JP2004235530A - 封止成形装置及びそれを用いた封止成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤーが細線化された場合にもワイヤー流れが起こりにくい、薄型化に対応することのできる封止成形装置を提供すること。
【解決手段】型締機構15を備えた上型2と下型1とから構成される金型3を備え、下型1には半導体デバイスを封止するための封止用の樹脂タブレット23を受け入れるポット4と、ポット4に受け入れた樹脂がランナー部6を介してゲート9から供給される封止用の下型キャビティ部5と、ポット4に進退可能に装着されてポット4に受け入れた封止樹脂を下型キャビティ部5に供給するプランジャ7とを備えた封止成形装置10である。下型キャビティ部5には、後退した状態で先端面18aの上部に封止樹脂を受け入れる樹脂受入部20を形成するとともに、進入した状態で先端面18aが封止樹脂を圧縮しつつ下型キャビティ5の底面(成形面)を形成して成形する圧縮成形用の成形プランジャ18が進退可能に装填されている。
【選択図】図2
【解決手段】型締機構15を備えた上型2と下型1とから構成される金型3を備え、下型1には半導体デバイスを封止するための封止用の樹脂タブレット23を受け入れるポット4と、ポット4に受け入れた樹脂がランナー部6を介してゲート9から供給される封止用の下型キャビティ部5と、ポット4に進退可能に装着されてポット4に受け入れた封止樹脂を下型キャビティ部5に供給するプランジャ7とを備えた封止成形装置10である。下型キャビティ部5には、後退した状態で先端面18aの上部に封止樹脂を受け入れる樹脂受入部20を形成するとともに、進入した状態で先端面18aが封止樹脂を圧縮しつつ下型キャビティ5の底面(成形面)を形成して成形する圧縮成形用の成形プランジャ18が進退可能に装填されている。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランジスターやICなどの半導体デバイスを樹脂で封止した半導体樹脂封止体を成形するための封止成形装置及びそれを用いた封止成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トランジスターやICなどの半導体デバイス(半導体チップ)を樹脂で封止して半導体樹脂封止体(いわゆるパッケージ)を効率よく成形する方法としてトランスファ成形が応用され、このようなトランスファ成形にはトランスファモールド装置が使用されている(例えば、特許文献1など。)。
【0003】
トランスファモールド装置の成形部には、例えば図11に示すような下型1及び上型2から構成される一対の成形用の金型3を備えている。この金型3には型締めされた状態で中央に配列されるポット4を中心に樹脂封止体を成形するキャビティ部5がその周囲に形成されている。このポット4とキャビティ部5とは樹脂通路としてのランナー部6により連結されている。このポット4には上下に進退可能なプランジャ7が装着され、このポット4の周辺はカル部8と呼称されている。
【0004】
ポット4に封止用樹脂のタブレットが投入され、封止用樹脂が溶融された状態でプランジャ7を上昇させることによりポット4内の溶融樹脂はランナー部6を介してゲート部9からキャビティ部5へ供給される。封止用樹脂がキャビティ部5内に十分に充填された状態で硬化(キュア)が進行されて樹脂封止体が成形される。
【0005】
このようなトランスファモールド装置により成形された樹脂封止体(成形品)には、金型のランナー部やポット部に残留した樹脂(カル樹脂又はカル)が連結されており、これらの樹脂はその位置に応じてゲートランナー樹脂又はカル樹脂(カル)と呼称されている。これらのゲートランナー樹脂及びカル樹脂は金型からは成形品とともに取り出されている。例えば、型開きと同時に上型2のエジェクトピン(不図示)により成形品は上型2と離型される。また、下型1のエジェクトピン(不図示)及びプランジャ7を上昇させてキャビティ部5内に進出させることにより、成形品はゲートランナー樹脂、カル樹脂とともに取り出されている。
【0006】
このようなゲートランナー樹脂及びカル樹脂を連結した成形品はブレーク工程により成形品とこれらの不要部分とが分離され、製品としてのパッケージ(樹脂封止体;成形品)が得られる。
【0007】
封止用樹脂としてエポキシ樹脂及びフィラーなどを主体にしたエポキシ成形材料からなるタブレットを高温(160〜180℃)に保持された金型のポット内に投入し、加熱して溶融させ、70〜100kg/cm2程度の型締め圧で成形して、エポキシ樹脂を硬化させた樹脂封止体は、エポキシ樹脂組成物が完全に半導体チップを覆うため、得られた樹脂封止体の信頼性が優れており、また、金型で成形するため、パッケージの外観も良好である。したがって、現在ではほとんどの樹脂封止体はこの方法で製造されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−43099号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体チップは、技術の進歩と、消費電力を抑えるという社会的要求により急速に集積度が増すと同時に薄型化されている。これにより、半導体チップから取り出されるワイヤーの線幅間の寸法(ピッチ)も、例えば、100μm程度のであったものが、近々では、50μm程度まで要求され、これによりワイヤーの細線化も要求されるようになった。このため、従来のトランスファ成形装置による半導体製造装置によれば、ワイヤーが流れ易くなり、不良品が発生し易いという課題が急速に進展しつつある。これは、従来の半導体製造装置では、成形部としてのキャビティ部5へは封止用樹脂がゲート6から瞬時に注入され、薄型化されたキャビティ部5を平面方向に封止樹脂が瞬時に流れなければならないためである。
【0010】
また、このような従来の封止成形装置では、ゲートランナー樹脂やカル樹脂などとして生成される不要樹脂は廃棄され、封止用樹脂の歩留まりが悪いという課題もあった。
【0011】
そこで、本発明は、これらの従来技術を解決することを課題とする。
【0012】
また、本発明は、トランスファ成形装置として多用されている従来の封止成形装置をできるだけ利用しつつ、ワイヤーが細線化された場合にもワイヤー流れが起こりにくい、すなわち、薄型化に対応することのできる封止成形装置を提供することを課題とする。
【0013】
また、本発明は、廃棄樹脂を少なくすることのできる封止成形装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者等の研究によれば、ランナーからキャビティ部へ樹脂を供給する際に、このキャビティ部の下方に封止樹脂を受け入れる樹脂受入部を設け、この樹脂受入部に一端封止樹脂を受け入れた後、この受け入れた封止樹脂を薄型の半導体デバイスの下面から供給して封止を行えば、従来の封止成形装置を利用しつつ、集積化されたパッケージでもワイヤー流れを生じさせることなく、封止が行えることを見出し本発明に到達した。
【0015】
すなわち、本発明は、型締機構を備えた上型と下型とから構成される金型を備え、該下型には半導体デバイスを封止するための封止用の樹脂を受け入れるポットと、該ポットに受け入れた樹脂がランナー部を介してゲートから供給される封止用の下型キャビティ部と、前記ポットに進退可能に装着されて該ポットに受け入れた樹脂を前記下型キャビティ部に供給するプランジャとを備えた封止成形装置において、
該下型キャビティ部には、後退した状態で先端面の上部に封止樹脂を受け入れる樹脂受入部を形成するとともに、進入した状態で先端面が樹脂受入部に供給された封止樹脂を圧縮しつつ下型キャビティの底面(成形面)を形成して成形する圧縮成形用の成形プランジャが進退可能に装填されていることを特徴とする封止成形装置である。
【0016】
このような封止成形装置によれば、(a)金型が開かれた状態でポットに封止用樹脂のタブレットを投入する樹脂投入工程、(b)上型又は下型の少なくとも一方を昇降させて型締めを行う型締工程、(c)前記供給用のプランジャを上昇させてポットに投入された樹脂を樹脂受入部に溶融した状態で供給する樹脂供給工程、(d)成形プランジャの先端面を成形面まで上昇させて樹脂受入部に受け入れた溶融樹脂により半導体デバイスを封止して硬化させる圧縮成形工程、(e)金型を開放し、得られた樹脂封止体を取り出す脱型工程を順次行うことにより封止成形体を製造することができる。
【0017】
ここで、ゲートは前記成形面より下方に位置していることが好ましい。これにより、成形プランジャを所望の成形面を形成する位置まで進入させることにより成形プランジャの側面でゲートが遮断されるので、成形と当時にゲートブレークが行えることになり、ゲートブレーク工程を省略することができる。
【0018】
また、成形プランジャの先端面は、成形面よりさらに上方に突出してキャビティ部へ突出可能に構成されていることが好ましい。成形後の脱型工程で、先端面を成形面より突出させることにより得られた成形品はキャビティ部から脱型させることができる。
【0019】
このとき、先端面の面積が下型キャビティ部の底面と同一面積であれば、脱型工程で成形品の全面を押し出すことができるので、エジェクトピンを設けなくても成形品を損傷無く脱型させることができる。なお、先端面の面積は、下型キャビティ部の底面と同一面積又はそれ以下で有れば、自由に設計可能である。
【0020】
また、キャビティ部の周縁には余剰樹脂を受け入れるダミーキャビティを備えることが好ましい。これにより、樹脂受入部に供給された樹脂量が余剰であっても、余剰樹脂をダミーキャビティに受け入れることができる。
【0021】
なお、プランジャがサーボモータにより先端面の位置制御が可能であれば、樹脂受入部に供給される樹脂量を適切にコントロールすることができる。
【0022】
このように構成された封止成形装置によれば、キャビティ部を形成する下型として、該下型に進退可能に設けられ、進入した状態で先端面が下型キャビティの底面(成形面)を形成し、後退した状態で上部に封止樹脂を受け入れる樹脂受入部を形成する成形プランジャを装填するという改造を行うことにより、従来のポット部、カル部、上型を含む金型をそのまま利用して使用できる。
【0023】
また、このように構成すれば、樹脂は、封止すべき半導体デバイスなどの封止部材の下方から封止するので、封止部材が薄型である場合には、ワイヤーを含む封止部材中を移動する封止樹脂の距離が短くてよく、従って、ワイヤーを横切る樹脂の流速が遅いので、ワイヤーが細線化された場合にもワイヤー流れが生じ難い。
【0024】
また、この封止部材中での封止樹脂の流れ方向は、薄型の封止部材に略直交する方向であり、樹脂が均一に溶融されていること及び流れるべき樹脂量が少ないことなどに起因して、封止部材の周辺の封止樹脂の流速が遅くてよく、封止部材にワイヤーの極細線が装填されていてもワイヤー流れが生じない。
【0025】
また、このような封止成形装置によれば、封止用樹脂は、ランナーを通して供給されるので、均一に溶融した状態で樹脂受入部に供給される。この樹脂受入部への封止樹脂の供給には、特別の高圧力を必要としないので、カル部の容積及びランナー部の断面積は小さくてよく、従って、従来の半導体製造装置に代えて新しく半導体製造装置を設計する場合には、これらのカル部及びランナー部の容積を減らすことができ、これにより使用樹脂量を大幅に低減させることができ、また、装置の小型化(コンパクト化)とともに廃棄樹脂量が低減される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、従来技術で説明した封止成形装置と同一乃至均等な部位部材については、同一符号を付して説明する。
【0027】
図1は、この発明の実施の形態に係る封止成形装置の一例を示す図であり、封止成形金型の装着された状態を示す装着図であり、図2は、成形用金型の要部を金型が開かれた状態の端面で示した端面図である。
【0028】
図1において、符号10は封止成形装置で、上端の固定板11と下端のベース板12とは、複数のガイドポスト13…の上下端において平行に固定され、この途中にガイドポスト13…を貫通して可動板14が装着されている。ベース板12と可動板14との間にこの可動板14を昇降させる型締機構15が設けられている。また、このベース板12には、不図示のプランジャ7を昇降させるトランスファ機構16が固定されている。また、この発明においては、圧縮成形用のプランジャ18(詳細は後述される。)を昇降させる昇降機構17がこのベース板14に固定されている。
【0029】
ここで、この発明の金型3は下型1と上型2とから構成され、下型1は可動板14に固定されて可動型とされ、上型2は固定板11に固定されて固定型とされている。なお、この封止成形装置10では、下型1が可動型となっているが、上型2が可動型となっていてもよく、また、上型及び下型の双方が可動型であってもよい。
【0030】
これらの下型1と上型2が合わさる分割線(合わせ面)PLには、図2に示すように、封止体の樹脂成形部となるキャビティ部(型キャビティ)5、このキャビティ部5へ溶融樹脂を供給する流路としてのランナー部6及びポット(ショットキャビティ)4が形成されている。ゲート部9はランナー部6の断面積が減少して溶融樹脂の流路が狭まった堰状になっている。上型2には上型キャビティ面5bが、下型1には下型キャビティ面5aが形成されている。
【0031】
ポット4にはタブレット成形用のプランジャ7が昇降自由に配置されている。このプランジャ7は、トランスファ機構16により昇降される。この昇降機構はは特には問わないが、例えば、サーボモータ、エンコーダなどにより、その昇降量が正確に制御できるものが用いられている。不図示のサーボモータの回転に制御されてタイミングベルトなどによりボールネジを回転させてサーボモータの回転を上下動に変換する。プランジャ7の上面(先端面)7aの位置は、サーボモータの回転数をエンコーダにより位置制御して所望の位置にプランジャ7を昇降させることができる。
【0032】
また、キャビティ部5の下面(すなわち、キャビティ部5に相当する下型1の上面)は貫通され、その貫通部には先端面18aが下型キャビティ面5a、上型キャビティ面5bと共に型キャビティとしてのキャビティ部5を形成する圧縮成形用のプランジャ18が装着されている。このプランジャ18は、圧縮成形用の昇降機構17により昇降可能とされている。
【0033】
この昇降機構17は、例えば、前述したトランスファ機構16と略同一乃至は均等なものが例示される。例えば、サーボモータ、エンコーダなどにより、その昇降量が正確に制御できるものが用いられている。不図示のサーボモータの回転に制御されてタイミングベルトなどによりボールネジを回転させてサーボモータの回転を上下動に変換する。プランジャ18の上面(先端面)18a位置は、サーボモータの回転数をエンコーダにより位置制御しつつ所望の位置にプランジャ18を昇降させることができる。
【0034】
ここで、圧縮成形用とは、圧縮成形に必要な圧力を保持できる昇降機構という意味であり、圧力を制御する必要がある場合には、任意の位置に圧力センサーなどの圧力検出器を介して成形圧を制御できる機構を備えているものとする。このような圧力制御機構は公知であり、例えば、プランジャ18と昇降機構17との間にロードセルなどの圧力検出器を介在させて圧力検出器により検出された圧力により必要な圧力を保持することができる。
【0035】
この昇降機構17は、プランジャ18の先端面18aの位置をキャビティ部5の下面の位置(以下、型合わせ位置という。)19とこの型合わせ位置19から後退して先端面18a上にランナー部6から供給された樹脂を受け入れる樹脂受入部20を形成する位置(以下、樹脂受入位置という。)21とに制御できることが必要である。ここで、この図2では、プランジャ18は後退されて先端面18aの位置がこの断面図では樹脂受入位置21と合致している。
【0036】
また、この昇降機構17は、成形後に型合わせ位置19よりもさらに進出させることができ、これにより、下型1にエジェクトピンの配置を省略してもキャビティ部5で成形された樹脂封止体をキャビティ部5から取り出すことができる。以下、この昇降機構17により型合わせ位置19よりも進出した位置を取出位置22という。
【0037】
この昇降機構17は、後退した位置では樹脂受入位置21に位置され、進出した位置で取出位置22に位置される。また、中間の位置として、型合わせ位置19に制御することもできる。これにより、下型1と上型2とが型締めされた状態で、この先端面18aが型合わせ位置19に位置された場合に、樹脂封止用のキャビティ部5が成形品の形状と一致する。
【0038】
ここで、この図2の金型では、この型合わせ位置19がゲート部9よりも上方に位置する様に設計されている。
【0039】
以上の構成の封止成形装置を半導体製造装置に用いた場合の工程について以下に説明する。
(a)樹脂投入工程(タブレットの投入)
型締機構15により可動板14を下降させ金型3を開く(図2)。ついで、プレヒートした樹脂のタブレット23をポット4に投入する。これに前後して不図示のローダーによりプレヒートしたリードフレーム28(不図示)をキャビティ部5に位置決めしてロードする(図3)。ここで、この実施例ではプラスチックフィルムの片面に半導体デバイスを保持したCSPが用いられ、封止すべき面は下面に向けてロードされている。
(b)型締工程
型締機構15により可動板14を上昇させて金型3を閉じる。
(c)樹脂供給工程(成形用プランジャの上昇)
サーボモータを駆動、制御してトランスファ機構16によりプランジャ7を上昇させる。金型3は所定温度に加熱されているので、これによりポット4内の樹脂はランナー部6及びゲート部9を通過することにより溶融され、CSPの下方に位置する樹脂受入部20に溶融樹脂を注入して供給する。ここで、この樹脂は、ポット4,ランナー部6,ゲート部9の熱で溶融した状態であり、樹脂の硬化が進行されていない状態では樹脂の粘性が低いので、図4に示すように、樹脂受入部20の注入された樹脂は先端面18aとほぼ平行な平面方向に素早く展開される。
【0040】
また、図5に拡大図で示すように、リードフレーム28の下面には半導体チップなどの半導体デバイス28aが固定され、細いワイヤー28bが多数ボンディングされている。
(d)圧縮成形工程
ここで、この図2の金型では、この型合わせ位置19がゲート部9よりも上方に位置する様に設計されている。
【0041】
直ちに、サーボモータを制御して昇降機構17により圧縮成形用のプランジャ18を上昇させる(図6)。溶融樹脂は、封止すべき半導体デバイス28aの下方から封止するので、CSPのような封止部材28では、ワイヤー28bを含む封止部材中を移動する溶融樹脂の距離が短くてよく、従って、ワイヤー28bを横切る溶融樹脂24の流速が遅いので、ワイヤー28bが細線化された場合にもワイヤー流れが生じることが少ない。
【0042】
また、この実施例では、型合わせ位置19はゲート部9よりも上方に位置しているので、プランジャ18を上昇させて先端面18aを型合わせ位置19に位置合わせした状態では、ゲート部9はプランジャ18の側面18bにより完全に遮断され、キャビティ部5内は密閉されて所要の成形圧力を保持させることができる。これにより、金型の熱(例えば、160〜180℃)及び所定の圧力(例えば、70〜100kg/cm2程度)に所定時間(数秒から数十秒)保持することにより、樹脂の硬化反応が進行しては硬化樹脂で封止された成形品24が得られる。
【0043】
ここで、これらの金型温度、圧力及び保持時間は、用いる樹脂の性能、金型の大きさ、パッケージの大きさなどにより異なるので、最適の条件が実験などにより適宜決定され、温度、圧力、硬化保持時間などは上述の一例に限定されることはない。
(e)脱型工程
硬化が終了後に型締機構15により可動板14を下降させて図7に示すように金型3を開放する。CSPであれば、成形品24は上型2のキャビティ面5bから容易に剥離するので、上型2にもエジェクトピンは実質的に不要であるが、上型2にはエジェクトピンが設けられていてもよい。この場合には、この上型に設けられたエジェクトピンは、型開き後の成形品を取り出すタイミングで不図示のピンプレート等を作動させることによりエジェクトピンをキャビティ部5内に進出させて脱型する。
【0044】
ついで、昇降機構17を上昇させてプランジャ18を取出位置22まで上昇させることにより封止成形体(成形品)24を取り出すことができる。これにより、下型1には成形品取り出し用のエジェクトピンなどの取出装置が無くても成形品を取り出すことができる。
【0045】
ここで、本発明の封止成形装置によれば、圧縮成形工程で、ゲート部9は完全に遮断されているので、従来の封止成形体のように、ランナー部6等に残留したランナー樹脂などの不要樹脂25と成形品24とを分離する、いわゆるゲートブレーク工程を経ずにゲートブレークされた封止成形体24を得ることができる。
【0046】
また、このような発明の実施の形態では、先端面18aの面積が成形品の底面と等しいので、薄型の成形品24であっても、成形品24が展開する平面方向に対して側面から成形品を押し出すことになり、成形品を損傷することなくキャビティ部5(又はキャビティ面5a)から取り出すことができるという利点も有する。また、これにより、例えば、キャビティ部5の側面の型抜きを容易にする抜き勾配がなくても(又は抜き勾配が少なくても)取り出すことができる。
【0047】
これにより、自動化された半導体製造装置の封止成形装置としてこの発明の封止成形装置を用いれば、脱型された成形品24は吸着手段などを備えた取出手段により成形品を取り出してブレーク工程を無くして製品として次工程又は収納させることができる。
【0048】
カル樹脂などの不要樹脂25は、同様にプランジャ7を更に上昇させることにより取り出すことができる。これらのプランジャ7及び18の上昇のタイミングは同時でも異なっていてもよい。
【0049】
この型開きが行われ状態でプランジャ7、18を上昇させて、吸引装置、ブラシ装置などを備えた清掃手段により不要樹脂25の除去や下型1,上型2を清掃し、次の成形サイクルに備えることができる。
【0050】
また、以上のように構成された封止成形装置によれば、キャビティ部5を形成する下型1に圧縮成形用のプランジャ18及びプランジャ18を駆動制御する駆動制御機構(昇降機構)を組み込むという改造を行うことにより、従来の半導体製造装置をそのまま利用することができる。
【0051】
【発明の実施の形態2】
本発明の実施の形態2について、図8〜図10を参照しつつ説明する。なお、実施の形態と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。ここで、図8及び図9はそれぞれ本発明の実施の形態2に係る封止成形装置の下型1の要部を示す平面図及び断面図であり、下型の上に位置決めして配置されるリードフレームとの関係を便宜的に説明するためにこの下型1の上には輪郭線のみによりリードフレーム28が描かれている。
【0052】
この発明の実施の形態2では、図9に示すように、下型1には、分割線PLから略同一深さでキャビティ部5、ゲート部9、ランナー部6及びカル部8が形成されるように設計されている。また、キャビティ部5の周囲にダミーキャビティ部26を備えている。このダミーキャビティ部26は、キャビティ部5の周縁から余剰の樹脂を周囲に逃がすものである。
【0053】
このダミーキャビティ部26とキャビティ部5との連絡部27は、図10に示すように、厚み方向の隙間dが、例えば0.1〜0.3mm程度の間隔に狭められている。この隙間dは空気は容易に通過するが粘性を有する樹脂が簡単には通過しないが、圧力が掛かった状態では余剰の樹脂が逃げる程度の隙間である。この隙間dは使用する封止用樹脂の性能により実験などにより適度に選択される。リードフレーム28を下型1と上型2との間に介在させた場合に自然に隙間が生じる場合には、下型1に対してこの隙間dを積極的に設けなくてよい場合もある。
【0054】
これにより、圧縮成形工程では、この隙間dを介してキャビティ部5の空気が排出され、溶融樹脂がキャビティ部5の隅まで充填されてボイドなどを含む欠損品を少なくすることができる。
【0055】
このように設計された封止成形装置を半導体製造装置に用いた場合の工程について以下に説明する。
【0056】
トランスファ機構16により図9の位置からプランジャ7を下降させてプランジャ7の上方にポット4を形成する。また、昇降機構17を駆動させてプランジャ18を下降させてプランジャ18の上方に樹脂受入部20を形成する。
(a)樹脂投入工程(タブレットの投入)
型締機構15により可動板14を下降させ金型3を開き、ついで、プレヒートした樹脂のタブレットをポット4に投入する。これに前後して不図示のローダーによりプレヒートしたリードフレーム28をキャビティ部5の上方に位置決めしてロードする。
(b)型締工程
型締機構15により可動板14を上昇させて金型3を閉じる。
(c)樹脂供給工程(成形用プランジャの上昇)
サーボモータを駆動、制御してトランスファ機構16によりプランジャ7を図9に示す位置まで上昇させる。金型3は加熱されているので、これによりポット4内の樹脂はランナー部6及びゲート部9を通過することにより溶融され、リードフレーム28の下方に位置する樹脂受入部20に溶融樹脂を注入して供給する。ここで、この樹脂は、ポット4,ランナー部6,ゲート部9の熱で溶融した状態であり、樹脂の硬化が進行されていない状態では樹脂の粘性が低いので、ランナー部6の断面積が従来のランナー部の断面積よりも減少されていても、樹脂を樹脂受入部20へ送給させることができる。また、同様にカル部8として残留する樹脂の量を減少させることもできる。本発明においては、樹脂受入部20に所定量の溶融樹脂が送給されればよく、樹脂受入部20に注入された樹脂は平面方向に素早く展開される。
(d)圧縮成形工程
直ちに、サーボモータを制御して昇降機構17により圧縮成形用のプランジャ18を図9に示す位置まで上昇させる。溶融樹脂(不図示)は、封止すべき半導体デバイス28aの下方から封止するのでリードフレーム28はワイヤー28bを含む封止部材中を移動する溶融樹脂24の距離が短くてよく、従って、ワイヤー28bを横切る溶融樹脂24の流速が遅いので、ワイヤー28bが細線化された場合にもワイヤー流れが生じることが少ない。
【0057】
キャビティ部5内に所要の成形圧力を保持させることにより、金型の熱により樹脂の硬化反応が進行して溶融樹脂は硬化される。
(e)脱型工程
硬化が終了後に型締機構15により可動板14を下降させて金型3を開放する。上型に設けられたエジェクトピンは、型開き後の成形品を取り出すタイミングで不図示のピンプレート等を作動させることによりエジェクトピンをキャビティ部5内に進出させて脱型する。
【0058】
ついで、トランスファ機構16及び昇降機構17を上昇させてプランジャ7及びプランジャ18を上昇させることにより封止成形体(成形品)24を不要樹脂25とつながった状態で取り出す。下型1には成形品取り出し用のエジェクトピンなどの取出装置が無くても成形品を取り出すことができる。
【0059】
ここで、発明の実施の形態1との相違点は、ランナー樹脂などの不要樹脂25が接続された状態で成形品24が得られるので、不要樹脂25と成形品24とを分離する、いわゆるゲートブレーク工程を経て封止成形体24を得ることができる。このゲートブレーク工程では、ダミーキャビティ26に溶出した不要樹脂も併せて取り除かれる。
【0060】
この型開きが行われ状態でプランジャ7、18を上昇させて、吸引装置、ブラシ装置などを備えた清掃手段により下型1,上型2を清掃し、次の成形サイクルに備えることができる。
【0061】
また、以上のように構成された封止成形装置によれば、キャビティ部5の厚みとカル部及びランナー部の厚みを略等しくすることができ、これにより、ランナー部6及びカル部8に残留する余剰樹脂を極めて少なくすることができる。
【0062】
これにより、不要樹脂の量を少なく設計できるとともに、下型を含む金型をコンパクトに設計できるという利点を有する。
【0063】
すなわち、本発明に係る封止成形装置によれば、封止用樹脂はランナー部6を通して樹脂受入部20に供給されるので、均一に溶融した状態で樹脂受入部20に供給されるが、この樹脂受入部20への溶融樹脂の供給には、特別の高圧力を必要としないので、カル部8の容積及びランナー部6の断面積は小さくてよく、従って、従来の半導体製造装置に代えて新しく半導体製造装置を設計する場合には、この発明の実施の形態2のように、カル部8及びランナー部6の厚みを成形品の厚みと略等しくするなど、容積を減らすことができる。これにより使用樹脂量を大幅に低減させることができ、また、装置の小型化(コンパクト化)とともに廃棄樹脂量が低減される。
【0064】
その他の作用効果は実施の形態1と均等であるので詳細な説明は省略する。
【0065】
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【0066】
例えば、以上の実施の形態では、シングルプランジャ方式の封止成形装置について説明したが、マルチプランジャ方式の封止成形装置に応用しても実質的に同様な作用効果を得るとができる。
【0067】
また、キャビティ部5が形成される部分又はその周囲は、チェイスブロックなどにより交換可能に構成されていてもよい。
【0068】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、封止用樹脂は、ランナーを通して供給されるので、均一に溶融した状態で樹脂受け入れ部に供給される。この樹脂受け入れ部への供給には、特別の高圧力を必要としないので、カル部の容積及びランナー部の断面積は小さくてよく、従って使用樹脂量を大幅に低減させることができ、また、装置の小型化(コンパクト化)とともに廃棄樹脂量が低減される。
【0069】
また、この封止部材中での溶融樹脂の流れ方向は、薄型の封止部材に略直交する方向であり、樹脂が均一に溶融されていること及び流れるべき樹脂量が少ないことなどに起因して、封止部材の周辺の溶融樹脂の流速が遅くてよく、封止部材にワイヤーの極細線が装填されていてもワイヤー流れが生じない。
【0070】
このような成形装置は、既存の半導体装置の金型部のみの改造でも対応することができる、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る封止成形装置の一例を示す図であり、封止成形金型の装着された状態を示す装着図である。
【図2】成形用金型の要部を金型が開かれた状態の端面で示した端面図である。
【図3】発明の実施の形態に係る封止成形装置を半導体製造装置に用いた場合の工程について説明する図であり、樹脂投入工程を説明する図である。
【図4】発明の実施の形態に係る封止成形装置を半導体製造装置に用いた場合の工程について説明する図であり、樹脂供給工程を説明する図である。
【図5】図5の要部拡大図である。
【図6】発明の実施の形態に係る封止成形装置を半導体製造装置に用いた場合の工程について説明する図であり、圧縮成型工程を説明する図である。
【図7】発明の実施の形態に係る封止成形装置を半導体製造装置に用いた場合の工程について説明する図であり、脱型工程を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る封止成形装置の下型の要部を示す平面図である。
【図9】図8の断面図である。
【図10】図9のA部を拡大して説明する部分断面図である。
【図11】従来の成形用金型を説明する断面図である。
【符号の説明】
1:下型
2:上型
3:金型(成形用金型)
4:ポット(ショットキャビティ)
5:キャビティ部
5a:下型キャビティ面
5b:上型キャビティ面
6:ランナー部
7:プランジャ
7a:上面(先端面)
8:カル部
9:ゲート部
10:封止成形装置
11:固定板
12:ベース板
13:ガイドポスト
14:可動板
15:型締機構
16:トランスファ機構
17:昇降機構
18:プランジャ(圧縮成形用)
18a:上面(先端面)
18b:側面
19:型合わせ位置
20:樹脂受入部
21:樹脂受入位置
22:取出位置
23:タブレット
24:封止成形体(成形品;製品)
25:不要樹脂(ランナー樹脂、カル樹脂)
26:ダミーキャビティ
27:連絡部
28:フレーム
28a:半導体デバイス(チップ)
28b:ワイヤー
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランジスターやICなどの半導体デバイスを樹脂で封止した半導体樹脂封止体を成形するための封止成形装置及びそれを用いた封止成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トランジスターやICなどの半導体デバイス(半導体チップ)を樹脂で封止して半導体樹脂封止体(いわゆるパッケージ)を効率よく成形する方法としてトランスファ成形が応用され、このようなトランスファ成形にはトランスファモールド装置が使用されている(例えば、特許文献1など。)。
【0003】
トランスファモールド装置の成形部には、例えば図11に示すような下型1及び上型2から構成される一対の成形用の金型3を備えている。この金型3には型締めされた状態で中央に配列されるポット4を中心に樹脂封止体を成形するキャビティ部5がその周囲に形成されている。このポット4とキャビティ部5とは樹脂通路としてのランナー部6により連結されている。このポット4には上下に進退可能なプランジャ7が装着され、このポット4の周辺はカル部8と呼称されている。
【0004】
ポット4に封止用樹脂のタブレットが投入され、封止用樹脂が溶融された状態でプランジャ7を上昇させることによりポット4内の溶融樹脂はランナー部6を介してゲート部9からキャビティ部5へ供給される。封止用樹脂がキャビティ部5内に十分に充填された状態で硬化(キュア)が進行されて樹脂封止体が成形される。
【0005】
このようなトランスファモールド装置により成形された樹脂封止体(成形品)には、金型のランナー部やポット部に残留した樹脂(カル樹脂又はカル)が連結されており、これらの樹脂はその位置に応じてゲートランナー樹脂又はカル樹脂(カル)と呼称されている。これらのゲートランナー樹脂及びカル樹脂は金型からは成形品とともに取り出されている。例えば、型開きと同時に上型2のエジェクトピン(不図示)により成形品は上型2と離型される。また、下型1のエジェクトピン(不図示)及びプランジャ7を上昇させてキャビティ部5内に進出させることにより、成形品はゲートランナー樹脂、カル樹脂とともに取り出されている。
【0006】
このようなゲートランナー樹脂及びカル樹脂を連結した成形品はブレーク工程により成形品とこれらの不要部分とが分離され、製品としてのパッケージ(樹脂封止体;成形品)が得られる。
【0007】
封止用樹脂としてエポキシ樹脂及びフィラーなどを主体にしたエポキシ成形材料からなるタブレットを高温(160〜180℃)に保持された金型のポット内に投入し、加熱して溶融させ、70〜100kg/cm2程度の型締め圧で成形して、エポキシ樹脂を硬化させた樹脂封止体は、エポキシ樹脂組成物が完全に半導体チップを覆うため、得られた樹脂封止体の信頼性が優れており、また、金型で成形するため、パッケージの外観も良好である。したがって、現在ではほとんどの樹脂封止体はこの方法で製造されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−43099号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体チップは、技術の進歩と、消費電力を抑えるという社会的要求により急速に集積度が増すと同時に薄型化されている。これにより、半導体チップから取り出されるワイヤーの線幅間の寸法(ピッチ)も、例えば、100μm程度のであったものが、近々では、50μm程度まで要求され、これによりワイヤーの細線化も要求されるようになった。このため、従来のトランスファ成形装置による半導体製造装置によれば、ワイヤーが流れ易くなり、不良品が発生し易いという課題が急速に進展しつつある。これは、従来の半導体製造装置では、成形部としてのキャビティ部5へは封止用樹脂がゲート6から瞬時に注入され、薄型化されたキャビティ部5を平面方向に封止樹脂が瞬時に流れなければならないためである。
【0010】
また、このような従来の封止成形装置では、ゲートランナー樹脂やカル樹脂などとして生成される不要樹脂は廃棄され、封止用樹脂の歩留まりが悪いという課題もあった。
【0011】
そこで、本発明は、これらの従来技術を解決することを課題とする。
【0012】
また、本発明は、トランスファ成形装置として多用されている従来の封止成形装置をできるだけ利用しつつ、ワイヤーが細線化された場合にもワイヤー流れが起こりにくい、すなわち、薄型化に対応することのできる封止成形装置を提供することを課題とする。
【0013】
また、本発明は、廃棄樹脂を少なくすることのできる封止成形装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者等の研究によれば、ランナーからキャビティ部へ樹脂を供給する際に、このキャビティ部の下方に封止樹脂を受け入れる樹脂受入部を設け、この樹脂受入部に一端封止樹脂を受け入れた後、この受け入れた封止樹脂を薄型の半導体デバイスの下面から供給して封止を行えば、従来の封止成形装置を利用しつつ、集積化されたパッケージでもワイヤー流れを生じさせることなく、封止が行えることを見出し本発明に到達した。
【0015】
すなわち、本発明は、型締機構を備えた上型と下型とから構成される金型を備え、該下型には半導体デバイスを封止するための封止用の樹脂を受け入れるポットと、該ポットに受け入れた樹脂がランナー部を介してゲートから供給される封止用の下型キャビティ部と、前記ポットに進退可能に装着されて該ポットに受け入れた樹脂を前記下型キャビティ部に供給するプランジャとを備えた封止成形装置において、
該下型キャビティ部には、後退した状態で先端面の上部に封止樹脂を受け入れる樹脂受入部を形成するとともに、進入した状態で先端面が樹脂受入部に供給された封止樹脂を圧縮しつつ下型キャビティの底面(成形面)を形成して成形する圧縮成形用の成形プランジャが進退可能に装填されていることを特徴とする封止成形装置である。
【0016】
このような封止成形装置によれば、(a)金型が開かれた状態でポットに封止用樹脂のタブレットを投入する樹脂投入工程、(b)上型又は下型の少なくとも一方を昇降させて型締めを行う型締工程、(c)前記供給用のプランジャを上昇させてポットに投入された樹脂を樹脂受入部に溶融した状態で供給する樹脂供給工程、(d)成形プランジャの先端面を成形面まで上昇させて樹脂受入部に受け入れた溶融樹脂により半導体デバイスを封止して硬化させる圧縮成形工程、(e)金型を開放し、得られた樹脂封止体を取り出す脱型工程を順次行うことにより封止成形体を製造することができる。
【0017】
ここで、ゲートは前記成形面より下方に位置していることが好ましい。これにより、成形プランジャを所望の成形面を形成する位置まで進入させることにより成形プランジャの側面でゲートが遮断されるので、成形と当時にゲートブレークが行えることになり、ゲートブレーク工程を省略することができる。
【0018】
また、成形プランジャの先端面は、成形面よりさらに上方に突出してキャビティ部へ突出可能に構成されていることが好ましい。成形後の脱型工程で、先端面を成形面より突出させることにより得られた成形品はキャビティ部から脱型させることができる。
【0019】
このとき、先端面の面積が下型キャビティ部の底面と同一面積であれば、脱型工程で成形品の全面を押し出すことができるので、エジェクトピンを設けなくても成形品を損傷無く脱型させることができる。なお、先端面の面積は、下型キャビティ部の底面と同一面積又はそれ以下で有れば、自由に設計可能である。
【0020】
また、キャビティ部の周縁には余剰樹脂を受け入れるダミーキャビティを備えることが好ましい。これにより、樹脂受入部に供給された樹脂量が余剰であっても、余剰樹脂をダミーキャビティに受け入れることができる。
【0021】
なお、プランジャがサーボモータにより先端面の位置制御が可能であれば、樹脂受入部に供給される樹脂量を適切にコントロールすることができる。
【0022】
このように構成された封止成形装置によれば、キャビティ部を形成する下型として、該下型に進退可能に設けられ、進入した状態で先端面が下型キャビティの底面(成形面)を形成し、後退した状態で上部に封止樹脂を受け入れる樹脂受入部を形成する成形プランジャを装填するという改造を行うことにより、従来のポット部、カル部、上型を含む金型をそのまま利用して使用できる。
【0023】
また、このように構成すれば、樹脂は、封止すべき半導体デバイスなどの封止部材の下方から封止するので、封止部材が薄型である場合には、ワイヤーを含む封止部材中を移動する封止樹脂の距離が短くてよく、従って、ワイヤーを横切る樹脂の流速が遅いので、ワイヤーが細線化された場合にもワイヤー流れが生じ難い。
【0024】
また、この封止部材中での封止樹脂の流れ方向は、薄型の封止部材に略直交する方向であり、樹脂が均一に溶融されていること及び流れるべき樹脂量が少ないことなどに起因して、封止部材の周辺の封止樹脂の流速が遅くてよく、封止部材にワイヤーの極細線が装填されていてもワイヤー流れが生じない。
【0025】
また、このような封止成形装置によれば、封止用樹脂は、ランナーを通して供給されるので、均一に溶融した状態で樹脂受入部に供給される。この樹脂受入部への封止樹脂の供給には、特別の高圧力を必要としないので、カル部の容積及びランナー部の断面積は小さくてよく、従って、従来の半導体製造装置に代えて新しく半導体製造装置を設計する場合には、これらのカル部及びランナー部の容積を減らすことができ、これにより使用樹脂量を大幅に低減させることができ、また、装置の小型化(コンパクト化)とともに廃棄樹脂量が低減される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、従来技術で説明した封止成形装置と同一乃至均等な部位部材については、同一符号を付して説明する。
【0027】
図1は、この発明の実施の形態に係る封止成形装置の一例を示す図であり、封止成形金型の装着された状態を示す装着図であり、図2は、成形用金型の要部を金型が開かれた状態の端面で示した端面図である。
【0028】
図1において、符号10は封止成形装置で、上端の固定板11と下端のベース板12とは、複数のガイドポスト13…の上下端において平行に固定され、この途中にガイドポスト13…を貫通して可動板14が装着されている。ベース板12と可動板14との間にこの可動板14を昇降させる型締機構15が設けられている。また、このベース板12には、不図示のプランジャ7を昇降させるトランスファ機構16が固定されている。また、この発明においては、圧縮成形用のプランジャ18(詳細は後述される。)を昇降させる昇降機構17がこのベース板14に固定されている。
【0029】
ここで、この発明の金型3は下型1と上型2とから構成され、下型1は可動板14に固定されて可動型とされ、上型2は固定板11に固定されて固定型とされている。なお、この封止成形装置10では、下型1が可動型となっているが、上型2が可動型となっていてもよく、また、上型及び下型の双方が可動型であってもよい。
【0030】
これらの下型1と上型2が合わさる分割線(合わせ面)PLには、図2に示すように、封止体の樹脂成形部となるキャビティ部(型キャビティ)5、このキャビティ部5へ溶融樹脂を供給する流路としてのランナー部6及びポット(ショットキャビティ)4が形成されている。ゲート部9はランナー部6の断面積が減少して溶融樹脂の流路が狭まった堰状になっている。上型2には上型キャビティ面5bが、下型1には下型キャビティ面5aが形成されている。
【0031】
ポット4にはタブレット成形用のプランジャ7が昇降自由に配置されている。このプランジャ7は、トランスファ機構16により昇降される。この昇降機構はは特には問わないが、例えば、サーボモータ、エンコーダなどにより、その昇降量が正確に制御できるものが用いられている。不図示のサーボモータの回転に制御されてタイミングベルトなどによりボールネジを回転させてサーボモータの回転を上下動に変換する。プランジャ7の上面(先端面)7aの位置は、サーボモータの回転数をエンコーダにより位置制御して所望の位置にプランジャ7を昇降させることができる。
【0032】
また、キャビティ部5の下面(すなわち、キャビティ部5に相当する下型1の上面)は貫通され、その貫通部には先端面18aが下型キャビティ面5a、上型キャビティ面5bと共に型キャビティとしてのキャビティ部5を形成する圧縮成形用のプランジャ18が装着されている。このプランジャ18は、圧縮成形用の昇降機構17により昇降可能とされている。
【0033】
この昇降機構17は、例えば、前述したトランスファ機構16と略同一乃至は均等なものが例示される。例えば、サーボモータ、エンコーダなどにより、その昇降量が正確に制御できるものが用いられている。不図示のサーボモータの回転に制御されてタイミングベルトなどによりボールネジを回転させてサーボモータの回転を上下動に変換する。プランジャ18の上面(先端面)18a位置は、サーボモータの回転数をエンコーダにより位置制御しつつ所望の位置にプランジャ18を昇降させることができる。
【0034】
ここで、圧縮成形用とは、圧縮成形に必要な圧力を保持できる昇降機構という意味であり、圧力を制御する必要がある場合には、任意の位置に圧力センサーなどの圧力検出器を介して成形圧を制御できる機構を備えているものとする。このような圧力制御機構は公知であり、例えば、プランジャ18と昇降機構17との間にロードセルなどの圧力検出器を介在させて圧力検出器により検出された圧力により必要な圧力を保持することができる。
【0035】
この昇降機構17は、プランジャ18の先端面18aの位置をキャビティ部5の下面の位置(以下、型合わせ位置という。)19とこの型合わせ位置19から後退して先端面18a上にランナー部6から供給された樹脂を受け入れる樹脂受入部20を形成する位置(以下、樹脂受入位置という。)21とに制御できることが必要である。ここで、この図2では、プランジャ18は後退されて先端面18aの位置がこの断面図では樹脂受入位置21と合致している。
【0036】
また、この昇降機構17は、成形後に型合わせ位置19よりもさらに進出させることができ、これにより、下型1にエジェクトピンの配置を省略してもキャビティ部5で成形された樹脂封止体をキャビティ部5から取り出すことができる。以下、この昇降機構17により型合わせ位置19よりも進出した位置を取出位置22という。
【0037】
この昇降機構17は、後退した位置では樹脂受入位置21に位置され、進出した位置で取出位置22に位置される。また、中間の位置として、型合わせ位置19に制御することもできる。これにより、下型1と上型2とが型締めされた状態で、この先端面18aが型合わせ位置19に位置された場合に、樹脂封止用のキャビティ部5が成形品の形状と一致する。
【0038】
ここで、この図2の金型では、この型合わせ位置19がゲート部9よりも上方に位置する様に設計されている。
【0039】
以上の構成の封止成形装置を半導体製造装置に用いた場合の工程について以下に説明する。
(a)樹脂投入工程(タブレットの投入)
型締機構15により可動板14を下降させ金型3を開く(図2)。ついで、プレヒートした樹脂のタブレット23をポット4に投入する。これに前後して不図示のローダーによりプレヒートしたリードフレーム28(不図示)をキャビティ部5に位置決めしてロードする(図3)。ここで、この実施例ではプラスチックフィルムの片面に半導体デバイスを保持したCSPが用いられ、封止すべき面は下面に向けてロードされている。
(b)型締工程
型締機構15により可動板14を上昇させて金型3を閉じる。
(c)樹脂供給工程(成形用プランジャの上昇)
サーボモータを駆動、制御してトランスファ機構16によりプランジャ7を上昇させる。金型3は所定温度に加熱されているので、これによりポット4内の樹脂はランナー部6及びゲート部9を通過することにより溶融され、CSPの下方に位置する樹脂受入部20に溶融樹脂を注入して供給する。ここで、この樹脂は、ポット4,ランナー部6,ゲート部9の熱で溶融した状態であり、樹脂の硬化が進行されていない状態では樹脂の粘性が低いので、図4に示すように、樹脂受入部20の注入された樹脂は先端面18aとほぼ平行な平面方向に素早く展開される。
【0040】
また、図5に拡大図で示すように、リードフレーム28の下面には半導体チップなどの半導体デバイス28aが固定され、細いワイヤー28bが多数ボンディングされている。
(d)圧縮成形工程
ここで、この図2の金型では、この型合わせ位置19がゲート部9よりも上方に位置する様に設計されている。
【0041】
直ちに、サーボモータを制御して昇降機構17により圧縮成形用のプランジャ18を上昇させる(図6)。溶融樹脂は、封止すべき半導体デバイス28aの下方から封止するので、CSPのような封止部材28では、ワイヤー28bを含む封止部材中を移動する溶融樹脂の距離が短くてよく、従って、ワイヤー28bを横切る溶融樹脂24の流速が遅いので、ワイヤー28bが細線化された場合にもワイヤー流れが生じることが少ない。
【0042】
また、この実施例では、型合わせ位置19はゲート部9よりも上方に位置しているので、プランジャ18を上昇させて先端面18aを型合わせ位置19に位置合わせした状態では、ゲート部9はプランジャ18の側面18bにより完全に遮断され、キャビティ部5内は密閉されて所要の成形圧力を保持させることができる。これにより、金型の熱(例えば、160〜180℃)及び所定の圧力(例えば、70〜100kg/cm2程度)に所定時間(数秒から数十秒)保持することにより、樹脂の硬化反応が進行しては硬化樹脂で封止された成形品24が得られる。
【0043】
ここで、これらの金型温度、圧力及び保持時間は、用いる樹脂の性能、金型の大きさ、パッケージの大きさなどにより異なるので、最適の条件が実験などにより適宜決定され、温度、圧力、硬化保持時間などは上述の一例に限定されることはない。
(e)脱型工程
硬化が終了後に型締機構15により可動板14を下降させて図7に示すように金型3を開放する。CSPであれば、成形品24は上型2のキャビティ面5bから容易に剥離するので、上型2にもエジェクトピンは実質的に不要であるが、上型2にはエジェクトピンが設けられていてもよい。この場合には、この上型に設けられたエジェクトピンは、型開き後の成形品を取り出すタイミングで不図示のピンプレート等を作動させることによりエジェクトピンをキャビティ部5内に進出させて脱型する。
【0044】
ついで、昇降機構17を上昇させてプランジャ18を取出位置22まで上昇させることにより封止成形体(成形品)24を取り出すことができる。これにより、下型1には成形品取り出し用のエジェクトピンなどの取出装置が無くても成形品を取り出すことができる。
【0045】
ここで、本発明の封止成形装置によれば、圧縮成形工程で、ゲート部9は完全に遮断されているので、従来の封止成形体のように、ランナー部6等に残留したランナー樹脂などの不要樹脂25と成形品24とを分離する、いわゆるゲートブレーク工程を経ずにゲートブレークされた封止成形体24を得ることができる。
【0046】
また、このような発明の実施の形態では、先端面18aの面積が成形品の底面と等しいので、薄型の成形品24であっても、成形品24が展開する平面方向に対して側面から成形品を押し出すことになり、成形品を損傷することなくキャビティ部5(又はキャビティ面5a)から取り出すことができるという利点も有する。また、これにより、例えば、キャビティ部5の側面の型抜きを容易にする抜き勾配がなくても(又は抜き勾配が少なくても)取り出すことができる。
【0047】
これにより、自動化された半導体製造装置の封止成形装置としてこの発明の封止成形装置を用いれば、脱型された成形品24は吸着手段などを備えた取出手段により成形品を取り出してブレーク工程を無くして製品として次工程又は収納させることができる。
【0048】
カル樹脂などの不要樹脂25は、同様にプランジャ7を更に上昇させることにより取り出すことができる。これらのプランジャ7及び18の上昇のタイミングは同時でも異なっていてもよい。
【0049】
この型開きが行われ状態でプランジャ7、18を上昇させて、吸引装置、ブラシ装置などを備えた清掃手段により不要樹脂25の除去や下型1,上型2を清掃し、次の成形サイクルに備えることができる。
【0050】
また、以上のように構成された封止成形装置によれば、キャビティ部5を形成する下型1に圧縮成形用のプランジャ18及びプランジャ18を駆動制御する駆動制御機構(昇降機構)を組み込むという改造を行うことにより、従来の半導体製造装置をそのまま利用することができる。
【0051】
【発明の実施の形態2】
本発明の実施の形態2について、図8〜図10を参照しつつ説明する。なお、実施の形態と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。ここで、図8及び図9はそれぞれ本発明の実施の形態2に係る封止成形装置の下型1の要部を示す平面図及び断面図であり、下型の上に位置決めして配置されるリードフレームとの関係を便宜的に説明するためにこの下型1の上には輪郭線のみによりリードフレーム28が描かれている。
【0052】
この発明の実施の形態2では、図9に示すように、下型1には、分割線PLから略同一深さでキャビティ部5、ゲート部9、ランナー部6及びカル部8が形成されるように設計されている。また、キャビティ部5の周囲にダミーキャビティ部26を備えている。このダミーキャビティ部26は、キャビティ部5の周縁から余剰の樹脂を周囲に逃がすものである。
【0053】
このダミーキャビティ部26とキャビティ部5との連絡部27は、図10に示すように、厚み方向の隙間dが、例えば0.1〜0.3mm程度の間隔に狭められている。この隙間dは空気は容易に通過するが粘性を有する樹脂が簡単には通過しないが、圧力が掛かった状態では余剰の樹脂が逃げる程度の隙間である。この隙間dは使用する封止用樹脂の性能により実験などにより適度に選択される。リードフレーム28を下型1と上型2との間に介在させた場合に自然に隙間が生じる場合には、下型1に対してこの隙間dを積極的に設けなくてよい場合もある。
【0054】
これにより、圧縮成形工程では、この隙間dを介してキャビティ部5の空気が排出され、溶融樹脂がキャビティ部5の隅まで充填されてボイドなどを含む欠損品を少なくすることができる。
【0055】
このように設計された封止成形装置を半導体製造装置に用いた場合の工程について以下に説明する。
【0056】
トランスファ機構16により図9の位置からプランジャ7を下降させてプランジャ7の上方にポット4を形成する。また、昇降機構17を駆動させてプランジャ18を下降させてプランジャ18の上方に樹脂受入部20を形成する。
(a)樹脂投入工程(タブレットの投入)
型締機構15により可動板14を下降させ金型3を開き、ついで、プレヒートした樹脂のタブレットをポット4に投入する。これに前後して不図示のローダーによりプレヒートしたリードフレーム28をキャビティ部5の上方に位置決めしてロードする。
(b)型締工程
型締機構15により可動板14を上昇させて金型3を閉じる。
(c)樹脂供給工程(成形用プランジャの上昇)
サーボモータを駆動、制御してトランスファ機構16によりプランジャ7を図9に示す位置まで上昇させる。金型3は加熱されているので、これによりポット4内の樹脂はランナー部6及びゲート部9を通過することにより溶融され、リードフレーム28の下方に位置する樹脂受入部20に溶融樹脂を注入して供給する。ここで、この樹脂は、ポット4,ランナー部6,ゲート部9の熱で溶融した状態であり、樹脂の硬化が進行されていない状態では樹脂の粘性が低いので、ランナー部6の断面積が従来のランナー部の断面積よりも減少されていても、樹脂を樹脂受入部20へ送給させることができる。また、同様にカル部8として残留する樹脂の量を減少させることもできる。本発明においては、樹脂受入部20に所定量の溶融樹脂が送給されればよく、樹脂受入部20に注入された樹脂は平面方向に素早く展開される。
(d)圧縮成形工程
直ちに、サーボモータを制御して昇降機構17により圧縮成形用のプランジャ18を図9に示す位置まで上昇させる。溶融樹脂(不図示)は、封止すべき半導体デバイス28aの下方から封止するのでリードフレーム28はワイヤー28bを含む封止部材中を移動する溶融樹脂24の距離が短くてよく、従って、ワイヤー28bを横切る溶融樹脂24の流速が遅いので、ワイヤー28bが細線化された場合にもワイヤー流れが生じることが少ない。
【0057】
キャビティ部5内に所要の成形圧力を保持させることにより、金型の熱により樹脂の硬化反応が進行して溶融樹脂は硬化される。
(e)脱型工程
硬化が終了後に型締機構15により可動板14を下降させて金型3を開放する。上型に設けられたエジェクトピンは、型開き後の成形品を取り出すタイミングで不図示のピンプレート等を作動させることによりエジェクトピンをキャビティ部5内に進出させて脱型する。
【0058】
ついで、トランスファ機構16及び昇降機構17を上昇させてプランジャ7及びプランジャ18を上昇させることにより封止成形体(成形品)24を不要樹脂25とつながった状態で取り出す。下型1には成形品取り出し用のエジェクトピンなどの取出装置が無くても成形品を取り出すことができる。
【0059】
ここで、発明の実施の形態1との相違点は、ランナー樹脂などの不要樹脂25が接続された状態で成形品24が得られるので、不要樹脂25と成形品24とを分離する、いわゆるゲートブレーク工程を経て封止成形体24を得ることができる。このゲートブレーク工程では、ダミーキャビティ26に溶出した不要樹脂も併せて取り除かれる。
【0060】
この型開きが行われ状態でプランジャ7、18を上昇させて、吸引装置、ブラシ装置などを備えた清掃手段により下型1,上型2を清掃し、次の成形サイクルに備えることができる。
【0061】
また、以上のように構成された封止成形装置によれば、キャビティ部5の厚みとカル部及びランナー部の厚みを略等しくすることができ、これにより、ランナー部6及びカル部8に残留する余剰樹脂を極めて少なくすることができる。
【0062】
これにより、不要樹脂の量を少なく設計できるとともに、下型を含む金型をコンパクトに設計できるという利点を有する。
【0063】
すなわち、本発明に係る封止成形装置によれば、封止用樹脂はランナー部6を通して樹脂受入部20に供給されるので、均一に溶融した状態で樹脂受入部20に供給されるが、この樹脂受入部20への溶融樹脂の供給には、特別の高圧力を必要としないので、カル部8の容積及びランナー部6の断面積は小さくてよく、従って、従来の半導体製造装置に代えて新しく半導体製造装置を設計する場合には、この発明の実施の形態2のように、カル部8及びランナー部6の厚みを成形品の厚みと略等しくするなど、容積を減らすことができる。これにより使用樹脂量を大幅に低減させることができ、また、装置の小型化(コンパクト化)とともに廃棄樹脂量が低減される。
【0064】
その他の作用効果は実施の形態1と均等であるので詳細な説明は省略する。
【0065】
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【0066】
例えば、以上の実施の形態では、シングルプランジャ方式の封止成形装置について説明したが、マルチプランジャ方式の封止成形装置に応用しても実質的に同様な作用効果を得るとができる。
【0067】
また、キャビティ部5が形成される部分又はその周囲は、チェイスブロックなどにより交換可能に構成されていてもよい。
【0068】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、封止用樹脂は、ランナーを通して供給されるので、均一に溶融した状態で樹脂受け入れ部に供給される。この樹脂受け入れ部への供給には、特別の高圧力を必要としないので、カル部の容積及びランナー部の断面積は小さくてよく、従って使用樹脂量を大幅に低減させることができ、また、装置の小型化(コンパクト化)とともに廃棄樹脂量が低減される。
【0069】
また、この封止部材中での溶融樹脂の流れ方向は、薄型の封止部材に略直交する方向であり、樹脂が均一に溶融されていること及び流れるべき樹脂量が少ないことなどに起因して、封止部材の周辺の溶融樹脂の流速が遅くてよく、封止部材にワイヤーの極細線が装填されていてもワイヤー流れが生じない。
【0070】
このような成形装置は、既存の半導体装置の金型部のみの改造でも対応することができる、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る封止成形装置の一例を示す図であり、封止成形金型の装着された状態を示す装着図である。
【図2】成形用金型の要部を金型が開かれた状態の端面で示した端面図である。
【図3】発明の実施の形態に係る封止成形装置を半導体製造装置に用いた場合の工程について説明する図であり、樹脂投入工程を説明する図である。
【図4】発明の実施の形態に係る封止成形装置を半導体製造装置に用いた場合の工程について説明する図であり、樹脂供給工程を説明する図である。
【図5】図5の要部拡大図である。
【図6】発明の実施の形態に係る封止成形装置を半導体製造装置に用いた場合の工程について説明する図であり、圧縮成型工程を説明する図である。
【図7】発明の実施の形態に係る封止成形装置を半導体製造装置に用いた場合の工程について説明する図であり、脱型工程を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る封止成形装置の下型の要部を示す平面図である。
【図9】図8の断面図である。
【図10】図9のA部を拡大して説明する部分断面図である。
【図11】従来の成形用金型を説明する断面図である。
【符号の説明】
1:下型
2:上型
3:金型(成形用金型)
4:ポット(ショットキャビティ)
5:キャビティ部
5a:下型キャビティ面
5b:上型キャビティ面
6:ランナー部
7:プランジャ
7a:上面(先端面)
8:カル部
9:ゲート部
10:封止成形装置
11:固定板
12:ベース板
13:ガイドポスト
14:可動板
15:型締機構
16:トランスファ機構
17:昇降機構
18:プランジャ(圧縮成形用)
18a:上面(先端面)
18b:側面
19:型合わせ位置
20:樹脂受入部
21:樹脂受入位置
22:取出位置
23:タブレット
24:封止成形体(成形品;製品)
25:不要樹脂(ランナー樹脂、カル樹脂)
26:ダミーキャビティ
27:連絡部
28:フレーム
28a:半導体デバイス(チップ)
28b:ワイヤー
Claims (7)
- 型締機構を備えた上型と下型とから構成される金型を備え、
該下型には半導体デバイスを封止するための封止用の樹脂を受け入れるポットと、該ポットに受け入れた樹脂がランナー部を介してゲートから供給される封止用の下型キャビティ部と、前記ポットに進退可能に装着されて該ポットに受け入れた樹脂を前記下型キャビティ部に供給するプランジャとを備えた封止成形装置において、
該下型キャビティ部には、後退した状態で先端面の上部に封止樹脂を受け入れる樹脂受入部を形成するとともに、進入した状態で先端面が樹脂受入部に供給された封止樹脂を圧縮しつつ下型キャビティの底面(成形面)を形成して成形する圧縮成形用の成形プランジャが進退可能に装填されていることを特徴とする封止成形装置。 - 前記ゲートは前記成形面より下方に位置していることを特徴とする請求項1記載の封止成形装置。
- 前記成形プランジャの先端面は、前記成形面よりさらに上方に突出してキャビティ部へ突出可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の封止成形装置。
- 前記先端面の面積は、前記下型キャビティ部の底面と同一面積であることを特徴とする請求項1記載の封止成形装置。
- 前記下型キャビティ部の周縁には余剰樹脂を受け入れるダミーキャビティを備えることを特徴とする請求項1記載の封止成形装置。
- 前記プランジャはサーボモータにより先端面の位置制御が可能であることを特徴とする請求項1記載の封止成形装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の装置を用い、
(a)金型が開かれた状態でポットに封止用樹脂のタブレットを投入する樹脂投入工程、
(b)上型又は下型の少なくとも一方を昇降させて型締めを行う型締工程、
(c)前記供給用のプランジャを上昇させてポットに投入された樹脂を樹脂受入部に溶融した状態で供給する樹脂供給工程、
(d)成形プランジャの先端面を成形面まで上昇させて樹脂受入部に受け入れた溶融樹脂により半導体デバイスを封止して硬化させる圧縮成形工程、
(e)金型を開放し、得られた樹脂封止体を取り出す脱型工程を順次行うことを特徴とする封止成形体の製造方法。
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