JP2004281180A - スイッチ付き同軸コネクタ及び通信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中心コンタクト41及び外部導体43を有するプローブ40の装着、離脱に基づいて信号経路の切り換えを行うスイッチ付き同軸コネクタ。絶縁基板10には固定端子電極31,32が形成されている。可動端子20は、接触部21eを有する導電性薄板からなり、絶縁基板10に固定端子電極31と電気的に接続した状態で取り付けられている。プローブ40の離脱時において、可動端子20は梁部21cの弾性復元力で接触部21eが固定端子電極32と弾性的に接触している。プローブ40が装着されると、中心コンタクト41が可動端子20の頂部21dを押圧することによって梁部21c及び接触部21eが変位し、接触部21eが固定端子電極32上で摺動した後に絶縁膜33上に乗り上げ、該電極32から解離する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチ付き同軸コネクタ及び通信装置、特に、携帯電話等の移動体通信装置に組み込まれる信号経路の切換えが可能なスイッチ付き同軸コネクタ及び該コネクタを備えた通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献】
特開平9−245907号公報
【0003】
従来、携帯電話等の通信装置には、信号経路を切り換える機能を有する表面実装タイプのスイッチ付き同軸コネクタが使用されているものがある。この種のスイッチ付き同軸コネクタとして、本出願人は既に前記特開平9−245907号公報に開示のものを提案した。
【0004】
このスイッチ付き同軸コネクタは、図19に示すように、導電性薄板からなる可動端子92、固定端子93及び外部端子94を絶縁ケース91に取り付けたもので、可動端子92の先端に位置する接点部92aが薄板自身の弾性復元力によって固定端子93の接点部93aに接触して常閉接点を形成している。
【0005】
そして、特性を測定するためのプローブ80が装着されると、その中心コンタクト81が絶縁ケース91に突入し、可動端子92を圧接して下方に変位させ(図19の点線参照)、接点部92aが接点部93aから解離し、信号経路が固定端子93から中心コンタクト81に切り換わる。同時に、プローブ80の外部導体82が外部端子94に接触する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図19に示した従来のスイッチ付き同軸コネクタ90においては、接点部92a,93aは互いに点接触であり、かつ、無摺動で接離するため、解離しているときに接点部92a,93aに異物が付着したり、接点部92a,93aの表面に酸化皮膜などの絶縁皮膜が形成されると、再度接触した場合に電気的に接続されないおそれがあり、接触信頼性に問題を有していた。
【0007】
また、同軸コネクタ90のプローブ80との結合部95は開口状態にあり、異物が侵入しやすく、前記接触信頼性を損なう原因ともなっていた。
【0008】
また、従来の同軸コネクタ90においては、端子92,93,94を金属板からプレス加工や切削加工にて形成していたため、加工に手間がかかると共に部品点数が多くて組立てが煩雑であり、ひいては製作コストの上昇を招いていた。
【0009】
そこで、本発明の第1の目的は、可動端子と固定端子との接触信頼性が良好なスイッチ付き同軸コネクタ及び該コネクタを備えた通信装置を提供することにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、前記第1の目的に加えて、異物の侵入を防止するようにしたスイッチ付き同軸コネクタ及び該コネクタを備えた通信装置を提供することにある。
【0011】
本発明の第3の目的は、前記第1又は第2の目的に加えて、部品点数及び組立て工数の削減を図り、安価に製作できるスイッチ付き同軸コネクタ及び該コネクタを備えた通信装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】
以上の目的を達成するため、第1の発明は、
(a)中心コンタクト及び外部導体を有するプローブの装着、離脱に基づいて信号経路の切換えを行うスイッチ付き同軸コネクタにおいて、
(b)絶縁基板と、
(c)前記プローブの外部導体と電気的に接触するプローブ接触面を有し、前記絶縁基板に取り付けられた外部端子と、
(d)前記絶縁基板に設けた固定端子と、
(e)前記絶縁基板上であって前記固定端子の一部を被覆する状態又は固定端子に隣接して設けた絶縁膜と、
(f)弾性復元力を有し、接触部が前記固定端子に接離する可動端子と、を備え、
(g)前記可動端子は、前記プローブの離脱時には弾性復元力によってその接触部が前記固定端子と接触し、プローブの装着時には中心コンタクトが圧接することによって変位して該接触部が固定端子上で摺動した後前記絶縁膜上に乗り上げることにより固定端子との接触を解除すること、
を特徴とする。
【0013】
以上の構成からなるスイッチ付き同軸コネクタにおいては、可動端子の接触部が固定端子と接離する際に摺動動作を伴うため、これらの接点部を拭き清める作用を奏し、接点部に異物が付着していたり絶縁皮膜が形成されていても接触不良が解消される。さらに、可動端子の接触部は固定端子から解離する際には絶縁膜上に乗り上げるため、解離動作が確実である。
【0014】
本発明に係るスイッチ付き同軸コネクタにおいて、前記絶縁基板と前記外部端子との間に、外部端子の開口部をほぼ塞ぐ状態で絶縁ケースが介在されていることが好ましい。開口部からの異物の侵入を防止することができる。
【0015】
また、前記固定端子は1枚のばね性金属材からなるものであってもよいが、絶縁基板の表面に形成された膜状の固定端子電極であることが好ましい。固定端子を絶縁基板の表面に膜状電極として形成すれば、部品点数が減少すると共に、組立工数も減少することになり、安価に製作することが可能になる。また、膜状電極は極めて薄く、コネクタの低背化にも寄与する。
【0016】
この種の固定端子電極は、従来から知られている厚膜形成方法によって絶縁基板上に容易に形成することができる。例えば、導電性ペーストを絶縁基板上に塗布、印刷又は転写したのち焼付けたり、熱硬化又はUV硬化させればよい。さらに、固定端子電極にはめっき処理を施すことが好ましい。回路基板上に実装する際のはんだ付けが良好になる。絶縁基板上に導電性ペーストをスクリーン印刷して焼き付ければ、固定端子電極を効率的かつ安価に形成することができる。
【0017】
また、本発明に係るスイッチ付き同軸コネクタにおいては、前記絶縁基板上に第2の固定端子電極が設けられ、前記可動端子は絶縁基板に固定されると共に第2の固定端子電極と電気的に接続されていてもよい。
【0018】
さらに、前記可動端子は絶縁性弾性体にて弾性変形を補助される状態で保持されていてもよい。可動端子及び絶縁性弾性体の弾性を効果的に利用して接点部の接離動作を確実に行わせることが可能である。しかも、絶縁性弾性体にて接点部への異物の侵入を防止することもできる。
【0019】
また、本発明に係るスイッチ付き同軸コネクタは、前記絶縁性弾性体に複数の可動端子が保持され、前記絶縁基板に複数の可動端子の接触部に対応する複数の固定端子が設けられた、いわゆるアレイ状に構成してもよい。
【0020】
また、第2の発明に係る通信装置は前記第1の発明に係るスイッチ付き同軸コネクタを備えたことを特徴とし、該同軸コネクタの接触信頼性の向上によって信頼性の良好な通信装置とすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスイッチ付き同軸コネクタ及び通信装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0022】
(第1実施形態、図1〜図5参照)
本発明の第1実施形態であるスイッチ付き同軸コネクタ1は、図1〜図3に示すように、絶縁基板10と、外部端子(アース端子)15と、信号経路切換え用のスイッチング素子として機能する可動端子20と、固定端子電極31,32とから構成されている。
【0023】
この同軸コネクタ1に特性を測定するために接続されるプローブ40は、図4及び図5に示すように、中心コンタクト41の周囲に絶縁材42を介して外部導体43を設けたものである。
【0024】
絶縁基板10は、例えばアルミナ製、樹脂製であり、可動端子20を固定するための凹部11及び溝部12が形成されている。また、図1〜図3に斜線を付して示すように、表面から側面を介して裏面にわたって固定端子電極31,32が膜状に形成されている。また、固定端子電極32上には該電極32を部分的に被覆する状態で絶縁膜33が設けられている。
【0025】
膜状の固定端子電極31,32及び絶縁膜33は従来知られている厚膜形成方法(塗布、印刷、転写等)によって形成することができる。
【0026】
例えば、銀や銅を主成分とする導電性ペーストを絶縁基板10上に塗布、印刷又は転写したのち焼付ければ、50μm以下の厚みの電極31,32を得ることができる。あるいは、絶縁基板10上に印刷、塗布又は転写した導電性ペーストを熱硬化させたり、UV硬化させることにより電極31,32としてもよい。絶縁膜33は印刷用絶縁ペーストを塗布、印刷又は転写することにより設けることができる。
【0027】
さらに、固定端子電極31,32にはめっき処理が施される。めっき処理は下地めっきを含めて複数層に形成することも可能である。なお、固定端子電極31,32及び絶縁膜33を形成する工程は絶縁基板10がマザー基板の状態でバッチ処理により行うことが生産効率の点で好ましい。このようなバッチ処理による固定端子電極31,32及び絶縁膜33の形成方法は、第3実施形態(図15参照)において詳述する。
【0028】
外部端子15は、導電性薄板材を絞り加工等によって円筒形状に成形し、筒部16及び脚部17,17を設けたもので、絶縁基板10の上面に脚部17,17で該基板10を挟み込むように取り付けられている。外部端子15はグランド端子として機能するもので、筒部16の上縁部は、プローブ40が装着されたとき(図5参照)、外部導体43の先端部と電気的に接触するプローブ接触面16aとされている。
【0029】
可動端子20は、ばね性を有する導電性薄板(例えば、金めっきを施した銅板)からなり、爪部21b(図4参照)を有する屈曲片部21aと、頂部21dを有する梁部21cと、梁部21cの先端に位置する接触部21eとを有している。
【0030】
この可動端子20は、屈曲片部21aを凹部11に位置させると共に溝部12に圧入することで、爪部21bが溝部12の側壁に係合した状態で絶縁基板10に固定される。このとき、屈曲片部21aは固定端子電極31上に圧接した状態を維持する。また、接触部21eは梁部21cの弾性復元力にて固定端子電極32上に圧接している(図4参照)。
【0031】
次に、以上の構成からなるスイッチ付き同軸コネクタ1の動作について説明する。プローブ40の非装着時において、可動端子20は前述したように図4に示す状態にあり、可動端子20の屈曲片部21aが固定端子電極31に圧接すると共に接触部21eが固定端子電極32に弾性的に接触している。この場合、可動端子20を介して固定端子電極31,32間が信号経路として通じている。
【0032】
一方、プローブ40が装着されると、図5に示すように、中心コンタクト41が外部端子15の筒部16に進入し、中心コンタクト41の先端が可動端子20の頂部21dを押圧し、梁部21cが下方に変位すると共に接触部21eが外方(図5の矢印B方向)に移動して固定端子電極32上を摺動した後絶縁膜33上に乗り上げ、接触部21eが固定端子電極32から解離する。これにて、信号経路が固定端子電極31から中心コンタクト41に切り換わる。
【0033】
以上の構成及び動作を備えたスイッチ付き同軸コネクタ1にあっては、可動端子20の接触部21eが固定端子電極32と接離する際に摺動動作を伴うため、これらの接点部分がいわば拭き清められ、接点部に異物が付着していたり絶縁皮膜が形成されていても接触不良を生じることを未然に防止することができる。
【0034】
(第2実施形態、図6〜図9参照)
本発明の第2実施形態であるスイッチ付き同軸コネクタ2は、その構成を図6及び図7に示すように、かつ、その動作を図8及び図9に示すように、基本的には前記第1実施形態である同軸コネクタ1と同様の構成を有している。従って、同じ部品、部分には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0035】
本第2実施形態が前記第1実施形態と異なっているのは、絶縁基板10と外部端子15との間に、絶縁ケース19(図2参照)を介在させた点にある。この絶縁ケース19は、例えば樹脂材を一体成形したもので、中央孔部19aと逆すり鉢状の凹部19b(図8参照)とフランジ部19cとで構成されている。
【0036】
絶縁ケース19は、フランジ部19cを絶縁基板10と外部端子15のフランジ部18とで挟着された状態で絶縁基板10上に固定され、外部端子15の筒状部16の開口部をほぼ塞いでいる。また、可動端子20の頂部21dは中央孔部19aに臨んでいる。
【0037】
本第2実施形態において、プローブ40の着脱動作及びそれに伴う可動端子20の変位動作や接触部21eの固定端子電極32に対する接離動作は前記第1実施形態と同様である。従って、本第2実施形態の作用効果は前記第1実施形態と同様である。加えて、第2実施形態では、絶縁ケース19が外部端子15の筒部16の開口部をほぼ塞いでいるため、該開口部からの異物の侵入を極力防止することができる。
【0038】
(変形例、図10参照)
なお、絶縁基板10及びその上に形成した固定端子電極32と絶縁膜33に関しては、種々の変形例を考えることができる。例えば、図10(A)に示すように、固定端子電極32に段差部32aを設け、該段差部32a上に絶縁膜33を設けることで、絶縁膜33を可動端子20が接触する面と同一平面としてもよい。
【0039】
また、図10(B)に示すように、絶縁基板10をセグメント10A,10Bに分割し、セグメント10Aに固定端子電極32を形成しておき、次に、セグメント10Bをセグメント10Aに一体化したものであってもよい。この場合、セグメント10Bの固定端子電極32と隣接する部分10B’が絶縁膜として機能する。
【0040】
(第3実施形態、図11〜図14参照)
本発明の第3実施形態であるスイッチ付き同軸コネクタ3は、図11及び図12に示すように、絶縁基板10と、外部端子(アース端子)15と、信号経路切換え用のスイッチング素子として機能する可動端子22と、該可動端子22を保持する絶縁性弾性体25と、固定端子電極31,32とから構成されている。
【0041】
絶縁基板10は、例えばアルミナ製であり、両側面には凹部13a,13bが形成されている。この凹部13a,13bは、図15を参照して以下に説明するように、マザー基板10’に形成したスリット13が分割されたものである。
【0042】
さらに、絶縁基板10には、図11及び図12に斜線を付して示すように、表面から側面(凹部13a,13b)を介して裏面にわたって固定端子電極31,32が膜状に形成されている。また、固定端子電極32上には該電極32を部分的に被覆する状態で絶縁膜33が設けられている。
【0043】
固定端子電極31,32及び絶縁膜33に関しては前記第1実施形態で説明した通りである。また、外部端子15に関しても第1実施形態のものと同様である。
【0044】
可動端子22は、ばね性を有する導電性薄板(例えば、金めっきを施した銅板)からなり、図13に示すように、断面略八の字形状をなし、裾部分の先端に第1の接触部23a及び第2の接触部23bを有し、頂部が第3の接触部23cとされている。
【0045】
絶縁性弾性体25はエラストマ(例えば、高硬度のシリコンゴム)からなり、中央エラストマ26と側部エラストマ27,28とに3分割されてそれぞれ押出成形したものである。前記可動端子22は中央エラストマ26の両側面と側部エラストマ27,28の対向面との間に挟着されており、各エラストマ26,27,28の接合面を接着することにより、絶縁性弾性体25と可動端子22とが一体化されている。
【0046】
以上の如く一体化された絶縁性弾性体25と可動端子22は、絶縁基板10上に載置され、エラストマ27,28の段差部27a,28aを外部端子15のフランジ部18,18で押圧することで絶縁基板10上に固定される。このとき、絶縁性弾性体25の上部は弾性変形して外部端子15の筒部16の開口部を塞ぐ状態となる。また、可動端子22の接触部23cが筒部16の開口部中央に露出して臨む状態となる。
【0047】
可動端子22と絶縁性弾性体25とが絶縁基板10に取り付けられた状態は図13に示すとおりであり、接触部23aは側部エラストマ27によって弾性的に押圧されて固定端子電極31に圧接する。また、接触部23bは側部エラストマ28の突片28bによって弾性的に押圧されて固定端子電極32に圧接する。
【0048】
ところで、中央エラストマ26の一方の突片26aは比較的厚く成形されており、他方の突片26bは比較的薄く成形されている。また、側部エラストマ28の突片28bの上方には空洞部28cが形成されている。
【0049】
次に、以上の構成からなるスイッチ付き同軸コネクタ3の動作について説明する。プローブ40の非装着時において、可動端子22及び絶縁性弾性体25は前述したように図13に示す状態にあり、可動端子22の接触部23aが固定端子電極31に弾性的に接触すると共に接触部23bが固定端子電極32に弾性的に接触している。この場合、可動端子22を介して固定端子電極31,32間が信号経路として通じている。
【0050】
一方、プローブ40が装着されると、図14に示すように、中心コンタクト41が外部端子15の筒部16に進入し、中心コンタクト41の先端が可動端子22の接触部23cを押圧し、該接触部23cが下方に変位すると共に絶縁性弾性体25も下方に変位する。
【0051】
詳しくは、可動端子22の接触部23aはエラストマ26,27の下部が外方(図14の矢印A方向)に変形するのに伴って固定端子電極31上で接触を維持しつつ矢印A方向に摺動する。また、接触部23bはエラストマ26の突片26b及びエラストマ28の突片28bが外方(図14の矢印B方向)に変形するのに伴って固定端子電極32上で矢印B方向に摺動し、かつ、突片28bが空洞部28c側へ変形すると共に突片26bが接触部23bと固定端子電極32との間に侵入するのに伴って中心コンタクト41の進入方向とは逆方向に変位し、かつ、接触部23bが絶縁膜33上に乗り上げて固定端子電極32から解離する。即ち、信号経路が固定端子電極31から中心コンタクト41に切り換わる。
【0052】
なお、接触部23aに関しては、エラストマ27に空洞部が形成されておらず、また、エラストマ26の突片26aが比較的厚く成形されているため、プローブ40の装着時にエラストマ26,27が変形したとしても、接触部23aは固定端子電極31に対して摺動しかつ接触圧が大きくなるが、突片26aが接触部23aと固定端子電極31との間に進入することはなく、接触部23aと固定端子電極31との接触状態は維持される。
【0053】
以上の構成及び動作を備えたスイッチ付き同軸コネクタ3にあっては、可動端子22の接触部23a,23bが固定端子電極31,32と接離する際に摺動動作を伴うため、これらの接点部分がいわば拭き清められ、接点部に異物が付着していたり絶縁皮膜が形成されていても接触不良を生じることを未然に防止することができる。
【0054】
しかも、絶縁性弾性体25の上部が外部端子15の筒部16の開口部を塞いでいるため、該開口部からの異物の侵入が効果的に防止される。さらに、可動端子22は絶縁性弾性体25(エラストマ26,27,28)にて弾性変形を補助される状態で保持されているため、接触部23a,23bの接離動作が確実なものとなる。
【0055】
(固定端子電極の形成方法、図15参照)
次に、絶縁基板10上に固定端子電極31,32及び絶縁膜33を形成する方法の一例について説明する。
【0056】
絶縁基板10は、図15に示すマザー基板10’から一点鎖線で示す分割線X、Yにて分割されて1単位ずつカットされる。カットはダイサー等による切断、切れ目を入れて折り取る等の種々の方法を採用することができる。
【0057】
固定端子電極31,32及び絶縁膜33はマザー基板10’の段階で形成される。即ち、マザー基板10’には分割線X上にスリット13を形成する。このマザー基板10’の表面にスクリーンマスクを重ねて導電性ペーストを所定の位置にスクリーン印刷し、裏面にも同様の手順で導電性ペーストを所定の位置にスクリーン印刷する。このとき、導電性ペーストの一部はスリット13に入り込み、その側面にも付着する。その後、焼付け処理することにより固定端子電極31,32が形成される。
【0058】
さらに、分割線Xに沿って絶縁性ペーストをスクリーン印刷することで固定端子電極32の一部を覆う絶縁膜33が形成される。
【0059】
前記固定端子電極31,32上にはめっき処理を施してもよい。なお、マザー基板10’に導電性ペーストや絶縁性ペーストを付与する方法はスクリーン印刷以外に種々の方法を採用することができる
【0060】
以上の如く、固定端子を膜状の電極31,32として絶縁基板10上に形成すれば、金属端子部品が1点少なくなり、組立工数も減少することになり、製作コストの低減が達成される。また、固定端子電極31,32は金属端子と比較して極めて薄く、コネクタ1の低背化にも寄与する。特に、固定端子電極31,32及び絶縁膜33をマザー基板10’の段階で形成するようにすれば、いわゆるバッチ処理にて電極付き絶縁基板10を量産することができ、生産効率が向上する。
【0061】
なお、固定端子は従来のように導電性金属板をプレス成形して絶縁基板10に取り付けるようにしてもよい。この場合はコスト的に膜状電極よりも高く付くが、表面硬度が膜状電極よりも硬くなるため、接触信頼性の点では有利である。
【0062】
(第4実施形態、図16及び図17参照)
本発明の第4実施形態であるスイッチ付き同軸コネクタ4は、図16及び図17に示すように、絶縁基板10、外部端子15、絶縁性弾性体25を長尺状に構成し、絶縁性弾性体25に複数の可動端子22を所定間隔で設け、絶縁基板10に可動端子22の接触部23a,23b(図16及び図17では図示されず)に対応する複数対の固定端子電極31,32を設けたものである。図16及び図17において、前記第3実施形態と同じ部品、部分には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0063】
即ち、この第4実施形態は、複数の信号経路を備えたアレイ状に構成したもので、各信号経路の断面形状は前記第3実施形態と同様であり(図14及び図15参照)、プローブ40の着脱に基づく可動端子22や絶縁性弾性体25の動作は前記第3実施形態と同様である。
【0064】
(通信装置の実施形態、図18参照)
次に、本発明のいま一つの実施形態である通信装置について説明する。図18は携帯電話の高周波回路120を示し、該高周波回路120は、アンテナ素子122を備えると共に、デュプレクサ123、切換えスイッチ125、送信側アイソレータ131、送信側増幅器132、送信側段間用バンドパスフィルタ133、送信側ミキサ134、受信側増幅器135、受信側段間バンドパスフィルタ136、受信側ミキサ137、電圧制御発振器(VCO)138及びローカル用バンドパスフィルタ139によって構成されている。
【0065】
ここに、切換えスイッチ125として、前記スイッチ付き同軸コネクタ1,2,3又は4を使用することができる。これにより、例えば、セットメーカでの携帯電話の組立て工程において、高周波回路120の電気特性をチェックする場合、測定器に接続されたプローブ40を前述の如くスイッチ付き同軸コネクタ1,2,3又は4に装着すれば、高周波回路120からアンテナ素子122への信号経路を測定器側に切り換えることができる。
【0066】
(他の実施形態)
なお、本発明に係るスイッチ付き同軸コネクタ及び通信装置は、前記実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0067】
例えば、スイッチ付き同軸コネクタの構成部品である絶縁基板、外部端子、可動端子、固定端子及び絶縁膜の細部の構造は任意である。特に、絶縁基板はケース状であってもよい。また、スイッチ付き同軸コネクタは携帯電話以外にも種々の通信装置に組み込むことができる。
【0068】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係るスイッチ付き同軸コネクタによれば、プローブの着脱に基づいて可動端子の接触部が固定端子上を摺動するため、接点部に付着した異物や絶縁皮膜が除去されることになり、接触信頼性が向上する。さらに、可動端子の接触部は固定端子から解離する際には絶縁膜上に乗り上げるため、解離動作が確実になる。
【0069】
また、本発明に係る通信装置は前述の効果を有するスイッチ付き同軸コネクタを備えることにより、信頼性の向上した通信装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるスイッチ付き同軸コネクタを示す斜視図である。
【図2】図1に示したスイッチ付き同軸コネクタを示す分解斜視図である。
【図3】図1に示したスイッチ付き同軸コネクタにおいて絶縁基板に可動端子を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示したスイッチ付き同軸コネクタのプローブ未装着時を示す断面図である。
【図5】図1に示したスイッチ付き同軸コネクタのプローブ装着時を示す断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態であるスイッチ付き同軸コネクタを示す斜視図である。
【図7】図6に示したスイッチ付き同軸コネクタを示す分解斜視図である。
【図8】図6に示したスイッチ付き同軸コネクタのプローブ未装着時を示す断面図である。
【図9】図6に示したスイッチ付き同軸コネクタのプローブ装着時を示す断面図である。
【図10】(A),(B)はそれぞれ絶縁基板、固定端子電極及び絶縁膜の変形例を示す断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態であるスイッチ付き同軸コネクタを示す斜視図である。
【図12】図11に示したスイッチ付き同軸コネクタを示す分解斜視図である。
【図13】図11に示したスイッチ付き同軸コネクタのプローブ未装着時を示す断面図である。
【図14】図11に示したスイッチ付き同軸コネクタのプローブ装着時を示す断面図である。
【図15】固定端子電極及び絶縁膜を形成した状態でのマザー基板を示す斜視図である。
【図16】本発明の第4実施形態であるスイッチ付き同軸コネクタを示す斜視図である。
【図17】図16に示したスイッチ付き同軸コネクタを示す分解斜視図である。
【図18】本発明の他の実施形態である通信装置(携帯電話)の高周波回路を示すブロック図である。
【図19】従来のスイッチ付き同軸コネクタのプローブ未装着時を示す断面図である。
【符号の説明】
1〜4…スイッチ付き同軸コネクタ
10…絶縁基板
15…外部端子
16a…プローブ接触面
19…絶縁ケース
20,22…可動端子
21e,23a,23b…接触部
25…絶縁性弾性体
31,32…固定端子電極
33…絶縁膜
40…プローブ
41…中心コンタクト
43…外部導体
120…高周波回路
125…切換えスイッチ(スイッチ付き同軸コネクタ)
Claims (8)
- 中心コンタクト及び外部導体を有するプローブの装着、離脱に基づいて信号経路の切換えを行うスイッチ付き同軸コネクタにおいて、
絶縁基板と、
前記プローブの外部導体と電気的に接触するプローブ接触面を有し、前記絶縁基板に取り付けられた外部端子と、
前記絶縁基板に設けた固定端子と、
前記絶縁基板上であって前記固定端子の一部を被覆する状態又は固定端子に隣接して設けた絶縁膜と、
弾性復元力を有し、接触部が前記固定端子に接離する可動端子と、を備え、
前記可動端子は、前記プローブの離脱時には弾性復元力によってその接触部が前記固定端子と接触し、プローブの装着時には中心コンタクトが圧接することによって変位して該接触部が固定端子上で摺動した後前記絶縁膜上に乗り上げることにより固定端子との接触を解除すること、
を特徴とするスイッチ付き同軸コネクタ。 - 前記絶縁基板と前記外部端子との間に、外部端子の開口部をほぼ塞ぐ状態で絶縁ケースが介在されていることを特徴とする請求項1記載のスイッチ付き同軸コネクタ。
- 前記固定端子は前記絶縁基板の表面に形成された膜状の固定端子電極であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスイッチ付き同軸コネクタ。
- 前記固定端子電極は絶縁基板上に導電性ペーストをスクリーン印刷して焼き付けたものであることを特徴とする請求項3記載のスイッチ付き同軸コネクタ。
- 前記絶縁基板上に第2の固定端子電極が設けられ、前記可動端子は絶縁基板に固定されると共に第2の固定端子電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載のスイッチ付き同軸コネクタ。
- 前記可動端子は絶縁性弾性体にて弾性変形を補助される状態で保持されていることを特徴とする請求項1、請求項3、請求項4又は請求項5記載のスイッチ付き同軸コネクタ。
- 前記絶縁性弾性体に複数の可動端子が保持され、前記絶縁基板に複数の可動端子の接触部に対応する複数の固定端子が設けられていることを特徴とする請求項1、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6記載のスイッチ付き同軸コネクタ。
- 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6又は請求項7記載のスイッチ付き同軸コネクタを備えたことを特徴とする通信装置。
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