JP2004302944A - 車両用制御システム - Google Patents
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Abstract
【目的】車両制御システムにおいて、各サブ制御手段が夫々有している記憶媒体の記憶容量以上にデータを蓄積し、小規模なサブ制御手段においても故障原因を解析可能な程度のデータを保存し、また、ネットワークに接続された複数のサブ制御手段中の一部に当たるサブ制御手段が通信不能になったり、データが壊れていても、診断データが保存して、システム全体の信頼性を向上することにある。
【構成】複数のサブ制御手段は、メイン制御手段の指令に基づいて設定されたタイミング時に、ネットワーク上に保存が必要なデータを出力し、メイン制御手段によって指定された複数のサブ制御手段中の少なくとも一つのサブ制御手段は、ネットワーク上に出力されている他のサブ制御手段の前記データを自己の記憶媒体に保存する。
【選択図】 図1
【構成】複数のサブ制御手段は、メイン制御手段の指令に基づいて設定されたタイミング時に、ネットワーク上に保存が必要なデータを出力し、メイン制御手段によって指定された複数のサブ制御手段中の少なくとも一つのサブ制御手段は、ネットワーク上に出力されている他のサブ制御手段の前記データを自己の記憶媒体に保存する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用制御システムに係り、特に車載LAN(LOCAL AREA NETWORK)を装備した車両等における故障診断データを保存する車両用制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両においては、近年、電子制御化が進み、車載用の制御手段であるコントローラとして、例えば、制御機器としてのエンジンを制御するエンジンコントローラ(ECU)や、他の複数の制御機器を制御するコントローラとして、トランスミッションコントローラ(ECU)、エアバックコントローラ(ECU)、パワステコントローラ(ECU)等が搭載され、これら各コントローラが車載LAN(LOCAL AREA NETWORK)によって連絡され、これにより、車両に搭載された複数の制御機器を制御する車両用制御システムを設けたものがある。
【0003】
即ち、図4に示す如く、車両用制御システム302には、例えば、複数の制御手段として、第1〜第3コントローラ(ECU1〜ECU3)304−1〜304−3を備え、また、これら第1〜第3コントローラ(ECU1〜ECU3)304−1〜304−3(ECU1〜ECU3)を車載LAN(LOCAL AREA NETWORK)306で連絡したものがある。
【0004】
第1コントローラ(ECU1)304−1は、車載LAN306に連絡した第1LAN連絡部(LAN I/F)308−1と、この第1LAN連絡部(LAN I/F)308−1に連絡した第1中央処理装置(CPU)310−1と、この第1中央処理装置(CPU)310−1に連絡した第1入出力回路312−1と、第1中央処理装置(CPU)310−1に連絡した第1記憶媒体314−1とから構成される。この第1記憶媒体314−1は、所定容量の第1診断データ保存可能領域部316−1を備えた第1メモリ318−1からなる。
【0005】
第2コントローラ(ECU2)304−2は、車載LAN306に連絡した第2LAN連絡部(LAN I/F)308−2と、この第2LAN連絡部(LAN I/F)308−2に連絡した第2中央処理装置(CPU)310−2と、この第2中央処理装置(CPU)310−2に連絡した第2入出力回路312−2と、第2中央処理装置(CPU)310−2に連絡した第2記憶媒体314−2とから構成される。この第2記憶媒体314−2は、前記第1診断データ保存可能領域部316−1よりも小さな容量の第2診断データ保存可能領域部316−2を備えた第2メモリ318−2からなる。
【0006】
第3コントローラ(ECU3)304−3は、第2コントローラ(ECU2)304−2と同様に構成され、車載LAN306に連絡した第3LAN連絡部(LAN I/F)308−3と、この第3LAN連絡部(LAN I/F)308−3に連絡した第3中央処理装置(CPU)310−3と、この第3中央処理装置(CPU)310−3に連絡した第3入出力回路312−3と、第3中央処理装置(CPU)310−3に連絡した第3記憶媒体314−3とから構成される。この第3記憶媒体314−3は、前記第1診断データ保存可能領域部316−1よりも小さな容量の第3診断データ保存可能領域部316−3を備えた第2メモリ318−3からなる。
【0007】
そして、例えば、第1コントローラ(ECU1)304−1の入力の1つに異常信号が検出され、故障と判定され、故障時点のデータを保存する方法には、以下の第1の保存方法(図5参照)と、第2の保存方法(図6(A)(B)参照)とがある。
【0008】
第1の保存方法は、図5に示す如く、各コントローラ(ECU)が起動すると(ステップ402)、第1コントローラ(ECU1)304−1の所定診断の実施条件が成立したか否かを判断する(ステップ404)。この第1コントローラ(ECU1)304−1の所定診断の実施条件成立の確認においては、診断に適したコンディション(運転状態、入出力状態、内部制御状態等)であるかの確認の他に、診断タイプ(コントローラ(ECU)の起動後、1度のみ実施するタイプ、連続して実施するタイプ、診断の結果によってその後の診断の流れを決定するタイプ等がある)に対するプログラムの制御を行う。
【0009】
前記ステップ404がNOの場合には、この判断を継続し、一方、前記ステップ404がYESの場合には、第1コントローラ(ECU1)304−1の所定診断を実施し(ステップ406)、そして、故障と判定されたか否かを判断する(ステップ408)。
【0010】
このステップ408がNOの場合には、前記ステップ404に戻り、一方、このステップ408がYESの場合には、診断関連データを第1コントローラ(ECU1)304−1の第1メモリ318−1に保存する(ステップ410)。この診断関連データとしては、故障内容を特定するためのコードやコンディション(運転状態、入出力状態、内部制御状態等)等が指定される。そして、このステップ410の後は、前記ステップ404に戻す。
【0011】
また、第2の保存方法は、図6(A)の一方のルーチンと図6(B)の他方のルーチンとが、同時に稼働するものである。
【0012】
図6(A)の一方のルーチンにおいては、各コントローラ(ECU)が起動すると(ステップ502)、一定時間毎、所定のメモリに診断データを保存するとともに、該メモリのオーバフロー時には、古いデータに上書きし(ステップ504)、このステップ504を継続する。
【0013】
図6(B)の他方のルーチンにおいては、各コントローラ(ECU)が起動すると(ステップ602)、第1コントローラ(ECU1)304−1の所定診断の実施をし(ステップ604)、そして、故障と判定されたか否かを判断し(ステップ606)、このステップ606がNOの場合に、前記ステップ604に戻り、一方、このステップ606がYESの場合には、図5の上記ルーチンでメモリに保存されている故障前の時系列診断データと故障後の診断データとを、第1コントローラ(ECU1)304−1の第1メモリ318−1に固定保存し(上記図6(A)の一方のルーチンにおけるメモリの更新を停止するか、データを別のメモリへコピーする)(ステップ608)、前記ステップ604に戻す。
【0014】
また、従来、車両用制御システムには、第1の制御装置と第2の制御装置とが、LAN用通信線に夫々接続され、互いが共有するデータのうち、LAN用通信線を介した通信よりも高いリアルタイム性が要求される特定のデータを、専用通信線を介して通信し、特定のデータ以外のデータを、LAN用通信線を介して通信し、自動車の動力を制御する一対の制御装置間の専用通信線による通信に異常が生じても自動車を走行可能とし、且つ、その専用通信線による通信で通信データ量を低減可能とするものがある(例えば、特許文献1)。
【0015】
【特許文献1】
特開2002−332910号(第3頁、図1)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来、車両用制御システムにあっては、故障診断データの保存先が、当該故障を判定したコントローラに保存していたので、故障診断データのために割り当てることが可能なメモリの容量が少ないコントローラでは、保存するデータが限られ、必要なデータの一部しか保存することができないという不具合が生じていた。一般に、エンジンコントローラ等は、故障診断データの保存を前提にしているため、大量のデータを保存することが可能であるが、エアバックコントローラやパワステコントローラ等の小規模なコントローラでは、メモリ容量が少ないために、十分なデータを保存することができないという不都合があった。
【0017】
つまり、コントローラが検出した故障データは、当該コントローラ内のメモリに保存しており、当該コントローラにおいて、故障を検出した場合に、保存可能なデータは、当該コントローラのメモリ容量に依存しており、また、コントローラの故障診断データに割り当てたメモリやそのコントローラ自体の致命的破壊が発生した場合に、故障診断のデータがどこにも残らなくなってしまうという不具合がある。
【0018】
また、故障診断データとしては、故障時点のデータのみを保存することにより、航空機で使用されるようなフライトレコーダの機能を実現し、故障の前後のデータを保存しておけば、故障原因の究明が迅速にできるが、これを実現するためには、より多くのメモリをコントローラに搭載する必要があり、その分コストが高くなってしまういう不都合があった。
【0019】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、マスター機能を有するメイン制御手段と、このメイン制御手段とネットワークによって接続されて前記メイン制御手段からの指令を受ける複数のサブ制御手段とにより、車両に搭載された複数の制御機器を制御する車両用制御システムにおいて、前記複数のサブ制御手段は、前記メイン制御手段の指令に基づいて設定されたタイミング時に、前記ネットワーク上に保存が必要なデータを出力し、前記メイン制御手段によって指定された前記複数のサブ制御手段中の少なくとも一つのサブ制御手段は、前記ネットワーク上に出力されている他のサブ制御手段の前記データを自己の記憶媒体に保存することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
この発明において、複数のサブ制御手段は、メイン制御手段の指令に基づいて設定されたタイミング時に、ネットワーク上に保存が必要なデータを出力し、メイン制御手段によって指定された複数のサブ制御手段中の少なくとも一つのサブ制御手段は、ネットワーク上に出力されている他のサブ制御手段の前記データを自己の記憶媒体に保存することから、各サブ制御手段が夫々有している記憶媒体の記憶容量以上にデータを蓄積することができ、小規模なサブ制御手段においても故障原因を解析可能な程度のデータを保存することができ、また、ネットワークに接続された複数のサブ制御手段中の一部に当たるサブ制御手段が通信不能になったり、データが壊れていても、診断データが保存されているので、システム全体の信頼性を向上することができる。
【0021】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。図1〜3は、この発明の実施例を示すものである。図3において、2は車両、4はボディ、6は前輪、8は後輪である。この車両2には、車両用制御システム10が設けられる。
【0022】
この車両用制御システム10においては、図2、3に示す如く、マスター機能を有するメイン制御手段であるメインコントローラ(マスタECU)12と、このメインコントローラ(マスタECU)12とネットワークである車載LAN(LOCAL AREA NETWORK)(ケーブル)(バス方式あるいはループ方式)14によって接続されてメインコントローラ(マスタECU)12からの指令を受ける複数のサブ制御手段として、第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4とにより、車両2に搭載された複数の制御機器(図示せず)を制御するものである。
【0023】
メインコントローラ(マスタECU)12は、例えば、制御機器としてのエンジンを制御するエンジンコントローラからなるものである。
【0024】
第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4は、例えば、制御機器としての自動変速機を制御するオートトランスミッションコントローラ、制御機器としてのエアバックを制御するエアバックコントローラ、制御機器としてのパワーステアリング装置を制御するパワステコントローラ、制御機器としてのアンチブレーキシステム(ABC)を制御するアンチブレーキシステム(ABC)コントローラ等からなるものである。
【0025】
これらメインコントローラ(マスタECU)12及び第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4は、従来のコントローラと同様に構成され、図示しないが、記憶媒体としてのメモリ等を備えている。
【0026】
車載LAN14は、CAN(CONTROLLER AREA NETWORK)等のネットワークのケーブル等からなるものである。
【0027】
また、車載LAN14には、コネクタ装置18の車両側コネクタ18Aが接続している。この車両側コネクタ18Aには、コネクタ装置18の外部装置側接続コネクタ18Bが結合・離脱可能に設けられている。この外部装置側接続コネクタ18Bには、車両2から離れた外部モニタ装置(テスタ)20に連結して双方向のデータ通信が可能な車外通信ライン(ケーブル)22が接続している。
【0028】
車両用制御システム10において、第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4は、メインコントローラ(マスタECU)12の指令に基づいて設定されたタイミング時に、車載LAN14上に保存が必要なデータ(フラグやID等)を出力し、このメインコントローラ(マスタECU)12によって指定された第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)は、ネットワーク14上に出力されている他のサブコントローラ(ECU)の前記データを自己の記憶媒体に保存する。
【0029】
また、車両用制御システム10において、メインコントローラ(マスタECU)12が前記データの保存先に指定する第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)は、自己の記憶媒体の容量に余裕がある場合にのみ、該記憶媒体に前記データを保存する。
【0030】
更に、車両用制御システム10において、第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4は、メインコントローラ12の指令に基づいて設定されたタイミング時に、車載LAN(LOCAL AREA NETWORK)14上に保存が必要なデータを出力し、このメインコントローラ(マスタECU)12によって指定された第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)は、ネットワーク14上に出力されている他のサブコントローラの前記データを自己の記憶媒体に保存し、第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中のいずれかのサブコントローラ(ECU)が故障したと判定されたときには、ネットワーク14上に故障情報を出力し、この出力された故障情報をメインコントローラ12によって指定された第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)の記憶媒体に保存し、前記データと前記故障情報とをメインコントローラ(マスタECU)12によって指定された第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)により恒久保存処理する。
【0031】
次に、この実施例の作用について説明する。
【0032】
例えば、第1サブコントローラ(ECU1)16−1の入力の1つに異常信号が検出され、故障と判定され、故障前後のデータを保存する場合には、各サブコントローラ(ECU)で、以下の図1(A)の第1のルーチンと図1(B)の第2のルーチンとが稼働し、そして、故障が発生し、デーラー等に持ち込まれた後に、外部モニタ装置(テスタ)20がサブコントローラ(ECU)から保存されたデータを引き出す。
【0033】
図1(A)の第1のルーチンにおいては、各サブコントローラ(ECU)が起動すると(ステップ102)、メインコントローラ(マスタECU)12の実施をし、一定時間毎に、次にデータを保存するサブコントローラ(ECU)に関するデータ(フラグやID等)を、車載LAN14に出力する(ステップ104)。つまり、このステップ104においては、メインコントローラ(マスタECU)12は、一定時間毎(例えば、10sec毎)に、車載LAN14上に次に流されるデータが、どのサブコントローラ(ECU)のものかを予め出力する。このデータの流される順番は、予め設定されているものである。
【0034】
そして、当該サブコントローラ(ECU)として他のサブコントローラ(ECU)に保存させたいデータを、車載LAN14に出力する(ステップ106)。つまり、このステップ106においては、例えば、第1サブコントローラ(ECU1)16−1が、出力可能な順番の時に保存させたい情報を、車載LAN14に出力する。
【0035】
その後、メインコントローラ(マスタECU)12からデータの保存先として指定されたサブコントローラ(ECU)のみを実施をし、車載LAN14上のデータを自己のメモリに保存し(ステップ108)、前記ステップ104に戻す。
【0036】
次に、図1(B)の第2のルーチンにおいては、各サブコントローラ(ECU)が起動すると(ステップ202)、このサブコントローラ(ECU)の所定診断の実施をし(ステップ204)、そして、故障と判定されたか否かを判断する(ステップ206)。このステップ206がNOの場合には、前記204ステップに戻す。
【0037】
このステップ206がYESの場合には、車載LAN14に故障が発生したことと、故障コードを出力し(ステップ208)、そして、図1(A)の第1のルーチンでメモリに保存されている故障前の時系列診断データと故障後の診断データとをサブコントローラ(ECU)のメモリに固定保存し(上記第1のルーチンにおけるメモリの更新を停止するか、データを別のメモリへコピーする)(ステップ210)、前記ステップ204に戻す。前記ステップ210においては、故障前の時系列データと、故障後の診断データとの保存先が、異なっている場合もある。
【0038】
よって、この車両用制御システム10では、保存対象とするデータを、常時、車載LAN14上に出力し、そして、所定のタイミングで、所定のサブコントローラが車載LAN14上のデータを一時保存し、故障の発生のトリガが車載LAN14上に出力されて時点で、一時保存されているデータを恒久保存し、外部モニタ装置(テスタ)20から要求が合った時点で、各サブコントローラのデータを外部モニタ装置(テスタ)20に返送する。
【0039】
この結果、車両用制御システム10において、第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4は、メインコントローラ(マスタECU)12の指令に基づいて設定されたタイミング時に、車載LAN14上に保存が必要なデータ(フラグやID等)を出力し、このメインコントローラ(マスタECU)12によって指定された第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)は、ネットワーク14上に出力されている他のサブコントローラ(ECU)の前記データを自己の記憶媒体に保存することから、各サブコントローラが夫々有している記憶媒体の記憶容量以上にデータを蓄積することができ、小規模のサブコントローラにおいても故障原因を解析可能な程度のデータを保存することができ、また、ネットワークである車載LAN14に接続された複数のサブコントローラ中の一部に当たるサブコントローラが通信不能になったり、データが壊れていても、診断データが保存されているので、システム全体の信頼性を向上することができる。また、自己の入力以外のデータの保存の可能となる(例えば、ボディコントローラモジュールで入力している車内温度は、エンジンコントローラでは制御に使用していないため、入力ができないが、故障時に、このデータを保存しておけば、メモリの書き込み故障等の外部環境によって故障が発生する場合に、この故障の診断に役立つものである)。
【0040】
また、車両用制御システム10において、メインコントローラ(マスタECU)12が前記データの保存先に指定する第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)は、自己の記憶媒体の容量に余裕がある場合にのみ、該記憶媒体に前記データを保存することから、記憶媒体の容量に余裕がある場合のみ、他のサブコントローラ(ECU)のデータを記憶させているので、容量不足により保存に失敗するおそれをなくすることができる。
【0041】
更に、車両用制御システム10において、第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4は、メインコントローラ(マスタECU)12の指令に基づいて設定されたタイミング時に、車載LAN14上に保存が必要なデータを出力し、このメインコントローラ(マスタECU)12によって指定された第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)は、車載LAN14上に出力されている他のサブコントローラの前記データを自己の記憶媒体に保存し、第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中のいずれかのサブコントローラ(ECU)が故障したと判定されたときには、車載LAN14上に故障情報を出力し、この出力された故障情報をメインコントローラ12によって指定された第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)の記憶媒体に保存し、前記データと前記故障情報とをメインコントローラ(マスタECU)12によって指定された第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)により恒久保存処理することから、故障する前後のデータが消去されない恒久保存処理されるので、デーラー等で車両の点検整備、故障処理において、最適な処理を実施することができる。
【0042】
なお、この発明は、上述の実施例に限定されず、種々応用改変が可能であることは勿論である。
【0043】
例えば、サブコントローラからの各データには、故障の傾向のあるデータやサブコントローラの個体差によるデータ等によって重要度を付け、そして、重要度の高いデータを、他の2つのサブコントローラの各記憶媒体に夫々記憶させ、重要なデータを確実に記憶させることも可能である。また、一のサブコントローラからの一のデータを他の2つのサブコントローラの各記憶媒体に夫々記憶させ、その後のサブコントローラからのデータとを比較し、これらデータの重要度を比較し、重要度の低い一方のデータを消去してメモリ容量を確保させるとともに、重要度の高いデータのみを確保することも可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれば、複数のサブ制御手段は、メイン制御手段の指令に基づいて設定されたタイミング時に、ネットワーク上に保存が必要なデータを出力し、メイン制御手段によって指定された複数のサブ制御手段中の少なくとも一つのサブ制御手段は、ネットワーク上に出力されている他のサブ制御手段の前記データを自己の記憶媒体に保存することにより、各サブ制御手段が夫々有している記憶媒体の記憶容量以上にデータを蓄積することができ、小規模なサブ制御手段においても故障原因を解析可能な程度のデータを保存することができ、また、ネットワークに接続された複数のサブ制御手段中の一部に当たるサブ制御手段が通信不能になったり、データが壊れていても、診断データが保存されているので、システム全体の信頼性を向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、車両用制御の第1のルーチンのフローチャートである。
(B)は、車両用制御の第2のルーチンのフローチャートである。
【図2】車両用制御システムの構成図である。
【図3】車両用制御システムを備えた車両の側面図である。
【図4】従来において車両用制御システムの構成図である。
【図5】従来において車両用制御の第1の方法によるフローチャートである。
【図6】(A)は、従来において車両用制御の第2の方法の一方のルーチンのフローチャートである。
(B)は、従来において車両用制御の第2の方法の他方のルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
2 車両
10 車両用制御システム
12 メインコントローラ(メイン制御手段)
14 車載LAN(ネットワーク)
16 サブコントローラ(サブ制御手段)
20 外部モニタ装置
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用制御システムに係り、特に車載LAN(LOCAL AREA NETWORK)を装備した車両等における故障診断データを保存する車両用制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両においては、近年、電子制御化が進み、車載用の制御手段であるコントローラとして、例えば、制御機器としてのエンジンを制御するエンジンコントローラ(ECU)や、他の複数の制御機器を制御するコントローラとして、トランスミッションコントローラ(ECU)、エアバックコントローラ(ECU)、パワステコントローラ(ECU)等が搭載され、これら各コントローラが車載LAN(LOCAL AREA NETWORK)によって連絡され、これにより、車両に搭載された複数の制御機器を制御する車両用制御システムを設けたものがある。
【0003】
即ち、図4に示す如く、車両用制御システム302には、例えば、複数の制御手段として、第1〜第3コントローラ(ECU1〜ECU3)304−1〜304−3を備え、また、これら第1〜第3コントローラ(ECU1〜ECU3)304−1〜304−3(ECU1〜ECU3)を車載LAN(LOCAL AREA NETWORK)306で連絡したものがある。
【0004】
第1コントローラ(ECU1)304−1は、車載LAN306に連絡した第1LAN連絡部(LAN I/F)308−1と、この第1LAN連絡部(LAN I/F)308−1に連絡した第1中央処理装置(CPU)310−1と、この第1中央処理装置(CPU)310−1に連絡した第1入出力回路312−1と、第1中央処理装置(CPU)310−1に連絡した第1記憶媒体314−1とから構成される。この第1記憶媒体314−1は、所定容量の第1診断データ保存可能領域部316−1を備えた第1メモリ318−1からなる。
【0005】
第2コントローラ(ECU2)304−2は、車載LAN306に連絡した第2LAN連絡部(LAN I/F)308−2と、この第2LAN連絡部(LAN I/F)308−2に連絡した第2中央処理装置(CPU)310−2と、この第2中央処理装置(CPU)310−2に連絡した第2入出力回路312−2と、第2中央処理装置(CPU)310−2に連絡した第2記憶媒体314−2とから構成される。この第2記憶媒体314−2は、前記第1診断データ保存可能領域部316−1よりも小さな容量の第2診断データ保存可能領域部316−2を備えた第2メモリ318−2からなる。
【0006】
第3コントローラ(ECU3)304−3は、第2コントローラ(ECU2)304−2と同様に構成され、車載LAN306に連絡した第3LAN連絡部(LAN I/F)308−3と、この第3LAN連絡部(LAN I/F)308−3に連絡した第3中央処理装置(CPU)310−3と、この第3中央処理装置(CPU)310−3に連絡した第3入出力回路312−3と、第3中央処理装置(CPU)310−3に連絡した第3記憶媒体314−3とから構成される。この第3記憶媒体314−3は、前記第1診断データ保存可能領域部316−1よりも小さな容量の第3診断データ保存可能領域部316−3を備えた第2メモリ318−3からなる。
【0007】
そして、例えば、第1コントローラ(ECU1)304−1の入力の1つに異常信号が検出され、故障と判定され、故障時点のデータを保存する方法には、以下の第1の保存方法(図5参照)と、第2の保存方法(図6(A)(B)参照)とがある。
【0008】
第1の保存方法は、図5に示す如く、各コントローラ(ECU)が起動すると(ステップ402)、第1コントローラ(ECU1)304−1の所定診断の実施条件が成立したか否かを判断する(ステップ404)。この第1コントローラ(ECU1)304−1の所定診断の実施条件成立の確認においては、診断に適したコンディション(運転状態、入出力状態、内部制御状態等)であるかの確認の他に、診断タイプ(コントローラ(ECU)の起動後、1度のみ実施するタイプ、連続して実施するタイプ、診断の結果によってその後の診断の流れを決定するタイプ等がある)に対するプログラムの制御を行う。
【0009】
前記ステップ404がNOの場合には、この判断を継続し、一方、前記ステップ404がYESの場合には、第1コントローラ(ECU1)304−1の所定診断を実施し(ステップ406)、そして、故障と判定されたか否かを判断する(ステップ408)。
【0010】
このステップ408がNOの場合には、前記ステップ404に戻り、一方、このステップ408がYESの場合には、診断関連データを第1コントローラ(ECU1)304−1の第1メモリ318−1に保存する(ステップ410)。この診断関連データとしては、故障内容を特定するためのコードやコンディション(運転状態、入出力状態、内部制御状態等)等が指定される。そして、このステップ410の後は、前記ステップ404に戻す。
【0011】
また、第2の保存方法は、図6(A)の一方のルーチンと図6(B)の他方のルーチンとが、同時に稼働するものである。
【0012】
図6(A)の一方のルーチンにおいては、各コントローラ(ECU)が起動すると(ステップ502)、一定時間毎、所定のメモリに診断データを保存するとともに、該メモリのオーバフロー時には、古いデータに上書きし(ステップ504)、このステップ504を継続する。
【0013】
図6(B)の他方のルーチンにおいては、各コントローラ(ECU)が起動すると(ステップ602)、第1コントローラ(ECU1)304−1の所定診断の実施をし(ステップ604)、そして、故障と判定されたか否かを判断し(ステップ606)、このステップ606がNOの場合に、前記ステップ604に戻り、一方、このステップ606がYESの場合には、図5の上記ルーチンでメモリに保存されている故障前の時系列診断データと故障後の診断データとを、第1コントローラ(ECU1)304−1の第1メモリ318−1に固定保存し(上記図6(A)の一方のルーチンにおけるメモリの更新を停止するか、データを別のメモリへコピーする)(ステップ608)、前記ステップ604に戻す。
【0014】
また、従来、車両用制御システムには、第1の制御装置と第2の制御装置とが、LAN用通信線に夫々接続され、互いが共有するデータのうち、LAN用通信線を介した通信よりも高いリアルタイム性が要求される特定のデータを、専用通信線を介して通信し、特定のデータ以外のデータを、LAN用通信線を介して通信し、自動車の動力を制御する一対の制御装置間の専用通信線による通信に異常が生じても自動車を走行可能とし、且つ、その専用通信線による通信で通信データ量を低減可能とするものがある(例えば、特許文献1)。
【0015】
【特許文献1】
特開2002−332910号(第3頁、図1)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来、車両用制御システムにあっては、故障診断データの保存先が、当該故障を判定したコントローラに保存していたので、故障診断データのために割り当てることが可能なメモリの容量が少ないコントローラでは、保存するデータが限られ、必要なデータの一部しか保存することができないという不具合が生じていた。一般に、エンジンコントローラ等は、故障診断データの保存を前提にしているため、大量のデータを保存することが可能であるが、エアバックコントローラやパワステコントローラ等の小規模なコントローラでは、メモリ容量が少ないために、十分なデータを保存することができないという不都合があった。
【0017】
つまり、コントローラが検出した故障データは、当該コントローラ内のメモリに保存しており、当該コントローラにおいて、故障を検出した場合に、保存可能なデータは、当該コントローラのメモリ容量に依存しており、また、コントローラの故障診断データに割り当てたメモリやそのコントローラ自体の致命的破壊が発生した場合に、故障診断のデータがどこにも残らなくなってしまうという不具合がある。
【0018】
また、故障診断データとしては、故障時点のデータのみを保存することにより、航空機で使用されるようなフライトレコーダの機能を実現し、故障の前後のデータを保存しておけば、故障原因の究明が迅速にできるが、これを実現するためには、より多くのメモリをコントローラに搭載する必要があり、その分コストが高くなってしまういう不都合があった。
【0019】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、マスター機能を有するメイン制御手段と、このメイン制御手段とネットワークによって接続されて前記メイン制御手段からの指令を受ける複数のサブ制御手段とにより、車両に搭載された複数の制御機器を制御する車両用制御システムにおいて、前記複数のサブ制御手段は、前記メイン制御手段の指令に基づいて設定されたタイミング時に、前記ネットワーク上に保存が必要なデータを出力し、前記メイン制御手段によって指定された前記複数のサブ制御手段中の少なくとも一つのサブ制御手段は、前記ネットワーク上に出力されている他のサブ制御手段の前記データを自己の記憶媒体に保存することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
この発明において、複数のサブ制御手段は、メイン制御手段の指令に基づいて設定されたタイミング時に、ネットワーク上に保存が必要なデータを出力し、メイン制御手段によって指定された複数のサブ制御手段中の少なくとも一つのサブ制御手段は、ネットワーク上に出力されている他のサブ制御手段の前記データを自己の記憶媒体に保存することから、各サブ制御手段が夫々有している記憶媒体の記憶容量以上にデータを蓄積することができ、小規模なサブ制御手段においても故障原因を解析可能な程度のデータを保存することができ、また、ネットワークに接続された複数のサブ制御手段中の一部に当たるサブ制御手段が通信不能になったり、データが壊れていても、診断データが保存されているので、システム全体の信頼性を向上することができる。
【0021】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。図1〜3は、この発明の実施例を示すものである。図3において、2は車両、4はボディ、6は前輪、8は後輪である。この車両2には、車両用制御システム10が設けられる。
【0022】
この車両用制御システム10においては、図2、3に示す如く、マスター機能を有するメイン制御手段であるメインコントローラ(マスタECU)12と、このメインコントローラ(マスタECU)12とネットワークである車載LAN(LOCAL AREA NETWORK)(ケーブル)(バス方式あるいはループ方式)14によって接続されてメインコントローラ(マスタECU)12からの指令を受ける複数のサブ制御手段として、第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4とにより、車両2に搭載された複数の制御機器(図示せず)を制御するものである。
【0023】
メインコントローラ(マスタECU)12は、例えば、制御機器としてのエンジンを制御するエンジンコントローラからなるものである。
【0024】
第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4は、例えば、制御機器としての自動変速機を制御するオートトランスミッションコントローラ、制御機器としてのエアバックを制御するエアバックコントローラ、制御機器としてのパワーステアリング装置を制御するパワステコントローラ、制御機器としてのアンチブレーキシステム(ABC)を制御するアンチブレーキシステム(ABC)コントローラ等からなるものである。
【0025】
これらメインコントローラ(マスタECU)12及び第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4は、従来のコントローラと同様に構成され、図示しないが、記憶媒体としてのメモリ等を備えている。
【0026】
車載LAN14は、CAN(CONTROLLER AREA NETWORK)等のネットワークのケーブル等からなるものである。
【0027】
また、車載LAN14には、コネクタ装置18の車両側コネクタ18Aが接続している。この車両側コネクタ18Aには、コネクタ装置18の外部装置側接続コネクタ18Bが結合・離脱可能に設けられている。この外部装置側接続コネクタ18Bには、車両2から離れた外部モニタ装置(テスタ)20に連結して双方向のデータ通信が可能な車外通信ライン(ケーブル)22が接続している。
【0028】
車両用制御システム10において、第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4は、メインコントローラ(マスタECU)12の指令に基づいて設定されたタイミング時に、車載LAN14上に保存が必要なデータ(フラグやID等)を出力し、このメインコントローラ(マスタECU)12によって指定された第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)は、ネットワーク14上に出力されている他のサブコントローラ(ECU)の前記データを自己の記憶媒体に保存する。
【0029】
また、車両用制御システム10において、メインコントローラ(マスタECU)12が前記データの保存先に指定する第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)は、自己の記憶媒体の容量に余裕がある場合にのみ、該記憶媒体に前記データを保存する。
【0030】
更に、車両用制御システム10において、第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4は、メインコントローラ12の指令に基づいて設定されたタイミング時に、車載LAN(LOCAL AREA NETWORK)14上に保存が必要なデータを出力し、このメインコントローラ(マスタECU)12によって指定された第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)は、ネットワーク14上に出力されている他のサブコントローラの前記データを自己の記憶媒体に保存し、第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中のいずれかのサブコントローラ(ECU)が故障したと判定されたときには、ネットワーク14上に故障情報を出力し、この出力された故障情報をメインコントローラ12によって指定された第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)の記憶媒体に保存し、前記データと前記故障情報とをメインコントローラ(マスタECU)12によって指定された第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)により恒久保存処理する。
【0031】
次に、この実施例の作用について説明する。
【0032】
例えば、第1サブコントローラ(ECU1)16−1の入力の1つに異常信号が検出され、故障と判定され、故障前後のデータを保存する場合には、各サブコントローラ(ECU)で、以下の図1(A)の第1のルーチンと図1(B)の第2のルーチンとが稼働し、そして、故障が発生し、デーラー等に持ち込まれた後に、外部モニタ装置(テスタ)20がサブコントローラ(ECU)から保存されたデータを引き出す。
【0033】
図1(A)の第1のルーチンにおいては、各サブコントローラ(ECU)が起動すると(ステップ102)、メインコントローラ(マスタECU)12の実施をし、一定時間毎に、次にデータを保存するサブコントローラ(ECU)に関するデータ(フラグやID等)を、車載LAN14に出力する(ステップ104)。つまり、このステップ104においては、メインコントローラ(マスタECU)12は、一定時間毎(例えば、10sec毎)に、車載LAN14上に次に流されるデータが、どのサブコントローラ(ECU)のものかを予め出力する。このデータの流される順番は、予め設定されているものである。
【0034】
そして、当該サブコントローラ(ECU)として他のサブコントローラ(ECU)に保存させたいデータを、車載LAN14に出力する(ステップ106)。つまり、このステップ106においては、例えば、第1サブコントローラ(ECU1)16−1が、出力可能な順番の時に保存させたい情報を、車載LAN14に出力する。
【0035】
その後、メインコントローラ(マスタECU)12からデータの保存先として指定されたサブコントローラ(ECU)のみを実施をし、車載LAN14上のデータを自己のメモリに保存し(ステップ108)、前記ステップ104に戻す。
【0036】
次に、図1(B)の第2のルーチンにおいては、各サブコントローラ(ECU)が起動すると(ステップ202)、このサブコントローラ(ECU)の所定診断の実施をし(ステップ204)、そして、故障と判定されたか否かを判断する(ステップ206)。このステップ206がNOの場合には、前記204ステップに戻す。
【0037】
このステップ206がYESの場合には、車載LAN14に故障が発生したことと、故障コードを出力し(ステップ208)、そして、図1(A)の第1のルーチンでメモリに保存されている故障前の時系列診断データと故障後の診断データとをサブコントローラ(ECU)のメモリに固定保存し(上記第1のルーチンにおけるメモリの更新を停止するか、データを別のメモリへコピーする)(ステップ210)、前記ステップ204に戻す。前記ステップ210においては、故障前の時系列データと、故障後の診断データとの保存先が、異なっている場合もある。
【0038】
よって、この車両用制御システム10では、保存対象とするデータを、常時、車載LAN14上に出力し、そして、所定のタイミングで、所定のサブコントローラが車載LAN14上のデータを一時保存し、故障の発生のトリガが車載LAN14上に出力されて時点で、一時保存されているデータを恒久保存し、外部モニタ装置(テスタ)20から要求が合った時点で、各サブコントローラのデータを外部モニタ装置(テスタ)20に返送する。
【0039】
この結果、車両用制御システム10において、第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4は、メインコントローラ(マスタECU)12の指令に基づいて設定されたタイミング時に、車載LAN14上に保存が必要なデータ(フラグやID等)を出力し、このメインコントローラ(マスタECU)12によって指定された第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)は、ネットワーク14上に出力されている他のサブコントローラ(ECU)の前記データを自己の記憶媒体に保存することから、各サブコントローラが夫々有している記憶媒体の記憶容量以上にデータを蓄積することができ、小規模のサブコントローラにおいても故障原因を解析可能な程度のデータを保存することができ、また、ネットワークである車載LAN14に接続された複数のサブコントローラ中の一部に当たるサブコントローラが通信不能になったり、データが壊れていても、診断データが保存されているので、システム全体の信頼性を向上することができる。また、自己の入力以外のデータの保存の可能となる(例えば、ボディコントローラモジュールで入力している車内温度は、エンジンコントローラでは制御に使用していないため、入力ができないが、故障時に、このデータを保存しておけば、メモリの書き込み故障等の外部環境によって故障が発生する場合に、この故障の診断に役立つものである)。
【0040】
また、車両用制御システム10において、メインコントローラ(マスタECU)12が前記データの保存先に指定する第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)は、自己の記憶媒体の容量に余裕がある場合にのみ、該記憶媒体に前記データを保存することから、記憶媒体の容量に余裕がある場合のみ、他のサブコントローラ(ECU)のデータを記憶させているので、容量不足により保存に失敗するおそれをなくすることができる。
【0041】
更に、車両用制御システム10において、第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4は、メインコントローラ(マスタECU)12の指令に基づいて設定されたタイミング時に、車載LAN14上に保存が必要なデータを出力し、このメインコントローラ(マスタECU)12によって指定された第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)は、車載LAN14上に出力されている他のサブコントローラの前記データを自己の記憶媒体に保存し、第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中のいずれかのサブコントローラ(ECU)が故障したと判定されたときには、車載LAN14上に故障情報を出力し、この出力された故障情報をメインコントローラ12によって指定された第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)の記憶媒体に保存し、前記データと前記故障情報とをメインコントローラ(マスタECU)12によって指定された第1〜4サブコントローラ(ECU1〜ECU4)16−1〜16−4中の少なくとも一つのサブコントローラ(ECU)により恒久保存処理することから、故障する前後のデータが消去されない恒久保存処理されるので、デーラー等で車両の点検整備、故障処理において、最適な処理を実施することができる。
【0042】
なお、この発明は、上述の実施例に限定されず、種々応用改変が可能であることは勿論である。
【0043】
例えば、サブコントローラからの各データには、故障の傾向のあるデータやサブコントローラの個体差によるデータ等によって重要度を付け、そして、重要度の高いデータを、他の2つのサブコントローラの各記憶媒体に夫々記憶させ、重要なデータを確実に記憶させることも可能である。また、一のサブコントローラからの一のデータを他の2つのサブコントローラの各記憶媒体に夫々記憶させ、その後のサブコントローラからのデータとを比較し、これらデータの重要度を比較し、重要度の低い一方のデータを消去してメモリ容量を確保させるとともに、重要度の高いデータのみを確保することも可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれば、複数のサブ制御手段は、メイン制御手段の指令に基づいて設定されたタイミング時に、ネットワーク上に保存が必要なデータを出力し、メイン制御手段によって指定された複数のサブ制御手段中の少なくとも一つのサブ制御手段は、ネットワーク上に出力されている他のサブ制御手段の前記データを自己の記憶媒体に保存することにより、各サブ制御手段が夫々有している記憶媒体の記憶容量以上にデータを蓄積することができ、小規模なサブ制御手段においても故障原因を解析可能な程度のデータを保存することができ、また、ネットワークに接続された複数のサブ制御手段中の一部に当たるサブ制御手段が通信不能になったり、データが壊れていても、診断データが保存されているので、システム全体の信頼性を向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、車両用制御の第1のルーチンのフローチャートである。
(B)は、車両用制御の第2のルーチンのフローチャートである。
【図2】車両用制御システムの構成図である。
【図3】車両用制御システムを備えた車両の側面図である。
【図4】従来において車両用制御システムの構成図である。
【図5】従来において車両用制御の第1の方法によるフローチャートである。
【図6】(A)は、従来において車両用制御の第2の方法の一方のルーチンのフローチャートである。
(B)は、従来において車両用制御の第2の方法の他方のルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
2 車両
10 車両用制御システム
12 メインコントローラ(メイン制御手段)
14 車載LAN(ネットワーク)
16 サブコントローラ(サブ制御手段)
20 外部モニタ装置
Claims (3)
- マスター機能を有するメイン制御手段と、このメイン制御手段とネットワークによって接続されて前記メイン制御手段からの指令を受ける複数のサブ制御手段とにより、車両に搭載された複数の制御機器を制御する車両用制御システムにおいて、前記複数のサブ制御手段は、前記メイン制御手段の指令に基づいて設定されたタイミング時に、前記ネットワーク上に保存が必要なデータを出力し、前記メイン制御手段によって指定された前記複数のサブ制御手段中の少なくとも一つのサブ制御手段は、前記ネットワーク上に出力されている他のサブ制御手段の前記データを自己の記憶媒体に保存することを特徴とする車両用制御システム。
- 前記メイン制御手段が前記データの保存先に指定する前記複数のサブ制御手段中の少なくとも一つのサブ制御手段は、自己の記憶媒体の容量に余裕がある場合にのみ該記憶媒体に前記データを保存することを特徴とする請求項1に記載の車両用制御システム。
- マスター機能を有するメイン制御手段と、このメイン制御手段とネットワークによって接続されて前記メイン制御手段からの指令を受ける複数のサブ制御手段とにより、車両に搭載された複数の制御機器を制御する車両用制御システムにおいて、前記複数のサブ制御手段は、前記メイン制御手段の指令に基づいて設定されたタイミング時に、前記ネットワーク上に保存が必要なデータを出力し、前記メイン制御手段によって指定された前記複数のサブ制御手段中の少なくとも一つのサブ制御手段は、前記ネットワーク上に出力されている他のサブ制御手段の前記データを自己の記憶媒体に保存し、前記複数のサブ制御手段中のいずれかのサブ制御手段が故障したと判定されたときには、前記ネットワーク上に故障情報を出力し、この出力された故障情報を前記メイン制御手段によって指定された前記複数のサブ制御手段中の少なくとも一つのサブ制御手段の記憶媒体に保存し、前記データと前記故障情報とを前記メイン制御手段によって指定された前記複数のサブ制御手段中の少なくとも一つのサブ制御手段により恒久保存処理することを特徴とする車両用制御システム。
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