JP2004262067A - 印刷機の追い刷り装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の印刷ユニット21〜26と、ウェブ巻出し部3およびインフィード部4と、アウトフィード部5およびウェブ巻取り部6と、各印刷ユニットの版胴駆動用サーボモータ101〜106を同期駆動させるDSP部とを備える。印刷ユニットのうち、少なくとも1つの印刷ユニットを追い刷り印刷ユニットとし、その追い刷り印刷ユニットを挟む前後の印刷ユニットをウェブ送りユニットとして設定する。DSP部は、追い刷り印刷時に、設定された追い刷り印刷ユニットおよびウェブ送りユニットの版胴駆動用モータを同期駆動させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、既に絵柄が印刷されている被印刷物(ウェブ)に、さらに追加の印刷を行うための印刷機の追い刷り装置に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、グラビア印刷などにおいて、既に絵柄が印刷(先刷り)されているウェブに、さらに追加の印刷を行う、いわゆる、追い刷り(重ね刷り)印刷を行う場合がある。
たとえば、絵柄が同一で、販売店名、製造元名、製造に関する秤量など、一部のみが異なる印刷物を必要とする場合に、追い刷り(重ね刷り)印刷が行われる。この場合、異なる文字部分などを除いた印刷を予めまとめて総量分済ませておき、必要に応じて、異なる部分だけ製版した版胴を使用して、もう一度印刷機にかけて追い刷りを行う。
【0003】
ところで、包装用のグラビア印刷では、ウェブとして、伸び易いフィルムを用いることが多い。伸び易いフィルムをウェブとして用いた場合、グラビア印刷などの輪転印刷機では、ウェブにテンションを与えながらウェブに印刷を施しているため、先刷りの印刷ピッチと追い刷り用の印刷ピッチとを一致させることは困難である。
つまり、先刷りと追い刷りとでほぼ同じテンションをフィルムに与えることができたとしても、既に印刷、乾燥が行われたウェブの伸び状態を、追い刷りで完全に再現することは困難である。また、追い刷り用の版胴周長の製造誤差なども生じることから、テンションをかけて伸ばした状態で先刷りされた印刷ピッチと追い刷りの印刷ピッチとを一致させることは難しい。
【0004】
従来、先刷りされたウェブの見当マークに対して、追い刷り時の見当マークを合わせる見当合わせ作業は、まず、追い刷りを行う印刷ユニットにウェブを供給する側およびウェブを巻き取る側に設けられたインフィード部およびアウトフィード部のテンション調整で粗調整を行うとともに、版胴に対するウェブパスの上流側に設けた見当補正ローラを移動させてウェブパス長を増減することにより微調整を行っている(たとえば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−117950号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
見当補正ローラの移動による見当合わせ作業は、ウェブの伸びがわずかにマイナス、あるいは、わずかにプラスとなっている印刷された絵柄に連続して補正を行うことになるので、見当補正ローラは、一方向へのみ漸次移動(プラス方向あるいはマイナス方向)することになる。やがて、見当補正ローラがストロークエンドに達してしまうと、その後の見当ずれの修正に対しては、見当補正ローラが移動範囲を逸脱してしまっているため、修正不能の状況が発生しやすい。
【0007】
このような状況を回避すべく、見当補正ローラの移動範囲が連続運転中に微調整範囲内から外れることがないように、初期調整において、インフィード部またはアウトフィード部でのテンション調整(粗調整)を行っていたが、その粗調整時のテンション調整がきわめて困難で、多大な時間がかかる。
この時間を削減する方法として、先刷りウェブの印刷ピッチ長を計測し、それに合わせた胴径の追い刷り用版胴を製版することも考えられるが、これには費用がかかり、経済的でない。
【0008】
本発明の目的は、オペレータに多大な負荷を与えることなく、また、経済的な負担をかけることなく、追い刷り印刷時の初期調整を容易に行える印刷機の追い刷り装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の印刷機の追い刷り装置は、それぞれ版胴、圧胴、ガイドローラおよび前記版胴を駆動する版胴駆動用モータを有しかつ一列に配列された複数の印刷ユニットと、前記複数の印刷ユニットにウェブを供給するウェブ供給機構と、前記ウェブを巻き取るウェブ巻取機構と、前記複数の印刷ユニットの版胴駆動用モータを同期駆動させる統合制御部とを備えた印刷機の追い刷り装置において、前記1列に配列された複数の印刷ユニットのうち、配列端部側印刷ユニットを除く少なくとも1つの印刷ユニットを追い刷り印刷ユニットとして設定するとともに、その追い刷り印刷ユニットを挟む前後の印刷ユニットをウェブ送りユニットとして設定する追い刷り印刷設定手段を備え、前記統合制御部は、追い刷り印刷時に、前記追い刷り印刷設定手段で設定された追い刷り印刷ユニットおよびウェブ送りユニットの版胴駆動用モータを同期駆動させることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、追い刷り印刷設定手段によって、1列に配列された複数の印刷ユニットの中から少なくとも1つの印刷ユニットが追い刷り印刷ユニットとして設定されるとともに、その追い刷り印刷ユニットを挟む前後の印刷ユニットがウェブ送りユニットとして設定されると、これら追い刷り印刷ユニットおよびウェブ送りユニットの版胴駆動用モータが所定の速度で同期駆動される。
そのため、追い刷り印刷用として設定された追い刷り印刷ユニットを挟む前後の印刷ユニットの版胴および圧胴がウェブを挟んでウェブの送りを行うから、つまり、追い刷り印刷を行う追い刷り印刷ユニットに対して最も直近の印刷ユニットを用いてウェブのテンション調整を行うようにしたから、従来のように、追い刷り印刷ユニットから離れたインフィード部またはアウトフィード部でテンション調整(粗調整)を行う場合に比べ、見当合わせ作業を容易かつ短時間に行うことができる。従って、オペレータに多大な負荷を与えることなく、追い刷り印刷時の初期調整を容易に行うことができる。もとより、先刷りウェブの印刷ピッチ長に合わせた版胴の製作を行う必要もない。
とくに、追い刷り印刷ユニットおよびウェブ送りユニットの版胴駆動用モータを同期駆動させる際、たとえば、追い刷り印刷ユニットの版胴周速とウェブ送りユニットの版胴周速とにわずかな差が生じるように、追い刷り印刷ユニットおよびウェブ送りユニットの版胴駆動用モータを所定の速度で同期駆動させると、版胴周速差に応じたテンション変化がウェブに与えられるから、そのテンション変化分に応じて見当合わせを微細に行うことができる。
【0011】
以上において、前記統合制御部は、前記ウェブ送りユニットの版胴周速を、前記追い刷り印刷ユニットの版胴周速に対して予め設定された比率で制御することが望ましい。
この構成によれば、追い刷り印刷ユニットの版胴周速を変化させると、その版胴周速に対して予め設定された比率でウェブ送りユニットの版胴周速が変化されるから、追い刷り印刷ユニットの版胴周速の変化に対しても、ウェブにかかるテンションを一定に維持することができる。つまり、速度変更時におけるテンションの安定性、即ち、見当の安定性も高めることができる。
【0012】
また、前記各印刷ユニット毎に、追い刷り印刷を行う追い刷り印刷ユニットの版胴周速に対する各印刷ユニットの版胴周速の比率を設定する版胴周速比率設定手段が備えられ、前記統合制御部は、前記版胴周速比率設定手段で設定された比率で、前記追い刷り印刷ユニットおよびウェブ送りユニットの版胴を回転駆動させることが望ましい。
この構成によれば、各印刷ユニット毎に版胴周速比率設定手段が備えられているから、追い刷り印刷を行う追い刷り印刷ユニットが設定されると、その追い刷り印刷ユニットを挟む前後の印刷ユニットに対応する版胴周速比率設定手段から、追い刷り印刷ユニットの版胴周速に対する各印刷ユニットの版胴周速の比率を設定することができる。すると、統合制御部は、各版胴周速比率設定手段で設定された比率で、追い刷り印刷ユニットおよびウェブ送りユニットの版胴を回転駆動させるから、各印刷ユニット毎に版胴の周速を任意に設定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る印刷機の追い刷り装置を適用した6連式ストレートグラビア輪転印刷機を示している。同グラビア輪転印刷機1は、1列に配置された6台の印刷ユニット21〜26を備え、ストレート印刷(ウェブをこれらの印刷ユニット21〜26に連続的に通過させて印刷)により6色刷りを行う機能と、少なくとも1台の印刷ユニットを用いて追い刷り印刷を行う機能とを備えている。
印刷ユニット21の上流側(図1の左側)には、ウェブ供給機構としての巻出し部3およびインフィード部4が、また、印刷ユニット26の下流側(図1の右側)には、ウェブ巻取機構としてのアウトフィード部5および巻取り部6がそれぞれ配置されている。
【0014】
各印刷ユニット21〜26には、それぞれ印刷部を構成する版胴7、圧胴8および回転フリーの複数のガイドローラ9が設けられているとともに、版胴7を駆動する版胴駆動用サーボモータ101〜106が変速歯車(図示せず)を介して設けられている。これらのサーボモータ101〜106により、各印刷ユニット21〜26に設けられた版胴7がそれぞれ独立して駆動できるようになっている。
【0015】
図2は、グラビア輪転印刷機1の制御系を示している。駆動制御装置20は、統合制御部として動作するDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)部21と、各種データを記憶するメモリ部22と、版胴サーボコントローラ(制御回路)231〜236と、テンション制御部25と、入出力I/F(インタフェース)部26とを含んで構成されている。
【0016】
入出力I/F部26には、追い刷り印刷設定手段としての入力装置27と、CRTなどの表示装置28と、各印刷ユニット21〜26毎に設けられた版胴周速比率設定手段としての版胴周速比率設定器291〜296とがそれぞれ接続されている。
入力装置27には、図3に示すように、「0」「1」〜「9」のテンキー、クリアキー「C」および入力キー「入力」と、追い刷り印刷ユニット指定キー「追い刷り印刷ユニット」およびウェブ送りユニット指定キー「ウェブ送りユニット」と、カーソル移動キー「←」「↑」「→」「↓」と、印刷終了キー「刷了」と、次JOB選択キー「次JOB選択」とがそれぞれ配列されている。これらのうち、「0」「1」〜「9」のテンキー、クリアキー「C」、入力キー「入力」、追い刷り印刷ユニット指定キー「追い刷り印刷ユニット」およびウェブ送りユニット指定キー「ウェブ送りユニット」によって、1列に配列された印刷ユニット21〜26のうち、配列端部側印刷ユニット21,26を除く少なくとも1つの印刷ユニット22〜25を追い刷り印刷ユニットとして設定するとともに、その追い刷り印刷ユニット22〜25を挟む前後の印刷ユニット21〜26をウェブ送りユニットとして設定できるようになっている。
版胴周速比率設定器291〜296は、各印刷ユニット21〜26において、先刷りと追い刷りの見当マークを目視できる場所で版胴7の近傍に設定されている。また、構成的には、図4に示すように、追い刷り印刷を行う追い刷り印刷ユニットの版胴周速に対する各印刷ユニット21〜26の版胴周速の比率を増速または減速操作により変更できるようになっている。
【0017】
メモリ部22には、入力装置27によって設定された追い刷り印刷ユニットと、その追い刷り印刷ユニット22〜25を挟む前後のウェブ送りユニット21〜26とが記憶されるようになっているとともに、各種データ(たとえば、追い刷り印刷ユニットおよびウェブ送りユニットの版胴径など)が記憶されるようになっている。
【0018】
DSP部21は、入力装置27からJOBNO、追い刷り印刷ユニット番号およびウェブ送りユニット番号が入力されると、これらのデータをメモリ部22に記憶させる。また、印刷機制御装置40から運転指令、速度指令が与えられと、ストレート印刷の場合、印刷を実行する印刷ユニットの版胴サーボコントローラ231〜236へ同時にそれぞれ単独の位置指令(回転角)信号を与える。さらに、追い刷り印刷の場合、設定された追い刷り印刷ユニットおよびウェブ送りユニットの版胴サーボコントローラ231〜236に位置指令信号を与える。
【0019】
また、DSP部21は、定速運転時には速度指令に応じた時間間隔を維持し、位置指令信号を連続してサーボコントローラ231〜236へ発生する。このとき、DSP部21のソフトウェア同期により各版胴7の同期性を維持する。加速時、減速時には所定の角加速度による加速時間、減速時間に従った変化率を維持しつつ、位置指令信号を連続して発生し、すなわち、DSP部21のソフトウェア同期により各版胴7の同期性を維持する。
【0020】
各版胴サーボコントローラ231〜236は、DSP21より速度指令信号が制御目標値として与えられる。これを受けて、サーボアンプ301〜306から指令信号に対応した駆動信号がサーボモータ101〜106へ出力されると、サーボモータ101〜106の軸端に接続されているエンコーダ121〜126から回転角信号が位置フィードバック信号として版胴サーボコントローラ231〜236に入力される。版胴サーボコントローラ231〜236は、固定周期(サーボ系サンプリング周期)の位置ループ321〜326を構成し、各サーボ系を制御するソフトウエアサーボ機能を持つ。
【0021】
テンション制御部25は、版胴サーボコントローラ231〜236への指令信号に同期した、DSP部21からのテンション制御指令信号により同期駆動される。つまり、テンション制御部25は、DSP部21よりのテンション制御指令信号に基づいて、巻出し部3、インフィード部4、アウトフィード部5、巻取り部6へ駆動信号を出力し、ウェブテンション制御を行う。
【0022】
以上の構成において、追い刷り印刷を行うには、一列に配列された印刷ユニット22〜25の中から、追い刷り印刷を行う印刷ユニットを設定するとともに、その追い刷り印刷ユニットを挟む前後の印刷ユニットをウェブ送りユニットとして設定する。
たとえば、印刷ユニット22を追い刷り印刷ユニットとして、その追い刷り印刷ユニット22を挟む前後の印刷ユニット21,23をウェブ送りユニットとして設定するには、入力装置27において、テンキーや追い刷り印刷ユニット指定キー「追い刷り印刷ユニット」およびウェブ送りユニット指定キー「ウェブ送りユニット」などを操作して行う。すると、これらの追い刷り印刷ユニット番号およびウェブ送りユニット番号がメモリ部22に記憶される。
【0023】
また、追い刷り印刷ユニット22を挟む前後の印刷ユニット21,23の版胴周速比率設定器291,293において、追い刷り印刷ユニット22の版胴周速に対する印刷ユニット21,23の版胴周速の比率を設定する。すると、これらの比率がメモリ部22に記憶される。
【0024】
さて、以上の準備ののち、巻出し部3に印刷済みのウェブを取り付け、この印刷済みのウェブを印刷ユニット21,22,23を通して巻取り部6に巻き取らせる。
ここで、先刷りと追い刷りとの見当マークが一致するように初期位相調整した後、調整速度(低速)で印刷を開始する。印刷開始後、追い刷りに対し先刷り見当が進む場合には、インフィード部側ウェブ送りユニット(この場合、印刷ユニット21)の版胴速度(周速)を遅くする。逆に、追い刷りに対し先刷りが遅れる場合には、インフィード部側ウェブ送りユニット(この場合、印刷ユニット21)の版胴速度(周速)を早くする。
【0025】
これら調整終了後、通常運転速度へ印刷速度を上げ、印刷を継続する。印刷速度を通常運転速度へ上げていくと、つまり、追い刷り印刷ユニット22の版胴速度(周速)を上げていくと、版胴周速比率設定器291,293において予め設定されている比率、つまり、追い刷り印刷ユニット22の版胴周速に対する印刷ユニット21,23の版胴周速の比率で、印刷ユニット21,23の版胴速度(周速)が変化されていくから、一定のテンションがウェブにかかった状態で速度が通常運転速度まで上昇されていく。
また、追い刷り印刷時の微調整は、自動見当調整装置(図示省略)により見当補正ローラの位置を調整することで所望の見当性が維持される。
【0026】
ここで、追い刷り印刷ユニット22の前後のウェブ送りユニット21、23の版胴周速、追い刷り印刷ユニット22の版胴周速との差により発生する版胴/版胴間のウェブテンションTは、次式で表される。
T={(V−U)/V}×A・E
なお、U:追い刷り印刷ユニット前後のウェブ送りユニットの版胴周速[m/sec]
V:追い刷り印刷ユニットの版胴周速[m/sec]
A:ウェブ断面積[mm2]
E:ウェブ縦弾性係数[GPa]
【0027】
これは、追い刷り印刷ユニット22の版胴周速を一定とし、追い刷り印刷ユニット22前後のウェブ送りユニット21,23の版胴周速を変更することで、版胴/版胴間のウェブテンションTを変更できることを示している。更に、追い刷り印刷ユニット22前後のウェブ送りユニット21,23の版胴周速の微少な変更により、版胴/版胴間のウェブテンションTの微細な変更が可能であることを示している。
【0028】
たとえば、0.001%単位で追い刷り印刷ユニット22前後のウェブ送りユニット21,23の版胴周速を変更する場合、ウェブ幅「1000mm」、ウェブ厚「25μm」、ウェブ縦弾性係数「4GPa」のPETフィルムの場合、「1N」単位でのテンション調整が可能である。
これは、インフィード部4およびアウトフィード部5と、追い刷り印刷ユニット22との間に送りローラなどが設置されていないと、追い刷り印刷ユニット22の版胴7前後のウェブテンションが直接インフィード部4、アウトフィード部5のテンション制御性能に左右されてしまうが、この構成に比べ、本実施形態の構成は追い刷り時の見当調整時の操作性が向上することを示している。
【0029】
更に、追い刷り印刷ユニット22の版胴7と、この前後のウェブ送りユニット21,23の版胴7とが同期駆動され、しかも、前後のウェブ送りユニット21,23の版胴周速は、追い刷り印刷ユニット22の版胴周速に対する比率で制御されているから、追い刷り印刷ユニット22の版胴周速増減時にも前後のウェブ送りユニット21,23の版胴周速が同比率で同期制御される。このため、ウェブのテンションに変動が発生し難くなり、追い刷り印刷の見当安定性の維持が容易となる。
【0030】
ここで、追い刷り印刷ユニット22前後のウェブ送りユニット21,23の版胴位置指令信号は、次のようにして求める。
入力装置27または印刷機を制御する印刷機制御装置40などの版胴径入力手段から、追い刷り印刷ユニット22の版胴の径「DP」、追い刷り印刷ユニット22前後のウェブ送りユニット21,23の版胴の径「DF」がDSP部21に入力される。
すると、DSP部21では、予め設定されている版胴/版胴駆動用サーボモータ間変速比「GP」より次の演算を行う。
【0031】
DF :追い刷り印刷ユニット前後のウェブ送りユニットの版胴径
GP :版胴/版胴駆動用サーボモータ間変速比
DP :追い刷り印刷ユニットの版胴径
NF :追い刷り印刷ユニット前後のウェブ送りユニットの版胴駆動用サーボモータ回転数
N :追い刷り印刷ユニットの版胴駆動用サーボモータ回転数
(=版胴サーボモータ位置指令:単位時間当たりの位置変化を与える指令)
V :ウェブ速度
として、
追い刷り印刷ユニット22の版胴周上でのウェブ速度Vを
V=N・GP・πDP……(1)
から求める。
【0032】
また、追い刷り印刷ユニット22前後のウェブ送りユニット21,23の版胴周速を、ウェブ速度Vと同速として、
V=NF・GP・πDF……(2)
から求める。よって、(1)(2)式より、
NF=N・DP/DF
K=DP/DF
として、定数Kを求める。
【0033】
DSP部21では、印刷機制御装置40からの速度指令に対応して、位置指令(回転角)信号(単位時間当たりの位置変化を与える指令)を求め、これを追い刷り印刷ユニット22の版胴サーボコントローラ232に与える。また、前記定数Kから追い刷り印刷ユニット22前後のウェブ送りユニット21,23の版胴サーボコントローラ231,233に与える位置指令信号を求め、これをウェブ送りユニット21,23の版胴サーボコントローラ231,233に与える。
【0034】
本実施形態によれば、次の作用効果が期待できる。
(1)1列に配列された複数の印刷ユニット21〜26の中から少なくとも1つの印刷ユニット22が追い刷り印刷ユニットとして設定されるとともに、その追い刷り印刷ユニット22を挟む前後の印刷ユニット21,23がウェブ送りユニットとして設定されると、これら追い刷り印刷ユニット22およびウェブ送りユニット21,23の版胴駆動用サーボモータ101,102,103が所定の速度で同期駆動される。
そのため、追い刷り印刷ユニット22を挟む前後の印刷ユニット21,23の版胴7および圧胴8がウェブを挟んでウェブの送りを行うから、つまり、追い刷り印刷を行う追い刷り印刷ユニット22に対して最も直近の印刷ユニット21,23を用いてウェブのテンション調整を行うようにしたから、従来のように、追い刷り印刷ユニットから離れたインフィード部またはアウトフィード部でテンション調整(粗調整)を行う場合に比べ、見当合わせ作業を容易かつ短時間に行うことができる。従って、オペレータに多大な負荷を与えることなく、追い刷り印刷時の初期調整を容易に行うことができる。もとより、先刷りウェブの印刷ピッチ長に合わせた版胴の製作を行う必要もない。
【0035】
(2)追い刷り印刷ユニット22およびウェブ送りユニット21,23の版胴駆動用サーボモータ101,102,103を同期駆動させる際、たとえば、追い刷り印刷ユニット22の版胴周速とウェブ送りユニット21,23の版胴周速とにわずかな差が生じるように、追い刷り印刷ユニット22およびウェブ送りユニット21,23の版胴駆動用サーボモータ101,102,103を所定の速度で同期駆動させると、版胴周速差に応じたテンション変化がウェブに作用するから、そのテンション変化分に応じて見当合わせを微細に行うことができる。
【0036】
(3)DSP部21は、ウェブ送りユニット21,23の版胴周速を、追い刷り印刷ユニット22の版胴周速に対して予め設定された比率で制御するようにしたので、追い刷り印刷ユニット22の版胴周速を変化させると、その版胴周速に対して予め設定された比率でウェブ送りユニット21,23の版胴周速が変化されるから、追い刷り印刷ユニット22の版胴周速の変化に対しても、ウェブにかかるテンションを一定に維持することができる。つまり、速度変更時におけるテンションの安定性、即ち、見当の安定性も高めることができる。
【0037】
(4)印刷ユニット21〜26毎に、追い刷り印刷を行う追い刷り印刷ユニットの版胴周速に対する各印刷ユニット21〜26の版胴周速の比率を設定する版胴周速比率設定器291〜296が設けられているから、追い刷り印刷を行う追い刷り印刷ユニット22が設定されると、その追い刷り印刷ユニット22を挟む前後の印刷ユニット21,23に対応する版胴周速比率設定器291〜296から、追い刷り印刷ユニット22の版胴周速に対する印刷ユニット21,23の版胴周速の比率を設定することができる。すると、DSP部21は、版胴周速比率設定器291〜296で設定された比率で、追い刷り印刷ユニット22およびウェブ送りユニット21,23の版胴を回転駆動させるから、各印刷ユニット21〜26毎に版胴の周速を任意に設定することができる。
【0038】
なお、本発明は、上記各実施形態で説明した印刷機に限定されるものでなく、次のような変形例も含む。
上記各実施形態では、一列に配列された印刷ユニット21〜26の中から、1台の追い刷り印刷ユニット22を設定したが、1台に限らず、2台以上でもよい。この場合、その複数台の追い刷り印刷ユニットを挟む前後の印刷ユニットをウェブ送りユニットとして設定すればよい。
【0039】
また、テンション制御部25は、上記実施形態の構成に限らず、ウェブに所望のテンションを与えることができる構成であれば、どのような構成でもよい。
また、圧胴8については、ウエブに接し、そのウエブの走行に従って回転する構造であったが、これも版胴7と同様に各印刷ユニットごとに単独駆動させ、これらをDSP21で同期制御するようにしてもよい。
【0040】
また、ガイドローラ9についても、ウエブに接し、ウェブの走行に従って回転する構造であったが、これらのガイドローラ9も単独で回転できるようにし、かつ、版胴7および圧胴8の周速と同期させるようにしてもよい。この場合、ガイドローラ9と版胴7、または、ガイドローラ9と圧胴8とを連結し、版胴7または圧胴8の駆動源をガイドローラ9の駆動源としてもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明の印刷機の追い刷り装置によれば、オペレータに多大な負荷を与えることなく、また、経済的な負担をかけることなく、追い刷り印刷時の初期調整を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るグラビア輪転印刷機を示す全体構成図。
【図2】同上実施形態のグラビア輪転印刷機の制御系を示すブロック図。
【図3】同上実施形態の入力装置を示す図。
【図4】同上実施形態の版胴周速比率設定器を示す図。
【符号の説明】
1 輪転印刷機
21〜26 印刷ユニット
3 巻出し部(ウェブ供給機構)
4 インフィード部(ウェブ供給機構)
5 アウトフィード(ウェブ巻取機構)
6 巻取り部(ウェブ巻取機構)
7 版胴
8 圧胴
9 ガイドローラ
101〜106 版胴駆動用サーボモータ(版胴駆動用モータ)
121〜126 エンコーダ
21 DSP部(統合制御部)
22 メモリ
231〜236 版胴サーボコントローラ
25 テンション制御部
27 入力装置(追い刷り印刷設定手段)
291〜296 版胴周速比率設定器(版胴周速比率設定手段)
Claims (3)
- それぞれ版胴、圧胴、ガイドローラおよび前記版胴を駆動する版胴駆動用モータを有しかつ一列に配列された複数の印刷ユニットと、前記複数の印刷ユニットにウェブを供給するウェブ供給機構と、前記ウェブを巻き取るウェブ巻取機構と、前記複数の印刷ユニットの版胴駆動用モータを同期駆動させる統合制御部とを備えた印刷機の追い刷り装置において、
前記1列に配列された複数の印刷ユニットのうち、配列端部側印刷ユニットを除く少なくとも1つの印刷ユニットを追い刷り印刷ユニットとして設定するとともに、その追い刷り印刷ユニットを挟む前後の印刷ユニットをウェブ送りユニットとして設定する追い刷り印刷設定手段を備え、
前記統合制御部は、追い刷り印刷時に、前記追い刷り印刷設定手段で設定された追い刷り印刷ユニットおよびウェブ送りユニットの版胴駆動用モータを同期駆動させることを特徴とする印刷機の追い刷り装置。 - 請求項1に記載の印刷機の追い刷り装置において、
前記統合制御部は、前記ウェブ送りユニットの版胴周速を、前記追い刷り印刷ユニットの版胴周速に対して予め設定された比率で制御することを特徴とする印刷機の追い刷り装置。 - 請求項1または請求項2に記載の印刷機の追い刷り装置において、
前記各印刷ユニット毎に、追い刷り印刷を行う追い刷り印刷ユニットの版胴周速に対する各印刷ユニットの版胴周速の比率を設定する版胴周速比率設定手段が備えられ、
前記統合制御部は、前記版胴周速比率設定手段で設定された比率で、前記追い刷り印刷ユニットおよびウェブ送りユニットの版胴を回転駆動させることを特徴とする印刷機の追い刷り装置。
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| CN112046148A (zh) * | 2020-09-03 | 2020-12-08 | 武汉华茂自动化股份有限公司 | 一种凹版印刷机废品控制方法及系统 |
| CN114905837A (zh) * | 2022-04-01 | 2022-08-16 | 中山优莱特印刷机械有限公司 | 一种减少木纹纸印刷接料损耗的印刷系统 |
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