JP2004270087A - 冷風ヘルメット - Google Patents
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Abstract
【課題】小型・軽量であって、雰囲気温度より低い温度の冷風を供給できる冷風ヘルメットを提供する。
【解決手段】冷風ヘルメット1は、ヘルメット本体10と、同本体の後部に装着された冷風供給装置20を備える。冷風供給装置20は、ペルチェ素子21と、同素子の低温側の面に配置された吸気ファン33と、高温側の面に配置された2つの排気ファン43と、ペルチェ素子21から発生した冷熱を含む冷風を前頭部まで導く冷風ダクト23と、を具備する。さらに、ペルチェ素子21の低温側の面には、冷風ダクト23の長手方向に延びるプレート型蛇行細管ヒートパイプ31が貼り付けられており、冷熱を効率的に冷風に伝える。また、ペルチェ素子21の高温側の面には、プレート型蛇行細管ヒートパイプ41が貼り付けられており、ペルチェ素子21の高温面を放熱している。
【選択図】 図1
【解決手段】冷風ヘルメット1は、ヘルメット本体10と、同本体の後部に装着された冷風供給装置20を備える。冷風供給装置20は、ペルチェ素子21と、同素子の低温側の面に配置された吸気ファン33と、高温側の面に配置された2つの排気ファン43と、ペルチェ素子21から発生した冷熱を含む冷風を前頭部まで導く冷風ダクト23と、を具備する。さらに、ペルチェ素子21の低温側の面には、冷風ダクト23の長手方向に延びるプレート型蛇行細管ヒートパイプ31が貼り付けられており、冷熱を効率的に冷風に伝える。また、ペルチェ素子21の高温側の面には、プレート型蛇行細管ヒートパイプ41が貼り付けられており、ペルチェ素子21の高温面を放熱している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷風を供給する機能を備えた冷風ヘルメットに関する。特には、製鉄や鋳造、鍛造、各種熱処理、トンネル掘削、炎天下での各種作業等の、雰囲気温度が高い場所で長時間使用する際に、冷風を供給して作業者に快適性を与える冷風ヘルメットに関する。
【0002】
【従来技術】
冷風ヘルメットは、高温雰囲気下において、着用者の発汗や疲労を緩和し作業性を向上させるために使用されている。
【0003】
このような冷風ヘルメットには、背嚢型充電可能エアコンディショナーを備えているものがある(例えば、特許文献1参照特開2000−55401号)。この例においては、冷媒気化型のエアコンディショナーで発生させた冷風が、ダクトを介して、ヘルメット本体の後部に導かれ、後頭部を冷やす。また、ヘルメット本体の頂部に、電池で駆動するファンを設けているものもある(特許文献2参照実公平6−42928号)。この例においては、ファンの回転により、ヘルメット本体内の暖気を外部へ放出する。また、ヘルメット本体と、同本体と別置きの冷風供給装置を備えるものもある(特許文献3参照特公平5−168724号)。冷風供給装置は、着用者と離れた場所に置かれ、ホースでヘルメット本体と接続している。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−55401号公報
【特許文献2】
実公平6−42928号公報
【特許文献3】
特公平5−168724号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した、特許文献1や特許文献3に開示されている冷風ヘルメットにおいては、冷風を発生及び供給するための装置が大型で重量も重い。このため、特許文献1の背嚢型の場合は着用者に負担がかかってしまう。また、特許文献3のように、装置を着用者と離れた位置に設置し、ホースを通して冷風を供給する方式では、装置とヘルメットとの距離が限られてしまうため、着用者の行動範囲が狭くなる。
また、特許文献2に開示されている冷風ヘルメットにおいては、ファンの回転によりヘルメット本体内に吸い込まれる空気の温度は雰囲気温度であり、十分な冷却能力を与えるとはいえない。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、小型・軽量であって、雰囲気温度より低い温度の冷風を供給できる冷風ヘルメットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するため、本発明の冷風ヘルメットは、 人の頭部を覆うヘルメット本体と、 該ヘルメット本体の後部に付設されたペルチェ素子と、 該ペルチェ素子の低温側の面(C面)に風を当てるC面ファンと、 該ペルチェ素子の高温側の面(H面)に風を当てるH面ファンと、 前記C面ファンに当たった風を前頭部まで導く冷風ダクトと、を具備することを特徴とする。
ペルチェ素子の冷熱発生作用を利用し、発生した冷熱を前頭部に供給することにより、高い冷却効果を与える冷風ヘルメットを提供できる。また、冷気を発生する機構を、従来の冷媒気化式のエアコンディショナー等に比べて軽量化及び小型化できる。
【0008】
本発明においては、 前記C面に一部が貼り付けられ、前記冷風ダクトの長手方向に延びるプレート型蛇行細管ヒートパイプと、 該ヒートパイプ上に立設され、前記C面ファンの風を受けるフィンと、 前記H面に一部が貼り付けられたプレート型蛇行細管ヒートパイプと、 該ヒートパイプ上に立設され、前記H面ファンの風を受けるフィンと、をさらに具備することを特徴とする。
プレート型蛇行細管ヒートパイプ及びフィンを用いることによって、ペルチェ素子の発生する冷熱をより効率的に冷風に伝えることができるとともに、素子のH面を十分に冷却できるので素子の冷却能力自体もが高められる。
【0009】
本発明においては、 さらに、前記ヘルメット本体の前部に接続された、使用者の顔を覆うフェイスシールドを具備し、 前記冷風ダクトから前頭部へ導かれた風は、前記フェイスシールドと顔面との間の空間から、前記ヘルメット本体と顔の側面との空間を通って、前記ペルチェ素子のH面に流れることを特徴とする。
各ファンの回転により、ヘルメット本体内に冷気の流れを作ることができ、着用者の頭部及び顔面を冷却し、快適性を与える。また、人の頭部や顔面を通った後の冷風をペルチェ素子の冷却に用いることにより、残存している冷熱を活用してペルチェ素子の冷却能力を高めることも可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る冷風ヘルメットの構造を示す図である。
冷風ヘルメット1は、ヘルメット本体10と、同本体の後部に取り付けられた冷風供給装置20と、フェイスシールド51と、シールド周辺カバー53とから主に構成されている。ヘルメット本体10の後部内面と着用者の後頭部との間には、サイズ調節バンド14により所定の幅及び奥行きをもった空間11が形成されている。また、ヘルメット本体10は着用者の頭部に直接接するのではなく、クロス状の支持帯13で頭部に対して支持されている。この支持帯13によりヘルメット本体10の内面と頭部との間には空間15が形成されている。冷風供給装置20は、これらの空間11、15に配置されて、ヘルメット本体10に、ブラケット等(図示されず)により着脱可能に取り付けられる。
【0011】
次に、冷風供給装置20について説明する。
図2は、冷風供給装置の全体を示す斜視図である。
図3は、図2の冷風供給装置の裏面図である。
冷風供給装置20は、ペルチェ素子21、2枚のプレート型蛇行細管ヒートパイプ31、41、3つのファン33、43−1、43−2(図3参照)、2つのフィン35、45、冷風ダクト23から主に構成される。ペルチェ素子21、各ヒートパイプ31、41、各フィン35、45は、各々ケーシング37、47に収容されて、ヘルメット本体後部の空間11に配置される。各ファン33、43−1、43−2は、各ケーシング37、47の下面カバー49に取り付けられている。冷風ダクト23はヘルメット本体後部空間11から、頭部周囲空間15を通って前頭部に達する。
【0012】
ペルチェ素子21は板状であり、一例で寸法は40mm×40mm、厚みは4mmである。同素子は、片側の面が冷熱発生面(C面)となり、同面と反対側の面がその熱的作用と反対の熱的現象が発生する放熱面(H面)となる。この例では、冷熱発生面と放熱面とで30℃の温度差を作る場合を考えて、冷熱発生面から10℃の冷熱を発生させると、放熱面では40℃の温熱が発生する。この放熱面は冷風などによって冷やす必要がある。ヘルメット本体10内において、ペルチェ素子21は、C面が外側、H面が内側(頭部側)となるように配置される。
【0013】
ペルチェ素子21のC面とH面には、各々プレート型蛇行細管ヒートパイプ31、41が、熱伝導性の良い両面テープや接着剤で固定されている。
ヒートパイプとは、熱輸送性能の高い放熱器の一種で、中空体内部の密閉空間を真空に引いた後に、水やブタン、アルコール等の作動流体を封入したものである。プレート型蛇行細管ヒートパイプにおいては、アルミ等のプレート内に、このヒートパイプが受熱部と放熱部間を蛇行するように配置されている。発熱体(温熱)から受熱部に伝えられた熱は、同部のパイプ内の作動流体を蒸発させる。発生した蒸気は、ヒートパイプの放熱部に移動し、同部において蒸気が放熱して液体に戻る。この密閉空間内の作動流体の相の変化や移動により、発熱体の熱を放熱する。発熱体が冷熱を発生する場合は、作動流体はこの逆に相変化及び移動し、冷熱を放熱部で放熱する。
【0014】
このような蛇行細管ヒートパイプは、例えば、特開平4−190090号に開示されている。
このヒートパイプは、以下の特性を有する。
(A)細孔の両端末が相互に流通自在に連結されて密閉されている(閉ループ型)。
(B)細孔の一部は受熱部、他の一部は放熱部となっている。
(C)受熱部と放熱部が交互に配置されており、両部の間を細孔が蛇行している。
(D)細孔内には二相凝縮性流体(作動流体)が封入されている。
(E)細孔の内壁は、上記作動流体が常に孔内を閉塞した状態のままで循環または移動することができる最大直径以下の径をもつ。
【0015】
ここで、ペルチェ素子21のC面に固定されているヒートパイプ(以下、C面ヒートパイプとする)31は、幅がペルチェ素子21の幅とほぼ等しく、長さは約20cmである。C面ヒートパイプ31は、図1に示すように、ペルチェ素子21のC面のやや下方の位置から、ヘルメット本体10のほぼ頂部まで、後頭部の形状に沿って湾曲しながら延びている。このC面ヒートパイプ31は、湾曲しても熱輸送性能を維持する特性をもつ。C面ヒートパイプ31内の蛇行細孔は、ヒートパイプの長さ方向に延びている。
【0016】
C面ヒートパイプ31の外側の面(ペルチェ素子固定面の反対側の面)にはフィン35が固定されている。フィン35の幅は、C面ヒートパイプ31の幅とほぼ等しい。フィン35の長さは同ヒートパイプ31の長さより短く、ペルチェ素子21のやや下方の位置から、C面ヒートパイプ31のほぼ中央まで延びている。フィン35は、例えばアルミ板を波状に折り曲げたもので、波状部の間の空間の向きはC面ヒートパイプ31の長さ方向である。
【0017】
C面ヒートパイプ31及びフィン35は、吸気側ケーシング37で囲まれている。吸気側ケーシング37の上下端は開口しており、下開口は下面カバー49で閉じられている。下面カバー49の、吸気側ケーシング37の下開口に当たる部分には、吸気ファン33が取り付けられている。吸気ファン33の送風能力は、一例で、80〜100リットル/minである。吸気ファン33で外部から引かれた空気は、ケーシング37の内部及びフィン35の間を通って上開口へ達する。
ケーシング37の上開口には、冷風ダクト23が接続している。冷風ダクト23は頭部の側面形状に沿って湾曲しており、ケーシング37の上開口から頭部周囲空間15を通って、先端開口23aが前頭部に達している。冷風ダクト23の内側(頭部側)の面は、C面ヒートパイプ31の内側(頭部側)の面に沿って延びている。
【0018】
一方、ペルチェ素子21のH面に固定されているヒートパイプ(以下、H面ヒートパイプとする)41は、図2、図3に示すように、幅がペルチェ素子21の幅より広く、長さはペルチェ素子21の長さとほぼ等しい。このH面ヒートパイプ41内の蛇行細孔は、ヒートパイプ41の幅方向に延びている。H面ヒートパイプ41の外側の面(ペルチェ素子固定面の反対側の面)にはフィン45が固定されている。フィン45の幅と長さは、H面ヒートパイプ41の幅及び長さとほぼ等しく、同ヒートパイプ41の全面に設けられている。フィン45は、例えばアルミ板を波状に折り曲げたもので、波状部の間の空間の向きはH面ヒートパイプ41の長さ方向である。
【0019】
H面ヒートパイプ41及びフィン45は、排気側ケーシング47で囲まれている。排気側ケーシング47の上下端は開口しており、下開口は下面カバー49で閉じられている。下面カバー49の、排気側ケーシング47の下開口に当たる部分には、図3に示すように、2つの排気ファン43−1、43−2が、H面ヒートパイプ41の幅方向に並んで取り付けられている。各排気ファンの送風能力は、一例で、150〜200リットル/minである。排気ファン43は、ケーシング47内の空気を外部に排気するとともに、ペルチェ素子21のH面を冷却する。
【0020】
図1、図2から分かるように、各ケーシング37、47の側面形状は略台形で、各上開口の寸法が各下開口の寸法より小さい。また、各ケーシング37、47の下開口は同一面上にあり、各々下面カバー49で閉じられている。このような形状により、冷風供給装置20をコンパクトにすることができるとともに、後頭部の後方及び下方の空間11の形状に合わせて冷風供給装置20を配置することができる。
【0021】
フェイスシールド51は、ヘルメット本体10に開閉可能に取り付けられている。フェイスシールド51が閉じられると、顔の全面が覆われる。同シールド51の周囲には、シールド周辺カバー53が設けられている。シールド51が閉じられると、カバー53によってシールド51の外周と首すじとのスキマがゆるく閉じられ、顔の周囲に閉じた空間17が形成される。このため、周囲の高温空気が顔の周りに入ってこない。
【0022】
この冷風供給装置20の作用について説明する。
ペルチェ素子21を作動させると、C面から冷熱が発生する。冷熱は、C面ヒートパイプ31のペルチェ素子との接触部(受熱部)で受熱され、一部が同ヒートパイプ31の厚さ方向を貫通し、フィン35に伝導して放熱する。また、冷熱は、C面ヒートパイプ31の蛇行細孔の方向(ヒートパイプ31の長さ方向)に伝えられる。そして、同ヒートパイプ31のヘルメット本体10の頂部に位置する部分が放熱部となり、ここで冷熱を放熱する。このように、ペルチェ素子21から発生した冷熱を広い範囲で拡散することができる。
一方、C面ヒートパイプ31の放熱部(本体頂部の部分)では、頭部からの熱を受けて温度が上がっている。このように、C面ヒートパイプ31において、受熱部(ペルチェ素子と接する部分)と放熱部(本体頂部の部分)との間隔を広くして両部間の温度差を大きくすることにより、ヒートパイプ内の作動流体の流れが活発になって熱輸送能力を高めることができる。
【0023】
ここで、吸気ファン33を回転させると、外部空気が吸気ケーシング37内に引かれる。そして、吸気ケーシング37内において、引かれた空気とともに、フィン35から放熱された、ペルチェ素子21のC面から発生した冷熱が上開口から吹き出される。この冷気を含んだ空気は冷風ダクト23を通って前頭部に達し、先端23aから吹き出される。
【0024】
前頭部は、冷風ダクトの先端23aから冷気を含んだ空気によって冷やされる。着用者が最も汗をかくのは“おでこ”の辺りであり、この部分の潜熱を奪って汗を蒸発させることにより涼しい感じを与えることができる。冷風ダクト23から吹き出された空気は、フェイスシールド51とシールド周辺カバー53で囲まれた顔周囲空間17内に流れ込む。この間に空気の温度は上昇するが、まだ冷熱が残存しており、外部雰囲気温度より温度が低い場合が多い。
【0025】
一方、ペルチェ素子21のH面からは温熱が発生している。温熱は、H面ヒートパイプ41のペルチェ素子との接触部(受熱部)で受熱され、一部は、同ヒートパイプの厚さ方向を貫通し、フィン45に伝導して放熱する。また、温熱は、H面ヒートパイプ41の蛇行細孔の方向(ヒートパイプの幅方向)に伝えられる。そして、同ヒートパイプの、ペルチェ素子の両側の部分が放熱部となる。この部分にもフィン45が設けられているため、ここでも温熱を放熱する。このように、ペルチェ素子21のH面から発生した温熱を広い範囲で拡散することができる。
【0026】
フィン45から放熱された、ペルチェ素子21から発生した温熱は、ヘルメット本体の後部空間11の空気とともに、2つの排気ファン43で排気側ケーシング47から排気されている。後部空間11の空気は、上述のように残存している冷熱によって外部雰囲気より温度が低いため、ペルチェ素子21のH面の冷却能力を高めることが期待できる。
冷風ヘルメット1の冷却能力を高めるには、ペルチェ素子21のC面の温度は出来るだけ低い方がよい。ペルチェ素子21は、前述のように、一例としてC面とH面で約30℃の温度差を発生させる。C面の温度を下げるには、H面の温度も極力下げる必要がある。このために、ペルチェ素子21のH面にヒートパイプ41を取り付けるとともに、排気ファン43を2つ設けることにより、H面から発生する温熱を活発に放熱させて温度を下げている。
【0027】
したがって、冷風ヘルメット1内では、吸気ケーシング37から冷風ダクト23、前頭部空間、顔周囲空間17及び頭部周囲空間15、後頭部空間11、排気ケーシング47に至る、図1の白抜き矢印で示されるような空気の流れが起こる。そして、冷風ダクト23から吹き出される空気は、ペルチェ素子21で発生した冷気を含んでいるため、雰囲気空気の温度より低く、着用者に涼しい感じを与えることができる。
一つの実験例として、雰囲気の温度が35℃で、ペルチェ素子のC面が10℃、H面が40℃の場合、冷風ダクト23の先端開口23a近辺の空気温度は27℃となった。また、そのときの後頭部後方空間(排気ケーシング入口)11の空気温度は32℃であった。
【0028】
ペルチェ素子21の電源や各ファンの電源、各スイッチ等は、着用者の腰に装着可能な電源ボックス61内に配置されている。ペルチェ素子21や各ファンと電源とをつなぐ各配線63は、冷風ヘルメット1の冷風供給装置20から、着用者の背中後方を通って、腰装着用電源ボックス61に延びている。
【0029】
この例の冷風ヘルメット1の冷風供給装置20の重量は、約0.4kgである。そして、作業用の冷風ヘルメット1の全体の重量は約1.1kgとなり、着用者に重量感を与えないように配慮している。この例では、各ケーシング37、47及び下面カバー49をステンレスで作製したが、プラスチックで作製することにより、さらに軽量化できる。また、冷風供給装置20の体積も小さいため、ヘルメット本体10を特別に大きくする必要はない。
また、腰に装着される電源ボックス61の重量は約1kgであり、作業者の負担にはならない。
【0030】
この冷風ヘルメット1は、他の用途として、自動車レース用のヘルメットにも適している。レース用の自動車は、車体の軽量化のためにエアコンが装着されていないため、ドライバーは狭い高温雰囲気下で長時間運転することになる。また、ペルチェ素子や各ファンの電源として、自動車自身の直流電源を使用できるという利点もある。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、小型で軽量な冷風供給装置を備えた冷風ヘルメットを提供できる。この冷風ヘルメットにおいては、雰囲気温度より低い温度の冷風を供給できるため、着用者への快適性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る冷風ヘルメットの構造を示す図である。
【図2】冷風供給装置の全体を示す斜視図である。
【図3】図2の冷風供給装置の裏面図である。
【符号の説明】
1 冷風ヘルメット 10 ヘルメット本体
11 空間 13 支持帯
14 サイズ調節バンド 15 空間
20 冷風供給装置 21 ペルチェ素子
23 冷風ダクト
31 C面プレート型蛇行細管ヒートパイプ
33 吸気ファン 35 フィン
37 吸気側ケーシング
41 H面プレート型蛇行細管ヒートパイプ
43 排気ファン 45 フィン
47 排気側ケーシング
49 下面カバー 51 フェイスシールド
53 シールド周辺カバー 61 電源ボックス
63 配線
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷風を供給する機能を備えた冷風ヘルメットに関する。特には、製鉄や鋳造、鍛造、各種熱処理、トンネル掘削、炎天下での各種作業等の、雰囲気温度が高い場所で長時間使用する際に、冷風を供給して作業者に快適性を与える冷風ヘルメットに関する。
【0002】
【従来技術】
冷風ヘルメットは、高温雰囲気下において、着用者の発汗や疲労を緩和し作業性を向上させるために使用されている。
【0003】
このような冷風ヘルメットには、背嚢型充電可能エアコンディショナーを備えているものがある(例えば、特許文献1参照特開2000−55401号)。この例においては、冷媒気化型のエアコンディショナーで発生させた冷風が、ダクトを介して、ヘルメット本体の後部に導かれ、後頭部を冷やす。また、ヘルメット本体の頂部に、電池で駆動するファンを設けているものもある(特許文献2参照実公平6−42928号)。この例においては、ファンの回転により、ヘルメット本体内の暖気を外部へ放出する。また、ヘルメット本体と、同本体と別置きの冷風供給装置を備えるものもある(特許文献3参照特公平5−168724号)。冷風供給装置は、着用者と離れた場所に置かれ、ホースでヘルメット本体と接続している。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−55401号公報
【特許文献2】
実公平6−42928号公報
【特許文献3】
特公平5−168724号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した、特許文献1や特許文献3に開示されている冷風ヘルメットにおいては、冷風を発生及び供給するための装置が大型で重量も重い。このため、特許文献1の背嚢型の場合は着用者に負担がかかってしまう。また、特許文献3のように、装置を着用者と離れた位置に設置し、ホースを通して冷風を供給する方式では、装置とヘルメットとの距離が限られてしまうため、着用者の行動範囲が狭くなる。
また、特許文献2に開示されている冷風ヘルメットにおいては、ファンの回転によりヘルメット本体内に吸い込まれる空気の温度は雰囲気温度であり、十分な冷却能力を与えるとはいえない。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、小型・軽量であって、雰囲気温度より低い温度の冷風を供給できる冷風ヘルメットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するため、本発明の冷風ヘルメットは、 人の頭部を覆うヘルメット本体と、 該ヘルメット本体の後部に付設されたペルチェ素子と、 該ペルチェ素子の低温側の面(C面)に風を当てるC面ファンと、 該ペルチェ素子の高温側の面(H面)に風を当てるH面ファンと、 前記C面ファンに当たった風を前頭部まで導く冷風ダクトと、を具備することを特徴とする。
ペルチェ素子の冷熱発生作用を利用し、発生した冷熱を前頭部に供給することにより、高い冷却効果を与える冷風ヘルメットを提供できる。また、冷気を発生する機構を、従来の冷媒気化式のエアコンディショナー等に比べて軽量化及び小型化できる。
【0008】
本発明においては、 前記C面に一部が貼り付けられ、前記冷風ダクトの長手方向に延びるプレート型蛇行細管ヒートパイプと、 該ヒートパイプ上に立設され、前記C面ファンの風を受けるフィンと、 前記H面に一部が貼り付けられたプレート型蛇行細管ヒートパイプと、 該ヒートパイプ上に立設され、前記H面ファンの風を受けるフィンと、をさらに具備することを特徴とする。
プレート型蛇行細管ヒートパイプ及びフィンを用いることによって、ペルチェ素子の発生する冷熱をより効率的に冷風に伝えることができるとともに、素子のH面を十分に冷却できるので素子の冷却能力自体もが高められる。
【0009】
本発明においては、 さらに、前記ヘルメット本体の前部に接続された、使用者の顔を覆うフェイスシールドを具備し、 前記冷風ダクトから前頭部へ導かれた風は、前記フェイスシールドと顔面との間の空間から、前記ヘルメット本体と顔の側面との空間を通って、前記ペルチェ素子のH面に流れることを特徴とする。
各ファンの回転により、ヘルメット本体内に冷気の流れを作ることができ、着用者の頭部及び顔面を冷却し、快適性を与える。また、人の頭部や顔面を通った後の冷風をペルチェ素子の冷却に用いることにより、残存している冷熱を活用してペルチェ素子の冷却能力を高めることも可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る冷風ヘルメットの構造を示す図である。
冷風ヘルメット1は、ヘルメット本体10と、同本体の後部に取り付けられた冷風供給装置20と、フェイスシールド51と、シールド周辺カバー53とから主に構成されている。ヘルメット本体10の後部内面と着用者の後頭部との間には、サイズ調節バンド14により所定の幅及び奥行きをもった空間11が形成されている。また、ヘルメット本体10は着用者の頭部に直接接するのではなく、クロス状の支持帯13で頭部に対して支持されている。この支持帯13によりヘルメット本体10の内面と頭部との間には空間15が形成されている。冷風供給装置20は、これらの空間11、15に配置されて、ヘルメット本体10に、ブラケット等(図示されず)により着脱可能に取り付けられる。
【0011】
次に、冷風供給装置20について説明する。
図2は、冷風供給装置の全体を示す斜視図である。
図3は、図2の冷風供給装置の裏面図である。
冷風供給装置20は、ペルチェ素子21、2枚のプレート型蛇行細管ヒートパイプ31、41、3つのファン33、43−1、43−2(図3参照)、2つのフィン35、45、冷風ダクト23から主に構成される。ペルチェ素子21、各ヒートパイプ31、41、各フィン35、45は、各々ケーシング37、47に収容されて、ヘルメット本体後部の空間11に配置される。各ファン33、43−1、43−2は、各ケーシング37、47の下面カバー49に取り付けられている。冷風ダクト23はヘルメット本体後部空間11から、頭部周囲空間15を通って前頭部に達する。
【0012】
ペルチェ素子21は板状であり、一例で寸法は40mm×40mm、厚みは4mmである。同素子は、片側の面が冷熱発生面(C面)となり、同面と反対側の面がその熱的作用と反対の熱的現象が発生する放熱面(H面)となる。この例では、冷熱発生面と放熱面とで30℃の温度差を作る場合を考えて、冷熱発生面から10℃の冷熱を発生させると、放熱面では40℃の温熱が発生する。この放熱面は冷風などによって冷やす必要がある。ヘルメット本体10内において、ペルチェ素子21は、C面が外側、H面が内側(頭部側)となるように配置される。
【0013】
ペルチェ素子21のC面とH面には、各々プレート型蛇行細管ヒートパイプ31、41が、熱伝導性の良い両面テープや接着剤で固定されている。
ヒートパイプとは、熱輸送性能の高い放熱器の一種で、中空体内部の密閉空間を真空に引いた後に、水やブタン、アルコール等の作動流体を封入したものである。プレート型蛇行細管ヒートパイプにおいては、アルミ等のプレート内に、このヒートパイプが受熱部と放熱部間を蛇行するように配置されている。発熱体(温熱)から受熱部に伝えられた熱は、同部のパイプ内の作動流体を蒸発させる。発生した蒸気は、ヒートパイプの放熱部に移動し、同部において蒸気が放熱して液体に戻る。この密閉空間内の作動流体の相の変化や移動により、発熱体の熱を放熱する。発熱体が冷熱を発生する場合は、作動流体はこの逆に相変化及び移動し、冷熱を放熱部で放熱する。
【0014】
このような蛇行細管ヒートパイプは、例えば、特開平4−190090号に開示されている。
このヒートパイプは、以下の特性を有する。
(A)細孔の両端末が相互に流通自在に連結されて密閉されている(閉ループ型)。
(B)細孔の一部は受熱部、他の一部は放熱部となっている。
(C)受熱部と放熱部が交互に配置されており、両部の間を細孔が蛇行している。
(D)細孔内には二相凝縮性流体(作動流体)が封入されている。
(E)細孔の内壁は、上記作動流体が常に孔内を閉塞した状態のままで循環または移動することができる最大直径以下の径をもつ。
【0015】
ここで、ペルチェ素子21のC面に固定されているヒートパイプ(以下、C面ヒートパイプとする)31は、幅がペルチェ素子21の幅とほぼ等しく、長さは約20cmである。C面ヒートパイプ31は、図1に示すように、ペルチェ素子21のC面のやや下方の位置から、ヘルメット本体10のほぼ頂部まで、後頭部の形状に沿って湾曲しながら延びている。このC面ヒートパイプ31は、湾曲しても熱輸送性能を維持する特性をもつ。C面ヒートパイプ31内の蛇行細孔は、ヒートパイプの長さ方向に延びている。
【0016】
C面ヒートパイプ31の外側の面(ペルチェ素子固定面の反対側の面)にはフィン35が固定されている。フィン35の幅は、C面ヒートパイプ31の幅とほぼ等しい。フィン35の長さは同ヒートパイプ31の長さより短く、ペルチェ素子21のやや下方の位置から、C面ヒートパイプ31のほぼ中央まで延びている。フィン35は、例えばアルミ板を波状に折り曲げたもので、波状部の間の空間の向きはC面ヒートパイプ31の長さ方向である。
【0017】
C面ヒートパイプ31及びフィン35は、吸気側ケーシング37で囲まれている。吸気側ケーシング37の上下端は開口しており、下開口は下面カバー49で閉じられている。下面カバー49の、吸気側ケーシング37の下開口に当たる部分には、吸気ファン33が取り付けられている。吸気ファン33の送風能力は、一例で、80〜100リットル/minである。吸気ファン33で外部から引かれた空気は、ケーシング37の内部及びフィン35の間を通って上開口へ達する。
ケーシング37の上開口には、冷風ダクト23が接続している。冷風ダクト23は頭部の側面形状に沿って湾曲しており、ケーシング37の上開口から頭部周囲空間15を通って、先端開口23aが前頭部に達している。冷風ダクト23の内側(頭部側)の面は、C面ヒートパイプ31の内側(頭部側)の面に沿って延びている。
【0018】
一方、ペルチェ素子21のH面に固定されているヒートパイプ(以下、H面ヒートパイプとする)41は、図2、図3に示すように、幅がペルチェ素子21の幅より広く、長さはペルチェ素子21の長さとほぼ等しい。このH面ヒートパイプ41内の蛇行細孔は、ヒートパイプ41の幅方向に延びている。H面ヒートパイプ41の外側の面(ペルチェ素子固定面の反対側の面)にはフィン45が固定されている。フィン45の幅と長さは、H面ヒートパイプ41の幅及び長さとほぼ等しく、同ヒートパイプ41の全面に設けられている。フィン45は、例えばアルミ板を波状に折り曲げたもので、波状部の間の空間の向きはH面ヒートパイプ41の長さ方向である。
【0019】
H面ヒートパイプ41及びフィン45は、排気側ケーシング47で囲まれている。排気側ケーシング47の上下端は開口しており、下開口は下面カバー49で閉じられている。下面カバー49の、排気側ケーシング47の下開口に当たる部分には、図3に示すように、2つの排気ファン43−1、43−2が、H面ヒートパイプ41の幅方向に並んで取り付けられている。各排気ファンの送風能力は、一例で、150〜200リットル/minである。排気ファン43は、ケーシング47内の空気を外部に排気するとともに、ペルチェ素子21のH面を冷却する。
【0020】
図1、図2から分かるように、各ケーシング37、47の側面形状は略台形で、各上開口の寸法が各下開口の寸法より小さい。また、各ケーシング37、47の下開口は同一面上にあり、各々下面カバー49で閉じられている。このような形状により、冷風供給装置20をコンパクトにすることができるとともに、後頭部の後方及び下方の空間11の形状に合わせて冷風供給装置20を配置することができる。
【0021】
フェイスシールド51は、ヘルメット本体10に開閉可能に取り付けられている。フェイスシールド51が閉じられると、顔の全面が覆われる。同シールド51の周囲には、シールド周辺カバー53が設けられている。シールド51が閉じられると、カバー53によってシールド51の外周と首すじとのスキマがゆるく閉じられ、顔の周囲に閉じた空間17が形成される。このため、周囲の高温空気が顔の周りに入ってこない。
【0022】
この冷風供給装置20の作用について説明する。
ペルチェ素子21を作動させると、C面から冷熱が発生する。冷熱は、C面ヒートパイプ31のペルチェ素子との接触部(受熱部)で受熱され、一部が同ヒートパイプ31の厚さ方向を貫通し、フィン35に伝導して放熱する。また、冷熱は、C面ヒートパイプ31の蛇行細孔の方向(ヒートパイプ31の長さ方向)に伝えられる。そして、同ヒートパイプ31のヘルメット本体10の頂部に位置する部分が放熱部となり、ここで冷熱を放熱する。このように、ペルチェ素子21から発生した冷熱を広い範囲で拡散することができる。
一方、C面ヒートパイプ31の放熱部(本体頂部の部分)では、頭部からの熱を受けて温度が上がっている。このように、C面ヒートパイプ31において、受熱部(ペルチェ素子と接する部分)と放熱部(本体頂部の部分)との間隔を広くして両部間の温度差を大きくすることにより、ヒートパイプ内の作動流体の流れが活発になって熱輸送能力を高めることができる。
【0023】
ここで、吸気ファン33を回転させると、外部空気が吸気ケーシング37内に引かれる。そして、吸気ケーシング37内において、引かれた空気とともに、フィン35から放熱された、ペルチェ素子21のC面から発生した冷熱が上開口から吹き出される。この冷気を含んだ空気は冷風ダクト23を通って前頭部に達し、先端23aから吹き出される。
【0024】
前頭部は、冷風ダクトの先端23aから冷気を含んだ空気によって冷やされる。着用者が最も汗をかくのは“おでこ”の辺りであり、この部分の潜熱を奪って汗を蒸発させることにより涼しい感じを与えることができる。冷風ダクト23から吹き出された空気は、フェイスシールド51とシールド周辺カバー53で囲まれた顔周囲空間17内に流れ込む。この間に空気の温度は上昇するが、まだ冷熱が残存しており、外部雰囲気温度より温度が低い場合が多い。
【0025】
一方、ペルチェ素子21のH面からは温熱が発生している。温熱は、H面ヒートパイプ41のペルチェ素子との接触部(受熱部)で受熱され、一部は、同ヒートパイプの厚さ方向を貫通し、フィン45に伝導して放熱する。また、温熱は、H面ヒートパイプ41の蛇行細孔の方向(ヒートパイプの幅方向)に伝えられる。そして、同ヒートパイプの、ペルチェ素子の両側の部分が放熱部となる。この部分にもフィン45が設けられているため、ここでも温熱を放熱する。このように、ペルチェ素子21のH面から発生した温熱を広い範囲で拡散することができる。
【0026】
フィン45から放熱された、ペルチェ素子21から発生した温熱は、ヘルメット本体の後部空間11の空気とともに、2つの排気ファン43で排気側ケーシング47から排気されている。後部空間11の空気は、上述のように残存している冷熱によって外部雰囲気より温度が低いため、ペルチェ素子21のH面の冷却能力を高めることが期待できる。
冷風ヘルメット1の冷却能力を高めるには、ペルチェ素子21のC面の温度は出来るだけ低い方がよい。ペルチェ素子21は、前述のように、一例としてC面とH面で約30℃の温度差を発生させる。C面の温度を下げるには、H面の温度も極力下げる必要がある。このために、ペルチェ素子21のH面にヒートパイプ41を取り付けるとともに、排気ファン43を2つ設けることにより、H面から発生する温熱を活発に放熱させて温度を下げている。
【0027】
したがって、冷風ヘルメット1内では、吸気ケーシング37から冷風ダクト23、前頭部空間、顔周囲空間17及び頭部周囲空間15、後頭部空間11、排気ケーシング47に至る、図1の白抜き矢印で示されるような空気の流れが起こる。そして、冷風ダクト23から吹き出される空気は、ペルチェ素子21で発生した冷気を含んでいるため、雰囲気空気の温度より低く、着用者に涼しい感じを与えることができる。
一つの実験例として、雰囲気の温度が35℃で、ペルチェ素子のC面が10℃、H面が40℃の場合、冷風ダクト23の先端開口23a近辺の空気温度は27℃となった。また、そのときの後頭部後方空間(排気ケーシング入口)11の空気温度は32℃であった。
【0028】
ペルチェ素子21の電源や各ファンの電源、各スイッチ等は、着用者の腰に装着可能な電源ボックス61内に配置されている。ペルチェ素子21や各ファンと電源とをつなぐ各配線63は、冷風ヘルメット1の冷風供給装置20から、着用者の背中後方を通って、腰装着用電源ボックス61に延びている。
【0029】
この例の冷風ヘルメット1の冷風供給装置20の重量は、約0.4kgである。そして、作業用の冷風ヘルメット1の全体の重量は約1.1kgとなり、着用者に重量感を与えないように配慮している。この例では、各ケーシング37、47及び下面カバー49をステンレスで作製したが、プラスチックで作製することにより、さらに軽量化できる。また、冷風供給装置20の体積も小さいため、ヘルメット本体10を特別に大きくする必要はない。
また、腰に装着される電源ボックス61の重量は約1kgであり、作業者の負担にはならない。
【0030】
この冷風ヘルメット1は、他の用途として、自動車レース用のヘルメットにも適している。レース用の自動車は、車体の軽量化のためにエアコンが装着されていないため、ドライバーは狭い高温雰囲気下で長時間運転することになる。また、ペルチェ素子や各ファンの電源として、自動車自身の直流電源を使用できるという利点もある。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、小型で軽量な冷風供給装置を備えた冷風ヘルメットを提供できる。この冷風ヘルメットにおいては、雰囲気温度より低い温度の冷風を供給できるため、着用者への快適性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る冷風ヘルメットの構造を示す図である。
【図2】冷風供給装置の全体を示す斜視図である。
【図3】図2の冷風供給装置の裏面図である。
【符号の説明】
1 冷風ヘルメット 10 ヘルメット本体
11 空間 13 支持帯
14 サイズ調節バンド 15 空間
20 冷風供給装置 21 ペルチェ素子
23 冷風ダクト
31 C面プレート型蛇行細管ヒートパイプ
33 吸気ファン 35 フィン
37 吸気側ケーシング
41 H面プレート型蛇行細管ヒートパイプ
43 排気ファン 45 フィン
47 排気側ケーシング
49 下面カバー 51 フェイスシールド
53 シールド周辺カバー 61 電源ボックス
63 配線
Claims (3)
- 人の頭部を覆うヘルメット本体と、
該ヘルメット本体の後部に付設されたペルチェ素子と、
該ペルチェ素子の低温側の面(C面)に風を当てるC面ファンと、
該ペルチェ素子の高温側の面(H面)に風を当てるH面ファンと、
前記C面ファンに当たった風を前頭部まで導く冷風ダクトと、
を具備することを特徴とする冷風ヘルメット。 - 前記C面に一部が貼り付けられ、前記冷風ダクトの長手方向に延びるプレート型蛇行細管ヒートパイプと、
該ヒートパイプ上に立設され、前記C面ファンの風を受けるフィンと、
前記H面に一部が貼り付けられたプレート型蛇行細管ヒートパイプと、
該ヒートパイプ上に立設され、前記H面ファンの風を受けるフィンと、
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の冷風ヘルメット。 - さらに、前記ヘルメット本体の前部に接続された、使用者の顔を覆うフェイスシールドを具備し、
前記冷風ダクトから前頭部へ導かれた風は、前記フェイスシールドと顔面との間の空間から、前記ヘルメット本体と顔の側面との空間を通って、前記ペルチェ素子のH面に流れることを特徴とする請求項1記載の冷風ヘルメット。
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