JP2004257458A - ベルト式無段変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】クラッチ機構をドライブ側に配置し、クラッチ機構と変速装置を一体構成して操縦安定性を向上させ、さらに、プーリにトルクカム機構を装着して、減速時に確実にエンジンブレーキを発生させるベルト式無段変速機を提供する。
【解決手段】ベルト式無段変速機において、クラッチ当接側のプーリに回転軸上をスライドするトルクカム機構を配設し、そのトルクカム機構は、車両走行時にスロットルを戻した時に、前記ドライブプーリのトルクカムが車輪からのトルク入力により、回転軸上をプーリ離反方向にスライドする構成とし、そのプーリ間が離反方向にスライドすることにより、シフトダウンが行なわれてエンジンブレーキ効果を得る。
【選択図】 図1
【解決手段】ベルト式無段変速機において、クラッチ当接側のプーリに回転軸上をスライドするトルクカム機構を配設し、そのトルクカム機構は、車両走行時にスロットルを戻した時に、前記ドライブプーリのトルクカムが車輪からのトルク入力により、回転軸上をプーリ離反方向にスライドする構成とし、そのプーリ間が離反方向にスライドすることにより、シフトダウンが行なわれてエンジンブレーキ効果を得る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスクーター等の車両に適用するベルト式無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
スクーター等の車両はVベルト無段変速機を備え、エンジン回転をコントロールするのみで、車の速度を調節することができるようになっている。
この無段変速機は、例えば、図13に示すように、エンジンの出力軸70には、二枚のドライブプーリ71が取付けてある、ドライブプーリ71の一方は、軸方向に可動する遠心ローラ72を取付けてある。
【0003】
一方、ドリブンプーリに取付けた二枚のプーリ73の一方は、バネ74で、二枚のプーリの間隔を狭める方向に付勢させるようにしてある。そして、ドライブプーリ71とドリブンプーリ73の間に、Vベルト75を巻掛けるようにしてある。
ドリブンプーリ73は、アイドリングから一定回転まで回転が上昇すると自動的に接続する遠心クラッチ76を備え、歯車変速機77を介し、車輪に連結されている。
【0004】
ドライブプーリ71が回転を始めると、二枚のドライブプーリ71間隔が広くて、Vベルト75の巻掛け径が小さくなり、一方、二枚のドリブンプーリ73はバネで押されて間隔が狭くて、Vベルトの巻掛け径が大きくなった状態で、低速で、車輪に回転が伝わる。
ドライブプーリ71の回転が上昇するのに伴って、遠心ローラ72が広がって、二枚のドライブプーリ71の間隔が狭くなり、これにより、Vベルト75の巻掛け径が大きくなると共に、二枚のドリブンプーリ73は、バネ74に抗して間隔が広まって、Vベルト75の巻掛け径が小さくなり、ドリブンプーリ73の回転が速くなり、車輪の回転も速くなって増速する。
そして、このようなベルト式無段変速機に関する技術として、特開平9−57138号公報記載の技術が知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−57138号公報
【0006】
前記従来型のベルト式無段変速機の作用を図14により説明する。
(A)アイドリング時にはドライブプーリ71は出力軸70に直結しているため回転している。それに連動して、ベルト75、ドリブンプーリ73が回転する。
(B)回転を上げると、遠心力によりクラッチが継がり、減速機を通じて車輪が回転する。
(C)中速走行では、遠心ローラ72の遠心力によって、ドライブプーリ71の間隔が除々に狭くなり、シフトアップする。
(D)更に、シフトアップし、高速走行時にスロットルを閉めると、エンジンからのトルクが抜け、車輪の慣性によって、ベルト75及びプーリ71、73が回転し、エンジンブレーキは掛かからず、シフトアップしてしまう。
【0007】
前記従来型の従来のベルト式無段変速機では図14(D)に示すとおり、スロットルを戻した時、ベルト75からのトルクが抜けてしまい。ドリブンプーリ73のトルクカムが機能を失い、遠心変速機によりシフトアップしてしまうため、変速比が高くなって、エンジンブレーキが効かないという問題があった。
また、一旦、減速してからの再加速には高速比にシフトアップしているために、加速に適した状態までシフトダウンするのに時間が掛かるという問題があった。
【0008】
また、従来のベルト式無段変速機ではクラッチ76がドリブンプーリ73に取付けてあるため、サスペンションピボットから遠い部分が重くなり、バランスが悪く、操縦性にも悪い影響を与えてしまう。
また、遠心クラッチ76が円周方向へ作動する構成であるため、クラッチスプリングが劣化して折れてしまいクラッチが直結となってしまう。
【0009】
また、従来型では遠心クラッチ76の爆発事故が起きている。但し、レース用にチェーンアップされたスクーターを空吹かしで、14000回転まで回すという特殊な状況での事故である。
仮に、高速時の変速比が1対3だとすると、エンジンつまり、ドライブプーリの回転数が14000回転のとき、ドリブンプーリ及び遠心クラッチはその3倍の42000回転という超高速回転となり、クラッチシューに掛かる莫大な遠心力にクラッチハウジングが耐え切れず破断、クラッチシューがアルミキャスト材のケースを砕いて外へ飛び出すという事故が起きている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は係る従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、クラッチ機構をドライブ側に配置し、クラッチ機構と変速装置を一体構成して操縦安定性を向上させ、さらに、プーリにトルクカム機構を装着して、減速時に確実にエンジンブレーキを発生させるベルト式無段変速機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための手段として請求項1記載のベルト式無段変速機では、出力軸側に配置され、プーリ間の間隔を離接させて径を調整するドライブプーリと、トランスミッションを介して車輪に連結されたドリブンプーリと、それらプーリ間に巻き掛けられるベルトとによって構成されるベルト式無段変速機において、ドライブプーリの回転軸上の一方側に、プーリの外周に離接するクラッチ板を配設し、そのクラッチ板に遠心ローラを配置し、遠心ローラに作用する遠心力によって、クラッチ板が軸方向にスライドしてドライブプーリに動力が伝達される構成とし、クラッチ板がプーリに接続した後はエンジンの回転上昇によって、さらに、クラッチ板がプーリを押圧し、プーリ間を接近させて変速する構成とし、前記クラッチ当接側のプーリに回転軸上をスライドするトルクカム機構を配設し、そのトルクカム機構は、車両走行時にスロットルを戻した時に、前記ドライブプーリのトルクカムが車輪からのトルク入力により、回転軸上をプーリ離反方向にスライドする構成とし、そのプーリ間が離反方向にスライドすることにより、シフトダウンが行なわれてエンジンブレーキ効果を得る構成とした。
【0012】
請求項2記載のベルト式無段変速機では、請求項1記載のベルト式無段変速機において、前記トルクカム機構は、回転軸上に螺旋回動可能に装着されたムーバブルフェイス(プーリ)によって構成され、車輪側からのトルク入力により、螺旋回動しながら軸方向へスライドする構成とした。
【0013】
請求項3記載のベルト式無段変速機では、請求項1又は2記載のベルト式無段変速機において、前記ドリブンプーリにもトルクカム機構を配設し、スロットルを開けたときにはドリブンプーリのトルクカムが作動してスムーズな加速を可能とする。
【0014】
請求項4記載のベルト式無段変速機では、請求項1、2又は3記載のベルト式無段変速機において、回転軸上をスライドするクラッチ板、及び回転軸上をスライドするプーリのスライド部にベアリングを配設して、回転軸とのスライド抵抗を減少させた。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1はベルト式無段変速機の平面断面図、図2はベルト式無段変速機の平面図、図3はドライブプーリ近傍の断面図、図4はドライブプーリ近傍の平面図、図5はクラッチ機構及び変速装置の分解図、図6はドライブプーリの分解図、図7はドリブンプーリの分解図である。
尚、ドライブプーリのトルクカムの溝は分かり易くするために、軸に対して垂直に描いている。
本発明の一実施の形態に係るベルト式無段変速機は図1〜図2に示すように、エンジン側に連結されるドライブプーリ1と、ドライブプーリ1に離接するクラッチ機構2と、クラッチ機構2内に配置された遠心ローラ3と、クラッチ機構2と一体的に構成された遠心変速機4と、車輪側に連結されドリブンプーリ5と、ドライブプーリ1とドリブンプーリ5との間に掛け渡されるベルト6を主用な構成としている。
【0016】
前記遠心変速機は図3〜図4に示すように、摩擦材を固着させた浅い円錐型のクラッチフリクションプレート(クラッチ板8)と、遠心力で変速機を動かすための遠心ローラ3を入れたハウジング9をバネ10で留めて構成している。
出力軸の回転が上がると、クラッチ機構2が回転し、遠心ローラ3が外側へ移動し、クラッチフリクションプレート8をバネ10に抗してプーリ1aへ押し付ける。
すると、クラッチ板8との接触によりプーリ1aが除々に回転し、高速になるに従って、遠心ローラ3がさらに外側へ移動してプーリ1aをさらに押し付け、プーリ1間の間隔を狭くして高速走行となる。
遠心ローラ3の作用により、クラッチと変速が行なわれるようになっており、クラッチ機構2と遠心変速機4が一体的に構成されている。
【0017】
クラッチリフレクションプレート8には外歯11、ハウジング9には内歯のスプラインが刻まれていて動力を伝達しながら、軸方向にスライドできるようになっている。
クラッチリフレクションプレート8には遠心ローラ3の飛び出し防止用の壁と、その壁の補強リブが付けられている。
クラッチリフレクションプレート8とハウジング9を留めているバネ10は停止時やアイドリング、またはエンジン始動時にクラッチリフレクションプレート8がプーリ1に接触しないようにしている。
遠心変速機を切り離すことによって、独立したドライブプーリ1をベアリングによりフローティング化して出力軸に通す。
このように、出力軸に通したドライブプーリ1の先端にはクラッチ機構2を持った遠心変速機4が固定されている。
【0018】
ドライブプーリ1はムーバブルドライブフェイス1aとドライブフェイス1bで構成されており、ムーバブルドライブフェイス1aにはベルトの滑りを抑制し、変速を滑らかにすると同時にベルトからのトルクの入力により変速機の特性を変えるトルクカム用の溝12が回転方向に対して後傾するように開けられていて、ドライブフェイス1bにガイドピン13を立て、そのガイドピン13が抜けないようにムーバブルドライブフェイス1aにカバーを付ける。
前記ガイドピン13はドライブフェイス1bの駆動軸に固定された状態で配置され、そのガイドピン13と溝12が斜めにスライド可能となる。すなわち、駆動軸に対してムーバブルドライブフェイス1aが螺旋回動可能の状態で装着されることになる。
スロットルを戻した時にはエンジンではなく車輪のトルクがベルトを伝ってこのムーバブルドライブフェイス1aに伝達され、ムーバブルドライブフェイス1aが螺旋回動してプーリ1間を広げることになる。
【0019】
次に図7はドリブンプーリの分解図である。
ドリブンプーリ5にもトルクカム機能が備わっておりムーバブルドリブンフェイス5aには回転方向に対して後傾する溝15が開けられて、ガイドピン16に沿ってスライドするように構成されている。また、変速機を低速比に保つためのバネ17が取付けられている。
構造そのものはドライブプーリ1と同様であるが、内径にベアリングはなく、シャフトが固定されている。
そのシャフトにドライブギアを取り付け、アイドルギア、ファイナルギアと減速してトランスミッションを構成している。ファイナルギアに固定したドライブシャフトに車輪が組み付けられている。
【0020】
一般的に、ベルト式無段変速機は、出力軸に取付けられた離接可能な一対の駆動プーリと、受動軸に取付けられた離接可能な一対の受動プーリと、その間に掛け渡されたベルトによって構成されている。そして、ベルトによって、出力軸の回転を無段階に変速して受動軸に伝達し得るように構成されており、変速時等にベルトに張力を与えるために、受動プーリの可動プーリにはトルクカム機構が備えられている。
本発明のトルクカム機構は、ガイドピン13、16と斜めに切りかかれた溝12、15によって軸に対して螺旋回動可能に装着されている。
【0021】
次に、図8、図9に基づいて本発明の作用を説明する。
(A)アイドリング時には出力軸及び出力軸に直結したクラッチ付遠心変速機が回転する。ドライブプーリ1及びドリブンプーリ5、ベルト6は停止した状態である。
また、ドライブプーリ1間は離れた状態で、ドリブンプーリ5はバネ17によって押し付けられた状態である。
【0022】
(B)スロットルを開けると、回転が上昇し、ハウジング内の遠心ローラ3が遠心力により、円周方向外側へ移動し、クラッチリクレクションプレート8をムーバブルドライブフェイス1aへ押し付け、ドライブプーリ1へ回転を伝える。
このとき、ドライブプーリ1のトルクカム機構はベルトからの入力ではなく、ベアリングでフローティングとなっているためベルトを軽く押さえて滑りを抑制する程度しか働かない。
【0023】
(C)クラッチが継がるとドライブプーリ1が回転を始め、ベルトを通じて回転力がドリブンプーリに伝達される。
ドリブンフェイスはトランスミッションを介して車輪と直結となっており、すぐには動くことができないため、ムーバブルドリブンフェイス5aがトルクカムにより先行することになり、ムーバブルドリブンフェイス5aがベルトを締めシフトダウンの状態を維持しながらトランスミッションで減速されて車輪へ回転が伝わり車両が前進する。
【0024】
(D)中速走行では、回転が除々に上がり、遠心力が強くなり、遠心ローラ3がムーバブルドライブフェイス1aを押す力がトルクカムの力を上回り、ドライブプーリ1の幅を狭める。それによって、駆動径が大きくなる。
一方、ドリブンプーリ5はベルト6を引っ張られるためドリブンプーリ5の間隔を押し広げて、ベルトが内側へ移動、受動径が小さくなり、変速比が高くなりシフトアップする。
【0025】
(E)高速走行では、回転がさらに上がり、ドライブプーリ1の最外周、ドリブンプーリ5の最内周にベルトが移動する。
【0026】
(F)スロットルを閉じると、エンジンからの駆動が遮断され、ドライブプーリ1へベルト6からタイヤの駆動が入力される。
【0027】
(G)ベルト6からタイヤの駆動が入力されると、ドライブプーリ1では、ドライブフェイスがトルクカムの溝を移動してムーバブルドライブフェイス1aが開き、その結果、ドリブンプーリ1ではムーバブルドリブンフェイス1aがバネに押し戻され、シフトダウンする。このシフトダウンはクラッチと一体構成された変速機を通じてエンジンに伝達されて、エンジンブレーキとなる。
すなわち、ドライブプーリ1のトルクカムが車輪からのトルク入力により、螺旋回動し、回転軸上をプーリ離反方向にスライドするため、シフトダウンが行なわれてエンジンブレーキが作動する。
【0028】
(H)スロットルを開けると、ムーバブルドライブフェイス1aにエンジンの駆動が伝わり、ドリブンプーリ5のトルクカムが働き、即座に加速状態に入る。
この状態の再加速では、すでにシフトダウンしているのでエンジンへの負荷が小さくなり、無駄な燃料を消費しない。
【0029】
次に図10は第2実施の形態に係るドライブプーリ近傍の断面図である。
尚、トルクカムの溝とベアリングは様子を分かり易くするため、軸に対して垂直に描いている。
図10では、回転軸上をスライドするクラッチ板、及び回転軸上をスライドするプーリのスライド部にベアリング20を配設して、回転軸とのスライド抵抗を低下させている。
尚、ドリブンプーリにベアリングを配設する場合にも同様の構成となる。
このように、ベアリング20を配設することにより、大きなパワーとトルクを受けてもクラッチ機構と変速機構をスムーズに作動させることができる。
【0030】
次に、図11は第3実施の形態に係るドライブプーリ近傍の分解図である。
図11では、トルクカム機構として螺旋回動部に斜めのスライド溝21を形成し、その溝にベアリング22を配置した構成である。
また、図12はドリブンプーリにベアリング22を配設した場合の分解図である。
このようにトルクカム機構にベアリング22を配設することにより、重量のある車両であってもスムーズにトルクカムが作動する。
【0031】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、本発明のベルト式無段変速機はスクーター等の二輪自動車の他、四輪車、ラジコンカー、ラジコンバイク、電動モータによる車両に適用することができる。
そして、ベルトは樹脂製ベルトの他、金属製ベルトを使用することも可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明請求項1記載のベルト式無段変速機では、ドライブプーリの回転軸上の一方側に、プーリの外周に離接するクラッチ板を配設し、そのクラッチ板に遠心ローラを配置し、遠心ローラに作用する遠心力によって、クラッチ板が軸方向にスライドしてドライブプーリに動力が伝達される構成とし、クラッチ板がプーリに接続した後はエンジンの回転上昇によって、さらに、クラッチ板がプーリを押圧し、プーリ間を接近させて変速する構成としたので、クラッチ機構と変速装置が一体構成される。
スクーターの一般的な懸架形式であるスイングユニットやセミスイングユニットに本発明を用いた場合、クラッチが変速機と一体となっているためサスペンションピボットから遠い部分が軽くなる。その結果、ショックアブソーバへの負担が減って乗り心地、路面の追従性が向上する。
また、前記クラッチ当接側のプーリに回転軸上をスライドするトルクカム機構を配設し、そのトルクカム機構は、車両走行時にスロットルを戻した時に、前記ドライブプーリのトルクカムが車輪からのトルク入力により、回転軸上をプーリ離反方向にスライドする構成としたので、そのプーリ間が離反方向にスライドすることにより、シフトダウンが行なわれてエンジンブレーキ効果が得られる。
【0033】
請求項2記載のベルト式無段変速機では、トルクカム機構は回転軸上に螺旋回動可能に装着されたムーバブルフェイス(プーリ)によって構成され、車輪側からのトルク入力により、螺旋回動しながら軸方向へスライドする構成としたので、スロットルを戻した時に車輪からのトルク入力を受け止めて自動的にプーリ間が広がる。
【0034】
請求項3記載のベルト式無段変速機では、ドリブンプーリにもトルクカム機構を配設したので、スロットルを開けたときにはドリブンプーリのトルクカムが作動してスムーズな加速を可能とする。
【0035】
請求項4記載のベルト式無段変速機では、回転軸上をスライドするクラッチ板、及び回転軸上をスライドするプーリのスライド部にベアリングを配設したので、回転軸とのスライド抵抗が低下し、大きなパワーとトルクを受けてもクラッチ機構と変速機能をスムーズに作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルト式無段変速機の平面断面図である。
【図2】ベルト式無段変速機の平面図である。
【図3】ドライブプーリ近傍の断面図である。
【図4】ドライブプーリ近傍の平面図である。
【図5】クラッチ機構及び変速装置の分解図である。
【図6】ドライブプーリの分解図
【図7】ドリブンプーリの分解図である。
【図8】本発明の作用を(A)〜(D)の順に示す説明図である。
【図9】本発明の作用を(E)〜(H)の順に示す説明図である。
【図10】第2実施の形態に係るドライブプーリ近傍の断面図である。
【図11】第3実施の形態に係るドライブプーリの分解図である。
【図12】ドリブンプーリにベアリングを配設した場合の分解図である。
【図13】従来例に係るベルト式無段変速機の説明図である。
【図14】従来例のベルト式無段変速機の作用を(A)〜(D)の順に示す説明図である。
【符号の説明】
1 ドライブプーリ
2 クラッチ機構
3 遠心ローラ
4 変速装置
5 ドリブンプーリ
6 ベルト
8 クラッチ板
9 ハウジング
10 バネ
11 外歯
12 溝
13 ガイドピン
14 カバー
15 溝
16 ガイドピン
17 バネ
20 ベアリング
21 スライド溝
22 ベアリング
【発明の属する技術分野】
本発明はスクーター等の車両に適用するベルト式無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
スクーター等の車両はVベルト無段変速機を備え、エンジン回転をコントロールするのみで、車の速度を調節することができるようになっている。
この無段変速機は、例えば、図13に示すように、エンジンの出力軸70には、二枚のドライブプーリ71が取付けてある、ドライブプーリ71の一方は、軸方向に可動する遠心ローラ72を取付けてある。
【0003】
一方、ドリブンプーリに取付けた二枚のプーリ73の一方は、バネ74で、二枚のプーリの間隔を狭める方向に付勢させるようにしてある。そして、ドライブプーリ71とドリブンプーリ73の間に、Vベルト75を巻掛けるようにしてある。
ドリブンプーリ73は、アイドリングから一定回転まで回転が上昇すると自動的に接続する遠心クラッチ76を備え、歯車変速機77を介し、車輪に連結されている。
【0004】
ドライブプーリ71が回転を始めると、二枚のドライブプーリ71間隔が広くて、Vベルト75の巻掛け径が小さくなり、一方、二枚のドリブンプーリ73はバネで押されて間隔が狭くて、Vベルトの巻掛け径が大きくなった状態で、低速で、車輪に回転が伝わる。
ドライブプーリ71の回転が上昇するのに伴って、遠心ローラ72が広がって、二枚のドライブプーリ71の間隔が狭くなり、これにより、Vベルト75の巻掛け径が大きくなると共に、二枚のドリブンプーリ73は、バネ74に抗して間隔が広まって、Vベルト75の巻掛け径が小さくなり、ドリブンプーリ73の回転が速くなり、車輪の回転も速くなって増速する。
そして、このようなベルト式無段変速機に関する技術として、特開平9−57138号公報記載の技術が知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−57138号公報
【0006】
前記従来型のベルト式無段変速機の作用を図14により説明する。
(A)アイドリング時にはドライブプーリ71は出力軸70に直結しているため回転している。それに連動して、ベルト75、ドリブンプーリ73が回転する。
(B)回転を上げると、遠心力によりクラッチが継がり、減速機を通じて車輪が回転する。
(C)中速走行では、遠心ローラ72の遠心力によって、ドライブプーリ71の間隔が除々に狭くなり、シフトアップする。
(D)更に、シフトアップし、高速走行時にスロットルを閉めると、エンジンからのトルクが抜け、車輪の慣性によって、ベルト75及びプーリ71、73が回転し、エンジンブレーキは掛かからず、シフトアップしてしまう。
【0007】
前記従来型の従来のベルト式無段変速機では図14(D)に示すとおり、スロットルを戻した時、ベルト75からのトルクが抜けてしまい。ドリブンプーリ73のトルクカムが機能を失い、遠心変速機によりシフトアップしてしまうため、変速比が高くなって、エンジンブレーキが効かないという問題があった。
また、一旦、減速してからの再加速には高速比にシフトアップしているために、加速に適した状態までシフトダウンするのに時間が掛かるという問題があった。
【0008】
また、従来のベルト式無段変速機ではクラッチ76がドリブンプーリ73に取付けてあるため、サスペンションピボットから遠い部分が重くなり、バランスが悪く、操縦性にも悪い影響を与えてしまう。
また、遠心クラッチ76が円周方向へ作動する構成であるため、クラッチスプリングが劣化して折れてしまいクラッチが直結となってしまう。
【0009】
また、従来型では遠心クラッチ76の爆発事故が起きている。但し、レース用にチェーンアップされたスクーターを空吹かしで、14000回転まで回すという特殊な状況での事故である。
仮に、高速時の変速比が1対3だとすると、エンジンつまり、ドライブプーリの回転数が14000回転のとき、ドリブンプーリ及び遠心クラッチはその3倍の42000回転という超高速回転となり、クラッチシューに掛かる莫大な遠心力にクラッチハウジングが耐え切れず破断、クラッチシューがアルミキャスト材のケースを砕いて外へ飛び出すという事故が起きている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は係る従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、クラッチ機構をドライブ側に配置し、クラッチ機構と変速装置を一体構成して操縦安定性を向上させ、さらに、プーリにトルクカム機構を装着して、減速時に確実にエンジンブレーキを発生させるベルト式無段変速機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための手段として請求項1記載のベルト式無段変速機では、出力軸側に配置され、プーリ間の間隔を離接させて径を調整するドライブプーリと、トランスミッションを介して車輪に連結されたドリブンプーリと、それらプーリ間に巻き掛けられるベルトとによって構成されるベルト式無段変速機において、ドライブプーリの回転軸上の一方側に、プーリの外周に離接するクラッチ板を配設し、そのクラッチ板に遠心ローラを配置し、遠心ローラに作用する遠心力によって、クラッチ板が軸方向にスライドしてドライブプーリに動力が伝達される構成とし、クラッチ板がプーリに接続した後はエンジンの回転上昇によって、さらに、クラッチ板がプーリを押圧し、プーリ間を接近させて変速する構成とし、前記クラッチ当接側のプーリに回転軸上をスライドするトルクカム機構を配設し、そのトルクカム機構は、車両走行時にスロットルを戻した時に、前記ドライブプーリのトルクカムが車輪からのトルク入力により、回転軸上をプーリ離反方向にスライドする構成とし、そのプーリ間が離反方向にスライドすることにより、シフトダウンが行なわれてエンジンブレーキ効果を得る構成とした。
【0012】
請求項2記載のベルト式無段変速機では、請求項1記載のベルト式無段変速機において、前記トルクカム機構は、回転軸上に螺旋回動可能に装着されたムーバブルフェイス(プーリ)によって構成され、車輪側からのトルク入力により、螺旋回動しながら軸方向へスライドする構成とした。
【0013】
請求項3記載のベルト式無段変速機では、請求項1又は2記載のベルト式無段変速機において、前記ドリブンプーリにもトルクカム機構を配設し、スロットルを開けたときにはドリブンプーリのトルクカムが作動してスムーズな加速を可能とする。
【0014】
請求項4記載のベルト式無段変速機では、請求項1、2又は3記載のベルト式無段変速機において、回転軸上をスライドするクラッチ板、及び回転軸上をスライドするプーリのスライド部にベアリングを配設して、回転軸とのスライド抵抗を減少させた。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1はベルト式無段変速機の平面断面図、図2はベルト式無段変速機の平面図、図3はドライブプーリ近傍の断面図、図4はドライブプーリ近傍の平面図、図5はクラッチ機構及び変速装置の分解図、図6はドライブプーリの分解図、図7はドリブンプーリの分解図である。
尚、ドライブプーリのトルクカムの溝は分かり易くするために、軸に対して垂直に描いている。
本発明の一実施の形態に係るベルト式無段変速機は図1〜図2に示すように、エンジン側に連結されるドライブプーリ1と、ドライブプーリ1に離接するクラッチ機構2と、クラッチ機構2内に配置された遠心ローラ3と、クラッチ機構2と一体的に構成された遠心変速機4と、車輪側に連結されドリブンプーリ5と、ドライブプーリ1とドリブンプーリ5との間に掛け渡されるベルト6を主用な構成としている。
【0016】
前記遠心変速機は図3〜図4に示すように、摩擦材を固着させた浅い円錐型のクラッチフリクションプレート(クラッチ板8)と、遠心力で変速機を動かすための遠心ローラ3を入れたハウジング9をバネ10で留めて構成している。
出力軸の回転が上がると、クラッチ機構2が回転し、遠心ローラ3が外側へ移動し、クラッチフリクションプレート8をバネ10に抗してプーリ1aへ押し付ける。
すると、クラッチ板8との接触によりプーリ1aが除々に回転し、高速になるに従って、遠心ローラ3がさらに外側へ移動してプーリ1aをさらに押し付け、プーリ1間の間隔を狭くして高速走行となる。
遠心ローラ3の作用により、クラッチと変速が行なわれるようになっており、クラッチ機構2と遠心変速機4が一体的に構成されている。
【0017】
クラッチリフレクションプレート8には外歯11、ハウジング9には内歯のスプラインが刻まれていて動力を伝達しながら、軸方向にスライドできるようになっている。
クラッチリフレクションプレート8には遠心ローラ3の飛び出し防止用の壁と、その壁の補強リブが付けられている。
クラッチリフレクションプレート8とハウジング9を留めているバネ10は停止時やアイドリング、またはエンジン始動時にクラッチリフレクションプレート8がプーリ1に接触しないようにしている。
遠心変速機を切り離すことによって、独立したドライブプーリ1をベアリングによりフローティング化して出力軸に通す。
このように、出力軸に通したドライブプーリ1の先端にはクラッチ機構2を持った遠心変速機4が固定されている。
【0018】
ドライブプーリ1はムーバブルドライブフェイス1aとドライブフェイス1bで構成されており、ムーバブルドライブフェイス1aにはベルトの滑りを抑制し、変速を滑らかにすると同時にベルトからのトルクの入力により変速機の特性を変えるトルクカム用の溝12が回転方向に対して後傾するように開けられていて、ドライブフェイス1bにガイドピン13を立て、そのガイドピン13が抜けないようにムーバブルドライブフェイス1aにカバーを付ける。
前記ガイドピン13はドライブフェイス1bの駆動軸に固定された状態で配置され、そのガイドピン13と溝12が斜めにスライド可能となる。すなわち、駆動軸に対してムーバブルドライブフェイス1aが螺旋回動可能の状態で装着されることになる。
スロットルを戻した時にはエンジンではなく車輪のトルクがベルトを伝ってこのムーバブルドライブフェイス1aに伝達され、ムーバブルドライブフェイス1aが螺旋回動してプーリ1間を広げることになる。
【0019】
次に図7はドリブンプーリの分解図である。
ドリブンプーリ5にもトルクカム機能が備わっておりムーバブルドリブンフェイス5aには回転方向に対して後傾する溝15が開けられて、ガイドピン16に沿ってスライドするように構成されている。また、変速機を低速比に保つためのバネ17が取付けられている。
構造そのものはドライブプーリ1と同様であるが、内径にベアリングはなく、シャフトが固定されている。
そのシャフトにドライブギアを取り付け、アイドルギア、ファイナルギアと減速してトランスミッションを構成している。ファイナルギアに固定したドライブシャフトに車輪が組み付けられている。
【0020】
一般的に、ベルト式無段変速機は、出力軸に取付けられた離接可能な一対の駆動プーリと、受動軸に取付けられた離接可能な一対の受動プーリと、その間に掛け渡されたベルトによって構成されている。そして、ベルトによって、出力軸の回転を無段階に変速して受動軸に伝達し得るように構成されており、変速時等にベルトに張力を与えるために、受動プーリの可動プーリにはトルクカム機構が備えられている。
本発明のトルクカム機構は、ガイドピン13、16と斜めに切りかかれた溝12、15によって軸に対して螺旋回動可能に装着されている。
【0021】
次に、図8、図9に基づいて本発明の作用を説明する。
(A)アイドリング時には出力軸及び出力軸に直結したクラッチ付遠心変速機が回転する。ドライブプーリ1及びドリブンプーリ5、ベルト6は停止した状態である。
また、ドライブプーリ1間は離れた状態で、ドリブンプーリ5はバネ17によって押し付けられた状態である。
【0022】
(B)スロットルを開けると、回転が上昇し、ハウジング内の遠心ローラ3が遠心力により、円周方向外側へ移動し、クラッチリクレクションプレート8をムーバブルドライブフェイス1aへ押し付け、ドライブプーリ1へ回転を伝える。
このとき、ドライブプーリ1のトルクカム機構はベルトからの入力ではなく、ベアリングでフローティングとなっているためベルトを軽く押さえて滑りを抑制する程度しか働かない。
【0023】
(C)クラッチが継がるとドライブプーリ1が回転を始め、ベルトを通じて回転力がドリブンプーリに伝達される。
ドリブンフェイスはトランスミッションを介して車輪と直結となっており、すぐには動くことができないため、ムーバブルドリブンフェイス5aがトルクカムにより先行することになり、ムーバブルドリブンフェイス5aがベルトを締めシフトダウンの状態を維持しながらトランスミッションで減速されて車輪へ回転が伝わり車両が前進する。
【0024】
(D)中速走行では、回転が除々に上がり、遠心力が強くなり、遠心ローラ3がムーバブルドライブフェイス1aを押す力がトルクカムの力を上回り、ドライブプーリ1の幅を狭める。それによって、駆動径が大きくなる。
一方、ドリブンプーリ5はベルト6を引っ張られるためドリブンプーリ5の間隔を押し広げて、ベルトが内側へ移動、受動径が小さくなり、変速比が高くなりシフトアップする。
【0025】
(E)高速走行では、回転がさらに上がり、ドライブプーリ1の最外周、ドリブンプーリ5の最内周にベルトが移動する。
【0026】
(F)スロットルを閉じると、エンジンからの駆動が遮断され、ドライブプーリ1へベルト6からタイヤの駆動が入力される。
【0027】
(G)ベルト6からタイヤの駆動が入力されると、ドライブプーリ1では、ドライブフェイスがトルクカムの溝を移動してムーバブルドライブフェイス1aが開き、その結果、ドリブンプーリ1ではムーバブルドリブンフェイス1aがバネに押し戻され、シフトダウンする。このシフトダウンはクラッチと一体構成された変速機を通じてエンジンに伝達されて、エンジンブレーキとなる。
すなわち、ドライブプーリ1のトルクカムが車輪からのトルク入力により、螺旋回動し、回転軸上をプーリ離反方向にスライドするため、シフトダウンが行なわれてエンジンブレーキが作動する。
【0028】
(H)スロットルを開けると、ムーバブルドライブフェイス1aにエンジンの駆動が伝わり、ドリブンプーリ5のトルクカムが働き、即座に加速状態に入る。
この状態の再加速では、すでにシフトダウンしているのでエンジンへの負荷が小さくなり、無駄な燃料を消費しない。
【0029】
次に図10は第2実施の形態に係るドライブプーリ近傍の断面図である。
尚、トルクカムの溝とベアリングは様子を分かり易くするため、軸に対して垂直に描いている。
図10では、回転軸上をスライドするクラッチ板、及び回転軸上をスライドするプーリのスライド部にベアリング20を配設して、回転軸とのスライド抵抗を低下させている。
尚、ドリブンプーリにベアリングを配設する場合にも同様の構成となる。
このように、ベアリング20を配設することにより、大きなパワーとトルクを受けてもクラッチ機構と変速機構をスムーズに作動させることができる。
【0030】
次に、図11は第3実施の形態に係るドライブプーリ近傍の分解図である。
図11では、トルクカム機構として螺旋回動部に斜めのスライド溝21を形成し、その溝にベアリング22を配置した構成である。
また、図12はドリブンプーリにベアリング22を配設した場合の分解図である。
このようにトルクカム機構にベアリング22を配設することにより、重量のある車両であってもスムーズにトルクカムが作動する。
【0031】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、本発明のベルト式無段変速機はスクーター等の二輪自動車の他、四輪車、ラジコンカー、ラジコンバイク、電動モータによる車両に適用することができる。
そして、ベルトは樹脂製ベルトの他、金属製ベルトを使用することも可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明請求項1記載のベルト式無段変速機では、ドライブプーリの回転軸上の一方側に、プーリの外周に離接するクラッチ板を配設し、そのクラッチ板に遠心ローラを配置し、遠心ローラに作用する遠心力によって、クラッチ板が軸方向にスライドしてドライブプーリに動力が伝達される構成とし、クラッチ板がプーリに接続した後はエンジンの回転上昇によって、さらに、クラッチ板がプーリを押圧し、プーリ間を接近させて変速する構成としたので、クラッチ機構と変速装置が一体構成される。
スクーターの一般的な懸架形式であるスイングユニットやセミスイングユニットに本発明を用いた場合、クラッチが変速機と一体となっているためサスペンションピボットから遠い部分が軽くなる。その結果、ショックアブソーバへの負担が減って乗り心地、路面の追従性が向上する。
また、前記クラッチ当接側のプーリに回転軸上をスライドするトルクカム機構を配設し、そのトルクカム機構は、車両走行時にスロットルを戻した時に、前記ドライブプーリのトルクカムが車輪からのトルク入力により、回転軸上をプーリ離反方向にスライドする構成としたので、そのプーリ間が離反方向にスライドすることにより、シフトダウンが行なわれてエンジンブレーキ効果が得られる。
【0033】
請求項2記載のベルト式無段変速機では、トルクカム機構は回転軸上に螺旋回動可能に装着されたムーバブルフェイス(プーリ)によって構成され、車輪側からのトルク入力により、螺旋回動しながら軸方向へスライドする構成としたので、スロットルを戻した時に車輪からのトルク入力を受け止めて自動的にプーリ間が広がる。
【0034】
請求項3記載のベルト式無段変速機では、ドリブンプーリにもトルクカム機構を配設したので、スロットルを開けたときにはドリブンプーリのトルクカムが作動してスムーズな加速を可能とする。
【0035】
請求項4記載のベルト式無段変速機では、回転軸上をスライドするクラッチ板、及び回転軸上をスライドするプーリのスライド部にベアリングを配設したので、回転軸とのスライド抵抗が低下し、大きなパワーとトルクを受けてもクラッチ機構と変速機能をスムーズに作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルト式無段変速機の平面断面図である。
【図2】ベルト式無段変速機の平面図である。
【図3】ドライブプーリ近傍の断面図である。
【図4】ドライブプーリ近傍の平面図である。
【図5】クラッチ機構及び変速装置の分解図である。
【図6】ドライブプーリの分解図
【図7】ドリブンプーリの分解図である。
【図8】本発明の作用を(A)〜(D)の順に示す説明図である。
【図9】本発明の作用を(E)〜(H)の順に示す説明図である。
【図10】第2実施の形態に係るドライブプーリ近傍の断面図である。
【図11】第3実施の形態に係るドライブプーリの分解図である。
【図12】ドリブンプーリにベアリングを配設した場合の分解図である。
【図13】従来例に係るベルト式無段変速機の説明図である。
【図14】従来例のベルト式無段変速機の作用を(A)〜(D)の順に示す説明図である。
【符号の説明】
1 ドライブプーリ
2 クラッチ機構
3 遠心ローラ
4 変速装置
5 ドリブンプーリ
6 ベルト
8 クラッチ板
9 ハウジング
10 バネ
11 外歯
12 溝
13 ガイドピン
14 カバー
15 溝
16 ガイドピン
17 バネ
20 ベアリング
21 スライド溝
22 ベアリング
Claims (4)
- 出力軸側に配置され、プーリ間の間隔を離接させて径を調整するドライブプーリと、トランスミッションを介して車輪に連結されたドリブンプーリと、それらプーリ間に巻き掛けられるベルトとによって構成されるベルト式無段変速機において、
ドライブプーリの回転軸上の一方側に、プーリの外周に離接するクラッチ板を配設し、そのクラッチ板に遠心ローラを配置し、遠心ローラに作用する遠心力によって、クラッチ板が軸方向にスライドしてドライブプーリに動力が伝達される構成とし、クラッチ板がプーリに接続した後はエンジンの回転上昇によって、さらに、クラッチ板がプーリを押圧し、プーリ間を接近させて変速する構成とし、
前記クラッチ当接側のプーリに回転軸上をスライドするトルクカム機構を配設し、そのトルクカム機構は、車両走行時にスロットルを戻した時に、前記ドライブプーリのトルクカムが車輪からのトルク入力により、回転軸上をプーリ離反方向にスライドする構成とし、
そのプーリ間が離反方向にスライドすることにより、シフトダウンが行なわれてエンジンブレーキ効果を得ることを特徴とするベルト式無段変速機。 - 前記トルクカム機構は、回転軸上に螺旋回動可能に装着されたムーバブルフェイス(プーリ)によって構成され、車輪側からのトルク入力により、螺旋回動しながら軸方向へスライドすることを特徴とする請求項1記載のベルト式無段変速機。
- 前記ドリブンプーリにもトルクカム機構を配設し、スロットルを開けたときにはドリブンプーリのトルクカムが作動してスムーズな加速を可能とすることを特徴とする請求項1又は2記載のベルト式無段変速機。
- 回転軸上をスライドするクラッチ板、及び回転軸上をスライドするプーリのスライド部にベアリングを配設して、回転軸とのスライド抵抗を減少させたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のベルト式無段変速機。
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Cited By (8)
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|---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-02-25 JP JP2003047914A patent/JP2004257458A/ja active Pending
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