JP2004239860A - 位相差測定回路、位相差測定方法、および位相差調整回路 - Google Patents
位相差測定回路、位相差測定方法、および位相差調整回路 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004239860A JP2004239860A JP2003031796A JP2003031796A JP2004239860A JP 2004239860 A JP2004239860 A JP 2004239860A JP 2003031796 A JP2003031796 A JP 2003031796A JP 2003031796 A JP2003031796 A JP 2003031796A JP 2004239860 A JP2004239860 A JP 2004239860A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phase difference
- signal
- input
- flip
- output
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Manipulation Of Pulses (AREA)
- Measuring Phase Differences (AREA)
Abstract
【課題】被測定信号間の位相差の測定が、観測プローブを介してオシロスコープ等の測定器で直接観測することなく、直流電圧値により可能となる位相差測定回路を提供する。
【解決手段】被測定信号CKIN1、CKIN2と当該被測定信号に同期する基準信号CKREFとの間の位相差にそれぞれ対応する直流電圧V1、V2を出力する。また、フリップフロップの電源端子とグランド端子を平滑化手段に接続することにより、フリップフロップの出力端子QがHレベル及びLレベルとなるときの電位となる直流電圧VHigh、VLowを出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】被測定信号CKIN1、CKIN2と当該被測定信号に同期する基準信号CKREFとの間の位相差にそれぞれ対応する直流電圧V1、V2を出力する。また、フリップフロップの電源端子とグランド端子を平滑化手段に接続することにより、フリップフロップの出力端子QがHレベル及びLレベルとなるときの電位となる直流電圧VHigh、VLowを出力する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定信号間の位相差を測定するための位相差測定回路、位相差測定方法、およびそれらを適用可能である位相差調整回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被測定回路内部を流れる信号間の位相差(遅延差)の測定は、被測定回路からその測定したい各信号を出力させ、観測プローブを介してオシロスコープ等の測定器に入力することにより行っていた。
【0003】
しかしながら、観測プローブを用いる測定では、観測プローブの製造ばらつきや保存状態による個体差が被測定回路から出力させた各信号に付加されるため、実際の位相差を正確に測定することは困難であった。また、被測定回路内部での位相差を保ちながら被測定回路外部へ各信号を出力させる必要があり、さらにオシロスコープまでの経路においてもその位相差を保つ必要があるため、信号経路の負荷をそろえるなどの注意をはらわなければならず、特に位相差が微小な場合([ps]オーダー)、測定に大変な手間がかかるという問題があった。また、被測定回路からその測定したい各信号を出力させ、オシロスコープ等の測定器に入力して行う測定では、その測定したい信号の周波数が高い場合(数百MHzオーダー)、測定器の性能限界や被測定回路の出力限界等により測定することが不可能なことがあった。
【0004】
また、LSIテスタ等の検査装置を用い、被測定回路であるLSI内部の信号間の位相差が所定の規格範囲内に収まっているか否か等を検査する場合においても、被測定信号の周波数が高いほど、またはその位相差が小さいほど、正確な位相差の測定を行うことは困難であった。また、正確な検査を行うためには検査精度の高い測定装置が必要となり、非常に高価な測定装置を用いなければならなかった。
【0005】
そこで、被測定信号間の微小な位相差を直流電圧に変換し、この直流電圧値により位相差を検出する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
被測定信号間の微小な位相差を直流電圧に変換する従来の位相差電圧変換回路の構成を図9に示す。この従来の位相差電圧変換回路は、入力信号CKIN1を所定の時間遅延して出力する遅延回路91と、入力信号CKIN0がデータ端子Dに入力され、入力信号CKIN1が遅延回路91を介してクロック端子に入力されるDフリップフロップ92と、Dフリップフロップ92の出力端子に接続されるローパスフィルタ93とからなり、Dフリップフロップ92の出力信号をローパスフィルタ93により直流電圧に変換して出力端子OUTから出力するよう構成されている。また、遅延回路91の遅延時間はDフリップフロップ92の最小セットアップタイムTsetupと等しく設定される。
【0006】
続いて、この従来の位相差電圧変換回路の動作について説明する。入力信号CKIN0とCKIN1の位相差をΔT、Dフリップフロップ92の出力端子の初期電位状態をLレベルとすると、
▲1▼ΔT≫0の場合
Dフリップフロップ92のデータ端子Dの電位がHレベルに変化してから、クロック端子の電位がHレベルに変化するまでの時間が、Dフリップフロップ92の最小セットアップタイムTsetupより十分長いので、Dフリップフロップ92の出力端子の電位はHレベルとなり、結果、出力端子OUTの電位もHレベルとなる。
【0007】
▲2▼ΔT≪0の場合
Dフリップフロップ92の出力端子の電位はLレベルとなり、結果、出力端子OUTの電位もLレベルとなる。
【0008】
▲3▼ΔT≒0の場合
Dフリップフロップ92の出力端子の電位は、一定期間、HレベルとLレベルの中間レベル(メタステーブルと称される。)になり、ローパスフィルタ93から位相差に比例した平均電圧を得る。
【0009】
このように、この従来の位相差電圧変換回路によれば、被測定信号間の微小な位相差(ΔT≒0の場合)に比例した直流電圧を得ることができ、この直流電圧値により被測定信号間の微小な位相差(ΔT≒0の場合)を検出することが可能となる。
【0010】
しかしながら、この従来の位相差電圧変換回路においては、製造ばらつき等の面から遅延回路の遅延時間をDフリップフロップの最小セットアップタイムTsetupと等しく設定することが困難であるという問題があった。
【0011】
また、製造ばらつき等により、Dフリップフロップの最小セットアップタイムTsetupの実際値や、クロック信号を受けてから出力が変化するまでの時間(立ち上がり時間、立ち下がり時間)の実際値に設計時の目標値との差が生じた場合、被測定信号間の位相差が微小であるほど、測定精度が悪化するという問題があった。
【0012】
また、前述した▲1▼、▲2▼の場合のように、位相差が最小セットアップタイムTsetupに対して十分大きい場合には、出力電圧はHレベルまたはLレベルとなるだけであり、具体的に位相差がどれだけになるのかまでは判定できないという問題があった。
【0013】
【特許文献1】
特開平8−191246号公報(第5−8頁、第1図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、被測定信号と当該被測定信号に同期する(位相差が一定の)基準信号との位相差に対応する直流電圧を出力することにより、被測定信号間の位相差の測定が、観測プローブを介してオシロスコープ等の測定器で直接観測することなく、直流電圧値により可能となる位相差測定回路、および位相差測定方法を提供することを目的とする。
【0015】
また、入力信号を遅延して出力する遅延調整手段と、この遅延調整手段から出力される遅延信号と入力信号の2つの信号それぞれと入力信号と同期する基準信号との間の位相差にそれぞれ対応する直流電圧を出力する本発明に係る位相差測定回路と、この位相差測定回路から出力される直流電圧の差分電圧値(遅延信号と入力信号の位相差)と基準電圧値(所望の位相差)を比較する比較手段とにてフィードバックループを構成し、上記差分電圧値と基準電圧値の差を遅延調整手段へフィードバックすることにより、入力信号と所望の位相差となる信号を出力することが可能となる位相差調整回路を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の位相差測定回路は、入力信号がクロック端子に入力され、リセットパルス信号がリセット端子に入力され、かつ出力端子の電位が前記入力信号により変化し前記リセットパルス信号により元に戻るフリップフロップと、前記入力信号と同期する基準信号を基に前記リセットパルス信号を生成するリセットパルス生成手段と、前記フリップフロップの出力端子から出力される出力信号を直流電圧に平滑化する平滑化手段とを備え、前記入力信号と前記基準信号の位相差に対応する直流電圧を出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項2記載の位相差測定回路は、請求項1記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップの出力端子の電位がHレベルのときに出力される信号に対応する信号と、前記フリップフロップの出力端子の電位がLレベルのときに出力される信号に対応する信号とを前記平滑化手段へ入力する手段を備え、前記入力信号と前記基準信号の位相差に対応する直流電圧と、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧とを出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項3記載の位相差測定回路は、請求項1記載の位相差測定回路であって、複数の入力端子を有し前記複数の入力端子に入力される信号の中から前記フリップフロップのクロック端子へ入力する前記入力信号を切り替えるセレクタを備え、前記セレクタにより切り替えて入力される前記入力信号ごとに、前記基準信号との位相差に対応する直流電圧を出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項4記載の位相差測定回路は、請求項3記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップの出力端子の電位がHレベルのときに出力される信号に対応する信号と、前記フリップフロップの出力端子の電位がLレベルのときに出力される信号に対応する信号とを前記平滑化手段へ入力する手段を備え、前記セレクタにより切り替えて入力される前記入力信号ごとに、前記基準信号との位相差に対応する直流電圧を出力し、且つ、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧とを出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項5記載の位相差測定方法は、請求項4記載の位相差測定回路を用いて、前記セレクタにより切り替えて入力される前記入力信号ごとに、出力される前記基準信号との位相差に対応する直流電圧間の差分電圧値を求め、且つ、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧値と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧値とを求め、これらの電圧値を基に、前記セレクタにより切り替えて入力される前記入力信号のうちの任意の信号間の位相差を算出することを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項6記載の位相差測定回路は、請求項1記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップを複数備えるとともに、前記フリップフロップごとに前記平滑化手段を備え、前記フリップフロップそれぞれのリセット端子に同一の前記リセットパルス信号を入力し、前記フリップフロップそれぞれのクロック端子に入力される前記入力信号それぞれと前記基準信号との位相差にそれぞれ対応する直流電圧を出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項7記載の位相差測定回路は、請求項6記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップの出力端子の電位がHレベルのときに出力される信号に対応する信号と、前記フリップフロップの出力端子の電位がLレベルのときに出力される信号に対応する信号とを前記平滑化手段へ入力する手段を備え、前記入力信号と前記基準信号の位相差に対応する直流電圧と、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧とを出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項8記載の位相差測定方法は、請求項7記載の位相差測定回路を用いて、前記フリップフロップごとに出力される前記入力信号と前記基準信号との位相差に対応する直流電圧間の差分電圧値を求め、且つ、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧値と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧値を求め、これらの電圧値を基に、前記フリップフロップそれぞれのクロック端子に入力される前記入力信号のうちの任意の信号間の位相差を算出することを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項9記載の位相差測定回路は、請求項1記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップを複数備えるとともに、前記フリップフロップそれぞれの出力端子から出力される各出力信号を切り替えて前記平滑化手段へ出力するセレクタを備え、前記フリップフロップそれぞれのリセット端子に同一の前記リセットパルス信号を入力し、前記フリップフロップそれぞれのクロック端子に入力される前記入力信号ごとに、前記基準信号との位相差に対応する直流電圧を出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項10記載の位相差測定回路は、請求項9記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップの出力端子の電位がHレベルのときに出力される信号に対応する信号と、前記フリップフロップの出力端子の電位がLレベルのときに出力される信号に対応する信号とを前記平滑化手段へ入力する手段を備え、前記入力信号と前記基準信号の位相差に対応する直流電圧と、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧とを出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項11記載の位相差測定方法は、請求項10記載の位相差測定回路を用いて、前記フリップフロップごとに出力される前記入力信号と前記基準信号との位相差に対応する直流電圧間の差分電圧値を求め、且つ、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧値と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧値を求め、これらの電圧値を基に、前記フリップフロップそれぞれのクロック端子に入力される前記入力信号のうちの任意の信号間の位相差を算出することを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項12記載の位相差調整回路は、入力信号を遅延することによりこの入力信号と所望の位相差となる遅延信号を出力する遅延調整手段と、前記入力信号と前記遅延信号の2つの信号それぞれと前記入力信号と同期する基準信号との位相差にそれぞれ対応する直流電圧を出力する請求項6記載の位相差測定回路と、前記請求項6記載の位相差測定回路から出力される2つの直流電圧間の差分電圧と前記所望の位相差から換算した基準電圧とを比較しその結果を基に前記遅延調整手段を制御する制御信号を出力する比較手段とを備え、前記遅延調整手段は、前記比較手段の出力した制御信号により、前記入力信号と前記遅延信号の位相差を所望の位相差に調整することを特徴とする。
【0028】
本発明の請求項13記載の位相差調整回路は、請求項12記載の位相差調整回路であって、前記遅延調整手段を複数直列に接続し、前記比較手段が出力する前記制御信号が前記遅延調整手段それぞれに入力され、前記遅延調整手段それぞれから前記遅延信号を得ることを特徴とする。
【0029】
以上のように、本発明の位相差測定回路、および位相差測定方法によれば、被測定信号(入力信号)と当該被測定信号に同期する(位相差が一定の)基準信号との位相差に対応する直流電圧を出力することにより、被測定信号間の位相差の測定が、観測プローブを介してオシロスコープ等の測定器で直接観測することなく、直流電圧により可能となる。
【0030】
また、本発明の位相差調整回路によれば、入力信号と所望の位相差となる信号を出力することが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による実施の形態について図面を参照して説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしも以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0032】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1における位相差測定回路のブロック図である。
図1において、11は基準信号CKREFの立ち上がりエッジを検出してリセットパルス信号RSTを生成するリセットパルス生成手段である。後述するように、基準信号CKREFは被測定信号に同期する信号(位相差が一定の信号)であり、リセットパルス信号RSTはフリップフロップをリセットするための信号である。
【0033】
また、12、13は入力信号がクロック端子に入力され、リセットパルス生成手段11の生成するリセットパルス信号RSTが非同期リセット端子R(以下、単にリセット端子Rと称す。)に入力され、データ端子Dの電位がHレベルに固定されるフリップフロップであり、入力信号として、フリップフロップ12には第1の被測定信号CKIN1が入力され、フリップフロップ13には第2の被測定信号CKIN2が入力される。
【0034】
また、14、15はフリップフロップ12、13の出力端子Q、フリップフロップ12、13の電源端子、フリップフロップ12、13のグランド端子の3端子のうちのいずれかを選択する選択スイッチである。また、16、17はそれぞれ選択スイッチ14、15に接続される平滑化手段であり、選択スイッチ14、15により選択された端子からの信号を直流電圧に平滑化して出力する。
【0035】
フリップフロップの動作について説明する。フリップフロップの出力端子Qの初期電位状態をLレベルとすると、被測定信号の立ち上がりエッジによりフリップフロップの出力端子Qの電位はHレベルに変化する。また基準信号CKREFの立ち上がりエッジを検出して生成されるリセットパルス信号RSTがリセット端子Rに入力されるとフリップフロップの出力端子Qの電位はLレベルに戻る。このように動作することにより、被測定信号と基準信号が同期する場合には、被測定信号と基準信号の立ち上りエッジ間の位相差(遅延時間)に比例する直流電圧を得ることができる。
【0036】
また、本実施の形態1では、フリップフロップの出力端子Qの電位がHレベル及びLレベルのときに出力される信号に対応する信号を平滑化手段へ入力する手段として、選択スイッチを備えている。つまり、出力端子Qの電位がHレベルのときに出力される信号に対応する信号を平滑化手段へ入力するときには、フリップフロップの電源端子を接続し、Lレベルのときに出力される信号に対応する信号を平滑化手段へ入力するときにはフリップフロップのグランド端子を接続する構成となっている。この選択スイッチを切り替えることにより、被測定信号と基準信号の立ち上りエッジ間の位相差(遅延時間)に比例する直流電圧を得るとともに、フリップフロップの出力端子Qの電位がHレベル及びLレベルのときの電位に対応する電位の直流電圧、ここでは電位が上記Hレベル及び上記Lレベルとなる直流電圧VHigh、VLowを得ることができる。
【0037】
本実施の形態1の位相差測定回路は、各フリップフロップ12、13ごとに平滑化手段を備え、各フリップフロップ12、13のリセット端子Rに同一のリセットパルス信号RSTが入力される構成となっており、各被測定信号の立ち上りエッジそれぞれと基準信号の立ち上りエッジとの間の位相差(遅延時間)に比例する直流電圧V1、V2を得るとともに、電位が上記Hレベル及び上記Lレベルとなる直流電圧VHigh、VLowを得ることができる。
【0038】
図2は位相差測定回路の動作を説明するためのタイムチャートを示す図である。被測定信号CKIN1、CKIN2の周期は一定で等しいものであるとし、その位相差をΔTとする。また、基準信号CKREFは被測定信号CKIN1、CKIN2と同期した信号とする。つまり、被測定信号CKIN1、CKIN2、基準信号CKREFの周期は一定で等しく、各信号間の位相差も一定である。また、フリップフロップ12、13の出力端子Qの初期電位状態をLレベルとする。
【0039】
フリップフロップ12、13は、被測定信号CKIN1、CKIN2の立ち上がりエッジを検出すると、出力信号Q1、Q2の電位を遅延時間(立ち上り時間)TrでLレベルからHレベルに変化させる。
【0040】
リセットパルス生成手段11は基準信号CKREFの立ち上がりエッジに同期してリセットパルス信号RSTを生成する。フリップフロップ12、13はこのリセットパルス信号RSTによりリセットし、出力信号Q1、Q2の電位を遅延時間(立ち下がり時間)TfでHレベルからLレベルに変化させる。
【0041】
ここで、被測定信号CKIN1、CKIN2、基準信号CKREFの周期をT、出力信号Q1、Q2の1周期のうちの電位がHレベルの期間をそれぞれT1、T2とする。
【0042】
同種の回路素子間における性能の個体ばらつきは無視できるほど小さいとすると、選択スイッチ14、15によりフリップフロップ12、13の出力端子Qが選択されているときの直流電圧V1、V2は、以下の式で表される。すなわち、V1に関しては、
V1×T=Tr(VHigh−VLow)/2+Tf(VHigh−VLow)/2+T1(VHigh−VLow)+VLow×T
となるので、これを変形して、
V1×T=(Tr+Tf+2T1)(VHigh−VLow)/2+VLow×T
V1=(Tr+Tf+2T1)(VHigh−VLow)/2T+VLow・・・(1)
となる。同様にして、V2は
V2=(Tr+Tf+2T2)(VHigh−VLow)/2T+VLow・・・(2)
となる。つまり、当該位相差測定回路によれば、被測定信号の立ち上がりエッジと基準信号の立ち上がりエッジ間の位相差(遅延時間)に比例する直流電圧を得ることが可能となる。
【0043】
以下、当該位相差測定回路の位相差測定方法について図1、図2を参照しながら説明する。まず基準信号CKREFとして、周期が一定で等しく、被測定信号CKIN1、CKIN2と同期する信号を与える。このとき基準信号CKREFは、基準信号CKREFにより生成されるリセットパルス信号RSTの電位がLレベルである間に被測定信号CKIN1、CKIN2の立ち上がりエッジがこないようにタイミングを調整される。
【0044】
次に、選択スイッチ13、14を切り替えることで、フリップフロップの電源電圧すなわち直流電圧VHigh、フリップフロップのグランド電圧すなわち直流電圧VLow、および出力信号Q1、Q2を平滑化した電圧V1、V2を測定する。直流電圧VHigh及びVLowの測定は、配線抵抗とそれを流れる電流とにより発生する電圧降下により、直流電圧VHigh及びVLowの実際値が共通電源電圧および共通グランド電圧と異なるために行う。直流電圧VHigh及びVLowを測定することにより、後述する位相差算出において精度を向上させることができる。
【0045】
前述した(1)、(2)式により
となる。ここで、図2より、被測定信号CKIN1、CKIN2の立上りエッジ間の時間差ΔTは、
ΔT=(T1+Tr+Tf)−(T2+Tr+Tf)=T1−T2
となり、これを用いて(3)式を整理すると
ΔT/T=ΔV/(VHigh−VLow)・・・(4)
となる。被測定信号CKIN1に対する被測定信号CKIN2の位相差遅れをθ[rad]とすると、
となる。この(5)式の項には、立ち上り時間Trや立ち下がり時間Tfに関する項がないため製造ばらつき等により生じる立ち上り時間Trや立ち下がり時間Tfの差異に影響されず、測定したV1、V2、VHigh、VLowを(5)式に代入することにより、位相差遅れθを正確に算出することができる。また(4)式を変形して、
ΔT=(ΔV×T)/(VHigh−VLow)・・・(6)
とすれば、周期Tが既知である場合にはΔT[s]を求めることができる。
【0046】
このように、本実施の形態1による位相差測定回路、およびそれを用いた位相差測定方法によれば、基準信号CKREFと被測定信号CKIN1、CKIN2間の位相差に比例した直流電圧V1、V2と、フリップフロップの出力端子Qの電位がHレベル及びLレベルのときの電位に対応する直流電圧VHigh及びVLowを測定し、それらを基に被測定信号CKIN1、CKIN2間の位相差を算出することが可能となる。これにより、観測プローブを介してオシロスコープ等の測定器で直接に観測することなく、製造ばらつき等による影響を抑えて精度よく被測定信号CKIN1、CKIN2間の位相差を算出することが可能となる。
【0047】
なお、本実施の形態1では被測定信号として被測定信号CKIN1、CKIN2の2信号を扱う場合を例に説明したが、無論、これに限定されるものではなく、入力信号数は任意に設定できる。被測定信号数がN本の場合には、フリップフロップをN個にし、各被測定信号と基準信号との位相差に比例する直流電圧Vn(n=1〜N)を測定すれば、任意の被測定信号間の位相差を算出することができる。
【0048】
また、本実施の形態1では立ち上がりエッジで動作するフリップフロップを利用しているために、被測定信号間の立ち上がりエッジ同士の位相差について測定を行っているが、立ち下がりエッジで動作するフリップフロップを利用したり、クロック端子の入力に反転素子を挿入するなどして立ち下がりエッジ同士の位相差を測定することもできる。さらに、反転素子、立ち上がりエッジで動作するフリップフロップ、立ち下がりエッジで動作するフリップフロップを組み合わせることにより、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの任意の組み合わせで被測定信号間の位相差を測定することが可能となる。
【0049】
また、本実施の形態1では、各フリップフロップに共通のリセットパルス生成手段を接続する構成としたが、無論、各フリップフロップごとに独立したリセットパルス生成手段を用いてもよい。
【0050】
また、各フリップフロップごとに平滑化手段を設けたが、各フリップフロップからの出力信号を入力信号とするセレクタを用いて平滑化手段を共通のものとする構成にしてもよい。
【0051】
また、各フリップフロップごとに選択スイッチを設けたが、例えば、あるフリップフロップのみに設け、この選択スイッチにより得た直流電圧VHigh及びVLowを用いるようにしてもよい。
【0052】
(実施の形態2)
続いて、本実施の形態2による位相差測定回路について説明する。図3は本実施の形態2における位相差測定回路のブロック図である。なお、前述した実施の形態1と同じ構成を有する部材には同一の番号を付記して、説明を省略する。
【0053】
図3において、31は複数の入力端子を有し、これらの入力端子に入力される被測定信号の中からフリップフロップ12のクロック端子へ入力する入力信号を切り替えるセレクタであり、ここでは、第1の被測定信号CKIN1と第2の被測定信号CKIN2が入力され、選択信号により出力が切り替えられる。
【0054】
図4は位相差測定回路の動作を説明するためのタイムチャートを示す図であり、図4(A)はセレクタ31の出力として被測定信号CKIN1が選択されたときのフリップフロップ14からの出力信号Q1を示し、図4(B)はセレクタ31の出力として被測定信号CKIN2が選択されたときのフリップフロップ14からの出力信号Q2を示している。出力信号Q1を平滑化した直流電圧をV1とし、出力信号Q2を平滑化した直流電圧をV2とすると、実施の形態1で説明したように、V1、V2は
V1=(Tr+Tf+2T1)(VHigh−VLow)/2T+VLow・・・(1)
V2=(Tr+Tf+2T2)(VHigh−VLow)/2T+VLow・・・(2)
となる。
【0055】
以下、当該位相差測定回路の位相差測定方法について図3、図4を参照しながら説明する。まず基準信号CKREFとして、周期が一定で等しく、被測定信号CKIN1、CKIN2と同期する信号を与える。
【0056】
次に、選択スイッチ14を切り替えることで、フリップフロップの電源電圧すなわち直流電圧VHigh、フリップフロップのグランド電圧すなわち直流電圧VLowを測定し、選択信号によりセレクタの出力を切り替えることで出力信号Q1、Q2を平滑化した電圧V1、V2を測定する。
【0057】
実施の形態1と同様に、被測定信号CKIN1に対する被測定信号CKIN2の位相差遅れは、
θ=(ΔV×π)/(VHigh−VLow)・・・(5)
となる。また、
ΔT=(ΔV×T)/(VHigh−VLow)・・・(6)
とすれば、周期Tが既知である場合には被測定信号CKIN1、CKIN2の立ち上がりエッジ間の時間差ΔT[s]を求めることができる。
【0058】
このように、本実施の形態2による位相差測定回路、およびそれを用いた位相差測定方法によれば、実施の形態1と同様に、基準信号CKREFと被測定信号CKIN1、CKIN2間の位相差に比例した直流電圧V1、V2と、フリップフロップの出力端子Qの電位がHレベル及びLレベルのときの電位に対応する直流電圧VHigh及びVLowを測定し、それらを基に被測定信号CKIN1、CKIN2間の位相差を算出することが可能となる。これにより、観測プローブを介してオシロスコープ等の測定器で直接に観測することなく、製造ばらつき等による影響を抑えて精度よく被測定信号CKIN1、CKIN2間の位相差を算出することが可能となる。
【0059】
また、被測定信号数が増加した場合は、セレクタの入力信号と選択信号が増加するだけであり、フリップフロップ、選択スイッチ、平滑化手段、リセットパルス生成手段は各1個あれば実現することができるので、回路面積的に有効な位相差測定回路を実現できる。
【0060】
なお、本実施の形態2では被測定信号として被測定信号CKIN1、CKIN2の2信号を扱う場合を例に説明したが、無論、これに限定されるものではなく、入力信号数は任意に設定できる。被測定信号数がN本の場合には、セレクタをN入力に変更し、各被測定信号と基準信号との位相差に比例する直流電圧Vn(n=1〜N)を測定すれば、任意の被測定信号間の位相差を算出することができる。
【0061】
また、本実施の形態2では立ち上がりエッジで動作するフリップフロップを利用しているために、被測定信号間の立ち上がりエッジ同士の位相差について測定を行っているが、立ち下がりエッジで動作するフリップフロップを利用したり、クロック端子の入力に反転素子を挿入したり、セレクタの入力に反転素子を挿入するなどして立ち下がりエッジ同士の位相差を測定することもできる。さらに、反転素子と、立ち上がりエッジで動作するフリップフロップもしくは立ち下がりエッジで動作するフリップフロップとの組み合わせにより、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの任意の組み合わせで被測定信号間の位相差を測定することが可能となる。
【0062】
続いて、実施の形態1及び2の構成要素であるリセットパルス生成手段と平滑化手段の具体的な構成例について説明する。
図5は実施の形態1及び2によるリセットパルス生成手段の構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、当該リセットパルス生成手段はフリップフロップ51と反転素子52から構成される。反転素子52はフリップフロップの出力を反転し、出力信号としてリセットパルス信号RSTを出力する。また、フリップフロップ51は、データ端子Dの電位がHレベルに固定され、基準信号CKREFがクロック端子に入力され、反転素子52から出力されるリセットパルス信号RSTが非同期リセット端子R(以下、単にリセット端子Rと称す。)に入力される。
【0063】
フリップフロップ51の出力端子Qの初期電位状態をLレベルとすると、リセットパルス信号RSTの初期電位状態はHレベルとなる。基準信号CKREFの立ち上がりエッジによりリセットパルス信号RSTの電位はLレベルとなるが、それに応じてフリップフロップ51は遅延時間Trstを経てリセットされ、結果としてリセットパルス信号RSTの電位はHレベルに変化する。ここで遅延時間Trstは、フリップフロップ51のリセット端子Rの電位がLレベルに変化してから、フリップフロップの出力端子Qの電位がLレベルに変化するまでの遅延時間である。すなわちリセットパルス生成手段は、通常は電位がHレベルであり、基準信号CKREFの立ち上がりエッジに同期して遅延時間Trstの期間電位がLレベルとなるパルス信号を出力する。
【0064】
なお、図5においてはフリップフロップと反転素子を組み合わせた回路を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の論理素子を組み合わせて同様のパルス信号を生成するようにしても無論よい。
【0065】
図6は実施の形態1及び2による平滑化手段の構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、平滑化手段は、抵抗Rと容量Cにより構成される公知な1次のローパルフィルタである。なお、無論、平滑化手段はこれに限定されるものではなく、例えば、多次のRCフィルタやオペアンプ等で構成されるローパスフィルタを使用してもかまわない。
【0066】
なお、本実施の形態1及び2による位相差測定回路は、被測定回路(例えばLSI等。)内部にテスト回路として組み込んでもよいし、LSIテスタ等の検査装置に組み込んで用いるようにしてもよい。
【0067】
(実施の形態3)
続いて、本実施の形態3による位相差調整回路について説明する。図7は本実施の形態3における位相差調整回路のブロック図である。
【0068】
図7において、71は入力信号CKINを遅延することによりこの入力信号CKINと所望の位相差となる遅延信号CKOUT0(入力信号CKINから所望の時間遅れた遅延信号CKOUT0)を出力する遅延調整手段である。72は入力信号である遅延信号CKOUT0を遅延することによりこの遅延信号CKOUT0と所望の位相差となる遅延信号CKOUT1(遅延信号CKOUT0から所望の時間遅れた遅延信号CKOUT1)を出力する遅延調整手段である。73は入力信号である遅延信号CKOUT1を遅延することによりこの遅延信号CKOUT1と所望の位相差となる遅延信号CKOUT2(遅延信号CKOUT1から所望の時間遅れた遅延信号CKOUT2)を出力する遅延調整手段である。このように本実施の形態3では、遅延調整手段が3つ直列に接続されている。
【0069】
また、74、75は、前述した実施の形態1と同様に、入力信号がクロック端子に入力され、リセットパルス信号RSTが非同期リセット端子R(以下、単にリセット端子Rと称す。)に入力され、データ端子Dの電位がHレベルに固定されるフリップフロップであり、入力信号として、フリップフロップ74には遅延信号CKOUT0が入力され、フリップフロップ75には入力信号CKINが入力される。
【0070】
また、76、77は、前述した実施の形態1と同様に、フリップフロップ74、75からの出力信号Q1、Q2を直流電圧に平滑化する平滑化手段である。
また、78は、前述した実施の形態1と同様に、基準信号CKREFの立ち上がりエッジを検出してリセットパルス信号RSTを生成するリセットパルス生成手段であり、前述した実施の形態1と同様に、基準信号CKREFは入力信号CKINに同期する信号(位相差が一定の信号)である。また、入力信号CKINの位相を遅らせた遅延信号CKOUT0は、入力信号CKINと同期するので、基準信号CKREFは遅延信号CKOUT0にも同期する。
【0071】
また、79は平滑化手段76、77から出力される直流電圧V1、V2の差分電圧ΔVと基準電圧VREFとを比較し、この比較結果を基に前述した各遅延調整手段71〜73を制御する制御信号CTRLを出力する比較手段である。制御信号CTRLは、遅延調整手段71〜73の遅延量制御端子へ入力され、遅延調整手段71〜73の遅延量を制御し、各遅延調整手段からそれぞれの入力信号と所望の位相差となる遅延信号が出力されるようにする。
【0072】
図7に示すように、フリップフロップ74、75、平滑化手段76、77、リセットパルス生成手段78は、前述した実施の形態1の位相差測定回路と同様に構成されており、入力信号CKINと遅延信号CKOUT0の2つの信号それぞれと基準信号CKREFとの間の位相差に対応する直流電圧V1、V2を得ることができる。
【0073】
次に、当該位相差調整回路の動作について説明する。遅延調整手段71、72、73は入力信号を遅延時間ΔTだけ遅延させて出力するものであり、そのΔTは遅延量制御端子へ入力される制御信号CTRLにより制御される。基準信号CKREFとしては、周期Tが一定で等しく、且つ入力信号CKINと同期となる信号が与えられる。このとき基準信号CKREFは、基準信号CKREFにより生成されるリセットパルス信号RSTの電位がLレベルである間に入力信号CKINと遅延信号CKOUT0の立ち上がりエッジがこないようにタイミングを調整される。
【0074】
実施の形態1で説明したように、入力信号CKINと入力信号CKINを遅延調整手段71により遅延時間ΔTだけ遅延した遅延信号CKOUT0の2つの信号それぞれと基準信号CKREFとの間の位相差に対応する直流電圧V1、V2を得ることができる。
【0075】
比較手段78は、この直流電圧V1、V2の差分電圧ΔV=V1−V2と基準電圧VREFの比較動作を行う。基準電圧VREFとは、入力信号CKINと遅延信号CKOUT0間に設定したい所望の遅延時間差ΔTもしくは位相差θを電圧値に換算した値であり、実施の形態1で説明した(5)、(6)式を基に算出できる。
【0076】
比較手段78は、差分電圧ΔVが基準電圧VREFより大きい場合には遅延調整手段71の遅延量を小さくする制御信号CTRLを出力し、逆に基準電圧VREFのほうが大きい場合には遅延調整手段71の遅延量を大きくする制御信号CTRLを出力し、遅延調整手段71にフィードバックすることで入力信号CKINと遅延信号CKOUT間の遅延時間ΔT(位相差)を所望の値に調整する。また、遅延調整手段71、72、73が同一性能であるとすると、制御信号CTRLを遅延調整手段72、73に対しても共通に入力することで、遅延信号CKOUT0と遅延信号CKOUT1との間の遅延時間差、並びに遅延信号CKOUT1と遅延信号CKOUT2との間の遅延時間差をΔTに設定することができる。
【0077】
このように、本実施の形態3による位相差調整回路によれば、入力信号を遅延して出力する遅延調整手段と、この遅延調整手段から出力される遅延信号と入力信号の2つの信号それぞれと入力信号と同期する基準信号との間の位相差にそれぞれ比例する直流電圧を出力する位相差測定回路と、この位相差測定回路から出力される直流電圧の差分電圧値(遅延信号と入力信号の位相差もしくは遅延差)と基準電圧値(所望の位相差もしくは遅延差)を比較する比較手段とにてフィードバックループを構成し、上記差分電圧値と基準電圧値の差を遅延調整手段へフィードバックすることにより、入力信号CKINと所望の位相差となる信号CKOUT0(入力信号CKINから所望の時間ΔT遅れた信号CKOUT0)を得ることができる。さらに、遅延量調整の制御信号CTRLを共通にすることで、遅延信号CKOUT0と所望の位相差となる信号CKOUT1(遅延信号CKOUT0から所望の時間ΔT遅れた信号CKOUT1)を得ることができる。同様に、遅延信号CKOUT1と所望の位相差となる信号CKOUT2(遅延信号CKOUT1から所望の時間ΔT遅れた信号CKOUT2)を得ることができる。
【0078】
これにより、入力信号CKINに同期であり、かつ周期が等しく位相が時間ΔT分ずれた多相の信号を得ることができる。
なお、本実施の形態3では遅延信号として遅延信号CKOUT0、CKOUT1、CKOUT2の3信号の場合を例示しているが、無論、これに限定されるものではなく、遅延調整手段を直列に追加することで遅延信号数を任意に設定できる。
【0079】
続いて、実施の形態3の構成要素である遅延調整手段の具体的な構成例について説明する。図8は実施の形態3による遅延調整手段の構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、当該遅延手段は、非反転素子81および電流源82からなり、非反転素子81の電源供給端子に電流源82が接続されている。入力端子INに入力された信号は遅延して出力端子OUTから出力されることになるが、その遅延時間は電流源82に流れる電流量で制御される。すなわち、電流量が多ければ遅延時間は短くなり、電流量が少なければ遅延時間は長くなる。
【0080】
なお、図8に示す構成においては非反転素子を使用しているが、反転素子でもかまわない。また電流源の接続箇所もグランド端子でもかまわないし、電源供給端子とグランド端子の両方に接続してもかまわない。また、非反転素子もしくは反転素子を直列にN段つなぎ、それぞれの素子の出力信号をセレクタに入力して、セレクタにより各入力信号を選択して遅延量を調節するといった構成でもかまわない。
【0081】
【発明の効果】
以上のように、本発明の位相差測定回路、および位相差測定方法によれば、被測定信号間の位相差の測定が、観測プローブを介してオシロスコープ等の測定器で直接観測することなく、直流電圧により可能となる。また、被測定信号と当該被測定信号に同期する基準信号との位相差に対応する直流電圧と、フリップフロップの出力端子の電位がHレベルのときの電位に対応する直流電圧VHighと、フリップフロップの出力端子の電位がLレベルのときの電位に対応する直流電圧VLowとを基に、製造ばらつき等による影響を抑えて精度良く被測定信号間の位相差を算出することが可能となる。
【0082】
また、本発明の位相差調整回路によれば、入力信号と所望の位相差となる信号を出力することが可能となる。さらに、入力信号に対して同期し、かつ周期が一定で所望する位相だけずれた多相の信号を生成することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における位相差測定回路のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における位相差測定回路の動作を説明するためのタイムチャートを示す図
【図3】本発明の実施の形態2における位相差測定回路のブロック図
【図4】本発明の実施の形態2における位相差測定回路の動作を説明するためのタイムチャートを示す図
【図5】本発明の実施の形態1乃至3におけるリセットパルス生成手段の構成の一例を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態1乃至3における平滑化手段の構成の一例を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態3における位相差調整回路のブロック図
【図8】本発明の実施の形態3における遅延調整手段の構成の一例を示すブロック図
【図9】従来の位相差測定回路のブロック図
【符号の説明】
11 リセットパルス生成手段
12、13 フリップフロップ
14、15 選択スイッチ
16、17 平滑化手段
31 セレクタ
51 フリップフロップ
52 反転素子
71、72、73 遅延調整手段
74、75 フリップフロップ
76、77 平滑化手段
78 リセットパルス生成手段
79 比較手段
81 非反転素子
82 電流源
91 遅延回路
92 フリップフロップ
93 ローパスフィルタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定信号間の位相差を測定するための位相差測定回路、位相差測定方法、およびそれらを適用可能である位相差調整回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被測定回路内部を流れる信号間の位相差(遅延差)の測定は、被測定回路からその測定したい各信号を出力させ、観測プローブを介してオシロスコープ等の測定器に入力することにより行っていた。
【0003】
しかしながら、観測プローブを用いる測定では、観測プローブの製造ばらつきや保存状態による個体差が被測定回路から出力させた各信号に付加されるため、実際の位相差を正確に測定することは困難であった。また、被測定回路内部での位相差を保ちながら被測定回路外部へ各信号を出力させる必要があり、さらにオシロスコープまでの経路においてもその位相差を保つ必要があるため、信号経路の負荷をそろえるなどの注意をはらわなければならず、特に位相差が微小な場合([ps]オーダー)、測定に大変な手間がかかるという問題があった。また、被測定回路からその測定したい各信号を出力させ、オシロスコープ等の測定器に入力して行う測定では、その測定したい信号の周波数が高い場合(数百MHzオーダー)、測定器の性能限界や被測定回路の出力限界等により測定することが不可能なことがあった。
【0004】
また、LSIテスタ等の検査装置を用い、被測定回路であるLSI内部の信号間の位相差が所定の規格範囲内に収まっているか否か等を検査する場合においても、被測定信号の周波数が高いほど、またはその位相差が小さいほど、正確な位相差の測定を行うことは困難であった。また、正確な検査を行うためには検査精度の高い測定装置が必要となり、非常に高価な測定装置を用いなければならなかった。
【0005】
そこで、被測定信号間の微小な位相差を直流電圧に変換し、この直流電圧値により位相差を検出する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
被測定信号間の微小な位相差を直流電圧に変換する従来の位相差電圧変換回路の構成を図9に示す。この従来の位相差電圧変換回路は、入力信号CKIN1を所定の時間遅延して出力する遅延回路91と、入力信号CKIN0がデータ端子Dに入力され、入力信号CKIN1が遅延回路91を介してクロック端子に入力されるDフリップフロップ92と、Dフリップフロップ92の出力端子に接続されるローパスフィルタ93とからなり、Dフリップフロップ92の出力信号をローパスフィルタ93により直流電圧に変換して出力端子OUTから出力するよう構成されている。また、遅延回路91の遅延時間はDフリップフロップ92の最小セットアップタイムTsetupと等しく設定される。
【0006】
続いて、この従来の位相差電圧変換回路の動作について説明する。入力信号CKIN0とCKIN1の位相差をΔT、Dフリップフロップ92の出力端子の初期電位状態をLレベルとすると、
▲1▼ΔT≫0の場合
Dフリップフロップ92のデータ端子Dの電位がHレベルに変化してから、クロック端子の電位がHレベルに変化するまでの時間が、Dフリップフロップ92の最小セットアップタイムTsetupより十分長いので、Dフリップフロップ92の出力端子の電位はHレベルとなり、結果、出力端子OUTの電位もHレベルとなる。
【0007】
▲2▼ΔT≪0の場合
Dフリップフロップ92の出力端子の電位はLレベルとなり、結果、出力端子OUTの電位もLレベルとなる。
【0008】
▲3▼ΔT≒0の場合
Dフリップフロップ92の出力端子の電位は、一定期間、HレベルとLレベルの中間レベル(メタステーブルと称される。)になり、ローパスフィルタ93から位相差に比例した平均電圧を得る。
【0009】
このように、この従来の位相差電圧変換回路によれば、被測定信号間の微小な位相差(ΔT≒0の場合)に比例した直流電圧を得ることができ、この直流電圧値により被測定信号間の微小な位相差(ΔT≒0の場合)を検出することが可能となる。
【0010】
しかしながら、この従来の位相差電圧変換回路においては、製造ばらつき等の面から遅延回路の遅延時間をDフリップフロップの最小セットアップタイムTsetupと等しく設定することが困難であるという問題があった。
【0011】
また、製造ばらつき等により、Dフリップフロップの最小セットアップタイムTsetupの実際値や、クロック信号を受けてから出力が変化するまでの時間(立ち上がり時間、立ち下がり時間)の実際値に設計時の目標値との差が生じた場合、被測定信号間の位相差が微小であるほど、測定精度が悪化するという問題があった。
【0012】
また、前述した▲1▼、▲2▼の場合のように、位相差が最小セットアップタイムTsetupに対して十分大きい場合には、出力電圧はHレベルまたはLレベルとなるだけであり、具体的に位相差がどれだけになるのかまでは判定できないという問題があった。
【0013】
【特許文献1】
特開平8−191246号公報(第5−8頁、第1図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、被測定信号と当該被測定信号に同期する(位相差が一定の)基準信号との位相差に対応する直流電圧を出力することにより、被測定信号間の位相差の測定が、観測プローブを介してオシロスコープ等の測定器で直接観測することなく、直流電圧値により可能となる位相差測定回路、および位相差測定方法を提供することを目的とする。
【0015】
また、入力信号を遅延して出力する遅延調整手段と、この遅延調整手段から出力される遅延信号と入力信号の2つの信号それぞれと入力信号と同期する基準信号との間の位相差にそれぞれ対応する直流電圧を出力する本発明に係る位相差測定回路と、この位相差測定回路から出力される直流電圧の差分電圧値(遅延信号と入力信号の位相差)と基準電圧値(所望の位相差)を比較する比較手段とにてフィードバックループを構成し、上記差分電圧値と基準電圧値の差を遅延調整手段へフィードバックすることにより、入力信号と所望の位相差となる信号を出力することが可能となる位相差調整回路を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の位相差測定回路は、入力信号がクロック端子に入力され、リセットパルス信号がリセット端子に入力され、かつ出力端子の電位が前記入力信号により変化し前記リセットパルス信号により元に戻るフリップフロップと、前記入力信号と同期する基準信号を基に前記リセットパルス信号を生成するリセットパルス生成手段と、前記フリップフロップの出力端子から出力される出力信号を直流電圧に平滑化する平滑化手段とを備え、前記入力信号と前記基準信号の位相差に対応する直流電圧を出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項2記載の位相差測定回路は、請求項1記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップの出力端子の電位がHレベルのときに出力される信号に対応する信号と、前記フリップフロップの出力端子の電位がLレベルのときに出力される信号に対応する信号とを前記平滑化手段へ入力する手段を備え、前記入力信号と前記基準信号の位相差に対応する直流電圧と、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧とを出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項3記載の位相差測定回路は、請求項1記載の位相差測定回路であって、複数の入力端子を有し前記複数の入力端子に入力される信号の中から前記フリップフロップのクロック端子へ入力する前記入力信号を切り替えるセレクタを備え、前記セレクタにより切り替えて入力される前記入力信号ごとに、前記基準信号との位相差に対応する直流電圧を出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項4記載の位相差測定回路は、請求項3記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップの出力端子の電位がHレベルのときに出力される信号に対応する信号と、前記フリップフロップの出力端子の電位がLレベルのときに出力される信号に対応する信号とを前記平滑化手段へ入力する手段を備え、前記セレクタにより切り替えて入力される前記入力信号ごとに、前記基準信号との位相差に対応する直流電圧を出力し、且つ、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧とを出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項5記載の位相差測定方法は、請求項4記載の位相差測定回路を用いて、前記セレクタにより切り替えて入力される前記入力信号ごとに、出力される前記基準信号との位相差に対応する直流電圧間の差分電圧値を求め、且つ、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧値と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧値とを求め、これらの電圧値を基に、前記セレクタにより切り替えて入力される前記入力信号のうちの任意の信号間の位相差を算出することを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項6記載の位相差測定回路は、請求項1記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップを複数備えるとともに、前記フリップフロップごとに前記平滑化手段を備え、前記フリップフロップそれぞれのリセット端子に同一の前記リセットパルス信号を入力し、前記フリップフロップそれぞれのクロック端子に入力される前記入力信号それぞれと前記基準信号との位相差にそれぞれ対応する直流電圧を出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項7記載の位相差測定回路は、請求項6記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップの出力端子の電位がHレベルのときに出力される信号に対応する信号と、前記フリップフロップの出力端子の電位がLレベルのときに出力される信号に対応する信号とを前記平滑化手段へ入力する手段を備え、前記入力信号と前記基準信号の位相差に対応する直流電圧と、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧とを出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項8記載の位相差測定方法は、請求項7記載の位相差測定回路を用いて、前記フリップフロップごとに出力される前記入力信号と前記基準信号との位相差に対応する直流電圧間の差分電圧値を求め、且つ、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧値と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧値を求め、これらの電圧値を基に、前記フリップフロップそれぞれのクロック端子に入力される前記入力信号のうちの任意の信号間の位相差を算出することを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項9記載の位相差測定回路は、請求項1記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップを複数備えるとともに、前記フリップフロップそれぞれの出力端子から出力される各出力信号を切り替えて前記平滑化手段へ出力するセレクタを備え、前記フリップフロップそれぞれのリセット端子に同一の前記リセットパルス信号を入力し、前記フリップフロップそれぞれのクロック端子に入力される前記入力信号ごとに、前記基準信号との位相差に対応する直流電圧を出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項10記載の位相差測定回路は、請求項9記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップの出力端子の電位がHレベルのときに出力される信号に対応する信号と、前記フリップフロップの出力端子の電位がLレベルのときに出力される信号に対応する信号とを前記平滑化手段へ入力する手段を備え、前記入力信号と前記基準信号の位相差に対応する直流電圧と、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧とを出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項11記載の位相差測定方法は、請求項10記載の位相差測定回路を用いて、前記フリップフロップごとに出力される前記入力信号と前記基準信号との位相差に対応する直流電圧間の差分電圧値を求め、且つ、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧値と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧値を求め、これらの電圧値を基に、前記フリップフロップそれぞれのクロック端子に入力される前記入力信号のうちの任意の信号間の位相差を算出することを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項12記載の位相差調整回路は、入力信号を遅延することによりこの入力信号と所望の位相差となる遅延信号を出力する遅延調整手段と、前記入力信号と前記遅延信号の2つの信号それぞれと前記入力信号と同期する基準信号との位相差にそれぞれ対応する直流電圧を出力する請求項6記載の位相差測定回路と、前記請求項6記載の位相差測定回路から出力される2つの直流電圧間の差分電圧と前記所望の位相差から換算した基準電圧とを比較しその結果を基に前記遅延調整手段を制御する制御信号を出力する比較手段とを備え、前記遅延調整手段は、前記比較手段の出力した制御信号により、前記入力信号と前記遅延信号の位相差を所望の位相差に調整することを特徴とする。
【0028】
本発明の請求項13記載の位相差調整回路は、請求項12記載の位相差調整回路であって、前記遅延調整手段を複数直列に接続し、前記比較手段が出力する前記制御信号が前記遅延調整手段それぞれに入力され、前記遅延調整手段それぞれから前記遅延信号を得ることを特徴とする。
【0029】
以上のように、本発明の位相差測定回路、および位相差測定方法によれば、被測定信号(入力信号)と当該被測定信号に同期する(位相差が一定の)基準信号との位相差に対応する直流電圧を出力することにより、被測定信号間の位相差の測定が、観測プローブを介してオシロスコープ等の測定器で直接観測することなく、直流電圧により可能となる。
【0030】
また、本発明の位相差調整回路によれば、入力信号と所望の位相差となる信号を出力することが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による実施の形態について図面を参照して説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしも以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0032】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1における位相差測定回路のブロック図である。
図1において、11は基準信号CKREFの立ち上がりエッジを検出してリセットパルス信号RSTを生成するリセットパルス生成手段である。後述するように、基準信号CKREFは被測定信号に同期する信号(位相差が一定の信号)であり、リセットパルス信号RSTはフリップフロップをリセットするための信号である。
【0033】
また、12、13は入力信号がクロック端子に入力され、リセットパルス生成手段11の生成するリセットパルス信号RSTが非同期リセット端子R(以下、単にリセット端子Rと称す。)に入力され、データ端子Dの電位がHレベルに固定されるフリップフロップであり、入力信号として、フリップフロップ12には第1の被測定信号CKIN1が入力され、フリップフロップ13には第2の被測定信号CKIN2が入力される。
【0034】
また、14、15はフリップフロップ12、13の出力端子Q、フリップフロップ12、13の電源端子、フリップフロップ12、13のグランド端子の3端子のうちのいずれかを選択する選択スイッチである。また、16、17はそれぞれ選択スイッチ14、15に接続される平滑化手段であり、選択スイッチ14、15により選択された端子からの信号を直流電圧に平滑化して出力する。
【0035】
フリップフロップの動作について説明する。フリップフロップの出力端子Qの初期電位状態をLレベルとすると、被測定信号の立ち上がりエッジによりフリップフロップの出力端子Qの電位はHレベルに変化する。また基準信号CKREFの立ち上がりエッジを検出して生成されるリセットパルス信号RSTがリセット端子Rに入力されるとフリップフロップの出力端子Qの電位はLレベルに戻る。このように動作することにより、被測定信号と基準信号が同期する場合には、被測定信号と基準信号の立ち上りエッジ間の位相差(遅延時間)に比例する直流電圧を得ることができる。
【0036】
また、本実施の形態1では、フリップフロップの出力端子Qの電位がHレベル及びLレベルのときに出力される信号に対応する信号を平滑化手段へ入力する手段として、選択スイッチを備えている。つまり、出力端子Qの電位がHレベルのときに出力される信号に対応する信号を平滑化手段へ入力するときには、フリップフロップの電源端子を接続し、Lレベルのときに出力される信号に対応する信号を平滑化手段へ入力するときにはフリップフロップのグランド端子を接続する構成となっている。この選択スイッチを切り替えることにより、被測定信号と基準信号の立ち上りエッジ間の位相差(遅延時間)に比例する直流電圧を得るとともに、フリップフロップの出力端子Qの電位がHレベル及びLレベルのときの電位に対応する電位の直流電圧、ここでは電位が上記Hレベル及び上記Lレベルとなる直流電圧VHigh、VLowを得ることができる。
【0037】
本実施の形態1の位相差測定回路は、各フリップフロップ12、13ごとに平滑化手段を備え、各フリップフロップ12、13のリセット端子Rに同一のリセットパルス信号RSTが入力される構成となっており、各被測定信号の立ち上りエッジそれぞれと基準信号の立ち上りエッジとの間の位相差(遅延時間)に比例する直流電圧V1、V2を得るとともに、電位が上記Hレベル及び上記Lレベルとなる直流電圧VHigh、VLowを得ることができる。
【0038】
図2は位相差測定回路の動作を説明するためのタイムチャートを示す図である。被測定信号CKIN1、CKIN2の周期は一定で等しいものであるとし、その位相差をΔTとする。また、基準信号CKREFは被測定信号CKIN1、CKIN2と同期した信号とする。つまり、被測定信号CKIN1、CKIN2、基準信号CKREFの周期は一定で等しく、各信号間の位相差も一定である。また、フリップフロップ12、13の出力端子Qの初期電位状態をLレベルとする。
【0039】
フリップフロップ12、13は、被測定信号CKIN1、CKIN2の立ち上がりエッジを検出すると、出力信号Q1、Q2の電位を遅延時間(立ち上り時間)TrでLレベルからHレベルに変化させる。
【0040】
リセットパルス生成手段11は基準信号CKREFの立ち上がりエッジに同期してリセットパルス信号RSTを生成する。フリップフロップ12、13はこのリセットパルス信号RSTによりリセットし、出力信号Q1、Q2の電位を遅延時間(立ち下がり時間)TfでHレベルからLレベルに変化させる。
【0041】
ここで、被測定信号CKIN1、CKIN2、基準信号CKREFの周期をT、出力信号Q1、Q2の1周期のうちの電位がHレベルの期間をそれぞれT1、T2とする。
【0042】
同種の回路素子間における性能の個体ばらつきは無視できるほど小さいとすると、選択スイッチ14、15によりフリップフロップ12、13の出力端子Qが選択されているときの直流電圧V1、V2は、以下の式で表される。すなわち、V1に関しては、
V1×T=Tr(VHigh−VLow)/2+Tf(VHigh−VLow)/2+T1(VHigh−VLow)+VLow×T
となるので、これを変形して、
V1×T=(Tr+Tf+2T1)(VHigh−VLow)/2+VLow×T
V1=(Tr+Tf+2T1)(VHigh−VLow)/2T+VLow・・・(1)
となる。同様にして、V2は
V2=(Tr+Tf+2T2)(VHigh−VLow)/2T+VLow・・・(2)
となる。つまり、当該位相差測定回路によれば、被測定信号の立ち上がりエッジと基準信号の立ち上がりエッジ間の位相差(遅延時間)に比例する直流電圧を得ることが可能となる。
【0043】
以下、当該位相差測定回路の位相差測定方法について図1、図2を参照しながら説明する。まず基準信号CKREFとして、周期が一定で等しく、被測定信号CKIN1、CKIN2と同期する信号を与える。このとき基準信号CKREFは、基準信号CKREFにより生成されるリセットパルス信号RSTの電位がLレベルである間に被測定信号CKIN1、CKIN2の立ち上がりエッジがこないようにタイミングを調整される。
【0044】
次に、選択スイッチ13、14を切り替えることで、フリップフロップの電源電圧すなわち直流電圧VHigh、フリップフロップのグランド電圧すなわち直流電圧VLow、および出力信号Q1、Q2を平滑化した電圧V1、V2を測定する。直流電圧VHigh及びVLowの測定は、配線抵抗とそれを流れる電流とにより発生する電圧降下により、直流電圧VHigh及びVLowの実際値が共通電源電圧および共通グランド電圧と異なるために行う。直流電圧VHigh及びVLowを測定することにより、後述する位相差算出において精度を向上させることができる。
【0045】
前述した(1)、(2)式により
となる。ここで、図2より、被測定信号CKIN1、CKIN2の立上りエッジ間の時間差ΔTは、
ΔT=(T1+Tr+Tf)−(T2+Tr+Tf)=T1−T2
となり、これを用いて(3)式を整理すると
ΔT/T=ΔV/(VHigh−VLow)・・・(4)
となる。被測定信号CKIN1に対する被測定信号CKIN2の位相差遅れをθ[rad]とすると、
となる。この(5)式の項には、立ち上り時間Trや立ち下がり時間Tfに関する項がないため製造ばらつき等により生じる立ち上り時間Trや立ち下がり時間Tfの差異に影響されず、測定したV1、V2、VHigh、VLowを(5)式に代入することにより、位相差遅れθを正確に算出することができる。また(4)式を変形して、
ΔT=(ΔV×T)/(VHigh−VLow)・・・(6)
とすれば、周期Tが既知である場合にはΔT[s]を求めることができる。
【0046】
このように、本実施の形態1による位相差測定回路、およびそれを用いた位相差測定方法によれば、基準信号CKREFと被測定信号CKIN1、CKIN2間の位相差に比例した直流電圧V1、V2と、フリップフロップの出力端子Qの電位がHレベル及びLレベルのときの電位に対応する直流電圧VHigh及びVLowを測定し、それらを基に被測定信号CKIN1、CKIN2間の位相差を算出することが可能となる。これにより、観測プローブを介してオシロスコープ等の測定器で直接に観測することなく、製造ばらつき等による影響を抑えて精度よく被測定信号CKIN1、CKIN2間の位相差を算出することが可能となる。
【0047】
なお、本実施の形態1では被測定信号として被測定信号CKIN1、CKIN2の2信号を扱う場合を例に説明したが、無論、これに限定されるものではなく、入力信号数は任意に設定できる。被測定信号数がN本の場合には、フリップフロップをN個にし、各被測定信号と基準信号との位相差に比例する直流電圧Vn(n=1〜N)を測定すれば、任意の被測定信号間の位相差を算出することができる。
【0048】
また、本実施の形態1では立ち上がりエッジで動作するフリップフロップを利用しているために、被測定信号間の立ち上がりエッジ同士の位相差について測定を行っているが、立ち下がりエッジで動作するフリップフロップを利用したり、クロック端子の入力に反転素子を挿入するなどして立ち下がりエッジ同士の位相差を測定することもできる。さらに、反転素子、立ち上がりエッジで動作するフリップフロップ、立ち下がりエッジで動作するフリップフロップを組み合わせることにより、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの任意の組み合わせで被測定信号間の位相差を測定することが可能となる。
【0049】
また、本実施の形態1では、各フリップフロップに共通のリセットパルス生成手段を接続する構成としたが、無論、各フリップフロップごとに独立したリセットパルス生成手段を用いてもよい。
【0050】
また、各フリップフロップごとに平滑化手段を設けたが、各フリップフロップからの出力信号を入力信号とするセレクタを用いて平滑化手段を共通のものとする構成にしてもよい。
【0051】
また、各フリップフロップごとに選択スイッチを設けたが、例えば、あるフリップフロップのみに設け、この選択スイッチにより得た直流電圧VHigh及びVLowを用いるようにしてもよい。
【0052】
(実施の形態2)
続いて、本実施の形態2による位相差測定回路について説明する。図3は本実施の形態2における位相差測定回路のブロック図である。なお、前述した実施の形態1と同じ構成を有する部材には同一の番号を付記して、説明を省略する。
【0053】
図3において、31は複数の入力端子を有し、これらの入力端子に入力される被測定信号の中からフリップフロップ12のクロック端子へ入力する入力信号を切り替えるセレクタであり、ここでは、第1の被測定信号CKIN1と第2の被測定信号CKIN2が入力され、選択信号により出力が切り替えられる。
【0054】
図4は位相差測定回路の動作を説明するためのタイムチャートを示す図であり、図4(A)はセレクタ31の出力として被測定信号CKIN1が選択されたときのフリップフロップ14からの出力信号Q1を示し、図4(B)はセレクタ31の出力として被測定信号CKIN2が選択されたときのフリップフロップ14からの出力信号Q2を示している。出力信号Q1を平滑化した直流電圧をV1とし、出力信号Q2を平滑化した直流電圧をV2とすると、実施の形態1で説明したように、V1、V2は
V1=(Tr+Tf+2T1)(VHigh−VLow)/2T+VLow・・・(1)
V2=(Tr+Tf+2T2)(VHigh−VLow)/2T+VLow・・・(2)
となる。
【0055】
以下、当該位相差測定回路の位相差測定方法について図3、図4を参照しながら説明する。まず基準信号CKREFとして、周期が一定で等しく、被測定信号CKIN1、CKIN2と同期する信号を与える。
【0056】
次に、選択スイッチ14を切り替えることで、フリップフロップの電源電圧すなわち直流電圧VHigh、フリップフロップのグランド電圧すなわち直流電圧VLowを測定し、選択信号によりセレクタの出力を切り替えることで出力信号Q1、Q2を平滑化した電圧V1、V2を測定する。
【0057】
実施の形態1と同様に、被測定信号CKIN1に対する被測定信号CKIN2の位相差遅れは、
θ=(ΔV×π)/(VHigh−VLow)・・・(5)
となる。また、
ΔT=(ΔV×T)/(VHigh−VLow)・・・(6)
とすれば、周期Tが既知である場合には被測定信号CKIN1、CKIN2の立ち上がりエッジ間の時間差ΔT[s]を求めることができる。
【0058】
このように、本実施の形態2による位相差測定回路、およびそれを用いた位相差測定方法によれば、実施の形態1と同様に、基準信号CKREFと被測定信号CKIN1、CKIN2間の位相差に比例した直流電圧V1、V2と、フリップフロップの出力端子Qの電位がHレベル及びLレベルのときの電位に対応する直流電圧VHigh及びVLowを測定し、それらを基に被測定信号CKIN1、CKIN2間の位相差を算出することが可能となる。これにより、観測プローブを介してオシロスコープ等の測定器で直接に観測することなく、製造ばらつき等による影響を抑えて精度よく被測定信号CKIN1、CKIN2間の位相差を算出することが可能となる。
【0059】
また、被測定信号数が増加した場合は、セレクタの入力信号と選択信号が増加するだけであり、フリップフロップ、選択スイッチ、平滑化手段、リセットパルス生成手段は各1個あれば実現することができるので、回路面積的に有効な位相差測定回路を実現できる。
【0060】
なお、本実施の形態2では被測定信号として被測定信号CKIN1、CKIN2の2信号を扱う場合を例に説明したが、無論、これに限定されるものではなく、入力信号数は任意に設定できる。被測定信号数がN本の場合には、セレクタをN入力に変更し、各被測定信号と基準信号との位相差に比例する直流電圧Vn(n=1〜N)を測定すれば、任意の被測定信号間の位相差を算出することができる。
【0061】
また、本実施の形態2では立ち上がりエッジで動作するフリップフロップを利用しているために、被測定信号間の立ち上がりエッジ同士の位相差について測定を行っているが、立ち下がりエッジで動作するフリップフロップを利用したり、クロック端子の入力に反転素子を挿入したり、セレクタの入力に反転素子を挿入するなどして立ち下がりエッジ同士の位相差を測定することもできる。さらに、反転素子と、立ち上がりエッジで動作するフリップフロップもしくは立ち下がりエッジで動作するフリップフロップとの組み合わせにより、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの任意の組み合わせで被測定信号間の位相差を測定することが可能となる。
【0062】
続いて、実施の形態1及び2の構成要素であるリセットパルス生成手段と平滑化手段の具体的な構成例について説明する。
図5は実施の形態1及び2によるリセットパルス生成手段の構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、当該リセットパルス生成手段はフリップフロップ51と反転素子52から構成される。反転素子52はフリップフロップの出力を反転し、出力信号としてリセットパルス信号RSTを出力する。また、フリップフロップ51は、データ端子Dの電位がHレベルに固定され、基準信号CKREFがクロック端子に入力され、反転素子52から出力されるリセットパルス信号RSTが非同期リセット端子R(以下、単にリセット端子Rと称す。)に入力される。
【0063】
フリップフロップ51の出力端子Qの初期電位状態をLレベルとすると、リセットパルス信号RSTの初期電位状態はHレベルとなる。基準信号CKREFの立ち上がりエッジによりリセットパルス信号RSTの電位はLレベルとなるが、それに応じてフリップフロップ51は遅延時間Trstを経てリセットされ、結果としてリセットパルス信号RSTの電位はHレベルに変化する。ここで遅延時間Trstは、フリップフロップ51のリセット端子Rの電位がLレベルに変化してから、フリップフロップの出力端子Qの電位がLレベルに変化するまでの遅延時間である。すなわちリセットパルス生成手段は、通常は電位がHレベルであり、基準信号CKREFの立ち上がりエッジに同期して遅延時間Trstの期間電位がLレベルとなるパルス信号を出力する。
【0064】
なお、図5においてはフリップフロップと反転素子を組み合わせた回路を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の論理素子を組み合わせて同様のパルス信号を生成するようにしても無論よい。
【0065】
図6は実施の形態1及び2による平滑化手段の構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、平滑化手段は、抵抗Rと容量Cにより構成される公知な1次のローパルフィルタである。なお、無論、平滑化手段はこれに限定されるものではなく、例えば、多次のRCフィルタやオペアンプ等で構成されるローパスフィルタを使用してもかまわない。
【0066】
なお、本実施の形態1及び2による位相差測定回路は、被測定回路(例えばLSI等。)内部にテスト回路として組み込んでもよいし、LSIテスタ等の検査装置に組み込んで用いるようにしてもよい。
【0067】
(実施の形態3)
続いて、本実施の形態3による位相差調整回路について説明する。図7は本実施の形態3における位相差調整回路のブロック図である。
【0068】
図7において、71は入力信号CKINを遅延することによりこの入力信号CKINと所望の位相差となる遅延信号CKOUT0(入力信号CKINから所望の時間遅れた遅延信号CKOUT0)を出力する遅延調整手段である。72は入力信号である遅延信号CKOUT0を遅延することによりこの遅延信号CKOUT0と所望の位相差となる遅延信号CKOUT1(遅延信号CKOUT0から所望の時間遅れた遅延信号CKOUT1)を出力する遅延調整手段である。73は入力信号である遅延信号CKOUT1を遅延することによりこの遅延信号CKOUT1と所望の位相差となる遅延信号CKOUT2(遅延信号CKOUT1から所望の時間遅れた遅延信号CKOUT2)を出力する遅延調整手段である。このように本実施の形態3では、遅延調整手段が3つ直列に接続されている。
【0069】
また、74、75は、前述した実施の形態1と同様に、入力信号がクロック端子に入力され、リセットパルス信号RSTが非同期リセット端子R(以下、単にリセット端子Rと称す。)に入力され、データ端子Dの電位がHレベルに固定されるフリップフロップであり、入力信号として、フリップフロップ74には遅延信号CKOUT0が入力され、フリップフロップ75には入力信号CKINが入力される。
【0070】
また、76、77は、前述した実施の形態1と同様に、フリップフロップ74、75からの出力信号Q1、Q2を直流電圧に平滑化する平滑化手段である。
また、78は、前述した実施の形態1と同様に、基準信号CKREFの立ち上がりエッジを検出してリセットパルス信号RSTを生成するリセットパルス生成手段であり、前述した実施の形態1と同様に、基準信号CKREFは入力信号CKINに同期する信号(位相差が一定の信号)である。また、入力信号CKINの位相を遅らせた遅延信号CKOUT0は、入力信号CKINと同期するので、基準信号CKREFは遅延信号CKOUT0にも同期する。
【0071】
また、79は平滑化手段76、77から出力される直流電圧V1、V2の差分電圧ΔVと基準電圧VREFとを比較し、この比較結果を基に前述した各遅延調整手段71〜73を制御する制御信号CTRLを出力する比較手段である。制御信号CTRLは、遅延調整手段71〜73の遅延量制御端子へ入力され、遅延調整手段71〜73の遅延量を制御し、各遅延調整手段からそれぞれの入力信号と所望の位相差となる遅延信号が出力されるようにする。
【0072】
図7に示すように、フリップフロップ74、75、平滑化手段76、77、リセットパルス生成手段78は、前述した実施の形態1の位相差測定回路と同様に構成されており、入力信号CKINと遅延信号CKOUT0の2つの信号それぞれと基準信号CKREFとの間の位相差に対応する直流電圧V1、V2を得ることができる。
【0073】
次に、当該位相差調整回路の動作について説明する。遅延調整手段71、72、73は入力信号を遅延時間ΔTだけ遅延させて出力するものであり、そのΔTは遅延量制御端子へ入力される制御信号CTRLにより制御される。基準信号CKREFとしては、周期Tが一定で等しく、且つ入力信号CKINと同期となる信号が与えられる。このとき基準信号CKREFは、基準信号CKREFにより生成されるリセットパルス信号RSTの電位がLレベルである間に入力信号CKINと遅延信号CKOUT0の立ち上がりエッジがこないようにタイミングを調整される。
【0074】
実施の形態1で説明したように、入力信号CKINと入力信号CKINを遅延調整手段71により遅延時間ΔTだけ遅延した遅延信号CKOUT0の2つの信号それぞれと基準信号CKREFとの間の位相差に対応する直流電圧V1、V2を得ることができる。
【0075】
比較手段78は、この直流電圧V1、V2の差分電圧ΔV=V1−V2と基準電圧VREFの比較動作を行う。基準電圧VREFとは、入力信号CKINと遅延信号CKOUT0間に設定したい所望の遅延時間差ΔTもしくは位相差θを電圧値に換算した値であり、実施の形態1で説明した(5)、(6)式を基に算出できる。
【0076】
比較手段78は、差分電圧ΔVが基準電圧VREFより大きい場合には遅延調整手段71の遅延量を小さくする制御信号CTRLを出力し、逆に基準電圧VREFのほうが大きい場合には遅延調整手段71の遅延量を大きくする制御信号CTRLを出力し、遅延調整手段71にフィードバックすることで入力信号CKINと遅延信号CKOUT間の遅延時間ΔT(位相差)を所望の値に調整する。また、遅延調整手段71、72、73が同一性能であるとすると、制御信号CTRLを遅延調整手段72、73に対しても共通に入力することで、遅延信号CKOUT0と遅延信号CKOUT1との間の遅延時間差、並びに遅延信号CKOUT1と遅延信号CKOUT2との間の遅延時間差をΔTに設定することができる。
【0077】
このように、本実施の形態3による位相差調整回路によれば、入力信号を遅延して出力する遅延調整手段と、この遅延調整手段から出力される遅延信号と入力信号の2つの信号それぞれと入力信号と同期する基準信号との間の位相差にそれぞれ比例する直流電圧を出力する位相差測定回路と、この位相差測定回路から出力される直流電圧の差分電圧値(遅延信号と入力信号の位相差もしくは遅延差)と基準電圧値(所望の位相差もしくは遅延差)を比較する比較手段とにてフィードバックループを構成し、上記差分電圧値と基準電圧値の差を遅延調整手段へフィードバックすることにより、入力信号CKINと所望の位相差となる信号CKOUT0(入力信号CKINから所望の時間ΔT遅れた信号CKOUT0)を得ることができる。さらに、遅延量調整の制御信号CTRLを共通にすることで、遅延信号CKOUT0と所望の位相差となる信号CKOUT1(遅延信号CKOUT0から所望の時間ΔT遅れた信号CKOUT1)を得ることができる。同様に、遅延信号CKOUT1と所望の位相差となる信号CKOUT2(遅延信号CKOUT1から所望の時間ΔT遅れた信号CKOUT2)を得ることができる。
【0078】
これにより、入力信号CKINに同期であり、かつ周期が等しく位相が時間ΔT分ずれた多相の信号を得ることができる。
なお、本実施の形態3では遅延信号として遅延信号CKOUT0、CKOUT1、CKOUT2の3信号の場合を例示しているが、無論、これに限定されるものではなく、遅延調整手段を直列に追加することで遅延信号数を任意に設定できる。
【0079】
続いて、実施の形態3の構成要素である遅延調整手段の具体的な構成例について説明する。図8は実施の形態3による遅延調整手段の構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、当該遅延手段は、非反転素子81および電流源82からなり、非反転素子81の電源供給端子に電流源82が接続されている。入力端子INに入力された信号は遅延して出力端子OUTから出力されることになるが、その遅延時間は電流源82に流れる電流量で制御される。すなわち、電流量が多ければ遅延時間は短くなり、電流量が少なければ遅延時間は長くなる。
【0080】
なお、図8に示す構成においては非反転素子を使用しているが、反転素子でもかまわない。また電流源の接続箇所もグランド端子でもかまわないし、電源供給端子とグランド端子の両方に接続してもかまわない。また、非反転素子もしくは反転素子を直列にN段つなぎ、それぞれの素子の出力信号をセレクタに入力して、セレクタにより各入力信号を選択して遅延量を調節するといった構成でもかまわない。
【0081】
【発明の効果】
以上のように、本発明の位相差測定回路、および位相差測定方法によれば、被測定信号間の位相差の測定が、観測プローブを介してオシロスコープ等の測定器で直接観測することなく、直流電圧により可能となる。また、被測定信号と当該被測定信号に同期する基準信号との位相差に対応する直流電圧と、フリップフロップの出力端子の電位がHレベルのときの電位に対応する直流電圧VHighと、フリップフロップの出力端子の電位がLレベルのときの電位に対応する直流電圧VLowとを基に、製造ばらつき等による影響を抑えて精度良く被測定信号間の位相差を算出することが可能となる。
【0082】
また、本発明の位相差調整回路によれば、入力信号と所望の位相差となる信号を出力することが可能となる。さらに、入力信号に対して同期し、かつ周期が一定で所望する位相だけずれた多相の信号を生成することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における位相差測定回路のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における位相差測定回路の動作を説明するためのタイムチャートを示す図
【図3】本発明の実施の形態2における位相差測定回路のブロック図
【図4】本発明の実施の形態2における位相差測定回路の動作を説明するためのタイムチャートを示す図
【図5】本発明の実施の形態1乃至3におけるリセットパルス生成手段の構成の一例を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態1乃至3における平滑化手段の構成の一例を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態3における位相差調整回路のブロック図
【図8】本発明の実施の形態3における遅延調整手段の構成の一例を示すブロック図
【図9】従来の位相差測定回路のブロック図
【符号の説明】
11 リセットパルス生成手段
12、13 フリップフロップ
14、15 選択スイッチ
16、17 平滑化手段
31 セレクタ
51 フリップフロップ
52 反転素子
71、72、73 遅延調整手段
74、75 フリップフロップ
76、77 平滑化手段
78 リセットパルス生成手段
79 比較手段
81 非反転素子
82 電流源
91 遅延回路
92 フリップフロップ
93 ローパスフィルタ
Claims (13)
- 入力信号がクロック端子に入力され、リセットパルス信号がリセット端子に入力され、かつ出力端子の電位が前記入力信号により変化し前記リセットパルス信号により元に戻るフリップフロップと、
前記入力信号と同期する基準信号を基に前記リセットパルス信号を生成するリセットパルス生成手段と、
前記フリップフロップの出力端子から出力される出力信号を直流電圧に平滑化する平滑化手段と
を備え、前記入力信号と前記基準信号の位相差に対応する直流電圧を出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする位相差測定回路。 - 請求項1記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップの出力端子の電位がHレベルのときに出力される信号に対応する信号と、前記フリップフロップの出力端子の電位がLレベルのときに出力される信号に対応する信号とを前記平滑化手段へ入力する手段を備え、前記入力信号と前記基準信号の位相差に対応する直流電圧と、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧とを出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする位相差測定回路。
- 請求項1記載の位相差測定回路であって、複数の入力端子を有し前記複数の入力端子に入力される信号の中から前記フリップフロップのクロック端子へ入力する前記入力信号を切り替えるセレクタを備え、前記セレクタにより切り替えて入力される前記入力信号ごとに、前記基準信号との位相差に対応する直流電圧を出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする位相差測定回路。
- 請求項3記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップの出力端子の電位がHレベルのときに出力される信号に対応する信号と、前記フリップフロップの出力端子の電位がLレベルのときに出力される信号に対応する信号とを前記平滑化手段へ入力する手段を備え、前記セレクタにより切り替えて入力される前記入力信号ごとに、前記基準信号との位相差に対応する直流電圧を出力し、且つ、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧とを出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする位相差測定回路。
- 請求項4記載の位相差測定回路を用いて、前記セレクタにより切り替えて入力される前記入力信号ごとに、出力される前記基準信号との位相差に対応する直流電圧間の差分電圧値を求め、且つ、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧値と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧値とを求め、これらの電圧値を基に、前記セレクタにより切り替えて入力される前記入力信号のうちの任意の信号間の位相差を算出することを特徴とする位相差測定方法。
- 請求項1記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップを複数備えるとともに、前記フリップフロップごとに前記平滑化手段を備え、前記フリップフロップそれぞれのリセット端子に同一の前記リセットパルス信号を入力し、前記フリップフロップそれぞれのクロック端子に入力される前記入力信号それぞれと前記基準信号との位相差にそれぞれ対応する直流電圧を出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする位相差測定回路。
- 請求項6記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップの出力端子の電位がHレベルのときに出力される信号に対応する信号と、前記フリップフロップの出力端子の電位がLレベルのときに出力される信号に対応する信号とを前記平滑化手段へ入力する手段を備え、前記入力信号と前記基準信号の位相差に対応する直流電圧と、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧とを出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする位相差測定回路。
- 請求項7記載の位相差測定回路を用いて、前記フリップフロップごとに出力される前記入力信号と前記基準信号との位相差に対応する直流電圧間の差分電圧値を求め、且つ、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧値と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧値を求め、これらの電圧値を基に、前記フリップフロップそれぞれのクロック端子に入力される前記入力信号のうちの任意の信号間の位相差を算出することを特徴とする位相差測定方法。
- 請求項1記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップを複数備えるとともに、前記フリップフロップそれぞれの出力端子から出力される各出力信号を切り替えて前記平滑化手段へ出力するセレクタを備え、前記フリップフロップそれぞれのリセット端子に同一の前記リセットパルス信号を入力し、前記フリップフロップそれぞれのクロック端子に入力される前記入力信号ごとに、前記基準信号との位相差に対応する直流電圧を出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする位相差測定回路。
- 請求項9記載の位相差測定回路であって、前記フリップフロップの出力端子の電位がHレベルのときに出力される信号に対応する信号と、前記フリップフロップの出力端子の電位がLレベルのときに出力される信号に対応する信号とを前記平滑化手段へ入力する手段を備え、前記入力信号と前記基準信号の位相差に対応する直流電圧と、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧とを出力し、位相差測定を可能としたことを特徴とする位相差測定回路。
- 請求項10記載の位相差測定回路を用いて、前記フリップフロップごとに出力される前記入力信号と前記基準信号との位相差に対応する直流電圧間の差分電圧値を求め、且つ、電位が前記Hレベルに対応する直流電圧値と、電位が前記Lレベルに対応する直流電圧値を求め、これらの電圧値を基に、前記フリップフロップそれぞれのクロック端子に入力される前記入力信号のうちの任意の信号間の位相差を算出することを特徴とする位相差測定方法。
- 入力信号を遅延することによりこの入力信号と所望の位相差となる遅延信号を出力する遅延調整手段と、
前記入力信号と前記遅延信号の2つの信号それぞれと前記入力信号と同期する基準信号との位相差にそれぞれ対応する直流電圧を出力する請求項6記載の位相差測定回路と、
前記請求項6記載の位相差測定回路から出力される2つの直流電圧間の差分電圧と前記所望の位相差から換算した基準電圧とを比較しその結果を基に前記遅延調整手段を制御する制御信号を出力する比較手段と
を備え、前記遅延調整手段は、前記比較手段の出力した制御信号により、前記入力信号と前記遅延信号の位相差を所望の位相差に調整することを特徴とする位相差調整回路。 - 請求項12記載の位相差調整回路であって、前記遅延調整手段を複数直列に接続し、前記比較手段が出力する前記制御信号が前記遅延調整手段それぞれに入力され、前記遅延調整手段それぞれから前記遅延信号を得ることを特徴とする位相差調整回路。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003031796A JP2004239860A (ja) | 2003-02-10 | 2003-02-10 | 位相差測定回路、位相差測定方法、および位相差調整回路 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003031796A JP2004239860A (ja) | 2003-02-10 | 2003-02-10 | 位相差測定回路、位相差測定方法、および位相差調整回路 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004239860A true JP2004239860A (ja) | 2004-08-26 |
Family
ID=32958241
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003031796A Withdrawn JP2004239860A (ja) | 2003-02-10 | 2003-02-10 | 位相差測定回路、位相差測定方法、および位相差調整回路 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004239860A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006217455A (ja) * | 2005-02-07 | 2006-08-17 | Kawasaki Microelectronics Kk | リングオシレータ回路 |
| JP2008281498A (ja) * | 2007-05-14 | 2008-11-20 | Oki Electric Ind Co Ltd | 位相差計測回路 |
-
2003
- 2003-02-10 JP JP2003031796A patent/JP2004239860A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006217455A (ja) * | 2005-02-07 | 2006-08-17 | Kawasaki Microelectronics Kk | リングオシレータ回路 |
| JP2008281498A (ja) * | 2007-05-14 | 2008-11-20 | Oki Electric Ind Co Ltd | 位相差計測回路 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP5137844B2 (ja) | 試験装置及び試験モジュール | |
| JP4146965B2 (ja) | 遅延信号生成装置および半導体試験装置 | |
| US8072253B2 (en) | Clock adjusting circuit and semiconductor integrated circuit device | |
| KR100891335B1 (ko) | 비트 에러율 측정을 수행 할 수 있는 클럭 발생 장치 | |
| JP4286375B2 (ja) | 遅延クロック生成装置および遅延時間測定装置 | |
| CN103378826A (zh) | 高精度单沿捕获以及延迟测量电路 | |
| JP5008669B2 (ja) | 負荷変動補償回路、電子デバイス、試験装置、タイミング発生回路、及び負荷変動補償方法 | |
| KR100269704B1 (ko) | 지연 소자 시험 장치 및 시험 기능을 갖는 집적 회로 | |
| US7038466B1 (en) | Measurement of circuit delay | |
| US7808252B2 (en) | Measurement apparatus and measurement method | |
| JPWO2010035309A1 (ja) | 遅延回路およびそれを用いたタイミング発生器および試験装置 | |
| JP2003121505A (ja) | テスト回路及びテスト方法 | |
| JPH07248847A (ja) | クロック信号調整方法および装置 | |
| EP2831603A1 (en) | On-die all-digital delay measurement circuit | |
| CN1997903B (zh) | 电子元件输出波形的测定装置、测定方法、及试验装置 | |
| KR20190102401A (ko) | 반도체 장치의 클럭 생성 회로 | |
| JP5210646B2 (ja) | 被測定信号の変化点を検出する装置、方法および試験装置 | |
| JPWO2006035604A1 (ja) | 消費電流バランス回路、補償電流量調整方法、タイミング発生器及び半導体試験装置 | |
| JP3456525B2 (ja) | 遅延時間調整方法及び遅延時間調整回路 | |
| JPH11101851A (ja) | 遅延時間測定回路及び遅延時間測定方法 | |
| US7786718B2 (en) | Time measurement of periodic signals | |
| JP3202722B2 (ja) | クロック同期式回路用動作速度評価回路及び方法 | |
| JP4630359B2 (ja) | 遅延クロック生成装置および遅延時間測定装置 | |
| JP4412775B2 (ja) | 遅延信号生成装置およびその遅延量を調整する方法 | |
| JP3416652B2 (ja) | 自動較正機能を有するタイミング発生装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051116 |
|
| RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20080430 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081118 |
|
| A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20090109 |
