JP2004287970A - 共振タグ及びそのキャパシタンス調整方法 - Google Patents

共振タグ及びそのキャパシタンス調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の共振周波数をもつように共振回路を作製後に少なくとも一回以上変更できる共振タグを提供する。
【解決手段】本発明に係る共振タグ10は、基板11の一方の面上に配され螺旋状のアンテナ体12と、前記一方の面内に対向して配される第一電極14および第二電極15と、第一電極14および第二電極15を覆うように配される絶縁部16とで構成され、アンテナ体12の両端部をなす一端12aと他端12bはそれぞれ第一電極の一端14aと第二電極の一端15aに接続され、第一電極と第二電極の他端14b、15bはいずれも開放端を成し、互いに対向する位置に複数の凸端部を備えており、絶縁部16を介して、この凸端部同士を覆うように個別に配した第三電極を、所望の箇所だけ除去し、残された前記第三電極を静電容量調整手段とすることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、検知装置から発信される特定周波数の電波に共振する共振回路を基板上に設けた共振タグ及びそのキャパシタンス調整方法に係り、特に、共振回路の共振周波数を簡易に調整可能とした共振タグ及びそのキャパシタンス調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種商店において商品を販売する際に、存在感知型の非接触性IDタグ(共振タグと呼ぶ)を、その商品に取り付け、万引き防止や在庫管理に利用するシステムが用いられている。
【0003】
例えば、このような共振タグは、レジでの代金決済の際に取り外されるが、顧客が代金を支払うことなく、これらの共振タグを商品に付けた状態で、特定周波数の電波を発信する検知装置を備えたゲートを通過すると、音や光などを発する警報装置により警告が発令されるシステムにおいて利用される。
【0004】
図7は、従来の共振タグの一例を示す構成図である。図7に示す共振タグ71は、誘電体としてポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂フィルムまたは他の合成樹脂フィルム72を用い、この樹脂フィルム(誘電体)72の両面に、アルミニウム箔等の金属箔73、74を押し出しまたは熱圧着等の方法により貼り合わせた材料を基板材料として製造される(特許文献1参照)。
【0005】
誘電体としての樹脂フィルム72の両面に貼り合わされる金属箔73、74のうち、その片側の金属箔73は、螺旋状パターンの回路であって、該螺旋状パターンによりコイルを形成すると共に、コンデンサ電極板部73Aと回路端子部73Bとを両端に有する回路として使用され、この金属箔73と反対側の金属箔74は、コンデンサ電極板74Aと回路端子部74Bとを有する回路として使用される。
【0006】
そして、ある特定の共振周波数を得るため、上述の基板材料の両面、すなわち、金属箔73、74上に各種印刷方法により耐エッチング性を有するインクを用いて「共振周波数回路」を印刷し、その後酸またはアルカリ等の薬液を用いて化学的にエッチング処理を施し、共振回路を形成する。
【0007】
なお、共振回路を形成するためには、片側の金属箔73の螺旋状パターンの回路における回路端子部73Bと、反対側の金属箔74の回路端子部74Bとを接続する必要がある。
【0008】
この接続方法としては、両方の金属箔73、74を表面が凸凹状を呈している固い物質で上下に押し潰すようにした所謂圧接法等が好適に用いられる。この圧接により、金属箔73、74の間にある樹脂フィルム72が破壊し両面にある金属箔73、74が導通し短絡する。
【0009】
この短絡により、抵抗R、インダクタンスLおよび静電容量(コンデンサ容量)Cの3要素からなる共振回路が構成され、共振タグ71が所定の共振周波数を持つことになる。
【0010】
この等価回路の共振周波数fは、f=1/{2π√(LC)}となり、この周波数の信号を前記ゲートの検知装置から与えると共振し、その存在が発覚する。ここで、金属箔73、74と誘電体72がコンデンサ容量を形成し、抵抗は金属箔73、74自体の抵抗により形成される。
【0011】
しかしながら、図7に示す共振タグ71の場合、樹脂フィルム72の片面のみに、螺旋状パターンの回路を備え、この螺旋状パターンによりコイルを形成すると共に、コンデンサ電極板部と回路端子部とを両端に有する回路を形成した、所謂片面コイル式であるため、共振タグ71のサイズを小さく制限し小型化を図ろうとしても、コイルおよびコンデンサの大きさに制限され、周波数の低いタイプを形成することは困難であった。また、周波数の可変範囲を拡げる場合にも制限があるという課題を有していた。
【0012】
図8は、図7の共振タグを単純化した回路で示した概略図である。図8に示した共振タグ80は、少なくとも両面が絶縁性である基板81、基板81の一方の面上に配され導電性材料から成る螺旋状のアンテナコイル82、基板81の他方の面上に配され導電性材料から成るブリッジ部83、及び、アンテナコイル82の両端部62a、62bをそれぞれブリッジ部83と電気的に導通させる接続部γ1、γ2、から構成されている。
【0013】
すなわち、図8における基板81、アンテナコイル82、ブリッジ部83及び接続部γ1、γ2は、それぞれ図7における樹脂フィルム72、金属箔73、金属箔74、圧接により金属箔73、74が導通し短絡した箇所に相当するものである。
【0014】
図9は、従来の共振タグの他の一例を示す構成図であり、図7や図8に示した共振タグの性能を向上しつつ小型化を図ることを目的として提案された共振タグの例である(特許文献2参照)。
【0015】
図9の共振タグ95は、誘電体となる樹脂フィルム96の両面それぞれに、金属箔97、98を螺旋状パターンとした回路を設けて成り、該螺旋状パターンによりコイルを形成すると共に、螺旋状パターン略全体でコンデンサ電極板部を構成し、かつ一端部に回路端子部を有する回路を設け、共振周波数回路を形成した構成である。
【0016】
上記構成からなる共振タグにおいて、共振回路の等価回路の共振周波数fは、f=√2/{2π√(LC)}若しくはf=1/{2π√(2LC)}等となって、この周波数の信号を検知装置から与えると共振して、その存在が発覚する。
【0017】
図9の共振タグ95は、両面コイル式を採用しているので、共振タグのサイズを小さく制限した場合でも、図7や図8に示すような片面コイル式の共振タグと比較して、コイルおよびコンデンサの大きさが制限されず、周波数の低いタイプを形成することが可能であると共に、周波数の可変範囲を拡げる場合にも制限が少ない等、性能面で有利であることが記載されている。
【0018】
共振タグ95では、ある特定の共振周波数を得るためには、樹脂フィルム96の両面それぞれ設けた金属箔97、98を覆うように、各種印刷方法により耐エッチング性を有するインクを用いて「共振周波数回路」を印刷し、その後酸またはアルカリ等の薬液を用いて化学的にエッチング処理を施し、共振回路が形成されることが説明されている。つまり、共振タグ95において共振回路を設けるには、さらなる積層プロセスが要求される。
【0019】
なお、図9の共振タグ95で積層形成した共振回路はこのまま使用してもよいが、片側の金属箔97からなる螺旋状パターンの回路における適宜位置、例えば回路端子部97Aと、反対側の金属箔98の螺旋状パターンの回路における適宜位置、例えば回路端子部98Aとを接続してもよい。
【0020】
しかしながら、図7や図9に示した従来の共振タグの共振回路では、作製時に決定した共振周波数でのみ検知可能であり、作製後に適宜この共振周波数を変更して利用するような用途、例えば商品の使用あるいは通過の度数に応じて共振周波数を適宜変更し、この共振周波数の検知により商品管理を行うような分野などへの適用は難しい状況にあった。
【0021】
また、図7や図9に示した従来の共振タグは両方とも、基板をなす樹脂フィルムの表裏両面に、金属箔からなるコイルや回路を設ける必要があるので、基板両面に対する処理が必須であった。この両面処理は、製造工程を複雑化させると共に、製造コストを押し上げることから、製造品質の向上を阻む要因の一つとなっていた。
【0022】
【特許文献1】
特開平1−129396号公報
【特許文献2】
特許第3306560号明細書
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑み、所望の共振周波数をもつように共振回路を作製後に少なくとも一回以上変更できる共振タグを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、少なくとも両面が絶縁性を備えた基板と、前記基板の一方の面上に配され螺旋状のアンテナ体と、前記一方の面内に対向して配される第一電極および第二電極と、前記第一電極および前記第二電極を覆うように配される絶縁部とで構成され、前記アンテナ体の両端部をなす一端と他端はそれぞれ前記第一電極の一端と前記第二電極の一端に接続され、該第一電極と該第二電極の他端はいずれも開放端を成し、互いに対向する位置に複数の凸端部を備えており、前記絶縁部を介して、前記第一電極および前記第二電極の互いに対向する位置にある凸端部同士を覆うように個別に配した第三電極を、所望の箇所だけ除去し、残された前記第三電極を静電容量調整手段とすることを特徴とする共振タグを提供する。
【0025】
上記構成では、絶縁部を介して、第一電極および第二電極の互いに対向する位置にある凸部同士を覆うように個別に配される第三電極を設けたことにより、この第三電極を配した部分は絶縁部を挟んでその下方に位置する第一電極および第二電極と個々にコンデンサを成し、静電容量調整手段として機能することができる。
【0026】
したがって、上記共振タグであれば、絶縁部を介して、第一電極および第二電極の互いに対向する位置にある凸端部同士を覆うように個別に配される第三電極を、少なくとも1箇所以上付設して静電容量調整手段とすることにより、基板の一方の面上に配された螺旋状のアンテナ体は閉回路を成すので、アンテナ体は導通可能な状態となる。
【0027】
このように導通可能な状態にあるアンテナ体を備えた共振タグであれば、この共振タグが特定周波数の電波を発信する検知装置から所定の電波を受信した際、フレミングの左手の法則に従い、アンテナ体には基板に略垂直方向をなす磁界が発生し、これに伴い、アンテナ体をなす導体に電流が流れることになる。
【0028】
上記共振タグは、アンテナ体を設けた基板の一方の面内に、対向して配される第一電極および第二電極を備え、これらの第一電極および第二電極を覆うように絶縁部が設けてあり、更にアンテナ体の両端部をなす一端と他端はそれぞれ第一電極の一端と第二電極の一端に接続され、これらの第一電極と第二電極の他端はいずれも開放端を成し、互いに対向する位置に複数の凸部を備えている。
【0029】
かかる構成によれば、絶縁部を介して、第一電極および第二電極の互いに対向する位置にある凸端部同士を覆うように個別に配される第三電極を、2箇所以上付設して静電容量調整手段とすることも可能となる。
【0030】
換言すると、この第三電極を設置する箇所を減らすことにより、並列をなす静電容量調整手段が減少し、その結果、共振タグが有する共振周波数を適宜変更することが可能となる。すると、第三電極の設置数を次第に減少させて成る共振タグは、複数の異なる特定周波数の電波を発信する検知装置から、それぞれ所定の電波を受信した際に、フレミングの左手の法則に従い、アンテナ体には基板に略垂直方向をなす磁界が発生して、アンテナ体をなす導体に電流が流れる。
【0031】
したがって、本発明によれば、上述した複数個設けてある第三電極のうち、所望の箇所だけ除去し、残された前記第三電極を静電容量調整手段とすることにより、所望の共振周波数をもつように共振回路を作製後に少なくとも一回以上変更できる共振タグの提供が可能となる。本発明において、除去とは、付着物を取り除くことを意味しており、例えば付着物を削って剥がすこと(削剥と呼ぶ)や、付着物を剥がして分離させること(剥離と呼ぶ)も含んでいる。
【0032】
なお、以上の説明では、初めに第三電極を複数の箇所に付設した静電容量調整手段を有する共振タグから、所望の箇所だけ除去し、残された前記第三電極を静電容量調整手段とする例について述べた。
しかしながら、所望の箇所だけ除去した結果、最終的に第三電極が全く設けられない形態の共振タグ、すなわち、アンテナ体に電流は流れず、共振点(共振周波数)が極めて高い状態にある共振タグも本発明に含まれるものである。
このように、最終的に、如何なる周波数の電波を発信する検知装置でも検知できない形態とすることにより、例えば使用頻度に応じて第三電極を1箇所づつ削減した結果、検知装置によって検知されるような共振周波数を持たないように設定を変更し、利用しても構わないことは言うまでもない。
【0033】
上述したアンテナ体の一端と第一電極の一端との接続と、アンテナ体の他端と第二電極の一端との接続とは、前記基板を介して行われても良いし、あるいは、前記基板の一方の面内において行われても構わない。
【0034】
(1)前者の場合、すなわち、基板を介してアンテナ体の一端と第一電極の一端との接続と、アンテナ体の他端と第二電極の一端との接続が行われる場合は、以下のような作用を備えている。
【0035】
(1−1)従来の共振タグを製造する工程に、第一電極と第二電極とこれらを覆うように絶縁部とを設ける工程と、この絶縁部を介して第一電極および第二電極の互いに対向する位置にある凸端部同士を覆うように個別に第三電極を設ける工程とを追加するだけで、本発明に係る共振タグを作製できるので、極めて安価な製造ラインの構築が可能となる。
【0036】
(1−2)基板を介してアンテナ体の一端と第一電極の一端との接続と、アンテナ体の他端と第二電極の一端との接続を行う作業を、共振タグが完成した後に行うことも可能である。したがって、予め第三電極を複数の箇所付設した静電容量調整手段を有する共振タグの構成として出荷しても、上記接続が成されていないので特定周波数の電波を発信する検知装置で検知できない形態とすることができる。そして、利用を開始する際には、上記接続を例えばかしめ処理などにより行うことで、共振タグは初めて特定の共振周波数を持つように変更できる。前者の場合は、前もって第三電極を複数の箇所付設した静電容量調整手段を有していても、検知装置で検知不能な共振タグを提供することができる。
【0037】
(2)後者の場合、すなわち、基板の一方の面内においてアンテナ体の一端と第一電極の一端との接続と、アンテナ体の他端と第二電極の一端との接続が行われる場合は、以下のような作用を備えている。
【0038】
(2−1)かかる構成の共振タグは、基板の片面のみに配されるアンテナコイルが、二重らせん構造をなす外側の第一導体と内側の第二導体から構成され、第一導体と第二導体の内端同士は接触し、該第一導体と該第二導体の外端はそれぞれ前記第一電極の一端と前記第二電極の一端に接続することで達成される。
【0039】
(2−2)この構成からなる共振タグであれば、従来要した基板両面に対する処理が不要となるので、製造工程の簡単化や製造コストの抑制が図れる。
【0040】
(2−3)また、所望の共振周波数をもつように共振回路を作製後に、第三電極を設けた個数分だけ変更できる。これは、高度な利用形態、例えば複数の展示や発表等の会場を移動する際に順番に第三電極を1箇所づつ削除し、共振タグを備えた物体が現存する会場内の位置を特定する事例などに利用できる。
【0041】
(2−4)上記複数の展示や発表等の会場が、複数の製造工程である場合には、ある製造物が各製造工程を経るたびに付属する共振タグの第三電極を1箇所づつ削除すれば、例えば製造ラインの管理にも本発明の共振タグは活用できる。
【0042】
本発明に係る共振タグを構成する第三電極としては、導電性材料からなる物体であれば如何なるものでも用いることが可能である。例えば、導電性のシールや、導電性のインク、導電性の薄膜であれば、簡易の装置を用いて容易に除去できるので好ましい。
【0043】
特に、導電性のシールは、特別に取り除くための装置も不要であることから、低コスト化を図る上で有効であり、また子供や年輩者でも容易に除去できるので、シール形状や色や絵柄等を工夫することにより、例えば教育施設や遊技施設などの用途にも好適な共振タグの提供が可能となる。
導電性のインクとしては、コインや爪等で擦ることにより容易に剥がれるインクが好適であり、例えば従来よりスクラッチ印刷の部門で採用されているインク材料が挙げられる。
また、導電性の薄膜としては、上述したインクと同様に、コインや爪等で擦ることにより容易に剥がれる材料が好適である。
【0044】
本発明に係る共振タグのキャパシタンス調整方法は、少なくとも両面が絶縁性を備えた基板と、前記基板の一方の面上に配され螺旋状のアンテナ体と、前記一方の面内に対向して配される第一電極および第二電極と、前記第一電極および前記第二電極を覆うように配される絶縁部とで構成され、前記アンテナ体の両端部をなす一端と他端はそれぞれ前記第一電極の一端と前記第二電極の一端に接続され、該第一電極と該第二電極の他端はいずれも開放端を成し、互いに対向する位置に複数の凸端部を備えており、前記絶縁部を介して、前記第一電極および前記第二電極の互いに対向する位置にある凸端部同士を覆うように個別に配した第三電極を、所望の箇所だけ除去し、残された前記第三電極を静電容量調整手段とする共振タグを用い、前記第三電極を順に削減して静電容量の調整を行うことを特徴としている。
【0045】
前述したように、本発明に係る共振タグであれば、絶縁部を介して、第一電極および第二電極の互いに対向する位置にある凸部同士を覆うように個別に配される第三電極が設けてある。これにより、第三電極を配した部分は絶縁部を挟んでその下方に位置する第一電極および第二電極と個々にコンデンサを成し、静電容量調整手段として機能できる。そして、この第三電極を設ける作業は、アンテナ体を作製した直後のみならず、例えば共振タグを全て作製し終えた後でも構わない。
【0046】
ゆえに、上記構成のキャパシタンス調整方法であれば、たとえ共振タグを全て作製した後であっても、共振タグを利用する個々のユーザーが必要に応じて自由に第三電極を削減することにより共振タグの共振周波数を調整できる。
【0047】
特に、第三電極として導電性のシールを用いそれを剥がす方法や、あるいは導電性のインクや導電性の薄膜をコインや爪等で擦ることにより剥がす方法により容易に実現できるので、本発明に係る共振タグのキャパシタンス調整方法は、ユーザーの年齢や経験に限定されることなく、極めて広い市場において活用可能であるという利点を備えている。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明に係る共振タグについて図面に基づき詳細に説明する。
【0049】
図1と図2は、本発明に係る共振タグの一例を示す概略図であり、図1において(a)は平面図を、(b)はA−A’における断面図を、(c)はB−B’における断面図を表している。図2は、図1の共振タグに後述する第三電極を1箇所だけ除去した状態を示している。
【0050】
図1に示す共振タグ10は、少なくとも両面が絶縁性を備えた基板11と、基板11の一方の面上に配され螺旋状のアンテナ体12と、一方の面内に対向して配される第一電極14および第二電極15と、第一電極14および第二電極15を覆うように配される絶縁部16とで構成されている。
【0051】
特に、図1(a)と(c)から明らかなように、共振タグ10は、アンテナ体12の一端12aと第一電極14の一端14aとの接続と、アンテナ体12の他端12bと第二電極15の一端15aとの接続は、基板11の他方の面内に配置された導電部材13を用い、α1とα2の導通部を介して行われている例を示している。
【0052】
すなわち、アンテナ体12の両端部をなす一端12aと他端12bはそれぞれ第一電極14の一端14aと第二電極15の一端15aに接続されており、図1(a)及び(b)に示すように、第一電極14の他端14bと第二電極15の他端15bはいずれも開放端を成し、互いに対向する位置に複数の凸端部を構成している。
【0053】
また、第一電極14の他端14bと第二電極15の他端15bはいずれも開放端を成し、互いに対向する位置に複数の凸端部は、絶縁部16によって被覆されている。
【0054】
そして、図2に示すように、上述した絶縁部26(16)を介して、第一電極24(14)および第二電極25(15)の互いに対向する位置にある凸端部同士を覆うように個別に配される複数個の第三電極27のうち、所望の箇所、例えば図1(a)において凸端部14b、15bを覆う位置に設けてあった第三電極17aだけ除去し、残された第三電極27を静電容量調整手段とする。
【0055】
残された第三電極27が1つでも存在する構成であれば、アンテナ体22の両端は導通可能な状態となるので、共振タグ20は特定周波数の電波を発信する検知装置からこの電波を受信した際、フレミングの左手の法則に従い、アンテナ体22には基板21に略垂直方向をなす磁界が発生し、これに伴い、アンテナ体22をなす導体に電流が流れる。
【0056】
また、上述した構成であれば、絶縁部26(16)を介して、第一電極24(14)および第二電極25(15)の互いに対向する位置にある凸端部同士を覆うように個別に配される第三電極27を、順次1箇所づつ削減して静電容量調整手段とすることもできる。
【0057】
図5は、共振タグに第三電極を付設した際の共振回路を示す図面である。図5において、Lはアンテナ体のインダクタンス、Rはアンテナ体の抵抗、C0はアンテナ体の静電容量であり、C1〜Cnは1個〜n個の第三電極が絶縁部を介して第一電極および第二電極の互いに対向する位置にある凸端部の上方に設けられることにより生じる個別の静電容量をそれぞれ表している。
【0058】
第三電極を付設することでアンテナ体の両端は導通し短絡する。この短絡により、抵抗R、インダクタンスLおよび静電容量(コンデンサ容量)Cの3要素からなる共振回路が構成され、共振タグ20が所定の共振周波数を持つことになる。
【0059】
この等価回路の共振周波数Fは、F=1/{2π√[L(C0+C1+C2+C3+・・・+Cn)}となり、この周波数の信号を検知装置から与えると共振し、その存在が発覚する。なお、図2では第三電極27として、27a、27b、・・・27nを例示したが、第三電極を設ける個数nに制限はない。
【0060】
図6は、共振タグに第三電極を付設した際の共振周波数Fと、第三電極の設置数nとの関係を示すグラフである。図6に示すように、第三電極27の設置箇所を減らせば、並列をなす静電容量調整手段が減少することになる(図6における矢印方向)ので、共振タグの共振周波数を適宜変更することが可能となる。
【0061】
なお、図6では、第三電極27の設置数が減るにつれて共振周波数が等間隔で増加する様子を示したが、C1〜Cnで表記される個々の静電容量を異なる形態とすることによって、第三電極27の設置数の減少により共振数端数が増加する間隔は個別に任意の数値となるように設定できることは言うまでもない。
【0062】
上述したC1〜Cnで表記される個々の静電容量を異ならせる形態は、例えば、第三電極が第一電極や第二電極と重なる領域の面積を個々に変えて設ける等の方法により得られる。
【0063】
なお、図6から明らかなように、最初に設けた第三電極が全く残されていなければ、すなわち図1に示す第三電極17a、17b、・・・17nが全て削除された状態の共振タグであるなら、アンテナ体に電流は流れないので、共振点(共振周波数)は極めて高い状態にある。
【0064】
このようなアンテナ体に電流が流れない形態、すなわち、最初は如何なる周波数の電波を発信する検知装置でも検知できない形態となるまで、削除可能な第三電極の個数を事前に設けて出荷し、例えば使用頻度に応じて第三電極を1箇所づつ削減することで、次第に異なる共振周波数を持つように設定が変更し、利用する共振タグも本発明により提供できる。このように削除可能な第三電極の個数を事前に設定してなる共振タグは、例えばその利用回数などを制限する場合に有効な形態である。
【0065】
図3と図4は、本発明に係る共振タグの他の一例を示す概略図であり、図3において(a)は平面図を、(b)はF−F’における断面図を表している。図4は、図3の共振タグに上述した図2と同様に第三電極を1箇所だけ除去した状態を示している。
【0066】
図3に示す共振タグ30は、少なくとも両面が絶縁性を備えた基板31と、基板31の一方の面上に配され二重らせん構造をなすアンテナ体34と、一方の面内に対向して配される第一電極35および第二電極36と、第一電極35および第二電極36を覆うように配される絶縁部37とで構成されている。また、図3に示すように、上述した絶縁部37を介して、第一電極35および第二電極36の互いに対向する位置にある凸端部同士を覆うように個別に配される複数個の第三電極38のうち、所望の箇所、例えば図3(a)において凸端部35b、36bを覆う位置に設けてあった第三電極38a(38)だけ除去し、残された第三電極48を静電容量調整手段とする。
【0067】
図3(a)から明らかなように、共振タグ30を構成するアンテナ体34は、二重らせん構造をなす外側の第一導体32と内側の第二導体33から構成され、第一導体32と第二導体33の内端32b、33b同士は接触し、第一導体32の外端32aは第一電極35の一端35aに接続され、第二導体33の外端33aは第二電極36の一端36aに接続された回路を成している。
【0068】
したがって、上述した図1および図2の共振タグと同様に、図3の共振タグも図4に示すように第三電極48を設けることでアンテナ体44の両端は導通し短絡する。そして、この短絡により、抵抗R、インダクタンスLおよび静電容量(コンデンサ容量)Cの3要素からなる共振回路が構成され、共振タグ40は所定の共振周波数を持つことになる。
【0069】
そして、共振タグ40が特定周波数の電波を発信する検知装置からこの電波を受信した際には、フレミングの左手の法則に従い、第一導体42と第二導体43には逆向きの磁界が発生し、これに伴い、第一導体42と第二導体43に逆向きに電流が流れることになる。
【0070】
図4に示すように、二重らせん構造をなす外側の第一導体42と内側の第二導体43からなるアンテナコイル44では、第一導体42が第二導体43より外側に配されているので、第一導体42の最外周内の面積S1は第二導体43の最外周内の面積S2に比べてより大きな値をもつことになる。
【0071】
面積が大きいほど通過する磁束が大きくなるので、第一導体42のインダクタンスL1は第二導体43のインダクタンスL2より大きな値を有することができる。したがって、この構成によれば、その差分L’(=L1−L2)をより大きく設定できるので望ましい。
【0072】
共振タグ40では、第一導体42のインダクタンスL1と第二導体43のインダクタンスL2は異なる状態にあるので、アンテナコイル44はL1とL2の差分に相当する合成リアクタンスL’を有することになる。
【0073】
また、共振タグ40では、第三電極48を付設することでアンテナ体44の両端は導通し短絡する。この短絡により、抵抗R、合成リアクタンスL’および静電容量(コンデンサ容量)Cの3要素からなる共振回路が構成され、共振タグ40が所定の共振周波数を持つことになる。
【0074】
この等価回路の共振周波数F’は、F’=1/{2π√[L’(C0+C1+C2+C3+・・・+Cn)}となり、この周波数の信号を検知装置から与えると共振し、その存在が発覚する。なお、図4では第三電極48として、48a、48b、・・・48nを例示したが、第三電極48を設ける個数nに特に制限はない。
【0075】
上記共振周波数F’を表す式から分かるように、合成リアクタンスL’がゼロ以外であれば、原則的に成立し、L’が大きくなるほど共振周波数F’は低周波側にシフトすることが分かる。
【0076】
したがって、上記構成からなる共振タグ40であれば、その共振周波数F’は、F’=1/{2π√[L’(C0+C1+C2+C3+・・・+Cn)}となり、この周波数の信号を検知装置から与えると共振して、その存在が発覚するという作用を有する。
【0077】
ゆえに、共振タグ40は、基板の片面の面内に上述した特定形状のアンテナ体44を設けるだけで上記作用が得られることから、従来の共振タグでは必要とした基板両面に対する処理が不要となるので、製造工程の簡単化や製造コストの抑制を図ることが可能となる。
【0078】
また、共振タグ40は、上述した共振タグ20と同じ構成とした静電容量調整手段も備えているので、共振タグ20と同様の作用・効果を有する。すなわち、共振タグ40は、図6に示すように、第三電極48の設置箇所を減らせば、並列をなす静電容量調整手段が減少することになるので、共振タグ40の共振周波数を適宜変更することができる。
【0079】
したがって、図3や図4に示す構成の共振タグであっても、第三電極48を複数個設け、所望の箇所だけ除去し、残された第三電極48を静電容量調整手段とすることにより、所望の共振周波数をもつように共振回路を作製後に少なくとも一回以上変更できるので、上述した図1や図2に示す構成の共振タグと同様の用途に利用できる。
【0080】
換言すると、図3および図4の共振タグは、共振回路をなすアンテナコイルと静電容量調整手段を、基板の片面に設けることにより、上記の作用・効果が実現できる。ゆえに、従来要した基板両面に対する処理が不要となるので、製造工程の簡単化や製造コストの抑制が図れ、高品質で安価な共振タグの提供が可能となる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、アンテナ体の両端部にそれぞれ接続された第一電極および第二電極を設け、さらに絶縁部を介して、第一電極および第二電極の互いに対向する位置にある凸端部同士を覆うように個別に配される第三電極を複数個設け、所望の箇所だけ除去し、残された第三電極を静電容量調整手段を成すように構成したので、第三電極を設ける箇所の減少に応じて、所望のより高い共振周波数をもつように、共振回路を作製後に少なくとも一回以上変更できる共振タグの提供が可能となる。
【0082】
上記構成の共振タグであれば、第三電極として導電性のシールやインク、薄膜などが利用できるので、その付設の要するコストを極めて安価に抑えることができ、更にその付設作業は年齢を問わない方法で容易に行うことができるので、本発明に係る共振タグは例えば教育施設や遊技施設などの用途にも好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る共振タグの一例を示す概略図である。
【図2】図1の共振タグにおいて第三電極が付設された状態を示す概略図である。
【図3】本発明に係る共振タグの他の一例を示す概略図である。
【図4】図3の共振タグにおいて第三電極が付設された状態を示す概略図である。
【図5】共振タグに第三電極を付設した際の共振回路図である。
【図6】共振タグに第三電極を付設した際の共振周波数Fと第三電極の設置数nとの関係を示すグラフである。
【図7】従来の共振タグの一例を示す概略図である。
【図8】図7の共振タグを単純化した回路で示した概略図である。
【図9】従来の共振タグの他の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
α1、α2 導通部、
10、20、30、40、71、80、95 共振タグ、
11、21、31、41、72、81、96 基板、
12、22、34、44 アンテナ体、
13、23 導電部材、
14、24、35、45 第一電極、
15、25、36、46 第二電極、
16、26、37、47 絶縁部、
17、27、38、48 第三電極。

Claims (7)

  1. 少なくとも両面が絶縁性を備えた基板と、前記基板の一方の面上に配され螺旋状のアンテナ体と、前記一方の面内に対向して配される第一電極および第二電極と、前記第一電極および前記第二電極を覆うように配される絶縁部とで構成され、
    前記アンテナ体の両端部をなす一端と他端はそれぞれ前記第一電極の一端と前記第二電極の一端に接続され、該第一電極と該第二電極の他端はいずれも開放端を成し、互いに対向する位置に複数の凸端部を備えており、
    前記絶縁部を介して、前記第一電極および前記第二電極の互いに対向する位置にある凸端部同士を覆うように個別に配した第三電極を、所望の箇所だけ除去し、残された前記第三電極を静電容量調整手段とすることを特徴とする共振タグ。
  2. 前記アンテナ体の一端と前記第一電極の一端との接続と、前記アンテナ体の他端と前記第二電極の一端との接続は、前記基板を介して行われていることを特徴とする請求項1に記載の共振タグ。
  3. 前記アンテナ体の一端と前記第一電極の一端との接続と、前記アンテナ体の他端と前記第二電極の一端との接続は、前記基板の一方の面内において行われていることを特徴とする請求項1に記載の共振タグ。
  4. 前記第三電極は、導電性のシールであることを特徴とする請求項1に記載の共振タグ。
  5. 前記第三電極は、導電性のインクであることを特徴とする請求項1に記載の共振タグ。
  6. 前記第三電極は、導電性の薄膜であることを特徴とする請求項1に記載の共振タグ。
  7. 少なくとも両面が絶縁性を備えた基板と、前記基板の一方の面上に配され螺旋状のアンテナ体と、前記一方の面内に対向して配される第一電極および第二電極と、前記第一電極および前記第二電極を覆うように配される絶縁部とで構成され、
    前記アンテナ体の両端部をなす一端と他端はそれぞれ前記第一電極の一端と前記第二電極の一端に接続され、該第一電極と該第二電極の他端はいずれも開放端を成し、互いに対向する位置に複数の凸端部を備えており、
    前記絶縁部を介して、前記第一電極および前記第二電極の互いに対向する位置にある凸端部同士を覆うように個別に配した第三電極を、所望の箇所だけ除去し、残された前記第三電極を静電容量調整手段とする共振タグを用い、
    前記第三電極を順に削減して静電容量の調整を行うことを特徴とする共振タグのキャパシタンス調整方法。
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