JP2004255705A - 離形フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】帯電防止性に優れ、被熱時の寸法安定性に優れ、巻き取った際に樹脂シート状の印刷物の転写を起こしにくい離形フィルムを提供する。
【解決手段】表面抵抗値が105〜1011Ωである帯電防止層を設けたポリエステルフィルムに、一方の面に離形層を設け、他方の面にハジキ層を設けた離形フィルムであり、150℃にて30分間加熱処理した際の縦方向の熱収縮率が0〜0.30%、横方向の熱収縮率が−0.05〜0.05%であることを特徴とする離形フィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】表面抵抗値が105〜1011Ωである帯電防止層を設けたポリエステルフィルムに、一方の面に離形層を設け、他方の面にハジキ層を設けた離形フィルムであり、150℃にて30分間加熱処理した際の縦方向の熱収縮率が0〜0.30%、横方向の熱収縮率が−0.05〜0.05%であることを特徴とする離形フィルム。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は離形フィルムに関し、さらに詳しくはフィルムの繰り出しや走行の際に帯電が少なく、フィルム上への形成物への印刷が巻取りによってフィルムへの転写が発生しない離形フィルムであり、樹脂溶液から成形される樹脂シートや樹脂被膜、セラミックスラリーから成形されるセラミックシート等の成形用キャリヤーフィルム、あるいは粘着テープ等の粘着剤層の保護フィルムに有用な離形フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
離形フィルムは、樹脂シート、樹脂被膜あるいはセラミックシート等を成形する際のキャリヤーフィルムとして用いられる。
【0003】
樹脂シートは、例えば塩化ビニル等からなる樹脂溶液をキャリヤーフィルム上に塗工(流延)した後、溶媒を加熱除去し、キャリヤーフィルムを剥離分離することにより成形され、マーキングシート等の用途に使用される。
【0004】
樹脂被膜は、例えば粘着剤となる樹脂を溶媒に溶解した塗液をキャリヤーフィルムの表面に塗布した後、加熱して溶媒を除去することにより製造される。
【0005】
セラミックシートは、例えばセラミック粉体とバインダー剤等を溶媒に分散させたスラリーをキャリヤーフィルムの表面に塗工した後、溶媒を加熱除去し、印刷や適当な大きさへの断裁に供される。
【0006】
これらの搬送や印刷、断裁の工程では、上記フィルムは種々のロール、ベルトコンベア−と接触する。ところがポリエステルフィルムをベースフィルムとした離形フィルムをキャリヤーフィルムに用いた場合、ポリエステルフィルムがこれらの接触により帯電しやすく、帯電電圧がある程度以上になると、製品となる樹脂シート等をキャリヤーフィルムから剥離分離した際に樹脂シート等の表面に放電がおこり、著しい場合には樹脂シート等の表面に重大な物理的損傷を与える。
【0007】
また、樹脂シート等をキャリヤーフィルムと積層されたまま、あるいは樹脂シート等をキャリヤーフィルムから離形分離した後に所望の一定サイズに断裁し、この断裁された一定サイズのシートをケース等に積み重ねる場合、電気的反発により、きれいに積み重ねられなかったり、逆に電気的引き合いにより積み重ねられたシート同士が張り付いてしまい、シートの角を揃えようとしてもきれいに揃えられなかったり、シートを一枚づつ拾い上げたい場合に数枚のシートが貼りついた状態で拾い上げられてしまったりする等の工程上の不具合が生じる。
【0008】
一方、ポリエステルフィルムを用いた離形フィルム上に樹脂シートを形成し、電気回路等の印刷を行なった際、その後の被熱工程によって離形フィルムが収縮し樹脂シートの収縮を引き起こし印刷物の精度が悪くなる問題がある。
【0009】
また、樹脂シート上に印刷した後、離形フィルムから剥離せずに巻き取る工程では、印刷物が離形フィルムの離形層の反対側に接触するため、印刷物がフィルム側に転写してしまい印刷の不具合を生じる問題があった。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−273715号公報
【0011】
【特許文献2】
特開2002−121075号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を解消し、帯電防止性に優れ、被熱時の寸法安定性に優れ、巻き取った際に樹脂シート状の印刷物の転写を起こしにくい離形フィルムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、表面抵抗値が105〜1011Ωである帯電防止層を設けたポリエステルフィルムに、一方の面に離形層を設け、他方の面にハジキ層を設けた離形フィルムであり、150℃にて30分間加熱処理した際の縦方向の熱収縮率が0〜0.30%、横方向の熱収縮率が−0.05〜0.05%であることを特徴とする離形フィルムである。
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
[ポリエステルフィルム]
本発明において基材としてポリエステルフィルムを用いる。
ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸成分とジオール成分とからなる結晶性の線状飽和ポリエステルであることが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを挙げることができる。また、これらの一部が他成分に置換された共重合体や、ポリアルキレングリコール或いは他の樹脂との混合物であっても良い。
【0016】
透明性が要求される用途には、透明性の良好なポリエステルフィルムを用いることが好ましく、二軸延伸ポリエステルフィルムが特に好ましい。遮光性が要求される用途には、無機顔料を配合したポリエステルフィルムを用いることが好ましく、例えばTiO2、SiO2の如き顔料を配合した二軸延伸ポリエステルフィルムが特に好ましい。
【0017】
ポリエステルフィルムは二軸延伸フィルムが好ましいが、この二軸延伸フィルムは公知の方法で製造することができる。例えば、上記ポリエステルを乾燥後溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、I−ダイ等)から冷却ドラム上に押出し、急冷して未延伸フィルムを得、続いて該未延伸フィルムを縦方向に2〜5倍の範囲で延伸し、次いで横方向に2〜5倍の範囲で延伸を行ない、更に160〜260℃で熱固定することで製造することができる。フィルム厚みは5〜200μmが望ましい。
【0018】
ポリエステルフィルムには、フィルムの滑り性、加工性を良好なものとするため、滑剤、例えば炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、酸化チタンのような無機微粒子等を含有させてもよく、他の添加剤、例えば安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤等を含有させてもよい。
【0019】
[帯電防止層]
帯電防止層としては、表面抵抗値が105〜1011Ωの帯電防止層を設ける。帯電防止層は、ポリエステルフィルムの片面に設けてもよく両面に設けてもよい。
【0020】
帯電防止層は、単一種類の帯電防止剤を、または複数種類の帯電防止剤を混合したものを用いて1層で設けてもよく、また複数の層を設けてもよい。
【0021】
帯電防止剤は、層の強度の向上や、プラスチックフィルム、特にポリエステルフィルムへの密着性、耐水性、耐溶剤性、ブロッキング性の向上のために、バインダーとして、熱可塑性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂および/または熱硬化性アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等の高分子化合物を含有させて層を形成することが好ましい。さらに架橋剤としては、メチロール化あるいはアルキロール化したメラミン系、尿素系、アクリルアミド系の化合物、エポキシ化合物またはポリイソシアネートを含有することが好ましい。
【0022】
帯電防止剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜3級アミノ基等のカチオン性を有する各種カチオン性帯電防止剤、スルホン酸塩基、硝酸エステル塩基、リン酸エステル塩基等のアニオン性を有するアニオン性帯電防止剤、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系等の両性帯電防止剤、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性帯電防止剤等の各種界面活性剤型帯電防止剤、さらには上記のものを高分子化したものを使用することができる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーやスズ、アンチモン系フィラーを分散したものを使用してもよい。さらには、銀、スズ等の金属層を気相成長法や真空蒸着法、スパッター法またはプラズマCVD法等で設けても良い。
【0023】
[離形層]
離形層は、シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、フッ素樹脂および脂肪族ワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする層であることが好ましい。ここで主成分とは離型層の例えば50重量%、好ましくは80%以上を占める成分をいう。
【0024】
離型層には、添加剤を配合してよい。添加剤としては、例えば紫外線吸収剤、顔料、消泡剤、帯電防止剤を挙げることができる。
【0025】
[離型層の塗説方法]
離形層は、離形層を形成する成分を含む塗液を基材フィルムに塗布し、加熱乾燥させて塗膜を形成させることにより製造することができる。加熱条件としては80〜160℃で10〜120秒間、特に120〜150℃で20〜60秒間が好ましい。塗布方法は、任意の公知の方法が使用でき、例えばロールコーター法、ブレードコーター方を挙げることができる。ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の場合は、単独の押し出しや、基材フィルムへの押出しラミネートによることもできる。
【0026】
[接着層]
本発明においては、基材のポリエステルフィルムと離形層との密着性を高めるために、ポリエステルフィルムと離形層の間に接着層を設けることが好ましい。この接着層を形成する成分としては、例えば離形層がシリコーン樹脂層の場合、シランカップリング剤が好ましい。このシランカップリング剤としては一般式Y−Si−X3で表されるものがさらに好ましい。ここで、Yは例えばアミノ基、エポキシ基、ビニル基、メタクリル基、メルカプト基等で代表される官能基、Xはアルコキシ基で代表される加水分解性の官能基を表す。かかる接着層の厚みは、0.01〜5μmの範囲が好ましく、0.02〜2μmの範囲が特に好ましい。接着層の厚みが上記の範囲であるとポリエステルフィルムと離形層の密着性が良好となり、かつ接着層を設けた基材フィルムがブロッキングしにくいため、離形フィルムの取り扱いで問題が生じにくい利点がある。
【0027】
[ハジキ層]
ハジキ層はハジキ剤を主成分としてなる。このハジキ剤としては、電極ペーストの転写防止が目的であるため、適度な剥離力を有し、耐久性があることが好ましい。かかるハジキ剤としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂およびアルキルポリマーを用いることができる。ここで主成分とは離型層の例えば50重量%、好ましくは80%以上を占める成分をいう。工程内へのコンタミネーションを防ぐ意味で、移行性の特に低いアルキルポリマーが好ましい。ハジキ層中に前記の帯電防止剤をブレンドしてもよい。
【0028】
[熱収縮率]
セラミックグリーンシートのキャスト成形および電極印刷乾燥工程における寸法安定性を良好とするために、本発明の離型フィルムは、150℃にて30分間加熱処理した際の縦方向の熱収縮率が0〜0.30%、横方向の熱収縮率が−0.05〜0.05%である。この熱収縮率は、フィルムにアニール処理を行なうことにより達成することができる。このアニール処理では、フィルムを張力のかからない状態として70〜180℃の加熱処理を行なうことにより、離形剤、帯電防止剤およびハジキ剤塗工時に発生した内部応力を緩和することができ、熱収縮を上記の範囲とすることができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
なお、フィルムの各特性値は下記の方法で測定した。
【0030】
(1)セラミックシートの剥離性
下記組成のセラミック粉体分散スラリーを調整する。
(a)セラミック粉体(チタン酸バリウム):100重量部
(b)水溶性アクリルエマルジョン:9〜13重量部
(c)水溶性ポリウレタン樹脂:1重量部
(d)ポリカルボン酸アンモニウム:1重量部
(e)水:10〜20重量部
(f)アンモニア:1重量部
セラミック粉体分散スラリーの調整はボールミルにて、へッグマングラインドゲージで7以上の分散状態となるようにして行なう。次いで、このセラミック粉体分散スラリーを1milの間隙を有するストレートエッジアプリケーターを用い、離形フィルムの離形層面に塗工し、110℃にて2分間乾燥後、形成されたセラミックシートを離形フィルムより剥離した際の剥離状態を観察し下記の基準にて剥離性を評価した。
A:容易に剥離できる ・・・剥離性良好
B:剥離強度が大きく、す速く引張るとシートが破断する・・・剥離性やや良好
C:シートが破断する ・・・剥離性不良
D:ハジキのためシート化不可 ・・・極めて不良
【0031】
(2)電極ペーストのハジキ性
まず、テルピネオールをオイルバス中にて温度80℃まで加熱し、攪拌羽根で攪拌しながらエチルセルロースを徐々に加えることによって有機ビヒクルの調製を行なった。混合の割合はテルピネオール30重量部に対してエチルセルロース70部とした。
【0032】
次いで、平均粒径0.3μmの球状のPd粉末40重量部と先に調製した有機ビヒクル35重量部及びトリメチルベンゼン25重量部を3本ロールにより混練し、最後に希釈溶剤としてトリメチルベンゼンを加え、粘度20000cpsの内部電極用Pdペーストを調製した。
【0033】
離形フィルムに上記の項((1)セラミックシートの剥離性)に記載した方法で調合されたセラミックスラリーを塗布し、110℃にて2分間乾燥後、形成されたセラミックシートを得た。このセラミックシート上に内部電極用Pdペーストをスクリーン印刷にり電極を印刷し、120℃にて1分乾燥後、電極印刷面をハジキ層面に接触させ5cm平方の面積に5kgfの力を均一に1分かけた後、ハジキ層への電極の転写状態を確認し、下記の基準にてハジキ性を評価した。
A:転写が全く認められない・・・ハジキ性良好
B:転写が僅かに認められる・・・ハジキ性やや良好
C:転写が著しく多い ・・・ハジキ性不良
【0034】
(3)残留接着率
ポリエステル粘着テープ(ニットー31B)をJIS・G4305に規定する冷間圧延ステンレス板(SUS304)に貼り付けた後の剥離力を測定し、基礎接着力(f0)とする。又、前記ポリエステル粘着テープをフィルムサンプルの離形層塗設面に2kgの圧着ローラーで圧着し、30秒間放置した後粘着テープを剥がす。そして剥がした粘着テープを上記のステンレス板に貼り、該貼り合わせ部の剥離力を測定し、残留接着力(f)とする。得られた基礎接着力(f0)と残留接着力(f)より下記式(I)を用いて残留接着率を求めた。
【0035】
【数1】
残留接着率(%)=(f/f0)×100 式(I)
尚、残留接着率の好ましい範囲は85%以上である。残留接着率が85%未満であると、例えば離形フィルムをロール状に巻いて保管する際に、離形層を構成する成分が隣接するフィルムの表面に転写(いわゆる背面転写)し、離形層の濡れ性や剥離性等の特性が不良となることがあるため好ましくない。
【0036】
(4)熱収縮率
フィルムサンプルを測定方向に長さ350mm以上、幅10mmで短冊状に切り出した。このサンプルに長さ300mmの標点を付け、23℃×60%RHの恒温恒湿室に自由長で24時間以上保持した後、読取り顕微鏡にて標点間の寸法を読む(未処理標点間距離)。次いで、この短冊状サンプルを自由長で所定温度(150℃)にセットされた空気オーブン中に30分間保持した後、再び23℃×60%RHの恒温恒湿室に24時間以上、自由長で保持してから、標点間の寸法を読む(処理後標点間距離)。処理前後の標点間の寸法より、下記式(II)を用い、熱収縮率を求めた。
【0037】
【数2】
【0038】
(5)表面固有抵抗値
タケダ理研社製固有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度65%RH及び45%RHの条件で印可電圧100Vで1分後の表面固有抵抗値を測定した。
【0039】
[実施例1]
平均粒径1.7μmの多孔質シリカ粒子を0.1重量%含有した固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレートポリマーを押出し機で溶融して、ダイスから40℃に維持してある回転冷却ドラム上に、静電密着法を用いて密着させて急冷し未延伸フィルムとした。次いで、この未延伸フィルムを縦方向に3.5倍、引き続き横方向に3.6倍延伸し、さらに220℃にて熱固定を行なって厚さ38μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
【0040】
次にこのフィルムの片面にコロナ処理を行ない、その面に、1層目に帯電防止層、2層目にハジキ層を設けた。帯電防止層としては、チオフェン誘導体ポリマー30部、共重合ポリエステル70部(ジカルボン酸成分として、テレフタル酸60モル%、イソフタル酸35モル%、アジピン酸5モル%、グリコール成分として、エチレングリコール95モル%、ジエチレングリコール5モル%)、およびノニオン系界面活性剤5部からなる3%水性塗液を塗布し、乾燥後の厚みが0.15μmの厚みの塗膜を形成した。ハジキ層としては、ポリエチレンイミンオクタデシルカルバメート(日本触媒株式会社製、RP−20)40部、バインダー成分として、帯電防止層と同様にポリエステル系のポリエステル樹脂(日立化成工業株式会社製、エスペル1510)100部、およびメラミン樹脂(三和ケミカル株式会社製、ニカラックNS−11)30部を混合して得られた塗工液を塗布し、140℃、1分乾燥・硬化させ厚み0.2μmのハジキ層を形成させた。
【0041】
次に、ポリジメチルシロキサンとジメチルハイドロジェンシランの混合溶液に白金触媒を加えて付加反応させるタイプの硬化型シリコーン(信越化学工業(株)製・KS847(H))をメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びトルエンの混合溶剤中に溶解させ、固形分濃度が2%の離形剤溶液を作成した。
【0042】
この溶液をハジキ層を設けた反対側の面に塗布量6g/m2(wet)で塗布し、加熱温度140℃、時間1分で乾燥及び硬化させて、離形層の厚さ0.15μmの離形フィルムを作成した。
【0043】
次いで、この離形フィルムを170℃の温度で1分間のアニール処理を行なった。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
[比較例1]
アニール処理を行なわないこと以外は実施例1と同様にして離形フィルムを作成した。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0046】
[比較例2]
ハジキ層を設けないこと以外は実施例1と同様にして離形フィルムを作成した。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0047】
[比較例3]
帯電防止層を設けないこと以外は実施例1と同様にして離形フィルムを作成した。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0048】
表1より明らかなように、実施例に示した本発明の離形フィルムはセラミックシートの寸法安定性、電極ペーストのハジキ性及び剥離性に優れるものであった。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、帯電防止性に優れ、被熱時の寸法安定性に優れ、巻き取った際に樹脂シート状の印刷物の転写を起こしにくい離形フィルムを提供することができる。本発明の離型フィルムは、セラミックスラリーから成形されるセラミックシート等の剥離帯電特性、熱寸法安定性および電極ペーストの転写損傷の防止に優れており、セラミックシート等の成形用キャリヤーフィルムとして有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は離形フィルムに関し、さらに詳しくはフィルムの繰り出しや走行の際に帯電が少なく、フィルム上への形成物への印刷が巻取りによってフィルムへの転写が発生しない離形フィルムであり、樹脂溶液から成形される樹脂シートや樹脂被膜、セラミックスラリーから成形されるセラミックシート等の成形用キャリヤーフィルム、あるいは粘着テープ等の粘着剤層の保護フィルムに有用な離形フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
離形フィルムは、樹脂シート、樹脂被膜あるいはセラミックシート等を成形する際のキャリヤーフィルムとして用いられる。
【0003】
樹脂シートは、例えば塩化ビニル等からなる樹脂溶液をキャリヤーフィルム上に塗工(流延)した後、溶媒を加熱除去し、キャリヤーフィルムを剥離分離することにより成形され、マーキングシート等の用途に使用される。
【0004】
樹脂被膜は、例えば粘着剤となる樹脂を溶媒に溶解した塗液をキャリヤーフィルムの表面に塗布した後、加熱して溶媒を除去することにより製造される。
【0005】
セラミックシートは、例えばセラミック粉体とバインダー剤等を溶媒に分散させたスラリーをキャリヤーフィルムの表面に塗工した後、溶媒を加熱除去し、印刷や適当な大きさへの断裁に供される。
【0006】
これらの搬送や印刷、断裁の工程では、上記フィルムは種々のロール、ベルトコンベア−と接触する。ところがポリエステルフィルムをベースフィルムとした離形フィルムをキャリヤーフィルムに用いた場合、ポリエステルフィルムがこれらの接触により帯電しやすく、帯電電圧がある程度以上になると、製品となる樹脂シート等をキャリヤーフィルムから剥離分離した際に樹脂シート等の表面に放電がおこり、著しい場合には樹脂シート等の表面に重大な物理的損傷を与える。
【0007】
また、樹脂シート等をキャリヤーフィルムと積層されたまま、あるいは樹脂シート等をキャリヤーフィルムから離形分離した後に所望の一定サイズに断裁し、この断裁された一定サイズのシートをケース等に積み重ねる場合、電気的反発により、きれいに積み重ねられなかったり、逆に電気的引き合いにより積み重ねられたシート同士が張り付いてしまい、シートの角を揃えようとしてもきれいに揃えられなかったり、シートを一枚づつ拾い上げたい場合に数枚のシートが貼りついた状態で拾い上げられてしまったりする等の工程上の不具合が生じる。
【0008】
一方、ポリエステルフィルムを用いた離形フィルム上に樹脂シートを形成し、電気回路等の印刷を行なった際、その後の被熱工程によって離形フィルムが収縮し樹脂シートの収縮を引き起こし印刷物の精度が悪くなる問題がある。
【0009】
また、樹脂シート上に印刷した後、離形フィルムから剥離せずに巻き取る工程では、印刷物が離形フィルムの離形層の反対側に接触するため、印刷物がフィルム側に転写してしまい印刷の不具合を生じる問題があった。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−273715号公報
【0011】
【特許文献2】
特開2002−121075号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を解消し、帯電防止性に優れ、被熱時の寸法安定性に優れ、巻き取った際に樹脂シート状の印刷物の転写を起こしにくい離形フィルムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、表面抵抗値が105〜1011Ωである帯電防止層を設けたポリエステルフィルムに、一方の面に離形層を設け、他方の面にハジキ層を設けた離形フィルムであり、150℃にて30分間加熱処理した際の縦方向の熱収縮率が0〜0.30%、横方向の熱収縮率が−0.05〜0.05%であることを特徴とする離形フィルムである。
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
[ポリエステルフィルム]
本発明において基材としてポリエステルフィルムを用いる。
ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸成分とジオール成分とからなる結晶性の線状飽和ポリエステルであることが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを挙げることができる。また、これらの一部が他成分に置換された共重合体や、ポリアルキレングリコール或いは他の樹脂との混合物であっても良い。
【0016】
透明性が要求される用途には、透明性の良好なポリエステルフィルムを用いることが好ましく、二軸延伸ポリエステルフィルムが特に好ましい。遮光性が要求される用途には、無機顔料を配合したポリエステルフィルムを用いることが好ましく、例えばTiO2、SiO2の如き顔料を配合した二軸延伸ポリエステルフィルムが特に好ましい。
【0017】
ポリエステルフィルムは二軸延伸フィルムが好ましいが、この二軸延伸フィルムは公知の方法で製造することができる。例えば、上記ポリエステルを乾燥後溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、I−ダイ等)から冷却ドラム上に押出し、急冷して未延伸フィルムを得、続いて該未延伸フィルムを縦方向に2〜5倍の範囲で延伸し、次いで横方向に2〜5倍の範囲で延伸を行ない、更に160〜260℃で熱固定することで製造することができる。フィルム厚みは5〜200μmが望ましい。
【0018】
ポリエステルフィルムには、フィルムの滑り性、加工性を良好なものとするため、滑剤、例えば炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、酸化チタンのような無機微粒子等を含有させてもよく、他の添加剤、例えば安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤等を含有させてもよい。
【0019】
[帯電防止層]
帯電防止層としては、表面抵抗値が105〜1011Ωの帯電防止層を設ける。帯電防止層は、ポリエステルフィルムの片面に設けてもよく両面に設けてもよい。
【0020】
帯電防止層は、単一種類の帯電防止剤を、または複数種類の帯電防止剤を混合したものを用いて1層で設けてもよく、また複数の層を設けてもよい。
【0021】
帯電防止剤は、層の強度の向上や、プラスチックフィルム、特にポリエステルフィルムへの密着性、耐水性、耐溶剤性、ブロッキング性の向上のために、バインダーとして、熱可塑性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂および/または熱硬化性アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等の高分子化合物を含有させて層を形成することが好ましい。さらに架橋剤としては、メチロール化あるいはアルキロール化したメラミン系、尿素系、アクリルアミド系の化合物、エポキシ化合物またはポリイソシアネートを含有することが好ましい。
【0022】
帯電防止剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜3級アミノ基等のカチオン性を有する各種カチオン性帯電防止剤、スルホン酸塩基、硝酸エステル塩基、リン酸エステル塩基等のアニオン性を有するアニオン性帯電防止剤、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系等の両性帯電防止剤、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性帯電防止剤等の各種界面活性剤型帯電防止剤、さらには上記のものを高分子化したものを使用することができる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーやスズ、アンチモン系フィラーを分散したものを使用してもよい。さらには、銀、スズ等の金属層を気相成長法や真空蒸着法、スパッター法またはプラズマCVD法等で設けても良い。
【0023】
[離形層]
離形層は、シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、フッ素樹脂および脂肪族ワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする層であることが好ましい。ここで主成分とは離型層の例えば50重量%、好ましくは80%以上を占める成分をいう。
【0024】
離型層には、添加剤を配合してよい。添加剤としては、例えば紫外線吸収剤、顔料、消泡剤、帯電防止剤を挙げることができる。
【0025】
[離型層の塗説方法]
離形層は、離形層を形成する成分を含む塗液を基材フィルムに塗布し、加熱乾燥させて塗膜を形成させることにより製造することができる。加熱条件としては80〜160℃で10〜120秒間、特に120〜150℃で20〜60秒間が好ましい。塗布方法は、任意の公知の方法が使用でき、例えばロールコーター法、ブレードコーター方を挙げることができる。ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の場合は、単独の押し出しや、基材フィルムへの押出しラミネートによることもできる。
【0026】
[接着層]
本発明においては、基材のポリエステルフィルムと離形層との密着性を高めるために、ポリエステルフィルムと離形層の間に接着層を設けることが好ましい。この接着層を形成する成分としては、例えば離形層がシリコーン樹脂層の場合、シランカップリング剤が好ましい。このシランカップリング剤としては一般式Y−Si−X3で表されるものがさらに好ましい。ここで、Yは例えばアミノ基、エポキシ基、ビニル基、メタクリル基、メルカプト基等で代表される官能基、Xはアルコキシ基で代表される加水分解性の官能基を表す。かかる接着層の厚みは、0.01〜5μmの範囲が好ましく、0.02〜2μmの範囲が特に好ましい。接着層の厚みが上記の範囲であるとポリエステルフィルムと離形層の密着性が良好となり、かつ接着層を設けた基材フィルムがブロッキングしにくいため、離形フィルムの取り扱いで問題が生じにくい利点がある。
【0027】
[ハジキ層]
ハジキ層はハジキ剤を主成分としてなる。このハジキ剤としては、電極ペーストの転写防止が目的であるため、適度な剥離力を有し、耐久性があることが好ましい。かかるハジキ剤としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂およびアルキルポリマーを用いることができる。ここで主成分とは離型層の例えば50重量%、好ましくは80%以上を占める成分をいう。工程内へのコンタミネーションを防ぐ意味で、移行性の特に低いアルキルポリマーが好ましい。ハジキ層中に前記の帯電防止剤をブレンドしてもよい。
【0028】
[熱収縮率]
セラミックグリーンシートのキャスト成形および電極印刷乾燥工程における寸法安定性を良好とするために、本発明の離型フィルムは、150℃にて30分間加熱処理した際の縦方向の熱収縮率が0〜0.30%、横方向の熱収縮率が−0.05〜0.05%である。この熱収縮率は、フィルムにアニール処理を行なうことにより達成することができる。このアニール処理では、フィルムを張力のかからない状態として70〜180℃の加熱処理を行なうことにより、離形剤、帯電防止剤およびハジキ剤塗工時に発生した内部応力を緩和することができ、熱収縮を上記の範囲とすることができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
なお、フィルムの各特性値は下記の方法で測定した。
【0030】
(1)セラミックシートの剥離性
下記組成のセラミック粉体分散スラリーを調整する。
(a)セラミック粉体(チタン酸バリウム):100重量部
(b)水溶性アクリルエマルジョン:9〜13重量部
(c)水溶性ポリウレタン樹脂:1重量部
(d)ポリカルボン酸アンモニウム:1重量部
(e)水:10〜20重量部
(f)アンモニア:1重量部
セラミック粉体分散スラリーの調整はボールミルにて、へッグマングラインドゲージで7以上の分散状態となるようにして行なう。次いで、このセラミック粉体分散スラリーを1milの間隙を有するストレートエッジアプリケーターを用い、離形フィルムの離形層面に塗工し、110℃にて2分間乾燥後、形成されたセラミックシートを離形フィルムより剥離した際の剥離状態を観察し下記の基準にて剥離性を評価した。
A:容易に剥離できる ・・・剥離性良好
B:剥離強度が大きく、す速く引張るとシートが破断する・・・剥離性やや良好
C:シートが破断する ・・・剥離性不良
D:ハジキのためシート化不可 ・・・極めて不良
【0031】
(2)電極ペーストのハジキ性
まず、テルピネオールをオイルバス中にて温度80℃まで加熱し、攪拌羽根で攪拌しながらエチルセルロースを徐々に加えることによって有機ビヒクルの調製を行なった。混合の割合はテルピネオール30重量部に対してエチルセルロース70部とした。
【0032】
次いで、平均粒径0.3μmの球状のPd粉末40重量部と先に調製した有機ビヒクル35重量部及びトリメチルベンゼン25重量部を3本ロールにより混練し、最後に希釈溶剤としてトリメチルベンゼンを加え、粘度20000cpsの内部電極用Pdペーストを調製した。
【0033】
離形フィルムに上記の項((1)セラミックシートの剥離性)に記載した方法で調合されたセラミックスラリーを塗布し、110℃にて2分間乾燥後、形成されたセラミックシートを得た。このセラミックシート上に内部電極用Pdペーストをスクリーン印刷にり電極を印刷し、120℃にて1分乾燥後、電極印刷面をハジキ層面に接触させ5cm平方の面積に5kgfの力を均一に1分かけた後、ハジキ層への電極の転写状態を確認し、下記の基準にてハジキ性を評価した。
A:転写が全く認められない・・・ハジキ性良好
B:転写が僅かに認められる・・・ハジキ性やや良好
C:転写が著しく多い ・・・ハジキ性不良
【0034】
(3)残留接着率
ポリエステル粘着テープ(ニットー31B)をJIS・G4305に規定する冷間圧延ステンレス板(SUS304)に貼り付けた後の剥離力を測定し、基礎接着力(f0)とする。又、前記ポリエステル粘着テープをフィルムサンプルの離形層塗設面に2kgの圧着ローラーで圧着し、30秒間放置した後粘着テープを剥がす。そして剥がした粘着テープを上記のステンレス板に貼り、該貼り合わせ部の剥離力を測定し、残留接着力(f)とする。得られた基礎接着力(f0)と残留接着力(f)より下記式(I)を用いて残留接着率を求めた。
【0035】
【数1】
残留接着率(%)=(f/f0)×100 式(I)
尚、残留接着率の好ましい範囲は85%以上である。残留接着率が85%未満であると、例えば離形フィルムをロール状に巻いて保管する際に、離形層を構成する成分が隣接するフィルムの表面に転写(いわゆる背面転写)し、離形層の濡れ性や剥離性等の特性が不良となることがあるため好ましくない。
【0036】
(4)熱収縮率
フィルムサンプルを測定方向に長さ350mm以上、幅10mmで短冊状に切り出した。このサンプルに長さ300mmの標点を付け、23℃×60%RHの恒温恒湿室に自由長で24時間以上保持した後、読取り顕微鏡にて標点間の寸法を読む(未処理標点間距離)。次いで、この短冊状サンプルを自由長で所定温度(150℃)にセットされた空気オーブン中に30分間保持した後、再び23℃×60%RHの恒温恒湿室に24時間以上、自由長で保持してから、標点間の寸法を読む(処理後標点間距離)。処理前後の標点間の寸法より、下記式(II)を用い、熱収縮率を求めた。
【0037】
【数2】
【0038】
(5)表面固有抵抗値
タケダ理研社製固有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度65%RH及び45%RHの条件で印可電圧100Vで1分後の表面固有抵抗値を測定した。
【0039】
[実施例1]
平均粒径1.7μmの多孔質シリカ粒子を0.1重量%含有した固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレートポリマーを押出し機で溶融して、ダイスから40℃に維持してある回転冷却ドラム上に、静電密着法を用いて密着させて急冷し未延伸フィルムとした。次いで、この未延伸フィルムを縦方向に3.5倍、引き続き横方向に3.6倍延伸し、さらに220℃にて熱固定を行なって厚さ38μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
【0040】
次にこのフィルムの片面にコロナ処理を行ない、その面に、1層目に帯電防止層、2層目にハジキ層を設けた。帯電防止層としては、チオフェン誘導体ポリマー30部、共重合ポリエステル70部(ジカルボン酸成分として、テレフタル酸60モル%、イソフタル酸35モル%、アジピン酸5モル%、グリコール成分として、エチレングリコール95モル%、ジエチレングリコール5モル%)、およびノニオン系界面活性剤5部からなる3%水性塗液を塗布し、乾燥後の厚みが0.15μmの厚みの塗膜を形成した。ハジキ層としては、ポリエチレンイミンオクタデシルカルバメート(日本触媒株式会社製、RP−20)40部、バインダー成分として、帯電防止層と同様にポリエステル系のポリエステル樹脂(日立化成工業株式会社製、エスペル1510)100部、およびメラミン樹脂(三和ケミカル株式会社製、ニカラックNS−11)30部を混合して得られた塗工液を塗布し、140℃、1分乾燥・硬化させ厚み0.2μmのハジキ層を形成させた。
【0041】
次に、ポリジメチルシロキサンとジメチルハイドロジェンシランの混合溶液に白金触媒を加えて付加反応させるタイプの硬化型シリコーン(信越化学工業(株)製・KS847(H))をメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びトルエンの混合溶剤中に溶解させ、固形分濃度が2%の離形剤溶液を作成した。
【0042】
この溶液をハジキ層を設けた反対側の面に塗布量6g/m2(wet)で塗布し、加熱温度140℃、時間1分で乾燥及び硬化させて、離形層の厚さ0.15μmの離形フィルムを作成した。
【0043】
次いで、この離形フィルムを170℃の温度で1分間のアニール処理を行なった。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
[比較例1]
アニール処理を行なわないこと以外は実施例1と同様にして離形フィルムを作成した。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0046】
[比較例2]
ハジキ層を設けないこと以外は実施例1と同様にして離形フィルムを作成した。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0047】
[比較例3]
帯電防止層を設けないこと以外は実施例1と同様にして離形フィルムを作成した。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0048】
表1より明らかなように、実施例に示した本発明の離形フィルムはセラミックシートの寸法安定性、電極ペーストのハジキ性及び剥離性に優れるものであった。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、帯電防止性に優れ、被熱時の寸法安定性に優れ、巻き取った際に樹脂シート状の印刷物の転写を起こしにくい離形フィルムを提供することができる。本発明の離型フィルムは、セラミックスラリーから成形されるセラミックシート等の剥離帯電特性、熱寸法安定性および電極ペーストの転写損傷の防止に優れており、セラミックシート等の成形用キャリヤーフィルムとして有用である。
Claims (3)
- 表面抵抗値が105〜1011Ωである帯電防止層を設けたポリエステルフィルムに、一方の面に離形層を設け、他方の面にハジキ層を設けた離形フィルムであり、150℃にて30分間加熱処理した際の縦方向の熱収縮率が0〜0.30%、横方向の熱収縮率が−0.05〜0.05%であることを特徴とする離形フィルム。
- 離形層が、シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、フッ素樹脂および脂肪族ワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする層である、請求項1記載の離形フィルム。
- ハジキ層が、シリコーン樹脂、フッ素樹脂およびアルキルポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする層である、請求項1記載の離形フィルム。
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