JP2004246203A - キャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間で、高い歩留まりで且つ高い精度で容易に光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を提供する。
【解決手段】本発明のキャピラリ組み立て製造方法は、キャピラリ又は光ファイバに振動を印加しながら、前記キャピラリに設けられた光ファイバ挿入孔に前記光ファイバを挿入する挿入ステップと、前記キャピラリと前記光ファイバとを接続し固定する固定ステップと、を有する。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明のキャピラリ組み立て製造方法は、キャピラリ又は光ファイバに振動を印加しながら、前記キャピラリに設けられた光ファイバ挿入孔に前記光ファイバを挿入する挿入ステップと、前記キャピラリと前記光ファイバとを接続し固定する固定ステップと、を有する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャピラリに貫通するように形成された光ファイバ挿入孔に、光ファイバを挿入して接続し固定するキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ファイバが広い用途に使用されている。複数の光ファイバをカップリングする光カプラ、及び1又は複数の光ファイバを接続する光コネクタ等において、キャピラリが使用される。キャピラリには1又は複数の貫通孔(光ファイバ挿入孔。以下、「光ファイバ挿入孔」と略する。)が設けられており、光ファイバ挿入孔に光ファイバが挿入され、接続され、固定される。
【0003】
従来、光ファイバをキャピラリに設けられた光ファイバ挿入孔に静かに通して、光ファイバをキャピラリに取り付けていた。
キャピラリには、1つの光ファイバ挿入孔を有するものと、複数の光ファイバ挿入孔を有するものとがある。
1つの光ファイバ挿入孔を有するキャピラリを用いて製造する光コネクタがある。光コネクタが、例えば1つの光ファイバ挿入孔に同心円状の断面を有する光ファイバを挿入したフェルール(キャピラリを含む。)を有するとする。工場において、光ファイバはキャピラリの光ファイバ挿入孔に挿入され、光ファイバ挿入孔中の適切な位置に配置された状態でキャピラリに接着剤で固定される。
【0004】
特開平09−281357号公報に、1つ又は複数の光ファイバ挿入孔に定偏波光ファイバを挿入した斜め研磨端面を有するフェルール(キャピラリを含む。)を有する光コネクタが記載されている。この光コネクタの製造工程において、定偏波光ファイバはキャピラリの光ファイバ挿入孔に挿入され、光ファイバ挿入孔中の適切な位置に配置され、且つ定偏波光ファイバ(光ファイバの波面)とフェルールの斜め研磨端面とが適切な角度(位相角度)になった状態で(キャピラリが複数の光ファイバ挿入孔を有する場合は、更に定偏波光ファイバ(光ファイバの波面)とキャピラリのフェルール穴の並び方向とが適切な角度になった状態で)、キャピラリに接着剤で固定される。
【0005】
特開2000−028843号公報に、1つの光ファイバ挿入孔に複数の定偏波光ファイバを挿入したキャピラリ(定偏波光ファイバ用4心フェルール)を用いた光カプラが記載されている。この光カプラの製造工程において、複数の定偏波光ファイバはそれぞれフェルールの光ファイバ挿入孔に挿入され、光ファイバ挿入孔中の適切な位置に配置され、定偏波光ファイバとフェルール(レンズユニット)とが適切な角度になり、且つ複数の定偏波光ファイバの相互間の角度が適切な角度になった状態で、キャピラリに接着剤で固定される。光カプラが複数の光ファイバ挿入孔が形成されたキャピラリを有し、それぞれの光ファイバ挿入孔に定偏波光ファイバを挿入しても良い。
【0006】
光コネクタ、光カプラ等の光デバイスは、その組立精度によって光ファイバの損失が大きく変化する。光コネクタ、光カプラ等の光デバイスにおいて、光ファイバをキャピラリの光ファイバ挿入孔の適切な位置に適切な角度(位相角度)で固定することが、光デバイス内での光損失を低減する上で重要である。
【0007】
【特許文献1】
特開平09−281357号公報
【特許文献2】
特開2000−028843号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来、キャピラリに貫通するように形成された光ファイバ挿入孔に、光ファイバを挿入する際、光ファイバとキャピラリ間に大きな摩擦が発生していた。その為、キャピラリへの光ファイバの挿入及び調整が難しく、生産性が悪いという問題があった。光ファイバは、非常にもろい材質であるため、挿入時に、光ファイバが折れる、あるいは破損する場合があった。破損、あるいは折れた光ファイバは、キャピラリの光ファイバ挿入孔に詰まり、キャピラリ及び光ファイバの材料を損失する等の問題が発生していた。
【0009】
上記問題の解決策として、キャピラリに貫通するように形成された光ファイバ挿入孔の孔サイズを、大きくする等の対策を行う場合もあった。この場合、キャピラリと光ファイバ間の空間が大きくなり、これらの材料を用いて製作されたカプラは光ファイバ位置の精度が悪くなった。キャピラリと光ファイバ間の空間に接着剤を充填し、キャピラリと光ファイバとを接続し固定した場合、接着剤の経年変化、あるいは温度変化によって、キャピラリと光ファイバ間に位置づれが発生し、カプラを用いて製造した光デバイス装置の性能、あるいは対環境特性が悪くなるなどの問題が発生していた。
【0010】
光ファイバ挿入孔のクリアランスが小さいキャピラリに例えば定偏波光ファイバを挿入し位相(角度)調整をする時に、キャピラリの光ファイバ挿入孔の内周面と定偏波光ファイバの外周面とが接触し、回転によるねじれ方向の残留応力が発生して高精度な位相調整ができなかった。回転方向のねじれ成分の影響で、定偏波光ファイバの回転方向の追従性が悪く作業性が良くなかった。調整時にキャピラリと定偏波光ファイバに傷がつくという問題が発生していた。
【0011】
定偏波光ファイバの位相を調整する場合、定偏波光ファイバを保持具で保持し、調整する必要がある。この保持具による保持位置は、構造上、摩擦の発生するキャピラリ内が望ましいが、物理的に不可能である。実際は保持具は、光ファイバ上の摩擦が発生する位置(キャピラリの光ファイバ挿入孔の中)より離れた位置を保持する。特に、キャピラリが複数の定偏波光ファイバ挿入孔を有する場合、複数個の保持具が必要となる。これらの保持具の保持位置は、光ファイバ上の摩擦発生位置より、より離れた位置となる。定偏波光ファイバは、ねじりに対して、剛性が低い。それ故、保持具の保持位置が摩擦発生位置より、より離れた場合、摩擦の発生するキャピラリ位置での位相及び位置の調整が難しくなる。すなわち、調整に時間がかかる。あるいは、要望の調整精度が得られず、製品の歩留まりが悪くなるなどの問題が発生していた。
【0012】
本発明は、キャピラリに貫通するように形成された光ファイバ挿入孔に光ファイバを挿入する際の摩擦を低減することにより、短時間で、高い歩留まりで且つ高い精度で容易に光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を提供することを目的とする。
本発明は、光ファイバ挿入孔と光ファイバとの間の隙間(クリアランス)を大きくすることなく、短時間で光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を提供することを目的とする。
本発明は、光ファイバが折れ若しくは破損すること、又は折れた光ファイバがキャピラリの光ファイバ挿入孔に詰まることにより、キャピラリ及び光ファイバの材料を損失することなく、実質的に短時間で且つ高い歩留まりで光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、生産性良く、容易に光ファイバをキャピラリに挿入し、位置及び角度(位相)を調整し、取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を提供することを目的とする。
本発明は、光ファイバ挿入孔と光ファイバとの間の隙間を小さくして隙間に充填する接着剤をより少なくし、接着層をより薄くし、且つ光ファイバとキャピラリとの間に局所的なストレスが発生することを防止し、接着剤の経年変化又は温度変化によって、キャピラリと光ファイバ間に位置づれが発生しにくい安価で高い信頼性を有するキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を提供することを目的とする。
本発明は、キャピラリに挿入された1又は複数の定偏波光ファイバの位相(角度)及び位置を追従性良く(高い精度で)短時間で調整することができるキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を提供することを目的とする。
本発明は、容易に高精度な調整をすることができ、材料損失が発生しにくい高い歩留まりのキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は下記の構成を有する。本発明の請求項1に記載の発明は、キャピラリ又は光ファイバに振動を印加しながら、前記キャピラリに設けられた光ファイバ挿入孔に前記光ファイバを挿入する挿入ステップと、前記キャピラリと前記光ファイバとを接続し固定する固定ステップと、を有することを特徴とするキャピラリ組み立て製造方法である。
本発明は、振動を印加して光ファイバ挿入孔の外周と光ファイバとの摩擦を低減することにより(局所的なストレスが発生することを防止する。)、短時間で高い歩留まりで高い精度で容易に且つ安価に光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法を実現するという作用を有する。光ファイバは歪が少ない状態で固定される故に、光ファイバが光ファイバ挿入孔内で経時的に位置変化する変化量を小さく出来る。摩擦を低減することにより、光ファイバ挿入孔と光ファイバとのクリアランスを小さく出来る。これにより、光ファイバが光ファイバ挿入孔内で経時的に位置変化する変化量を更に小さく出来る。光ファイバを光ファイバ挿入孔内に固定するための接着剤の量を低減できる。
振動を直接光ファイバ又はキャピラリに振動を印加しても良く、間接的に(例えばキャピラリ保持具又は光ファイバ保持具を経由して)光ファイバ又はキャピラリに振動を印加しても良い。
【0015】
本発明の請求項2に記載の発明は、1又は複数の光ファイバ挿入孔を有するキャピラリと前記キャピラリに挿入された定偏波光ファイバとの角度、又は前記キャピラリに挿入された複数の前記定偏波光ファイバの相互間の角度を測定する測定ステップと、前記測定ステップによる測定値が所定の範囲の値になるように、前記キャピラリ又は少なくとも1本の前記定偏波光ファイバに振動を印加しながら、前記キャピラリに設けられた少なくとも1つの前記光ファイバ挿入孔に前記定偏波光ファイバを挿入し、角度を調整する挿入ステップと、前記キャピラリと前記定偏波光ファイバとを接続し固定する固定ステップと、を有することを特徴とするキャピラリ組み立て製造方法である。
【0016】
本発明は、振動を印加して光ファイバ挿入孔の外周と光ファイバとの摩擦を低減することにより、調整時の定偏波光ファイバの回転歪を低減する。これにより、短時間で高い歩留まりで高い精度で容易に且つ安価に定偏波光ファイバをキャピラリに取り付けるキャピラリ組み立て製造方法を実現できる。
本発明のキャピラリ組み立て製造方法を用いて、例えば1つの光ファイバ挿入孔を有するキャピラリ(例えば斜め研磨端面を有するフェルールに含まれる。)に定偏波光ファイバを、所定の位置及び位相(角度)で高い精度で取り付けることが出来る。例えば1つの光ファイバ挿入孔を有するキャピラリ(例えば定偏波光ファイバ用4心フェルール)に複数の定偏波光ファイバを、所定の位置及び位相(角度)で高い精度で取り付けることが出来る。例えば複数の光ファイバ挿入孔を有するキャピラリ(例えば実施の形態に記載した光カプラ用キャピラリ)に複数の定偏波光ファイバを、所定の位置及び位相(角度)で高い精度で取り付けることが出来る。
【0017】
本発明の請求項3に記載の発明は、前記測定ステップが、1又は複数の光ファイバ挿入孔を有するキャピラリと前記キャピラリに挿入された定偏波光ファイバとを、又は前記キャピラリに挿入された複数の前記定偏波光ファイバを、撮像する撮像ステップと、撮像された画面情報を出力し、又は撮像された画像情報を演算処理した処理結果を出力する出力ステップと、を有することを特徴とする請求項2に記載のキャピラリ組み立て製造方法である。
【0018】
微小な定偏波光ファイバを肉眼又は拡大鏡を通じて見ながら、定偏波光ファイバの取り付け角度を調整する作業は、容易でない。本発明によれば、キャピラリに挿入された定偏波光ファイバを撮像し(一般には、キャピラリの光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの端面を撮像する)、その画像又は画像を演算処理した処理結果(例えばキャピラリに挿入された2本の定偏波光ファイバの波面の相対角度)をディスプレイ等に表示することにより、優れた作業性を実現し、キャピラリの組み立て精度のバラツキを抑えることが出来る。
好ましくは挿入ステップにおいて、出力ステップにおける出力を利用して、測定ステップによる測定値が所定の範囲の値になるように、定偏波光ファイバの取り付け角度を自動的に調整する。これにより、定偏波光ファイバの位相を精度良くかつ短時間で調整することが可能になる。
【0019】
本発明の請求項4に記載の発明は、前記振動の周波数を前記画面情報の垂直同期期間の周波数以上とすることを特徴とする請求項3に記載のキャピラリ組み立て製造方法である。本発明により、振動による画像ブレを低減することが出来る。これにより、見易い画像表示又はより高精度な画像処理を実現する。定偏波光ファイバの位相を更に高い精度で短時間で調整することが可能になる。
例えば垂直同期期間の周波数が60Hzである画像情報をディスプレイに表示する場合は、振動の周波数を60Hz以上とする。例えば垂直同期期間の周波数がf(f>60Hz)である画像情報(例えばPC(パーソナルコンピュータ)で生成した画像)をコンピュータ用ディスプレイで表示する場合は、振動の周波数をf以上とする。
【0020】
本発明の請求項5に記載の発明は、前記振動の印加方向が、前記光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの光軸とほぼ平行であることを特徴とする請求項3に記載のキャピラリ組み立て製造方法である。
本発明においては、画像がもっともブレにくい方向に振動を印加する。これにより、本発明の効果を維持しつつ、撮像した画像のブレを防止することが出来る。高精度な画像情報又は画像情報の処理結果を得ることが出来る故に、より高精度の光ファイバの位置調整が可能になる。
【0021】
本発明の請求項6に記載の発明は、光ファイバ挿入孔を有するキャピラリを固定するキャピラリ保持具と、光ファイバを保持する光ファイバ保持具と、前記光ファイバ挿入孔に前記光ファイバを挿入する時、直接的又は間接的に前記キャピラリ又は前記光ファイバに振動を印加する振動発生部と、を有するキャピラリ組み立て装置である。
本発明は、振動を印加して光ファイバ挿入孔の外周と光ファイバとの摩擦を低減することにより、短時間で、高い歩留まりで高い精度で容易に且つ安価に光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て装置を実現するという作用を有する。
【0022】
本発明の請求項7に記載の発明は、1又は複数の光ファイバ挿入孔を有するキャピラリを固定するキャピラリ保持具と、定偏波光ファイバを保持する光ファイバ保持具と、前記キャピラリに設けられた少なくとも1つの前記光ファイバ挿入孔に前記定偏波光ファイバを挿入し、角度を調整する時、前記キャピラリ又は少なくとも1本の前記定偏波光ファイバに振動を印加する振動発生部と、前記キャピラリと前記キャピラリに挿入された定偏波光ファイバとの角度、又は前記キャピラリに挿入された複数の前記定偏波光ファイバの相互間の角度が所定の範囲の値になるように、前記角度を自動調節する角度調節部と、を有することを特徴とするキャピラリ組み立て装置である。
本発明は、振動を印加して光ファイバ挿入孔の外周と光ファイバとの摩擦を低減することにより、調整時の定偏波光ファイバの回転歪を低減する。これにより、短時間で高い歩留まりで高い精度で容易に且つ安価に定偏波光ファイバをキャピラリに自動的に取り付けるキャピラリ組み立て装置を実現できる。
【0023】
本発明の請求項8に記載の発明は、1又は複数の光ファイバ挿入孔を有するキャピラリを固定するキャピラリ保持具と、定偏波光ファイバを保持する光ファイバ保持具と、前記キャピラリに設けられた少なくとも1つの前記光ファイバ挿入孔に前記定偏波光ファイバを挿入し、角度を調整する時、前記キャピラリ又は少なくとも1本の前記定偏波光ファイバに振動を印加する振動発生部と、前記キャピラリと前記キャピラリに挿入された定偏波光ファイバとを、又は前記キャピラリに挿入された複数の前記定偏波光ファイバを、撮像する撮像部と、撮像された画面情報を出力し、又は撮像された画像情報を演算処理した処理結果を出力する出力部と、を有することを特徴とするキャピラリ組み立て装置である。
本発明によれば、キャピラリに挿入された定偏波光ファイバを撮像し、その画像又は画像を演算処理した処理結果(例えばキャピラリに挿入された定偏波光ファイバの波面と、キャピラリの所定の基準線(例えばキャピラリの端面にある2つの光ファイバ挿入孔の中心を結んだ線)との相対角度)をディスプレイ等に表示することにより、優れた作業性を実現し、キャピラリの組み立て精度のバラツキを抑えることが出来る。
好ましくは、キャピラリ組み立て装置は、光ファイバ挿入孔に挿入した定偏波光ファイバの位相を自動で調整する。
【0024】
本発明の請求項9に記載の発明は、前記振動の周波数を前記画面情報の垂直同期期間の周波数以上とすることを特徴とする請求項8に記載のキャピラリ組み立て装置である。本発明により、振動による画像ブレを低減することが出来る。これにより、見易い画像表示又はより高精度な画像処理を実現する。定偏波光ファイバの位相を更に高い精度で短時間で調整することが可能になる。
【0025】
本発明の請求項10に記載の発明は、前記振動発生部が印加する振動の方向が、前記光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの光軸とほぼ平行であることを特徴とする請求項8に記載のキャピラリ組み立て装置である。
本発明の効果を維持しつつ、撮像した画像のブレを防止することが出来る。高精度な画像情報又は画像情報の処理結果を得ることが出来る故に、より高精度の光ファイバの位置調整が可能になる。
本発明のキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置により製造されたキャピラリを用いて、高い精度の、経時変化又は環境変化等による位置ずれが少ない安価な光カプラ、光コネクタ等を実現できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施の形態について、図面とともに記載する。
【0027】
《実施の形態》
図1及び図2を用いて、本発明の実施の形態のキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を説明する。図1は、実施の形態のキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置により組み立てられたキャピラリの構成を示す拡大図である。図1において、1は光ファイバを挿入するための貫通孔を複数個有するキャピラリ、2及び3はそれぞれ、偏光した光信号をその中央のコア部分で偏光状態を維持して伝達する第1の定偏波光ファイバ及び第2の定偏波光ファイバである。
本実施の形態において、キャピラリ1は、光ファイバを挿入するための貫通した孔を2個有し、その孔に定偏波光ファイバ2及び3を挿入する。定偏波光ファイバ2及び3はそれぞれ、コア21、クラッド22、応力付与部23を有する。第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3は、偏光面が互いに90度をなすように角度を調整され、接着剤によりキャピラリ1に固定されている。組み立てられたキャピラリ1は、例えば互いに垂直な偏光面を有する第1の定偏波光及び第2の定偏波光をカップリングする光カプラに使用される。
【0028】
図2は、本発明のキャピラリ組み立て装置の構成を示す図である。図2において、振動発生部7は第1の振動発振子5、第2の振動発振子6、第3の振動発振子19、第4の振動発振子20に振動を供給する。第1の振動発振子5はキャピラリ保持具4に振動を印加する。キャピラリ保持具4はキャピラリ1を保持して、第1の振動発振子5からの振動をキャピラリ1に伝達する。後の説明の便宜のため、図2に第2の振動発振子6、第3の振動発振子19、第4の振動発振子20を記載した。本実施の形態においては、第1の振動発振子5のみを使用し、第2の振動発振子6、第3の振動発振子19、第4の振動発振子20を実際には使用しない(これらの要素は実際には無い。)。
【0029】
第1の光ファイバ保持具8は適度な強さで第1の定偏波光ファイバ2を保持し、且つ第1の定偏波光ファイバ2をその定偏波光ファイバの光の伝達方向へ移動させることができる。第2の光ファイバ保持具9は適度な強さで第2の定偏波光ファイバ3を保持し、且つ第2の定偏波光ファイバ3をその定偏波光ファイバの光の伝達方向へ移動させることができる。実際には通常、キャピラリ保持具4と光ファイバ保持具8、9とは、その間で第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3がほぼ真っ直ぐになるように配置される。これにより、第1及び第2の光ファイバ保持具8、9が第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3を容易に定偏波光ファイバの光の伝達方向へ移動させることができる。
【0030】
第1の振動発振子5はキャピラリ保持具4に振動を印加する。キャピラリ保持具4はキャピラリ1を保持し、且つ第1の振動発振子5からの振動をキャピラリ1に伝達する。第1の振動発振子5は、振動発生部7からの制御に従って、任意の方向及び周波数の振動をキャピラリ保持具4に印加することができる。実施の形態において、第1の振動発振子5は、光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの光軸とほぼ平行な方向にキャピラリ1を振動させる。振動の周波数をカメラ13が撮像する画面情報の垂直同期期間の周波数(実施の形態においては60Hz)以上とする。
振動発振子5による振動の振幅を10μm以下とすることにより、摩擦低減の効果を維持しつつ、画像処理部16が算出する第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度が含む振動に起因する誤差成分の大きさを無視できるレベルに抑えられる。
【0031】
カメラ13は第1の定偏波光ファイバ2と第2の定偏波光ファイバ3とキャピラリ1との端面の画像を撮影する。光源15はライトガイド14に光を供給する。ライトガイド14はキャピラリ1と第1の定偏波光ファイバ2と第2の定偏波光ファイバ3とに光を照射し、カメラ13が撮影する画像をよりわかりやすくする。画像処理部16はカメラ13が撮影した画像を入力し、その画像から2本の定偏波光ファイバのそれぞれの位相角度を演算する。画像処理部16は、キャピラリ1の端面の基準線(例えば2つの光ファイバ挿入孔の中心を結ぶ線)に対するそれぞれの定偏波光ファイバの位相角度(本実施の形態においては、コア21と2つの応力付与部23の中心とを結ぶ線と、キャピラリ1の端面の基準線との角度)を演算する。
【0032】
モニタ17はカメラ13で撮影した画像を表示する。演算部18は、画像処理部16で演算した第1の定偏波光ファイバ2の位相角度及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度が、所定の位相角度(実施の形態においてはそれぞれ基準線に対して90度及び0度)になるように、第1の回転調整ノブ10と第2の回転調整ノブ11を介して、第1の定偏波光ファイバ2と第2の定偏波光ファイバ3を回転させる量(回転量)を計算する。
【0033】
コントローラ12は、演算部18が出力する回転量を入力し、第1の回転調整ノブ10と第2の回転調整ノブ11を、その回転量だけ回転するように制御する。第1の回転調整ノブ10及び第2の回転調整ノブ11は、コントローラ12からの指令に応じて、図示しないモータにより回転される。第1の回転調整ノブ10は第1の光ファイバ保持具8を介して第1の定偏波光ファイバ2を回転させる。第2の回転調整ノブ11は第2の光ファイバ保持具9を介して第2の定偏波光ファイバ3を回転させる。
【0034】
定偏波光ファイバ2及び3をキャピラリ1に挿入し、角度を調整し、接続し、固定する製造方法を説明する。最初に、キャピラリ1をキャピラリ保持具4に固定する。第1の定偏波光ファイバ2を第1の光ファイバ保持具8に固定する。第2の定偏波光ファイバ3を第2の光ファイバ保持具9に固定する。次に、第1の定偏波光ファイバ2、第2の定偏波光ファイバ3の先端を、第1の光ファイバ保持具8、第2の光ファイバ保持具9を介して、キャピラリ1の貫通した光ファイバ挿入孔に挿入する。
【0035】
次に振動発生部7が起動され、振動子5に振動を供給する。振動発振子5は、キャピラリ保持具4を介してキャピラリ1に振動を印加する。キャピラリ1に振動が印加された状態で、第1の光ファイバ保持具8、第2の光ファイバ保持具9を所定の位置まで移動させ、第1の定偏波光ファイバ2、第2の定偏波光ファイバ3がキャピラリ1の光ファイバ挿入孔を貫通するようにする。第1の定偏波光ファイバ2、第2の定偏波光ファイバ3は、キャピラリ1の挿入側と反対の端面から所定の長さだけ飛び出す。振動を印加されることにより、光ファイバ2及び3は、スムーズにキャピラリ1の光ファイバ挿入孔を貫通する。
【0036】
次に、定偏波光ファイバ2及び3の位相を調整する。キャピラリ1の前面に位置するカメラ13は、上記挿入工程によって、所定の位置にセットされた第1の定偏波光ファイバ2と第2の定偏波光ファイバ3とキャピラリ1との端面の画像を取り込む。
画像処理部16は、取り込んだ画像に基づいて、各々第1の定偏波光ファイバ2、第2の定偏波光ファイバ3の位相角度を算出する。画像処理部16は、キャピラリ1の端面の基準線(例えば2つの光ファイバ挿入孔の中心を結ぶ線)に対するそれぞれの定偏波光ファイバの位相角度(本実施の形態においては、コア21と2つの応力付与部23の中心とを結ぶ線と、キャピラリ1の端面の基準線との角度)を演算する。
演算部18は、画像処理部16が出力した算出結果に基づいて、第1の定偏波光ファイバ2と第2の定偏波光ファイバ3の位相角度が所定の角度(本実施の形態において、第1の定偏波光ファイバ2は基準線に対して90度、第2の定偏波光ファイバ3は基準線に対して0度)になるために必要な角度調整量を算出する。
【0037】
コントローラ12は、演算部18が出力した角度調整量に基づいて、第1の回転調整ノブ11と第2の回転調整ノブ12を回転させる。コントローラ12は、第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度が所定の角度になるように自動的に調整する。コントローラ12が角度調整をする時に、振動発生部7が振動子5に振動を供給する。振動発振子5は、キャピラリ保持具4を介してキャピラリ1に振動を印加する。
実施の形態において、第1の振動発振子5は、光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの光軸とほぼ平行な方向に、キャピラリ1を振動させる。この振動により、キャピラリ1と第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3との間の摩擦が低減し、第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3をキャピラリ1に容易に挿入することができる。
挿入時の挿入抵抗が小さいため、折れ易い定偏波光ファイバを、切断又は破壊することなく、キャピラリ1に短時間で挿入することができる。製品(光ファイバを接続したキャピラリ)の歩留まりが向上する。その為、従来より安価にキャピラリを組み立てることが出来る。
【0038】
コントローラ12が第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3の位相角度を所定の角度になるように調整した後、第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3とキャピラリ1の光ファイバ挿入孔の外周との間の隙間に接着剤を注入して、第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3とキャピラリ1とを接続し固定する。
光ファイバを貫通孔に挿入し、貫通孔内で回転させる時の摩擦を低減したことに基づいて、定偏波光ファイバ2、3とキャピラリ1の貫通孔の外周との間の隙間を従来より小さくすることが出来る。
隙間を小さくすることにより、従来より注入する接着剤の量を少なくできる。接着剤の層が薄くなり、且つ第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3が局所的なストレスを残すことなく固定される故に、接着剤が経年変化し若しくは温度変化すること又は光ファイバ2、3の局所的なストレスが少しずつ開放されることによる、キャピラリと光ファイバ間との間の位置又は角度のズレが発生しにくい。対環境特性が良く経時的に変化しにくい、精度の良い光ファイバを接続したキャピラリを製造できる。
【0039】
振動を印加することにより、光ファイバの挿入及び位相調整時のキャピラリ1と第1の定偏波光ファイバ2、第2の定偏波光ファイバ3間の摩擦を低減することができる。
第1の回転調整ノブ10及び第2の回転調整ノブ11とキャピラリ1間に存在する第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3を変形又は歪ますことなく、それらの先端、すなわちカメラ13で撮像している部分における位相を精度良く調整することができる。
【0040】
従来、光ファイバ挿入孔と光ファイバとのクリアランスが2μmの場合においても、光ファイバの挿入時間に相当な時間がかかり、光ファイバが折れるという事故も発生した。本発明のキャピラリ組み立て装置を用いて、光ファイバをキャピラリの光ファイバ挿入孔に挿入する実験を行った。本発明のキャピラリ組み立て装置を用いることにより、光ファイバ挿入孔と光ファイバとのクリアランスが0.5μmの場合においても、従来の平均挿入時間より短い時間で、光ファイバを光ファイバ挿入孔に挿入することができた。
【0041】
光ファイバ2、3及び/又はキャピラリ1に印加する振動を、カメラ13が撮影する画像の垂直同期期間(画像サンプリング周期)の周波数(実施の形態においては60Hz)以上にすることにより、振動による画像のブレが平均化される。これにより、画像処理部16が算出する第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度の精度が向上し、キャピラリ組み立て装置はより高い精度で位相を調整する。
本実施の形態のキャピラリ組み立て製造方法で製造されたキャピラリを使用する製品(例えば、光カプラ、光コネクタ等)は、高い精度で定偏波光を処理(例えば少ない損失でのカップリング、デカップリング、伝送等)する。
【0042】
本実施の形態では、カメラ13が第1の定偏波光ファイバ2と第2の定偏波光ファイバ3とキャピラリ1との端面の画像を撮影し、画像処理部16がその画像を処理して第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度を算出し、演算部18が回転量を計算し、コントローラ12が第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度を自動調整した。
これに代えて画像処理部16、演算部18及びコントローラ12を削除しても良い。モニタ17は、カメラ13が出力する第1の定偏波光ファイバ2と第2の定偏波光ファイバ3とキャピラリ1との端面の画像を直接入力し、表示する。作業者が、第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度が所定の角度になるように第1の回転調整ノブ10、第2の回転調整ノブ11をマニュアルで調整する。この場合においても実施の形態と同様に第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3及び/又はキャピラリ1に振動を印加する。これにより実施の形態と同様の効果が得られる。作業者がマニュアルで第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3の位相角度を調整する方法においては、作業者による作業の精度のばらつきが発生する。それ故に、コントローラ12等が自動的に第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3の位相角度を調整する実施の形態に示す方法が、作業者がマニュアルで調整を行う方法よりも、位相調整精度、及び信頼性の点で優れている。
【0043】
本実施の形態では、第1の振動発振子5がキャピラリ保持具4を介してキャピラリ1に振動を印加した。第1の振動発振子5に代えて、第2の振動発振子6(図2)を使用しても良い。振動発生部7は第2の振動発振子6に振動を供給する。第2の振動発振子6は、光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの光軸とほぼ平行な方向に、キャピラリ1自身を直接振動させる。これにより、実施の形態と同様の効果が得られる。
第3の振動発振子19及び第4の振動発振子20を使用しても良い。振動発生部7は第3の振動発振子19及び第4の振動発振子20に振動を供給する。第3の振動発振子19、第4の振動発振子20は、それぞれ第1の光ファイバ保持具8、第2の光ファイバ保持具9を介して、光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの光軸とほぼ平行な方向に、第1の定偏波光ファイバ3、第2の定偏波光ファイバ4を直接振動させる。これにより、実施の形態と同様の効果が得られる。第1〜4の振動発振子5、6、19及び20の中の複数個の振動子を同時に使用した場合も、同様の効果が得られるのは言うまでもない。
【0044】
第3の振動発振子19、第4の振動発振子20が、それぞれ第1の光ファイバ保持具8、第2の光ファイバ保持具9を介して、第1の定偏波光ファイバ2、第2の定偏波光ファイバ3を、その光信号の伝達方向(光ファイバの光軸と平行な方向)に振動させた場合、キャピラリ1はほとんど振動しない。それ故に、カメラ13が撮影した画像の振動によるブレが更に低減できる。
振動発振子(5、6、19及び20の中のいずれか1つ又は複数)による振動の振幅を10μm以下とすることにより、摩擦低減の効果を維持しつつ、画像処理部16が算出する第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度が含む振動に起因する誤差成分の大きさを無視できるレベルに抑えられる(光ファイバの外径は125μm、コア径は10.5μmである)。
画像処理部16は、第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度を高い精度で算出する。キャピラリ組み立て装置はより高い精度で位相を調整する。
【0045】
図1において、キャピラリは2個の光ファイバ挿入孔を有し、それらの光ファイバ挿入孔に2個の定偏波光ファイバを挿入した。本発明の適用対象はこれに限定されない。1個又は複数個の光ファイバ挿入孔を有するキャピラリに1個又は複数個の光ファイバを挿入し、固定するキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置にも、本発明を適用できる。実施の形態において、定偏波光ファイバをキャピラリに挿入した。本発明の適用対象はこれに限定されない。定偏波光ファイバ以外の光ファイバを挿入するキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置にも、本発明を適用できる。
【0046】
説明の便宜上の理由により、図2において、キャピラリ1、第1の定偏波光ファイバ2、及び第2の定偏波光ファイバ3等は、モニタ18等と比べて相対的に大きく表示している。例えば第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3は、その長さと比べて、径を実際より太く表示している。図2に示す各要素は、絶対的にも相対的にも、その実際の寸法を必ずしも正しく表示するものではない。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、キャピラリに貫通するように形成された光ファイバ挿入孔に光ファイバを挿入する際の摩擦を低減することにより、短時間で、高い歩留まりで且つ高い精度で容易に光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、クリアランスの少ない光ファイバ挿入孔に光ファイバを挿入(及び回転)して固定する際、容易に光ファイバを挿入(及び回転)することができる。固定時に内部応力がほとんど残留しない。
本発明によれば、光ファイバ挿入孔と光ファイバとの間の隙間を大きくすることなく、短時間で光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
【0048】
本発明によれば、光ファイバが折れ若しくは破損すること、又は折れた光ファイバがキャピラリの光ファイバ挿入孔に詰まることにより、キャピラリ及び光ファイバの材料を損失することなく、実質的に短時間で且つ高い歩留まりで光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、生産性良く、容易に光ファイバをキャピラリに挿入し、位置及び角度(位相)を調整し、取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、光ファイバ挿入孔と光ファイバとの間の隙間を小さくして隙間に充填する接着剤をより少なくし、接着層をより薄くし、且つ光ファイバとキャピラリとの間に局所的なストレスが発生することを防止し、接着剤の経年変化又は温度変化によって、キャピラリと光ファイバ間に位置づれが発生しにくい安価で高い信頼性を有するキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
【0049】
本発明によれば、キャピラリに挿入された1又は複数の定偏波光ファイバの位相(角度)及び位置を追従性良く(高い精度で)短時間で調整することができるキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、容易に高精度な調整をすることができ、材料損失が発生しにくい高い歩留まりのキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
【0050】
本発明によれば、振動の印加によって挿入した定偏波光ファイバの回転ひずみを発生させることなく、容易に定偏波光ファイバの回転方向を調整できるキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、挿入した定偏波光ファイバの位相を画像処理によって求め、自動的に調整量を計算し、自動的に位相調整するキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、画像処理で位相を求めることによって、精度良くかつ短時間で位相調整が可能なキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
【0051】
本発明によれば、定偏波光ファイバ及びキャピラリに印加される振動の周波数を画面情報の垂直同期期間の周波数(典型的には60Hz)以上とすることによって、振動による画像ブレを低減することができ、より高精度な画像処理を実現し、それに基づいたより高精度な位相調整が可能となるキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、定偏波光ファイバに印加される振動の振幅方向を、定偏波光ファイバの光信号が伝達する方向(光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの光軸と平行な方向)にすることによって、画像取り込み時の画像ブレをなくすことができ、さらにより高精度な画像処理を実現し、それに基づいたより高精度な位相調整が可能となるキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャピラリの構成を示す図
【図2】本発明のキャピラリ組み立て装置の構成を示す図
【符号の説明】
1 キャピラリ
2 第1の定偏波光ファイバ
3 第2の定偏波光ファイバ
4 キャピラリ保持具
5 第1の振動発振子
6 第2の振動発振子
7 振動発生部
8 第1の光ファイバ保持具
9 第2の光ファイバ保持具
10 第1の回転調整ノブ
11 第2の回転調整ノブ
12 コントローラ
13 カメラ
14 ライトガイド
15 光源
16 画像処理部
17 モニタ
18 演算部
19 第3の振動発振子
20 第4の振動発振子
21 コア
22 クラッド
23 応力付与部
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャピラリに貫通するように形成された光ファイバ挿入孔に、光ファイバを挿入して接続し固定するキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ファイバが広い用途に使用されている。複数の光ファイバをカップリングする光カプラ、及び1又は複数の光ファイバを接続する光コネクタ等において、キャピラリが使用される。キャピラリには1又は複数の貫通孔(光ファイバ挿入孔。以下、「光ファイバ挿入孔」と略する。)が設けられており、光ファイバ挿入孔に光ファイバが挿入され、接続され、固定される。
【0003】
従来、光ファイバをキャピラリに設けられた光ファイバ挿入孔に静かに通して、光ファイバをキャピラリに取り付けていた。
キャピラリには、1つの光ファイバ挿入孔を有するものと、複数の光ファイバ挿入孔を有するものとがある。
1つの光ファイバ挿入孔を有するキャピラリを用いて製造する光コネクタがある。光コネクタが、例えば1つの光ファイバ挿入孔に同心円状の断面を有する光ファイバを挿入したフェルール(キャピラリを含む。)を有するとする。工場において、光ファイバはキャピラリの光ファイバ挿入孔に挿入され、光ファイバ挿入孔中の適切な位置に配置された状態でキャピラリに接着剤で固定される。
【0004】
特開平09−281357号公報に、1つ又は複数の光ファイバ挿入孔に定偏波光ファイバを挿入した斜め研磨端面を有するフェルール(キャピラリを含む。)を有する光コネクタが記載されている。この光コネクタの製造工程において、定偏波光ファイバはキャピラリの光ファイバ挿入孔に挿入され、光ファイバ挿入孔中の適切な位置に配置され、且つ定偏波光ファイバ(光ファイバの波面)とフェルールの斜め研磨端面とが適切な角度(位相角度)になった状態で(キャピラリが複数の光ファイバ挿入孔を有する場合は、更に定偏波光ファイバ(光ファイバの波面)とキャピラリのフェルール穴の並び方向とが適切な角度になった状態で)、キャピラリに接着剤で固定される。
【0005】
特開2000−028843号公報に、1つの光ファイバ挿入孔に複数の定偏波光ファイバを挿入したキャピラリ(定偏波光ファイバ用4心フェルール)を用いた光カプラが記載されている。この光カプラの製造工程において、複数の定偏波光ファイバはそれぞれフェルールの光ファイバ挿入孔に挿入され、光ファイバ挿入孔中の適切な位置に配置され、定偏波光ファイバとフェルール(レンズユニット)とが適切な角度になり、且つ複数の定偏波光ファイバの相互間の角度が適切な角度になった状態で、キャピラリに接着剤で固定される。光カプラが複数の光ファイバ挿入孔が形成されたキャピラリを有し、それぞれの光ファイバ挿入孔に定偏波光ファイバを挿入しても良い。
【0006】
光コネクタ、光カプラ等の光デバイスは、その組立精度によって光ファイバの損失が大きく変化する。光コネクタ、光カプラ等の光デバイスにおいて、光ファイバをキャピラリの光ファイバ挿入孔の適切な位置に適切な角度(位相角度)で固定することが、光デバイス内での光損失を低減する上で重要である。
【0007】
【特許文献1】
特開平09−281357号公報
【特許文献2】
特開2000−028843号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来、キャピラリに貫通するように形成された光ファイバ挿入孔に、光ファイバを挿入する際、光ファイバとキャピラリ間に大きな摩擦が発生していた。その為、キャピラリへの光ファイバの挿入及び調整が難しく、生産性が悪いという問題があった。光ファイバは、非常にもろい材質であるため、挿入時に、光ファイバが折れる、あるいは破損する場合があった。破損、あるいは折れた光ファイバは、キャピラリの光ファイバ挿入孔に詰まり、キャピラリ及び光ファイバの材料を損失する等の問題が発生していた。
【0009】
上記問題の解決策として、キャピラリに貫通するように形成された光ファイバ挿入孔の孔サイズを、大きくする等の対策を行う場合もあった。この場合、キャピラリと光ファイバ間の空間が大きくなり、これらの材料を用いて製作されたカプラは光ファイバ位置の精度が悪くなった。キャピラリと光ファイバ間の空間に接着剤を充填し、キャピラリと光ファイバとを接続し固定した場合、接着剤の経年変化、あるいは温度変化によって、キャピラリと光ファイバ間に位置づれが発生し、カプラを用いて製造した光デバイス装置の性能、あるいは対環境特性が悪くなるなどの問題が発生していた。
【0010】
光ファイバ挿入孔のクリアランスが小さいキャピラリに例えば定偏波光ファイバを挿入し位相(角度)調整をする時に、キャピラリの光ファイバ挿入孔の内周面と定偏波光ファイバの外周面とが接触し、回転によるねじれ方向の残留応力が発生して高精度な位相調整ができなかった。回転方向のねじれ成分の影響で、定偏波光ファイバの回転方向の追従性が悪く作業性が良くなかった。調整時にキャピラリと定偏波光ファイバに傷がつくという問題が発生していた。
【0011】
定偏波光ファイバの位相を調整する場合、定偏波光ファイバを保持具で保持し、調整する必要がある。この保持具による保持位置は、構造上、摩擦の発生するキャピラリ内が望ましいが、物理的に不可能である。実際は保持具は、光ファイバ上の摩擦が発生する位置(キャピラリの光ファイバ挿入孔の中)より離れた位置を保持する。特に、キャピラリが複数の定偏波光ファイバ挿入孔を有する場合、複数個の保持具が必要となる。これらの保持具の保持位置は、光ファイバ上の摩擦発生位置より、より離れた位置となる。定偏波光ファイバは、ねじりに対して、剛性が低い。それ故、保持具の保持位置が摩擦発生位置より、より離れた場合、摩擦の発生するキャピラリ位置での位相及び位置の調整が難しくなる。すなわち、調整に時間がかかる。あるいは、要望の調整精度が得られず、製品の歩留まりが悪くなるなどの問題が発生していた。
【0012】
本発明は、キャピラリに貫通するように形成された光ファイバ挿入孔に光ファイバを挿入する際の摩擦を低減することにより、短時間で、高い歩留まりで且つ高い精度で容易に光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を提供することを目的とする。
本発明は、光ファイバ挿入孔と光ファイバとの間の隙間(クリアランス)を大きくすることなく、短時間で光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を提供することを目的とする。
本発明は、光ファイバが折れ若しくは破損すること、又は折れた光ファイバがキャピラリの光ファイバ挿入孔に詰まることにより、キャピラリ及び光ファイバの材料を損失することなく、実質的に短時間で且つ高い歩留まりで光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、生産性良く、容易に光ファイバをキャピラリに挿入し、位置及び角度(位相)を調整し、取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を提供することを目的とする。
本発明は、光ファイバ挿入孔と光ファイバとの間の隙間を小さくして隙間に充填する接着剤をより少なくし、接着層をより薄くし、且つ光ファイバとキャピラリとの間に局所的なストレスが発生することを防止し、接着剤の経年変化又は温度変化によって、キャピラリと光ファイバ間に位置づれが発生しにくい安価で高い信頼性を有するキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を提供することを目的とする。
本発明は、キャピラリに挿入された1又は複数の定偏波光ファイバの位相(角度)及び位置を追従性良く(高い精度で)短時間で調整することができるキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を提供することを目的とする。
本発明は、容易に高精度な調整をすることができ、材料損失が発生しにくい高い歩留まりのキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は下記の構成を有する。本発明の請求項1に記載の発明は、キャピラリ又は光ファイバに振動を印加しながら、前記キャピラリに設けられた光ファイバ挿入孔に前記光ファイバを挿入する挿入ステップと、前記キャピラリと前記光ファイバとを接続し固定する固定ステップと、を有することを特徴とするキャピラリ組み立て製造方法である。
本発明は、振動を印加して光ファイバ挿入孔の外周と光ファイバとの摩擦を低減することにより(局所的なストレスが発生することを防止する。)、短時間で高い歩留まりで高い精度で容易に且つ安価に光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法を実現するという作用を有する。光ファイバは歪が少ない状態で固定される故に、光ファイバが光ファイバ挿入孔内で経時的に位置変化する変化量を小さく出来る。摩擦を低減することにより、光ファイバ挿入孔と光ファイバとのクリアランスを小さく出来る。これにより、光ファイバが光ファイバ挿入孔内で経時的に位置変化する変化量を更に小さく出来る。光ファイバを光ファイバ挿入孔内に固定するための接着剤の量を低減できる。
振動を直接光ファイバ又はキャピラリに振動を印加しても良く、間接的に(例えばキャピラリ保持具又は光ファイバ保持具を経由して)光ファイバ又はキャピラリに振動を印加しても良い。
【0015】
本発明の請求項2に記載の発明は、1又は複数の光ファイバ挿入孔を有するキャピラリと前記キャピラリに挿入された定偏波光ファイバとの角度、又は前記キャピラリに挿入された複数の前記定偏波光ファイバの相互間の角度を測定する測定ステップと、前記測定ステップによる測定値が所定の範囲の値になるように、前記キャピラリ又は少なくとも1本の前記定偏波光ファイバに振動を印加しながら、前記キャピラリに設けられた少なくとも1つの前記光ファイバ挿入孔に前記定偏波光ファイバを挿入し、角度を調整する挿入ステップと、前記キャピラリと前記定偏波光ファイバとを接続し固定する固定ステップと、を有することを特徴とするキャピラリ組み立て製造方法である。
【0016】
本発明は、振動を印加して光ファイバ挿入孔の外周と光ファイバとの摩擦を低減することにより、調整時の定偏波光ファイバの回転歪を低減する。これにより、短時間で高い歩留まりで高い精度で容易に且つ安価に定偏波光ファイバをキャピラリに取り付けるキャピラリ組み立て製造方法を実現できる。
本発明のキャピラリ組み立て製造方法を用いて、例えば1つの光ファイバ挿入孔を有するキャピラリ(例えば斜め研磨端面を有するフェルールに含まれる。)に定偏波光ファイバを、所定の位置及び位相(角度)で高い精度で取り付けることが出来る。例えば1つの光ファイバ挿入孔を有するキャピラリ(例えば定偏波光ファイバ用4心フェルール)に複数の定偏波光ファイバを、所定の位置及び位相(角度)で高い精度で取り付けることが出来る。例えば複数の光ファイバ挿入孔を有するキャピラリ(例えば実施の形態に記載した光カプラ用キャピラリ)に複数の定偏波光ファイバを、所定の位置及び位相(角度)で高い精度で取り付けることが出来る。
【0017】
本発明の請求項3に記載の発明は、前記測定ステップが、1又は複数の光ファイバ挿入孔を有するキャピラリと前記キャピラリに挿入された定偏波光ファイバとを、又は前記キャピラリに挿入された複数の前記定偏波光ファイバを、撮像する撮像ステップと、撮像された画面情報を出力し、又は撮像された画像情報を演算処理した処理結果を出力する出力ステップと、を有することを特徴とする請求項2に記載のキャピラリ組み立て製造方法である。
【0018】
微小な定偏波光ファイバを肉眼又は拡大鏡を通じて見ながら、定偏波光ファイバの取り付け角度を調整する作業は、容易でない。本発明によれば、キャピラリに挿入された定偏波光ファイバを撮像し(一般には、キャピラリの光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの端面を撮像する)、その画像又は画像を演算処理した処理結果(例えばキャピラリに挿入された2本の定偏波光ファイバの波面の相対角度)をディスプレイ等に表示することにより、優れた作業性を実現し、キャピラリの組み立て精度のバラツキを抑えることが出来る。
好ましくは挿入ステップにおいて、出力ステップにおける出力を利用して、測定ステップによる測定値が所定の範囲の値になるように、定偏波光ファイバの取り付け角度を自動的に調整する。これにより、定偏波光ファイバの位相を精度良くかつ短時間で調整することが可能になる。
【0019】
本発明の請求項4に記載の発明は、前記振動の周波数を前記画面情報の垂直同期期間の周波数以上とすることを特徴とする請求項3に記載のキャピラリ組み立て製造方法である。本発明により、振動による画像ブレを低減することが出来る。これにより、見易い画像表示又はより高精度な画像処理を実現する。定偏波光ファイバの位相を更に高い精度で短時間で調整することが可能になる。
例えば垂直同期期間の周波数が60Hzである画像情報をディスプレイに表示する場合は、振動の周波数を60Hz以上とする。例えば垂直同期期間の周波数がf(f>60Hz)である画像情報(例えばPC(パーソナルコンピュータ)で生成した画像)をコンピュータ用ディスプレイで表示する場合は、振動の周波数をf以上とする。
【0020】
本発明の請求項5に記載の発明は、前記振動の印加方向が、前記光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの光軸とほぼ平行であることを特徴とする請求項3に記載のキャピラリ組み立て製造方法である。
本発明においては、画像がもっともブレにくい方向に振動を印加する。これにより、本発明の効果を維持しつつ、撮像した画像のブレを防止することが出来る。高精度な画像情報又は画像情報の処理結果を得ることが出来る故に、より高精度の光ファイバの位置調整が可能になる。
【0021】
本発明の請求項6に記載の発明は、光ファイバ挿入孔を有するキャピラリを固定するキャピラリ保持具と、光ファイバを保持する光ファイバ保持具と、前記光ファイバ挿入孔に前記光ファイバを挿入する時、直接的又は間接的に前記キャピラリ又は前記光ファイバに振動を印加する振動発生部と、を有するキャピラリ組み立て装置である。
本発明は、振動を印加して光ファイバ挿入孔の外周と光ファイバとの摩擦を低減することにより、短時間で、高い歩留まりで高い精度で容易に且つ安価に光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て装置を実現するという作用を有する。
【0022】
本発明の請求項7に記載の発明は、1又は複数の光ファイバ挿入孔を有するキャピラリを固定するキャピラリ保持具と、定偏波光ファイバを保持する光ファイバ保持具と、前記キャピラリに設けられた少なくとも1つの前記光ファイバ挿入孔に前記定偏波光ファイバを挿入し、角度を調整する時、前記キャピラリ又は少なくとも1本の前記定偏波光ファイバに振動を印加する振動発生部と、前記キャピラリと前記キャピラリに挿入された定偏波光ファイバとの角度、又は前記キャピラリに挿入された複数の前記定偏波光ファイバの相互間の角度が所定の範囲の値になるように、前記角度を自動調節する角度調節部と、を有することを特徴とするキャピラリ組み立て装置である。
本発明は、振動を印加して光ファイバ挿入孔の外周と光ファイバとの摩擦を低減することにより、調整時の定偏波光ファイバの回転歪を低減する。これにより、短時間で高い歩留まりで高い精度で容易に且つ安価に定偏波光ファイバをキャピラリに自動的に取り付けるキャピラリ組み立て装置を実現できる。
【0023】
本発明の請求項8に記載の発明は、1又は複数の光ファイバ挿入孔を有するキャピラリを固定するキャピラリ保持具と、定偏波光ファイバを保持する光ファイバ保持具と、前記キャピラリに設けられた少なくとも1つの前記光ファイバ挿入孔に前記定偏波光ファイバを挿入し、角度を調整する時、前記キャピラリ又は少なくとも1本の前記定偏波光ファイバに振動を印加する振動発生部と、前記キャピラリと前記キャピラリに挿入された定偏波光ファイバとを、又は前記キャピラリに挿入された複数の前記定偏波光ファイバを、撮像する撮像部と、撮像された画面情報を出力し、又は撮像された画像情報を演算処理した処理結果を出力する出力部と、を有することを特徴とするキャピラリ組み立て装置である。
本発明によれば、キャピラリに挿入された定偏波光ファイバを撮像し、その画像又は画像を演算処理した処理結果(例えばキャピラリに挿入された定偏波光ファイバの波面と、キャピラリの所定の基準線(例えばキャピラリの端面にある2つの光ファイバ挿入孔の中心を結んだ線)との相対角度)をディスプレイ等に表示することにより、優れた作業性を実現し、キャピラリの組み立て精度のバラツキを抑えることが出来る。
好ましくは、キャピラリ組み立て装置は、光ファイバ挿入孔に挿入した定偏波光ファイバの位相を自動で調整する。
【0024】
本発明の請求項9に記載の発明は、前記振動の周波数を前記画面情報の垂直同期期間の周波数以上とすることを特徴とする請求項8に記載のキャピラリ組み立て装置である。本発明により、振動による画像ブレを低減することが出来る。これにより、見易い画像表示又はより高精度な画像処理を実現する。定偏波光ファイバの位相を更に高い精度で短時間で調整することが可能になる。
【0025】
本発明の請求項10に記載の発明は、前記振動発生部が印加する振動の方向が、前記光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの光軸とほぼ平行であることを特徴とする請求項8に記載のキャピラリ組み立て装置である。
本発明の効果を維持しつつ、撮像した画像のブレを防止することが出来る。高精度な画像情報又は画像情報の処理結果を得ることが出来る故に、より高精度の光ファイバの位置調整が可能になる。
本発明のキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置により製造されたキャピラリを用いて、高い精度の、経時変化又は環境変化等による位置ずれが少ない安価な光カプラ、光コネクタ等を実現できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施の形態について、図面とともに記載する。
【0027】
《実施の形態》
図1及び図2を用いて、本発明の実施の形態のキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を説明する。図1は、実施の形態のキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置により組み立てられたキャピラリの構成を示す拡大図である。図1において、1は光ファイバを挿入するための貫通孔を複数個有するキャピラリ、2及び3はそれぞれ、偏光した光信号をその中央のコア部分で偏光状態を維持して伝達する第1の定偏波光ファイバ及び第2の定偏波光ファイバである。
本実施の形態において、キャピラリ1は、光ファイバを挿入するための貫通した孔を2個有し、その孔に定偏波光ファイバ2及び3を挿入する。定偏波光ファイバ2及び3はそれぞれ、コア21、クラッド22、応力付与部23を有する。第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3は、偏光面が互いに90度をなすように角度を調整され、接着剤によりキャピラリ1に固定されている。組み立てられたキャピラリ1は、例えば互いに垂直な偏光面を有する第1の定偏波光及び第2の定偏波光をカップリングする光カプラに使用される。
【0028】
図2は、本発明のキャピラリ組み立て装置の構成を示す図である。図2において、振動発生部7は第1の振動発振子5、第2の振動発振子6、第3の振動発振子19、第4の振動発振子20に振動を供給する。第1の振動発振子5はキャピラリ保持具4に振動を印加する。キャピラリ保持具4はキャピラリ1を保持して、第1の振動発振子5からの振動をキャピラリ1に伝達する。後の説明の便宜のため、図2に第2の振動発振子6、第3の振動発振子19、第4の振動発振子20を記載した。本実施の形態においては、第1の振動発振子5のみを使用し、第2の振動発振子6、第3の振動発振子19、第4の振動発振子20を実際には使用しない(これらの要素は実際には無い。)。
【0029】
第1の光ファイバ保持具8は適度な強さで第1の定偏波光ファイバ2を保持し、且つ第1の定偏波光ファイバ2をその定偏波光ファイバの光の伝達方向へ移動させることができる。第2の光ファイバ保持具9は適度な強さで第2の定偏波光ファイバ3を保持し、且つ第2の定偏波光ファイバ3をその定偏波光ファイバの光の伝達方向へ移動させることができる。実際には通常、キャピラリ保持具4と光ファイバ保持具8、9とは、その間で第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3がほぼ真っ直ぐになるように配置される。これにより、第1及び第2の光ファイバ保持具8、9が第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3を容易に定偏波光ファイバの光の伝達方向へ移動させることができる。
【0030】
第1の振動発振子5はキャピラリ保持具4に振動を印加する。キャピラリ保持具4はキャピラリ1を保持し、且つ第1の振動発振子5からの振動をキャピラリ1に伝達する。第1の振動発振子5は、振動発生部7からの制御に従って、任意の方向及び周波数の振動をキャピラリ保持具4に印加することができる。実施の形態において、第1の振動発振子5は、光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの光軸とほぼ平行な方向にキャピラリ1を振動させる。振動の周波数をカメラ13が撮像する画面情報の垂直同期期間の周波数(実施の形態においては60Hz)以上とする。
振動発振子5による振動の振幅を10μm以下とすることにより、摩擦低減の効果を維持しつつ、画像処理部16が算出する第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度が含む振動に起因する誤差成分の大きさを無視できるレベルに抑えられる。
【0031】
カメラ13は第1の定偏波光ファイバ2と第2の定偏波光ファイバ3とキャピラリ1との端面の画像を撮影する。光源15はライトガイド14に光を供給する。ライトガイド14はキャピラリ1と第1の定偏波光ファイバ2と第2の定偏波光ファイバ3とに光を照射し、カメラ13が撮影する画像をよりわかりやすくする。画像処理部16はカメラ13が撮影した画像を入力し、その画像から2本の定偏波光ファイバのそれぞれの位相角度を演算する。画像処理部16は、キャピラリ1の端面の基準線(例えば2つの光ファイバ挿入孔の中心を結ぶ線)に対するそれぞれの定偏波光ファイバの位相角度(本実施の形態においては、コア21と2つの応力付与部23の中心とを結ぶ線と、キャピラリ1の端面の基準線との角度)を演算する。
【0032】
モニタ17はカメラ13で撮影した画像を表示する。演算部18は、画像処理部16で演算した第1の定偏波光ファイバ2の位相角度及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度が、所定の位相角度(実施の形態においてはそれぞれ基準線に対して90度及び0度)になるように、第1の回転調整ノブ10と第2の回転調整ノブ11を介して、第1の定偏波光ファイバ2と第2の定偏波光ファイバ3を回転させる量(回転量)を計算する。
【0033】
コントローラ12は、演算部18が出力する回転量を入力し、第1の回転調整ノブ10と第2の回転調整ノブ11を、その回転量だけ回転するように制御する。第1の回転調整ノブ10及び第2の回転調整ノブ11は、コントローラ12からの指令に応じて、図示しないモータにより回転される。第1の回転調整ノブ10は第1の光ファイバ保持具8を介して第1の定偏波光ファイバ2を回転させる。第2の回転調整ノブ11は第2の光ファイバ保持具9を介して第2の定偏波光ファイバ3を回転させる。
【0034】
定偏波光ファイバ2及び3をキャピラリ1に挿入し、角度を調整し、接続し、固定する製造方法を説明する。最初に、キャピラリ1をキャピラリ保持具4に固定する。第1の定偏波光ファイバ2を第1の光ファイバ保持具8に固定する。第2の定偏波光ファイバ3を第2の光ファイバ保持具9に固定する。次に、第1の定偏波光ファイバ2、第2の定偏波光ファイバ3の先端を、第1の光ファイバ保持具8、第2の光ファイバ保持具9を介して、キャピラリ1の貫通した光ファイバ挿入孔に挿入する。
【0035】
次に振動発生部7が起動され、振動子5に振動を供給する。振動発振子5は、キャピラリ保持具4を介してキャピラリ1に振動を印加する。キャピラリ1に振動が印加された状態で、第1の光ファイバ保持具8、第2の光ファイバ保持具9を所定の位置まで移動させ、第1の定偏波光ファイバ2、第2の定偏波光ファイバ3がキャピラリ1の光ファイバ挿入孔を貫通するようにする。第1の定偏波光ファイバ2、第2の定偏波光ファイバ3は、キャピラリ1の挿入側と反対の端面から所定の長さだけ飛び出す。振動を印加されることにより、光ファイバ2及び3は、スムーズにキャピラリ1の光ファイバ挿入孔を貫通する。
【0036】
次に、定偏波光ファイバ2及び3の位相を調整する。キャピラリ1の前面に位置するカメラ13は、上記挿入工程によって、所定の位置にセットされた第1の定偏波光ファイバ2と第2の定偏波光ファイバ3とキャピラリ1との端面の画像を取り込む。
画像処理部16は、取り込んだ画像に基づいて、各々第1の定偏波光ファイバ2、第2の定偏波光ファイバ3の位相角度を算出する。画像処理部16は、キャピラリ1の端面の基準線(例えば2つの光ファイバ挿入孔の中心を結ぶ線)に対するそれぞれの定偏波光ファイバの位相角度(本実施の形態においては、コア21と2つの応力付与部23の中心とを結ぶ線と、キャピラリ1の端面の基準線との角度)を演算する。
演算部18は、画像処理部16が出力した算出結果に基づいて、第1の定偏波光ファイバ2と第2の定偏波光ファイバ3の位相角度が所定の角度(本実施の形態において、第1の定偏波光ファイバ2は基準線に対して90度、第2の定偏波光ファイバ3は基準線に対して0度)になるために必要な角度調整量を算出する。
【0037】
コントローラ12は、演算部18が出力した角度調整量に基づいて、第1の回転調整ノブ11と第2の回転調整ノブ12を回転させる。コントローラ12は、第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度が所定の角度になるように自動的に調整する。コントローラ12が角度調整をする時に、振動発生部7が振動子5に振動を供給する。振動発振子5は、キャピラリ保持具4を介してキャピラリ1に振動を印加する。
実施の形態において、第1の振動発振子5は、光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの光軸とほぼ平行な方向に、キャピラリ1を振動させる。この振動により、キャピラリ1と第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3との間の摩擦が低減し、第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3をキャピラリ1に容易に挿入することができる。
挿入時の挿入抵抗が小さいため、折れ易い定偏波光ファイバを、切断又は破壊することなく、キャピラリ1に短時間で挿入することができる。製品(光ファイバを接続したキャピラリ)の歩留まりが向上する。その為、従来より安価にキャピラリを組み立てることが出来る。
【0038】
コントローラ12が第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3の位相角度を所定の角度になるように調整した後、第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3とキャピラリ1の光ファイバ挿入孔の外周との間の隙間に接着剤を注入して、第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3とキャピラリ1とを接続し固定する。
光ファイバを貫通孔に挿入し、貫通孔内で回転させる時の摩擦を低減したことに基づいて、定偏波光ファイバ2、3とキャピラリ1の貫通孔の外周との間の隙間を従来より小さくすることが出来る。
隙間を小さくすることにより、従来より注入する接着剤の量を少なくできる。接着剤の層が薄くなり、且つ第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3が局所的なストレスを残すことなく固定される故に、接着剤が経年変化し若しくは温度変化すること又は光ファイバ2、3の局所的なストレスが少しずつ開放されることによる、キャピラリと光ファイバ間との間の位置又は角度のズレが発生しにくい。対環境特性が良く経時的に変化しにくい、精度の良い光ファイバを接続したキャピラリを製造できる。
【0039】
振動を印加することにより、光ファイバの挿入及び位相調整時のキャピラリ1と第1の定偏波光ファイバ2、第2の定偏波光ファイバ3間の摩擦を低減することができる。
第1の回転調整ノブ10及び第2の回転調整ノブ11とキャピラリ1間に存在する第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3を変形又は歪ますことなく、それらの先端、すなわちカメラ13で撮像している部分における位相を精度良く調整することができる。
【0040】
従来、光ファイバ挿入孔と光ファイバとのクリアランスが2μmの場合においても、光ファイバの挿入時間に相当な時間がかかり、光ファイバが折れるという事故も発生した。本発明のキャピラリ組み立て装置を用いて、光ファイバをキャピラリの光ファイバ挿入孔に挿入する実験を行った。本発明のキャピラリ組み立て装置を用いることにより、光ファイバ挿入孔と光ファイバとのクリアランスが0.5μmの場合においても、従来の平均挿入時間より短い時間で、光ファイバを光ファイバ挿入孔に挿入することができた。
【0041】
光ファイバ2、3及び/又はキャピラリ1に印加する振動を、カメラ13が撮影する画像の垂直同期期間(画像サンプリング周期)の周波数(実施の形態においては60Hz)以上にすることにより、振動による画像のブレが平均化される。これにより、画像処理部16が算出する第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度の精度が向上し、キャピラリ組み立て装置はより高い精度で位相を調整する。
本実施の形態のキャピラリ組み立て製造方法で製造されたキャピラリを使用する製品(例えば、光カプラ、光コネクタ等)は、高い精度で定偏波光を処理(例えば少ない損失でのカップリング、デカップリング、伝送等)する。
【0042】
本実施の形態では、カメラ13が第1の定偏波光ファイバ2と第2の定偏波光ファイバ3とキャピラリ1との端面の画像を撮影し、画像処理部16がその画像を処理して第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度を算出し、演算部18が回転量を計算し、コントローラ12が第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度を自動調整した。
これに代えて画像処理部16、演算部18及びコントローラ12を削除しても良い。モニタ17は、カメラ13が出力する第1の定偏波光ファイバ2と第2の定偏波光ファイバ3とキャピラリ1との端面の画像を直接入力し、表示する。作業者が、第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度が所定の角度になるように第1の回転調整ノブ10、第2の回転調整ノブ11をマニュアルで調整する。この場合においても実施の形態と同様に第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3及び/又はキャピラリ1に振動を印加する。これにより実施の形態と同様の効果が得られる。作業者がマニュアルで第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3の位相角度を調整する方法においては、作業者による作業の精度のばらつきが発生する。それ故に、コントローラ12等が自動的に第1及び第2の定偏波光ファイバ2、3の位相角度を調整する実施の形態に示す方法が、作業者がマニュアルで調整を行う方法よりも、位相調整精度、及び信頼性の点で優れている。
【0043】
本実施の形態では、第1の振動発振子5がキャピラリ保持具4を介してキャピラリ1に振動を印加した。第1の振動発振子5に代えて、第2の振動発振子6(図2)を使用しても良い。振動発生部7は第2の振動発振子6に振動を供給する。第2の振動発振子6は、光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの光軸とほぼ平行な方向に、キャピラリ1自身を直接振動させる。これにより、実施の形態と同様の効果が得られる。
第3の振動発振子19及び第4の振動発振子20を使用しても良い。振動発生部7は第3の振動発振子19及び第4の振動発振子20に振動を供給する。第3の振動発振子19、第4の振動発振子20は、それぞれ第1の光ファイバ保持具8、第2の光ファイバ保持具9を介して、光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの光軸とほぼ平行な方向に、第1の定偏波光ファイバ3、第2の定偏波光ファイバ4を直接振動させる。これにより、実施の形態と同様の効果が得られる。第1〜4の振動発振子5、6、19及び20の中の複数個の振動子を同時に使用した場合も、同様の効果が得られるのは言うまでもない。
【0044】
第3の振動発振子19、第4の振動発振子20が、それぞれ第1の光ファイバ保持具8、第2の光ファイバ保持具9を介して、第1の定偏波光ファイバ2、第2の定偏波光ファイバ3を、その光信号の伝達方向(光ファイバの光軸と平行な方向)に振動させた場合、キャピラリ1はほとんど振動しない。それ故に、カメラ13が撮影した画像の振動によるブレが更に低減できる。
振動発振子(5、6、19及び20の中のいずれか1つ又は複数)による振動の振幅を10μm以下とすることにより、摩擦低減の効果を維持しつつ、画像処理部16が算出する第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度が含む振動に起因する誤差成分の大きさを無視できるレベルに抑えられる(光ファイバの外径は125μm、コア径は10.5μmである)。
画像処理部16は、第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3の位相角度を高い精度で算出する。キャピラリ組み立て装置はより高い精度で位相を調整する。
【0045】
図1において、キャピラリは2個の光ファイバ挿入孔を有し、それらの光ファイバ挿入孔に2個の定偏波光ファイバを挿入した。本発明の適用対象はこれに限定されない。1個又は複数個の光ファイバ挿入孔を有するキャピラリに1個又は複数個の光ファイバを挿入し、固定するキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置にも、本発明を適用できる。実施の形態において、定偏波光ファイバをキャピラリに挿入した。本発明の適用対象はこれに限定されない。定偏波光ファイバ以外の光ファイバを挿入するキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置にも、本発明を適用できる。
【0046】
説明の便宜上の理由により、図2において、キャピラリ1、第1の定偏波光ファイバ2、及び第2の定偏波光ファイバ3等は、モニタ18等と比べて相対的に大きく表示している。例えば第1の定偏波光ファイバ2及び第2の定偏波光ファイバ3は、その長さと比べて、径を実際より太く表示している。図2に示す各要素は、絶対的にも相対的にも、その実際の寸法を必ずしも正しく表示するものではない。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、キャピラリに貫通するように形成された光ファイバ挿入孔に光ファイバを挿入する際の摩擦を低減することにより、短時間で、高い歩留まりで且つ高い精度で容易に光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、クリアランスの少ない光ファイバ挿入孔に光ファイバを挿入(及び回転)して固定する際、容易に光ファイバを挿入(及び回転)することができる。固定時に内部応力がほとんど残留しない。
本発明によれば、光ファイバ挿入孔と光ファイバとの間の隙間を大きくすることなく、短時間で光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
【0048】
本発明によれば、光ファイバが折れ若しくは破損すること、又は折れた光ファイバがキャピラリの光ファイバ挿入孔に詰まることにより、キャピラリ及び光ファイバの材料を損失することなく、実質的に短時間で且つ高い歩留まりで光ファイバをキャピラリに取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、生産性良く、容易に光ファイバをキャピラリに挿入し、位置及び角度(位相)を調整し、取り付けることが出来るキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、光ファイバ挿入孔と光ファイバとの間の隙間を小さくして隙間に充填する接着剤をより少なくし、接着層をより薄くし、且つ光ファイバとキャピラリとの間に局所的なストレスが発生することを防止し、接着剤の経年変化又は温度変化によって、キャピラリと光ファイバ間に位置づれが発生しにくい安価で高い信頼性を有するキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
【0049】
本発明によれば、キャピラリに挿入された1又は複数の定偏波光ファイバの位相(角度)及び位置を追従性良く(高い精度で)短時間で調整することができるキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、容易に高精度な調整をすることができ、材料損失が発生しにくい高い歩留まりのキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
【0050】
本発明によれば、振動の印加によって挿入した定偏波光ファイバの回転ひずみを発生させることなく、容易に定偏波光ファイバの回転方向を調整できるキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、挿入した定偏波光ファイバの位相を画像処理によって求め、自動的に調整量を計算し、自動的に位相調整するキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、画像処理で位相を求めることによって、精度良くかつ短時間で位相調整が可能なキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
【0051】
本発明によれば、定偏波光ファイバ及びキャピラリに印加される振動の周波数を画面情報の垂直同期期間の周波数(典型的には60Hz)以上とすることによって、振動による画像ブレを低減することができ、より高精度な画像処理を実現し、それに基づいたより高精度な位相調整が可能となるキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、定偏波光ファイバに印加される振動の振幅方向を、定偏波光ファイバの光信号が伝達する方向(光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの光軸と平行な方向)にすることによって、画像取り込み時の画像ブレをなくすことができ、さらにより高精度な画像処理を実現し、それに基づいたより高精度な位相調整が可能となるキャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置を実現できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャピラリの構成を示す図
【図2】本発明のキャピラリ組み立て装置の構成を示す図
【符号の説明】
1 キャピラリ
2 第1の定偏波光ファイバ
3 第2の定偏波光ファイバ
4 キャピラリ保持具
5 第1の振動発振子
6 第2の振動発振子
7 振動発生部
8 第1の光ファイバ保持具
9 第2の光ファイバ保持具
10 第1の回転調整ノブ
11 第2の回転調整ノブ
12 コントローラ
13 カメラ
14 ライトガイド
15 光源
16 画像処理部
17 モニタ
18 演算部
19 第3の振動発振子
20 第4の振動発振子
21 コア
22 クラッド
23 応力付与部
Claims (10)
- キャピラリ又は光ファイバに振動を印加しながら、前記キャピラリに設けられた光ファイバ挿入孔に前記光ファイバを挿入する挿入ステップと、
前記キャピラリと前記光ファイバとを接続し固定する固定ステップと、
を有することを特徴とするキャピラリ組み立て製造方法。 - 1又は複数の光ファイバ挿入孔を有するキャピラリと前記キャピラリに挿入された定偏波光ファイバとの角度、又は前記キャピラリに挿入された複数の前記定偏波光ファイバの相互間の角度を測定する測定ステップと、
前記測定ステップによる測定値が所定の範囲の値になるように、前記キャピラリ又は少なくとも1本の前記定偏波光ファイバに振動を印加しながら、前記キャピラリに設けられた少なくとも1つの前記光ファイバ挿入孔に前記定偏波光ファイバを挿入し、角度を調整する挿入ステップと、
前記キャピラリと前記定偏波光ファイバとを接続し固定する固定ステップと、
を有することを特徴とするキャピラリ組み立て製造方法。 - 前記測定ステップが、
1又は複数の光ファイバ挿入孔を有するキャピラリと前記キャピラリに挿入された定偏波光ファイバとを、又は前記キャピラリに挿入された複数の前記定偏波光ファイバを、撮像する撮像ステップと、
撮像された画面情報を出力し、又は撮像された画像情報を演算処理した処理結果を出力する出力ステップと、
を有することを特徴とする請求項2に記載のキャピラリ組み立て製造方法。 - 前記振動の周波数を前記画面情報の垂直同期期間の周波数以上とすることを特徴とする請求項3に記載のキャピラリ組み立て製造方法。
- 前記振動の印加方向が、前記光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの光軸とほぼ平行であることを特徴とする請求項3に記載のキャピラリ組み立て製造方法。
- 光ファイバ挿入孔を有するキャピラリを固定するキャピラリ保持具と、
光ファイバを保持する光ファイバ保持具と、
前記光ファイバ挿入孔に前記光ファイバを挿入する時、直接的又は間接的に前記キャピラリ又は前記光ファイバに振動を印加する振動発生部と、
を有するキャピラリ組み立て装置。 - 1又は複数の光ファイバ挿入孔を有するキャピラリを固定するキャピラリ保持具と、
定偏波光ファイバを保持する光ファイバ保持具と、
前記キャピラリに設けられた少なくとも1つの前記光ファイバ挿入孔に前記定偏波光ファイバを挿入し、角度を調整する時、前記キャピラリ又は少なくとも1本の前記定偏波光ファイバに振動を印加する振動発生部と、
前記キャピラリと前記キャピラリに挿入された定偏波光ファイバとの角度、又は前記キャピラリに挿入された複数の前記定偏波光ファイバの相互間の角度が所定の範囲の値になるように、前記角度を自動調節する角度調節部と、
を有することを特徴とするキャピラリ組み立て装置。 - 1又は複数の光ファイバ挿入孔を有するキャピラリを固定するキャピラリ保持具と、
定偏波光ファイバを保持する光ファイバ保持具と、
前記キャピラリに設けられた少なくとも1つの前記光ファイバ挿入孔に前記定偏波光ファイバを挿入し、角度を調整する時、前記キャピラリ又は少なくとも1本の前記定偏波光ファイバに振動を印加する振動発生部と、
前記キャピラリと前記キャピラリに挿入された定偏波光ファイバとを、又は前記キャピラリに挿入された複数の前記定偏波光ファイバを、撮像する撮像部と、
撮像された画面情報を出力し、又は撮像された画像情報を演算処理した処理結果を出力する出力部と、
を有することを特徴とするキャピラリ組み立て装置。 - 前記振動の周波数を前記画面情報の垂直同期期間の周波数以上とすることを特徴とする請求項8に記載のキャピラリ組み立て装置。
- 前記振動発生部が印加する振動の方向が、前記光ファイバ挿入孔に挿入された光ファイバの光軸とほぼ平行であることを特徴とする請求項8に記載のキャピラリ組み立て装置。
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| JP2003037255A JP2004246203A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | キャピラリ組み立て製造方法及びキャピラリ組み立て装置 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-02-14 JP JP2003037255A patent/JP2004246203A/ja active Pending
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