JP2004257172A - 融雪装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】製作及び施工が簡単で、安価に設置することができる融雪装置を提供する。
【解決手段】地中5の熱を採取する集熱部2、地表付近で熱を放散する放熱部3、及び集熱部2と放熱部3とを連結する熱伝導部4で構成される融雪装置1であって、集熱部2、放熱部3及び熱伝導部4を何れも10W/mK以上の熱伝導率を有する伝熱材料で構成する。集熱部2で地中の広範囲から採取した熱は、熱伝導部4によって放熱部3に輸送され、放熱部3において広範囲に放散され、放熱部3上の雪を溶かす。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、寒冷地で発生する雪害又は路面凍結等を防止する融雪装置に関し、
特に、地熱等の地下熱源を利用する除雪装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
寒冷地における冬季の除雪、融雪、路面凍結防止等を行う方法として、除雪車による除雪、地下水等の散水、電熱ヒーター又は温水等を用いた路面加熱等が一般に知られている。しかし、これらの方法は多大なエネルギーの供給を必要としたり、地下水の汲み上げに起因する地盤沈下を起こす等の多くの問題を備えている。
【0003】
一方、上記のものに代わる方法として、ヒートパイプを使用して地熱を利用するように構成した融雪方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−81712号公報
【特許文献2】
特開昭63−40002号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1及び特許文献2に記載されている融雪方法は、ヒートパイプが管状であるために長距離に渡って効率の良い熱輸送を実現することができる。従って、地下熱源が例えば地表から10〜20mの非常に深い場所に限られるような場合には有効な手段と考えられる。
【0006】
しかし、地下熱源が地表から比較的浅い場所で得られる場合には、必ずしも有効な手段ではない。熱源から地表への熱輸送よりも、高温部(蒸発部)での熱採取における熱移動や、低温部(凝縮部)から地表への熱放散における熱移動の方が重要な問題となるからである。
【0007】
ヒートパイプを利用する融雪方法に使用される装置は、3つの要素で構成されると考えられる。即ち、地中の熱を採取する集熱部、地表付近で熱を放散する放熱部、及び集熱部と放熱部とを連結する熱輸送部である。
【0008】
放熱部は、道路等のように広い面積を対象として熱を放散しなければならないが、土壌やコンクリート等は熱伝導率が非常に低いので、地表付近に1本のヒートパイプを埋設しただけでは、広範囲に熱を伝えることができない。そこで、多数のヒートパイプを並行して並べる等の方策が必要となる。集熱部も同様に、広い範囲から熱を採取するための方策が必要となる。従って、熱輸送部にヒートパイプを使用する装置では、その設置に要する費用が熱輸送部の距離に殆ど影響されず、距離が短い場合には効果的でない。また、ある程度の維持管理も必要であり、安全性の確保も問題となる。
【0009】
本発明は、上記のような従来の問題を解決したものであって、比較的浅い場所に地下熱源が得られる場合に有効であって、製作及び施工が簡単で、安価に設置することができる融雪装置を提供することを目的とするものである。また、エネルギーの供給が不要であり、安全性が高く、維持管理を行う必要がない融雪装置を提供することも目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本発明の請求項1に係る融雪装置は、地中の熱を採取する集熱部、地表付近で熱を放散する放熱部及び集熱部と放熱部とを連結する熱伝導部で構成される融雪装置であって、前記集熱部、放熱部及び熱伝導部が、何れも10W/mK以上の熱伝導率を有する伝熱材料で構成される手段を採用している。
また、請求項2に係る融雪装置は、請求項1に記載の融雪装置において、前記放熱部の伝熱材料が、板状又はシート状である手段を採用している。
さらに、請求項3に係る融雪装置は、請求項1又は2に記載の融雪装置において、前記熱伝導部の伝熱材料が、炭素又は黒鉛を主体とする手段を採用している。
さらに、請求項4に係る融雪装置は、請求項1〜3の何れかに記載の融雪装置において、前記熱伝導部の伝熱材料が、100W/mK以上の熱伝導率を有する手段を採用している。
さらに、請求項5に係る融雪装置は、請求項1〜4の何れかに記載の融雪装置において、前記熱伝導部の伝熱材料が、シート状である手段を採用している。
さらに、請求項6に係る融雪装置は、請求項1〜5の何れかに記載の融雪装置において、前記集熱部の伝熱材料が、前記熱伝導部と同一の伝熱材料である手段を採用している。
さらに、請求項7に係る融雪装置は、請求項1〜6の何れかに記載の融雪装置において、前記放熱部の伝熱材料が、前記熱伝導部と同一の伝熱材料である手段を採用している。
【0011】
【作用】
本発明は、上記のような手段を採用したことにより、高熱伝導率の伝熱材料からなる集熱部によって地中の広範囲から熱が採取され、この採取された熱は高熱伝導率の伝熱材料からなる熱伝導部を介して放熱部に輸送され、高熱伝導率の伝熱材料からなる放熱部を介して広範囲に放散され、放熱部上の雪が溶かされることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、地表から、比較的浅い場所に地下熱源が得られる場合の融雪装置について鋭意検討の結果、熱輸送部に高熱伝導率を有する伝熱材料を使用することにより、熱伝導による熱輸送が実用的となることを見出した。また、熱輸送部と同様に、集熱部及び放熱部にも高熱伝導率の伝熱材料を使用することにより、広い範囲からの熱採取と、広い範囲への熱放散が効果的となることを見出した。更に、融雪確認試験を繰り返し行った結果、実用性の高いことを確認し、本発明に到達した。本発明の融雪装置は、製作及び施工が簡単であり、安価に設置することができる。また、エネルギーの供給が不要であり、安全性が高く、維持管理を行う必要のない装置とすることができる。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1には、本発明による融雪装置の一実施の形態が示されていて、この融雪装置1は、地熱等の地下熱源を利用して、高熱伝導率を有する伝熱材料を用いて熱輸送を行うものであって、地中5の熱を採取する集熱部2、地表付近で熱を放散する放熱部3、及び集熱部2と放熱部3とを連結する熱伝導部4で構成されている。
【0014】
利用する地下熱源としては、地表から比較的浅い場所で得られる熱源が好ましい。例えば、地表から3〜10mの深さに存在する10〜15℃の地熱を利用することができる。その他の地下熱源としては、地下に埋設された水道管、下水道管、ガス管等が挙げられる。また都市圏における地下鉄や共同溝を利用することもできる。
【0015】
地中5における土壌の熱伝導率は、通常0.5W/mK程度である。例えば、地表から5mの深さにおける地中5の温度が10℃であるとして、積雪時に地表へ送られる熱量を考えると、0℃の地表1m当たり約1Wである。この熱量は、一見すると融雪に対して非常に少ないように思われるが、1日当たり約0.25kgの融雪能力である。本発明は、伝熱材料を設置することにより、この天然の融雪能力を2倍以上に強化し、2W/m以上の融雪能力とするものである。
【0016】
融雪能力を2倍以上とするためには、熱伝導部4での熱輸送量を土壌と同等以上とし、かつ、熱伝導部4の断面積を土壌に対して無視できる程度にすることが必要である。土壌に対して無視できる断面積を1/20と考えると、熱伝導部4における伝熱材料の熱伝導率は、土壌の熱伝導率の20倍以上が必要となる。従って、熱伝導部4における伝熱材料の熱伝導率は、10W/mK以上が好ましく、50W/mKがより好ましく、100W/mKが更に好ましい。
【0017】
更に、集熱部2及び放熱部3では、小さな温度差で広範囲にわたる熱移動が必要となるので、熱伝導部4と同等の熱伝導率であることが好ましい。従って、集熱部2及び放熱部3における伝熱材料の熱伝導率は、10W/mK以上が好ましく、50W/mKがより好ましく、100W/mKが更に好ましい。
【0018】
熱伝導部4に用いる伝熱材料の形状や材質は特に限定されない。しかし、50W/mK以上の熱伝導率を有する伝熱材料を使用する場合には、長さに対してその断面積が小さくなるので、破損しないように注意が必要である。このため、柔軟性の高いケーブル状又はシート状であることが好ましい。
【0019】
材質としては、耐食性を備えた銅やアルミニウム等の金属、金属繊維を樹脂で固めてケーブル状にしたもの、金属繊維金網を樹脂で固めてシート状にしたものを用いることができる。金属以外の材質では、炭素、黒鉛、炭素−炭素繊維複合体、又は炭素繊維FRP等のように炭素又は黒鉛を主体とする材料が好ましい。炭素又は黒鉛を主体とする材料は、金属よりも軽量であり、かつ金属と同等以上の熱伝導率を備えることが可能である。また、炭素繊維又は黒鉛を用いて樹脂で成形したシートは、繊維又は黒鉛を配向させることにより、一方向に特に熱伝導率の高い材料とすることができる。
【0020】
放熱部3に用いる伝熱材料は、融雪を必要とする路面等を全体的に覆うことが好ましく、形状としては板状又はシート状であることが好ましい。材質としては、前記の炭素又は黒鉛を主体とする材料、耐食性を備えた金属材料又は金属複合体材料、或いは炭化珪素又は窒化アルミニウム等のセラミック材料等を使用することができる。また、熱伝導部4及び放熱部3において、共にシート状伝熱材料を使用する場合には、同一材料を連続して使用すると簡便に施工することができる。
【0021】
集熱部2に用いる伝熱材料の形状や材質は特に限定されない。上述の材料を適宜使用することができる。熱源として地中5に埋設された水道管等を利用する場合には、熱伝導部4の伝熱材料を延長して、水道管などの外表面に直接密着させることが好ましい。特に、熱伝導部4に使用する伝熱材料がシート状である場合には、簡便に施工することができる。なお、集熱部2と熱伝導部4との境界等において、伝熱材料の接合が必要となる場合には、接着剤による接着、嵌合、ネジ込み等を適宜採用することができる。
【0022】
熱伝導部4の伝熱材料は、必要に応じて断熱することが好ましい。例えば、地表から熱源までの距離に対して融雪すべき路面等の幅が狭い場合には、伝熱材料から土壌への放熱が、融雪すべき範囲からはずれた方向に放散する可能性があるので、断熱が必要となる。しかし、地表から熱源までの距離に対して融雪すべき路面等の幅が広い場合には、断熱を必要としないことが多い。その理由は次の通りである。
▲1▼ 熱源から地表に至るまでの伝熱材料の温度分布は、土壌における温度分布と大きな差を生じないこと。
▲2▼ 土壌の熱伝導率が低いこと。
▲3▼ 伝熱材料から土壌への放熱があったとしても、その熱は地表へ向かうことになるので、融雪に対して無駄にならないこと。
また、放熱部3の下面については原則として断熱を行わないが、熱の放散が明らかに考えられる場合には断熱を行う。
【0023】
この実施の形態による融雪装置1は、地下熱源を利用することを原則とするが、エネルギーを供給して融雪することを併用することも可能である。例えば、放熱部3の伝熱材料の下に伝熱ヒーター等(図示せず)を設置してもよい。この場合においても、何ら無駄とはならないからである。なお、このような場合には、熱の放散と断熱について十分に検討を行う必要がある。
【0024】
<実施例1>
伝熱材料として炭素板、及び炭素繊維を一方向に配向してエポキシ樹脂を含浸させたシート材を用意し、次の条件で融雪装置を形成した。
Figure 2004257172
集熱部を地下5m、温度13・6℃の地中に埋めて融雪試験を行った。炭素板と炭素繊維シートとの接合は、エポキシ樹脂を用いて接着した。また、放熱部の炭素板は、その上面に歩道用の滑り止めシートを接着し、その下面は発泡ポリスチレン及び発泡ポリエチレンを用いて断熱した。このように試験装置では、地表から熱源までの距離に対して放熱部の面積が小さいために、断熱を行う必要がある。一昼夜放置して試験の結果、外気温度−10℃で新雪約30mmの積雪があったが、放熱部では完全な融雪が確認された。
【0025】
<実施例2>
伝熱材料として炭素板、銅板、及び樹脂被覆撚銅線を用意し、次の条件で融雪装置を形成した。
Figure 2004257172
集熱部を地下4m、温度10.5℃の地中に埋めて融雪試験を行った。放熱部の銅板は、全表面に200μmの無機ガラスコーティングを施工し、耐食性を備える材料とした。また、銅板の上面には歩道用の滑り止めシートを接着し、その下面は発泡ポリスチレン及び発泡ポリエチレンを用いて断熱した。二昼夜放置して試験の結果、外気温度−5℃で、こしまり雪(100kg/m)約50mmの積雪があったが、放熱部では完全な融雪が確認された。
【0026】
<実施例3>
伝熱材料として炭素板、及び黒鉛を一方向に配向させた厚さ1mmの黒鉛シートを20枚積層したシート材を用意し、次の条件で融雪装置を形成した。
Figure 2004257172
集熱部の伝熱材料は、熱伝導部の伝熱材料を延長して使用し、地下7mに埋設された直径約500mmの下水道管に、長さ500mmを巻き付けて接着した。下水道管の表面温度は14.3℃であった。炭素板と黒鉛シートとの接合は、エポキシ樹脂を用いて接着した。また、放熱部の炭素板は、その上面に歩道用の滑り止めシートを接着し、その下面は発泡ポリスチレン及び発泡ポリエチレンを用いて断熱した。一昼夜放置して試験の結果、外気温度−10℃で新雪(60kg/m)約20mmの積雪があったが、放熱部では完全な融雪が確認された。
【0027】
以上の結果、本発明の融雪装置は、降雪強度1mm/hの場合でも、地下熱源を効率よく利用して昼夜連続して融雪することが可能であり、また凍結を防止することが確認された。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、前記のように構成したことにより、高熱伝導率の伝熱材料からなる集熱部によって広範囲から熱を採取し、この採取した熱を高熱伝導率の伝熱材料からなる熱伝導部によって効率良く放熱部に輸送し、この熱を高熱伝導率の伝熱材料からなる放熱部によって広範囲に放散させることができることになる。従って、地表から比較的浅い場所の地熱等を地下熱源として利用する場合であっても、十分な融雪能力が得られることになる。
また、集熱部、熱伝導部、及び放熱部をシート状とすることにより、製作及び施工が簡単となるので、設置費用を安価に抑えることができることになる。
さらに、エネルギーの供給が不要で、安全性が高く、維持管理を行う必要がないので、ランニングコストを安く抑えることができ、経済的に有利なものを提供することができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による融雪装置の一実施の形態を示した概略図である。
【符号の説明】
1……融雪装置
2……集熱部
3……放熱部
4……熱伝導部
5……地中

Claims (7)

  1. 地中の熱を採取する集熱部、地表付近で熱を放散する放熱部及び集熱部と放熱部とを連結する熱伝導部で構成される融雪装置であって、前記集熱部、放熱部及び熱伝導部が、何れも10W/mK以上の熱伝導率を有する伝熱材料で構成されることを特徴とする融雪装置。
  2. 前記放熱部の伝熱材料が、板状又はシート状であることを特徴とする請求項1に記載の融雪装置。
  3. 前記熱伝導部の伝熱材料が、炭素又は黒鉛を主体とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の融雪装置。
  4. 前記熱伝導部の伝熱材料が、100W/mK以上の熱伝導率を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の融雪装置。
  5. 前記熱伝導部の伝熱材料が、シート状であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の融雪装置。
  6. 前記集熱部の伝熱材料が、前記熱伝導部と同一の伝熱材料であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の融雪装置。
  7. 前記放熱部の伝熱材料が、前記熱伝導部と同一の伝熱材料であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の融雪装置。
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JP2012111645A (ja) * 2010-11-22 2012-06-14 Takumi:Kk 融雪用SiC焼結体

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