JP2004285107A - 非水分散液型塗料用組成物および塗料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分散安定化剤として、フルオロオレフィンと、フルオロオレフィンと共重合可能な二重結合含有モノマーとの共重合体であり、フルオロオレフィンに基づくフッ素の含有量が10質量%以上であり、二重結合含有モノマーのうち、10〜30モル%が水酸基を含有し、20〜80モル%が炭素数3以上の分岐状アルキル基を含有する、弱溶剤に単独で安定に分散しうる含フッ素共重合体(B)を含む非水分散液型塗料用組成物。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、含フッ素共重合体が非水媒体中に分散した非水分散液(以下、NADという。)型塗料用組成物、および塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フルオロオレフィンとシクロヘキシルビニルエーテルおよびその他各種の単量体を共重合した含フッ素共重合体は、室温で有機溶剤に可溶であり、塗料として用いた場合に透明で高光沢を有し、しかも高耐候性、撥水・撥油性、耐汚染性、非粘着性などフッ素樹脂の有する優れた特性を備えた塗膜を与えることが知られており(例えば、特許文献1参照。)、建築等の分野で使用が増大している。
このようなフッ素樹脂は、通常、有機溶剤に溶解させた溶剤型塗料として用いられている。しかし、このような溶剤型塗料は、フッ素樹脂を充分に溶解させるために、トルエン、キシレン等のいわゆる強溶剤が用いられている。そのため、経年変化した合成樹脂調合ペイント、塩化ゴム系塗料、他のラッカー類等の旧塗膜に、該塗料を直接塗装すると、チヂミやふくれが生じたり、良好な密着性が得られない汚染性の問題があった。
【0003】
そこで、低汚染性の塗料用組成物として、強溶剤よりも溶解力の弱い弱溶剤を用いる弱溶剤型塗料が開発されている。例えば特許文献2には、弱溶剤であるミネラルスピリットに可溶性の含フッ素共重合体を含む塗料用組成物が提案されている。
【0004】
近年、塗膜の耐候性、耐汚染性等をさらに向上させるため、硬化剤と、該硬化剤と架橋可能な樹脂を含有する溶液とを使用時に混合して用いる二液タイプの塗料が用いられている。二液タイプの塗料は、樹脂と硬化剤とが架橋して3次元の網目構造を構成するため、硬度が高く、耐汚染性に優れた塗膜が得られる。該二液タイプの塗料としては、たとえばイソシアネート系硬化剤と、該硬化剤との架橋反応性部位として水酸基を有する樹脂とを用いるものが知られており、樹脂中の水酸基の含有量(水酸基価)が多いほど、硬度の高い塗膜が得られる。
しかし、二液タイプの塗料に用いられる樹脂は、水酸基を有しているため極性が高く、弱溶剤には溶解しにくい。そのため、二液タイプの塗料には、通常、溶解力の強い強溶剤が用いられており、上記と同様、汚染性の問題を有していた。
【0005】
一方、溶剤型塗料よりも塗装作業性の良好な塗料として、有機溶剤に単独で溶解しえないまたは安定に分散しえない樹脂(コア)、および有機溶剤に単独で溶解しうるまたは安定に分散しうる分散安定化剤を含むNAD型塗料が提案されている。NAD型塗料においては、粒子状のコアの周囲に分散安定化剤(シェル)が存在することによって、コアが安定に分散しているため、塗料のタレ等が生じにくく、塗装作業性がよい。NAD型塗料としては、例えば特許文献3では、フッ素樹脂を分散安定化剤として用い、脂肪族系炭化水素を溶媒としてラジカル重合性不飽和単量体を重合し、安定なNAD型塗料を製造する方法が述べられている。
本出願人は、透明性および耐候性に優れたNADとして、分散安定化剤として有機溶剤可溶性の含フッ素共重合体を含有し、有機溶剤不溶性の含フッ素共重合体を分散させた含フッ素共重合体NADを提案している(例えば、特許文献4,5参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特公昭55−44083号公報
【特許文献2】
特公平8−32847号公報
【特許文献3】
特開昭62−25103号公報
【特許文献4】
特許2734049号公報
【特許文献5】
特許2789639号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献4,5記載の含フッ素共重合体NADにおいて、低汚染性で、塗装作業性がよく、硬度の高い塗膜を形成できる塗料、すなわち弱溶剤型で二液タイプのNAD型塗料とするために分散安定化剤の水酸基価を高めると、分散安定化剤の弱溶剤に対する溶解性が低下し、コアである樹脂を安定に分散させることが困難になる。
したがって、本発明は、低汚染性で、塗装作業性がよく、硬度の高い塗膜を形成できる塗料用組成物および塗料を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前述の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、分散安定化剤として特定の含フッ素共重合体を用いることにより、上記課題を解決できることを見い出し、その知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、弱溶剤、弱溶剤に単独で溶解しえないまたは安定に分散しえない含フッ素共重合体(A)、および弱溶剤に単独で溶解しうるまたは安定に分散しうる含フッ素共重合体(B)を含む非水分散液型塗料用組成物であり、含フッ素共重合体(B)が、フルオロオレフィンと、フルオロオレフィンと共重合可能な二重結合含有モノマーとの共重合体であり、フルオロオレフィンに基づくフッ素の含有量が10質量%以上であり、二重結合含有モノマーのうち、10〜30モル%が水酸基を含有し、20〜80モル%が炭素数3以上の分岐状アルキル基を含有することを特徴とするNAD型塗料用組成物を提供する。
また、本発明は、前記NAD型塗料用組成物および硬化剤を含有する塗料を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
≪NAD型塗料用組成物≫
本発明のNAD型塗料用組成物は、含フッ素共重合体(A)および含フッ素共重合体(B)を含む。該組成物においては、含フッ素共重合体(A)がコア、含フッ素共重合体(B)がシェルとして安定に存在していると考えられる。
<含フッ素共重合体(B)>
まず、本発明の特徴である含フッ素共重合体(B)について説明する。
含フッ素共重合体(B)は、フルオロオレフィンと、フルオロオレフィンと共重合可能な二重結合含有モノマーとの共重合体であり、フルオロオレフィンに基づくフッ素の含有量が10質量%以上であり、二重結合含有モノマーのうち、10〜30モル%が水酸基を含有し、20〜80モル%が炭素数3以上の分岐状アルキル基を含有し、弱溶剤に溶解しうるまたは安定に分散しうる。
【0011】
フルオロオレフィンとしては、フッ素付加数は2以上が好ましく、3〜4がより好ましい。フッ素付加数が2以上であると、耐候性が充分であり好ましい。
フルオロオレフィンとしては、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン等を挙げることができ、特にテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンが好ましい。
【0012】
二重結合含有モノマーは、フルオロオレフィンと共重合可能であり、フルオロオレフィン以外のビニル系モノマーが好ましく使用される。該ビニル系モノマーとは、CH2 =CH−で表される炭素−炭素二重結合を有する化合物である。該ビニル系モノマーとしては、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を含有するアルキルビニルエーテル、アルキルビニルエステル等が挙げられる。
【0013】
本発明において、二重結合含有モノマーは、水酸基を含有する二重結合含有モノマー(以下、水酸基含有モノマーという。)と、炭素数3以上の分岐状アルキル基を含有する二重結合含有モノマー(以下、分岐アルキル基含有モノマーという。)の両方を含む。なお、水酸基含有モノマーが炭素数3以上の分岐状アルキル基を含有していてもよく、分岐アルキル基含有モノマーが水酸基を含有していてもよい。
本発明における二重結合含有モノマーのうち、10〜30モル%が水酸基を含有する。
水酸基含有モノマーの含有量が10モル%以上であると、硬度の高い塗膜を得るために充分な量の水酸基が含フッ素共重合体中に導入されるため好ましい。
また、水酸基含有モノマーの含有量が30モル%以下であると、弱溶剤に対し、含フッ素共重合体(A)を弱溶剤中で安定に分散させるために必要な溶解性を維持できるため好ましい。
【0014】
水酸基含有モノマーの炭素数は、特に制限はないが、2〜10が好ましく、4〜6がより好ましい。
水酸基含有モノマーとしては、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類、ヒドロキシエチルアリルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル類、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類などが挙げられる。共重合性に優れ、形成される塗膜の耐候性が良好であることから、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類が好ましい。
該水酸基含有モノマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
本発明における二重結合含有モノマーのうち、20〜80モル%が炭素数3以上の分岐アルキル基を含有する。
分岐アルキル基含有モノマーが20〜80モル%であることにより、上記の量の水酸基含有モノマーを用いても、弱溶剤に対し、含フッ素共重合体(A)を弱溶剤中で安定に分散させるために必要な溶解性を確保できる。該分岐アルキル基含有モノマーを用いることにより、溶解性を確保できる理由は明らかではないが、分岐アルキル基含有モノマーの分子構造と弱溶剤の分子構造とが類似しており、相溶性が高いためと推測される。
【0016】
分岐アルキル基含有モノマーにおける分岐アルキル基の炭素数は、3以上であれば特に制限はなく、4〜15が好ましく、4〜10がより好ましい。
分岐アルキル基含有モノマーとしては、分岐アルキル基を含有するビニルエーテル類、アリルエーテル類または(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。分岐アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基等が挙げられる。分岐アルキル基含有モノマーとしては、2−エチルヘキシルビニルエーテル(2−EHVE)、tert−ブチルビニルエーテル(t−BuVE)等のビニルエーテル類が共重合性に優れるため好ましく、特に2−EHVEが好ましい。
該分岐アルキル基含有モノマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】
本発明においては、二重結合含有モノマーとして、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、水酸基含有モノマー、分岐アルキル基含有モノマー以外の他の二重結合含有モノマーを用いてもよい。
他の二重結合含有モノマーとしては、アルキル基を含有するモノマーが好ましく、該アルキル基としては、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基が挙げられる。該アルキル基の炭素数は2〜8が好ましく、2〜6がより好ましい。
特に、環状アルキル基を含有する二重結合含有モノマーを用いると、含フッ素共重合体のガラス転移温度(以下、Tgという。)を高くでき、塗膜の硬度がさらに高まるため好ましい。
該環状アルキル基を含有する二重結合含有モノマーとしては、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル等の環状アルキルビニルエーテル類、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル類等が挙げられる。
該他の二重結合含有モノマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
二重結合含有モノマーの全量における他の二重結合含有モノマーの割合は、0〜70モル%が好ましく、30〜60モル%がより好ましい。
【0018】
含フッ素共重合体(B)におけるフルオロオレフィンに基づく重合単位と二重結合含有モノマーに基づく重合単位の割合は、フルオロオレフィンに基づく重合単位が30〜70モル%であることが好ましく、40〜60モル%であることがより好ましく、二重結合含有モノマーに基づく重合単位が70〜30モル%であることが好ましく、60〜40モル%であることがより好ましい。フルオロオレフィンに基づく重合単位の割合が70モル%以下であると、含フッ素共重合体(B)の弱溶剤への溶解性が、含フッ素共重合体(A)を安定に分散させるために充分となり、30モル%以上であると充分な耐候性が得られるため好ましい。
【0019】
含フッ素共重合体(B)は、フルオロオレフィンと、水酸基含有モノマーおよび分岐アルキル基含有モノマーを所定割合含む二重結合含有モノマーとの混合物に、重合媒体の存在下または非存在下で、重合開始剤または電離性放射線などの重合開始源を作用せしめて共重合反応を行うことによって製造できる。
共重合反応における、フルオロオレフィンと二重結合含有モノマーとの使用量の割合は、上記の含フッ素共重合体(B)におけるフルオロオレフィンに基づく重合単位と二重結合含有モノマーに基づく重合単位の割合と同じであることが好ましい。
重合媒体としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、キシレン、トルエン等の芳香族系溶剤、シクロヘキサノン、ソルベントナフサ、ミネラルターペン、ミネラルスピリット、石油ナフサ等の脂肪族系溶剤、3−エトキシプロピオン酸エチル、メチルアミルケトン、酢酸tert−ブチル、4−クロロベンゾトリフルオリド、ベンゾトリフルオリド、モノクロロトルエン、3,4−ジクロロベンゾトリフルオリド等が挙げられる。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスシクロヘキサンカーボネートニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系開始剤;シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、2,2−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、tert−ブチルパーオキシピバレイト等のアルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート類等の過酸化物系開始剤;等が挙げられる。
【0020】
含フッ素共重合体(B)は、弱溶剤の溶解度係数(以下、SP値という。)とのSP値の差(以下、ΔSP値という。)が1.8以下であることが好ましい。ΔSP値が1.8以下であると、弱溶剤に対し、単独で充分に安定に分散できる。
【0021】
含フッ素共重合体(B)は、フルオロオレフィンに基づくフッ素の含有量が、含フッ素共重合体(B)の総質量に対して10質量%以上であり、20〜30質量%であることが好ましい。フッ素の含有量が10質量%以上であると、塗膜の耐候性が充分となり好ましい。
【0022】
また、含フッ素共重合体(B)は、硬化剤との反応性部位として水酸基を含有する。含フッ素共重合体(B)の水酸基価(以下、OHVという。)は、水酸化カリウムの化学的反応当量に換算して、含フッ素共重合体の総固形分に対し、40〜55mgKOH/gが好ましく、45〜55mgKOH/gがより好ましい。
OHVが40mgKOH/g以上であると、硬度の高い塗膜を得ることができ、OHVが55mgKOH/g以下であると、弱溶剤に対し、含フッ素共重合体(B)が、含フッ素共重合体(A)を安定に分散させるために充分な溶解性を有するため好ましい。
【0023】
含フッ素共重合体(B)は、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される数平均分子量(Mn)が5000〜7500であることが好ましい。Mnが5000以上であると耐候性に優れ、Mnが7500以下であると弱溶剤に対する溶解性に優れるため好ましい。
また、含フッ素共重合体(B)のTgは、25℃以上が好ましく、30〜40℃がより好ましい。Tgが25℃以上であると、高硬度の塗膜が得られるため好ましい。
【0024】
含フッ素共重合体(B)は、さらに、カルボキシ基を含有することが好ましい。カルボキシ基を含有することにより、例えば塗料として用いる際に顔料の分散性が向上する。含フッ素共重合体(B)におけるカルボキシ基の含有量(酸価(以下、AVという。))は、水酸化カリウムの化学的反応当量に換算して、含フッ素共重合体の総固形分に対し、1〜5mgKOH/gが好ましく、2〜5mgKOH/gがより好ましい。
該カルボキシ基は、例えば、上述したフルオロオレフィンと二重結合含有モノマーとの重合反応後、含フッ素共重合体(B)中の水酸基に多価カルボン酸またはその無水物を反応させることにより導入できる。また、カルボキシ基を有する二重結合含有モノマーの直接重合によっても導入できる。
【0025】
さらに、含フッ素重合体(B)は、含フッ素重合体(A)を形成するモノマーと反応しうる基(以下、グラフト結合性官能基という。)、具体的には二重結合など、を有するものであると、含フッ素重合体(A)とグラフト結合できるため、NADの長期安定性の面から好ましい。
該グラフト結合性官能基、例えば二重結合を有する基は、含フッ素重合体(B)が水酸基を有するものであれば、該水酸基にイソシアネートアルキルアクリレートや不飽和カルボン酸を反応させることにより導入することができる。また、含フッ素重合体(B)が、水酸基以外の反応性基、例えば、グリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテル、加水分解性シリル基含有ビニル化合物などの二重結合含有モノマーの直接重合によって導入した反応性基を有する場合も、同様にしてグラフト結合性官能基を導入することができる。
【0026】
<含フッ素共重合体(A)>
次に、含フッ素共重合体(A)について説明する。
本発明のNAD型塗料用組成物は、弱溶剤中、分散安定化剤である含フッ素共重合体(B)の存在下で安定に分散するコアとして、弱溶剤に単独で溶解しえないまたは安定に分散しえない含フッ素共重合体(A)を含有する。
含フッ素共重合体(A)としては、前記含フッ素共重合体(B)の説明において述べられたフルオロオレフィン、および該フルオロオレフィンと共重合可能な二重結合含有モノマーの共重合体等を用いることができ、得られる含フッ素共重合体が弱溶剤に単独で溶解できない、または安定に分散できないモノマーが使用される。含フッ素共重合体(A)は使用する弱溶剤に単独で溶解できない、または安定に分散できないものであると、分散状態が得られ、分散液であるが故の利点が達成されるため好ましい。
含フッ素共重合体(A)としては、具体的には、使用する弱溶剤とのΔSP値が1.8より大きいものが好ましい。
また、含フッ素共重合体(A)の弱溶剤に対する溶解性を調整する方法としては、モノマーの種類および割合を適宜選定するなどの方法が挙げられる。
また、常温で固体となる分子量を有するものが、作業性に優れるため好ましい。常温で固体となる分子量である場合は、分散安定性に優れ、分散液が適度な粘度を有し、重合体粒子の安定化が充分となり好ましい。また、塗膜が硬くなるため汚れにくくなる。さらに、タック感がなく、汚染物質に対する粘着性が低く好ましい。
また、含フッ素共重合体(A)は、硬化剤と反応して三次元網状構造を形成しうる架橋反応性部位(水酸基、カルボキシ基、アミド基、メルカプト基、シリル基、エポキシ基等)を有するものであってもよい。
【0027】
含フッ素共重合体(A)の調製は、後述する本発明のNAD型塗料用組成物の調製と同時に行うことが好ましい。すなわち、弱溶剤中、含フッ素共重合体(B)の存在下で、含フッ素共重合体(A)を構成するモノマーを分散重合させることによって調製することができる。
【0028】
本発明のNAD型塗料用組成物において、含フッ素共重合体(A)と含フッ素共重合体(B)の含有量の割合(質量比)は、99:1〜50:50が好ましく、90:10〜60:40がより好ましい。含フッ素共重合体(A)と含フッ素共重合体(B)の含有量の割合が上記範囲内であると、重合体の粒子が安定に分散できるため好ましい。
【0029】
本発明のNAD型塗料用組成物においては、含フッ素共重合体(A)および含フッ素共重合体(B)の合計が、塗料用組成物中に含まれる総固形分の20質量%以上を占めることが好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が最も好ましい。
【0030】
<弱溶剤>
次に、弱溶剤について説明する。
弱溶剤とは、労働安全衛生法による有機溶剤の分類において、第3種有機溶剤とされているものであり、下記イ)〜ハ)のいずれかに相当するものである。
イ)ガソリン、コールタールナフサ(ソルベントナフサを含む)、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、テレピン油、ミネラルスピリット(ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリット、ホワイトスピリットおよびミネラルターペンを含む)、
ロ)イ)のみからなる混合物、
ハ)イ)と、イ)以外のものの混合物で、イ)を5質量%を越えて含有するもの。
本発明のNAD型塗料用組成物は、弱溶剤として、これらの第3種有機溶剤を使用したもので、強溶剤に相当する第2種有機溶剤を、全溶剤の5質量%を越えて含有しないものである。
弱溶剤としては、引火点が室温以上であることから、ミネラルスピリットが好ましい。
【0031】
本発明のNAD型塗料用組成物における弱溶剤の種類および量は、含フッ素共重合体(A)および含フッ素共重合体(B)の含有量、含フッ素共重合体(B)の溶解性、塗料用組成物を塗料として塗装する際の適度な粘度、塗装方法などを考慮して適宜決定される。弱溶剤の量は、塗装作業性等を考慮すると、塗料用組成物中の総固形分の割合が30〜80質量%となる量が好ましく、45〜75質量%となる量がより好ましい。
【0032】
<他の成分等>
本発明のNAD型塗料用組成物は、樹脂成分として、含フッ素共重合体(A)および含フッ素共重合体(B)のほか、塗膜の乾燥性を改善するために、CAB(セルロースアセテートブトレート)、NC(ニトロセルロース)等を含有してもよく、塗膜の光沢、硬度、塗料の施工性を改良するために、アクリル酸またはそのエステルからなる重合体、ポリエステル等の塗料用樹脂を含有していてもよい。
【0033】
本発明のNAD型塗料用組成物は、二液タイプの塗料として、使用前に硬化剤と混合されて用いられる。
【0034】
<NAD型塗料用組成物の製法>
本発明のNAD型塗料用組成物は、弱溶剤中、含フッ素共重合体(B)の存在下で、含フッ素共重合体(A)を構成するモノマーを分散重合させることによって製造することができる。
分散重合によるNAD型塗料用組成物の調製は、例えば、以下の(1)〜(4)の方法により行うことができる。
(1)弱溶剤および含フッ素共重合体(B)を仕込んだ反応器に、含フッ素共重合体(A)を構成するモノマーおよび重合開始剤をそれぞれ連続的に、または分割して添加する、
(2)弱溶剤、含フッ素共重合体(B)、含フッ素共重合体(A)を構成するモノマーの一部および重合開始剤の一部を仕込んだ反応器に、残りのモノマーおよび重合開始剤をそれぞれ連続的に、または分割して添加する、
(3)弱溶剤および含フッ素共重合体(B)の一部を仕込んだ反応器に、含フッ素共重合体(A)を構成するモノマー、重合開始剤および残りの含フッ素共重合体(B)をそれぞれ連続的に、または分割して添加する、
(4)弱溶剤だけを仕込んだ反応器に、含フッ素共重合体(A)を構成するモノマー、重合開始剤および含フッ素共重合体(B)をそれぞれ連続的に、または分割して添加する。
【0035】
NAD型塗料用組成物の調製における含フッ素共重合体(B)の使用量は、含フッ素共重合体(A)を構成するモノマーの総固形分の100質量部に対して2〜100質量部が好ましく、5〜80質量部がより好ましい。
【0036】
分散重合における反応温度および反応圧力は、重合開始剤、弱溶剤の種類、重合により得ようとする含フッ素共重合体(A)の分子量などに応じて適宜選択される。反応温度は0〜140℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。反応圧力は、100kg/cm2以下が好ましい。
【0037】
重合開始剤としては、特に限定されず、公知のラジカル重合開始剤の中から選ばれる。たとえば、アゾビスイソブチロニトリルまたはアゾビスイソバレロニトリル等のアゾ化合物;tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等の過酸化物等が挙げられる。
該ラジカル重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類、重合温度、共重合体の分子量などに応じて適宜決定されるが、重合させるモノマーの総量(固形分)の0.01〜10質量%が好ましい。
【0038】
また、分散重合の際、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、α−メチルスチレン・ダイマーなどの連鎖移動剤を用いて分子量を調節してもよい。
【0039】
このようにして得られるNAD型塗料用組成物においては、分散重合により形成された含フッ素共重合体(A)(=コア)は、含フッ素共重合体(B)(=シェル)の存在により安定に分散している。
【0040】
また、本発明のNAD型塗料用組成物においては、分散安定性を極めて長期にわたって持続させるために、分散安定剤である含フッ素重合体(B)と含フッ素重合体(A)がグラフト結合されていることが好ましい。かかるグラフト結合は、上述したように、あらかじめ含フッ素重合体(B)にグラフト結合性官能基を導入しておくことにより形成することができる。
【0041】
≪塗料≫
本発明の塗料は、本発明のNAD型塗料用組成物および硬化剤を含有する。
該硬化剤としては、含フッ素共重合体(B)中の水酸基と架橋可能な硬化剤が好ましく、例えばイソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤、メラミン系硬化剤等の塗料用硬化剤が挙げられる。
イソシアネート系硬化剤としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の無黄変イソシアネート類が挙げられる。
ブロックイソシアネート系硬化剤としては、イソシアネート硬化剤のイソシアネート基をカプロラクタム、イソホロン、β−ジケトン等でブロックしたものが挙げられる。
メラミン系硬化剤としては、ブチル化メラミン等の低級アルコールによりエーテル化されたメラミン、エポキシ変性メラミン等が挙げられる。
【0042】
塗料における硬化剤の含有量は、塗料用組成物中の含フッ素共重合体を含む樹脂成分の100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましい。
硬化剤が1質量部以上であると、塗膜の耐溶剤性と硬度が充分であり、硬化剤が100質量部以下であると、加工性、耐衝撃性に優れるため好ましい。
【0043】
本発明の塗料は、さらに、必要に応じて、他の機能性配合剤を含有することが好ましい。他の機能性配合剤としては、着色顔料、染料、塗膜の付着性向上のためのシランカップリング剤、紫外線吸収剤、硬化促進剤、光安定剤、つや消し剤、界面活性剤、表面調整剤等が挙げられる。
着色顔料、染料としては、耐候性の良いカーボンブラック、酸化チタン等の無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド、インダンスレンオレンジ、イソインドリノン系イエロー等の有機顔料、染料等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、シアノアクリレート系の紫外線吸収剤が挙げられる。
硬化促進剤としては、イソシアネート系硬化剤用にジブチルスズジラウレート等、メラミン系硬化剤用にパラトルエンスルホン酸等の酸性触媒が挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられ、アデカスタブLA62、アデカスタブLA67(以上、アデカアーガス化学社製、商品名)、チヌビン292、チヌビン144、チヌビン123、チヌビン440(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)等が挙げられる。
つや消し剤としては、超微粉合成シリカ等が挙げられ、つや消し剤を使用した場合、優雅な半光沢、つや消し仕上げの塗膜を形成できる。
界面活性剤は、表面張力を制御するため、特定の成分の表面濃度の調整に有効である。界面活性剤としては、ノニオン型、カチオン型、アニオン型のいずれでもよく、レオレックスASE(第一工業製薬社製、商品名)、ホモゲノールL−18(花王社製、商品名)等が挙げられる。
表面調整剤としては、フッ素系のサーフロンS382(旭硝子社製、商品名)、アクリル系のモダフロー(モンサント社製、商品名)、レオファットシリーズ(花王社製、商品名)等が挙げられる。
【0044】
本発明の塗料の製造は、本発明の塗料用組成物、硬化剤、必要に応じて添加される機能性配合剤を混合することにより行うことができる。
その混合順序は特に限定されず、本発明の塗料用組成物と添加剤を予め混合し、それに硬化剤を混合してもよく、本発明の塗料用組成物および硬化剤を混合し、次いで添加剤を混合してもよく、これらを同時に混合してもよい。
【0045】
本発明の塗料を用いて塗装する方法としては、エアレススプレー塗装、エアスプレー塗装、はけ塗り、浸漬法、ロールコーター、フローコーター等の任意の方法を適用できる。
【0046】
塗装される物品材質としては、コンクリート、自然石、ガラス等の無機物、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、真鍮、チタン等の金属、プラスチック、ゴム、接着剤、木材等の有機物が挙げられる。特に、すでに形成された塗膜の表面への塗装に適する。また有機無機複合材であるFRP、樹脂強化コンクリート、繊維強化コンクリート等の塗装にも適する。
【0047】
また塗装される物品としては、自動車、電車、航空機等の輸送用機器、橋梁部材、鉄塔などの土木部材、防水材シート、タンク、パイプ等の産業機材、ビル外装、ドア、窓門部材、モニュメント、ポール等の建築部材、道路の中央分離帯、ガードレール、防音壁、ポリカーボネート製透光板等の道路部材、通信機材、電気および電子部品等が挙げられる。
【0048】
【実施例】
以下に発明をより詳細に説明するために実施例を示す。本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
【0049】
「含フッ素共重合体(B)の製造」
(含フッ素共重合体B−2の製造)
内容積2mLのステンレス製撹拌機付きオートクレーブに、組成がシクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)の263g、2−エチルヘキシルビニルエーテル(2−EHVE)の182gおよびヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)の107gである二重結合含有モノマーの混合物、キシレンの670g、エタノールの189gおよび炭酸カリウムの9.5gを投入し、窒素により溶存酸素を除去した。
その後、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)の505gをオートクレーブ中に導入して徐々に昇温し、65℃に達した後、tert−ブチルパーオキシピバレートの50%キシレン溶液の7.0gを7時間かけてオートクレーブ中に導入し、その後さらに15時間撹拌した後に反応を停止した。
得られた含フッ素共重合体のキシレン溶液をエバポレーションしながらミネラルスピリットへの溶媒置換を行い、不揮発分を60質量%にした後、水素添加無水フタル酸の5.8gを添加し、さらにトリエチルアミンの0.05gを添加した後、フラスコを徐々に昇温した。フラスコ内温度が70℃に達した後、その温度を2時間保持し、数平均分子量(Mn)が7300、OHVが47mgKOH/g、AVが2mgKOH/g、Tgが30℃である含フッ素共重合体B−2のミネラルスピリット溶液(不揮発分60質量%)を得た。
【0050】
(含フッ素共重合体B−3の製造)
含フッ素共重合体B−2の製造において、二重結合含有モノマーの組成をCHVEの272g、2−EHVEの195g、HBVEの98gとした以外は含フッ素共重合体B−2の製造と同様にして、Mnが7400、OHVが38mgKOH/g、AVが2mgKOH/g、Tgが30℃である含フッ素共重合体B−3のミネラルスピリット溶液(不揮発分60質量%)を得た。
【0051】
(含フッ素共重合体B−1の製造)
含フッ素共重合体B−2の製造において、二重結合含有モノマーの組成をCHVEの195g、エチルビニルエーテル(EVE)の194g、HBVEの115g、およびCTFEの630gとした以外は含フッ素共重合体B−2の製造と同様にして、Mnが13000、OHVが30mgKOH/g、AVが2mgKOH/g、Tgが45℃である含フッ素共重合体B−1のミネラルスピリット溶液(不揮発分60質量%)を得た。
含フッ素共重合体B−1は、分岐アルキル基含有モノマーを含有しない点で、本発明に相当しない。また、含フッ素共重合体B−1は、OHVが40mgKOH/g未満である。
【0052】
含フッ素共重合体B−1〜B−3のモノマー組成(モル%)、OHV、AV、Mn、SP値、ミネラルスピリットとのSP値差(ΔSP値)およびTgを表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
「非水分散液の製造」
例1,2は実施例、例3は比較例である。例1〜3について、表2に示す。
例1
(非水分散液Cの製造)
内容積2Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブに、CTFEの19質量%、CHVEの8質量%、HBVEの5質量%、N−ビニルピロリドンの4質量%、アゾビスイソブチロニトリルの0.1質量%、無水炭酸カリウムの1質量%、ミネラルスピリットの41質量%、および含フッ素共重合体B−2の24質量%を仕込み、凍結脱気後65℃で10時間反応を行った。
得られた非水分散液Cは、不揮発分が50質量%、粘度が300mPa・s(E型粘度計)、分散粒子(含フッ素共重合体(A))の粒子径が0.5μmの安定な分散液で、室温で3ヶ月間放置しても沈降は見られなかった。また、非水分散液Cは透明であった。
【0055】
例2
(非水分散液Dの製造)
内容積2Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブに、CTFEの19質量%、CHVEの8質量%、HBVEの5質量%、N−ビニルピロリドンの4質量%、アゾビスイソブチロニトリルの0.1質量%、無水炭酸カリウムの1質量%、ミネラルスピリットの41質量%、および含フッ素共重合体B−3の24質量%を仕込み、凍結脱気後65℃で10時間反応を行った。
得られた非水分散液Dは、不揮発分が50質量%、粘度300mPa・s、分散粒子(含フッ素共重合体(A))の粒子径が0.5μmの安定な分散液で、室温で3ヶ月間放置しても沈降は見られなかった。また、非水分散液Dは透明であった。
【0056】
例3
(非水分散液Eの製造)
内容積2Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブに、CTFEの19質量%、CHVEの8質量%、HBVEの5質量%、N−ビニルピロリドンの4質量%、アゾビスイソブチロニトリルの0.1質量%、無水炭酸カリウムの1質量%、ミネラルスピリットの41質量%、および含フッ素共重合体B−1の24質量%を仕込み、凍結脱気後65℃で10時間反応を行った。
得られた非水分散液Eは、乳白色で、不揮発分が50質量%、粘度300mPa・s、分散粒子(含フッ素共重合体(A))の粒子径が0.2μmの安定な分散液で、室温で3ヶ月間放置しても沈降は見られなかった。また、非水分散液Eは白濁しており半透明であった。
【0057】
表2に、非水分散液C〜Eに含まれる含フッ素共重合体(B)の種類と量(質量%);分散溶媒;含フッ素共重合体(A)のモノマー組成(質量%)、OHV、Mn、SP値、ミネラルスピリットとのSP値差(ΔSP値)および粒径;分散液の安定性(室温、3ヶ月間);分散液の透明性を示す。
【0058】
【表2】
【0059】
<塗膜評価>
非水分散液C〜E(不揮発分50質量%)の100質量部に対し、ミネラルスピリット可溶型イソシアネート硬化剤「タケネートD−177N」(三井武田ケミカル社製、商品名)を、含フッ素共重合体(B)のOHV/硬化剤のNCO=1/1となる量で配合し、さらに硬化触媒として、ジブチルスズジラウレートの1.5質量部を配合し、イワタカップ(粘度調整用器具)で25秒になるようにミネラルスピリットで粘度調整を行い、塗料C〜Eを作成した。
【0060】
クロメート処理したアルミ板の表面に白色の溶剤型アクリルウレタン塗料を25μmの膜厚で塗装して塗膜を形成し、その表面に、前記塗料C〜Eをそれぞれ20μmの膜厚になるよう塗装して塗膜を形成し、20℃の恒温室中で2週間養生した。得られた塗膜について以下の評価を行った。その結果を表3に示す。
「透明性」:スガ試験機械株式会社製「SM−3」を用いて、塗膜のヘイズ(濁り)を測定して透明性を評価した。
「カーボン汚れ性」:塗膜の表面にカーボンブラック#5(デグサ社製、商品名)を均一に振りかけた後、払い落とし、振りかけていない場所との汚れの程度の差をΔL値で表した。ΔLとは明度の差を示す値であり、ΔLが10以上であると汚染性があると判断できる。ΔLはSQ−2000(色差計:日本電色工業社製)を用いて測定した。
「光沢保持率」:推進耐候性試験機(東洋精機社製「UVCON UC−1型」)を用い、紫外線を光源として、1500時間耐候性試験を行った前後の明度を測定し、その差を光沢保持率の評価とした。
「塗膜硬度」:JIS 5600−5−4に準拠して鉛筆硬度を測定し、塗膜硬度を評価した。
【0061】
【表3】
【0062】
表3において、含フッ素共重合体B−2およびB−3を使用した塗料CおよびDを用いた本発明の塗膜は、全ての評価項目において優れていた。これに対し、含フッ素共重合体B−1を使用した塗料Eを用いた比較例の塗膜は、塗膜の透明性が低く、耐汚染性が低く、光沢保持率も劣っており、塗膜硬度も低かった。
【0063】
【発明の効果】
本発明のNAD型塗料用組成物は、弱溶剤型の二液タイプの塗料に有用であり、該塗料用組成物を含有する塗料は、低汚染性で、塗装作業性がよく、硬度の高い塗膜を形成できる。
Claims (3)
- 弱溶剤、弱溶剤に単独で溶解しえないまたは安定に分散しえない含フッ素共重合体(A)、および弱溶剤に単独で溶解しうるまたは安定に分散しうる含フッ素共重合体(B)を含む非水分散液型塗料用組成物であり、含フッ素共重合体(B)が、フルオロオレフィンと、フルオロオレフィンと共重合可能な二重結合含有モノマーとの共重合体であり、フルオロオレフィンに基づくフッ素の含有量が10質量%以上であり、二重結合含有モノマーのうち、10〜30モル%が水酸基を含有し、20〜80モル%が炭素数3以上の分岐状アルキル基を含有することを特徴とする非水分散液型塗料用組成物。
- 含フッ素共重合体(B)の水酸基価が40〜55mgKOH/gである請求項1に記載の非水分散液型塗料用組成物。
- 請求項1または2記載の非水分散液型塗料用組成物、および硬化剤を含有する塗料。
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2003
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