JP2004234484A - 作業管理方法及びシステム並びに該システムで用いる工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業効率の低下を招くことなく、作業忘れを未然に防止することが可能な作業管理方法の提供。
【解決手段】作業場にてワーク3に対する締め作業をトルクレンチ8によって行ったとき、トルクレンチ8の移動局9から超音波及び電磁波を同時に送信し、作業場の固定局5,6,7にてトルクレンチ8の移動局9からの超音波及び電磁波を受信し、この受信した超音波と電磁波との時間差に基づきワーク3に対する作業を行ったトルクレンチ8の位置を算出することをもって、該該算出した位置のボルト締め作業を完了と判定する。
【選択図】 図1
【解決手段】作業場にてワーク3に対する締め作業をトルクレンチ8によって行ったとき、トルクレンチ8の移動局9から超音波及び電磁波を同時に送信し、作業場の固定局5,6,7にてトルクレンチ8の移動局9からの超音波及び電磁波を受信し、この受信した超音波と電磁波との時間差に基づきワーク3に対する作業を行ったトルクレンチ8の位置を算出することをもって、該該算出した位置のボルト締め作業を完了と判定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボルトの締付作業等の作業管理方法及びシステム並びに該システムで用いる工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車組立ラインにおいては、人手により多数のボルトを締付する作業がある。かかる作業においては、例えば、ベルトコンベアにより自動車フレームが作業位置に運ばれてくると、トルクレンチを把持した作業者は、ボルト締め箇所を示した指示書等に従い、多数のボルト締め箇所を順次ボルト締めし、次の作業に送り出すようにしている。かかる作業において、トルクレンチに電磁波ほ送信する手段を設け、締め付け作業数をカウントし、その数により作業の完了を判定する作業管理システムが知られている。
【0003】
また、作業状況管理システムが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−105469号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したボルトの締め付け完了を判定する作業管理システムでは、締め付け箇所が非常に多い場合や空間が入り組んでいる場合、システムの誤動作や誤操作によりカウントのミスが生じたり、カウント数が正常値であっても該状況が包含されたカウント値となる場合があり、絶対的な品質を確保することが困難であった。そのため、作業終了後において検査工程を別に設ける等の措置又は作業を区分化する等の措置がとられ、このため作業効率の低下を招いていた。
【0006】
本発明の目的は、作業効率の低下を招くことなく、作業忘れを未然に防止することが可能な作業管理方法及びシステム並びに該システムで用いる工具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る作業管理方法は、
作業場にてワークに対する作業を工具によって行ったとき、当該工具から超音波及び電磁波を同時に送信し、
作業場に固定位置にて前記工具からの超音波及び電磁波を受信し、
この受信した超音波と電磁波との時間差に基づき前記ワークに対する作業を行った工具の位置を算出し、該該算出した位置の作業を完了と判定することを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために本発明に係る作業管理システムは、
作業場にてワークに対する作業を行う工具に取り付けられ、当該ワークに対する作業を前記工具によって行ったとき超音波及び電磁波を同時に送信する送信部を有する移動局と、
前記作業場に固定され、超音波及び電磁波を受信する受信部を有する固定局と、
前記移動局からの超音波及び電磁波を前記固定局により受信したとき当該受信した超音波と電磁波との時間差に基づき前記移動局の位置を算出し、該該算出した位置の作業を完了と判定する処理手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するために本発明に係る工具は、
作業場にてワークに対する作業を行う工具本体と、
この工具本体に設けられ、前記作業場に固定された固定局により受信される超音波及び電磁波を、前記ワークに対する作業を行ったときに送信する送信手段と
を具備することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、作業場にてワークに対する作業を工具によって行ったとき、当該工具から同時に送信した超音波及び電磁波を、作業場に固定位置にて受信すると、受信した超音波と電磁波との時間差が生じ、この時間差に基づき前記ワークに対する作業を行った工具の位置を算出し、当該算出した位置の作業を完了と判定することができるので、作業の進行と共に各作業箇所の作業完了を確認することが可能となり、これにより作業効率の低下を招くことなく作業忘れを未然に防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明による作業管理システムの一実施形態を説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の作業管理システムは、自動車組立ラインにおいて、ワークとして自動車のシャーシ内のボルトを、作業員がトルクレンチで締める作業への適用例である。
【0013】
図1において、作業場である自動車組立ライン1には、コンベア2によりワーク3が搬送され、作業位置で停止するようになっている。
【0014】
また、作業場の天井等の上部構造体4には、固定局(FS1〜FS3)5,6,7が固定され、工具であるトルクレンチ8には、移動局(MS)9が取り付けてある。作業員10は、トルクレンチ8を把持してワーク3に対してボルト締め作業を行う。
【0015】
固定局5,6,7は、処理装置11に接続され、該処理装置11には、ワーク3の搬送と同時に送られてくるIDプレート12のデータ読取りを行う入力部13と、処理装置11による結果等を表示する表示部14が接続されている。
【0016】
次に、図2を参照して固定局5,6,7及び処理装置11について説明する。図2において、固定局5,6,7のうち代表して固定局5について説明するが、固定局6,7も固定局5と同様の構成となっている。
【0017】
図2において、固定局5は、移動局9から送信された超音波を受信する振動子部5A1及び受信回路5A2からなる超音波受信部5Aと、移動局9から送信された電磁波を受信するアンテナ5B1及び受信回路5B2からなる電磁波受信部5Bとからなる。
【0018】
処理装置11は、移動局9からの超音波及び電磁波を固定局5,6,7により受信したとき当該受信した超音波と電磁波との時間差に基づき移動局9の位置を算出し、該算出した位置のボルト締め作業が完了した等の判定を行う計算部11Aと、メモリ等からなり、図7に示す移動局9と固定局5,6,7との間の距離データを保持するテーブル11Bと、超音波受信系に係るフィルタ11C及びAD変換器11Dと、電磁波受信系に係るフィルタ11Eと、計算部11Aとからなり、一般には、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータにより構成されている。
【0019】
次に、図3を参照して移動局9について説明する。
【0020】
移動局9は、超音波を送信する振動子部9A1及び送信回路9A2からなる超音波送信部9Aと、電磁波を送信するアンテナ9B1及び送信回路9B2からなる電磁波送信部9Bと、電源である電池9Cと、スイッチ9Dとからなり、図4(a)に示すように、ケース9E内に、トルクレンチ8の駆動部8Aに近接して取り付けられている。送信ユニット9F内には超音波送信部9Aの振動子部9A1及び電磁波送信部9Bのアンテナ9B1が組み込まれている。本実施形態では、120°間隔で配置された3つの振動子部9A1が、図4(b)に示すように、トルクレンチ8の長手方向に沿う線に対して30°の角度をもって取り付けられている。
【0021】
図4(a)に示すように、ケース9E内には基板9Gが収納されている。この基板9Gに、スイッチ9D、回路素子9H及び電池9Cが実装されている。回路素子9Hにより、送信回路9A2、送信回路9B2等が構成されている。
【0022】
スイッチ9Dは、可動接触子片が外部から付勢されるとオンとなるマイクロスイッチ等であり、トルクレンチ8の駆動部8Aの図示しない爪により可動接触子片が付勢されるように取り付けられている。なお、トルクレンチ8の爪は、設定したトルクを超えたときに動くものであり、ボルト締めの完了をもって爪が動くと、スイッチ9Dがオンし、超音波送信部9Aび及び電磁波送信部9Bを駆動せしめ、トルクレンチ8からワーク3に対するボルト締め作業を設定トルクで行ったとき超音波及び電磁波を同時に送信するものとなる。
【0023】
次に、図1及び図5〜図7を参照して、移動局の位置算出法を、処理装置11が行う処理形態として説明する。
【0024】
図1において、ワーク3にボルト締め箇所WP1〜WP5が有り、作業員10はトルクレンチ8の把持部8Bを把持してボルト締め箇所WP1〜WP5に対してボルト締め作業を行うものとする。
【0025】
例えば、作業員10がボルト締め箇所WP1において、トルクレンチ8を操作して当該ボルト締め箇所WP1を設定したトルクを超えて締め付け完了すると、トルクレンチ8の爪が動くことにより、スイッチ9Dがオンし、超音波送信部9Aび及び電磁波送信部9Bを駆動せしめ、トルクレンチ8からワーク3に対するボルト締め作業を設定トルクで行ったとき、トルクレンチ8に取り付けた移動局9から超音波及び電磁波を同時に送信する。
【0026】
図5に示すように、固定局5,6,7それぞれは、移動局9から超音波及び電磁波を受信する。このとき電磁波は超音波よりも先に固定局5,6,7に到達するので、図6に示すように、伝搬時間差(t2−t1)が生じ、この伝搬時間差(t2−t1)は、固定局5,6,7と移動局9との間の距離に比例する。よって、計算部11Aにて、固定局5と移動局9との間の距離(FS1−MS)と、固定局6と移動局9との間の距離(FS2−MS)と、固定局7と移動局9との間の距離(FS3−MS)とを算出することができる。
【0027】
テーブル11Bに保持している図7に示す移動局9と固定局5,6,7との間の距離データと、測定した固定局5,6,7と移動局9との間の距離データとを比較し、誤差範囲が予め設定した範囲内にあるときには一致と判定する。これにより、移動局9は、例えば、ボルト締め箇所WP1にて超音波及び電磁波を同時に送信したこと、つまりトルクレンチ8によるボルト締め箇所WP1における規定のボルト締め作業が完了したことを判定できる。
【0028】
以上のシステム構成の下で、本発明のボルト締め作業の管理方法について、図8を参照して説明する。
【0029】
本方法は、作業場にてワークに対する作業を工具によって行ったとき、トルクレンチ8に取り付けた移動局9から超音波及び電磁波を同時に送信し、固定局5,6,7にて移動局9からの超音波及び電磁波を受信し、この受信した超音波と電磁波との時間差に基づきボルト締め箇所に対するボルト締め作業を行ったトルクレンチ8の位置を算出し、該該算出した位置のボルト締め箇所のボルト締め作業を完了と判定するものである。
【0030】
図8において、自動車組立ライン1においてコンベア2によりワーク3及びIDプレート12が搬送され、入力部13によりIDプレート12のデータ読取りが行われる(ステップS1)。これにより処理装置11に車種NO.等のワーク3が特定される。この特定により、締付箇所情報としてワーク3に対応したテーブル11Bの内容となり、また位置計算等の準備が行われる(ステップS2)。
【0031】
次にワーク3と固定局(FS1〜FS3)5,6,7との原点等の座標合わせが行われる(ステップS3)。
【0032】
次に、作業員10は、ボルト締め箇所WP1〜WP5について、トルクレンチ8を操作してボルト締め作業を行う(ステップS4)。このとき設定したトルクを超えて締め付け完了すると、トルクレンチ8の爪が動くことにより、スイッチ9Dがオンし、超音波送信部9Aび及び電磁波送信部9Bを駆動せしめ、トルクレンチ8からワーク3に対するボルト締め作業を設定トルクで行ったとき、トルクレンチ8に取り付けた移動局9から超音波及び電磁波を同時に送信することで、固定局5,6,7それぞれは、移動局9から超音波及び電磁波を受信する。このとき電磁波は超音波よりも先に固定局5,6,7に到達するので、図6に示すように、伝搬時間差(t2−t1)が生じ、この伝搬時間差(t2−t1)は、固定局5,6,7と移動局9との間の距離に比例する。よって、計算部11Aにて、固定局5と移動局9との間の距離(FS1−MS)と、固定局6と移動局9との間の距離(FS2−MS)と、固定局7と移動局9との間の距離(FS3−MS)とを算出し、表示部14にて例えば図9に示す表示を行う。この表示は、ワーク等を示す表示部14A1、締付完了箇所を示す表示部14A2、未締付箇所を示す表示部14A3、全箇所締付完了を示す表示部14A4、ワークを模擬的に示す表示部14A5からなり、作業員10に対し、作業の状況を視覚的に分かり易く示している(ステップS5)。
【0033】
作業が終了すると(ステップS6)、未締付箇所の有無が判断され(ステップS7)、無の場合は終了処理として、当該作業内容をファイル化する等の処理をへて終わる(ステップS8)。また、未締付箇所の有の場合は、警告表示を行った上で(ステップS9)、ステップS4に戻る。
【0034】
以上のように本実施形態によれば、ワーク3に対するボルト締め作業をトルクレンチ8によって行ったとき、トルクレンチ8の移動局9から同時に送信した超音波及び電磁波を、固定局5,6,7にて受信して、受信した超音波と電磁波との時間差が生じ、この時間差に基づきワーク3に対するボルト締め作業を行ったトルクレンチ8の位置を算出し、当該算出した位置の作業を完了と判定することができるので、作業の進行と共に各作業箇所の作業完了を確認することが可能となり、これにより作業効率の低下を招くことなく作業忘れを未然に防止することができる。
【0035】
上記において、テーブル11Bに予め移動局9と固定局5,6,7それぞれとの間の距離データを保持し、当該保持した距離データと、前記算出した移動局9と固定局5,6,7それぞれとの間の算出距離データとを比較することにより移動局9の相対位置を算出するようにしたが、図10に示すように、移動局9と固定局5,6,7それぞれとの間の超音波と電磁波との時間差に基づき、移動局9の絶対位置を、測量法に従い算出するようにしても良い。
【0036】
なお、上記の相対位置の算出又は絶対位置の算出に従って、移動局及び固定局の数は任意に定めることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、作業効率の低下を招くことなく、作業忘れを未然に防止することが可能な作業管理方法及びシステム並びに該システムで用いる工具を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による作業管理システムの一実施形態の構成を示す図。
【図2】同実施形態における固定局及び処理装置の詳細なブロック図。
【図3】同実施形態における移動局の詳細なブロック図。
【図4】同実施形態における移動局が取り付けられたトルクレンチを示す図。
【図5】ボルト締め位置の算出法を説明する図。
【図6】超音波及び電磁波の送信と受信とを示す波形図。
【図7】テーブルに保持されたデータを示す図。
【図8】本発明による作業管理方法を説明するフロー図。
【図9】表示例を示す図。
【図10】本発明による作業管理システムの他の実施形態を説明する図。
【符号の説明】
1…自動車組立ライン、2…コンベア、3…ワーク、4…上部構造体、5,6,7…固定局(FS1〜FS3)、5A1…振動子部、5A2…受信回路、5A…超音波受信部、5B1…アンテナ、5B2…受信回路、5B…電磁波受信部、8…トルクレンチ、9…移動局(MS)、9A1…振動子部、9A2…送信回路、9A…超音波送信部、9B1…アンテナ、9B2…送信回路、9B…電磁波送信部、9C…電源、9D…スイッチ、10…作業員、11…処理装置、11A…計算部、11B…テーブル、11C…フィルタ、11D…AD変換器、11E…フィルタ、12…IDプレート、13…入力部、14…表示部14。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボルトの締付作業等の作業管理方法及びシステム並びに該システムで用いる工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車組立ラインにおいては、人手により多数のボルトを締付する作業がある。かかる作業においては、例えば、ベルトコンベアにより自動車フレームが作業位置に運ばれてくると、トルクレンチを把持した作業者は、ボルト締め箇所を示した指示書等に従い、多数のボルト締め箇所を順次ボルト締めし、次の作業に送り出すようにしている。かかる作業において、トルクレンチに電磁波ほ送信する手段を設け、締め付け作業数をカウントし、その数により作業の完了を判定する作業管理システムが知られている。
【0003】
また、作業状況管理システムが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−105469号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したボルトの締め付け完了を判定する作業管理システムでは、締め付け箇所が非常に多い場合や空間が入り組んでいる場合、システムの誤動作や誤操作によりカウントのミスが生じたり、カウント数が正常値であっても該状況が包含されたカウント値となる場合があり、絶対的な品質を確保することが困難であった。そのため、作業終了後において検査工程を別に設ける等の措置又は作業を区分化する等の措置がとられ、このため作業効率の低下を招いていた。
【0006】
本発明の目的は、作業効率の低下を招くことなく、作業忘れを未然に防止することが可能な作業管理方法及びシステム並びに該システムで用いる工具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る作業管理方法は、
作業場にてワークに対する作業を工具によって行ったとき、当該工具から超音波及び電磁波を同時に送信し、
作業場に固定位置にて前記工具からの超音波及び電磁波を受信し、
この受信した超音波と電磁波との時間差に基づき前記ワークに対する作業を行った工具の位置を算出し、該該算出した位置の作業を完了と判定することを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために本発明に係る作業管理システムは、
作業場にてワークに対する作業を行う工具に取り付けられ、当該ワークに対する作業を前記工具によって行ったとき超音波及び電磁波を同時に送信する送信部を有する移動局と、
前記作業場に固定され、超音波及び電磁波を受信する受信部を有する固定局と、
前記移動局からの超音波及び電磁波を前記固定局により受信したとき当該受信した超音波と電磁波との時間差に基づき前記移動局の位置を算出し、該該算出した位置の作業を完了と判定する処理手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するために本発明に係る工具は、
作業場にてワークに対する作業を行う工具本体と、
この工具本体に設けられ、前記作業場に固定された固定局により受信される超音波及び電磁波を、前記ワークに対する作業を行ったときに送信する送信手段と
を具備することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、作業場にてワークに対する作業を工具によって行ったとき、当該工具から同時に送信した超音波及び電磁波を、作業場に固定位置にて受信すると、受信した超音波と電磁波との時間差が生じ、この時間差に基づき前記ワークに対する作業を行った工具の位置を算出し、当該算出した位置の作業を完了と判定することができるので、作業の進行と共に各作業箇所の作業完了を確認することが可能となり、これにより作業効率の低下を招くことなく作業忘れを未然に防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明による作業管理システムの一実施形態を説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の作業管理システムは、自動車組立ラインにおいて、ワークとして自動車のシャーシ内のボルトを、作業員がトルクレンチで締める作業への適用例である。
【0013】
図1において、作業場である自動車組立ライン1には、コンベア2によりワーク3が搬送され、作業位置で停止するようになっている。
【0014】
また、作業場の天井等の上部構造体4には、固定局(FS1〜FS3)5,6,7が固定され、工具であるトルクレンチ8には、移動局(MS)9が取り付けてある。作業員10は、トルクレンチ8を把持してワーク3に対してボルト締め作業を行う。
【0015】
固定局5,6,7は、処理装置11に接続され、該処理装置11には、ワーク3の搬送と同時に送られてくるIDプレート12のデータ読取りを行う入力部13と、処理装置11による結果等を表示する表示部14が接続されている。
【0016】
次に、図2を参照して固定局5,6,7及び処理装置11について説明する。図2において、固定局5,6,7のうち代表して固定局5について説明するが、固定局6,7も固定局5と同様の構成となっている。
【0017】
図2において、固定局5は、移動局9から送信された超音波を受信する振動子部5A1及び受信回路5A2からなる超音波受信部5Aと、移動局9から送信された電磁波を受信するアンテナ5B1及び受信回路5B2からなる電磁波受信部5Bとからなる。
【0018】
処理装置11は、移動局9からの超音波及び電磁波を固定局5,6,7により受信したとき当該受信した超音波と電磁波との時間差に基づき移動局9の位置を算出し、該算出した位置のボルト締め作業が完了した等の判定を行う計算部11Aと、メモリ等からなり、図7に示す移動局9と固定局5,6,7との間の距離データを保持するテーブル11Bと、超音波受信系に係るフィルタ11C及びAD変換器11Dと、電磁波受信系に係るフィルタ11Eと、計算部11Aとからなり、一般には、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータにより構成されている。
【0019】
次に、図3を参照して移動局9について説明する。
【0020】
移動局9は、超音波を送信する振動子部9A1及び送信回路9A2からなる超音波送信部9Aと、電磁波を送信するアンテナ9B1及び送信回路9B2からなる電磁波送信部9Bと、電源である電池9Cと、スイッチ9Dとからなり、図4(a)に示すように、ケース9E内に、トルクレンチ8の駆動部8Aに近接して取り付けられている。送信ユニット9F内には超音波送信部9Aの振動子部9A1及び電磁波送信部9Bのアンテナ9B1が組み込まれている。本実施形態では、120°間隔で配置された3つの振動子部9A1が、図4(b)に示すように、トルクレンチ8の長手方向に沿う線に対して30°の角度をもって取り付けられている。
【0021】
図4(a)に示すように、ケース9E内には基板9Gが収納されている。この基板9Gに、スイッチ9D、回路素子9H及び電池9Cが実装されている。回路素子9Hにより、送信回路9A2、送信回路9B2等が構成されている。
【0022】
スイッチ9Dは、可動接触子片が外部から付勢されるとオンとなるマイクロスイッチ等であり、トルクレンチ8の駆動部8Aの図示しない爪により可動接触子片が付勢されるように取り付けられている。なお、トルクレンチ8の爪は、設定したトルクを超えたときに動くものであり、ボルト締めの完了をもって爪が動くと、スイッチ9Dがオンし、超音波送信部9Aび及び電磁波送信部9Bを駆動せしめ、トルクレンチ8からワーク3に対するボルト締め作業を設定トルクで行ったとき超音波及び電磁波を同時に送信するものとなる。
【0023】
次に、図1及び図5〜図7を参照して、移動局の位置算出法を、処理装置11が行う処理形態として説明する。
【0024】
図1において、ワーク3にボルト締め箇所WP1〜WP5が有り、作業員10はトルクレンチ8の把持部8Bを把持してボルト締め箇所WP1〜WP5に対してボルト締め作業を行うものとする。
【0025】
例えば、作業員10がボルト締め箇所WP1において、トルクレンチ8を操作して当該ボルト締め箇所WP1を設定したトルクを超えて締め付け完了すると、トルクレンチ8の爪が動くことにより、スイッチ9Dがオンし、超音波送信部9Aび及び電磁波送信部9Bを駆動せしめ、トルクレンチ8からワーク3に対するボルト締め作業を設定トルクで行ったとき、トルクレンチ8に取り付けた移動局9から超音波及び電磁波を同時に送信する。
【0026】
図5に示すように、固定局5,6,7それぞれは、移動局9から超音波及び電磁波を受信する。このとき電磁波は超音波よりも先に固定局5,6,7に到達するので、図6に示すように、伝搬時間差(t2−t1)が生じ、この伝搬時間差(t2−t1)は、固定局5,6,7と移動局9との間の距離に比例する。よって、計算部11Aにて、固定局5と移動局9との間の距離(FS1−MS)と、固定局6と移動局9との間の距離(FS2−MS)と、固定局7と移動局9との間の距離(FS3−MS)とを算出することができる。
【0027】
テーブル11Bに保持している図7に示す移動局9と固定局5,6,7との間の距離データと、測定した固定局5,6,7と移動局9との間の距離データとを比較し、誤差範囲が予め設定した範囲内にあるときには一致と判定する。これにより、移動局9は、例えば、ボルト締め箇所WP1にて超音波及び電磁波を同時に送信したこと、つまりトルクレンチ8によるボルト締め箇所WP1における規定のボルト締め作業が完了したことを判定できる。
【0028】
以上のシステム構成の下で、本発明のボルト締め作業の管理方法について、図8を参照して説明する。
【0029】
本方法は、作業場にてワークに対する作業を工具によって行ったとき、トルクレンチ8に取り付けた移動局9から超音波及び電磁波を同時に送信し、固定局5,6,7にて移動局9からの超音波及び電磁波を受信し、この受信した超音波と電磁波との時間差に基づきボルト締め箇所に対するボルト締め作業を行ったトルクレンチ8の位置を算出し、該該算出した位置のボルト締め箇所のボルト締め作業を完了と判定するものである。
【0030】
図8において、自動車組立ライン1においてコンベア2によりワーク3及びIDプレート12が搬送され、入力部13によりIDプレート12のデータ読取りが行われる(ステップS1)。これにより処理装置11に車種NO.等のワーク3が特定される。この特定により、締付箇所情報としてワーク3に対応したテーブル11Bの内容となり、また位置計算等の準備が行われる(ステップS2)。
【0031】
次にワーク3と固定局(FS1〜FS3)5,6,7との原点等の座標合わせが行われる(ステップS3)。
【0032】
次に、作業員10は、ボルト締め箇所WP1〜WP5について、トルクレンチ8を操作してボルト締め作業を行う(ステップS4)。このとき設定したトルクを超えて締め付け完了すると、トルクレンチ8の爪が動くことにより、スイッチ9Dがオンし、超音波送信部9Aび及び電磁波送信部9Bを駆動せしめ、トルクレンチ8からワーク3に対するボルト締め作業を設定トルクで行ったとき、トルクレンチ8に取り付けた移動局9から超音波及び電磁波を同時に送信することで、固定局5,6,7それぞれは、移動局9から超音波及び電磁波を受信する。このとき電磁波は超音波よりも先に固定局5,6,7に到達するので、図6に示すように、伝搬時間差(t2−t1)が生じ、この伝搬時間差(t2−t1)は、固定局5,6,7と移動局9との間の距離に比例する。よって、計算部11Aにて、固定局5と移動局9との間の距離(FS1−MS)と、固定局6と移動局9との間の距離(FS2−MS)と、固定局7と移動局9との間の距離(FS3−MS)とを算出し、表示部14にて例えば図9に示す表示を行う。この表示は、ワーク等を示す表示部14A1、締付完了箇所を示す表示部14A2、未締付箇所を示す表示部14A3、全箇所締付完了を示す表示部14A4、ワークを模擬的に示す表示部14A5からなり、作業員10に対し、作業の状況を視覚的に分かり易く示している(ステップS5)。
【0033】
作業が終了すると(ステップS6)、未締付箇所の有無が判断され(ステップS7)、無の場合は終了処理として、当該作業内容をファイル化する等の処理をへて終わる(ステップS8)。また、未締付箇所の有の場合は、警告表示を行った上で(ステップS9)、ステップS4に戻る。
【0034】
以上のように本実施形態によれば、ワーク3に対するボルト締め作業をトルクレンチ8によって行ったとき、トルクレンチ8の移動局9から同時に送信した超音波及び電磁波を、固定局5,6,7にて受信して、受信した超音波と電磁波との時間差が生じ、この時間差に基づきワーク3に対するボルト締め作業を行ったトルクレンチ8の位置を算出し、当該算出した位置の作業を完了と判定することができるので、作業の進行と共に各作業箇所の作業完了を確認することが可能となり、これにより作業効率の低下を招くことなく作業忘れを未然に防止することができる。
【0035】
上記において、テーブル11Bに予め移動局9と固定局5,6,7それぞれとの間の距離データを保持し、当該保持した距離データと、前記算出した移動局9と固定局5,6,7それぞれとの間の算出距離データとを比較することにより移動局9の相対位置を算出するようにしたが、図10に示すように、移動局9と固定局5,6,7それぞれとの間の超音波と電磁波との時間差に基づき、移動局9の絶対位置を、測量法に従い算出するようにしても良い。
【0036】
なお、上記の相対位置の算出又は絶対位置の算出に従って、移動局及び固定局の数は任意に定めることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、作業効率の低下を招くことなく、作業忘れを未然に防止することが可能な作業管理方法及びシステム並びに該システムで用いる工具を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による作業管理システムの一実施形態の構成を示す図。
【図2】同実施形態における固定局及び処理装置の詳細なブロック図。
【図3】同実施形態における移動局の詳細なブロック図。
【図4】同実施形態における移動局が取り付けられたトルクレンチを示す図。
【図5】ボルト締め位置の算出法を説明する図。
【図6】超音波及び電磁波の送信と受信とを示す波形図。
【図7】テーブルに保持されたデータを示す図。
【図8】本発明による作業管理方法を説明するフロー図。
【図9】表示例を示す図。
【図10】本発明による作業管理システムの他の実施形態を説明する図。
【符号の説明】
1…自動車組立ライン、2…コンベア、3…ワーク、4…上部構造体、5,6,7…固定局(FS1〜FS3)、5A1…振動子部、5A2…受信回路、5A…超音波受信部、5B1…アンテナ、5B2…受信回路、5B…電磁波受信部、8…トルクレンチ、9…移動局(MS)、9A1…振動子部、9A2…送信回路、9A…超音波送信部、9B1…アンテナ、9B2…送信回路、9B…電磁波送信部、9C…電源、9D…スイッチ、10…作業員、11…処理装置、11A…計算部、11B…テーブル、11C…フィルタ、11D…AD変換器、11E…フィルタ、12…IDプレート、13…入力部、14…表示部14。
Claims (6)
- 作業場にてワークに対する作業を工具によって行ったとき、当該工具から超音波及び電磁波を同時に送信し、
作業場に固定位置にて前記工具からの超音波及び電磁波を受信し、
この受信した超音波と電磁波との時間差に基づき前記ワークに対する作業を行った工具の位置を算出し、該該算出した位置の作業を完了と判定することを特徴とする作業管理方法。 - 作業場にてワークに対する作業を行う工具に取り付けられ、当該ワークに対する作業を前記工具によって行ったとき超音波及び電磁波を同時に送信する送信部を有する移動局と、
前記作業場に固定され、超音波及び電磁波を受信する受信部を有する固定局と、
前記移動局からの超音波及び電磁波を前記固定局により受信したとき当該受信した超音波と電磁波との時間差に基づき前記移動局の位置を算出し、該該算出した位置の作業を完了と判定する処理手段と
を具備することを特徴とする作業管理システム。 - 前記固定局を複数設け、前記移動局と当該複数の固定局それぞれとの間の前記超音波と電磁波との時間差に基づき前記移動局の位置を算出する手段を具備することを特徴とする請求項2記載の作業管理システム。
- 予め前記移動局と当該複数の固定局それぞれとの間の距離データを保持し、当該保持した距離データと、前記算出した前記移動局と当該複数の固定局それぞれとの間の算出距離データとを比較することにより前記移動局の相対位置を算出する手段を具備することを特徴とする請求項3記載の作業管理システム。
- 前記移動局と当該複数の固定局それぞれとの間の前記超音波と電磁波との時間差に基づき前記移動局の絶対位置を、測量法に従い算出する手段を具備することを特徴とする請求項3記載の作業管理システム。
- 作業場にてワークに対する作業を行う工具本体と、
この工具本体に設けられ、前記作業場に固定された固定局により受信される超音波及び電磁波を、前記ワークに対する作業を行ったときに送信する送信手段と
を具備することを特徴とする工具。
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