JP2004255487A - Memsの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シート状の基材131上に形成した感光性を有する膜厚5μm程度の樹脂膜132を用意し、基材131ごと樹脂膜132を固定壁103の上に貼り付けて基材131を剥がし、固定壁103の上に、膜厚5μmの樹脂膜132が形成された状態とする。形成した樹脂膜132を加工して封止部材132aを形成した後で、ウエハ101をダイシングし、MEMS素子102を供えたMEMSチップ101aを得る。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチングを利用する通信,計測,ディスプレイ等に使用されるMEMS素子が内蔵されたチップなどのMEMSの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜形成技術やフォトリソグラフィ技術を基本にしてエッチングすることなどで立体的に微細加工を行うマイクロマシン技術を利用して作製された、MEMS素子(Micro Electro Mechanical System)がある。MEMS素子は、例えば、シリコンや金属の構造体からなる可動部を備え、この可動部の駆動は、これに対向して配置した電極の発生する静電力によって行われている。MEMS素子には、例えば、マイクロリレーやRFスイッチなどに利用されている。
【0003】
MEMS素子を内蔵したMEMSチップの製造では、ウエハの上に複数のMEMS素子を同時に形成し、複数のMEMS素子を各々チップに切り出すようにしている。チップに切り出すときには、飛散してくる切削粉などにより、可動部が損傷を受ける場合もあるため、例えば、ガラス板などによりMEMS素子が形成されている領域を覆って保護した状態で製造する技術が提案されている。
【0004】
以下、上述したMEMSチップの製造方法について説明する。
まず、図4(a)に示すように、ウエハ401の上に、複数のMEMS素子402を形成する。MEMS素子402は、ウエハ401の表面に固定された吸引電極421と、吸引電極421とは離間してウエハ401の表面に固定された支持部422と、支持部422に支持されて吸引電極421の上部に離間して配置された可動電極423から構成されている。
【0005】
また、図4(b)の平面図に示すように、MEMS素子402は、ウエハ401の表面に固定された固定電極424を備えている。なお、図4(a)は、図4(b)のaa線の断面を模式的に示すものである。ここで、MEMS素子402の動作例について簡単に説明する。吸引電極421と可動電極423との間に100V程度の電圧を印加することで、両者の間に静電気引力が働き、可動電極423の中央部分が吸引電極421に引き寄せられ、吸引電極423が変形する。この吸引電極423の変形により吸引電極423の一部が固定電極424に接触し、電気が流れるようになる。
【0006】
このようなMEMS素子をウエハ401の上に形成するとともに、各MEMS素子402を囲う固定壁403、及び各MEMS素子402が外部と信号授受するための外部接続端子404を形成する。外部接続端子404は、固定壁403の外側に形成する。これらは、公知のフォトリソグラフィ技術や薄膜形成技術、及びエッチング技術などにより形成する。
【0007】
以上に説明したように、ウエハ401の上に複数のMEMS素子402を形成した後、図4(c)に示すように、厚さ100μm程度のガラス板405を、固定壁403の上に、接着剤によって固定する。ガラス板405は、各々のMEMS素子402に対応して固定壁403の上に固定し、ガラス板405と固定壁403及びウエハ401によって、MEMS素子402を収容する容器が構成された状態とする。
【0008】
つぎに、ウエハ401の裏面にマウントフィルム406を貼り付ける。マウントフィルム406は、ウエハ401のダイシングの際、ウエハ401をフレームに固定するのに使用する粘着フィルムである。上記フレームは、ダイシング装置に固定される治具である。この後、ウエハ401が貼り付けてあるマウントフィルム406をフレーム(図示せず)に貼り付け、このフレームをダイシング装置(図示せず)に固定してウエハ401をダイシングし、マウントフィルム406より取り外すことで、図4(e)に示すように、MEMS素子402を供えたチップ401aが得られる。
【0009】
ここで、ダイシング時には、切削粉などのダストが大量に発生し、これらがMEMS素子402に付着してMEMS素子402の動作を阻害する要因となる。しかしながら、上述したようにガラス板405によりMEMS素子402が保護されているので、MEMS素子402がダイシング加工にも耐えられるようになる。
【0010】
以上のようにしてウエハ401をチップ401aに切り出した後、切り出したチップ401aを、図示しない制御回路などが配置された実装基板に固定し、実装基板の所定の端子部と外部接続端子404とをワイヤボンディングして接続することで、チップ401aの実装基板に対する実装が完了する。
上述では、固定壁403を設け、この上にガラス板405を被せることで、MEMS素子402が配置されている空間を密閉するようにしたが、固定壁403を設けず、箱状のガラス部材をMEMS素子402の上に被せることで、空間を密閉する技術もある(非特許文献1参照)。
【0011】
【非特許文献1】
堀切 近史、「RF MEMS部品に本腰 5GHz帯フィルタやスイッチ」、日経エレクトロニクス、2002年12月2日号,p28〜29.
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の製造方法では、ウエハの上に形成された複数のMEMS素子の各々に、ガラス板や箱状のガラス部材などのカバー部材を配置(接着)していたので、工程が多くなり、また、微細なカバー部材を用いるため、取り扱いが容易でないという問題があった。例えばより多くのMEMS素子を形成する場合、多くのカバー部材を接着することになり、生産性を低下させていた。また、カバー部材の接着を自動化する場合、大きなウエハを対象にしようとすれば、装置の大型化が避けられない。
【0013】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、MEMS素子の配置されている空間が密閉されているチップを、より容易に量産できるようにすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るMEMSの製造方法は、ウエハの上に複数の凹部を形成する凹部形成工程と、ウエハの上に複数のMEMS素子を形成するMEMS素子形成工程と、ウエハの凹部以外の領域にMEMS素子に接続する外部接続端子を形成する端子形成工程と、樹脂膜が形成された基材を用意し、この基材に形成された樹脂膜をウエハの上に貼り付け、基材を樹脂膜より剥離することで、樹脂膜がウエハの上に形成された状態とし、樹脂膜により複数の凹部の内部を封止する樹脂膜形成工程と、ウエハを複数の凹部毎に分割する分割工程とを少なくとも備え、分割された樹脂膜からなる封止部材で封止された凹部の内部にMEMS素子が配置されかつ外部接続端子を備えた複数のチップを形成するようにしたものである。
この製造方法によれば、ウエハの上に形成されるMEMS素子の数が増加しても、封止部材を取り付ける回数が増加しない。
【0015】
上記MEMSの製造方法において、凹部形成工程では、ウエハの上に固定壁を形成してこの固定壁に囲われた凹部を形成し、樹脂膜は、固定壁の上に貼り付けるようにしてもよい。この場合、凹部の形成は、MEMS素子を形成する工程の前もしくは後または同時に行うことも可能である。また、凹部形成工程では、ウエハの表面を部分的に除去することで凹部を形成するようにしてもよい。この場合、分割工程では、ウエハとともに樹脂膜を分割して封止部材を形成すればよい。
上記MEMSの製造方法において、外部接続端子は、ウエハの裏面に形成してもよい。
【0016】
また、上記MEMSの製造方法において、樹脂膜形成工程の後、樹脂膜をフォトリソグラフィ技術により加工して複数の封止部材を形成し、複数の凹部毎に封止部材を形成した後で分割工程を行うようにし、外部接続端子は、隣り合う凹部の間のウエハの表面に形成してもよい。なお、樹脂膜を、感光性を有する有機材料から構成し、樹脂膜に所定の光像を露光して現像することで封止部材が形成できる。
上記MEMSの製造方法において、封止部材の表面に無機材料からなる保護膜を形成し、例えば耐水性を向上させるようにしても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるMEMS例えばMEMSチップの製造方法を説明するための工程図である。まず、図1(a)に示すように、例えば単結晶シリコンからなるウエハ101の上に、複数のMEMS素子102を形成する。MEMS素子102は、ウエハ101の表面に固定された吸引電極121と、吸引電極121とは離間してウエハ101の表面に固定された支持部122と、支持部122に支持されて吸引電極121の上部に離間して配置された可動電極123から構成されている。
【0018】
また、ウエハ101の上に複数のMEMS素子102を形成するとともに、各MEMS素子102を囲う固定壁103、及び各MEMS素子102が外部と信号授受するための外部接続端子104を形成する。固定壁103により、ウエハ101上に複数の凹部が形成され、この凹部内にMEMS素子102が配置された状態となる。また、外部接続端子104は、固定壁103の外側に形成する。これらは、公知のフォトリソグラフィ技術や薄膜形成技術、及びエッチング技術などにより形成する。
【0019】
つぎに、図1(b)に示すように、シート状の基材131上に形成した感光性を有する膜厚5μm程度の樹脂膜132を用意する。基材131には、樹脂膜132を回転塗布などにより予め形成しておく。基材131は、例えばフッ素樹脂から構成すればよい。また、樹脂膜132には、例えば、ポリイミドやポリベンザオキサゾールなどのベース樹脂にポジ型の感光剤を添加した材料を用いればよい。例えば、ポリベンザオキサゾールをベース樹脂とするポジ型の感光性を有する樹脂として、住友ベークライト株式会社製の「CRC8304」が利用できる。
【0020】
以上のことにより樹脂膜132を形成した基材131を用意したら、図1(c)に示すように樹脂膜132を、固定壁103の上に貼り付ける。基材131が貼り合わされた状態で、ウエハ101を、所定の真空度に真空排気された容器内に配置し、ウエハ101と基材131とに間に荷重を加え、かつ樹脂膜132を加熱し、樹脂膜132が固定壁103に接着した状態とする。上記真空度は、2kPa程度とし、荷重は1kPa程度とし、加熱温度は100℃とし、荷重及び加熱は約1分間程度加えればよい。
【0021】
この後、固定壁103に接着した樹脂膜132より基材131を剥がし、図1(d)に示すように、固定壁103の上に、膜厚5μmの樹脂膜132が形成(転写)された状態とする。以上に示した貼り合わせによる樹脂膜132の形成は、STP(Spin coating film Transfer and Hot pressing)とよればるものである。
【0022】
樹脂膜は、この溶液を回転塗布することなどにより形成することが可能となるが、溶液の回転塗布により樹脂膜を形成した場合、固定壁103に囲われた領域内に形成されているMEMS素子102が、樹脂膜で埋め込まれた状態となる。これに対し、上述した貼り合わせによる形成では、固定壁103に囲われている空間を埋めることなく残したまま、固定壁103の上に樹脂膜132を形成することが可能となる。
【0023】
つぎに、形成した樹脂膜132に所定の光像を露光して現像するなどの公知のフォトリソグラフィ技術による処理を施すことで、図1(e)に示すように、固定壁103の内側のMEMS素子102が形成されている部分が含まれる領域(空間)を覆う状態の封止部材132aを形成する。この処理により、外部接続端子104の上部を開放した状態とする。上記処理の後、300℃の加熱を1時間加えることで、封止部材132aを熱硬化させる。以上のことにより、MEMS素子102が配置されている固定壁103に囲われた空間が、熱硬化した封止部材132aにより封止された状態となる。
【0024】
つぎに、ウエハ101の裏面にマウントフィルムを貼り付ける。マウントフィルムは、ウエハ101のダイシングの際、ウエハ101をフレームに固定するのに使用する粘着フィルムである。上記フレームは、ダイシング装置に固定される治具である。この後、ウエハ101が貼り付けてあるマウントフィルムをフレームに貼り付け、このフレームをダイシング装置に固定してウエハ101をダイシングし、マウントフィルムより取り外すことで、図1(f)に示すように、MEMS素子102を供えたMEMSチップ101aが得られる。
【0025】
以上のようにしてウエハ101をMEMSチップ101aに切り出した後、切り出したMEMSチップ101aを、図示しない制御回路などが配置された実装基板に固定し、実装基板の所定の端子部と外部接続端子104とをワイヤボンディングして接続することで、MEMSチップ101aの実装基板に対する実装が完了する。
上述した本実施の形態によれば、封止部材132aによりMEMS素子102が保護されているので、MEMS素子102がダイシング加工にも耐えられるようになる。
【0026】
また、本実施の形態においては、封止部材132aは、複数のMEMS素子102毎に貼り付けることで形成するのではなく、ウエハ101のほぼ全域に貼り付けた樹脂膜132を、公知のフォトリソグラフィ技術により分割して形成した。このため、ウエハ101の面積を大きくし、より多くのMEMS素子102を形成するようにしても、封止部材132aを形成する工程の時間が長くなることがない。
【0027】
[実施の形態2]
つぎに、本発明の他の実施の形態について説明する。
図2は、本発明の実施の形態におけるMEMSの製造方法を説明するための工程図である。まず、図2(a)に示すように、例えば単結晶シリコンからなるウエハ101の主表面を部分的に除去することで複数の凹部203を形成し、各々の凹部203の底部に、MEMS素子102を形成する。MEMS素子102は、ウエハ101の表面に固定された吸引電極121と、吸引電極121とは離間してウエハ101の表面に固定された支持部122と、支持部122に支持されて吸引電極121の上部に離間して配置された可動電極123から構成されている。
【0028】
また、各凹部203の内部に複数のMEMS素子102を形成するとともに、各MEMS素子102が外部と信号授受するための外部接続端子104を、ウエハ101の凹部203以外の領域に形成する。外部接続端子104は、凹部203の周端部より所定距離離れた箇所に配置する。これらは、公知のフォトリソグラフィ技術や薄膜形成技術、及びエッチング技術などにより形成する。
【0029】
次いで、シート状の基材131上に形成した感光性を有する膜厚5μm程度の樹脂膜232を用意し、図2(b)に示すように、樹脂膜232をウエハ101の表面に貼り付ける。基材131には、樹脂膜232を回転塗布などにより予め形成しておく。基材131は、例えばフッ素樹脂から構成すればよい。また、樹脂膜232には、例えば、ポリイミドやポリベンザオキサゾールなどのベース樹脂にポジ型の感光剤を添加した材料を用いればよい。
【0030】
つぎに、基材131が貼り合わされた状態で、ウエハ101を、所定の真空度に真空排気された容器内に配置し、ウエハ101と基材131とに間に荷重を加え、かつ樹脂膜232を加熱し、樹脂膜232がウエハ101の表面に接着した状態とする。上記真空度は、2kPa程度とし、荷重は1kPa程度とし、加熱温度は100℃とし、荷重及び加熱は約1分間程度加えればよい。
【0031】
この後、ウエハ101の表面に接着した樹脂膜232より基材131を剥がし、ウエハ101の表面に、膜厚5μmの樹脂膜232が形成(転写)された状態とする。樹脂膜は、この溶液を回転塗布することなどにより形成することが可能となるが、溶液の回転塗布により樹脂膜を形成した場合、凹部203の底部に形成されているMEMS素子102が、樹脂膜で埋め込まれた状態となる。これに対し、上述した貼り合わせによる形成では、凹部203の内部空間を埋めることなく残したまま、ウエハ101の表面に樹脂膜232を形成することが可能となる。
【0032】
形成した樹脂膜232に所定の光像を露光して現像するなどの公知のフォトリソグラフィ技術による処理を施すことで、図2(c)に示すように、凹部203の内側のMEMS素子102が形成されている部分が含まれる領域(空間)を覆う状態の封止部材232aを形成する。この処理により、外部接続端子104の上部を開放した状態とする。上記処理の後、300℃の加熱を1時間加えることで、封止部材232aを熱硬化させる。以上のことにより、MEMS素子102が配置されている凹部203の内部空間が、熱硬化した封止部材232aにより封止された状態となる。
【0033】
この後、ウエハ101の裏面にマウントフィルムを貼り付け、マウントフィルムをフレームに貼り付け、このフレームをダイシング装置に固定してウエハ101をダイシングし、マウントフィルムより取り外すことで、図2(d)に示すように、MEMS素子102を供えたMEMSチップ101aが得られる。
以上のようにしてウエハ101をMEMSチップ101aに切り出した後、切り出したMEMSチップ101aを、図示しない制御回路などが配置された実装基板に固定し、実装基板の所定の端子部と外部接続端子104とをワイヤボンディングして接続することで、MEMSチップ101aの実装基板に対する実装が完了する。
【0034】
また、図2(c)に示す段階で、窒化シリコンからなる保護膜を、ウエハ101の全域に形成し、保護膜の一部を選択的にエッチング除去して外部接続端子104の上部が開放された状態とすることで、図2(e)に示すように、封止部材232aの表面が、保護膜205で覆われた状態としても良い。窒化シリコンからなる保護膜205で覆うことで、封止部材232aにより封止された空間内部に、水分が侵入することをより抑制できるようになる。このようにして保護膜205を形成した後、前述したようにMEMSチップ101aに切り出せばよい。
【0035】
[実施の形態3]
つぎに、本発明の他の実施の形態について説明する。
図3は、本発明の実施の形態におけるMEMSの製造方法を説明するための工程図である。まず、図3(a)に示すように、例えば単結晶シリコンからなるウエハ101の上に、複数のMEMS素子102を形成する。MEMS素子102は、ウエハ101の表面に固定された吸引電極121と、吸引電極121とは離間してウエハ101の表面に固定された支持部122と、支持部122に支持されて吸引電極121の上部に離間して配置された可動電極123から構成されている。
【0036】
また、ウエハ101の上に複数のMEMS素子102を形成するとともに、各MEMS素子102を囲う固定壁303を形成する。固定壁303は、格子状に形成し、格子の升内に各MEMS素子102が配置されているようにする。加えて、固定壁303は、以降のダイシングで用いるブレードの幅を考慮し、幅を決定しておく。
【0037】
また、各MEMS素子102が外部と信号授受するための外部接続端子304を、各MEMS素子102の形成領域に対応するウエハ101の裏面に形成する。外部接続端子304は、図示しないビア配線などによりMEMS素子102の各部分に接続する例えば半田バンプであり、チップスケールパッケージなどを実現可能とするものである。
【0038】
次いで、シート状の基材131上に形成した感光性を有する膜厚5μm程度の樹脂膜332を用意し、図3(b)に示すように、樹脂膜332を固定壁303の上に貼り付ける。基材131には、樹脂膜332を回転塗布などにより予め形成しておく。基材131は、例えばフッ素樹脂から構成すればよい。また、樹脂膜332には、例えば、ポリイミドやポリベンザオキサゾールなどの有機樹脂を用いればよい。
【0039】
つぎに、基材131が貼り合わされた状態で、ウエハ101を、所定の真空度に真空排気された容器内に配置し、ウエハ101と基材131とに間に荷重を加え、かつ樹脂膜332を加熱し、樹脂膜332が固定壁303に接着した状態とする。上記真空度は、2kPa程度とし、荷重は2kPa程度とし、加熱温度は100℃とし、荷重及び加熱は約1分間程度加えればよい。
【0040】
次いで、固定壁303に接着した樹脂膜332より基材131を剥がし、図3(c)に示すように、固定壁303の上に、膜厚5μmの樹脂膜332が形成(転写)された状態とする。この後、固定壁303に貼り付けられた樹脂膜332を、例えば1時間310℃に加熱し続けることで、熱硬化させる。
【0041】
樹脂膜は、この溶液を回転塗布することなどにより形成することが可能となるが、溶液の回転塗布により樹脂膜を形成した場合、固定壁303に囲われた領域内に形成されているMEMS素子102が、樹脂膜で埋め込まれた状態となる。これに対し、上述した貼り合わせによる形成では、固定壁303に囲われている空間を埋めることなく残したまま、固定壁303の上に樹脂膜332を形成することが可能となる。
【0042】
つぎに、ウエハ101の裏面にマウントフィルムを貼り付け、マウントフィルムをフレームに貼り付け、このフレームをダイシング装置に固定してウエハ101をダイシングし、マウントフィルムより取り外す。これらの結果、図3(d)に示すように、MEMS素子102が形成されて固定壁303に囲われた領域が、熱硬化した樹脂膜による封止部材332aで封止されたMEMSチップ101aが得られる。
【0043】
以上のようにしてウエハ101をMEMSチップ101aに切り出した後、切り出したMEMSチップ101aを、図示しない制御回路などが配置された実装基板に、フリップチップボンディングすることなどにより接続することで、MEMSチップ101aの実装基板に対する実装が完了する。
上述した本実施の形態によれば、封止部材332aによりMEMS素子102が保護されているので、MEMS素子102がダイシング加工にも耐えられるようになる。
【0044】
また、本実施の形態においては、封止部材332aは、複数のMEMS素子102毎に貼り付けることで形成するのではなく、ウエハ101のほぼ全域に貼り付けた樹脂膜332を、ウエハ101をダイシングするときに、同時にダイシングすることで分割して形成した。このため、ウエハ101の面積を大きくし、より多くのMEMS素子102を形成するようにしても、封止部材332aを形成する工程の時間が長くなることがない。
【0045】
なお、図3に示す本実施の形態においても、図2に示した実施の形態と同様に、ウエハ101に凹部を形成し、この凹部の内部にMEMS素子を形成し、封止部材で凹部を塞ぐようにしても良い。また、有機樹脂からなる封止部材332aの表面を、窒化シリコンなどの無機材料からなる膜で覆い、耐水性を向上させるようにしても良い。
【0046】
なおまた、上述では、MEMS素子を吸引電極、支持部、可動電極、及び固定電極から構成されたものとしたが、これに限るものではない。例えば、可動する微細なコイルを備えた可変インダクタや、複数の微細なカンチレバーとこの駆動機構と記録面とを備えたメモリ素子など、他の構成のMEMS素子であっても、上述した本発明が適用できることはいうまでもない。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、樹脂膜を貼り付けて形成しこれを分割することで、ウエハの上の各々MEMS素子が配置されている複数の凹部を封止する封止部材を形成するようにした。
この結果、本発明によれば、ウエハの上に形成されるMEMS素子の数が増加しても、封止部材を取り付ける回数が増加しないので、MEMS素子の配置されている空間が密閉されているMEMSチップが、より容易に量産できるようになるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるMEMSチップの製造方法を説明するための工程図である。
【図2】本発明の他の実施の形態におけるMEMSチップの製造方法を説明するための工程図である。
【図3】本発明の他の実施の形態におけるMEMSチップの製造方法を説明するための工程図である。
【図4】従来よりあるMEMSチップの製造方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
101…ウエハ、101a…MEMSチップ、102…MEMS素子、103…固定壁、104…外部接続端子、121…吸引電極、122…支持部、123…可動電極、131…基材、132…樹脂膜、132a…封止部材。
Claims (9)
- ウエハの上に複数の凹部を形成する凹部形成工程と、
前記ウエハの上に複数のMEMS素子を形成するMEMS素子形成工程と、
前記ウエハの前記凹部以外の領域に前記MEMS素子に接続する外部接続端子を形成する端子形成工程と、
樹脂膜が形成された基材を用意し、この基材に形成された前記樹脂膜を前記ウエハの上に貼り付け、前記基材を前記樹脂膜より剥離することで、前記樹脂膜が前記ウエハの上に形成された状態とし、前記樹脂膜により複数の前記凹部の内部を封止する樹脂膜形成工程と、
前記ウエハを複数の前記凹部毎に分割する分割工程と
を少なくとも備え、
分割された前記樹脂膜からなる封止部材で封止された前記凹部の内部に前記MEMS素子が配置されかつ前記外部接続端子を備えた複数のチップを形成する
ことを特徴とするMEMSの製造方法。 - 請求項1記載のMEMSの製造方法において、
前記凹部形成工程では、前記ウエハの上に固定壁を形成してこの固定壁に囲われた前記凹部を形成し、
前記樹脂膜は、前記固定壁の上に貼り付ける
ことを特徴とするMEMSの製造方法。 - 請求項1記載のMEMSの製造方法において、
前記凹部形成工程では、前記ウエハの表面を部分的に除去することで前記凹部を形成する
ことを特徴とするMEMSの製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のMEMSの製造方法において、
前記分割工程では、前記ウエハとともに前記樹脂膜を分割して前記封止部材を形成する
ことを特徴とするMEMSの製造方法。 - 請求項4記載のMEMSの製造方法において、
前記外部接続端子は、前記ウエハの裏面に形成する
ことを特徴とするMEMSの製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のMEMSの製造方法において、
前記樹脂膜形成工程の後、前記樹脂膜をフォトリソグラフィ技術により加工して複数の前記凹部毎に複数の前記封止部材を形成し、
前記封止部材を形成した後で前記分割工程を行う
ことを特徴とするMEMSの製造方法。 - 請求項6記載のMEMSの製造方法において、
前記外部接続端子は、隣り合う前記凹部の間の前記ウエハの表面に形成する
ことを特徴とするMEMSの製造方法。 - 請求項6または7記載のMEMSの製造方法において、
前記樹脂膜は、感光性を有する有機材料から構成され、
前記樹脂膜に所定の光像を露光して現像することで前記封止部材を形成する
ことを特徴とするMEMSの製造方法。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載のMEMSの製造方法において、
前記封止部材の表面に無機材料からなる保護膜を形成する工程
を備えたことを特徴とするMEMSの製造方法。
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