JP2004232818A - 保冷容器被覆シート用スペーサー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】保冷容器21に保冷目的で被覆する被覆シート22に設けられるスペーサー7であって、左右の編み体1a・1b間に二本の架設編み糸2a・2bを架設せしめて編まれたものであり、二本の架設編み糸2a・2bの内の一方の架設編み糸2aは、左の編み体1aに一回絡ませた後、右の編み体1bに一回絡ませたものであり、また他方の架設編み糸2bは、右の編み体1bに一回絡ませた後、左の編み体1aに一回絡ませられたものであり、左右の編み体1a・1b間の略中央には、一方の架設編み糸2aと他方の架設編み糸2bとが交叉する交叉部3が設けられており、前記左右一回ずつの左右の編み体1a・1bへの絡みが連続せしめられて構成されているものである。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、保冷容器被覆シート用スペーサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
液体ヘリウム等を用いて長伝導コイルや極低温物質等の極低温対象物を極低温に保冷する容器として、真空断熱二重構造の保冷容器が採用されている。この保冷容器の内部(保冷容器の内側若しくは内部容器の外側)には、極低温状態を維持する為に、ポリエステルフィルムシートに熱輻射反射率の高いアルミニウムを蒸着して形成した被覆シートを積層して設けられるものが真空多層断熱材として付設される。
【0003】
また、この被覆シートの間には、接触による熱伝導を低く抑える為に、ポリエステルネット、若しくは、成形加工による円形の浮き出し突起(エンボス)を設けたポリエステルフィルムがスペーサーとして配設されている。
【0004】
このスペーサーには、下記の要求がある。
【0005】
▲1▼ 接触面積が少なく、熱伝導を低く抑えられること。
【0006】
▲2▼ 復元力が小さく、湾曲部分に適用し易いこと。
【0007】
▲3▼ スペーサーの占有率が小さく、被覆シート間の真空排気が容易にできること。
【0008】
▲4▼ スペーサーを構成する繊維量が少なく、脱ガス量を少なく抑えられること。
【0009】
ところで、人口衛星の断熱材や核融合装置、粒子加速器等の超伝導コイル用断熱材は、高い放射線や高温の環境下に曝されるので、従来のポリエステルフィルム及びポリエステルネットを材料とする真空多層断熱材を使用することは困難である。
【0010】
この課題を解決する為に、耐放射線性と高耐熱性とに秀れたポリイミドフィルムの表面にアルミニウム等を蒸着して形成した被覆シート及び耐放射線性のある耐熱繊維(例えば、アラミド繊維)を用いたスペーサーによる真空多層断熱材が提案されている。この場合、スペーサーとして織物と編み物が考えられるが、上記▲1▼〜▲4▼の要求、及び、下記の理由から織物ではなく編み物が採用されている。
【0011】
織物の場合には、交叉する糸(たて糸とよこ糸)によって形成される空隙、所謂目が細かい場合には織物の復元力が強くて剥離(保冷容器からの真空多層断熱材の剥離)が発生し易くなってしまい、また、目が粗い場合には復元力は弱いものの目崩れが発生し易くて保形作用が不十分となってしまう。従って、織物は使用できない。
【0012】
これに対し、編み物の場合には、糸が複雑に絡まっている為、目を粗くして復元力を弱めても目崩れが発生せず、必然的に高い保形作用が発揮される。
【0013】
図1は、被覆シートに添設して該被覆シートを保形する為の従来の編み物37である。
【0014】
この従来の編み物37は、平編みにより形成された多数のループ34a・34bが連設せしめられた形状の左右の編み体31a・31b間に二本の架設編み糸32a・32bが架設せしめられたものであり、二本の架設編み糸32a・32bは左右対称形状で、該架設編み糸32aの折返部35aを左の編み体31aに所定個数夫々絡ませた後、同様に折返部35bを右の編み体31bに所定個数夫々絡ませる構成である(図1においては、左の編み体31aに折返部35aを五回、また、右の編み体31bに折返部35bを五回絡ませている。)。尚、図中、符号33a・33bは編み針である。
【0015】
ところで、これら編み物37に使用されている編み糸は、通常の糸と同様、所定の撚り数で撚られたものである。更に、編み物37を編む際、編み針33a・33bの動き等により、編み糸は引っ張られたり押し込まれたりする為、該編み糸には応力が強弱しながら作用し、前記撚りが強められたり弱められたりする。そして、編まれた後は、前記編み体31a・31bと前記架設編み糸32a・32bとの絡み等によって前記撚りが強められたり弱められたりしている編み糸の状態、即ち、編み物37の形状は保持されるが、しかし、編み糸には前記撚りの復元力が作用する。
【0016】
このような理由から、従来の編み物37は、被覆シートの形状に合致するように所定形状に切断した際、前記保持の一部が解除されて編み物37にカール(ねじれ)が発生してしまうという問題点がある。
【0017】
この従来の編み物37のカールは、被覆シートの保形性を損なうものである為、業界では、当然ながら、該カールが発生せず被覆シートを良好に保形できる編み物が要望されている。
【0018】
本発明は、上記問題点を解決するもので、切断によってもカールが発生せず、被覆シートの形状を保冷容器の湾曲形状に沿って良好に保形できる実用性に秀れた保冷容器被覆シート用スペーサーを提供するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0020】
保冷容器21に保冷目的で被覆する被覆シート22に設けられるスペーサー7であって、平編み,バイアス編み,パール編み等により形成された左右の編み体1a・1b間に二本の架設編み糸2a・2bを架設せしめて編まれたものであり、二本の架設編み糸2a・2bの内の一方の架設編み糸2aは、左の編み体1aに一回絡ませた後、右の編み体1bに一回絡ませたものであり、また他方の架設編み糸2bは、右の編み体1bに一回絡ませた後、左の編み体1aに一回絡ませられたものであり、左右の編み体1a・1b間の略中央には、一方の架設編み糸2aと他方の架設編み糸2bとが交叉する交叉部3が設けられており、前記左右一回ずつの左右の編み体1a・1bへの絡みが連続せしめられて構成されていることを特徴とする保冷容器被覆シート用スペーサーに係るものである。
【0021】
また、請求項1記載の保冷容器被覆シート用スペーサーにおいて、二本の架設編み糸2a・2bは略左右対称形状で左右の編み体1a・1b間に架設されていることを特徴とする保冷容器被覆シート用スペーサーに係るものである。
【0022】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の保冷容器被覆シート用スペーサーにおいて、左右の編み体1a・1bが略平行状態及び略左右対称形状に形成されていることを特徴とする保冷容器被覆シート用スペーサーに係るものである。
【0023】
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の保冷容器被覆シート用スペーサーにおいて、左右の編み体1a・1bはループ4a・4bが連続して形成されているものであり、二本の架設編み糸2a・2bは折返部5a・5bにおいて前記左右の編み体1a・1bのループ4a・4bに絡められたものであることを特徴とする保冷容器被覆シート用スペーサーに係るものである。
【0024】
また、請求項4記載の保冷容器被覆シート用スペーサーにおいて、二本の架設編み糸2a・2bの折返部5a・5bが夫々左右の編み体1a・1bのループ4a・4bに絡む位置を結んだ直線が該左右の編み体1a・1bの延設方向と直交するように設定されていることを特徴とする保冷容器被覆シート用スペーサーに係るものである。
【0025】
また、請求項1〜5いずれか1項に記載の保冷容器被覆シート用スペーサーにおいて、保冷容器21が極低温用真空断熱容器であり、被覆シート22がフィルムに金属を蒸着したものであることを特徴とする保冷容器被覆シート用スペーサーに係るものである。
【0026】
【発明の作用及び効果】
左右の編み体1a・1b間に二本の架設編み糸2a・2bを架設せしめて編まれた編み物であるから、織物とは異なり、目が粗くても良好な保形性を発揮し、被覆シート22を良好に保形できる。
【0027】
また、架設編み糸2a・2bは、左の編み体1aに一回絡ませられた後、右の編み体1bに一回絡ませられる構成を繰り返しており、更に、二本の架設編み糸2a・2bは左右の編み体1a・1b間の略中央部で交叉せしめられる構成であるから、該架設編み糸2a・2bは、編み体1a・1bに絡む部分と交叉部分(交叉部3)との双方で拘束され、該拘束される部位間の距離が短いことになり、それだけ、架設編み糸2a・2bが強力に拘束されて撚りが戻りにくく、よって、カールの発生が防止されることになる。
【0028】
また、架設編み糸2a・2bは、各拘束される部位によってX字状態となり、且つ、該X字状態が連続する形状であるから、前後左右の略同じ部位で拘束されて該拘束される部位が前後左右対称であり、よって、架設編み糸2a・2bの撚りの戻りは前後左右から均等に抑制され、これによっても、架設編み糸2a・2bの撚りが戻りにくく、カールの発生が防止されることになる。
【0029】
本発明は上述のように構成したから、カールが発生せず、被覆シートの形状を保冷容器の湾曲形状に沿って良好に保形できる実用性に秀れた保冷容器被覆シート用スペーサーとなる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図2〜8は本発明の一実施例を図示したものであり、以下に説明する。
【0031】
本実施例は、真空断熱二重構造の極低温用の保冷容器21に保冷目的で被覆する被覆シート22に設けられるスペーサー7(保形体)であって、平編みにより形成された左右の編み体1a・1b間に二本の架設編み糸2a・2bを架設せしめて編まれたものであり、二本の架設編み糸2a・2bの内の一方の架設編み糸2aは、左の編み体1aに一回絡ませた後、右の編み体1bに一回絡ませたものであり、また他方の架設編み糸2bは、右の編み体1bに一回絡ませた後、左の編み体1aに一回絡ませられたものであり、左右の編み体1a・1b間の略中央には、一方の架設編み糸2aと他方の架設編み糸2bとが交叉する交叉部3が設けられており、前記左右一回ずつの左右の編み体1a・1bへの絡みが連続せしめられて構成されているものである。
【0032】
被覆シート22は、低温で劣化しにくい合成樹脂フィルム(例えば、ポリイミドフィルム)の表面に熱輻射反射率の高い金属(例えば、アルミニウム)を蒸着したものが採用されている。
【0033】
この被覆シート22は、適所に露抜き用の小孔23が穿設されている。
【0034】
スペーサー7は、前記被覆シート22の一面に重合状態で添設されるものである。
【0035】
左右の編み体1a・1bを形成する為の編み糸及び二本の架設編み糸2a・2bを形成する為の編み糸は、所定数の極細繊維を所定の撚り数で撚ったものが採用されている。
【0036】
この極細繊維の素材は、低温でも劣化しくにい合成樹脂繊維(例えば、耐熱アラミド繊維)が採用されている。
【0037】
スペーサー7は、左右の編み体1a・1bが多数が並設され、この多数の左右の編み体1a・1b間に二本の架設編み糸2a・2bが夫々架設されている構成である。
【0038】
また、左右の編み体1a・1bは左右対称形状に形成されている。また、二本の架設編み糸2a・2bも左右対称形状に形成されている。
【0039】
このスペーサー7の製造方法について詳述する。
【0040】
平編みにより、左ループ4a及び右ループ4bを交互に形成すると共に該左ループ4a及び該右ループ4bを環結せしめて左右の編み体1a・1bを平行状態で且つ連続的に形成していく。
【0041】
一方、この左右の編み体1a・1bの形成と同時に、編み針3a・3bを用いて二本の架設編み糸2a・2bを該左右の編み体1a・1bにX字状態に絡ませて架設していく。
【0042】
具体的には、左右の編み体1a・1bを連続的に形成せしめつつ且つ図4中下方へ移動せしめながら、一方の編み針3aを用いて一方の架設編み糸2aを前記左の編み体1aの左ループ4aを通過せしめた後、左折返部5aを形成して該左の編み体1aの右ループ4bを通過せしめ、更に、該一方の架設編み糸2aを前記右の編み体1bにして前記左折返部5aよりも上方位置の左ループ4aを通過せしめた後、右折返部5bを形成して該右の編み体1bの右ループ4bを通過せしめていく。また、略同時に、他方の編み針3bを用いて他方の架設編み糸2bを前記右の編み体1bの左ループ4aを通過せしめた後、右折返部5bを形成して該右の編み体1bの右ループ4bを通過せしめ、更に、該他方の架設編み糸2bを前記左の編み体1aにして前記右折返部5bよりも上方位置の左ループ4aを通過せしめた後、左折返部5aを形成して該左の編み体1bの右ループ4bを通過せしめていく。
【0043】
また、一方の架設編み糸2aの左折返部5aと他方の架設編み糸2bの右折返部5bとは図4中の同じ高さ位置となるようにし、同様に一方の架設編み糸2aの右折返部5bと他方の架設編み糸2bの左折返部5aとは図4中の同じ高さ位置となるようにする。
【0044】
また、一方の架設編み糸2aの左折返部5aから右折返部5bまでの距離、及び、他方の架設編み糸2bの右折返部5bから左折返部5aまでの距離は、夫々等しくなるように設定する。これにより、二本の架設編み糸2a・2bは上下対称形状のX字状態を繰り返しながら、左右の編み体1a・1bに交互に絡むことになる。
【0045】
また、一方の架設編み糸2aの左折返部5aと他方の架設編み糸2bの右折返部5bの図4中における高さ位置、及び、一方の架設編み糸2aの右折返部5bと他方の架設編み糸2bの左折返部5aの図4中における高さ位置は、共に同じ高さ位置となるから、二本の架設編み糸2a・2bは、左右の編み体1a・1bの中央部の交叉部3で交叉する上下左右対称形状のX字状態を繰り返しながら、左右の編み体1a・1bに交互に絡むことになる。
【0046】
このように、一方の架設編み糸2aと他方の架設編み糸2bとは対角状に移動せしめられながら、且つ、左右の編み体1a・1bの中央部の交叉部3で交叉しながら、該左右の編み体1a・1bに交互に絡むことになる。
【0047】
従って、左右の編み体1a・1bは、左ループ4a及び右ループ4bが交互となる構造であるから、該左右の編み体1a・1bを構成する編み糸の撚りが戻ろうとしても、該戻りは、右方向への戻りと左方向への戻りとが交互することになり、よって、右方向への戻りと左方向への戻りとが相殺され、該左右の編み体1a・1bを構成する編み糸の撚りの戻りによるスペーサー7のカールの発生は防止されることになる。
【0048】
また、二本の架設編み糸2a・2bは、左右の編み体1a・1bに交互に絡んで拘束され、更に、該左右の編み体1a・1b間の略中央部の交叉部3で交叉して拘束される構造(X字状態の構造)であるから、該交叉部と左右の編み体1a・1bへの絡み部との距離が短く(即ち、拘束される位置間の距離が短く)、撚りが戻ろうとしても、この撚りの戻り量は極めて少量に規制され、よって、該二本の架設編み糸2a・2bを構成する編み糸の撚りの戻りによるスペーサー7のカールの発生は防止されることになる。
【0049】
また、この二本の架設編み糸2a・2bは、左右の編み体1a・1b間の略中央部の交叉部3を中心に上下左右対称形状となるから、該上下左右対称形状部位(X字状態の部位)において拘束される位置間の距離は該拘束される位置間ごとに略一定となり、これにより一部だけ撚りの戻り量が大きくなることもなく、よって、この撚りの戻り量のアンバランスによるスペーサー7のカールの発生は防止されることになる。
【0050】
即ち、本実施例のスペーサー7の製造方法によれば、左右の編み体1a・1b及び二本の架設編み糸2a・2bの撚りの戻りが殆ど発生せず、カールの発生が防止される構成のスペーサー7が得られることになる。
【0051】
よって、このスペーサー7を添設した被覆シート22は、該スペーサー7の保形作用により良好に保形され、該被覆シート22を前記保冷容器21に被覆した場合には、該被覆シート22は自身が有する復元力に抗して保冷容器21に沿った湾曲形状に良好に保形されることになる。
【0052】
本実施例は上述のように構成したから、カールが発生せず、保冷容器21に被覆する被覆シート22の保形を良好に達成できる実用性に秀れた保冷容器被覆シート用スペーサーとなる。
【0053】
以下、本実施例の効果を確認した実験結果について説明する。
【0054】
編み糸は、左右の編み体及び二本の架設編み糸の双方共に、テイジン(株)社製の耐熱アラミド繊維(商品名:コーネックス)を採用した。
【0055】
編み体の形成は平編みを採用した。
【0056】
下記の各種条件に基づいて巾1000mmのスペーサーを製造し、切断した際のカールの発生度合いについて観察した。尚、実験例1〜3は本実施例の図4〜8に示す編み方、比較例は従来の編み方である図1に示す編み方で製造した。
【0057】
実験例1
編み機において、編み体1a・1b(たて糸)の密度は4.5G(4.5本/25mm、G=ゲージ)に設定した。また、架設編み糸2a・2b(よこ糸)の密度は3.5本/25mmに設定した。
【0058】
スペーサー7の長さは16mに設定した。
【0059】
編み糸は、左右の編み体1a・1b及び二本の架設編み糸2a・2bとして、80番手の編み糸を二本撚り合わせたものを更に二本撚り合わせたものを使用した。
【0060】
形成されたスペーサー7は、厚さ0.27mm、質量52g/m2で、カールが殆ど発生しないものであった。
【0061】
尚、架設編み糸2a・2b(よこ糸)の密度の実測値は4.5本/25mmであった。
【0062】
実験例2
編み機の設定は、実験例1と同様とした。
【0063】
スペーサー7の長さは6mに設定した。
【0064】
編み糸は、左右の編み体1a・1b及び二本の架設編み糸2a・2bとして、80番手の編み糸を二本撚り合わせたもの(実験例1より撚りの弱いもの)を使用した。
【0065】
形成されたスペーサー7は、厚さ0.16mm、質量25g/m2で、実験例1よりも軽くて薄いものであり、また、カールが全く発生しないものであった。
【0066】
尚、架設編み糸2a・2b(よこ糸)の密度の実測値は4.5本/25mmであった。
【0067】
実験例3
編み機の設定は、実験例1と同様とした。
【0068】
スペーサー7の長さは21mに設定した。
【0069】
編み糸は、左の編み体1aとして、80番手の編み糸を二本撚り合わせたものを更に二本撚り合わせたものを使用し、右の編み体1b及び二本の架設編み糸2a・2bとして、80番手の編み糸を二本撚り合わせたものを使用した。
【0070】
形成されたスペーサー7は、厚さ0.24mm、質量37g/m2で、実験例1及び2よりも若干カールの発生が見られたが、実用上、即ち、保冷容器被覆シート用スペーサーとしては全く問題がないレベルであった。
【0071】
尚、架設編み糸2a・2b(よこ糸)の密度の実測値は4.5本/25mmであった。
【0072】
また、以上の実験例1〜3の製編性はいずれも良好であった。
【0073】
比較例
編み機において、編み体(たて糸)の密度や架設編み糸(よこ糸)の密度を粗にしたり密にしたり(これにより、編み目の大きさが変わる)、また、編み糸の番手を大きくしたり小さくしたり(これにより編み糸の撚りが戻ろうとする応力が変わる)、また、編み体と架設編み糸とで使用する編み糸を変えたり、(これにより編み体と架設編み糸との編み糸の撚りの応力が異なる)と、様々な工夫を試みたが、いずれもカールの発生を防止できず、保冷容器被覆シート用スペーサーとして問題があると思われた。
【0074】
以上の実験結果から、スペーサーのカールの発生を防止する為には、編み方と構成(糸の配設状態)が一番重要であること、本実施例の編み方
(構成)によればカールが発生しないスペーサーが得られることが確認された。
【0075】
また、編み糸は、左右の編み体1a・1b及び二本の架設編み糸2a・2b共に同じである方が良いことが確認された。
【0076】
また、編み糸は、撚りの弱いものを採用した方が良いことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の編み物37の説明平面図である。
【図2】本実施例の保冷容器21の説明斜視図である。
【図3】本実施例のスペーサー7が添設された被覆シート22の説明斜視図である。
【図4】本実施例のスペーサー7の説明平面図である。
【図5】本実施例のスペーサー7の製造方法を示す説明図である。
【図6】本実施例の編み体1a・1bの形成方法を示す縦方向糸の動作分解図である。
【図7】本実施例の一方の架設編み糸2aの形成方法を示す横方向糸の動作分解図である。
【図8】本実施例の他方の架設編み糸2bの形成方法を示す横方向糸の動作分解図である。
【符号の説明】
1a・1b 編み体
2a・2b 架設編み糸
3 交叉部
4a・4b ループ
5a・5b 折返部
7 スペーサー
21 保冷容器
22 被覆シート
Claims (6)
- 保冷容器に保冷目的で被覆する被覆シートに設けられるスペーサーであって、平編み,バイアス編み,パール編み等により形成された左右の編み体間に二本の架設編み糸を架設せしめて編まれたものであり、二本の架設編み糸の内の一方の架設編み糸は、左の編み体に一回絡ませた後、右の編み体に一回絡ませたものであり、また他方の架設編み糸は、右の編み体に一回絡ませた後、左の編み体に一回絡ませられたものであり、左右の編み体間の略中央には、一方の架設編み糸と他方の架設編み糸とが交叉する交叉部が設けられており、前記左右一回ずつの左右の編み体への絡みが連続せしめられて構成されていることを特徴とする保冷容器被覆シート用スペーサー。
- 請求項1記載の保冷容器被覆シート用スペーサーにおいて、二本の架設編み糸は略左右対称形状で左右の編み体間に架設されていることを特徴とする保冷容器被覆シート用スペーサー。
- 請求項1,2いずれか1項に記載の保冷容器被覆シート用スペーサーにおいて、左右の編み体が略平行状態及び略左右対称形状に形成されていることを特徴とする保冷容器被覆シート用スペーサー。
- 請求項1〜3いずれか1項に記載の保冷容器被覆シート用スペーサーにおいて、左右の編み体はループが連続して形成されているものであり、二本の架設編み糸は折返部において前記左右の編み体のループに絡められたものであることを特徴とする保冷容器被覆シート用スペーサー。
- 請求項4記載の保冷容器被覆シート用スペーサーにおいて、二本の架設編み糸の折返部が夫々左右の編み体のループに絡む位置を結んだ直線が該左右の編み体の延設方向と直交するように設定されていることを特徴とする保冷容器被覆シート用スペーサー。
- 請求項1〜5いずれか1項に記載の保冷容器被覆シート用スペーサーにおいて、保冷容器が極低温用真空断熱容器であり、被覆シートがフィルムに金属を蒸着したものであることを特徴とする保冷容器被覆シート用スペーサー。
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2003
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