JP2004278338A - 蒸気タービンプラントおよび蒸気タービンのプレウォーミング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】補助蒸気発生器6から供給され、高圧タービン2に流入した補助蒸気すなわち予熱蒸気の一部は、中圧タービン3に流入する。中圧タービン3に流入した補助蒸気によって、タービンロータ5は、ターニング装置から離脱し、その回転数は、常時、回転数検知センサ部10の信号に基づいて、補助蒸気逃し調整弁11の開度を調整することで制御される。プレウォーミングにおけるタービンロータ5の回転数の定格値は、ターニング装置から離脱する回転数よりも十分に高く設定されているので、プレウォーミング中に、再度、タービンロータ5がターニング装置に嵌合することはない。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気タービンの冷機起動の際に、プレウォーミング中の回転数を従来のターニング回転数より高く保持することによって、より迅速に効率的に蒸気タービン全体をウォーミングする蒸気タービンプラントおよび蒸気タービンのプレウォーミング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸気タービンを起動する場合、起動停止から再起動するまでの時間が長いほどタービンロータの温度と流入蒸気温度との間に大きな温度差を生じ、それに起因して大きな熱応力が発生する。
【0003】
このような起動を繰り返し行うとタービンロータの寿命を短くするため、通常運転に入る前に蒸気タービンのプレウォーミングを行い、熱応力の発生を軽減している(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
従来の蒸気タービンでは、高圧ケーシング内に蒸気を送入し、高圧ケーシング内を許容できる限りの高い圧力で数時間保持することによって、プレウォーミングが行われていた。このプレウォーミングの方法では、起動前に回転部と静止部の両方を予熱できることから、冷機起動における過大なタービンロータとケーシングの伸び差の発生やケーシングの異常変形に起因する回転部と静止部との接触を抑制することができる。
【0005】
図8に、高中圧対向流型の蒸気タービンを備える蒸気タービンプラント200の一例を示し、従来の蒸気タービンプラント200における蒸気タービンのプレウォーミングの概要を説明する。
【0006】
従来の蒸気タービンプラント200では、プレウォーミング用の補助蒸気は、補助蒸気発生器201より高圧排気管202を通って高圧タービン203に供給される。高圧タービン203に供給された補助蒸気は、高圧タービン203内を流れ、高圧タービン203を予熱し、高中圧中間グランドシール部206に流入する。高中圧中間グランドシール部206を通過した補助蒸気の一部は、蒸気逃し管207を通って復水器へ流入し、残りの補助蒸気は、中圧タービン209内を流れ、中圧タービン209内を予熱した後、低圧タービンに流入する。
【0007】
なお、高圧排気管202には、高圧タービン203内に設置された圧力検出器205によって検出される圧力信号に基づいて、弁の開度が制御される調整弁204が設けられている。高圧タービン203に供給される補助蒸気の流量は、高圧タービン203内の圧力をほぼ一定に保つように、この調整弁204によって調整されている。また、蒸気逃し管207には、オンオフ弁208が設けられ、オンオフ弁208は、ウォーミング中は常時開かれ、通常運転中は常時閉じられている。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−81609号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の蒸気タービンプラント200における高中圧対向流型の蒸気タービンのプレウォーミングにおいて、高圧タービン203に補助蒸気発生器201より供給され、高中圧中間グランドシール部206を通過した補助蒸気の一部は、蒸気逃し管207を通って復水器へ導かれるが、残りの補助蒸気は、中圧タービン209内へ流入する。
【0010】
残りの補助蒸気が中圧タービン209へ流入することによって、タービンロータ210へ回転力が加えられ、タービンロータ210がターニング装置から離脱して、ターニング回転数を超えて無制御で回転することがあった。また、タービンロータ210は、ターニング装置から離脱後、タービンロータ210の回転数が低下することによって、再び、ターニング装置に嵌合することがあった。
【0011】
このように、プレウォーミング中にタービンロータ210がターニング装置と離脱後、再度、嵌合することによって、ターニング装置を破損してしまうという問題があった。そして、このようなタービンロータ210のターニング装置との離脱、嵌合の繰り返しは、蒸気タービンおよび発電機として信頼性および安全性の面からも問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、プレウォーミング時において、タービンロータのターニング装置からの離脱後、再度、タービンロータがターニング装置に嵌合することなく、プレウォーミングを行うことができ、蒸気タービンおよび発電機の信頼性および安全性の向上を図ることができる蒸気タービンプラントおよび蒸気タービンのプレウォーミング方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の蒸気タービンプラントは、高圧タービンと、前記高圧タービンとタービンロータを介して軸直結された中圧タービンと、前記高圧タービンと前記中圧タービンとの間に設けられたグランドシール部と、前記高圧タービンに予熱用蒸気を供給する補助蒸気供給手段とを備える蒸気タービンプラントであって、前記高圧タービン内の圧力に基づいて、前記補助蒸気供給手段から前記高圧タービンに供給される前記予熱用蒸気の流量を調整する供給蒸気流量調整手段と、前記タービンロータの回転数に基づいて、前記グランドシール部から前記中圧タービンに流出する前記予熱用蒸気の流量を調整し、前記タービンロータの回転数を所定の値に設定する流出蒸気流量調整手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
この蒸気タービンプラントによれば、高圧タービンに供給される予熱用蒸気の流量およびタービンロータの回転数の双方を調整しながら、プレウォーミングを行うことができる。
【0015】
さらに、プレウォーミングの比較的初期段階で、流出蒸気流量調整手段によって、ターニング装置から離脱したタービンロータの回転数を所定の値に設定することができるので、プレウォーミング中に、再度、タービンロータがターニング装置に嵌合するのを防ぐことができる。ここで、ターニング装置から離脱後のタービンロータの回転数は、例えば、30〜100rpmなどの所定の値に設定される。このように、タービンロータの回転数を、タービンロータがターニング装置から離脱する回転数よりも十分に高い回転数に設定することで、蒸気タービン全体を迅速かつ均一にプレウォーミングすることができる。
【0016】
また、本発明の蒸気タービンプラントは、高圧タービンと、前記高圧タービンとタービンロータを介して軸直結された中圧タービンと、前記高圧タービンおよび前記中圧タービンに予熱用蒸気を供給する補助蒸気供給手段とを備える蒸気タービンプラントであって、前記高圧タービン内の圧力に基づいて、前記補助蒸気供給手段から前記高圧タービンに供給される前記予熱用蒸気の流量を調整する高圧タービン供給蒸気流量調整手段と、前記タービンロータの回転数に基づいて、前記補助蒸気供給手段から前記中圧タービンに供給される前記予熱用蒸気の流量を調整し、前記タービンロータの回転数を所定の値に設定する中圧タービン供給蒸気流量調整手段とを具備することを特徴とする。
【0017】
この蒸気タービンプラントによれば、高圧タービンに供給される予熱用蒸気の流量と中圧タービンに供給される予熱用蒸気の流量をそれぞれ独立して調整しながら、プレウォーミングを行うことができる。
【0018】
さらに、プレウォーミングの比較的初期段階で、中圧タービン供給蒸気流量調整手段によって、ターニング装置から離脱したタービンロータの回転数を所定の値に設定することができるので、プレウォーミング中に、再度、タービンロータがターニング装置に嵌合するのを防ぐことができる。ここで、ターニング装置から離脱後のタービンロータの回転数は、例えば、30〜100rpmなどの所定の値に設定される。このように、タービンロータの回転数を、タービンロータがターニング装置から離脱する回転数よりも十分に高い回転数に設定することで、蒸気タービン全体を迅速かつ均一にプレウォーミングすることができる。
【0019】
本発明の蒸気タービンのプレウォーミング方法は、高圧タービンと、前記高圧タービンとタービンロータを介して軸直結された中圧タービンと、前記高圧タービンに予熱用蒸気を供給する補助蒸気供給手段とを備える蒸気タービンプラントにおける蒸気タービンのプレウォーミング方法であって、前記高圧タービンに予熱用蒸気を供給する補助蒸気供給工程と、前記高圧タービン内の圧力を検知する圧力検知工程と、前記圧力検知工程における検知結果に基づいて、前記補助蒸気供給工程において前記高圧タービンに供給される前記予熱用蒸気の流量を調整する供給蒸気流量調整工程と、前記補助蒸気供給工程において前記高圧タービンに供給された前記予熱用蒸気を前記中圧タービンに流出させる予熱用蒸気流出工程と、前記タービンロータの回転数を検知する回転数検知工程と、前記回転数検知工程における検知結果に基づいて、前記予熱用蒸気流出工程において前記中圧タービンに流出させる前記予熱用蒸気の流量を調整し、前記タービンロータの回転数を所定の値に設定する流出蒸気流量調整工程とを具備することを特徴とする。
【0020】
この蒸気タービンのプレウォーミング方法によれば、高圧タービンに供給される予熱用蒸気の流量およびタービンロータの回転数の双方を調整しながら、プレウォーミングを行うことができる。
【0021】
さらに、プレウォーミングの比較的初期段階で、流出蒸気流量調整工程によって、ターニング装置から離脱したタービンロータの回転数を所定の値に設定することができるので、プレウォーミング中に、再度、タービンロータがターニング装置に嵌合するのを防ぐことができる。ここで、ターニング装置から離脱後のタービンロータの回転数は、例えば、30〜100rpmなどの所定の値に設定される。このように、タービンロータの回転数を、タービンロータがターニング装置から離脱する回転数よりも十分に高い回転数に設定することで、蒸気タービン全体を迅速かつ均一にプレウォーミングすることができる。
【0022】
また、本発明の蒸気タービンのプレウォーミング方法は、高圧タービンと、前記高圧タービンとタービンロータを介して軸直結された中圧タービンと、前記高圧タービンおよび前記中圧タービンに予熱用蒸気を供給する補助蒸気供給手段とを備える蒸気タービンプラントにおける蒸気タービンのプレウォーミング方法であって、前記高圧タービンおよび前記中圧タービンに前記予熱用蒸気を供給する補助蒸気供給工程と、前記高圧タービン内の圧力を検知する高圧タービン圧力検知工程と、前記高圧タービン圧力検知工程における検知結果に基づいて、前記補助蒸気供給工程において前記高圧タービンに供給される前記予熱用蒸気の流量を調整する高圧タービン供給蒸気流量調整工程と、前記タービンロータの回転数を検知する回転数検知工程と、前記回転数検知工程における検知結果に基づいて、前記補助蒸気供給工程において前記中圧タービンに供給される前記予熱用蒸気の流量を調整し、前記タービンロータの回転数を所定の値に設定する中圧タービン供給蒸気流量調整工程とを具備することを特徴とする。
【0023】
この蒸気タービンのプレウォーミング方法によれば、高圧タービンに供給される予熱用蒸気の流量と中圧タービンに供給される予熱用蒸気の流量をそれぞれ独立して調整しながら、プレウォーミングを行うことができる。
【0024】
さらに、プレウォーミングの比較的初期段階で、中圧タービン供給蒸気流量調整工程によって、ターニング装置から離脱したタービンロータの回転数を所定の値に設定することができるので、プレウォーミング中に、再度、タービンロータがターニング装置に嵌合するのを防ぐことができる。ここで、ターニング装置から離脱後のタービンロータの回転数は、例えば、30〜100rpmなどの所定の値に設定される。このように、タービンロータの回転数を、タービンロータがターニング装置から離脱する回転数よりも十分に高い回転数に設定することで、蒸気タービン全体を迅速かつ均一にプレウォーミングすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態の蒸気タービンプラント1の概要を図1を参照して説明する。図1には、第1の実施の形態の蒸気タービンプラント1の構成を示す。
【0027】
第1の実施の形態の蒸気タービンプラント1は、高中圧対向流型の蒸気タービンを備え、高中圧対向流型の蒸気タービンは、高圧タービン2、中圧タービン3、高中圧中間グランドシール部4、タービンロータ5で主に構成されている。また、蒸気タービンプラント1には、補助蒸気発生器6、圧力検知センサ部7、高圧タービン補助蒸気調整弁8、回転数検知センサ部10、補助蒸気逃し調整弁11、再熱器13、主蒸気発生器18などが主に備えられている。
【0028】
補助蒸気発生器6および主蒸気発生器18は、蒸気を発生するもので、例えば、ボイラなどで構成されている。なお、補助蒸気発生器6は、蒸気タービンのプレウォーミング時に用いられる予熱用蒸気として機能する補助蒸気を供給するものである。
【0029】
圧力検知部は、高圧タービン2内の圧力を検知する圧力検知センサ部7と、その圧力検知センサ部7からの検知信号に基づいて、高圧タービン補助蒸気調整弁8を制御する調整弁制御部7aとで構成されている。圧力検知センサ部7は、高圧タービン2内の圧力を検知することができる任意の位置に設置されている。
【0030】
また、高圧タービンケーシングの内面で、高中圧中間グランドシール部4に近い部分には、温度検知部16が設けられている。この温度検知部16は、例えば、熱電対などで構成される。温度検知部16で検知された温度情報に基づいて、プレウォーミング終了を判定するもので、通常、温度検知部16で検知された温度が約180℃を越えた時点でプレウォーミングを終了する。
【0031】
高圧タービン補助蒸気調整弁8は、圧力検知部の調整弁制御部7aからの制御信号に基づいて、弁開度を調整し、高圧排気管12から高圧タービン2に流れる補助蒸気の流量を調整するものである。なお、高圧排気管12は、高圧タービン補助蒸気調整弁8と高圧タービン2との間で分岐され、再熱蒸気管12aとなり、この再熱蒸気管12aは、ボイラなどで構成される再熱器13に接続されている。また、再熱蒸気管12aには、蒸気弁14、逆止弁17が設けられている。
【0032】
回転数検知部は、タービンロータ5の回転数を検知する回転数検知センサ部10と、その回転数検知センサ部10からの検知信号に基づいて、補助蒸気逃し調整弁11を制御する調整弁制御部10aとで構成されている。回転数検知センサ部10は、タービンロータ5の回転数を検知することができるように、例えば、タービンロータ5の側面に対向して設置される。
【0033】
補助蒸気逃し調整弁11は、回転数検知部の調整弁制御部10aからの制御信号に基づいて、弁開度を調整することにより、高中圧中間グランドシール部4と中圧タービン3との間の蒸気流路に連通する蒸気逃し管15を通って復水器(図示しない)へ導かれる補助蒸気の流量を調整し、中圧タービン3へ流入する補助蒸気の流量を制御して、タービンロータ5の回転数を調整するものである。
【0034】
次に、蒸気タービンのプレウォーミング時における動作について、図1および2を参照して説明する。図2には、第1の実施の形態の蒸気タービンプラント1における蒸気タービンのプレウォーミングのタイムチャートを示す。図2に示されたプレウォーミングのタイムチャートには、横軸に時間、縦軸に高圧タービン2内の圧力、高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度、高圧タービンケーシング内面の温度、タービンロータ5の回転数および補助蒸気逃し調整弁11の開度を示す。
【0035】
ターニング装置(図示しない)によって回転力が与えられ、所定の回転数(例えば、3〜5rpmなど)でタービンロータ5を回転させるターニング状態からプレウォーミングを行う場合、まず、高圧タービン補助蒸気調整弁8を開き、その弁開度をプレウォーミング開始から時間に対して所定の割合で増加させる(図2の時間t0)。なお、この時、補助蒸気逃し調整弁11は、所定の弁開度で開かれている。また、高圧排気管12に設けられた蒸気弁14および定格運転を行う際に主蒸気発生器18からの蒸気を高圧タービン2に供給する主蒸気管19に設けられた主蒸気弁20は閉じられている。
【0036】
補助蒸気発生器6から供給され、高圧タービン2に流入した補助蒸気は、高圧タービン2内を予熱しながら、通常の運転時の主蒸気の流れと逆に、高圧タービン2の下流側から上流側に向かって流れ、高中圧中間グランドシール部4に流入する。そして、高中圧中間グランドシール部4を通過した補助蒸気の一部は、蒸気逃し管15に流入し、補助蒸気逃し調整弁11を通って復水器(図示しない)へ流入する。一方、残りの補助蒸気は、中圧タービン3に流入する。
【0037】
中圧タービン3に流入した補助蒸気は、通常の運転時の主蒸気の流れと同様に、中圧タービン3内を上流側から下流側に向かって流れ、中圧タービン3を予熱する。その際、中圧タービン3は、補助蒸気の流れによって回転力が与えられるが、タービンロータ5がターニング装置(図示しない)に嵌合しているため、その回転力は、ターニング装置(図示しない)とタービンロータ5との嵌合部によって吸収される。中圧タービン3内を通過した補助蒸気は、配管を通って低圧タービン(図示しない)に供給される。
【0038】
高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度は、時間に対して所定の割合で増加されるので、補助蒸気発生器6から高圧タービン2に供給される補助蒸気の流量は増加する。補助蒸気の流量が増加すると、高圧タービン2内の圧力、高圧タービンケーシングの内面の温度が増加する。この高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度は、高圧タービン2内の圧力を検知する圧力検知部の調整弁制御部7aからの制御信号に基づいて、高圧タービン2内の圧力が所定の圧力(例えば、スラスト軸受にかかる許容推力に基づく許容圧力など)を超えないように、また、高圧タービン2に供給される補助蒸気の流量を増減させるために調整される。
【0039】
タービンロータ5は、ターニング装置(図示しない)によって回転力が与えられているため、回転数は一定に保たれている。ここで、高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度の増加に伴って、高圧タービン2内の圧力が増加し、高中圧中間グランドシール部4を通過して蒸気逃し管15または中圧タービン3に流入する補助蒸気の流量が増加する。その際、補助蒸気の流れによって中圧タービン3に与えられる回転力はさらに増加し、ターニング装置(図示しない)とタービンロータ5との嵌合部にはさらに回転力が加わる。
【0040】
そして、高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度がさらに増加して、中圧タービン3に流入する補助蒸気の流量が増加すると、補助蒸気の流れによって中圧タービン3に与えられる回転力はさらに増加する。この回転力の増加によって、ターニング装置(図示しない)とタービンロータ5との嵌合部における回転力が規定量を超え、タービンロータ5は、ターニング装置(図示しない)から離脱する(図2の時間t1)。これによって、タービンロータ5は、ターニング装置(図示しない)による回転力の制御から開放される。
【0041】
ターニング装置(図示しない)から離脱したタービンロータ5の回転数は、時間に対して増加する。この際、補助蒸気逃し調整弁11の開度も、所定の割合で時間に対して増加され、蒸気逃し管15を通って復水器(図示しない)へ導かれる補助蒸気の流量が増加される。この補助蒸気逃し調整弁11の開度は、回転数検知部の調整弁制御部10aからの制御信号に基づいて調整され、タービンロータ5の回転数がプレウォーミングの定格値になるまで増加される(図2の時間t1〜t2)。
【0042】
また、タービンロータ5の回転数が定格値に達したとき(図2の時間t2)には、高圧タービン補助蒸気調整弁8および補助蒸気逃し調整弁11の開度を増加するのを停止し、そのときの開度を維持する。なお、タービンロータ5の回転数が定格値に維持されるように、常時、回転数検知センサ部10の制御信号に基づいて、補助蒸気逃し調整弁11の開度は微調整されている。なお、本発明におけるプレウォーミングにおけるタービンロータ5の回転数の定格値は、タービンロータ5がターニング装置(図示しない)から離脱する回転数よりも十分に高い回転数(例えば、30〜100rpmなど)に設定されているので、プレウォーミング中に、再度、タービンロータ5がターニング装置(図示しない)に嵌合することはない。
【0043】
タービンロータ5の回転数が定格値に達した(図2の時間t2)後は、高圧タービン2内の圧力、タービンロータ5の回転数は、時間に対してほぼ一定値を維持する。一方、高圧タービンケーシングの内面の温度は、プレウォーミング開始から時間に対して増加する。そして、高圧タービンケーシングの内面の温度が、所定の温度(例えば、180℃など)に達したときに、プレウォーミングを終了する(図2の時間t3)。
【0044】
プレウォーミング終了後、高圧タービン補助蒸気調整弁8、補助蒸気逃し調整弁11は閉じられる。一方、主蒸気弁20および蒸気弁14は開かれ、高圧タービン2に、主蒸気管19を介して主蒸気発生器18で発生した主蒸気が供給される。
【0045】
高圧タービン2に、供給された主蒸気によって高圧タービン2が駆動され、高圧タービン2で仕事をした主蒸気は、高圧タービン2の下流側に接続された再熱蒸気管12aから逆止弁17を通って再熱器13に流入する。再熱器13に流入した主蒸気は、再熱器13によって加熱された後、中圧タービン3に流入する。
【0046】
中圧タービン3に流入した主蒸気は、中圧タービン3を駆動した後、低圧タービン(図示しない)に流入し、低圧タービン(図示しない)を駆動し、復水器(図示しない)に流れる。
【0047】
第1の実施の形態の蒸気タービンプラント1では、圧力検知センサ部7からの情報に基づいた調整弁制御部7aからの制御信号に基づいて、高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度を制御することで、高圧タービン2に供給される補助蒸気の流量を調整することができる。また、高圧タービン補助蒸気調整弁8による補助蒸気の流量の調整と共に、回転数検知センサ部10からの情報に基づいた調整弁制御部10aからの制御信号に基づいて、補助蒸気逃し調整弁11の開度を制御することで、タービンロータ5の回転数を調整することができる。したがって、高圧タービン2に供給される補助蒸気の流量およびタービンロータ5の回転数の双方を調整しながら、プレウォーミングを行うことができる。
【0048】
さらに、プレウォーミングの比較的初期段階で、タービンロータ5は、ターニング装置から離脱され、プレウォーミングにおけるタービンロータ5の回転数の定格値は、タービンロータ5がターニング装置から離脱する回転数よりも十分に高い回転数(例えば、30〜100rpmなど)に設定されている。これによって、プレウォーミング中に、再度、タービンロータ5がターニング装置に嵌合することがないため、再嵌合によるターニング装置の破損などを防ぐことができる。また、タービンロータ5の回転数の定格値を、タービンロータ5がターニング装置から離脱する回転数よりも十分に高い回転数に設定することで、蒸気タービン全体を迅速かつ均一にプレウォーミングすることができる。
【0049】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態の蒸気タービンプラント30の概要を図3を参照して説明する。図3には、第2の実施の形態の蒸気タービンプラント30の構成を示す。なお、第1の実施の形態の蒸気タービンプラント1と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0050】
第2の実施の形態の蒸気タービンプラント30で備えられる蒸気タービンは、高圧タービン2と中圧タービン3とが同一ケーシング内に設置され、高圧タービン2と中圧タービン3とが抽気加減弁31を備える抽気管32によって連通された高中圧一体型の蒸気タービンである。
【0051】
この高中圧一体型の蒸気タービンは、高圧タービン2、中圧タービン3、高中圧中間グランドシール部4、タービンロータ5で主に構成されている。また、蒸気タービンプラント30には、補助蒸気発生器6、圧力検知センサ部7、高圧タービン補助蒸気調整弁8、回転数検知センサ部10、主蒸気発生器18、抽気加減弁31、抽気管32などが主に備えられている。
【0052】
回転数検知部は、タービンロータ5の回転数を検知する回転数検知センサ部10と、その回転数検知センサ部10からの検知信号に基づいて、抽気加減弁31を制御する加減弁制御部10bとで構成されている。回転数検知センサ部10は、タービンロータ5の回転数を検知することができるように、例えば、タービンロータ5の側面に対向して設置される。
【0053】
抽気加減弁31は、回転数検知部の加減弁制御部10bからの制御信号に基づいて、弁開度を調整し、抽気管32を通って高圧タービン2から中圧タービン3に流れる補助蒸気の流量を調整し、タービンロータ5の回転数を調整するものである。
【0054】
また、高圧タービンケーシングの内面で、主蒸気管19が接続された側に、温度検知部16が設けられている。なお、温度検知部16は、例えば、高中圧中間グランドシール部4に近い部分に設けられてもよい。
なお、高圧抽気管32aは、高圧タービン補助蒸気調整弁8と高圧タービン2との間で分岐され、その分岐された高圧抽気管32bには、蒸気弁14、逆止弁17が設けられ、図示しない給水加熱器などに接続されている。
【0055】
次に、蒸気タービンのプレウォーミング時における動作について、図3および4を参照して説明する。図4には、第2の実施の形態の蒸気タービンプラント30における蒸気タービンのプレウォーミングのタイムチャートを示す。図3に示されたプレウォーミングのタイムチャートには、横軸に時間、縦軸に高圧タービン2内の圧力、高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度、高圧タービンケーシング内面の温度、タービンロータ5の回転数および抽気加減弁31の開度を示す。
【0056】
ターニング装置(図示しない)によって回転力が与えられ、所定の回転数(例えば、3〜5rpmなど)でタービンロータ5を回転させるターニング状態からプレウォーミングを行う場合、まず、高圧タービン補助蒸気調整弁8を開き、その弁開度をプレウォーミング開始から時間に対して所定の割合で増加させる(図4の時間t0)。なお、この時、抽気加減弁31は、所定の弁開度で開かれている。また、高圧抽気管32aに設けられた蒸気弁14および定格運転を行う際に主蒸気発生器18からの蒸気を高圧タービン2に供給する主蒸気管19に設けられた主蒸気弁20は閉じられている。
【0057】
補助蒸気発生器6から供給され、高圧タービン2に流入した補助蒸気は、高圧タービン2内に広がり、高圧タービン2を予熱する。高圧タービン2に流入した補助蒸気の一部は、抽気管32を通って中圧タービン3に流入する。一方、残りの補助蒸気は、高中圧中間グランドシール部4を通って、中圧タービン3に流入する。
【0058】
中圧タービン3に流入した補助蒸気は、通常の運転時の主蒸気の流れと同様に、中圧タービン3内を上流側から下流側に向かって流れ、中圧タービン3を予熱する。その際、中圧タービン3は、補助蒸気の流れによって回転力が与えられるが、タービンロータ5がターニング装置(図示しない)に嵌合しているため、その回転力は、ターニング装置(図示しない)とタービンロータ5との嵌合部によって吸収される。中圧タービン3内を通過した補助蒸気は、配管を通って低圧タービン(図示しない)に供給される。
【0059】
高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度は、時間に対して所定の割合で増加されるので、補助蒸気発生器6から高圧タービン2に供給される補助蒸気の流量は増加する。補助蒸気の流量が増加すると、高圧タービン2内の圧力、高圧タービンケーシングの内面の温度が増加する。この高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度は、高圧タービン2内の圧力を検知する圧力検知センサ部7からの情報に基づいた調整弁制御部7aの制御信号に基づいて、高圧タービン2内の圧力が所定の圧力(例えば、スラスト軸受にかかる許容推力に基づく許容圧力など)を超えないように、また、高圧タービン2に供給される補助蒸気の流量を増減させるために調整される。
【0060】
タービンロータ5は、ターニング装置(図示しない)によって回転力が与えられているため、回転数は一定に保たれている。ここで、高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度の増加に伴って、高圧タービン2内の圧力が増加し、抽気管32および高中圧中間グランドシール部4を通過して中圧タービン3に流入する補助蒸気の流量が増加する。その際、補助蒸気の流れによって中圧タービン3に与えられる回転力はさらに増加し、ターニング装置(図示しない)とタービンロータ5との嵌合部にはさらに負荷が加わる。
【0061】
そして、高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度がさらに増加して、中圧タービン3に流入する補助蒸気の流量が増加すると、補助蒸気の流れによって中圧タービン3に与えられる回転力はさらに増加する。この回転力の増加によって、ターニング装置(図示しない)とタービンロータ5との嵌合部における負荷が許容量を超え、タービンロータ5は、ターニング装置(図示しない)から離脱する(図4の時間t1)。これによって、タービンロータ5は、ターニング装置(図示しない)による回転力の制御から開放される。
【0062】
ターニング装置(図示しない)から離脱したタービンロータ5の回転数は、時間に対して増加する。この際、抽気加減弁31の開度も、所定の割合で時間に対して増加され、中圧タービン3へ導かれる補助蒸気の流量が増加される。この抽気加減弁31の開度は、回転数検知部の加減弁制御部10bからの制御信号に基づいて調整され、タービンロータ5の回転数がプレウォーミングの定格値になるまで増加される(図4の時間t1〜t2)。
【0063】
また、タービンロータ5の回転数が定格値に達したとき(図4の時間t2)には、高圧タービン補助蒸気調整弁8および抽気加減弁31の開度を増加するのを停止し、そのときの開度を維持する。また、タービンロータ5の回転数が定格値に維持されるように、常時、回転数検知センサ部10からの情報に基づいた加減弁制御部10bからの制御信号に基づいて、抽気加減弁31の開度は調整されている。なお、本発明におけるプレウォーミングにおけるタービンロータ5の回転数の定格値は、タービンロータ5がターニング装置(図示しない)から離脱する回転数よりも十分に高い回転数(例えば、30〜100rpmなど)に設定されているので、プレウォーミング中に、再度、タービンロータ5がターニング装置(図示しない)に嵌合することはない。
【0064】
タービンロータ5の回転数が定格値に達した(図4の時間t2)後は、高圧タービン2内の圧力、タービンロータ5の回転数は、時間に対してほぼ一定値を維持する。一方、高圧タービンケーシングの内面の温度は、プレウォーミング開始から時間に対して増加する。そして、高圧タービンケーシングの内面の温度が、所定の温度(例えば、180℃など)に達したときに、プレウォーミングを終了する(図4の時間t3)。
【0065】
プレウォーミング終了後、高圧タービン補助蒸気調整弁8、抽気加減弁31は閉じられる。一方、主蒸気弁20および蒸気弁14は開かれ、高圧タービン2に、主蒸気管19を介して主蒸気発生器18で発生した主蒸気が供給され、定常運転が開始される。
【0066】
第2の実施の形態の蒸気タービンプラント30では、圧力検知センサ部7からの情報に基づいた調整弁制御部7aからの制御信号に基づいて、高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度を制御することで高圧タービン2に供給される補助蒸気の流量を調整することができる。また、高圧タービン補助蒸気調整弁8による補助蒸気の流量の調整と共に、回転数検知センサ部10からの情報に基づいた調整弁制御部7aからの制御信号に基づいて、抽気加減弁31の開度を制御することで、タービンロータ5の回転数を調整することができる。したがって、高圧タービン2に供給される補助蒸気の流量およびタービンロータ5の回転数の双方を調整しながら、プレウォーミングを行うことができる。
【0067】
さらに、プレウォーミングの比較的初期段階で、タービンロータ5は、ターニング装置から離脱され、プレウォーミングにおけるタービンロータ5の回転数の定格値は、タービンロータ5がターニング装置から離脱する回転数よりも十分に高い回転数(例えば、30〜100rpmなど)に設定されている。これによって、プレウォーミング中に、再度、タービンロータ5がターニング装置に嵌合することがないため、再嵌合によるターニング装置の破損などを防ぐことができる。また、タービンロータ5の回転数の定格値を、タービンロータ5がターニング装置から離脱する回転数よりも十分に高い回転数に設定することで、蒸気タービン全体を迅速かつ均一にプレウォーミングすることができる。
【0068】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態の蒸気タービンプラント40の概要を図5を参照して説明する。図5には、第3の実施の形態の蒸気タービンプラント40の構成を示す。なお、第1および第2の実施の形態の蒸気タービンプラントと同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0069】
蒸気タービンプラント40に備えられる蒸気タービンは、高圧タービン2と中圧タービン3とがそれぞれ単体で連結された蒸気タービンである。
【0070】
その蒸気タービンは、高圧タービン2、中圧タービン3、タービンロータ5で主に構成されている。また、蒸気タービンプラント40には、補助蒸気発生器6、圧力検知センサ部7α、7β、高圧タービン補助蒸気調整弁8、中圧タービン補助蒸気調整弁41、回転数検知センサ部10、再熱器13、主蒸気発生器18などが主に備えられている。
【0071】
圧力検知部は、高圧タービン2内の圧力を検知する圧力検知センサ部7αと、その圧力検知センサ部7αからの検知信号に基づいて、高圧タービン補助蒸気調整弁8を制御する調整弁制御部7aとで構成されている。一方、中圧タービン3には、内部の圧力を検知する圧力検知センサ部7βが設けられ、その圧力検知センサ部7βからの検知信号は、中圧タービン補助蒸気調整弁41を制御する調整弁制御部10aに出力される。なお、圧力検知センサ部7α、7βの設置位置は、高圧タービン2および中圧タービン3内の圧力を検知することができる位置ならば任意の場所でよい。また、蒸気タービンプラント40は、圧力検知センサ部7βを具備せずに構成することもできる。
【0072】
また、高圧タービンケーシングの内面で、主蒸気管19aが接続された側に、温度検知部16が設けられている。
【0073】
回転数検知部は、タービンロータ5の回転数を検知する回転数検知センサ部10と、その回転数検知センサ部10からの検知信号に基づいて、中圧タービン補助蒸気調整弁41を制御する調整弁制御部10aとで構成されている。回転数検知センサ部10は、タービンロータ5の回転数を検知することができるように、例えば、タービンロータ5の側面に対向して設置される。
【0074】
高圧タービン補助蒸気調整弁8は、圧力検知センサ部7αからの情報に基づいた調整弁制御部7aからの制御信号に基づいて、弁開度を調整し、高圧排気管12から高圧タービン2に流れる補助蒸気の流量を調整するものである。なお、高圧排気管12は、高圧タービン補助蒸気調整弁8と高圧タービン2との間で分岐され、再熱蒸気管12aとなり、その分岐された再熱蒸気管12aは、ボイラなどで構成される再熱器13に接続されている。また、再熱蒸気管12aには、蒸気弁14、逆止弁17が設けられている。
【0075】
また、中圧タービン補助蒸気調整弁41は、回転数検知センサ部10および圧力検知センサ部7βからの情報に基づいた調整弁制御部10aからの制御信号に基づいて、弁開度を調整し、補助蒸気管42から中圧タービン3に流れる補助蒸気の流量を調整し、タービンロータ5の回転数を調整するものである。ここで、中圧タービン補助蒸気調整弁41は、回転数検知センサ部10および圧力検知センサ部7βからの情報に基づいた調整弁制御部10aからの制御信号に基づいて、弁開度が調整されているが、通常は回転数検知センサ部10からの信号に基づいて制御される。なお、圧力検知センサ部7βからの信号に基づいて、中圧タービン補助蒸気調整弁41が制御される場合は、例えば、中圧タービン3内の圧力が所定の圧力を超えた場合などである。
【0076】
次に、蒸気タービンのプレウォーミング時における動作について、図5および6を参照して説明する。図6には、第3の実施の形態の蒸気タービンプラント40における蒸気タービンのプレウォーミングのタイムチャートを示す。図6に示されたプレウォーミングのタイムチャートには、横軸に時間、縦軸に高圧タービン2内の圧力、高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度、高圧タービンケーシング内面の温度、タービンロータ5の回転数、中圧タービン3内の圧力および中圧タービン補助蒸気調整弁41の開度を示す。なお、高圧タービン2と中圧タービン3は、それぞれ別個に補助蒸気が供給され、それぞれが独立してプレウォーミングされるため、図6の横軸の時間t2とt3は、必ずしも一致しない。
【0077】
ターニング装置(図示しない)によって回転力が与えられ、所定の回転数(例えば、3〜5rpmなど)でタービンロータ5を回転させるターニング状態からプレウォーミングを行う場合、まず、高圧タービン補助蒸気調整弁8および中圧タービン補助蒸気調整弁41を開き、その弁開度をプレウォーミング開始から時間に対して所定の割合で増加させる(図2の時間t0)。なお、この時、中圧タービン3から低圧タービン(図示しない)への管路は開放されている。また、高圧排気管12に設けられた蒸気弁14および定格運転を行う際に、主蒸気発生器18からの蒸気を高圧タービン2に供給する主蒸気管19aに設けられた主蒸気弁20aは閉じられている。さらに、再熱器13からの蒸気を中圧タービン3に供給する主蒸気管19bに設けられた主蒸気弁20bも閉じられている。
【0078】
補助蒸気発生器6から高圧排気管12を通って高圧タービン2に流入した補助蒸気は、高圧タービン2内に広がり、高圧タービン2を予熱する。高圧タービン2に流入した補助蒸気は、高圧タービン2のグランドシール部(図示しない)から外部に流出する程度であるため、高圧タービン2内の圧力は、高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度の増加に伴って急激に増加する。そして、高圧タービン2内の圧力が所定の圧力に達したとき(図6の時間t2)には、高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度を増加するのを停止し、そのときの開度を維持する。なお、高圧タービン2内の圧力は、圧力検知センサ部7αによって、常時監視されており、圧力の変化を生じた場合には、その都度、圧力検知センサ部7αからの情報に基づいた調整弁制御部7aから高圧タービン補助蒸気調整弁8に制御信号が送られ、所定の圧力を維持するように、高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度が調整される。
【0079】
一方、補助蒸気発生器6から補助蒸気管42を通って中圧タービン3に流入した補助蒸気は、中圧タービン3内を通常の運転時の主蒸気の流れと同様に、上流側から下流側に向かって流れ、中圧タービン3を予熱する。その際、中圧タービン3は、補助蒸気の流れによって回転力が与えられるが、タービンロータ5がターニング装置(図示しない)に嵌合しているため、その回転力は、ターニング装置(図示しない)とタービンロータ5との嵌合部によって吸収される。中圧タービン3内を通過した補助蒸気は、配管を通って低圧タービン(図示しない)に供給される。
【0080】
タービンロータ5は、ターニング装置(図示しない)によって回転力が与えられているため、回転数は一定に保たれている。ここで、中圧タービン補助蒸気調整弁41の開度は、時間に対して所定の割合で増加されるので、中圧タービン3に供給される補助蒸気の流量は増加し、補助蒸気の流れによって中圧タービン3に与えられる回転力はさらに増加する。そのため、ターニング装置(図示しない)とタービンロータ5との嵌合部にはさらに負荷が加わる。
【0081】
そして、中圧タービン補助蒸気調整弁41の開度がさらに増加して、中圧タービン3に流入する補助蒸気の流量が増加すると、補助蒸気の流れによって中圧タービン3に与えられる回転力はさらに増加する。この回転力の増加によって、ターニング装置(図示しない)とタービンロータ5との嵌合部における回転力が規定量を超え、タービンロータ5は、ターニング装置(図示しない)から離脱する(図6の時間t1)。これによって、タービンロータ5は、ターニング装置(図示しない)による回転力の制御から開放される。
【0082】
ターニング装置(図示しない)から離脱したタービンロータ5の回転数は、時間に対して増加する。中圧タービン補助蒸気調整弁41の開度は、回転数検知センサ部10からの情報に基づいた調整弁制御部10aからの制御信号に基づいて調整され、タービンロータ5の回転数がプレウォーミングの定格値になるまで増加される(図6の時間t1〜t3)。なお、中圧タービン補助蒸気調整弁41は、中圧タービン3内の圧力を検知する圧力検知センサ部7βの信号に基づいて、中圧タービン3内の圧力が所定の圧力を超えないように調整する役割も有している。
【0083】
また、タービンロータ5の回転数が定格値に達したとき(図6の時間t3)には、中圧タービン補助蒸気調整弁41の開度の増加を停止し、そのときの開度を維持する。また、調整弁制御部10aは、タービンロータ5の回転数が定格値に維持されるように、常時、回転数検知センサ部10の信号に基づいて、中圧タービン補助蒸気調整弁41の開度を調整する。なお、本発明におけるプレウォーミングにおけるタービンロータ5の回転数の定格値は、タービンロータ5がターニング装置(図示しない)から離脱する回転数よりも十分に高い回転数(例えば、30〜100rpmなど)に設定されているので、プレウォーミング中に、再度、タービンロータ5がターニング装置(図示しない)に嵌合することはない。
【0084】
タービンロータ5の回転数が定格値に達した(図6の時間t3)後は、中圧タービン3内の圧力、タービンロータ5の回転数は、時間に対してほぼ一定値を維持する。一方、高圧タービンケーシングの内面の温度は、プレウォーミング開始から時間に対して増加する。そして、高圧タービンケーシングの内面の温度が、所定の温度(例えば、180℃など)に達したときに、プレウォーミングを終了する(図6の時間t4)。
【0085】
プレウォーミング終了後、高圧タービン補助蒸気調整弁8、中圧タービン補助蒸気調整弁41は閉じられる。一方、主蒸気弁20a、20bおよび蒸気弁14は開かれ、高圧タービン2に、主蒸気管19aを介して主蒸気発生器18で発生した主蒸気が供給される。
【0086】
高圧タービン2に、供給された主蒸気によって高圧タービン2が駆動され、高圧タービン2で仕事をした主蒸気は、高圧タービン2の下流側に接続された再熱蒸気管12aから逆止弁17を通って再熱器13に流入する。再熱器13に流入した主蒸気は、再熱器13によって加熱された後、中圧タービン3に流入する。
中圧タービン3に流入した主蒸気は、中圧タービン3を駆動した後、低圧タービン(図示しない)に流入し、低圧タービン(図示しない)を駆動し、復水器(図示しない)に流れる。
【0087】
第3の実施の形態の蒸気タービンプラント40では、圧力検知センサ部7αからの信号に基づいて調整弁制御部7aが、高圧タービン補助蒸気調整弁8の開度を制御することで、高圧タービン2内の圧力を調整し、所定の圧力を超えないようにすることができる。また、回転数検知センサ部10の信号に基づいて調整弁制御部10aが、中圧タービン補助蒸気調整弁41の開度を調整することで、タービンロータ5の回転数を制御することができる。このように、第3の実施の形態の蒸気タービンプラント40では、高圧タービン2に供給される補助蒸気の流量と中圧タービン3に供給される補助蒸気の流量をそれぞれ独立して調整しながら、プレウォーミングを行うことができる。
【0088】
さらに、プレウォーミングの比較的初期段階で、タービンロータ5は、ターニング装置から離脱され、プレウォーミングにおけるタービンロータ5の回転数の定格値は、タービンロータ5がターニング装置から離脱する回転数よりも十分に高い回転数(例えば、30〜100rpmなど)に設定されている。これによって、プレウォーミング中に、再度、タービンロータ5がターニング装置に嵌合することがないため、再嵌合によるターニング装置の破損などを防ぐことができる。また、タービンロータ5の回転数の定格値をタービンロータ5がターニング装置から離脱する回転数よりも十分に高い回転数に設定することで、蒸気タービン全体を迅速かつ均一にプレウォーミングすることができる。
【0089】
ここで、第3の実施の形態の蒸気タービンプラント40を、図7に示すように、複流型の高圧タービン2と複流型の中圧タービン3とがそれぞれ単体で連結された蒸気タービンに備えることもできる。なお、複流型の高圧タービン2および複流型の中圧タービン3において、各高圧タービン2間および各中圧タービン3間には、グランドシール部43が設けられている。
【0090】
また、高圧タービン2と中圧タービン3の双方が複流型に限らず、どちらか一方が、例えば、単体型などの他のタービン形態であってもよい。
複流型の高圧タービン2と複流型の中圧タービン3とがそれぞれ単体で連結された蒸気タービンに備える蒸気タービンプラントにおいても、第3の実施の形態の蒸気タービンプラント40における効果と同様の効果を得ることができる。
【0091】
【発明の効果】
本発明の蒸気タービンプラントおよび蒸気タービンのプレウォーミング方法によれば、プレウォーミング時において、タービンロータのターニング装置からの離脱後、再度、タービンロータがターニング装置に嵌合することなく、プレウォーミングを行うことができ、蒸気タービンおよび発電機の信頼性および安全性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の蒸気タービンプラントの構成図。
【図2】第1の実施の形態の蒸気タービンプラントにおける蒸気タービンのプレウォーミングのタイムチャートを示す図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の蒸気タービンプラントの構成図。
【図4】第2の実施の形態の蒸気タービンプラントにおける蒸気タービンのプレウォーミングのタイムチャートを示す図。
【図5】本発明の第3の実施の形態の蒸気タービンプラントの構成図。
【図6】第3の実施の形態の蒸気タービンプラントにおける蒸気タービンのプレウォーミングのタイムチャートを示す図。
【図7】本発明の第3の実施の形態の蒸気タービンプラントの構成の他の一例を示す蒸気タービンプラントの構成図。
【図8】従来の蒸気タービンプラントの構成図。
【符号の説明】
1…蒸気タービンプラント
2…高圧タービン
3…中圧タービン
4…高中圧中間グランドシール部
5…タービンロータ
6…補助蒸気発生器
7…圧力検知センサ部
7a…調整弁制御部
8…高圧タービン補助蒸気調整弁
10…回転数検知センサ部
10a…調整弁制御部
11…補助蒸気逃し調整弁
12…高圧排気管
12a…再熱蒸気管
13…再熱器
14…蒸気弁
15…蒸気逃し管
16…温度検知部
17…逆止弁
18…主蒸気発生器
19…主蒸気管
20…主蒸気弁
Claims (8)
- 高圧タービンと、
前記高圧タービンとタービンロータを介して軸直結された中圧タービンと、
前記高圧タービンと前記中圧タービンとの間に設けられたグランドシール部と、
前記高圧タービンに予熱用蒸気を供給する補助蒸気供給手段と
を備える蒸気タービンプラントであって、
前記高圧タービン内の圧力に基づいて、前記補助蒸気供給手段から前記高圧タービンに供給される前記予熱用蒸気の流量を調整する供給蒸気流量調整手段と、
前記タービンロータの回転数に基づいて、前記グランドシール部から前記中圧タービンに流出する前記予熱用蒸気の流量を調整し、前記タービンロータの回転数を所定の値に設定する流出蒸気流量調整手段と
を具備することを特徴とする蒸気タービンプラント。 - 前記流出蒸気流量調整手段が、前記グランドシール部と前記中圧タービンとの間の前記予熱用蒸気の流路に連通して接続され、前記予熱用蒸気の一部を前記流路から排出する排出配管に設置された逃し調整弁で構成されることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンプラント。
- 前記高圧タービンと前記中圧タービンとを連通する抽気配管をさらに設けるとともに、前記流出蒸気流量調整手段が、前記抽気配管に備えられた抽気加減弁で構成されることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンプラント。
- 高圧タービンと、
前記高圧タービンとタービンロータを介して軸直結された中圧タービンと、
前記高圧タービンおよび前記中圧タービンに予熱用蒸気を供給する補助蒸気供給手段と
を備える蒸気タービンプラントであって、
前記高圧タービン内の圧力に基づいて、前記補助蒸気供給手段から前記高圧タービンに供給される前記予熱用蒸気の流量を調整する高圧タービン供給蒸気流量調整手段と、
前記タービンロータの回転数に基づいて、前記補助蒸気供給手段から前記中圧タービンに供給される前記予熱用蒸気の流量を調整し、前記タービンロータの回転数を所定の値に設定する中圧タービン供給蒸気流量調整手段と
を具備することを特徴とする蒸気タービンプラント。 - 前記中圧タービン供給蒸気流量調整手段が、さらに前記中圧タービン内の圧力に基づいて、前記補助蒸気供給手段から前記中圧タービンに供給される前記予熱用蒸気の流量を調整することを特徴とする請求項4記載の蒸気タービンプラント。
- 高圧タービンと、
前記高圧タービンとタービンロータを介して軸直結された中圧タービンと、
前記高圧タービンに予熱用蒸気を供給する補助蒸気供給手段と
を備える蒸気タービンプラントにおける蒸気タービンのプレウォーミング方法であって、
前記高圧タービンに予熱用蒸気を供給する補助蒸気供給工程と、
前記高圧タービン内の圧力を検知する圧力検知工程と、
前記圧力検知工程における検知結果に基づいて、前記補助蒸気供給工程において前記高圧タービンに供給される前記予熱用蒸気の流量を調整する供給蒸気流量調整工程と、
前記補助蒸気供給工程において前記高圧タービンに供給された前記予熱用蒸気を前記中圧タービンに流出させる予熱用蒸気流出工程と、
前記タービンロータの回転数を検知する回転数検知工程と、
前記回転数検知工程における検知結果に基づいて、前記予熱用蒸気流出工程において前記中圧タービンに流出させる前記予熱用蒸気の流量を調整し、前記タービンロータの回転数を所定の値に設定する流出蒸気流量調整工程と
を具備することを特徴とする蒸気タービンのプレウォーミング方法。 - 高圧タービンと、
前記高圧タービンとタービンロータを介して軸直結された中圧タービンと、
前記高圧タービンおよび前記中圧タービンに予熱用蒸気を供給する補助蒸気供給手段と
を備える蒸気タービンプラントにおける蒸気タービンのプレウォーミング方法であって、
前記高圧タービンおよび前記中圧タービンに前記予熱用蒸気を供給する補助蒸気供給工程と、
前記高圧タービン内の圧力を検知する高圧タービン圧力検知工程と、
前記高圧タービン圧力検知工程における検知結果に基づいて、前記補助蒸気供給工程において前記高圧タービンに供給される前記予熱用蒸気の流量を調整する高圧タービン供給蒸気流量調整工程と、
前記タービンロータの回転数を検知する回転数検知工程と、
前記回転数検知工程における検知結果に基づいて、前記補助蒸気供給工程において前記中圧タービンに供給される前記予熱用蒸気の流量を調整し、前記タービンロータの回転数を所定の値に設定する中圧タービン供給蒸気流量調整工程と
を具備することを特徴とする蒸気タービンのプレウォーミング方法。 - 前記蒸気タービンのプレウォーミング方法が、さらに前記中圧タービン内の圧力を検知する中圧タービン圧力検知工程を具備し、前記中圧タービン圧力検知工程における検知結果に基づいて、前記補助蒸気供給工程において前記中圧タービンに供給される前記予熱用蒸気の流量を調整することを特徴とする請求項7記載の蒸気タービンのプレウォーミング方法。
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2003
- 2003-03-13 JP JP2003067810A patent/JP4188112B2/ja not_active Expired - Lifetime
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