JP2004265545A - 磁気ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温高湿環境に置かれた場合にも、エンクロージャ内部の湿度を所定の値に維持できる呼吸フィルターの構造と、これを搭載する磁気ディスク装置の実現が困難であった。
【解決手段】▲1▼磁気ディスク装置の呼吸孔及び周辺につき、外気の流入経路を狭くて長い通気路とし、拡散抵抗を大きくする。▲2▼十分な分量の調湿剤を搭載可能な構造とし、呼吸孔以外の部分、例えば、ベースとカバーとの間のパッキン、から侵入した水蒸気を吸収・保持する構造とする。
より具体的には、▲3▼シート状の調湿剤8をフィルタ9で包んだものを、空気通路5の一部を形成する遮断フィルム7を介して、空気通路5の一部を形成する両面接着テープ10により、カバー1bの裏面に固定する構造とする。
【選択図】 図4
【解決手段】▲1▼磁気ディスク装置の呼吸孔及び周辺につき、外気の流入経路を狭くて長い通気路とし、拡散抵抗を大きくする。▲2▼十分な分量の調湿剤を搭載可能な構造とし、呼吸孔以外の部分、例えば、ベースとカバーとの間のパッキン、から侵入した水蒸気を吸収・保持する構造とする。
より具体的には、▲3▼シート状の調湿剤8をフィルタ9で包んだものを、空気通路5の一部を形成する遮断フィルム7を介して、空気通路5の一部を形成する両面接着テープ10により、カバー1bの裏面に固定する構造とする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク装置の呼吸フィルターに係り、特に、エンクロージャ内部に多量の調湿剤を保持可能なフィルター構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク装置は、磁気ディスク媒体上に微小隙間を保ちつつ、磁気ヘッドを浮上させて磁気記録再生を行っている。このため塵埃を嫌い、通常は、磁気ディスク媒体及び磁気ヘッドその他の部品は、エンクロージャのベースとカバーの間で密閉されている。
【0003】
厳密には、塵埃の侵入を防止し、エンクロージャの内外で生じた圧力差を解消するため、エンクロージャの内部と外部で通気する、呼吸孔が設けられている。この呼吸孔から通気する際に、有害なガス及び水蒸気が一緒に侵入するのを防ぐため、ガス吸着及び調湿機能を有するフィルターが、呼吸孔に取付られている。
【0004】
エンクロージャ内部の湿度が高すぎると、局部的に結露が発生し、ヘッドの腐食となることがある。かかる不具合の発生を防止するためには、エンクロージャ内部の湿度をコントロールする必要がある。このため磁気ディスク装置は、エンクロージャ内部に吸脱湿型の活性炭を設けている。
【0005】
吸脱湿型活性炭とは、活性炭の吸水量に平衡状態があり、周囲の湿度がそれよりも高いときには吸水し、逆に低いときには水分を吐き出す特性を持っている。この活性炭は、エンクロージャ内部の湿度(相対湿度)を一定に保とうとする働きを持っている。
【0006】
一方、磁気ディスク装置に設けられた呼吸孔は、温度その他の環境変化に関わらず、内部の圧力を一定に保つ機能を有する。もし呼吸孔が無いと、装置の温度が上昇した際に装置内部の圧力が上昇して、ヘッドの浮上量が変化したり、エンクロージャの強度が弱い部分が変形するなどの悪影響が生じる可能性があるので、それを防止するためである。
【0007】
この呼吸孔は、エンクロージャ内部の湿度コントロールについては悪影響を与える。外部環境が高温高湿になると、水分が、拡散や呼吸によって、この呼吸孔を通って、エンクロージャ内部へ侵入し、湿度が上昇するからである。
これを防ぐため、呼吸孔の流路抵抗を極力大きくして、拡散による水分の侵入を抑制する構造(特開平7−14377)がある。この装置においては、エンクロージャを構成するカバーの内部に呼吸孔及び空気通路が形成されている。吸脱湿型の活性炭等の配置については触れられておらず、呼吸孔周辺の構造が磁気ディスク装置において占有する体積についての配慮が十分でない。したがって、2.5インチ型やそれより小型化、軽量化を要求される装置には不向きである。
【0008】
また、小型大容量の磁気ディスク装置に於いては、その用途の拡張に伴い、例えば、車載用途の場合には使用環境が悪化している。高温高湿環境での使用に際して、呼吸孔からの水分侵入だけでけでなく、ベースとカバーとの間のパッキン部材からの水分の侵入も大きく、エンクロージャー内部の湿度コントロールがさらに重要になる。
【0009】
【特許文献1】特開平7−14377号公報
【発明が解決しようとする課題】
磁気ディスク装置は、密閉構造ではあるが、呼吸孔及び、パッキンとベース若しくはカバーとの間の、比較的外気との遮断が弱い部分から、水蒸気がエンクロージャ内部に侵入するという問題があった。このことは、磁気ディスク装置を高温高湿環境に長期間さらす場合に、装置の信頼性を損なうこととなる。特に、低湿度に保つ技術が十分でなかった。
【0010】
高温高湿環境に置かれた場合にも、エンクロージャ内部の湿度をコントロールできる呼吸フィルターの構造と、エンクロージャ内部を低湿度に維持できる磁気ディスク装置の実現が期待されていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
▲1▼磁気ディスク装置の呼吸孔及び周辺につき、外気の流入経路を狭くて長い通気路とし、拡散抵抗を大きくする。▲2▼十分な分量の調湿剤を搭載可能な構造とし、呼吸孔以外の部分、例えば、ベースとカバーとの間のパッキン、から侵入した水蒸気を吸収・保持する構造とする。
【0012】
より具体的には、▲3▼シート状の調湿剤8をフィルタ9で包んだものを、空気通路5の一部を形成する遮断フィルム7を介して、空気通路5の一部を形成する両面接着テープ10により、カバー1bの裏面に固定する構造とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態である磁気ディスク装置の概略構成を示す平面図である。図2は、図1の断面図である。
エンクロージャ1に、磁気ディスク媒体20やアクチュエータ22を有するディスク機構23が収納されている。エンクロージャ1は、箱状のベース1a(図2)とカバー1bとパッキン1cによって密閉される。カバー1bは取り外し可能となっている。ディスク機構23は、磁気ディスク媒体20とアクチュエータ22を、それぞれ駆動する、スピンドルモータ21とボイスコイルモータ23とを有する。アクチュエータの先端部には磁気ヘッド24が搭載されている。
【0014】
更に、エンクロージャ1の内側には、カバー1bの裏面、磁気ディスク媒体20の上方に、呼吸フィルター3(図2)を有する。
呼吸フィルター3は、カバー1bに設けられた呼吸孔15の直下に配置されている。この呼吸孔15は、エンクロージャ内外で圧力差が生じたときにその圧力差を無くすために設けられている。
【0015】
図3は、呼吸フィルターの構造を説明する平面図である。図4は図3の断面図である。
空気通路5(図3)は、両面接着テープ10に開口したパターンにより形成されており、そのパターンは、図1、図3に示すように通路の長さを大きくするよう、曲線の組合せから成る。パターンは磁気ディスク媒体上の点が、磁気ディスク媒体の回転に伴い形成する軌跡に沿うものであっても良い。図1、図3では、この軌跡にジグザグ曲線を重畳したものとなっている。パターンの両端には、呼吸孔15に対応する呼吸孔部4と、エンクロージャ内部への入口部6とが設けられている。
ポリエステル製の遮断フィルム7は、図3の紙面において、両面接着テープ10の裏側、図4において空気通路5を介してカバー1bの裏面、シート状の調湿剤8の直上に配置されている。
【0016】
呼吸フィルター3は、調湿剤8(図4)と、調湿剤8を囲み不織紙その他通気性のある素材から成るフィルター9と、呼吸孔15と連通する空気通路5と、
空気通路5の一部を形成する遮断フィルム7と、フィルター9に包まれた調湿剤8をカバー1bに固定し、遮断フィルム7を固定する両面接着テープ10とを有する。両面接着テープ10の厚さが、空気通路5の空間を形成している。
【0017】
呼吸フィルター3は、磁気ディスク媒体20の上に配置され、カバー1bの裏面に接着され、その形状はシート状で、磁気ディスク媒体20と同等の円弧を有する扇型である。
接着面積を大きくすれば、調湿剤8の分量を多くしても、安定して保持することができる。調湿剤8は、エンクロージャ1との容積比で、1/20程度を搭載することが目安となる。1/20を越えても良いし、調湿剤8の性能によっては、1/20未満でも良い。因みに、2.5型磁気ディスク装置でエンクロージャの容積は約18ccである。
本実施の態様の構造であれば、高温高湿環境でエンクロージャの外部31(図4)から呼吸孔15を経由して、またパッキン1c(図2)の周辺から、水蒸気が侵入しても、エンクロージャの内部30(図4)の湿度を、長期間に亘り、一定に保つことが可能となる。
【0018】
図5は、エンクロージャの容積と調湿剤搭載量(体積)の関係を示す図である。
本実施の態様の構造であれば、従来例に比べて調湿剤の搭載量を飛躍的に増加できる。十分な量の調湿剤により、磁気ディスク装置の信頼性を向上することができる。
呼吸フィルター3の有効表面積が広く、磁気ディスク媒体20を覆うように設けられているので(図1)、水蒸気の吸着が速やかに行われ、結露現象に強い。エンクロージャ内部の磁気ディスク媒体、ヘッドその他の部品が結露する前に、水蒸気を吸湿できる。
【0019】
呼吸孔15から進入してきた水蒸気や、装置に有害なガスは、カバー1bと遮断フィルム7、両面接着テープ10で囲まれた空気通路5の空間を通り、エンクロージャ内部への入口部6の付近で、吸着される。
外気と共に流入して来た塵埃は、入口部6を経て、フィルター9により取り除かれ、清浄な外気がエンクロージャの内部30に導かれる。
空気通路5の形状の概略は、例えば、厚み0.15mm、幅0.8mm、長さ50mmである。流路抵抗が大であり、拡散によるガス及び水蒸気の侵入を有効に抑制できる。空気通路5の長さは50mmに限られず、−20%から+20%程度の幅で調整でき、効果も同等である。好ましくは50mmより長くすべきである。但し、圧力損失が大きくなったときは、厚みで流路抵抗を調整すればよい。本実施の形態に係る呼吸フィルター3は、シート状で面積が広いので、空気通路5を長く形成できる。カバー1bに呼吸孔15を設けるだけでカバー1bの構造が簡単になる。
【0020】
本実施の態様の呼吸フィルター3であれば、圧力損失を、流量3ml/minの場合に1200Paを越えない大きさとすることができる。圧力損失を小さくでき、エンクロージャ内外の圧力差に追従でき、拡散効果を大きくできる。入口部6の面積を変えれば、圧力損失を変えることができる。
呼吸フィルター3の圧力損失は、空気通路5の流路抵抗とフィルター9の通気特性、調湿材8の通気特性から導かれる。ここで、空気通路5を長くすると流路抵抗が大きくなり圧力損失が増える。入口部6の面積、フィルタ9の通気面積、又は、遮断フィルム7の端部が入口部6と交わる線分の長さ、を大きくすれば、圧力損失を小さくすることができる。なお同じ流量で空気が流れた場合、圧力損失は通気面積に反比例する。
【0021】
図6は、高温高湿環境で、本実施の形態の磁気ディスク装置を放置した場合における、エンクロージャ内部の湿度と経過時間の関係を示す図である。
このように、高信頼度化を達成でき、エンクロージャ内を比較的長期に亘り低湿度に保つ磁気ディスク装置を提供することができた。なお、本実施の形態では、外気の水蒸気について記載しているが、外気のガスの侵入及びエンクロージャ内部の部品から発生するガスについても吸着することが可能である。また、本実施の形態では、呼吸フィルターをカバー1bに配置しているが、カバー1b以外の場所、例えば、ベース1aの底面、に配置しても良い。
【0022】
【発明の効果】
高温高湿の環境下で長時間連続して使用または保管しても、磁気ディスク装置のエンクロージャ内部の湿度上昇を抑制し、水蒸気による、ヘッド、磁気ディスク媒体の動作障害を防止する効果を有する。また、この効果を比較的長期間維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である磁気ディスク装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】呼吸フィルターの構造を説明する平面図である。
【図4】図3の断面図である。
【図5】エンクロージャの容積と調湿剤搭載量(体積)の関係を示す図である。
【図6】高温高湿環境で、本実施の形態の磁気ディスク装置を放置した場合における、エンクロージャ内部の湿度と経過時間の関係を示す図である。
【符号の説明】
1…エンクロジャー、 1a…ベース、
1b…カバー、 1c…パッキン、
3…呼吸フィルター、 4…空気通路(呼吸孔部)、
5…空気通路、
6…空気通路端部(エンクロージャ内部への入口)、
7…遮断フィルム、 8…調湿剤、
9…フィルター、 10…両面接着テープ、
15…呼吸孔、 20…ディスク、
21…スピンドルモータ、 22…アクチュエータ、
23…ボイスコイルモータ、 24…ヘッド、
30…エンクロージャー内部、 31…エンクロージャ外部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク装置の呼吸フィルターに係り、特に、エンクロージャ内部に多量の調湿剤を保持可能なフィルター構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク装置は、磁気ディスク媒体上に微小隙間を保ちつつ、磁気ヘッドを浮上させて磁気記録再生を行っている。このため塵埃を嫌い、通常は、磁気ディスク媒体及び磁気ヘッドその他の部品は、エンクロージャのベースとカバーの間で密閉されている。
【0003】
厳密には、塵埃の侵入を防止し、エンクロージャの内外で生じた圧力差を解消するため、エンクロージャの内部と外部で通気する、呼吸孔が設けられている。この呼吸孔から通気する際に、有害なガス及び水蒸気が一緒に侵入するのを防ぐため、ガス吸着及び調湿機能を有するフィルターが、呼吸孔に取付られている。
【0004】
エンクロージャ内部の湿度が高すぎると、局部的に結露が発生し、ヘッドの腐食となることがある。かかる不具合の発生を防止するためには、エンクロージャ内部の湿度をコントロールする必要がある。このため磁気ディスク装置は、エンクロージャ内部に吸脱湿型の活性炭を設けている。
【0005】
吸脱湿型活性炭とは、活性炭の吸水量に平衡状態があり、周囲の湿度がそれよりも高いときには吸水し、逆に低いときには水分を吐き出す特性を持っている。この活性炭は、エンクロージャ内部の湿度(相対湿度)を一定に保とうとする働きを持っている。
【0006】
一方、磁気ディスク装置に設けられた呼吸孔は、温度その他の環境変化に関わらず、内部の圧力を一定に保つ機能を有する。もし呼吸孔が無いと、装置の温度が上昇した際に装置内部の圧力が上昇して、ヘッドの浮上量が変化したり、エンクロージャの強度が弱い部分が変形するなどの悪影響が生じる可能性があるので、それを防止するためである。
【0007】
この呼吸孔は、エンクロージャ内部の湿度コントロールについては悪影響を与える。外部環境が高温高湿になると、水分が、拡散や呼吸によって、この呼吸孔を通って、エンクロージャ内部へ侵入し、湿度が上昇するからである。
これを防ぐため、呼吸孔の流路抵抗を極力大きくして、拡散による水分の侵入を抑制する構造(特開平7−14377)がある。この装置においては、エンクロージャを構成するカバーの内部に呼吸孔及び空気通路が形成されている。吸脱湿型の活性炭等の配置については触れられておらず、呼吸孔周辺の構造が磁気ディスク装置において占有する体積についての配慮が十分でない。したがって、2.5インチ型やそれより小型化、軽量化を要求される装置には不向きである。
【0008】
また、小型大容量の磁気ディスク装置に於いては、その用途の拡張に伴い、例えば、車載用途の場合には使用環境が悪化している。高温高湿環境での使用に際して、呼吸孔からの水分侵入だけでけでなく、ベースとカバーとの間のパッキン部材からの水分の侵入も大きく、エンクロージャー内部の湿度コントロールがさらに重要になる。
【0009】
【特許文献1】特開平7−14377号公報
【発明が解決しようとする課題】
磁気ディスク装置は、密閉構造ではあるが、呼吸孔及び、パッキンとベース若しくはカバーとの間の、比較的外気との遮断が弱い部分から、水蒸気がエンクロージャ内部に侵入するという問題があった。このことは、磁気ディスク装置を高温高湿環境に長期間さらす場合に、装置の信頼性を損なうこととなる。特に、低湿度に保つ技術が十分でなかった。
【0010】
高温高湿環境に置かれた場合にも、エンクロージャ内部の湿度をコントロールできる呼吸フィルターの構造と、エンクロージャ内部を低湿度に維持できる磁気ディスク装置の実現が期待されていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
▲1▼磁気ディスク装置の呼吸孔及び周辺につき、外気の流入経路を狭くて長い通気路とし、拡散抵抗を大きくする。▲2▼十分な分量の調湿剤を搭載可能な構造とし、呼吸孔以外の部分、例えば、ベースとカバーとの間のパッキン、から侵入した水蒸気を吸収・保持する構造とする。
【0012】
より具体的には、▲3▼シート状の調湿剤8をフィルタ9で包んだものを、空気通路5の一部を形成する遮断フィルム7を介して、空気通路5の一部を形成する両面接着テープ10により、カバー1bの裏面に固定する構造とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態である磁気ディスク装置の概略構成を示す平面図である。図2は、図1の断面図である。
エンクロージャ1に、磁気ディスク媒体20やアクチュエータ22を有するディスク機構23が収納されている。エンクロージャ1は、箱状のベース1a(図2)とカバー1bとパッキン1cによって密閉される。カバー1bは取り外し可能となっている。ディスク機構23は、磁気ディスク媒体20とアクチュエータ22を、それぞれ駆動する、スピンドルモータ21とボイスコイルモータ23とを有する。アクチュエータの先端部には磁気ヘッド24が搭載されている。
【0014】
更に、エンクロージャ1の内側には、カバー1bの裏面、磁気ディスク媒体20の上方に、呼吸フィルター3(図2)を有する。
呼吸フィルター3は、カバー1bに設けられた呼吸孔15の直下に配置されている。この呼吸孔15は、エンクロージャ内外で圧力差が生じたときにその圧力差を無くすために設けられている。
【0015】
図3は、呼吸フィルターの構造を説明する平面図である。図4は図3の断面図である。
空気通路5(図3)は、両面接着テープ10に開口したパターンにより形成されており、そのパターンは、図1、図3に示すように通路の長さを大きくするよう、曲線の組合せから成る。パターンは磁気ディスク媒体上の点が、磁気ディスク媒体の回転に伴い形成する軌跡に沿うものであっても良い。図1、図3では、この軌跡にジグザグ曲線を重畳したものとなっている。パターンの両端には、呼吸孔15に対応する呼吸孔部4と、エンクロージャ内部への入口部6とが設けられている。
ポリエステル製の遮断フィルム7は、図3の紙面において、両面接着テープ10の裏側、図4において空気通路5を介してカバー1bの裏面、シート状の調湿剤8の直上に配置されている。
【0016】
呼吸フィルター3は、調湿剤8(図4)と、調湿剤8を囲み不織紙その他通気性のある素材から成るフィルター9と、呼吸孔15と連通する空気通路5と、
空気通路5の一部を形成する遮断フィルム7と、フィルター9に包まれた調湿剤8をカバー1bに固定し、遮断フィルム7を固定する両面接着テープ10とを有する。両面接着テープ10の厚さが、空気通路5の空間を形成している。
【0017】
呼吸フィルター3は、磁気ディスク媒体20の上に配置され、カバー1bの裏面に接着され、その形状はシート状で、磁気ディスク媒体20と同等の円弧を有する扇型である。
接着面積を大きくすれば、調湿剤8の分量を多くしても、安定して保持することができる。調湿剤8は、エンクロージャ1との容積比で、1/20程度を搭載することが目安となる。1/20を越えても良いし、調湿剤8の性能によっては、1/20未満でも良い。因みに、2.5型磁気ディスク装置でエンクロージャの容積は約18ccである。
本実施の態様の構造であれば、高温高湿環境でエンクロージャの外部31(図4)から呼吸孔15を経由して、またパッキン1c(図2)の周辺から、水蒸気が侵入しても、エンクロージャの内部30(図4)の湿度を、長期間に亘り、一定に保つことが可能となる。
【0018】
図5は、エンクロージャの容積と調湿剤搭載量(体積)の関係を示す図である。
本実施の態様の構造であれば、従来例に比べて調湿剤の搭載量を飛躍的に増加できる。十分な量の調湿剤により、磁気ディスク装置の信頼性を向上することができる。
呼吸フィルター3の有効表面積が広く、磁気ディスク媒体20を覆うように設けられているので(図1)、水蒸気の吸着が速やかに行われ、結露現象に強い。エンクロージャ内部の磁気ディスク媒体、ヘッドその他の部品が結露する前に、水蒸気を吸湿できる。
【0019】
呼吸孔15から進入してきた水蒸気や、装置に有害なガスは、カバー1bと遮断フィルム7、両面接着テープ10で囲まれた空気通路5の空間を通り、エンクロージャ内部への入口部6の付近で、吸着される。
外気と共に流入して来た塵埃は、入口部6を経て、フィルター9により取り除かれ、清浄な外気がエンクロージャの内部30に導かれる。
空気通路5の形状の概略は、例えば、厚み0.15mm、幅0.8mm、長さ50mmである。流路抵抗が大であり、拡散によるガス及び水蒸気の侵入を有効に抑制できる。空気通路5の長さは50mmに限られず、−20%から+20%程度の幅で調整でき、効果も同等である。好ましくは50mmより長くすべきである。但し、圧力損失が大きくなったときは、厚みで流路抵抗を調整すればよい。本実施の形態に係る呼吸フィルター3は、シート状で面積が広いので、空気通路5を長く形成できる。カバー1bに呼吸孔15を設けるだけでカバー1bの構造が簡単になる。
【0020】
本実施の態様の呼吸フィルター3であれば、圧力損失を、流量3ml/minの場合に1200Paを越えない大きさとすることができる。圧力損失を小さくでき、エンクロージャ内外の圧力差に追従でき、拡散効果を大きくできる。入口部6の面積を変えれば、圧力損失を変えることができる。
呼吸フィルター3の圧力損失は、空気通路5の流路抵抗とフィルター9の通気特性、調湿材8の通気特性から導かれる。ここで、空気通路5を長くすると流路抵抗が大きくなり圧力損失が増える。入口部6の面積、フィルタ9の通気面積、又は、遮断フィルム7の端部が入口部6と交わる線分の長さ、を大きくすれば、圧力損失を小さくすることができる。なお同じ流量で空気が流れた場合、圧力損失は通気面積に反比例する。
【0021】
図6は、高温高湿環境で、本実施の形態の磁気ディスク装置を放置した場合における、エンクロージャ内部の湿度と経過時間の関係を示す図である。
このように、高信頼度化を達成でき、エンクロージャ内を比較的長期に亘り低湿度に保つ磁気ディスク装置を提供することができた。なお、本実施の形態では、外気の水蒸気について記載しているが、外気のガスの侵入及びエンクロージャ内部の部品から発生するガスについても吸着することが可能である。また、本実施の形態では、呼吸フィルターをカバー1bに配置しているが、カバー1b以外の場所、例えば、ベース1aの底面、に配置しても良い。
【0022】
【発明の効果】
高温高湿の環境下で長時間連続して使用または保管しても、磁気ディスク装置のエンクロージャ内部の湿度上昇を抑制し、水蒸気による、ヘッド、磁気ディスク媒体の動作障害を防止する効果を有する。また、この効果を比較的長期間維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である磁気ディスク装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】呼吸フィルターの構造を説明する平面図である。
【図4】図3の断面図である。
【図5】エンクロージャの容積と調湿剤搭載量(体積)の関係を示す図である。
【図6】高温高湿環境で、本実施の形態の磁気ディスク装置を放置した場合における、エンクロージャ内部の湿度と経過時間の関係を示す図である。
【符号の説明】
1…エンクロジャー、 1a…ベース、
1b…カバー、 1c…パッキン、
3…呼吸フィルター、 4…空気通路(呼吸孔部)、
5…空気通路、
6…空気通路端部(エンクロージャ内部への入口)、
7…遮断フィルム、 8…調湿剤、
9…フィルター、 10…両面接着テープ、
15…呼吸孔、 20…ディスク、
21…スピンドルモータ、 22…アクチュエータ、
23…ボイスコイルモータ、 24…ヘッド、
30…エンクロージャー内部、 31…エンクロージャ外部。
Claims (9)
- 磁気ディスク媒体、ヘッド、アクチュエータその他の部品を密閉するベースとカバーを有する磁気ディスク装置であって、
前記カバーは表裏を通じる呼吸孔を有し、
前記呼吸孔に対向する空気通路を有し、
シート状の調湿剤をフィルタで囲んだものを、前記空気通路の一部を形成する遮断フィルムを介して、当該空気通路の一部を形成する両面接着テープにより、前記カバーの裏面に固定した構造を有することを特徴とする磁気ディスク装置。 - 前記調湿剤は、磁気ディスク装置の平面図において、前記磁気ディスク媒体の表面の一部を覆う位置に設けられている請求項1記載の磁気ディスク装置。
- 前記調湿剤は、扇の形状をしている請求項2記載の磁気ディスク装置。
- 前記フィルタは、不織紙その他通気性のある素材から成り、前記調湿剤を囲んで支持するよう配置されている請求項1記載の磁気ディスク装置。
- 前記空気通路は、前記両面接着テープに開口したパターンにより形成されている請求項1記載の磁気ディスク装置。
- 前記開口したパターンは、磁気ディスク装置の平面図において、前記磁気ディスク媒体上の点が前記磁気ディスク媒体の回転に伴い形成する軌跡に、ジグザグ曲線を重畳したものである請求項5記載の磁気ディスク装置。
- 前記開口したパターンは、通路の長さにおいて50mmより大きい請求項5記載の磁気ディスク装置。
- 前記呼吸孔から磁気ディスク装置の内部に至る空気の通路について、空気の流量が1分間あたり3ミリリットルのとき、圧力損失が1200パスカルを越えな請求項1記載の磁気ディスク装置。
- 前記調湿剤の体積と前記エンクロージャの容積との比が、1/20より大きい請求項1記載の磁気ディスク装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003056512A JP2004265545A (ja) | 2003-03-04 | 2003-03-04 | 磁気ディスク装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003056512A JP2004265545A (ja) | 2003-03-04 | 2003-03-04 | 磁気ディスク装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004265545A true JP2004265545A (ja) | 2004-09-24 |
Family
ID=33120175
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003056512A Pending JP2004265545A (ja) | 2003-03-04 | 2003-03-04 | 磁気ディスク装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004265545A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7667926B2 (en) * | 2006-02-28 | 2010-02-23 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Disk device |
-
2003
- 2003-03-04 JP JP2003056512A patent/JP2004265545A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7667926B2 (en) * | 2006-02-28 | 2010-02-23 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Disk device |
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| JP2004055055A (ja) | 磁気ディスク装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20041224 |