JP2004247117A - 燃料電池発電プラントの差圧制御装置 - Google Patents

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章吾 薗田
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Abstract

【課題】運転圧力の急変や制御系にトラブルが生じた場合でも、所定の許容範囲に差圧を安定制御でき、かつランニングコストと所内動力を低減して発電端効率を高めることができる燃料電池発電プラントの差圧制御装置を提供する。
【解決手段】燃料極Aと空気極Cとが電解質板で仕切られた燃料電池12を格納する格納容器11と、空気圧縮機16で加圧された加圧空気を格納容器11内に供給する容器ガス導入ライン22と、格納容器と空気極Cの上流側を連通し反応用の酸化ガス中に加圧空気を供給する空気導入ライン24とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池発電プラントの差圧制御装置に関するもので、詳しくは、溶融炭酸塩型燃料電池の電池格納容器内の圧力と燃料電池内の圧力の間の差圧を制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の溶融炭酸塩型燃料電池発電プラントは、たとえば、図2に示すような構成からなっている。
図2において、101はアノードAやカソードCなどを有する溶融炭酸塩型燃料電池、102は都市ガス供給ライン、103は脱硫器、104は水蒸気供給ライン、105は燃料予熱器、106は改質室Reや燃焼室Coなどを有する改質器、107は空気予熱器、108は凝縮器、109は気水分離ドラム、110は低温ブロワ、111は電動機、112は圧力調節弁、113は排ガスタービン、114は空気圧縮機、115は空気ブロワ、116は圧縮空気供給ライン、117は低温ブロワ出口ライン、118は低温ブロワ出口第1分岐ライン、119は前記第1分岐ライン118に接続されている容器ガス供給ライン、120は高温ブロワ、121は低温ブロワ出口第2分岐ライン、122はカソードガス入口ライン、123はアノードガス入口ライン、124はカソードガス出口ライン、125はアノードガス出口ライン、126は容器ガス出口ライン、127は容器ガス出口側制御弁、128は差圧計、129は容器ガス入口側制御弁である。
【0003】
そして、上述の燃料電池発電プラントでは、電池保護のための燃料電池101の容器内とカソード側の差圧制御は、容器ガス入口側制御弁129と容器ガス出口側制御弁127で行なっていた。そのため、容器ガス供給ライン119の配管は大口径のものであるため、必然的に容器ガス入口側制御弁129も大型となり、大きな設置スペースを必要とするばかりでなく、高価なものとなり、かつ、操作も簡単でないという問題点があった。
【0004】
上述した問題点を解決するために、本発明の出願人は先に[特許文献1]を創案し出願している。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−142075号公報
【0006】
[特許文献1]の「燃料電池発電プラントの差圧制御装置」は、図3に示すように、溶融炭酸塩型燃料電池101のカソードガス入口ライン122に設けられた第1圧力計130と、低温ブロワ出口ライン117に設けられて容器ガス供給ライン119に接続されている低温ブロワ出口第1分岐ライン118の分岐点の直上流部分の圧力を計測する第2圧力計131と、前記低温ブロワ出口ライン117から分岐して設けられている圧力調節弁112と、容器ガス出口ライン126に設けられた容器ガス出口側制御弁127と、前記第1圧力計130と第2圧力計131からの圧力計測信号を受信して常に該第1圧力計で計測される前記カソードガス入口ライン122の圧力よりも該第2圧力計で計測される前記低温ブロワ出口ライン117の圧力が大なるように前記圧力調節弁112を制御する制御器133とを備えたものである。
【0007】
上述した[特許文献1]の「差圧制御装置」により、大型となってしまう従来の容器ガス入口側制御弁129を設けないで、それに代わる前記制御器133により圧力調節弁112を作動させることによって、溶融炭酸塩型燃料電池の電池格納容器内の圧力とカソード側の圧力の間の差圧の制御が可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
燃料電池を構成するアノードA(燃料極)とカソードC(空気極)とは、その間に把持される電解質板により仕切られその間のガスの漏洩(クロスリーク)を防止している。また、溶融炭酸塩型燃料電池では、燃料電池の内部と外部の間のガスの漏洩も電解質板のウエットシールによる。しかし電解質板は、微細なセラミックス粉末に運転温度で液体の溶融炭酸塩を含浸させたものであり、ウエットシールは溶融炭酸塩の表面張力によりガスシールするものである。そのため、燃料電池におけるアノード/カソード間の許容差圧も、燃料電池内部と外部の許容差圧も極めて低く(例えば最大で約1000mmAq=0.1kg/cm2≒約0.01MPa)、この差圧制御がガスの漏洩を防ぐために極めて重要である。
【0009】
上述したように、従来の燃料電池発電プラントでは、電池の燃料極の圧力が容器圧力より高くなったときに燃料極から燃料(改質ガス等)が漏洩することを防止するため、燃料電池を収容する格納容器に、窒素ガスまたは低酸素ガス(酸素濃度の低いガス)を供給し、その排気系統に設置された調節弁で容器圧力(容器と燃料電池の差圧)を制御している。
【0010】
しかし、窒素ガスまたは低酸素ガスを用いた従来の差圧制御には以下の問題点があった。
(1)容器ガスとして窒素ガスを使う場合はランニングコストが大きく、また低酸素ガスとして燃焼排ガス等を供給する場合は、燃焼排ガスを加圧するための圧縮機動力により所内動力が増加し、発電端効率が低下する。
(2)燃料電池とガスタービンを組み合わせたコンバインドシステムの場合、ガスタービン側の負荷変化により燃料電池の運転圧力が大きく変化する。この場合でも、格納容器と燃料電池との差圧が所定の許容範囲(例えば0.01MPa以下)に容器圧力を追従させて制御する必要がある。しかし、格納容器の内容積は非常に大きいため、この差圧制御に必要な容器ガス流量が大きくなり、窒素ガスを使う場合はランニングコストが過大となり、燃焼排ガス等を使用する場合は、圧縮機容量が過大となり、発電端効率が大幅に低下する。
(3)ガスタービン側の負荷変化等により運転圧力が急激に変化すると、圧力制御の追従が遅れ、差圧が許容範囲(例えば0.01MPa以下)を超え、燃料電池に損傷を与えるおそれがあった。
(4)制御系にトラブルが生じると、差圧制御はほとんど不可能となり、燃料電池の損傷が避けられない。
【0011】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものである。すなわち、本発明の目的は、運転圧力の急変や制御系にトラブルが生じた場合でも、所定の許容範囲(例えば0.01MPa以下)に差圧を安定制御でき、かつランニングコストと所内動力を低減して発電端効率を高めることができる燃料電池発電プラントの差圧制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、燃料極Aと空気極Cとが電解質板で仕切られた燃料電池を格納する格納容器と、空気圧縮機で加圧された加圧空気を格納容器内に供給する容器ガス導入ラインと、格納容器と前記空気極Cの上流側を連通し反応用の酸化ガス中に加圧空気を供給する空気導入ラインと、を備えたことを特徴とする燃料電池発電プラントの差圧制御装置が提供される。
【0013】
上記本発明の構成によれば、容器ガス導入ラインから加圧空気が格納容器内に供給され、格納容器を通過した加圧空気が空気導入ラインを介して燃料電池の空気極Cに供給される。この構成により、燃料電池の空気極Cと燃料電池の外部とは実質的に空気導入ラインにより連通されており、その間に発生する差圧は実質的に空気導入ラインの圧損に等しくなる(厳密には空気極Cと空気導入点までの圧損が付加されるが、これは無視できる程度である)。
従って、運転圧力の急変や制御系にトラブルが生じ、加圧空気の圧力が変動した場合でも、空気導入ラインの圧損を小さく設定しておくだけで、所定の許容範囲に差圧を安定制御できる。また、余分な窒素ガスを用いないのでランニングコストが低く、排ガスの圧縮を必要としないので所内動力を低減して発電端効率を高めることができる
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記空気導入ラインの最大圧損が、燃料電池内部と外部の許容差圧よりも十分小さく設定されている。
【0015】
この構成により、運転圧力の急変や制御系にトラブルが生じた場合でも、燃料電池の空気極Cと燃料電池の外部との差圧を所定の許容範囲(例えば0.01MPa以下)に安定制御できる。
【0016】
また、燃料極Aを通過したアノード排ガスと、空気極Cを通過したカソード排ガスとが供給され、アノード排ガスを燃焼させる触媒燃焼器を備え、触媒燃焼器の出口までの燃料極Aからの燃料極側圧損と、触媒燃焼器の出口までの空気極Cからに空気極側圧損との和が、極間の許容差圧よりも十分小さく設定されている。
【0017】
この構成により、空気極の排ガスと燃料極の排ガスが、触媒燃焼器に導入することで均圧されるため、燃料電池におけるアノード/カソード間の差圧も、所定の許容範囲(例えば0.01MPa以下)に安定制御できる。
【0018】
従って、容器から空気極入口までの圧損、空気極から触媒燃焼器出口までの圧損、燃料極から触媒燃焼器出口までの圧損を所定値内で設計することで、容器圧力>空気極圧力≧燃料極圧力の圧力分布が確保され、かつ各圧損を所定値内に抑えることで燃料電池の内外差圧と極間差圧の両方を所定の許容範囲(例えば0.01MPa以下)に安定制御できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
【0020】
図1は、本発明の差圧制御装置を備えた燃料電池発電プラントの全体構成図である。
この図において、溶融炭酸塩型燃料電池を用いた発電設備(燃料電池発電プラント)は、天然ガス等の燃料ガス1を水素を含むアノードガス2に改質する改質器10と、アノードガス2と酸素を含むカソードガス3とから発電する燃料電池12とを備えており、改質器10で作られたアノードガス2は燃料電池12に供給され、燃料電池内でその大部分(例えば80%)を消費した後、アノード排ガス4として触媒燃焼器18に供給される。触媒燃焼器18ではアノード排ガス中の可燃成分(水素、一酸化炭素、メタン等)がカソード排ガス7の一部7aにより燃焼し、高温の燃焼ガスとなって改質器10の加熱室Hに入り、改質室Reを加熱し改質室の燃料を改質する。加熱室Hを出た燃焼排ガス5はカソードブロア17cで加圧され、加圧空気が供給されてカソードガス3となる。このカソードブロア17cは、改質器で発生したCOガスを燃料電池のカソード側に供給してカソード反応に利用するようになっている。
【0021】
燃料電池内でその一部が反応したカソードガス(カソード排ガス7)の残り7bは、ガスタービン16で圧力を回収され、排熱回収ボイラ19による熱回収後に系外に排出される。なお、この図において、13aは燃料予熱器である。
【0022】
図1において、本発明の差圧制御装置は、格納容器11、容器ガス導入ライン22、及び空気導入ライン24を備える。
【0023】
格納容器11は、燃料電池12を少なくとも格納する必要があるが、この例のように、燃料電池以外に、改質器10、触媒燃焼器18、その他を格納してもよい。
【0024】
容器ガス導入ライン22は、空気圧縮機(この例ではガスタービン16)で加圧された加圧空気を格納容器11内に供給する。この空気量と圧力は、燃料電池の空気極C(カソード)側に必要な供給量と圧力であり、運転状態(起動時、負荷変動)に応じて適宜変化させることができる。
【0025】
空気導入ライン24は、格納容器11と空気極Cの上流側を連通し、反応用の酸化ガス中に加圧空気を供給する。空気導入ライン24は、その最大圧損が、空気極Cと空気導入点までの圧損を付加した場合でも、燃料電池内部と外部の許容差圧(例えば0.01MPa以下)よりも小さくなるように、十分小さく設定されている。この圧損設定は、例えばライン24の長さを短く、流路面積を大きく設定することで容易に設定することができる。
【0026】
この構成により、運転圧力の急変や制御系にトラブルが生じた場合でも、燃料電池の空気極Cと燃料電池の外部との差圧を所定の許容範囲に安定制御できる。
【0027】
また、本発明において、燃料極Aを通過したアノード排ガスと、空気極Cを通過したカソード排ガスとが供給され、アノード排ガスを燃焼させる触媒燃焼器18を備える。この触媒燃焼器18の出口までの燃料極Aからの燃料極側圧損と、触媒燃焼器の出口までの空気極Cからに空気極側圧損との和は、極間の許容差圧(例えば0.01MPa以下)よりも十分小さく設定されている。この圧損設定は、例えば触媒燃焼器18までのライン長さを短く、流路面積を大きく設定し、かつ触媒燃焼器内の圧損(例えば触媒の形状、充填度による)を小さく設定することで容易に設定することができる。
【0028】
この構成により、空気極の排ガスと燃料極の排ガスが、触媒燃焼器18に導入することで均圧されるため、燃料電池におけるアノード/カソード間の差圧も、所定の許容範囲に安定制御できる。
【0029】
上述した本発明の構成によれば、容器ガス導入ライン22から加圧空気が格納容器11内に供給され、格納容器を通過した加圧空気が空気導入ライン24を介して燃料電池12の空気極Cに供給される。この構成により、燃料電池の空気極Cと燃料電池の外部とは実質的に空気導入ライン24により連通されており、その間に発生する差圧は実質的に空気導入ライン24の圧損に等しくなる(厳密には空気極Cと空気導入点までの圧損が付加されるが、これは無視できる程度である)。
【0030】
従って、運転圧力の急変や制御系にトラブルが生じ、加圧空気の圧力が変動した場合でも、空気導入ライン24の圧損を小さく設定しておくだけで、所定の許容範囲に差圧を安定制御できる。また、余分な窒素ガスを用いないのでランニングコストが低く、排ガスの圧縮を必要としないので所内動力を低減して発電端効率を高めることができる
【0031】
従って、容器から空気極入口までの圧損、空気極から触媒燃焼器出口までの圧損、燃料極から触媒燃焼器出口までの圧損を所定値内で設計することで、容器圧力>空気極圧力≧燃料極圧力の圧力分布が確保され、かつ各圧損を所定値内に抑えることで燃料電池の内外差圧と極間差圧の両方を所定の許容範囲(例えば0.01MPa以下)に安定制御できる。
【0032】
なお本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0033】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
(1)窒素ガス使用量の低減、容器ガス圧縮機の廃止に伴い、ランニングコストと設備費を低減できる。
(2)その他容器ガス供給排出系統がなくなると共に、容器貫通部取り合いの低減が可能となる。
(3)容器ガス流量を大幅に増加できることから、負荷変化等で圧力変化を伴うプラントシステムで電池差圧制御なしでもより負荷変化を高くできる可能性がある。
(4)容器ガス流量が増加したことで、容器内ガス温度を低減して放熱量を抑えると共に、収納されているスタックや燃料改質装置等の放熱を電池反応用空気に回収することが可能となり、効率向上に寄与する。
【0034】
従って、本発明の燃料電池発電プラントの差圧制御装置は、運転圧力の急変や制御系にトラブルが生じた場合でも、所定の許容範囲(例えば0.01MPa以下)に差圧を安定制御でき、かつランニングコストと所内動力を低減して発電端効率を高めることができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の差圧制御装置を備えた燃料電池発電プラントの全体構成図である。
【図2】従来の全体構成図である。
【図3】従来の別の全体構成図である。
【符号の説明】
11 格納容器、12 燃料電池、
16 空気圧縮機(ガスタービン)、
18 触媒燃焼器、
22 容器ガス導入ライン、
24 空気導入ライン

Claims (3)

  1. 燃料極Aと空気極Cとが電解質板で仕切られた燃料電池を格納する格納容器と、空気圧縮機で加圧された加圧空気を格納容器内に供給する容器ガス導入ラインと、格納容器と前記空気極Cの上流側を連通し反応用の酸化ガス中に加圧空気を供給する空気導入ラインと、を備えたことを特徴とする燃料電池発電プラントの差圧制御装置。
  2. 前記空気導入ラインの最大圧損が、燃料電池内部と外部の許容差圧よりも十分小さく設定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の差圧制御装置。
  3. 燃料極Aを通過したアノード排ガスと、空気極Cを通過したカソード排ガスとが供給され、アノード排ガスを燃焼させる触媒燃焼器を備え、触媒燃焼器の出口までの燃料極Aからの燃料極側圧損と、触媒燃焼器の出口までの空気極Cからに空気極側圧損との和が、極間の許容差圧よりも十分小さく設定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の差圧制御装置。
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