JP2004282934A - 駆動用電動機及びこれを用いた圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、構造の複雑化や経済性を低下させることなく始動時のトルク特性を改善できる駆動用電動機を提供することにある。
【解決手段】本発明は、固定子鉄心3に集中巻きした固定子巻線6を備え、回転子鉄心8に回転子導体(9,12,14,15,16A〜16D)を備えた駆動用電動機において、前記回転子導体(9,12,14,15,16A〜16D)を短絡する短絡リング10,13,17〜20を周方向に2n(nは整数)分割したのである。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、固定子鉄心3に集中巻きした固定子巻線6を備え、回転子鉄心8に回転子導体(9,12,14,15,16A〜16D)を備えた駆動用電動機において、前記回転子導体(9,12,14,15,16A〜16D)を短絡する短絡リング10,13,17〜20を周方向に2n(nは整数)分割したのである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は駆動用電動機及びこれを用いた圧縮機に係り、特に、集中巻きされた固定子巻線を固定子に備えた誘導電動機や自己始動型永久磁石式同期電動機等の駆動用電動機及びこれを用いた圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から構造が簡単で経済的な駆動用電動機として、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されているように、固定子に集中巻きされた固定子巻線を備えた誘導電動機や自己始動型永久磁石式同期電動機が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−204161号公報
【特許文献2】
特開2001−157427号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術によれば、構造が簡単で経済的な小型の駆動用電動機を得ることができる。しかし、誘導電動機においては、固定子巻線を集中巻きとしたことにより、2次,4次を始めとする偶数次を主成分とする高調波磁束が大きくなる。その結果、これら高調波磁束による誘導電動機始動時のトルク特性の劣化が懸念されている。そのため、高調波磁束の低減策が種々講じられているが、それらは構造をいたずらに複雑化させたり、経済性を低下させている。
【0005】
一方、固定子巻線を集中巻きとしたことにより、自己始動型永久磁石式同期電動機においても、始動時は誘導電動機として動作することから偶数次高調波磁束によって始動時の異常トルクが発生する問題が生じ、この異常トルクを緩和するために種々の対策が講じられているが、結果的に、誘導電動機と同様に、構造を複雑化させ、経済性を低下させている。
【0006】
本発明の目的は、構造の複雑化や経済性を低下させることなく始動時のトルク特性を改善できる駆動用電動機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、固定子鉄心に集中巻きした固定子巻線を備え、回転子鉄心に回転子導体を備えた駆動用電動機において、前記回転子導体を短絡する短絡リングを周方向に2n(nは整数)分割したのである。
【0008】
上記構成のうち集中巻固定子巻線と回転子導体を備えることにより、構造が簡単で経済的な駆動用電動機を得ることができる。また、回転子導体を短絡する短絡リングを周方向に偶数分割することにより、回転子導体の導体に鎖交する偶数次の高調波磁束が低減するので、導体に誘導されるうず電流に含まれる高調波成分も低減でき、その結果、制動トルクの発生を抑えて始動時のトルク特性を改善することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明による第1の実施の形態を図1及び図2に示す誘導電動機に基づいて説明する。一般に誘導電動機は、固定子1と、この固定子1の内周に対し周方向の空隙を介して対向する外周を有する回転子2とを備えている。
【0010】
そして、固定子1は、例えば円筒状に形成した珪素鋼板を積層して形成した固定子鉄心3を有し、この固定子鉄心3の周方向に等ピッチで3つのスロット4を内径側から外径側に向かって形成し、隣接するスロット4間に歯部5を形成している。このように形成された固定子鉄心3の各歯部5に固定子巻線6を夫々集中巻きして装着し、U相固定子巻線6A,V相固定子巻線6B,W相固定子巻線6Cを形成している。
【0011】
一方、回転子2は、回転軸7上に例えば円筒状に形成した珪素鋼板を軸方向に積層して形成した回転子鉄心8と、この回転子鉄心8の外径側に、周方向等ピッチとなるように、軸方向に貫通させて装着した複数の回転子導体9と、これら複数の回転子導体9の回転子鉄心8から突出した端部を電気的に短絡させる短絡リング10とを備えている。
【0012】
本実施の形態における短絡リング10は、周方向に2分割された第1短絡リング10Aと第2短絡リング10Bとを有しており、複数の回転子導体9もこれと対応させて第1回転子導体郡9Aと第2回転子導体9Bに分けられている。そして、第1回転子導体郡9Aは第1短絡リング10Aに接続し、第2回転子導体9Bは第2短絡リング10Bに接続している。このように接続された回転子導体9と短絡リング10は、電気的に2つの回路を構成する。
【0013】
以上のように短絡リング10を周方向に2n(nは整数)分割したので、固定子1と回転子2との周方向の空隙に分布する偶数次の高調波磁束は、電気角180度ピッチで積分し平均化すると、正負の振幅で打消され、原理的にゼロとなる。即ち、回転子導体9と短絡リング10による回路が電気角180度ピッチで形成された2つの回路構成となるので、回転子導体9に鎖交する磁束は、ほぼ基本波成分のみとすることが可能となる。その結果、2分された第1回転子導体郡9Aと第2回転子導体9Bに誘導されるうず電流に含まれる偶数時高調波成分が減少し、これにより始動時発生する制動トルクを低減できるので、始動時のトルク特性を改善することができる。
【0014】
したがって、本実施の形態によれば、構造を複雑化したり、経済性を低下させることなく始動時のトルク特性を改善することができる。勿論、固定子巻線6を集中巻としたことにより、構造が簡単で経済的な誘導電動機を得ることができる。
【0015】
図3は、自己始動型永久磁石式同期電動機に本発明を適用した第2の実施の形態を示すもので、外観的には第1の実施の形態と同じである。
【0016】
本実施の形態において、第1の実施の形態と異なる構成は、回転子2に永久磁石11を装着した点であり、これ以外の構成は第1の実施の形態と同じである。
【0017】
即ち、本実施の形態においては、起動から加速を誘導電動機として行い、定速運転を同期電動機として行うように、回転子鉄心8の回転子導体9よりも内径側となる位置に、磁極数pが2極となるように、6つの永久磁石11を装着したのである。これら永久磁石11は、矩形断面をなし、回転子鉄心8の積層方向に沿って装着されている。
【0018】
このように短絡リング10を周方向に2n(nは整数)分割し、n≦2p(pは極数)としたことにより、第1の実施の形態と同じ効果を奏することができる。また、商用周波数の電源で運転するに際し、始動時は回転子導体9によるかご型回転子巻線により誘導電動機として同期速度直前まで駆動及び加速し、その後は同期引き入れして永久磁石11により同期電動機として運転することができるので、始動が円滑な運転を行うことができる。
【0019】
図4及び図5は、誘導電動機に本発明を適用した第3の実施の形態を示すもので、図1及び図2に示す第1の実施の形態と異なる構成は、回転子導体12と短絡リング13との接続構造である。
【0020】
即ち、本実施の形態において、短絡リング13は、周方向に2n(nは整数)分割、即ち、4分割された第1短絡リング13A,第2短絡リング13B,第3短絡リング13C,第4短絡リング13Dを用いている。同様に、複数の回転子導体12もこれと対応させて第1回転子導体郡12A,第2回転子導体郡12B,第3回転子導体郡12C,第4回転子導体12Dに分けている。そして、第1回転子導体郡12Aは第1短絡リング13Aに接続し、第2回転子導体12Bは第2短絡リング13Bに接続し、第3回転子導体郡12Cは第1短絡リング13Cに接続し、第4回転子導体12Dは第2短絡リング13Dに接続している。このように接続された回転子導体9と短絡リング10は、電気的に4つの回路を構成する。
【0021】
以上のように短絡リング12を周方向に4分割して、回転子導体12と短絡リング13による回路を4つとすることにより、回転子導体12に鎖交する偶数次の高調波磁束をさらに低減することが可能となる。その結果、4分された第1〜第4回転子導体郡12A〜12Dに夫々誘導されるうず電流に含まれる高調波成分もさらに減少し、これにより始動時発生する制動トルクをさらに低減できるので、始動時のトルク特性をさらに改善することができる。
【0022】
図6は、本発明を自己始動型永久磁石式同期電動機に適用した第4の実施の形態を示すもので、外観的には第3の実施の形態と同じである。
【0023】
本実施の形態において、第3の実施の形態と異なる構成は、回転子2に永久磁石11を装着した点であり、これ以外の構成は第3の実施の形態と同じである。
【0024】
本実施の形態によれば、第3の実施の形態と同じ効果を奏するほか、第2の実施の形態と同じように、始動が円滑な運転を行うことができる。
【0025】
図7及び図8は、誘導電動機に本発明を適用した第5の実施の形態を示すもので、図1及び図2に示す第1の実施の形態と異なる構成は、上回転子導体14,下回転子導体15及び長断面回転子導体16A,16Bとで二重かご型回転子巻線を構成したことと、これらを短絡する第1及び第2短絡リング17,18の接続構造である。
【0026】
即ち、本実施の形態において、上回転子導体14は回転子鉄心8の外径側に周方向に等間隔に複数装着されており、下回転子導体15は上回転子導体14より内径側の回転子鉄心8に、上回転子導体14と対向するように同数装着されている。これら上及び下回転子導体14,15は、夫々第1上回転子導体郡14A,第2上回転子導体郡14B及び第1下回転子導体郡15A,第2下回転子導体郡15Bに分けられている。
【0027】
そして、長断面回転子導体16A,16Bは前記上及び下回転子導体14,15を周方向に2分する位置、云い代えれば第1上回転子導体郡14A,第1下回転子導体郡15Aと第2上回転子導体郡14B,第2下回転子導体郡15Bとの境界部となる位置の回転子鉄心8に装着されている。これら長断面回転子導体16A,16Bは、外径側が前記上回転子導体14の外径側と同じ位置となるように、内径側が前記下回転子導体15の内径側と同じ位置となるように装着されている。
【0028】
一方、これら上及び下回転子導体14,15,長断面回転子導体16A,16Bの端部を短絡する第1及び第2短絡リング17,18は、2分された上部及び下部の回転子導体14,15を交互に接続して短絡させている。即ち、第1短絡リング17の第1短絡部17Aは前記第1上回転子導体郡14Aを短絡すると共に、長断面回転子導体16Bを短絡し、さらに前記第2下回転子導体郡15Bを第2短絡部17Bで短絡している。第2短絡リング18の第1短絡部18Aは前記第2上回転子導体郡14Bを短絡すると共に、長断面回転子導体16Aを短絡し、さらに前記第1下回転子導体郡15Aを第2短絡部18Bで短絡している。
【0029】
本実施の形態によれば、第1に実施の形態と同等の効果を奏することができる。このほか、二重かご型を構成する上及び下回転子導体14,15を周方向に2分した上、第1短絡リング17及び第2短絡リング18は夫々第1上回転子導体郡14A及び第2上回転子導体郡14Bを短絡すると共に、他の短絡リング側に位置する第1下回転子導体郡15A及び第2下回転子導体郡15Bを交互に接続して短絡させているので、始動トルクを滑らかにすることができる。また、第1下回転子導体郡15A及び第2下回転子導体郡15Bは、長断面回転子導体16A,16Bを挟み込むように構成されていることから、短節ピッチで巻回されるので、上回転子導体14と下回転子導体15とに誘導電流の位相差が生じ、そのため偶数次高調波成分を低減できるとともに、奇数時高調波成分をも抑制することができる。その結果、より滑らかな回転子起磁力分布が得られ、起動トルクを滑らかにすることができる。
【0030】
図9は、本発明を自己始動型永久磁石式同期電動機に適用した第6の実施の形態を示すもので、外観的には第5の実施の形態と同じである。
【0031】
本実施の形態において、第5の実施の形態と異なる構成は、回転子2に永久磁石11を装着した点であり、これ以外の構成は第5の実施の形態と同じである。
【0032】
本実施の形態によれば、第5の実施の形態と同じ効果を奏するほか、第2の実施の形態と同じように、始動が円滑な運転を行うことができる。
【0033】
図10及び図11は、誘導電動機に本発明を適用した第7の実施の形態を示すもので、図7及び図8に示す第5の実施の形態と異なる構成は、二重かご型回転子巻線を構成する上及び下回転子導体14,15,長断面16A〜16Dを4郡に分けたことと、これらを短絡する4つの第1〜第4短絡リング17〜20の接続構造である。
【0034】
即ち、本実施の形態において、上回転子導体14は回転子鉄心8の外径側に周方向に等間隔に複数装着されており、下回転子導体15は上回転子導体14より内径側の回転子鉄心8に、上回転子導体14と対向するように複数装着されている。これら上及び下回転子導体14,15は、夫々第1上回転子導体郡14A〜第4上部回転子導体郡14D及び第1下回転子導体郡15A〜第4下部回転子導体郡15Dの4郡に分けられている。
【0035】
そして、4つの長断面回転子導体16A〜16Dは前記上及び下回転子導体14,15を周方向に4分する位置、云い代えれば第1上回転子導体郡14A,第1下回転子導体郡15Aと第4上回転子導体郡14D,第4下回転子導体郡15D間、第1上回転子導体郡14A,第1下回転子導体郡15Aと第2上回転子導体郡14B,第2下回転子導体郡15B間、第2上回転子導体郡14B,第2下回転子導体郡15Bと第3上回転子導体郡14C,第3下回転子導体郡15C間、第3上回転子導体郡14C,第3下回転子導体郡15Cと第4上回転子導体郡14D,第4下回転子導体郡15D間に位置する回転子鉄心8に装着されている。そして、これら長断面回転子導体16A〜16Dは、外径側が前記上回転子導体14の外径側と同じ位置となるように、内径側が前記回転子導体15の内径側と同じ位置となるように装着されている。
【0036】
一方、これら上及び下回転子導体14,15,長断面回転子導体16A〜16Dの端部を短絡する第1〜第4短絡リング17〜20は、4分された上及び下回転子導体14,15を巴状に交互に接続して短絡させている。即ち、第1短絡リング17の第1短絡部17Aは前記第1上回転子導体郡14Aを短絡すると共に、長断面回転子導体16Bを短絡し、さらに前記第2下回転子導体郡15Bを第2短絡部17Bで短絡している。第2短絡リング18の第1短絡部18Aは前記第2上回転子導体郡14Bを短絡すると共に、長断面回転子導体16Cを短絡し、さらに前記第3下回転子導体郡15Cを第2短絡部18Bで短絡している。第3短絡リング19の第1短絡部19Aは前記第3上回転子導体郡14Cを短絡すると共に、長断面回転子導体16Dを短絡し、さらに前記第4下回転子導体郡15Dを第2短絡部19Bで短絡している。第4短絡リング20の第1短絡部20Aは前記第4上回転子導体郡14Dを短絡すると共に、長断面回転子導体16Aを短絡し、さらに前記第1下回転子導体郡15Aを第2短絡部20Bで短絡している。
【0037】
本実施の形態によれば、上記第5の実施の形態と同じ効果を奏するほか、回転子導体を4郡に分け、電気角で略180度ピッチで巻回されるような4つの短絡リングで巴状に短絡したので、短絡リングを2分割した場合に比べ偶数次高調波成分をより大きく低減でき、トルク特性をさらに改善することができる。
【0038】
図12は、本発明を自己始動型永久磁石式同期電動機に適用した第8の実施の形態を示すもので、外観的には第7の実施の形態と同じである。
【0039】
本実施の形態において、第7の実施の形態と異なる構成は、回転子2に永久磁石11を装着した点であり、これ以外の構成は第7の実施の形態と同じである。
【0040】
本実施の形態によれば、第7の実施の形態と同じ効果を奏するほか、第2の実施の形態と同じように、始動が円滑な運転を行うことができる。
【0041】
次に、上記のように構成された駆動用電動機を圧縮機に適用した一例を図13に基づいて説明する。ここに用いた駆動用電動機は、例えば、図3に示す第2の実施の形態による永久磁石式同期電動機を用いた。したがって、図3と同一符号は同一部品を示すので、永久磁石式同期電動機の再度の詳細な説明は省略する。
【0042】
圧縮機21は、円筒状の密封圧力容器22と、この密封圧力容器22内に設置され駆動用電動機となる自己始動型の永久磁石式同期電動機23と、この永久磁石式同期電動機23により駆動され前記密封圧力容器22内に設置される圧縮機構部24とを備えている。
【0043】
永久磁石式同期電動機23は、密封圧力容器22内に軸受25A,25Bを介して回転自在に支承された回転軸7に固定された回転子2と、この回転子2に周方向の空隙を介して対向し密封圧力容器22内固定された固定子1とを備えている。
【0044】
このように構成された永久磁石式同期電動機23を駆動用電動機として用いた圧縮機21の圧縮機構部24は、回転軸7の上端に形成されたクランク軸26によって旋回する旋回スクロール部材27と、この旋回スクロール部材27と噛合う固定スクロール部材28とを備えている。そして、前記旋回スクロール部材27は、端板29に直立する可動渦巻状ラップ30を有し、前記固定スクロール部材28は、可動渦巻状ラップ30と噛合う固定渦巻状ラップ31と、この固定渦巻状ラップ31を直立支持する端板32を有する。
【0045】
このように構成された圧縮機構部24の可動渦巻状ラップ30をクランク軸26によって旋回運動させると、可動渦巻状ラップ30と固定渦巻状ラップ31とによって形成された圧縮室33Aが外径側から中心に向かって移動する過程で次第に容積を縮小し、圧縮動作を行うのである。
【0046】
前記密封圧力容器22内の底部には、潤滑油37が満たされており、この潤滑油37内に前記回転軸7の下端を浸している。この回転軸7にはクランク軸26まで貫通する油孔38が設けられており、回転軸7の回転時の圧力差を利用して、前記潤滑油37を旋回スクロール部材27とクランク軸26間及び軸受25Aへ給油している。
【0047】
以上のように構成した圧縮機21は、運転を開始すると、ガス供給口34から供給されたガスを外径側に位置する圧縮室33Aに供給する。この圧縮室33Aに供給されたガスは中心側の圧縮室30Bに至る間に圧縮され、この圧縮室30Bに設けた吐出口35から密封圧力容器22内に吐出される。吐出された圧縮ガスは、圧縮機構部24と永久磁石式同期電動機23の間に廻り込み、ここの密封圧力容器22の側壁に設けた吐出パイプ36から圧縮機1外に排出される。
【0048】
このように本発明による駆動用電動機を圧縮機に適用することにより、一定速圧縮機の高効率化を容易に得ることができる。
【0049】
尚、一例として第2の実施の形態による永久磁石式同期電動機を圧縮機に適用したが、これに限らず他の実施の形態による誘導電動機や永久磁石式同期電動機を用いることができることは云うまでもない。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、構造の複雑化や経済性を低下させることなく始動時のトルク特性を改善できる駆動用電動機及びこれを用いた圧縮機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による駆動用電動機の第1の実施の形態として誘導電動機を示す概略斜視図。
【図2】図1のA―A線に沿う断面図。
【図3】本発明による駆動用電動機の第2の実施の形態として自己始動型永久磁石式同期電動機を示す図2相当図。
【図4】本発明による駆動用電動機の第3の実施の形態として誘導電動機を示す概略斜視図。
【図5】図4のB―B線に沿う断面図。
【図6】本発明による駆動用電動機の第4の実施の形態として自己始動型永久磁石式同期電動機を示す図5相当図。
【図7】本発明による駆動用電動機の第5の実施の形態として誘導電動機を示す概略斜視図。
【図8】図7のC―C線に沿う断面図。
【図9】本発明による駆動用電動機の第6の実施の形態として自己始動型永久磁石式同期電動機を示す図8相当図。
【図10】本発明による駆動用電動機の第7の実施の形態として誘導電動機を示す概略斜視図。
【図11】図10のD―D線に沿う断面図。
【図12】本発明による駆動用電動機の第8の実施の形態として自己始動型永久磁石式同期電動機を示す図11相当図。
【図13】本発明による駆動用電動機を適用した圧縮機を示す概略縦断面図。
【符号の説明】
1…固定子、2…回転子、3…固定子鉄心、5…歯部、6…固定子巻線、8…回転子鉄心、9,12…回転子導体、14…上回転子導体、15…下回転子導体、16A〜16D…長断面回転子導体、10,13,17〜20…短絡リング、11…永久磁石、21…圧縮機、23…駆動用電動機、24…圧縮機構部。
【発明の属する技術分野】
本発明は駆動用電動機及びこれを用いた圧縮機に係り、特に、集中巻きされた固定子巻線を固定子に備えた誘導電動機や自己始動型永久磁石式同期電動機等の駆動用電動機及びこれを用いた圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から構造が簡単で経済的な駆動用電動機として、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されているように、固定子に集中巻きされた固定子巻線を備えた誘導電動機や自己始動型永久磁石式同期電動機が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−204161号公報
【特許文献2】
特開2001−157427号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術によれば、構造が簡単で経済的な小型の駆動用電動機を得ることができる。しかし、誘導電動機においては、固定子巻線を集中巻きとしたことにより、2次,4次を始めとする偶数次を主成分とする高調波磁束が大きくなる。その結果、これら高調波磁束による誘導電動機始動時のトルク特性の劣化が懸念されている。そのため、高調波磁束の低減策が種々講じられているが、それらは構造をいたずらに複雑化させたり、経済性を低下させている。
【0005】
一方、固定子巻線を集中巻きとしたことにより、自己始動型永久磁石式同期電動機においても、始動時は誘導電動機として動作することから偶数次高調波磁束によって始動時の異常トルクが発生する問題が生じ、この異常トルクを緩和するために種々の対策が講じられているが、結果的に、誘導電動機と同様に、構造を複雑化させ、経済性を低下させている。
【0006】
本発明の目的は、構造の複雑化や経済性を低下させることなく始動時のトルク特性を改善できる駆動用電動機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、固定子鉄心に集中巻きした固定子巻線を備え、回転子鉄心に回転子導体を備えた駆動用電動機において、前記回転子導体を短絡する短絡リングを周方向に2n(nは整数)分割したのである。
【0008】
上記構成のうち集中巻固定子巻線と回転子導体を備えることにより、構造が簡単で経済的な駆動用電動機を得ることができる。また、回転子導体を短絡する短絡リングを周方向に偶数分割することにより、回転子導体の導体に鎖交する偶数次の高調波磁束が低減するので、導体に誘導されるうず電流に含まれる高調波成分も低減でき、その結果、制動トルクの発生を抑えて始動時のトルク特性を改善することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明による第1の実施の形態を図1及び図2に示す誘導電動機に基づいて説明する。一般に誘導電動機は、固定子1と、この固定子1の内周に対し周方向の空隙を介して対向する外周を有する回転子2とを備えている。
【0010】
そして、固定子1は、例えば円筒状に形成した珪素鋼板を積層して形成した固定子鉄心3を有し、この固定子鉄心3の周方向に等ピッチで3つのスロット4を内径側から外径側に向かって形成し、隣接するスロット4間に歯部5を形成している。このように形成された固定子鉄心3の各歯部5に固定子巻線6を夫々集中巻きして装着し、U相固定子巻線6A,V相固定子巻線6B,W相固定子巻線6Cを形成している。
【0011】
一方、回転子2は、回転軸7上に例えば円筒状に形成した珪素鋼板を軸方向に積層して形成した回転子鉄心8と、この回転子鉄心8の外径側に、周方向等ピッチとなるように、軸方向に貫通させて装着した複数の回転子導体9と、これら複数の回転子導体9の回転子鉄心8から突出した端部を電気的に短絡させる短絡リング10とを備えている。
【0012】
本実施の形態における短絡リング10は、周方向に2分割された第1短絡リング10Aと第2短絡リング10Bとを有しており、複数の回転子導体9もこれと対応させて第1回転子導体郡9Aと第2回転子導体9Bに分けられている。そして、第1回転子導体郡9Aは第1短絡リング10Aに接続し、第2回転子導体9Bは第2短絡リング10Bに接続している。このように接続された回転子導体9と短絡リング10は、電気的に2つの回路を構成する。
【0013】
以上のように短絡リング10を周方向に2n(nは整数)分割したので、固定子1と回転子2との周方向の空隙に分布する偶数次の高調波磁束は、電気角180度ピッチで積分し平均化すると、正負の振幅で打消され、原理的にゼロとなる。即ち、回転子導体9と短絡リング10による回路が電気角180度ピッチで形成された2つの回路構成となるので、回転子導体9に鎖交する磁束は、ほぼ基本波成分のみとすることが可能となる。その結果、2分された第1回転子導体郡9Aと第2回転子導体9Bに誘導されるうず電流に含まれる偶数時高調波成分が減少し、これにより始動時発生する制動トルクを低減できるので、始動時のトルク特性を改善することができる。
【0014】
したがって、本実施の形態によれば、構造を複雑化したり、経済性を低下させることなく始動時のトルク特性を改善することができる。勿論、固定子巻線6を集中巻としたことにより、構造が簡単で経済的な誘導電動機を得ることができる。
【0015】
図3は、自己始動型永久磁石式同期電動機に本発明を適用した第2の実施の形態を示すもので、外観的には第1の実施の形態と同じである。
【0016】
本実施の形態において、第1の実施の形態と異なる構成は、回転子2に永久磁石11を装着した点であり、これ以外の構成は第1の実施の形態と同じである。
【0017】
即ち、本実施の形態においては、起動から加速を誘導電動機として行い、定速運転を同期電動機として行うように、回転子鉄心8の回転子導体9よりも内径側となる位置に、磁極数pが2極となるように、6つの永久磁石11を装着したのである。これら永久磁石11は、矩形断面をなし、回転子鉄心8の積層方向に沿って装着されている。
【0018】
このように短絡リング10を周方向に2n(nは整数)分割し、n≦2p(pは極数)としたことにより、第1の実施の形態と同じ効果を奏することができる。また、商用周波数の電源で運転するに際し、始動時は回転子導体9によるかご型回転子巻線により誘導電動機として同期速度直前まで駆動及び加速し、その後は同期引き入れして永久磁石11により同期電動機として運転することができるので、始動が円滑な運転を行うことができる。
【0019】
図4及び図5は、誘導電動機に本発明を適用した第3の実施の形態を示すもので、図1及び図2に示す第1の実施の形態と異なる構成は、回転子導体12と短絡リング13との接続構造である。
【0020】
即ち、本実施の形態において、短絡リング13は、周方向に2n(nは整数)分割、即ち、4分割された第1短絡リング13A,第2短絡リング13B,第3短絡リング13C,第4短絡リング13Dを用いている。同様に、複数の回転子導体12もこれと対応させて第1回転子導体郡12A,第2回転子導体郡12B,第3回転子導体郡12C,第4回転子導体12Dに分けている。そして、第1回転子導体郡12Aは第1短絡リング13Aに接続し、第2回転子導体12Bは第2短絡リング13Bに接続し、第3回転子導体郡12Cは第1短絡リング13Cに接続し、第4回転子導体12Dは第2短絡リング13Dに接続している。このように接続された回転子導体9と短絡リング10は、電気的に4つの回路を構成する。
【0021】
以上のように短絡リング12を周方向に4分割して、回転子導体12と短絡リング13による回路を4つとすることにより、回転子導体12に鎖交する偶数次の高調波磁束をさらに低減することが可能となる。その結果、4分された第1〜第4回転子導体郡12A〜12Dに夫々誘導されるうず電流に含まれる高調波成分もさらに減少し、これにより始動時発生する制動トルクをさらに低減できるので、始動時のトルク特性をさらに改善することができる。
【0022】
図6は、本発明を自己始動型永久磁石式同期電動機に適用した第4の実施の形態を示すもので、外観的には第3の実施の形態と同じである。
【0023】
本実施の形態において、第3の実施の形態と異なる構成は、回転子2に永久磁石11を装着した点であり、これ以外の構成は第3の実施の形態と同じである。
【0024】
本実施の形態によれば、第3の実施の形態と同じ効果を奏するほか、第2の実施の形態と同じように、始動が円滑な運転を行うことができる。
【0025】
図7及び図8は、誘導電動機に本発明を適用した第5の実施の形態を示すもので、図1及び図2に示す第1の実施の形態と異なる構成は、上回転子導体14,下回転子導体15及び長断面回転子導体16A,16Bとで二重かご型回転子巻線を構成したことと、これらを短絡する第1及び第2短絡リング17,18の接続構造である。
【0026】
即ち、本実施の形態において、上回転子導体14は回転子鉄心8の外径側に周方向に等間隔に複数装着されており、下回転子導体15は上回転子導体14より内径側の回転子鉄心8に、上回転子導体14と対向するように同数装着されている。これら上及び下回転子導体14,15は、夫々第1上回転子導体郡14A,第2上回転子導体郡14B及び第1下回転子導体郡15A,第2下回転子導体郡15Bに分けられている。
【0027】
そして、長断面回転子導体16A,16Bは前記上及び下回転子導体14,15を周方向に2分する位置、云い代えれば第1上回転子導体郡14A,第1下回転子導体郡15Aと第2上回転子導体郡14B,第2下回転子導体郡15Bとの境界部となる位置の回転子鉄心8に装着されている。これら長断面回転子導体16A,16Bは、外径側が前記上回転子導体14の外径側と同じ位置となるように、内径側が前記下回転子導体15の内径側と同じ位置となるように装着されている。
【0028】
一方、これら上及び下回転子導体14,15,長断面回転子導体16A,16Bの端部を短絡する第1及び第2短絡リング17,18は、2分された上部及び下部の回転子導体14,15を交互に接続して短絡させている。即ち、第1短絡リング17の第1短絡部17Aは前記第1上回転子導体郡14Aを短絡すると共に、長断面回転子導体16Bを短絡し、さらに前記第2下回転子導体郡15Bを第2短絡部17Bで短絡している。第2短絡リング18の第1短絡部18Aは前記第2上回転子導体郡14Bを短絡すると共に、長断面回転子導体16Aを短絡し、さらに前記第1下回転子導体郡15Aを第2短絡部18Bで短絡している。
【0029】
本実施の形態によれば、第1に実施の形態と同等の効果を奏することができる。このほか、二重かご型を構成する上及び下回転子導体14,15を周方向に2分した上、第1短絡リング17及び第2短絡リング18は夫々第1上回転子導体郡14A及び第2上回転子導体郡14Bを短絡すると共に、他の短絡リング側に位置する第1下回転子導体郡15A及び第2下回転子導体郡15Bを交互に接続して短絡させているので、始動トルクを滑らかにすることができる。また、第1下回転子導体郡15A及び第2下回転子導体郡15Bは、長断面回転子導体16A,16Bを挟み込むように構成されていることから、短節ピッチで巻回されるので、上回転子導体14と下回転子導体15とに誘導電流の位相差が生じ、そのため偶数次高調波成分を低減できるとともに、奇数時高調波成分をも抑制することができる。その結果、より滑らかな回転子起磁力分布が得られ、起動トルクを滑らかにすることができる。
【0030】
図9は、本発明を自己始動型永久磁石式同期電動機に適用した第6の実施の形態を示すもので、外観的には第5の実施の形態と同じである。
【0031】
本実施の形態において、第5の実施の形態と異なる構成は、回転子2に永久磁石11を装着した点であり、これ以外の構成は第5の実施の形態と同じである。
【0032】
本実施の形態によれば、第5の実施の形態と同じ効果を奏するほか、第2の実施の形態と同じように、始動が円滑な運転を行うことができる。
【0033】
図10及び図11は、誘導電動機に本発明を適用した第7の実施の形態を示すもので、図7及び図8に示す第5の実施の形態と異なる構成は、二重かご型回転子巻線を構成する上及び下回転子導体14,15,長断面16A〜16Dを4郡に分けたことと、これらを短絡する4つの第1〜第4短絡リング17〜20の接続構造である。
【0034】
即ち、本実施の形態において、上回転子導体14は回転子鉄心8の外径側に周方向に等間隔に複数装着されており、下回転子導体15は上回転子導体14より内径側の回転子鉄心8に、上回転子導体14と対向するように複数装着されている。これら上及び下回転子導体14,15は、夫々第1上回転子導体郡14A〜第4上部回転子導体郡14D及び第1下回転子導体郡15A〜第4下部回転子導体郡15Dの4郡に分けられている。
【0035】
そして、4つの長断面回転子導体16A〜16Dは前記上及び下回転子導体14,15を周方向に4分する位置、云い代えれば第1上回転子導体郡14A,第1下回転子導体郡15Aと第4上回転子導体郡14D,第4下回転子導体郡15D間、第1上回転子導体郡14A,第1下回転子導体郡15Aと第2上回転子導体郡14B,第2下回転子導体郡15B間、第2上回転子導体郡14B,第2下回転子導体郡15Bと第3上回転子導体郡14C,第3下回転子導体郡15C間、第3上回転子導体郡14C,第3下回転子導体郡15Cと第4上回転子導体郡14D,第4下回転子導体郡15D間に位置する回転子鉄心8に装着されている。そして、これら長断面回転子導体16A〜16Dは、外径側が前記上回転子導体14の外径側と同じ位置となるように、内径側が前記回転子導体15の内径側と同じ位置となるように装着されている。
【0036】
一方、これら上及び下回転子導体14,15,長断面回転子導体16A〜16Dの端部を短絡する第1〜第4短絡リング17〜20は、4分された上及び下回転子導体14,15を巴状に交互に接続して短絡させている。即ち、第1短絡リング17の第1短絡部17Aは前記第1上回転子導体郡14Aを短絡すると共に、長断面回転子導体16Bを短絡し、さらに前記第2下回転子導体郡15Bを第2短絡部17Bで短絡している。第2短絡リング18の第1短絡部18Aは前記第2上回転子導体郡14Bを短絡すると共に、長断面回転子導体16Cを短絡し、さらに前記第3下回転子導体郡15Cを第2短絡部18Bで短絡している。第3短絡リング19の第1短絡部19Aは前記第3上回転子導体郡14Cを短絡すると共に、長断面回転子導体16Dを短絡し、さらに前記第4下回転子導体郡15Dを第2短絡部19Bで短絡している。第4短絡リング20の第1短絡部20Aは前記第4上回転子導体郡14Dを短絡すると共に、長断面回転子導体16Aを短絡し、さらに前記第1下回転子導体郡15Aを第2短絡部20Bで短絡している。
【0037】
本実施の形態によれば、上記第5の実施の形態と同じ効果を奏するほか、回転子導体を4郡に分け、電気角で略180度ピッチで巻回されるような4つの短絡リングで巴状に短絡したので、短絡リングを2分割した場合に比べ偶数次高調波成分をより大きく低減でき、トルク特性をさらに改善することができる。
【0038】
図12は、本発明を自己始動型永久磁石式同期電動機に適用した第8の実施の形態を示すもので、外観的には第7の実施の形態と同じである。
【0039】
本実施の形態において、第7の実施の形態と異なる構成は、回転子2に永久磁石11を装着した点であり、これ以外の構成は第7の実施の形態と同じである。
【0040】
本実施の形態によれば、第7の実施の形態と同じ効果を奏するほか、第2の実施の形態と同じように、始動が円滑な運転を行うことができる。
【0041】
次に、上記のように構成された駆動用電動機を圧縮機に適用した一例を図13に基づいて説明する。ここに用いた駆動用電動機は、例えば、図3に示す第2の実施の形態による永久磁石式同期電動機を用いた。したがって、図3と同一符号は同一部品を示すので、永久磁石式同期電動機の再度の詳細な説明は省略する。
【0042】
圧縮機21は、円筒状の密封圧力容器22と、この密封圧力容器22内に設置され駆動用電動機となる自己始動型の永久磁石式同期電動機23と、この永久磁石式同期電動機23により駆動され前記密封圧力容器22内に設置される圧縮機構部24とを備えている。
【0043】
永久磁石式同期電動機23は、密封圧力容器22内に軸受25A,25Bを介して回転自在に支承された回転軸7に固定された回転子2と、この回転子2に周方向の空隙を介して対向し密封圧力容器22内固定された固定子1とを備えている。
【0044】
このように構成された永久磁石式同期電動機23を駆動用電動機として用いた圧縮機21の圧縮機構部24は、回転軸7の上端に形成されたクランク軸26によって旋回する旋回スクロール部材27と、この旋回スクロール部材27と噛合う固定スクロール部材28とを備えている。そして、前記旋回スクロール部材27は、端板29に直立する可動渦巻状ラップ30を有し、前記固定スクロール部材28は、可動渦巻状ラップ30と噛合う固定渦巻状ラップ31と、この固定渦巻状ラップ31を直立支持する端板32を有する。
【0045】
このように構成された圧縮機構部24の可動渦巻状ラップ30をクランク軸26によって旋回運動させると、可動渦巻状ラップ30と固定渦巻状ラップ31とによって形成された圧縮室33Aが外径側から中心に向かって移動する過程で次第に容積を縮小し、圧縮動作を行うのである。
【0046】
前記密封圧力容器22内の底部には、潤滑油37が満たされており、この潤滑油37内に前記回転軸7の下端を浸している。この回転軸7にはクランク軸26まで貫通する油孔38が設けられており、回転軸7の回転時の圧力差を利用して、前記潤滑油37を旋回スクロール部材27とクランク軸26間及び軸受25Aへ給油している。
【0047】
以上のように構成した圧縮機21は、運転を開始すると、ガス供給口34から供給されたガスを外径側に位置する圧縮室33Aに供給する。この圧縮室33Aに供給されたガスは中心側の圧縮室30Bに至る間に圧縮され、この圧縮室30Bに設けた吐出口35から密封圧力容器22内に吐出される。吐出された圧縮ガスは、圧縮機構部24と永久磁石式同期電動機23の間に廻り込み、ここの密封圧力容器22の側壁に設けた吐出パイプ36から圧縮機1外に排出される。
【0048】
このように本発明による駆動用電動機を圧縮機に適用することにより、一定速圧縮機の高効率化を容易に得ることができる。
【0049】
尚、一例として第2の実施の形態による永久磁石式同期電動機を圧縮機に適用したが、これに限らず他の実施の形態による誘導電動機や永久磁石式同期電動機を用いることができることは云うまでもない。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、構造の複雑化や経済性を低下させることなく始動時のトルク特性を改善できる駆動用電動機及びこれを用いた圧縮機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による駆動用電動機の第1の実施の形態として誘導電動機を示す概略斜視図。
【図2】図1のA―A線に沿う断面図。
【図3】本発明による駆動用電動機の第2の実施の形態として自己始動型永久磁石式同期電動機を示す図2相当図。
【図4】本発明による駆動用電動機の第3の実施の形態として誘導電動機を示す概略斜視図。
【図5】図4のB―B線に沿う断面図。
【図6】本発明による駆動用電動機の第4の実施の形態として自己始動型永久磁石式同期電動機を示す図5相当図。
【図7】本発明による駆動用電動機の第5の実施の形態として誘導電動機を示す概略斜視図。
【図8】図7のC―C線に沿う断面図。
【図9】本発明による駆動用電動機の第6の実施の形態として自己始動型永久磁石式同期電動機を示す図8相当図。
【図10】本発明による駆動用電動機の第7の実施の形態として誘導電動機を示す概略斜視図。
【図11】図10のD―D線に沿う断面図。
【図12】本発明による駆動用電動機の第8の実施の形態として自己始動型永久磁石式同期電動機を示す図11相当図。
【図13】本発明による駆動用電動機を適用した圧縮機を示す概略縦断面図。
【符号の説明】
1…固定子、2…回転子、3…固定子鉄心、5…歯部、6…固定子巻線、8…回転子鉄心、9,12…回転子導体、14…上回転子導体、15…下回転子導体、16A〜16D…長断面回転子導体、10,13,17〜20…短絡リング、11…永久磁石、21…圧縮機、23…駆動用電動機、24…圧縮機構部。
Claims (6)
- 固定子鉄心に集中巻きした固定子巻線を備え、回転子鉄心に回転子導体を備えた駆動用電動機において、前記回転子導体を短絡する短絡リングを周方向に2n(nは整数)分割したことを特徴とする駆動用電動機。
- 固定子鉄心に集中巻きした固定子巻線を備え、回転子鉄心に回転子導体を備えた駆動用電動機において、前記回転子導体は、回転子鉄心の外径側に位置する複数の上導体と、この上導体よりも内径側に位置する複数の下導体とを備え、前記上導体の周方向の1/2を夫々短絡した第1短絡リングと第2短絡リングを設け、かつ第1短絡リング及び第2短絡リングは他の短絡リング側に位置する下導体を短絡するように構成したことを特徴とする駆動用電動機。
- 固定子鉄心に集中巻きした固定子巻線を備え、回転子鉄心に回転子導体を備えた駆動用電動機において、前記回転子導体は、回転子鉄心の外径側に位置する複数の上導体と、この上導体よりも内径側に位置する複数の下導体とを備え、前記上導体の周方向の1/4を夫々短絡した第1短絡リング〜第4短絡リングを設け、かつ第1短絡リング〜第4短絡リングは他の短絡リング側に位置する下導体を短絡するように構成したことを特徴とする駆動用電動機。
- 前記回転子鉄心は、前記回転子導体より内径側に永久磁石を装着していることを特徴とする請求項1,2または3記載の駆動用電動機。
- 固定子鉄心に集中巻きした固定子巻線と、回転子鉄心に回転子導体と、この回転子導体よりも内径側の回転子鉄心に装着した永久磁石とを備えた駆動用電動機において、前記回転子導体を短絡する短絡リングを周方向に2n(nは整数)分割し、かつn≦2p(pは極数)としたことを特徴とする駆動用電動機。
- 請求項1,2,3,4または5記載の駆動用電動機を用いたことを特徴とする圧縮機。
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2003
- 2003-03-18 JP JP2003073116A patent/JP2004282934A/ja active Pending
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