JP2004251490A - 冷凍サイクル - Google Patents
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Abstract
【課題】気液分離器2を多穴管14で構成すると応力分布が複雑となり、その対策のために多穴管14の肉厚を厚くすると、コストや重量の増加、熱容量の増加によるろう付け性の悪化が懸念される。このため、肉厚を薄くする必要性があるが、薄くすることによって応力が集中する混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺が、長期に亘って使用するうちに破損する可能性がある。
【解決手段】気液分離室11の内側に略パイプ状の補強部材16をろう付けして、混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺を補強し、混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺にかかる応力を緩和する。これによって気液分離室11を構成する多穴管14の肉厚を薄く設けても、混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺が長期に亘って使用されても破損する不具合がない。
【選択図】 図1
【解決手段】気液分離室11の内側に略パイプ状の補強部材16をろう付けして、混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺を補強し、混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺にかかる応力を緩和する。これによって気液分離室11を構成する多穴管14の肉厚を薄く設けても、混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺が長期に亘って使用されても破損する不具合がない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍サイクルに関するものであり、特に冷凍サイクルの高圧側において冷媒の気液分離を行う気液分離器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の気液分離器の構造を図9に示す。この図9に示されるように、従来の気液分離器は、押し出し成形品よりなるパイプJ1 の両側を蓋部材J2 で塞ぎ、パイプJ1 の側面に入口パイプ(凝縮冷媒供給パイプJ3 )と、出口パイプ(凝縮冷媒排出パイプ)J4 とを接合したものであった(特許文献無し)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、気液分離器には高圧冷媒が供給される。このため、凝縮冷媒供給パイプJ3 と凝縮冷媒排出パイプJ4 が接合される冷媒入口穴J5 と冷媒出口穴J6 の周辺には、高圧冷媒による応力集中が発生する。
しかし、従来の気液分離器は、上述したように押し出し成形されたパイプによって構成されていたために壁厚が均一であるため、冷媒入口穴J5 と冷媒出口穴J6 の周辺に発生する応力集中によって、冷媒入口穴J5 と冷媒出口穴J6 の周辺の機械的強度が他の部位に比較して低下してしまう。
【0004】
例えば、特願2001−117278の特許出願のように、気液分離器を冷媒凝縮器の一部の機能として用い、気液分離器に溜まる液冷媒量をコンプレッサ(冷媒圧縮機)の過熱度により調整し、それにより冷凍サイクル内の循環冷媒流量を調整するような場合は、気液分離器の上部の容積を十分に生かせないため、気液分離器の体格を大きくする必要が生じる。
一方、特願2001−117278の特許出願の気液分離器は、冷媒の気液分離を行う気液分離室の他に、外部から供給される冷媒を気液分離室へ導くための供給用サブ通路と、気液分離室内の冷媒を外部へ導くための排出用サブ通路を備える多穴管で構成される。
【0005】
このように、気液分離器を多穴管で構成すると、高圧冷媒による圧力分布が複雑となり(図4参照)、その対策のために多穴管の肉厚を厚くする要求がある。しかし、肉厚を厚くすると、コスト増加、重量増加、熱容量の増加によるろう付け性の悪化が懸念される。このため、逆に肉厚を薄くすると、応力が集中する冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺が、長期に亘って使用するうちに破損する可能性がある。このように、肉厚を厚くも薄くも出来ないため、実際的に車両へ搭載することが困難になっていた。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺の機械的な強度を高めた気液分離器を搭載した冷凍サイクルの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段を採用する冷凍サイクルは、高圧冷媒によって応力集中の発生する冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺に補強部材を設けた。これによって、冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺の機械的強度が高まる。この結果、長期に亘って使用しても、冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺が破損しない。
また、応力が集中する冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺のみを補強部材で補強する構造であるため、応力が集中しない他の部位の厚みを薄くできる。この結果、応力が集中する冷媒入口穴と冷媒出口穴の機械的な強度を高めることによる気液分離器の重量増加を抑えることができるとともに、無駄な厚みを抑えて製造コストを下げることができる。
【0008】
〔請求項2、3の手段〕
請求項2、3の手段を採用する冷凍サイクルは、特願2001−117278の特許出願のように、気液分離器を冷媒凝縮器の一部の機能として用い、気液分離器に溜まる液冷媒量を冷媒圧縮機の過熱度により調整し、それにより冷凍サイクル内の循環冷媒流量を調整するものであるため、気液分離器の上部の容積を十分に生かせない。このため、気液分離器の体格を大きくする必要が生じる。
また、請求項2、3の手段を採用する冷凍サイクルは、特願2001−117278の特許出願のように、気液分離器は、冷媒の気液分離を行う気液分離室の他に、外部から供給される冷媒を気液分離室へ導くための供給用サブ通路と、気液分離室内の冷媒を外部へ導くための排出用サブ通路を備える多穴管で構成される。
【0009】
このように、気液分離器を多穴管で構成する場合、肉厚を薄くすると、応力が集中する混合冷媒入口穴(冷媒入口穴)とガス冷媒出口穴(冷媒出口穴)の周辺が、長期に亘って使用するうちに破損する可能性がある。
そこで、請求項2、3の手段を採用し、応力集中によって破損し易い部位である混合冷媒入口穴(冷媒入口穴)とガス冷媒出口穴(冷媒出口穴)の周辺に補強部材を設けることによって、混合冷媒入口穴(冷媒入口穴)とガス冷媒出口穴(冷媒出口穴)の周辺の機械的強度が高まる。
この結果、気液分離器を構成する多穴管の肉厚を薄くしても、混合冷媒入口穴(冷媒入口穴)とガス冷媒出口穴(冷媒出口穴)の周辺は長期に亘って使用されても破損しない。即ち、気液分離器を構成する多穴管の肉厚を薄くできるため、コストの低減、重量の低減、熱容量の低減によってろう付け性を向上させることができる。
【0010】
〔請求項4の手段〕
請求項4の手段を採用する冷凍サイクルの補強部材は、冷媒入口穴および冷媒出口穴の周辺に接合して設けられたものである。
このように補強部材を気液分離器に接合する構造を採用することにより、既存の気液分離器において、冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺の機械的な強度を容易に高めることができる。
あるいは、押し出し成形によって設けたパイプ(気液分離器の容器)に補強部材を設けることができるため、冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺の機械的な強度の高い気液分離器の製造コストを下げることができる。
また、機械的な強度を高めるために押し出し成形されるパイプ(気液分離器の容器)を厚くした場合、気液分離器の重量が重くなってしまうが、請求項4の手段を採用し、機械的な強度の弱い冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺に補強部材を接合することにより、応力が集中しない他の部位の厚みを薄くでき、重量増加を抑えることができる。
【0011】
〔請求項5の手段〕
請求項5の手段を採用する冷凍サイクルの補強部材は、冷媒入口穴および冷媒出口穴の周辺の厚みを他の厚みに比較して厚くしたものである。
このように設けることにより、補強部材を別体で製造する工程と、補強部材を気液分離器に接合する工数を減らすことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、第1〜第5実施例を用いて説明する。
[第1実施例]
第1実施例を図1〜図4を参照して説明する。
【0013】
(冷凍サイクルの説明)
冷凍サイクルは、冷媒圧縮機(コンプレッサ:図示しない)、冷媒凝縮器(コンデンサ)1、気液分離器2、減圧装置(図示しない)、冷媒蒸発器(エバポレータ:図示しない)を備える。
冷媒圧縮機は、電磁クラッチ(図示しない)を介して車両エンジン(図示しない)によりベルト駆動され、冷媒蒸発器を通過したガス冷媒を吸入して圧縮し、高温高圧のガス冷媒を吐出する。
【0014】
冷媒凝縮器1は、冷媒圧縮機から吐出された高温高圧のガス冷媒を外気と熱交換して液化凝縮する。なお、冷媒凝縮器1は、車両走行による走行風を受けて冷却される部位、具体的には車両エンジンルーム内の最前部に配置され、走行風および凝縮器用冷却ファン(図示しない)の送風空気により冷却される。なお、冷媒凝縮器1の詳細は後述する。
【0015】
気液分離器2は、冷媒凝縮器1で液化凝縮された液冷媒を気液分離するものである。なお、本実施例の気液分離器2は、冷媒凝縮器1の一部の機能として用いるものであり、気液分離器2に溜められる液冷媒量を冷媒圧縮機の過熱度により調整し、それにより冷凍サイクル内の循環冷媒流量を調整するものである。なお、気液分離器2の詳細は後述する。
【0016】
減圧装置は、冷媒凝縮器1で液化凝縮された高温高圧の液冷媒を断熱膨張し、低温低圧の霧状冷媒(気液2相冷媒)にする。
冷媒蒸発器は、室内空調ユニットのクーラユニット(図示しない)内に配置されるものであり、減圧装置で断熱膨張された低温低圧の霧状の冷媒を、室内空調ユニット内を流れる空気と熱交換する。冷媒蒸発器内を流れる霧状の冷媒は、車室内に吹き出される空気に温められて蒸発して低温低圧のガス冷媒となる。そして、冷媒蒸発器で蒸発したガス冷媒はその後冷媒圧縮機に吸入される。一方、クーラユニット内で冷媒蒸発器に熱交換される空気は、低温低圧の霧状冷媒から気化熱が奪われることで冷風となり、その後ヒータユニット(図示しない)で温度調整された後に車室内へ吹き出される。
そして、冷凍サイクルは、上記のサイクルを繰り返す。
【0017】
(冷媒凝縮器1の説明)
本実施例における冷媒凝縮器1の構成を図2を参照して説明する。
冷媒凝縮器1は、多数の偏平なチューブ3をコルゲートフィン4を介して積層してなる熱交換部(コア)5と、熱交換部5の図中右側に配置されて各チューブ3の右側端部が連通する右側ヘッダタンク6と、熱交換部5の左側に配置されて各チューブ3の左側端部が連通する左側ヘッダタンク(図示しない)と、冷媒入口コネクタ7と、冷媒出口コネクタ(図示しない)とから構成されている。
【0018】
本実施例の熱交換部5は、図2中の矢印に示すように、上側から4つの層(第1〜第4層のチューブ群5a〜5d)に分けられている。
右側ヘッダタンク6内には、第1層のチューブ群5aを区画する第1セパレータ6aと、第2層のチューブ群5bを区画する第2セパレータ6bとが配置されており、この第2セパレータ6bの下側の右側ヘッダタンク6内は、第3層のチューブ群5cを通過した冷媒が、第4層のチューブ群5dにターンするための通路になっている。
【0019】
一方、左側ヘッダタンク内には、第4層のチューブ群5dを区画する第3セパレータ(図示しない)が配置されており、この第3セパレータの上側の左側ヘッダタンク内は、第1層のチューブ群5aを通過した冷媒が、第2、第3層のチューブ群5b、5cにターンするための通路になっている。
【0020】
冷媒入口コネクタ7は、冷媒圧縮機の吐出側配管(図示しない)が接続される接続手段であり、冷媒圧縮機が吐出した高温高圧のガス冷媒を、第1セパレータ6aの上側の右側ヘッダタンク6内に導くやや大径の第1コネクタ穴7aと、気液分離器2内(具体的には、後述する供給用サブ通路12内)に導くやや小径の第2コネクタ穴7bとが設けられている。
冷媒出口コネクタ(図示しない)は、減圧装置に接続される高圧冷媒配管(図示しない)が接続される接続手段であり、第4層のチューブ群5dを通過した液冷媒を排出する液媒排出穴(図示しない)が設けられている。
【0021】
(気液分離器2の説明)
本実施例における気液分離器2の構成を図2の他に、図3を参照して説明する。
気液分離器2は、上下方向に延びる細長のタンク形状を呈し、右側ヘッダタンク6に沿って一体に接合されるものであり、冷媒凝縮器1とともに気液分離器2はすべてアルミニウム材で構成され、ろう付けにより一体構造に組み付けられるものである。
【0022】
気液分離器2は、冷媒の気液分離と液冷媒の貯蔵を行う気液分離室11の他に、供給用サブ通路12、排出用サブ通路13を備える。
気液分離室11は、冷媒圧縮機から吐出された吐出冷媒の一部(即ち、第2コネクタ穴7bによって供給される冷媒)、および冷媒凝縮器1で凝縮した冷媒の一部(即ち、第2層のチューブ群5bを通過した冷媒)が流入し、流入した冷媒を気液分離させるとともに、液冷媒の一部を蓄える縦長の容器部である。
【0023】
供給用サブ通路12は、気液分離室11と平行するように上下方向に延びて設けられ、冷媒圧縮機から吐出された吐出冷媒の一部(即ち、第2コネクタ穴7bによって供給される冷媒)、および冷媒凝縮器1で凝縮した冷媒の一部(即ち、第2層のチューブ群5bを通過した冷媒)を気液分離室11に送る縦長の通路である。
排出用サブ通路13は、気液分離室11および供給用サブ通路12と平行するように上下方向に延びて設けられ、気液分離器2内から流出される冷媒を冷媒凝縮器1へ送る縦長の通路である。
【0024】
ここで、気液分離器2は、気液分離室11を形成する大径穴14a、供給用サブ通路12を形成する第1小径穴14b、および排出用サブ通路13を形成する第2小径穴14cからなる3つの穴が押し出しによって形成された多穴管14と、大径穴14a、第1、第2小径穴14b、14cの各両端を塞ぐ蓋部材15a、15b、15cとによって構成される。
【0025】
供給用サブ通路12には、第1サブ通路供給穴12a、第2サブ通路供給穴12bおよび混合冷媒入口穴12cが形成されている。
第1サブ通路供給穴12aは、第2コネクタ穴7bに連通するものであり、冷媒圧縮機の吐出冷媒の一部(即ち、第2コネクタ穴7bによって供給される冷媒)を供給用サブ通路12内に供給する穴である。
第2サブ通路供給穴12bは、右側ヘッダタンク6の第1セパレータ6aと第2セパレータ6bの間の室内の冷媒、即ち第2層のチューブ群5bを通過した冷媒を、供給用サブ通路12内に供給する穴であり、第1セパレータ6aと第2セパレータ6bの間の右側ヘッダタンク6には、第2サブ通路供給穴12bに連通する凝縮冷媒排出穴(図示しない)が形成されている。
混合冷媒入口穴12cは、第1、第2サブ通路供給穴12a、12bから供給用サブ通路12内に供給された冷媒を気液分離室11内へ供給する穴である。
【0026】
一方、排出用サブ通路13には、ガス冷媒出口穴13a、液冷媒出口穴13bおよびサブ通路出口穴13cが形成されている。
ガス冷媒出口穴13aは、気液分離室11で気液分離されたガス冷媒を排出用サブ通路13に導く穴であり、気液分離室11の上部と連通するように設けられている。
液冷媒出口穴13bは、気液分離室11で気液分離された液冷媒を排出用サブ通路13に導く穴であり、気液分離室11の下部と連通するように設けられている。
サブ通路出口穴13cは、ガス冷媒出口穴13aおよび液冷媒出口穴13bから供給された冷媒を冷媒凝縮器1の途中(即ち、第2セパレータ6bの下側の右側ヘッダタンク6内)へ供給する穴であり、第2セパレータ6bの下側の右側ヘッダタンク6には、サブ通路出口穴13cに連通する凝縮冷媒供給穴(図示しない)が形成されている。
【0027】
気液分離器2の冷媒の流れを説明する。
冷媒圧縮機の吐出した冷媒の一部(即ち、第2コネクタ穴7bによって供給される冷媒)が第1サブ通路供給穴12aを介して供給用サブ通路12に供給されるとともに、冷媒凝縮器1の通過途中の冷媒の一部(即ち、第2層のチューブ群5bを通過した冷媒)が第2サブ通路供給穴12bを介して供給用サブ通路12内に供給される。
供給用サブ通路12内に供給された冷媒は、混合冷媒入口穴12cから気液分離室11内に供給される(図3中、B面参照)。
【0028】
気液分離室11内で気液分離されたガス冷媒は、ガス冷媒出口穴13aを介して排出用サブ通路13内に供給される(図3中、A面参照)。一方、気液分離室11内で気液分離された液冷媒は、液冷媒出口穴13bを介して排出用サブ通路13内に供給される(図3中、C面参照)。
排出用サブ通路13内に導かれたガス冷媒と液冷媒は、サブ通路出口穴13cを介して第2セパレータ6bの下側の右側ヘッダタンク6内へ導かれた後(図3中、C面参照)、第4層のチューブ群5dに供給される。
【0029】
[第1実施例の特徴]
気液分離室11の内部は、その底面から混合冷媒入口穴12cまで安定して液冷媒を溜めることができる。しかし、混合冷媒入口穴12c以上では、混合冷媒入口穴12cから流入する冷媒によって液面が乱れるため、混合冷媒入口穴12cの上の空間を液冷媒を溜める容積として活用することができない。
冷凍サイクルの変動や、冷媒の洩れ保証等から決まる液冷媒を溜める量(即ち、必要冷媒保有量)や、冷媒凝縮器1のコア高さは変わらないため、必要冷媒保有量を確保するために、気液分離室11の径を大きくする必要がある。
【0030】
一方、本実施例のような多穴管14は、図4に示すように応力分布が複雑となり、その対策のために肉厚を厚くする要求がある。しかし、肉厚を厚くすると、コスト増加、重量増加、熱容量の増加によるろう付け性の悪化が懸念される。このため、逆に肉厚を薄くする要求があるが、機械的強度が他の部位に比較して低い混合冷媒入口穴12c(冷媒入口穴に相当する)と、ガス冷媒出口穴13a(冷媒出口穴に相当する)の周辺に応力集中し、長期に亘って使用するうちに破損する可能性がある。このように、これまでは、多穴管14の肉厚を厚くも薄くも出来ないため、実際的に車両へ搭載することが困難になっていた。
【0031】
そこで、図1に示すように、混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺に補強部材16を設け、混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺にかかる応力を緩和するように設けた。
この実施例の補強部材16は、混合冷媒入口穴12cに連通する入口連通穴16aと、ガス冷媒出口穴13aに連通する出口連通穴16bとが形成された筒状体であり、混合冷媒入口穴12cと入口連通穴16aが連通するとともに、ガス冷媒出口穴13aと出口連通穴16bが連通する状態で、気液分離室11内にろう付けされるものである。
ここで、本実施例の補強部材16は、気液分離室11の上端を閉塞する蓋部材15aと一体に設けられたものである。具体的には、1枚のアルミ板を所定形状に切断し、絞り加工技術によって、蓋部材15aと補強部材16とを一体に形成したものである。
【0032】
[第1実施例の効果]
本実施例の冷凍サイクルは、高圧冷媒によって応力集中の発生する混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺に略パイプ状の補強部材16をろう付けした。これによって、混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺の機械的強度が高まる。この結果、長期に亘って使用しても、混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺が破損する不具合がない。
即ち、応力が集中する混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺のみを補強部材16で補強する構造であるため、応力が集中しない他の部位の厚みを薄くできる。この結果、気液分離器2を構成する多穴管14の肉厚を薄くしても、混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺は長期に亘って使用されても破損しない。このように、気液分離器2を構成する多穴管14の肉厚を薄くできるため、コストの低減、重量の低減、熱容量の低減によるろう付け性の向上を図ることができる。
【0033】
[第2実施例]
第2実施例を図5を参照して説明する。なお、以下の実施例において、第1実施例と同一符号は同一機能物を示すものである。
この実施例の気液分離器2は、冷媒凝縮器1で液化凝縮された高温高圧の液冷媒を気液分離して、液冷媒のみを減圧装置に供給するいわゆるレシーバであり、冷媒凝縮器1から液化凝縮された高温高圧の液冷媒が供給される冷媒入口穴21(凝縮冷媒供給パイプ22が接合する穴)と、内部で気液分離した液冷媒のみを減圧装置に向けて排出する冷媒出口穴23(凝縮冷媒排出パイプ24が接合する穴)とを備える。
【0034】
このような気液分離器2も、第1実施例と同様、冷媒入口穴21と冷媒出口穴23の周辺は、他の部位に比較して機械的強度が低く、冷媒入口穴21と冷媒出口穴23の周辺に応力が集中する。
そこで、この実施例でも、図5に示すように、冷媒入口穴21と冷媒出口穴23の周辺に補強部材16を設け、冷媒入口穴21と冷媒出口穴23の周辺にかかる応力を緩和するように設けた。
【0035】
この実施例の補強部材16は、冷媒入口穴21に連通する入口連通穴16aと、冷媒出口穴23に連通する出口連通穴16bとが形成された略パイプ状であり、冷媒入口穴21と入口連通穴16aが連通するとともに、冷媒出口穴23と出口連通穴16bが連通する状態で、気液分離器2内にろう付けされるものである。
【0036】
[第3実施例]
第3実施例を図6を参照して説明する。
この実施例の補強部材16は、図6に示すように、入口連通穴16aの上下、出口連通穴16bの上下に、ろう付け時にろう材がまわる溝16cを形成したものである。このような溝16cを設けることにより、入口連通穴16aの周辺、および出口連通穴16bの周辺のろう付けが確実となり、補強の信頼度を高めることができる。
【0037】
[第4実施例]
第4実施例を図7を参照して説明する。
上記第1〜第3実施例では、補強部材16を略パイプ状に設けた例を示したが、図7に示すように、入口連通穴16aおよび出口連通穴16bの周囲だけに接合される補強部材16としても良い。
【0038】
[第5実施例]
第5実施例を図8を参照して説明する。
上記第1〜第4実施例では、補強部材16を別部材で設けて、気液分離器2に接合する例を示したが、図8に示すように、冷媒入口穴21と冷媒出口穴23の周辺の厚みを他の厚みに比較して厚くすることによって補強部材16を形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】気液分離器の要部分解斜視図である(第1実施例)。
【図2】気液分離器が接合された冷媒凝縮器の概略斜視図である(第1実施例)。
【図3】気液分離器の斜視図と、そのA面、B面、C面の断面図である(第1実施例)。
【図4】応力集中の様子を示す説明図である(第1実施例)。
【図5】気液分離器(レシーバ)の斜視図である(第2実施例)。
【図6】補強部材の斜視図である(第3実施例)。
【図7】補強部材の斜視図である(第4実施例)。
【図8】補強部材が形成された部分を示す気液分離器の断面図である(第5実施例)。
【図9】気液分離器(レシーバ)の斜視図である(従来例)。
【符号の説明】
1 冷媒凝縮器
2 気液分離器
6 右側ヘッダタンク
11 気液分離室
12 供給用サブ通路
12a 第1サブ通路供給穴
12b 第2サブ通路供給穴
12c 混合冷媒入口穴(冷媒入口穴)
13 排出用サブ通路
13a ガス冷媒出口穴(冷媒出口穴)
13b 液冷媒出口穴
13c サブ通路出口穴
14 多穴管
14a 大径穴
14b 第1小径穴
14c 第2小径穴
15a 蓋部材
15b 蓋部材
15c 蓋部材
16 補強部材
21 冷媒入口穴
23 冷媒出口穴
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍サイクルに関するものであり、特に冷凍サイクルの高圧側において冷媒の気液分離を行う気液分離器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の気液分離器の構造を図9に示す。この図9に示されるように、従来の気液分離器は、押し出し成形品よりなるパイプJ1 の両側を蓋部材J2 で塞ぎ、パイプJ1 の側面に入口パイプ(凝縮冷媒供給パイプJ3 )と、出口パイプ(凝縮冷媒排出パイプ)J4 とを接合したものであった(特許文献無し)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、気液分離器には高圧冷媒が供給される。このため、凝縮冷媒供給パイプJ3 と凝縮冷媒排出パイプJ4 が接合される冷媒入口穴J5 と冷媒出口穴J6 の周辺には、高圧冷媒による応力集中が発生する。
しかし、従来の気液分離器は、上述したように押し出し成形されたパイプによって構成されていたために壁厚が均一であるため、冷媒入口穴J5 と冷媒出口穴J6 の周辺に発生する応力集中によって、冷媒入口穴J5 と冷媒出口穴J6 の周辺の機械的強度が他の部位に比較して低下してしまう。
【0004】
例えば、特願2001−117278の特許出願のように、気液分離器を冷媒凝縮器の一部の機能として用い、気液分離器に溜まる液冷媒量をコンプレッサ(冷媒圧縮機)の過熱度により調整し、それにより冷凍サイクル内の循環冷媒流量を調整するような場合は、気液分離器の上部の容積を十分に生かせないため、気液分離器の体格を大きくする必要が生じる。
一方、特願2001−117278の特許出願の気液分離器は、冷媒の気液分離を行う気液分離室の他に、外部から供給される冷媒を気液分離室へ導くための供給用サブ通路と、気液分離室内の冷媒を外部へ導くための排出用サブ通路を備える多穴管で構成される。
【0005】
このように、気液分離器を多穴管で構成すると、高圧冷媒による圧力分布が複雑となり(図4参照)、その対策のために多穴管の肉厚を厚くする要求がある。しかし、肉厚を厚くすると、コスト増加、重量増加、熱容量の増加によるろう付け性の悪化が懸念される。このため、逆に肉厚を薄くすると、応力が集中する冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺が、長期に亘って使用するうちに破損する可能性がある。このように、肉厚を厚くも薄くも出来ないため、実際的に車両へ搭載することが困難になっていた。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺の機械的な強度を高めた気液分離器を搭載した冷凍サイクルの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段を採用する冷凍サイクルは、高圧冷媒によって応力集中の発生する冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺に補強部材を設けた。これによって、冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺の機械的強度が高まる。この結果、長期に亘って使用しても、冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺が破損しない。
また、応力が集中する冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺のみを補強部材で補強する構造であるため、応力が集中しない他の部位の厚みを薄くできる。この結果、応力が集中する冷媒入口穴と冷媒出口穴の機械的な強度を高めることによる気液分離器の重量増加を抑えることができるとともに、無駄な厚みを抑えて製造コストを下げることができる。
【0008】
〔請求項2、3の手段〕
請求項2、3の手段を採用する冷凍サイクルは、特願2001−117278の特許出願のように、気液分離器を冷媒凝縮器の一部の機能として用い、気液分離器に溜まる液冷媒量を冷媒圧縮機の過熱度により調整し、それにより冷凍サイクル内の循環冷媒流量を調整するものであるため、気液分離器の上部の容積を十分に生かせない。このため、気液分離器の体格を大きくする必要が生じる。
また、請求項2、3の手段を採用する冷凍サイクルは、特願2001−117278の特許出願のように、気液分離器は、冷媒の気液分離を行う気液分離室の他に、外部から供給される冷媒を気液分離室へ導くための供給用サブ通路と、気液分離室内の冷媒を外部へ導くための排出用サブ通路を備える多穴管で構成される。
【0009】
このように、気液分離器を多穴管で構成する場合、肉厚を薄くすると、応力が集中する混合冷媒入口穴(冷媒入口穴)とガス冷媒出口穴(冷媒出口穴)の周辺が、長期に亘って使用するうちに破損する可能性がある。
そこで、請求項2、3の手段を採用し、応力集中によって破損し易い部位である混合冷媒入口穴(冷媒入口穴)とガス冷媒出口穴(冷媒出口穴)の周辺に補強部材を設けることによって、混合冷媒入口穴(冷媒入口穴)とガス冷媒出口穴(冷媒出口穴)の周辺の機械的強度が高まる。
この結果、気液分離器を構成する多穴管の肉厚を薄くしても、混合冷媒入口穴(冷媒入口穴)とガス冷媒出口穴(冷媒出口穴)の周辺は長期に亘って使用されても破損しない。即ち、気液分離器を構成する多穴管の肉厚を薄くできるため、コストの低減、重量の低減、熱容量の低減によってろう付け性を向上させることができる。
【0010】
〔請求項4の手段〕
請求項4の手段を採用する冷凍サイクルの補強部材は、冷媒入口穴および冷媒出口穴の周辺に接合して設けられたものである。
このように補強部材を気液分離器に接合する構造を採用することにより、既存の気液分離器において、冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺の機械的な強度を容易に高めることができる。
あるいは、押し出し成形によって設けたパイプ(気液分離器の容器)に補強部材を設けることができるため、冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺の機械的な強度の高い気液分離器の製造コストを下げることができる。
また、機械的な強度を高めるために押し出し成形されるパイプ(気液分離器の容器)を厚くした場合、気液分離器の重量が重くなってしまうが、請求項4の手段を採用し、機械的な強度の弱い冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺に補強部材を接合することにより、応力が集中しない他の部位の厚みを薄くでき、重量増加を抑えることができる。
【0011】
〔請求項5の手段〕
請求項5の手段を採用する冷凍サイクルの補強部材は、冷媒入口穴および冷媒出口穴の周辺の厚みを他の厚みに比較して厚くしたものである。
このように設けることにより、補強部材を別体で製造する工程と、補強部材を気液分離器に接合する工数を減らすことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、第1〜第5実施例を用いて説明する。
[第1実施例]
第1実施例を図1〜図4を参照して説明する。
【0013】
(冷凍サイクルの説明)
冷凍サイクルは、冷媒圧縮機(コンプレッサ:図示しない)、冷媒凝縮器(コンデンサ)1、気液分離器2、減圧装置(図示しない)、冷媒蒸発器(エバポレータ:図示しない)を備える。
冷媒圧縮機は、電磁クラッチ(図示しない)を介して車両エンジン(図示しない)によりベルト駆動され、冷媒蒸発器を通過したガス冷媒を吸入して圧縮し、高温高圧のガス冷媒を吐出する。
【0014】
冷媒凝縮器1は、冷媒圧縮機から吐出された高温高圧のガス冷媒を外気と熱交換して液化凝縮する。なお、冷媒凝縮器1は、車両走行による走行風を受けて冷却される部位、具体的には車両エンジンルーム内の最前部に配置され、走行風および凝縮器用冷却ファン(図示しない)の送風空気により冷却される。なお、冷媒凝縮器1の詳細は後述する。
【0015】
気液分離器2は、冷媒凝縮器1で液化凝縮された液冷媒を気液分離するものである。なお、本実施例の気液分離器2は、冷媒凝縮器1の一部の機能として用いるものであり、気液分離器2に溜められる液冷媒量を冷媒圧縮機の過熱度により調整し、それにより冷凍サイクル内の循環冷媒流量を調整するものである。なお、気液分離器2の詳細は後述する。
【0016】
減圧装置は、冷媒凝縮器1で液化凝縮された高温高圧の液冷媒を断熱膨張し、低温低圧の霧状冷媒(気液2相冷媒)にする。
冷媒蒸発器は、室内空調ユニットのクーラユニット(図示しない)内に配置されるものであり、減圧装置で断熱膨張された低温低圧の霧状の冷媒を、室内空調ユニット内を流れる空気と熱交換する。冷媒蒸発器内を流れる霧状の冷媒は、車室内に吹き出される空気に温められて蒸発して低温低圧のガス冷媒となる。そして、冷媒蒸発器で蒸発したガス冷媒はその後冷媒圧縮機に吸入される。一方、クーラユニット内で冷媒蒸発器に熱交換される空気は、低温低圧の霧状冷媒から気化熱が奪われることで冷風となり、その後ヒータユニット(図示しない)で温度調整された後に車室内へ吹き出される。
そして、冷凍サイクルは、上記のサイクルを繰り返す。
【0017】
(冷媒凝縮器1の説明)
本実施例における冷媒凝縮器1の構成を図2を参照して説明する。
冷媒凝縮器1は、多数の偏平なチューブ3をコルゲートフィン4を介して積層してなる熱交換部(コア)5と、熱交換部5の図中右側に配置されて各チューブ3の右側端部が連通する右側ヘッダタンク6と、熱交換部5の左側に配置されて各チューブ3の左側端部が連通する左側ヘッダタンク(図示しない)と、冷媒入口コネクタ7と、冷媒出口コネクタ(図示しない)とから構成されている。
【0018】
本実施例の熱交換部5は、図2中の矢印に示すように、上側から4つの層(第1〜第4層のチューブ群5a〜5d)に分けられている。
右側ヘッダタンク6内には、第1層のチューブ群5aを区画する第1セパレータ6aと、第2層のチューブ群5bを区画する第2セパレータ6bとが配置されており、この第2セパレータ6bの下側の右側ヘッダタンク6内は、第3層のチューブ群5cを通過した冷媒が、第4層のチューブ群5dにターンするための通路になっている。
【0019】
一方、左側ヘッダタンク内には、第4層のチューブ群5dを区画する第3セパレータ(図示しない)が配置されており、この第3セパレータの上側の左側ヘッダタンク内は、第1層のチューブ群5aを通過した冷媒が、第2、第3層のチューブ群5b、5cにターンするための通路になっている。
【0020】
冷媒入口コネクタ7は、冷媒圧縮機の吐出側配管(図示しない)が接続される接続手段であり、冷媒圧縮機が吐出した高温高圧のガス冷媒を、第1セパレータ6aの上側の右側ヘッダタンク6内に導くやや大径の第1コネクタ穴7aと、気液分離器2内(具体的には、後述する供給用サブ通路12内)に導くやや小径の第2コネクタ穴7bとが設けられている。
冷媒出口コネクタ(図示しない)は、減圧装置に接続される高圧冷媒配管(図示しない)が接続される接続手段であり、第4層のチューブ群5dを通過した液冷媒を排出する液媒排出穴(図示しない)が設けられている。
【0021】
(気液分離器2の説明)
本実施例における気液分離器2の構成を図2の他に、図3を参照して説明する。
気液分離器2は、上下方向に延びる細長のタンク形状を呈し、右側ヘッダタンク6に沿って一体に接合されるものであり、冷媒凝縮器1とともに気液分離器2はすべてアルミニウム材で構成され、ろう付けにより一体構造に組み付けられるものである。
【0022】
気液分離器2は、冷媒の気液分離と液冷媒の貯蔵を行う気液分離室11の他に、供給用サブ通路12、排出用サブ通路13を備える。
気液分離室11は、冷媒圧縮機から吐出された吐出冷媒の一部(即ち、第2コネクタ穴7bによって供給される冷媒)、および冷媒凝縮器1で凝縮した冷媒の一部(即ち、第2層のチューブ群5bを通過した冷媒)が流入し、流入した冷媒を気液分離させるとともに、液冷媒の一部を蓄える縦長の容器部である。
【0023】
供給用サブ通路12は、気液分離室11と平行するように上下方向に延びて設けられ、冷媒圧縮機から吐出された吐出冷媒の一部(即ち、第2コネクタ穴7bによって供給される冷媒)、および冷媒凝縮器1で凝縮した冷媒の一部(即ち、第2層のチューブ群5bを通過した冷媒)を気液分離室11に送る縦長の通路である。
排出用サブ通路13は、気液分離室11および供給用サブ通路12と平行するように上下方向に延びて設けられ、気液分離器2内から流出される冷媒を冷媒凝縮器1へ送る縦長の通路である。
【0024】
ここで、気液分離器2は、気液分離室11を形成する大径穴14a、供給用サブ通路12を形成する第1小径穴14b、および排出用サブ通路13を形成する第2小径穴14cからなる3つの穴が押し出しによって形成された多穴管14と、大径穴14a、第1、第2小径穴14b、14cの各両端を塞ぐ蓋部材15a、15b、15cとによって構成される。
【0025】
供給用サブ通路12には、第1サブ通路供給穴12a、第2サブ通路供給穴12bおよび混合冷媒入口穴12cが形成されている。
第1サブ通路供給穴12aは、第2コネクタ穴7bに連通するものであり、冷媒圧縮機の吐出冷媒の一部(即ち、第2コネクタ穴7bによって供給される冷媒)を供給用サブ通路12内に供給する穴である。
第2サブ通路供給穴12bは、右側ヘッダタンク6の第1セパレータ6aと第2セパレータ6bの間の室内の冷媒、即ち第2層のチューブ群5bを通過した冷媒を、供給用サブ通路12内に供給する穴であり、第1セパレータ6aと第2セパレータ6bの間の右側ヘッダタンク6には、第2サブ通路供給穴12bに連通する凝縮冷媒排出穴(図示しない)が形成されている。
混合冷媒入口穴12cは、第1、第2サブ通路供給穴12a、12bから供給用サブ通路12内に供給された冷媒を気液分離室11内へ供給する穴である。
【0026】
一方、排出用サブ通路13には、ガス冷媒出口穴13a、液冷媒出口穴13bおよびサブ通路出口穴13cが形成されている。
ガス冷媒出口穴13aは、気液分離室11で気液分離されたガス冷媒を排出用サブ通路13に導く穴であり、気液分離室11の上部と連通するように設けられている。
液冷媒出口穴13bは、気液分離室11で気液分離された液冷媒を排出用サブ通路13に導く穴であり、気液分離室11の下部と連通するように設けられている。
サブ通路出口穴13cは、ガス冷媒出口穴13aおよび液冷媒出口穴13bから供給された冷媒を冷媒凝縮器1の途中(即ち、第2セパレータ6bの下側の右側ヘッダタンク6内)へ供給する穴であり、第2セパレータ6bの下側の右側ヘッダタンク6には、サブ通路出口穴13cに連通する凝縮冷媒供給穴(図示しない)が形成されている。
【0027】
気液分離器2の冷媒の流れを説明する。
冷媒圧縮機の吐出した冷媒の一部(即ち、第2コネクタ穴7bによって供給される冷媒)が第1サブ通路供給穴12aを介して供給用サブ通路12に供給されるとともに、冷媒凝縮器1の通過途中の冷媒の一部(即ち、第2層のチューブ群5bを通過した冷媒)が第2サブ通路供給穴12bを介して供給用サブ通路12内に供給される。
供給用サブ通路12内に供給された冷媒は、混合冷媒入口穴12cから気液分離室11内に供給される(図3中、B面参照)。
【0028】
気液分離室11内で気液分離されたガス冷媒は、ガス冷媒出口穴13aを介して排出用サブ通路13内に供給される(図3中、A面参照)。一方、気液分離室11内で気液分離された液冷媒は、液冷媒出口穴13bを介して排出用サブ通路13内に供給される(図3中、C面参照)。
排出用サブ通路13内に導かれたガス冷媒と液冷媒は、サブ通路出口穴13cを介して第2セパレータ6bの下側の右側ヘッダタンク6内へ導かれた後(図3中、C面参照)、第4層のチューブ群5dに供給される。
【0029】
[第1実施例の特徴]
気液分離室11の内部は、その底面から混合冷媒入口穴12cまで安定して液冷媒を溜めることができる。しかし、混合冷媒入口穴12c以上では、混合冷媒入口穴12cから流入する冷媒によって液面が乱れるため、混合冷媒入口穴12cの上の空間を液冷媒を溜める容積として活用することができない。
冷凍サイクルの変動や、冷媒の洩れ保証等から決まる液冷媒を溜める量(即ち、必要冷媒保有量)や、冷媒凝縮器1のコア高さは変わらないため、必要冷媒保有量を確保するために、気液分離室11の径を大きくする必要がある。
【0030】
一方、本実施例のような多穴管14は、図4に示すように応力分布が複雑となり、その対策のために肉厚を厚くする要求がある。しかし、肉厚を厚くすると、コスト増加、重量増加、熱容量の増加によるろう付け性の悪化が懸念される。このため、逆に肉厚を薄くする要求があるが、機械的強度が他の部位に比較して低い混合冷媒入口穴12c(冷媒入口穴に相当する)と、ガス冷媒出口穴13a(冷媒出口穴に相当する)の周辺に応力集中し、長期に亘って使用するうちに破損する可能性がある。このように、これまでは、多穴管14の肉厚を厚くも薄くも出来ないため、実際的に車両へ搭載することが困難になっていた。
【0031】
そこで、図1に示すように、混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺に補強部材16を設け、混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺にかかる応力を緩和するように設けた。
この実施例の補強部材16は、混合冷媒入口穴12cに連通する入口連通穴16aと、ガス冷媒出口穴13aに連通する出口連通穴16bとが形成された筒状体であり、混合冷媒入口穴12cと入口連通穴16aが連通するとともに、ガス冷媒出口穴13aと出口連通穴16bが連通する状態で、気液分離室11内にろう付けされるものである。
ここで、本実施例の補強部材16は、気液分離室11の上端を閉塞する蓋部材15aと一体に設けられたものである。具体的には、1枚のアルミ板を所定形状に切断し、絞り加工技術によって、蓋部材15aと補強部材16とを一体に形成したものである。
【0032】
[第1実施例の効果]
本実施例の冷凍サイクルは、高圧冷媒によって応力集中の発生する混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺に略パイプ状の補強部材16をろう付けした。これによって、混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺の機械的強度が高まる。この結果、長期に亘って使用しても、混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺が破損する不具合がない。
即ち、応力が集中する混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺のみを補強部材16で補強する構造であるため、応力が集中しない他の部位の厚みを薄くできる。この結果、気液分離器2を構成する多穴管14の肉厚を薄くしても、混合冷媒入口穴12cとガス冷媒出口穴13aの周辺は長期に亘って使用されても破損しない。このように、気液分離器2を構成する多穴管14の肉厚を薄くできるため、コストの低減、重量の低減、熱容量の低減によるろう付け性の向上を図ることができる。
【0033】
[第2実施例]
第2実施例を図5を参照して説明する。なお、以下の実施例において、第1実施例と同一符号は同一機能物を示すものである。
この実施例の気液分離器2は、冷媒凝縮器1で液化凝縮された高温高圧の液冷媒を気液分離して、液冷媒のみを減圧装置に供給するいわゆるレシーバであり、冷媒凝縮器1から液化凝縮された高温高圧の液冷媒が供給される冷媒入口穴21(凝縮冷媒供給パイプ22が接合する穴)と、内部で気液分離した液冷媒のみを減圧装置に向けて排出する冷媒出口穴23(凝縮冷媒排出パイプ24が接合する穴)とを備える。
【0034】
このような気液分離器2も、第1実施例と同様、冷媒入口穴21と冷媒出口穴23の周辺は、他の部位に比較して機械的強度が低く、冷媒入口穴21と冷媒出口穴23の周辺に応力が集中する。
そこで、この実施例でも、図5に示すように、冷媒入口穴21と冷媒出口穴23の周辺に補強部材16を設け、冷媒入口穴21と冷媒出口穴23の周辺にかかる応力を緩和するように設けた。
【0035】
この実施例の補強部材16は、冷媒入口穴21に連通する入口連通穴16aと、冷媒出口穴23に連通する出口連通穴16bとが形成された略パイプ状であり、冷媒入口穴21と入口連通穴16aが連通するとともに、冷媒出口穴23と出口連通穴16bが連通する状態で、気液分離器2内にろう付けされるものである。
【0036】
[第3実施例]
第3実施例を図6を参照して説明する。
この実施例の補強部材16は、図6に示すように、入口連通穴16aの上下、出口連通穴16bの上下に、ろう付け時にろう材がまわる溝16cを形成したものである。このような溝16cを設けることにより、入口連通穴16aの周辺、および出口連通穴16bの周辺のろう付けが確実となり、補強の信頼度を高めることができる。
【0037】
[第4実施例]
第4実施例を図7を参照して説明する。
上記第1〜第3実施例では、補強部材16を略パイプ状に設けた例を示したが、図7に示すように、入口連通穴16aおよび出口連通穴16bの周囲だけに接合される補強部材16としても良い。
【0038】
[第5実施例]
第5実施例を図8を参照して説明する。
上記第1〜第4実施例では、補強部材16を別部材で設けて、気液分離器2に接合する例を示したが、図8に示すように、冷媒入口穴21と冷媒出口穴23の周辺の厚みを他の厚みに比較して厚くすることによって補強部材16を形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】気液分離器の要部分解斜視図である(第1実施例)。
【図2】気液分離器が接合された冷媒凝縮器の概略斜視図である(第1実施例)。
【図3】気液分離器の斜視図と、そのA面、B面、C面の断面図である(第1実施例)。
【図4】応力集中の様子を示す説明図である(第1実施例)。
【図5】気液分離器(レシーバ)の斜視図である(第2実施例)。
【図6】補強部材の斜視図である(第3実施例)。
【図7】補強部材の斜視図である(第4実施例)。
【図8】補強部材が形成された部分を示す気液分離器の断面図である(第5実施例)。
【図9】気液分離器(レシーバ)の斜視図である(従来例)。
【符号の説明】
1 冷媒凝縮器
2 気液分離器
6 右側ヘッダタンク
11 気液分離室
12 供給用サブ通路
12a 第1サブ通路供給穴
12b 第2サブ通路供給穴
12c 混合冷媒入口穴(冷媒入口穴)
13 排出用サブ通路
13a ガス冷媒出口穴(冷媒出口穴)
13b 液冷媒出口穴
13c サブ通路出口穴
14 多穴管
14a 大径穴
14b 第1小径穴
14c 第2小径穴
15a 蓋部材
15b 蓋部材
15c 蓋部材
16 補強部材
21 冷媒入口穴
23 冷媒出口穴
Claims (5)
- 冷媒凝縮器で液化凝縮された冷媒を気液分離して液冷媒を蓄える気液分離器を備える冷凍サイクルにおいて、
前記気液分離器の冷媒入口穴と冷媒出口穴の周辺に補強部材を設けたことを特徴とする冷凍サイクル。 - 請求項1に記載の冷凍サイクルにおいて、
前記気液分離器は、冷媒圧縮機の吐出冷媒を冷却して凝縮させる前記冷媒凝縮器のヘッダタンクに沿って設けられ、
前記冷媒圧縮機から吐出された吐出冷媒の一部、および前記冷媒凝縮器で凝縮した冷媒の一部が流入し、流入した冷媒を気液分離させて液冷媒を溜める気液分離室と、
前記気液分離室と平行して設けられ、前記冷媒圧縮機から吐出された吐出冷媒の一部、および前記冷媒凝縮器で凝縮した冷媒の一部を前記気液分離室に送る供給用サブ通路と、
前記気液分離室および前記供給用サブ通路と平行して設けられ、前記気液分離器内から流出される冷媒を前記冷媒凝縮器へ送る排出用サブ通路とを備え、
前記補強部材は、前記気液分離室と前記供給用サブ通路とを連通する前記冷媒入口穴の周辺と、前記気液分離器と前記排出用サブ通路とを連通する前記冷媒出口穴の周辺とに設けられたことを特徴とする冷凍サイクル。 - 請求項2に記載の冷凍サイクルにおいて、
(a)前記気液分離器は、前記気液分離室を形成する大径穴、前記供給用サブ通路を形成する第1小径穴、および前記排出用サブ通路を形成する第2小径穴からなる3つの穴を備える多穴管と、
前記大径穴、前記第1、第2小径穴の各両端を塞ぐ蓋部材とによって構成されるものであり、
(b)前記供給用サブ通路には、前記冷媒圧縮機の吐出冷媒の一部が供給される第1サブ通路供給穴と、前記冷媒凝縮器の通過途中の冷媒の一部が供給される第2サブ通路供給穴と、前記第1、第2サブ通路供給穴から供給された冷媒を前記気液分離室内へ供給する混合冷媒入口穴とが設けられ、
(c)前記排出用サブ通路には、前記気液分離室で気液分離されたガス冷媒が供給されるガス冷媒出口穴と、前記気液分離室で気液分離された液冷媒が供給される液冷媒出口穴と、前記ガス冷媒出口穴および前記液冷媒出口穴から供給された冷媒を前記冷媒凝縮器の途中へ供給するサブ通路出口穴とが設けられ、
(d)前記補強部材は、前記混合冷媒入口穴の周辺と、前記ガス冷媒出口穴の周辺とに設けられたことを特徴とする冷凍サイクル。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の冷凍サイクルにおいて、
前記補強部材は、前記冷媒入口穴と前記冷媒出口穴の周辺に接合して設けられたことを特徴とする冷凍サイクル。 - 請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクルにおいて、
前記補強部材は、前記冷媒入口穴と前記冷媒出口穴の周辺の厚みを他の厚みに比較して厚くすることによって設けられたことを特徴とする冷凍サイクル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003039936A JP2004251490A (ja) | 2003-02-18 | 2003-02-18 | 冷凍サイクル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003039936A JP2004251490A (ja) | 2003-02-18 | 2003-02-18 | 冷凍サイクル |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004251490A true JP2004251490A (ja) | 2004-09-09 |
Family
ID=33023968
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003039936A Pending JP2004251490A (ja) | 2003-02-18 | 2003-02-18 | 冷凍サイクル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004251490A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011231992A (ja) * | 2010-04-28 | 2011-11-17 | Daikin Industries Ltd | アキュームレータ |
| KR101344517B1 (ko) * | 2011-02-10 | 2014-01-15 | 한라비스테온공조 주식회사 | 응축기 |
| CN113405283A (zh) * | 2021-07-19 | 2021-09-17 | 珠海格力电器股份有限公司 | 进气管、壳管式冷凝器、空调器 |
| CN114484947A (zh) * | 2021-12-23 | 2022-05-13 | 西安交通大学 | 一种整流管、气液分配装置 |
-
2003
- 2003-02-18 JP JP2003039936A patent/JP2004251490A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011231992A (ja) * | 2010-04-28 | 2011-11-17 | Daikin Industries Ltd | アキュームレータ |
| KR101344517B1 (ko) * | 2011-02-10 | 2014-01-15 | 한라비스테온공조 주식회사 | 응축기 |
| CN113405283A (zh) * | 2021-07-19 | 2021-09-17 | 珠海格力电器股份有限公司 | 进气管、壳管式冷凝器、空调器 |
| CN114484947A (zh) * | 2021-12-23 | 2022-05-13 | 西安交通大学 | 一种整流管、气液分配装置 |
| CN114484947B (zh) * | 2021-12-23 | 2022-12-13 | 西安交通大学 | 一种整流管、气液分配装置 |
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