】低速時の充分な締結トルクの確保を可能にするとともに、高速時での引き擦りトルクの残留を解消できる、簡素な構造で低コストなパイロットクラッチ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】摩擦クラッチ4の締結動作によって発生した相対回転に伴う増幅機構8によりメインクラッチ3の締結スラスト力を発生させるパイロットクラッチ装置において、低速では、第2のカム部材12が図示の位置にあってプレッシャプレート11の充分なストロークが確保されてパイロットクラッチ動作時の所定の締結トルクが確保でき、高速では、第2のカム部材12が復元ばね13の付勢力に抗して外方へ移動してプレッシャプレート11のメインクラッチ3への締結ストロークを制限するので、パイロットクラッチ解除時のメインクラッチにおける残留引き擦りトルクの発生を抑制することが可能となり、燃費が向上する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、摩擦クラッチの締結動作によって発生した相対回転に伴う増幅機構によりメインクラッチの締結スラスト力を発生させるパイロットクラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のパイロットクラッチ装置は、小さなパイロット締結力によって増幅機構を動作させ、メインクラッチを大きな締結力によって動作させることができることから、車両の差動制限装置等に多用されている。このようなパイロットクラッチ装置にあって、通常、メインクラッチが配設される回転部材間の相対回転を引き出してカム機構等により増幅された軸方向のスラスト力を得るように構成される。そして、カム機構等の相対回転を導き出すためには、パイロットクラッチにおける多板クラッチ等の摩擦クラッチの締結動作によってカム機構のカムリングと回転部材との間の締結を行う必要がある。このような多板クラッチの締結を電磁石の励磁力を用いて行うパイロットクラッチが提案(例えば下記特許文献1参照)されて使用されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−329562号公報(段落0031)
【0004】
前記特許文献1に開示された従来のパイロットクラッチ装置について図3を用いて簡単に説明する。電磁石23のコイルが通電されると、パイロットクラッチ機構20dには磁路が形成されて、電磁石23はアーマチャ25を吸引する。このため、アーマチャ25は摩擦クラッチ24を押圧して摩擦係合させ、カム機構20eの第1カム部材26をインナシャフト20b側へ連結させ、第2カム部材27との間に相対回転を生じさせる。この結果、カム機構20eでは、カムフォロア28が両カム部材26、27を互いに離間する方向へ押圧し、第2カム部材27をメインクラッチ機構20c側へ押動する。この結果、メインクラッチ機構20cは摩擦クラッチ24の摩擦係合力に応じて摩擦係合して、アウタハウジング20aとインナシャフト20b間のトルク伝達を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなパイロットクラッチ機構20dを備えたものにおいて、電磁石23の近傍に磁路調整部材21cを軸方向に進退自在に設置して、その摺接長さを変えて磁路面積を変更し、電磁石23のアーマチャ25に対する吸引力を調整可能に構成したものである。これにより、メインクラッチ機構20cのトルク伝達特性を調整して、シム等の介在によるギャップ調整を不要にできた。しかしながら、このような従来のパイロットクラッチ装置にあって、通常、残留磁気や潤滑油粘性により摩擦クラッチの切断遅れが生じてカム機構20eが動作し、メインクラッチ機構20cに引き擦りトルクが残留して燃費悪化を招いた。この傾向は高速時において顕著であった。また、パイロットクラッチ機構20dにより発生するメインクラッチ機構20cへの締結トルクは、通常配設される皿ばね等の復元ばねの作用方向に対向するため、特に低速で小さくなりがちであった。
【0006】
そこで本発明では、上記従来のパイロットクラッチ装置の課題を解決して、低速時の充分な締結トルクの確保を可能にするとともに、高速時での引き擦りトルクの残留を解消できる、簡素な構造で低コストなパイロットクラッチ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、摩擦クラッチの締結動作によって発生した相対回転に伴う増幅機構によりメインクラッチの締結スラスト力を発生させるパイロットクラッチ装置において、前記パイロットクラッチ装置の回転に応じてメインクラッチへの締結力を調整可能に構成したことを特徴とする。また本発明は、前記増幅機構にメインクラッチへの締結力調整機能を持たせたことを特徴とする。また本発明は、前記増幅機構をカム機構により構成するとともに、該カム機構によるメインクラッチへの締結力調整を復元付勢された第2のカム部材との組合せによりなされるように構成したことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とするものである。
【0008】
【実施の形態】
以下、本発明のパイロットクラッチ装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1および図2は本発明のパイロットクラッチ装置の1つの実施の形態を示し、図1は本発明のパイロットクラッチ装置が適用された電磁式差動制限装置の要部断面図、図2は本発明のパイロットクラッチ装置が適用された電磁式差動制限装置の全体断面図である。本発明の基本構成は、図1に示すように、 摩擦クラッチ(パイロットクラッチ)4の締結動作によって発生した相対回転に伴う増幅機構8によりメインクラッチ3の締結スラスト力を発生させるパイロットクラッチ装置において、前記パイロットクラッチ装置の回転に応じてメインクラッチ3への締結力を調整可能に構成したことを特徴とする。
【0009】
以下に詳述する。図2の全体断面図に示すように、本実施の形態は電磁石の通電励磁によりパイロットクラッチが締結される電磁式差動制限装置に適用された例で、例えば、前輪側からキャリヤ等を構成する第1回転部材1に伝達されてきた回転駆動力が、メインクラッチ3の差動を制限してトルクを伝達することにより、後輪側のデフケース等を構成する第2回転部材2に伝達されることで、四輪駆動状態が現出する。前記デフケース2の内部には、回転軸に直交するピニオン軸15と、該ピニオン軸15に軸支されたピニオン16と、該ピニオン16の両側から傘歯噛合する一対のサイドギヤ17、18とから構成される差動歯車からなる差動装置が収容されており、これにより各サイドギヤ17、18に接続された図示省略の左右の後輪駆動軸に適正に駆動力が差動配分されて伝達される。
【0010】
メインクラッチ3の差動を制限する締結動作について説明する。図1の拡大図に明確なように、ケーシング状の第1回転部材(キャリヤ等)1と回転を共にして軸動自在なアウタプレート3B群と、同軸状の第2回転部材(デフケース等)2と回転を共にして軸動自在なインナプレート3A群とが交互に配列されてメインクラッチ3が構成されており、該メインクラッチ3の締結動作によって第1回転部材1から第2回転部材に動力が伝達される。また、摩擦クラッチであるパイロットクラッチ4については、好適には、例えば図示のように多板クラッチが採用されるが、単板クラッチ等でもよい。本実施の形態では、第1回転部材(キャリヤ等)1の嵌合溝1Aに嵌合され回転を共にして軸動自在なアウタパイロット4B群と、同軸状の第2回転部材(デフケース等)2の外周に嵌合されたカムリング9等の嵌合溝9Aに回転を共にして軸動自在に嵌合されたインナパイロット3A群とが交互に配列されてパイロットクラッチ4が構成される。
【0011】
メインクラッチ3の締結は以下のようにして行われる。運転室等に設置されたスイッチ等の操作により静止側の電磁石6を通電励磁して磁性体のアーマチャ7が吸引され、第1回転部材1の嵌合溝1Aに嵌合したアウタパイロット4B群と、カムリング9とカムフォロア10およびプレッシャプレート11とから構成された増幅機構であるカム機構8等におけるカムリング9の嵌合溝9Aに嵌合したインナパイロット4A群とが圧接して締結動作が行われ、これにより、カムリング9が前記第1回転部材と連れ回り、カムフォロア10を構成するカムボールとの間に相対回転を引き起こす。したがって、カムリング9とカムフォロア10との間に形成されたカム面によるカム作用によって、カムリング9とカムフォロア10との間にて増幅された軸方向のスラスト力が発生し、それらの間に軸方向の隔離が生じる。それによって、プレッシャプレート11が増幅されたスラスト力により強力にメインクラッチ3を締結させて差動制限作用を行う。なお、符号5はロータを示す。
【0012】
本発明の最も特徴的な構成である増幅機構における締結力調整機能について説明する。本発明では、パイロットクラッチ装置の回転に応じて、すなわち車速に応じてメインクラッチへ3の締結力を増幅機構8部において調整可能に構成したもので、好適には、増幅機構8に締結力調整機能を持たせたことを特徴とする。図示の例では、カム機構により構成された増幅機構8に復元付勢された第2のカム部材12を組み合わせて構成した。すなわち、メインクラッチ3の締結動作を行うプレッシャプレート11の締結ストロークを制限する形態にて、プレッシャプレート11とデフケース2の外側面との間に第2のカム部材12が配設されたものである。該第2のカム部材12は、圧縮ばねから構成される復元ばね13により回転軸心方向に付勢されている。第2のカム部材12とプレッシャプレート11との間の対向面は、径方向の外側に行くに従って幅狭に形成された傾斜カム面12A、11Aが摺接する。
【0013】
このような構成による増幅機構8の締結力調整機能を以下に説明する。車両の低速時には、第2のカム部材12は復元ばね13の付勢力により回転軸心に近い図示の状態にあることから、プレッシャプレート11によるメインクラッチ3への締結動作を何ら邪魔することがない、つまり、電磁石6の通電励磁によって締結するパイロットクラッチ4によりカムリング9がキャリヤ1と連れ回り、カムフォロア10との間にスラスト力を生じさせた場合に、プレッシャプレート11の充分なるストロークのもとに、メインクラッチ3における所定の締結トルク特性を確保することができる。
【0014】
車両の高速時には、遠心力によって、第2のカム部材12は復元ばね13の付勢力に抗してこれを圧縮して径方向外側に移動する。それに従い、第2のカム部材12とプレッシャプレート11との間に形成された傾斜面12A、11Aの存在により、第2のカム部材12がプレッシャプレート11の間に食い込む形態となって、そのメインクラッチ3へのストロークが規制されて過度の締結が抑制される。したがって、車両の高速時においてメインクラッチの締結を解くべく電磁石6への通電を解除した後に、残留磁気や潤滑油粘性によりパイロットクラッチ4が僅かに動作することがあっても、プレッシャプレート11は速やかにメインクラッチ3から離脱することができるので、引き擦りトルクが残留することがなく、燃費が向上する。
【0015】
以上本発明の実施例を述べてきたが、本発明の趣旨の範囲内にて、パイロットクラッチの形状、形式(引き擦りトルクの発生原因が、電磁式の残留磁気のみならず、他の油圧や空気圧あるいは機械式のパイロットクラッチの残留圧の場合も想定し得るし、摩擦クラッチ部での潤滑油粘性に基づく引き擦りトルクの発生は油圧や空気圧あるいは機械式のパイロットクラッチでも発生し得ることから、これらのパイロットクラッチも本発明の範疇である)、パイロットクラッチにおけるプレートの回転部材および増幅機構への嵌合形態、増幅機構の形状、形式(カムボールをフォロアとするカム機構の他、ボールのないカム機構、プレッシャプレートの形状、さらには、相対回転に伴う軸動による増幅されたスラスト力が得られる適宜の増幅機構が採用され得る)、カムリング等の増幅機構の嵌合部の形状、形式(スプライン嵌合、ラグ嵌合その他軸動のみ自在で回転を共にする嵌合形態)等は適宜選定することができる。
【0016】
また、メインクラッチへの締結力の調整形態(実施の形態のもののように、増幅機構にメインクラッチへの締結力調整機能を持たせることはもとより、パイロットクラッチ装置すなわち車速に応じてプレッシャプレートのストロークを制限する部材を増幅機構の外部、例えばデフケース外側面等に設けてもよい。また、増幅機構に締結力調整機能を持たせたものとして、第2のカム部材を廃止してカムフォロア10自体を遠心力により径方向外側に移動できるように構成することによって、カムフォロア10が外側に位置する程、プレッシャプレートへの締結力を減少させるとともに、締結ストロークが小さくなるように構成してもよい)、傾斜カム面の形状を含むプレッシャプレートと第2のカム部材との関連構成、第2のカム部材における復元ばねの形状、形式(第2のカム部材の内周側に引っ張りばねを張設するものでもよい)、メインクラッチの形状、形式、差動制限装置が適用される部位等は適宜選定できる。
【0017】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、摩擦クラッチの締結動作によって発生した相対回転に伴う増幅機構によりメインクラッチの締結スラスト力を発生させるパイロットクラッチ装置において、前記パイロットクラッチ装置の回転に応じてメインクラッチへの締結力を調整可能に構成したことにより、低速でのパイロットクラッチ動作時の所定の締結トルクが確保でき、高速でのパイロットクラッチ解除時のメインクラッチにおける残留引き擦りトルクの発生を抑制することが可能となり、燃費が向上する。
【0018】
また、前記増幅機構にメインクラッチへの締結力調整機能を持たせた場合は、格別の調整機構および制御手段等を別途設ける必要がなく、簡素な構造によりメインクラッチへの締結力を容易に調整することができて安価である。さらに、前記増幅機構をカム機構により構成するとともに、該カム機構によるメインクラッチへの締結力調整を復元付勢された第2のカム部材との組合せによりなされた場合は、簡素な構造により確実な締結力調整動作が可能となる。かくして、低速時の充分な締結トルクの確保を可能にするとともに、高速時での引き擦りトルクの残留を解消できる、簡素な構造で低コストなパイロットクラッチ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態を示し、パイロットクラッチ装置が適用された電磁式差動制限装置の要部断面図である。
【図2】同、電磁式差動制限装置の全体断面図である。
【図3】従来のパイロットクラッチ装置の全体断面図である。
【符号の説明】
1 第1回転部材(キャリヤ等)
1A 嵌合溝
2 第2回転部材(デフケース等)
3 メインクラッチ
3A インナプレート
3B アウタプレート
4 摩擦クラッチ(パイロットクラッチ)
4A インナパイロット
4B アウタパイロット
6 電磁石
7 アーマチャ
8 増幅機構(カム機構等)
9 カムリング
9A 嵌合溝
10 カムフォロア(カムボール等)
11 プレッシャプレート
11A 傾斜カム面
12 第2のカム部材
12A 傾斜カム面
13 復元ばね

Claims (3)

  1. 摩擦クラッチの締結動作によって発生した相対回転に伴う増幅機構によりメインクラッチの締結スラスト力を発生させるパイロットクラッチ装置において、前記パイロットクラッチ装置の回転に応じてメインクラッチへの締結力を調整可能に構成したことを特徴とするパイロットクラッチ装置。
  2. 前記増幅機構にメインクラッチへの締結力調整機能を持たせたことを特徴とする請求項1に記載のパイロットクラッチ装置。
  3. 前記増幅機構をカム機構により構成するとともに、該カム機構によるメインクラッチへの締結力調整を復元付勢された第2のカム部材との組合せによりなされるように構成したことを特徴とする請求項2に記載のパイロットクラッチ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013096427A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Jtekt Corp 駆動力伝達装置およびその設計方法
CN110566612A (zh) * 2019-08-23 2019-12-13 芜湖伯特利汽车安全系统股份有限公司 一种降低汽车制动卡钳拖滞力矩的结构及方法

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