JP2004247247A - 固体酸化物形燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料リサイクルブロワを用いる温度まで下げるために、固体酸化物形燃料電池の高温の反応燃料ガスの温度を第二ブロワからの空気で冷やすこと、さらに反応燃料ガスを冷却することで昇温した空気を、別途再生器を通って加熱した第一ブロワからの空気と混合した後、固体酸化物形燃料電池に供給する。
【選択図】図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、炭化水素を原燃料として発電する固体酸化物形燃料電池システムの効率的な熱利用を行いつつ、運転制御を容易にする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体酸化物型燃料電池は、酸化物イオンを伝導する固体電解質の両側に燃料ガスおよび空気中の酸素をそれぞれ酸化、還元する機能を有する電極を取り付けたものである。電解質の材料としては一般的にはイットリアをドープしたジルコニアが用いられており、700℃から1000℃の高温で、燃料ガス中の水素、一酸化炭素、炭化水素と酸化剤ガス中の酸素を電気化学反応させて発電が行われる。
固体酸化物形燃料電池の用途としては、数十kW〜MW程度のビルや工場に設置する分散電源やコージェネレーションに加えて、10MW〜数百MWの大型発電プラント分野が想定されている。また、近年、1kW〜数kW程度の小型のコージェネレーションシステムとしても開発が行われている。しかし、1kW〜数kW程度まで小型化した場合、数十kW級以上で適用できた技術の使用が困難になるといった課題が生じる。そのうちの一つとして燃料リサイクル技術がある。
固体酸化物形燃料電池システムでは炭化水素燃料の改質を行うために、燃料リサイクルを用いることが公知技術となっている(例えば、Solid Oxide Fuel Cells V’, Editors, p99 The Electrochemical Society Proceedings Series, PV97−40, PenningtonのFigure2)。これは、炭化水素の水蒸気改質反応(メタンの場合は CH4 + H2O → 3H2 + CO)に必要な水蒸気として、固体酸化物形燃料電池で燃料電池反応を行ったあとの反応燃料ガスに含まれる水蒸気を用いるというものである。外部の蒸気発生器から蒸気を供給する必要ない点で優れている。外部の蒸気発生器の水蒸気を用いる場合、蒸気発生器へイオン交換水を供給する必要も生じ、装置構成の複雑化だけではなく、イオン交換樹脂に係るメンテナンス費用も生じることになる。
800℃程度になる高温の反応燃料ガスの一部をリサイクルする方法として、燃料を加圧しエジェクタで噴出させることで負圧を発生させる方法が知られている。エジェクタは稼動部品ではないため、反応燃料ガスが高温(800℃以上)であっても作動する。セラミックスのブロワ(もしくはファン)によって再循環させることも技術的には可能であるが、コストが高くなるため用いられていない。そのため、燃料リサイクルにはエジェクタを用いることが適している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、固体酸化物形燃料電池システムを1kW〜数kWの小型にすると、エジェクタによる燃料リサイクルを採用することは困難になる。原燃料ガス流量が少ないので、エジェクタの口径を小さくしても(例えば0.5mm以下)必要なリサイクルガス流量が得られない。エジェクタ口径をさらに小さくし(例えば0.3mm以下)かつ、燃料ガスの圧力を大幅に高めれば(例えば0.5〜0.7MPa)、リサイクルガス流量が得られるが、エジェクタに送り込む原燃料ガスを圧力を増大させる必要があるため、内部消費電力が過大になり固体酸化物形燃料電池システムの発電効率の低下をもたらす。また、エジェクタの吸引能力に余裕がないため、定格出力から出力を下げて発電する部分負荷運転の際には、必要なリサイクルガス流量が得られなくなる。加えて、エジェクタの口径を狭くすることで運転中にパーティクルによってエジェクタ孔が詰まるという問題も生じる。
以上のようにエジェクタによるリサイクルを1kW〜数kW小型の固体酸化物形燃料電池システムで用いることは実用的ではない。したがって、小型の固体酸化物形燃料電池では炭化水素燃料の改質を行うために、蒸気発生器を備える必要が生じる。その場合、前述のように装置構成の複雑化とメンテナンス費用の増大を招く。
この問題を回避する方法として2つの方法が提案されている。一つは水蒸気の供給なしに直接炭化水素燃料を固体酸化物形燃料電池に供給することであるが、炭素析出を避けることが難しく、基礎研究段階に留まっている。もう一つは、特許番号第2926259号(特開平3−95867)の第1図に示されているように反応燃料ガスの脱水が行えるまで、冷却する方法を採用することである。この方法ではリサイクルのためのブロワを使いやすくなるが、特に小型システムにおいてはシステム構成の複雑化とそれに伴う効率低下とコスト増が避けられない。
従って、本発明は固体酸化物形燃料電池システムの燃料リサイクルに際し、特にエジェクタによる燃料リサイクルが困難になる小型システムにおいて、装置構成を複雑化することや効率の低下を招くことなく、燃料リサイクルを適用する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1によれば本発明は、炭化水素を含む原燃料ガスを用いて燃料電池発電反応を行う固体酸化物形燃料電池と前記固体酸化物形燃料電池に反応空気を供給する第一の空気ブロワと、第一の空気ブロワから送給された空気と固体酸化物形燃料電池の排気との熱交換を行う再生器とを備え、
固体酸化物形燃料電池で燃料電池発電反応を行った後の反応燃料ガスの一部をリサイクルブロワによって引き込み、炭化水素を含む原燃料ガスと混合し、前記固体酸化物形燃料電池に送給する固体酸化物形燃料電池システムにおいて、
前記反応燃料ガスの一部を前記リサイクルブロワに入る前に冷却するための空気を供給する第二の空気ブロワを備え、第二の空気ブロワから送給された空気が熱交換によって前記反応燃料ガスの一部を600℃以下、100℃以上の温度に冷却した後、第一の空気ブロワから送給されて前記再生器を通って昇温した空気と混合して、固体酸化物形燃料電池の反応空気として供給することを特徴とする固体酸化物形燃料電池システムである。
燃料リサイクルブロワを用いる温度まで下げるために、固体酸化物形燃料電池の高温の反応燃料ガスの温度を第二ブロワからの空気で冷やすこと、さらに反応燃料ガスを冷却することで昇温した空気を、別途再生器を通って加熱した第一ブロワからの空気と混合した後、固体酸化物形燃料電池に供給することが本発明の特徴であって、これにより、従来のシステムに比較して、以下に示す利点が生じる。
第1に、第二の空気ブロワからの空気により、原燃料ガスと混合する前の反応燃料ガスの一部を600℃以下まで冷却するため、金属製のリサイクルブロワを使用できる温度域まで確実にさげることができる。冷却は、反応燃料ガスの結露を防止するために100℃以上であることが望ましい。なお、反応燃料ガスの露点は通常の固体酸化物形燃料電池システムの作動条件において60℃〜80℃の間である。さらに、リサイクルブロワの駆動に必要な動力は、エジェクタを駆動するために燃料ガスを加圧する動力の1/2以下であり、リサイクルブロワを用いることは小型固体酸化物形燃料電池システムの内部消費電力を削減するためにも有効である。
第二に、前記反応燃料ガスの一部と熱交換することで昇温した第二の空気ブロワからの空気は、固体酸化物形燃料電池の反応空気の一部として供給されるため、反応燃料ガスの冷却に伴う熱は固体酸化物形燃料電池の高温の作動温度を維持するために直接利用できる。
第三に、反応燃料ガスの一部を冷却したことによって昇温した第二の空気ブロワからの空気が、第一の空気ブロワから供給されて前記再生器を通って昇温した空気と混合するためのガス流路長は、第1図から示唆されるように十分短くすることが可能である。さらに本発明を適用するにあたり、高温のバルブは必要としない。したがって、第一、第二の利点にも拘らず、費用増加は最小限に留まる。
また、請求項2によれば本発明は、炭化水素を含む原燃料ガスを用いて燃料電池発電反応を行う固体酸化物形燃料電池と前記固体酸化物形燃料電池に反応空気を供給する空気ブロワと空気ブロワから送給される空気と固体酸化物形燃料電池の排気との熱交換を行う再生器とを備え、
固体酸化物形燃料電池で燃料電池発電反応を行った後の反応燃料ガスの一部をリサイクルブロワによってリサイクルし、炭化水素を含む原燃料ガスと混合し、前記固体酸化物形燃料電池に送給する固体酸化物形燃料電池システムにおいて、
前記空気ブロワから送給される空気を2分割し、分割した空気の一方を前記再生器に通すことなく、熱交換によって前記反応燃料ガスの一部を前記リサイクルブロワに入る前に600℃以下、100℃以上の温度に冷却するために送給し、さらに分割した他方の空気を前記再生器を通したのち、両方の空気を混合して、固体酸化物形燃料電池の反応空気として供給することを特徴とする固体酸化物形燃料電池システムである。
本発明の請求項1では、第二の空気ブロワを設置したが、本発明の請求項4第一の空気ブロワと第二の空気ブロワを一つにして、その後、空気流路を分割することでも本発明の請求項1と同様の効果が得られる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
第1図を参照して、第1の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムの実施形態について説明する。
第1図において、図示の固体酸化物形燃料電池システムは固体酸化物形燃料電池1、脱硫器5、燃料リサイクルブロワ9、燃焼器2を備えている。固体酸化物形燃料電池1には燃料電池反応、燃料改質反応、内部熱交換の機能が包含されている。更に第一空気ブロワ11と第ニ空気ブロワ12と再生器13と反応燃料ガス冷却のための冷却器14が設置されている。
この燃料電池システムでは、原燃料ガスとして炭化水素を含む燃料、例えば天然ガスが用いられ、例えば、液化天然ガスタンクから天然ガスが供給される。
炭化水素を含む燃料としての原燃料ガスは、脱硫器5に送給され、原燃料ガスに含まれている硫黄成分が除去され、硫黄分が除去された原燃料ガスは燃料リサイクルブロア9からの反応燃料ガスと混合されたのち、固体酸化物形燃料電池1の燃料側に供給される。燃料リサイクルブロア9は固体酸化物形燃料電池1において燃料電池発電反応が行われた反応燃料ガスの一部を引き込み原燃料ガスに反応燃料ガスの一部を混合する。混合された混合燃料ガスは固体酸化物形燃料電池1に導入され、発電反応に用いられる。
一方、第一空気ブロワ11から送給された空気は、再生器13で燃焼器2からの高温排ガスと熱交換し昇温する。また、第ニ空気ブロワ12から供給された空気は反応燃料ガス冷却のための冷却器14を通った後、再生器13で昇温された第一ブロワから供給された空気と混合された後、固体酸化物形燃料電池1の空気側に供給される。固体酸化物形燃料電池1の発電反応に使われた後の空気は燃焼部2で、固体酸化物形燃料電池1において燃料電池発電反応が行われた反応燃料ガスのうち燃料リサイクルブロワ9側に引き込まれる量を除く反応燃料ガスと混合され燃焼する。なお、燃焼器2と固体酸化物形燃料電池1は隣接して高温部に設置されており、両者の間では伝熱、輻射による熱交換が行われる。
次に、第2図を参照して、第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムの実施形態について説明する。炭化水素を含む燃料としての原燃料ガスは、脱硫器5に送給され、原燃料ガスに含まれている硫黄成分が除去され、硫黄分が除去された原燃料ガスは燃料リサイクルブロア9からの反応燃料ガスと混合されたのち、固体酸化物形燃料電池1の燃料側に供給される。燃料リサイクルブロア9は固体酸化物形燃料電池1において燃料電池発電反応が行われた反応燃料ガスの一部を引き込み原燃料ガスに反応燃料ガスの一部を混合する。混合された混合燃料ガスは固体酸化物形燃料電池1に導入され、発電反応に用いられる。
一方、空気ブロワ11から送給された空気は、再生器13の手前で2分割され、一方は再生器13で燃焼部2からの高温排ガスと熱交換し昇温する。もう一方は、反応燃料ガス冷却のための冷却器14を通った後、再生器13で昇温された空気と混合し、固体酸化物形燃料電池1の空気側に供給される。固体酸化物形燃料電池1の発電反応に使われた後の空気は燃焼部2で、固体酸化物形燃料電池1において燃料電池発電反応が行われた反応燃料ガスのうち燃料リサイクルブロア9側に引き込まれる量を除く反応燃料ガスと混合され燃焼する。なお、燃焼部2と固体酸化物形燃料電池1は隣接して高温部に設置されており、両者の間では伝熱、輻射による熱交換が行われる。
(他の実施形態)
燃焼部2がなく、燃料電池発電反応が行われた反応燃料ガスのうち燃料リサイクルブロア9側に引き込まれる量を除く反応燃料ガスが、CO変成器を通した後、低温の燃料電池で利用される構成(特願2001−336121)や、ガスエンジンの燃焼器に供給される構成(特願2002−5952)の燃料電池システムにおいても、本発明を適用し燃料リサイクルブロワを用いることは上記実施形態の場合と同様に、効率的な熱利用を行いつつ、運転制御を容易にする方法として効果的である。
【0006】
【実施例および比較例】
図1の実施例と図2の比較例において、燃料リサイクル方式による違いを固体酸化物形燃料電池の出力特性と燃料リサイクルのための所用動力の点から評価した。実施例および比較例における固体酸化物形燃料電池システムの定格発電出力は燃料電池の発電端出力として3000Wである。図2の比較例の固体酸化物形燃料電池システムは燃料リサイクルブロワがなく、エジェクタと燃料圧縮器で燃料リサイクルを行う。実施例において、燃料リサイクルブロワ入口におけるガス温度は400℃とした。この際、第二のブロワから送給される空気量は不第一のブロワから送給される量の1/5であった。
実施例と比較例で固体酸化物形燃料電池の作動条件を燃料利用率82%、空気利用率20%とした場合、固体酸化物形燃料電池は実施例、比較例とも同一の電流密度、発電電圧で作動した。これは、固体酸化物形燃料電池22の作動時の温度が実施例と比較例でほぼ同一になっているためである。一方、燃料リサイクルのための所用動力は表1のように実施例が比較例の半分以下になった。空気ブロワ動力は実施例と比較例では有意差がなかった。なお、比較例で用いたエジェクタの口径は約0.4mmであり、微細粒子を取り除くパーティクルフィルタを備えたので、フィルタのメンテナンスが必要である。
また、エジェクタと燃料圧縮器で燃料リサイクルを行う比較例の固体酸化物形燃料電池システムでは、発電出力を下げるために、ガス流量を下げた場合は、定格の60%(1800W)では、安定して改質反応を行うために必要なリサイクルガスの流量を得ることができなくなった。一方、実施例ではリサイクル流量は、任意に制御することが可能であった。以上のように、小型の固体酸化物形燃料電池システムに本発明を適用した場合、燃料リサイクル量の制御、燃料リサイクルの所用電力、メンテナンスの点で従来システムよりも優れることがわかった。
【0007】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの第一の実施形態を簡略的に示すシステムブロック図である。
【図2】本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの第一の実施形態を簡略的に示すシステムブロック図である。
【図3】比較例に従う固体酸化物形燃料電池システムの実施形態を簡略的に示すシステムブロック図である。
【符号の説明】
1 固体酸化物形燃料電池
2 燃焼器
5 脱硫器
7 エジェクタ
9 リサイクルブロワ
11 (第一)空気ブロワ
12 第二空気ブロワ
13 再生器
Claims (2)
- 炭化水素を含む原燃料ガスを用いて燃料電池発電反応を行う固体酸化物形燃料電池と前記固体酸化物形燃料電池に反応空気を供給する第一の空気ブロワと、第一の空気ブロワから送給された空気と固体酸化物形燃料電池の排気との熱交換を行う再生器とを備え、
固体酸化物形燃料電池で燃料電池発電反応を行った後の反応燃料ガスの一部をリサイクルブロワによって引き込み、炭化水素を含む原燃料ガスと混合し、前記固体酸化物形燃料電池に送給する固体酸化物形燃料電池システムにおいて、
前記反応燃料ガスの一部を前記リサイクルブロワに入る前に冷却するための空気を供給する第二の空気ブロワを備え、第二の空気ブロワから送給された空気が熱交換によって前記反応燃料ガスの一部を600℃以下、100℃以上の温度に冷却した後、第一の空気ブロワから送給されて前記再生器を通って昇温した空気と混合して、固体酸化物形燃料電池の反応空気として供給することを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。 - 炭化水素を含む原燃料ガスを用いて燃料電池発電反応を行う固体酸化物形燃料電池と前記固体酸化物形燃料電池に反応空気を供給する空気ブロワと空気ブロワから送給される空気と固体酸化物形燃料電池の排気との熱交換を行う再生器とを備え、
固体酸化物形燃料電池で燃料電池発電反応を行った後の反応燃料ガスの一部をリサイクルブロワによってリサイクルし、炭化水素を含む原燃料ガスと混合し、前記固体酸化物形燃料電池に送給する固体酸化物形燃料電池システムにおいて、
前記空気ブロワから送給される空気を2分割し、分割した空気の一方を前記再生器に通すことなく、熱交換によって前記反応燃料ガスの一部を前記リサイクルブロワに入る前に600℃以下、100℃以上の温度に冷却するために送給し、さらに分割した他方の空気を前記再生器を通したのち、両方の空気を混合して、固体酸化物形燃料電池の反応空気として供給することを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。
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