JP2004302005A - 透過型スクリーン - Google Patents

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陽二 小野
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Abstract

【課題】色むらが少なく、コントラストを高い透過型スクリーン及び透過型スクリーンの製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる透過型スクリーンは、レンチキュラーレンズシート9と、前面板6を備えている。このレンチキュラーレンズシート9は、複数のレンチキュラーレンズと、凸状のレンズ部10と、光吸収層8が形成された凸状の非集光部とを有する。レンチキュラーレンズシート9と前面板6は、凸状の非集光部の頂部において光拡散効果を有する接着剤により接着されるとともに、凸状のレンズ部に対向する前面板の面上において、塗布された接着剤が硬化することによって光拡散層7が形成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、背面投写形テレビジョン等に用いられる透過型スクリーンおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、一般に、背面投写形テレビジョンに用いられている透過型スクリーンの概略構成図を図2に示す。図2において、1はフレネルレンズシートであり、2はレンチキュラーレンズシートである。通常、フレネルレンズシート1およびレンチキュラーレンズシート2が密着されて透過型スクリーンが構成されている。一般に、フレネルレンズシート1は、等間隔で同心円状の微細ピッチのレンズからなるフレネルレンズが光出射面に設けられたシートで構成されている。このフレネルレンズシートは、光源からの光を一定角度の範囲内になるように絞り込む役割を有する。
【0003】
レンチキュラーレンズシート2は、光入射面側および光出射面側に等間隔になるようにかまぼこ型のレンズがそれぞれ配置されている。より具体的には透光性基板の光入射面に複数のレンチキュラーレンズが設けられ、また、出射面にこれらのレンチキュラーレンズからの光の集光位置に凸状のレンズが設けられている。フレネルレンズシートから出射された平行光または収束光は、レンチキュラーレンズシート2により水平方向に大きく拡散され、これによって水平方向の広い視野範囲で映像を観察することが可能となる。水平方向のみならず垂直方向においても映像観察が可能な範囲を拡大するために、レンチキュラーレンズシート2には一般に拡散剤が分散された材料が用いられている。この拡散剤は、3管式CRT(Cathode Ray Tube)光源と組み合わされて用いるレンチキュラーレンズシート5においては、3色の色むらを補正するためにも必要となる。
【0004】
レンチキュラーレンズは、3色の色むらを補正するため、入射、出射レンズの形状、距離などに工夫を凝らしているが、レンチキュラーレンズ内に拡散剤が含まれているとすると、通過する光線が拡散され、本来意図したレンズ効果を十分に発揮できない。したがって、レンチキュラーレンズより前面に拡散手段があると、色むらを低減する点で効果的である。
【0005】
一方で、かかるレンチキュラーレンズシート5においては、光入射面側に設けられた各々のレンズの集光部以外の部位に、斜面及び頂部からなる凸状の非集光部を形成している。そして、この凸状の非集光部にロールコート、スクリーン印刷、転写印刷などの手段により黒インクなどの光吸収層8を塗布している。これによって、レンチキュラーレンズシート5に入射した外光のうち、レンチキュラーレンズシート5の出射面で反射されて観察者側に戻る光を減少させ、映像コントラストの向上が図られている。
尚、特許文献1には、レンチキュラーレンズシートと透光性前面板とが接着層を介してレンチキュラーレンズシートの光吸収部において接着されている構成が開示され、さらに、この接着層に光拡散剤を混入させることができる旨の記載がある。しかしながら、特許文献1には、接着層の基材と光拡散剤との屈折率差についての記載はない。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−43946号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、拡散層が光吸収層の観察者側にあると、光吸収層が白くぼけ、外光反射が大きくなるので明るい環境下でのコントラストが悪化するため、効果的な色むらの低減とコントラストを両立することが困難である、という問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、色むらが少なく、コントラストの高い透過型スクリーン及び透過型スクリーンの製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる透過型スクリーンは、レンチキュラーレンズシートと、前面板を備えた透過型スクリーンであって、このレンチキュラーレンズシートは、透光性基板の入射面に配置された複数のレンチキュラーレンズと、当該透光性基板の出射面において上記レンチキュラーレンズからの光の集光位置に配置された凸状のレンズ部と、当該透光性基板の出射面において前記集光位置とは異なる位置に配置され、光吸収層が形成された凸状の非集光部とを有し、レンチキュラーレンズシートと前面板は、前記凸状の非集光部の頂部において光拡散効果を有する接着剤により接着されるとともに、前記凸状のレンズ部に対向する前面板の面上において、塗布された前記接着剤が硬化することによって光拡散層が形成されている。このような構成により、光拡散層が光吸収層とほぼ同層に設けられているため、外光反射を軽減することができ、色むらを少なくし、コントラストを高くすることができる。
【0010】
ここで、接着剤は、前面板の全面にわたって塗布されていることが好ましい。これにより、製造工程を簡略化することができる。
【0011】
この拡散剤粒子は、1μm以上20μm以下であることが好ましい。拡散剤粒子の粒径が1μm以下であると光の拡散効果が小さくなることがある。また、拡散剤粒子の粒径が20μmより大きいと、塗布、貼り合わせの工程性や外観が悪化することがある。
【0012】
前記凸状のレンズ部に対向する前面板の表面には、拡散剤による凹凸が生じ、レンチキュラーレンズより観察者側で拡散効果を発揮し、効果的に色むらを低減できると同時に、光吸収層が接着層と接することで、光吸収層の観察者側には接着層の表面凹凸による光拡散要素がなくなり、コントラストの改善を同時に図ることができる。
拡散剤粒子と、前記接着剤の基材の屈折率との差は0.1以下であることが望ましい。この差が0.1以上であると、接着剤と拡散剤との界面で生じる光拡散効果が無視できなくなり、コントラストを劣化させる場合がある。屈折率の差は0.03以下であることがより望ましく、0.01以下であることが更に望ましい。
【0013】
他方、本発明にかかる透過型スクリーンの製造方法は、レンチキュラーレンズシートと、前面板を備えた透過型スクリーンの製造方法であって、前記前面板の全面にわたって光拡散効果を有する接着剤を塗布する工程と、前記接着剤が塗布された前面板と前記レンチキュラーレンズシートを貼り合わせる工程と、前記接着剤を硬化させる工程とを備えたものである。このような方法により、色むらが少なく、コントラストの高い透過型スクリーンを容易に製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に本発明にかかる透過型スクリーンの概略図を示す。本発明にかかる透過型スクリーン11では、レンチキュラーレンズシート9と前面板6を、光拡散効果のある接着剤を用いて貼り合わせている。これにより、レンチキュラーレンズシート9の集光部10の前面に、光拡散層7が形成される。
【0015】
続いて、具体的な製造フローにつき説明する。まず、接着剤を前面板6の全面にわたって塗布する。この接着剤は、基材と拡散剤の屈折率差が小さくなる組合せを選ぶ必要があるが、それぞれ公知の材料を用いることができ、例えば、アクリル樹脂を有機溶剤へ溶解したものに、架橋アクリル粒子を混合したものなどを用いることができる。
【0016】
次に、前面板6のうち、接着剤が塗布された面に対して、レンチキュラーレンズシート9を重ね合わせる。このレンチキュラーレンズシート9の凸状の非集光部には、光吸収層8が設けられている。そのため、前面板6とレンチキュラーレンズシート9を重ね合わせると、光吸収層8を設けた凸状の非集光部の頂部が接着剤の塗布された前面板6と接し、この部分において両者が貼り合わせられる。このとき、前面板6とレンチキュラーレンズシート9は、ローラー等によって互いに圧着される。その後、接着剤を硬化させる処理を行う。例えば、接着剤が紫外線硬化樹脂のときは、紫外線を照射する。また、接着剤が熱硬化樹脂のときは、加熱する。前面板6に塗布された接着剤のうち、レンチキュラーレンズシート9の凸状部と接触しない部分の接着剤は、そのまま硬化することになる。硬化した接着剤は、前面板6上に残り、レンチキュラーレンズシート9の集光部10の前面において光拡散層7を形成することになる。
【0017】
ここで、前面板6に塗布される接着剤に含まれる拡散剤粒子の粒径は、1μm以上、20μm以下が好ましい。拡散剤粒子の粒径が1μm以下であると光の拡散効果が小さくなることがある。また、拡散剤粒子の粒径が20μmより大きいと、塗布、貼り合わせの工程性や外観が悪化することがある。
【0018】
前面板6とレンチキュラーレンズシート9を貼り合わせた状態において、拡散層7がレンチキュラーレンズの集光部10に接する場合は、レンチキュラーレンズから出射する光の屈折方向が変わるため、集光部10の形状を考慮する必要がある。
【0019】
尚、本発明にかかる透過型スクリーンにおいて用いられる前面板6には、反射率低減処理、防汚処理、静電処理などを行なうことができる。
【0020】
【実施例】
以下に本発明の実施例を述べる。
まず、メチルメタクリレート重合体を主原料とし、押出し成形によってレンチキュラーレンズシートを作製した。そして、このレンチキュラーレンズシートの出射側に設けられた凸状の非集光部へ、帝国インキ製造株式会社製「VARインク」を印刷し、光吸収層を形成した。
ついで、酢酸エチルを主原料とする有機溶剤へメチルメタクリレート重合体を溶解し、平均粒径10μmの架橋メチルメタクリレート重合体拡散剤粒子を混合して接着剤を作製した。硬化後のメチルメタクリレート重合体と拡散剤粒子の重量比は80:20である。乾燥後の接着剤基材と拡散剤粒子の屈折率差は0.01以下であった。
その後、この接着剤をメチルメタクリレート重合体製の前面板の片面に、乾燥後に30μmの厚みとなるよう塗布し、レンチキュラーレンズシートの出射側に設けられた凸状の非集光部と圧して貼り合わせ、乾燥して接着し、透過型スクリーンを作製した。
【0021】
(比較例)
ウレタンアクリレートを含む紫外線硬化樹脂中に、平均粒径10μmのシリコン樹脂製拡散剤粒子を混合して接着剤を作製し、30μmの厚みとなるように塗布し、紫外線を照射して接着した以外は実施例と同様にして、透過型スクリーンを作製した。紫外線硬化樹脂と拡散剤粒子の重量比は95:5である。硬化後の接着剤基材と拡散剤粒子の屈折率差は0.12以下であった。
【0022】
実施例および比較例を評価するため、各々の透過型スクリーンを図示しない同一のフレネルレンズと組み合わせてプロジェクションテレビに装着し、無作為に抽出した10人の観察者によって色むらおよび外光の反射強度を比較評価した。その結果、10人全員が、実施例のスクリーンは色むらが小さく、また外光の反射強度が小さく、コントラストが良好であると判定した。一方、比較例のスクリーンは色むらは実施例と同様に小さかったものの、外光の反射強度が大きく、コントラストに問題があると判定した。
【0023】
【発明の効果】
本件の発明によれば、色むらが少なく、コントラストの高い透過型スクリーン及び透過型スクリーンの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透過型スクリーンの一例を説明する概略図である。
【図2】背面投写形テレビジョンに用いられている透過型スクリーンの一例の概略構成図である。
【符号の説明】
1:フレネルレンズシート
2:レンチキュラーレンズシート
6:前面板
7:光拡散層
8:光吸収層
9:レンチキュラーレンズシート
10:出射部

Claims (6)

  1. レンチキュラーレンズシートと、前面板を備えた透過型スクリーンであって、
    前記レンチキュラーレンズシートは、
    透光性基板の入射面に配置された複数のレンチキュラーレンズと、当該透光性基板の出射面において上記レンチキュラーレンズからの光の集光位置に配置された凸状のレンズ部と、当該透光性基板の出射面において前記集光位置とは異なる位置に配置され、光吸収層が形成された凸状の非集光部とを有し、
    前記レンチキュラーレンズシートと前記前面板は、前記凸状の非集光部の頂部において拡散剤粒子を含み、当該拡散剤粒子と基材の屈折率差が0.1以下の接着剤により接着されるとともに、
    前記凸状のレンズ部に対向する前面板の面上において、塗布された前記接着剤が硬化することにより光拡散層が形成された透過型スクリーン。
  2. 前記接着剤は、前面板の全面にわたって塗布されていることを特徴とする請求項1記載の透過型スクリーン。
  3. 前記拡散剤粒子は、1μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1記載の透過型スクリーン。
  4. レンチキュラーレンズシートと、前面板を備えた透過型スクリーンの製造方法であって、
    前記前面板に拡散剤粒子を含み、当該拡散剤粒子と基材の屈折率差が0.1以下の接着剤を塗布する工程と、
    前記接着剤が塗布された前面板と前記レンチキュラーレンズシートを貼り合わせる工程と、
    前記接着剤を硬化させる工程とを備えた透過型スクリーンの製造方法。
  5. 前記接着剤を塗布する工程において、前記接着剤を前面板の全面にわたって塗布することを特徴とする請求項4記載の透過型スクリーンの製造方法。
  6. 前記拡散剤粒子は、1μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項4記載の透過型スクリーンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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