JP2004306295A - 成形用金型 - Google Patents

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Yoshitaka Mori
喜敬 森
Kazutaka Kato
一隆 加藤
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Abstract

【課題】合成樹脂材料の射出圧力によるキャビティを形成する金型の移動を防止することができるとともに成形品形状の自由度を得ることができる成形用金型を提供する。
【解決手段】成形品は端部にアンダーカット部を有している。成形用金型14は、第1金型14a、第2金型14b、第2金型14bの側面に当接されたバックコア18、バックコア18に当接された傾斜コア23及び傾斜コア23に当接されたスライドコア25を備えている。そして、第2金型14b、バックコア18、傾斜コア23及びスライドコア25を第1金型14aに対して型締めすることによりキャビティ29を形成する。射出成形後にバックコア18が後退して第2金型14bと傾斜コア23との間に空間を形成し、この空間に傾斜コア23及びスライドコア25が後退して型開きすることにより、アンダーカット部が第1金型14aから離型するように構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂からなるバンパ等の成形品を射出成形法によって得るための成形用金型に関するものである。より詳しくは、合成樹脂材料の射出圧力によるキャビティを形成する金型の移動を防止することができるとともに成形品形状の自由度を得ることができる成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に外装されるバンパ等の成形品は合成樹脂材料の射出成形により平断面U字状に形成され、正面部と端部との間には円弧部が形成されるとともに両端部にはアンダーカット部を介して折曲部が形成されている。
【0003】
射出成形に用いられる成形用金型は、成形品の正面部、円弧部、両端部及び折曲部の一部を囲う固定型と、成形品の正面部を囲う可動型と、成形品の円弧部、両端部及び折曲部を囲うコア型とを備え、固定型、可動型及びコア型を型締めすることにより成形品を成形するためのキャビティを形成するようになっている。
【0004】
コア型は、可動型に臨む背面にテーパ面が形成され、テーパ面の始点が円弧部の円中心に設定されるとともに成形品の正面部から離れる方向に広がるようにく字断面に形成されている。コア型には、く字断面の頂点を揺動中心としてコア型を揺動させる揺動手段としてのねじ送り機構が取付けられている(例えば特許文献1参照。)。
【0005】
そして、合成樹脂材料を射出するときにはコア型のテーパ面を可動型から離間させ、合成樹脂材料が固化した後にねじ送り機構によってコア型のテーパ面を可動型に接近させることにより、成形品のアンダーカット部を固定型から外して固定型及び可動型を容易に離型することができるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−287248号公報(第2〜4頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の成形用金型においては、合成樹脂材料を射出するときには、コア型はそのテーパ面が可動型から離間した状態でねじ送り機構によって支持されている。このため、ねじ送り機構によるコア型の支持は合成樹脂材料の高い射出圧力に抗することができず、合成樹脂材料の射出によってコア型が揺動して後退してしまいキャビティが広がる場合があるという問題があった。
【0008】
さらに、成形品のアンダーカット部を固定型から外すために、コア型を揺動させてそのテーパ面を可動型に接近させる必要がある。よって、揺動するコア型の成形品への押圧を防止してコア型を容易に揺動させるためには、コア型の先端面を断面円形状にするとともに成形品の正面部と端部との間に円弧部を形成する必要があり、成形品形状の自由度が得られないという問題があった。
【0009】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、合成樹脂材料の射出圧力によるキャビティを形成する金型の移動を防止することができるとともに成形品形状の自由度を得ることができる成形用金型を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の成形用金型は、合成樹脂材料からなるとともに端部にアンダーカット部を有する成形品を射出成形するための成形用金型であって、成形品の外面及びアンダーカット部の外面を成形する第1金型と、成形品の内面中央部を成形する第2金型と、第2金型の側方に設けられ、成形品の内面端部及びアンダーカット部の内面を成形する端部内面成形用コアと、第2金型と端部内面成形用コアとの間に設けられ、後退することにより端部内面成形用コアが後退できる空間を形成可能に構成されているバックコアとを備え、第2金型、端部内面成形用コア及びバックコアを第1金型に対して型締めすることにより成形品を成形するためのキャビティを形成し、射出成形後にバックコアの後退によって形成された前記空間に端部内面成形用コアが後退して型開きすることによりアンダーカット部が離型するように構成されているものである。
【0011】
請求項2に記載の発明の成形用金型は、請求項1に記載の発明において、前記成形品の端部にはアンダーカット部を介して折曲部が形成され、端部内面成形用コアの側方に設けられるとともに折曲部の外面を成形するスライドコアを備え、端部内面成形用コアは成形品の内面端部並びにアンダーカット部及び折曲部の内面を成形するように構成されるとともにキャビティは第2金型、端部内面成形用コア、バックコア及びスライドコアを第1金型に対して型締めすることにより形成され、射出成形後にバックコアの後退によって形成された前記空間にスライドコアが端部内面成形用コアとともに後退して型開きすることによりアンダーカット部が離型するように構成されているものである。
【0012】
請求項3に記載の発明の成形用金型は、請求項2に記載の発明において、前記端部内面成形用コア及びスライドコアは折曲部を挟持した状態で後退し、この後退に伴い成形品が端部内面成形用コアの外面から離型するように構成されているものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の説明においては、図8における成形品11を基準にし、成形品11よりも上側を前側と称するととともに下側を後側と称する。また、左右は図1における左右を基準にする。
【0014】
図8に示すように、車両に外装されるバンパ等の成形品11は、ポリプロピレン等の合成樹脂材料により、平断面U字状に形成されている。成形品11の両端部には、折曲部12が内方へほぼ90度折曲するようにアンダーカット部13を介して延出されている。この成形品11は合成樹脂材料の射出成形により成形され、折曲部12の外面にはその基端部よりも内方に型合せ面(PL)に基づくラインが形成されている。
【0015】
成形用金型14は左右対称をなし、図1〜図7においては成形用金型14の右側部を示すとともに以下の説明においては成形用金型14の右側部について説明する。図1に示すように、成形品を射出成形するための成形用金型14を構成する第1金型14a及び第2金型14bは、前後方向に型締め及び型開きされるようにそれぞれ構成されている。
【0016】
図1及び図4に示すように、第1金型14aの成形面は成形品11の前面及びアンダーカット部13の外面を連続して成形する第1成形面15であり、右側部には断面台形状の固定用凹部16が凹設されている。一方、第2金型14bは、前端面が成形品11の内面中央部の一部、即ち背面中央部の一部を成形する第2成形面17として構成され、右側面にはバックコア18が当接されている。
【0017】
バックコア18は、右側面が前端部から後端部に向かうに従い右方へ傾斜する略三角柱状に形成され、左側面の中央部に形成された段部19で第2金型14bと係合している。バックコア18の前端面は、成形品11の背面中央部の残り部分を成形する第3成形面20として構成されている。バックコア18の後端部には支持ロッド21の前端部が固定され、支持ロッド21の後端部には図示しない油圧シリンダ等が接続されている。そして、支持ロッド21を介してバックコア18を前進又は後退させるように構成されている。
【0018】
バックコア18の後方には、略四角柱状のストッパ22が左右方向に移動可能に配設されている。バックコア18の後端面は左側部から右側部に向かうに従い後方へ傾斜する傾斜状に形成され、ストッパ22の前端面右側部はバックコア18の後端面に対向する傾斜状に形成されている。そして、バックコア18を前進させた状態でストッパ22を右方へ移動させ、その前端面右側部とバックコア18の後端面とを係合させることにより、バックコア18の後退を規制するように構成されている。
【0019】
バックコア18の右側面には端部内面成形用コアとしての傾斜コア23が当接され、傾斜コア23は図示しない押出し板によって前進又は後退するように構成されている。傾斜コア23は、その左側面がバックコア18の右側面に対向する傾斜状に形成され、前端面と右側面の前端部及び中央部は成形品11の背面端部並びにアンダーカット部13及び折曲部12の内面を成形する第4成形面24として構成されている。傾斜コア23の右側面後部はアンダーカット部13及び折曲部12に沿って逆L字状に切欠かれて左側面と平行をなす傾斜状に形成され、その切欠かれた部分には略四角柱状のスライドコア25が当接されている。
【0020】
スライドコア25は第1金型14aの後方にも位置し、左側面が傾斜コア23の右側面後部に対向する傾斜状をなし、前端面左側部には折曲部12の外面を成形する第5成形面26が形成されている。第5成形面26には、図示しない固定突起が突設されている。スライドコア25には、第1金型14aの固定用凹部16に対向する箇所に略円孔状の固定用挿通孔27が前後方向に貫通形成され、略円柱状の固定ピン28が挿通されている。
【0021】
成形用金型14は第1金型14a、第2金型14b、バックコア18、傾斜コア23及びスライドコア25により構成され、第2金型14b、バックコア18、傾斜コア23及びスライドコア25を第1金型14aに対して型締めすることにより成形品11を成形するためのキャビティ29を形成するようになっている。このため、各金型14a、14b並びにバックコア18、傾斜コア23及びスライドコア25は、キャビティ29を形成する金型として構成されている。
【0022】
ここで、バックコア18と傾斜コア23との型合せ面は前端部から後端部に向かうに従い第2金型14bから離間する傾斜状をなし、傾斜コア23とスライドコア25との型合せ面はバックコア18と傾斜コア23との型合せ面と平行をなしている。さらに、第1金型14aとスライドコア25との型合せ面は、折曲部12の外面の右端部よりも左方に位置している。
【0023】
図1、図5(a)及び(b)に示すように、バックコア18の底面右側部と傾斜コア23の底面左側部との間には第1スライドキー30が配設されるとともに、傾斜コア23の底面右側部とスライドコア25の底面左側部との間には連結キー31が配設されている。第1スライドキー30は断面横コ字状をなすとともにバックコア18及び傾斜コア23の型合せ面と平行をなすように形成され、連結キー31は断面横コ字状をなすとともに内側面が傾斜コア23及びスライドコア25の型合せ面と平行なすように形成されている。
【0024】
そして、バックコア18、傾斜コア23及びスライドコア25を互いに型合せした状態で、バックコア18の底面右側部に突設された四角柱状の第1スライド突条32及び傾斜コア23の底面左側部に突設された四角柱状の第2スライド突条33を第1スライドキー30に嵌合させる。さらに、傾斜コア23の底面右側部に突設された四角柱状の第1連結突条34及びスライドコア25の底面左側部に突設された四角柱状の第2連結突条35を連結キー31に嵌合させることにより、バックコア18、傾斜コア23及びスライドコア25は第1スライドキー30及び連結キー31を介して連結されている。
【0025】
第1スライドキー30は傾斜コア23に固定されることにより第2スライド突条33と一体に構成され、連結キー31はスライドコア25に固定されることにより第2連結突条35と一体に構成されている。さらに、第2金型14b及びバックコア18は、第2金型14bとバックコア18との間に設けられた図示しない第2スライドキーにより連結されている。金型14a、14b間には、キャビティ29に成形品11を成形する合成樹脂材料を射出するための図示しないゲートが設けられている。
【0026】
さて、成形用金型14を用いて成形品11を射出成形するときには、図1に示すように、まず第2金型14b、バックコア18、傾斜コア23及びスライドコア25を第1金型14aに対して型締めし、キャビティ29を形成する。このとき、固定ピン28を前進させてスライドコア25の固定用挿通孔27に挿通した後、前端部を第1金型14aの固定用凹部16に挿入する。さらに、ストッパ22を右方へ移動させ、その前端面右側部とバックコア18の後端面とを係合させる。
【0027】
次いで、図2に示すように、成形品11を成形する合成樹脂材料を加熱溶融した状態で図示しないゲートを通じてキャビティ29に射出する。ここで、第2金型14b、バックコア18、傾斜コア23及びスライドコア25は、互いに型合せされるとともに第1スライドキー30、連結キー31及び第2スライドキーを介して連結されている。さらに、固定ピン28がスライドコア25の固定用挿通孔27に挿通されて前端部が固定用凹部16に挿入されるとともに、ストッパ22の前端面右側部とバックコア18の後端面とが係合している。
【0028】
このため、バックコア18はストッパ22によって後退が規制され、スライドコア25は固定ピン28によって揺動が規制されている。一方、傾斜コア23は、バックコア18とスライドコア25との型合せ及び連結によって揺動が規制されている。よって、キャビティ29を形成する金型を強固に固定して合成樹脂材料の射出圧力による移動を防止し、キャビティ29の形状変化を防止することができる。
【0029】
続いて、各金型14a、14bの型開きの際のアンダーカット部13の干渉を防止するために、各金型14a、14bを型開きする前に折曲部12を左方へ移動させ、アンダーカット部13と第1金型14aとの間に間隙を形成する。
【0030】
具体的には、射出成形後に、図3のA矢視線で示すように固定ピン28を後退させて固定用凹部16及び固定用挿通孔27から抜出す。次いで、型締め圧を下げた後にB矢視線で示すようにストッパ22を左方へ移動させ、その前端面右側部とバックコア18の後端面との係合を解除してバックコア18から離間させる。続いて、C矢視線で示すようにバックコア18を例えば30mm後退させる。このとき、図3に示すように、バックコア18の第3成形面20は成形品11の背面から離間し、第2金型14bと傾斜コア23との間には空間が形成される。さらに、第1スライド突条32はバックコア18の後退に伴い第1スライドキー30の内面に摺接しながら後方へ移動する。
【0031】
ここで、第1スライドキー30はバックコア18及び傾斜コア23の型合せ面と平行をなしているために、バックコア18の後退に伴い第1スライド突条32に押圧されて左方へ移動する。よって、第1スライドキー30が取付けられている傾斜コア23は、D矢視線で示すように連結キー31を介して連結しているスライドコア25とともに第2金型14bと傾斜コア23との間の空間に後退、即ち左方へ例えば5mm後退する。
【0032】
このとき、傾斜コア23の第4成形面24は成形品11の背面から離間する。さらに、折曲部12は傾斜コア23及びスライドコア25に挟持され、傾斜コア23及びスライドコア25の左方への後退に伴い左方へ移動する。このため、図3及び図4に示すように、アンダーカット部13は第1金型14aから離型し、アンダーカット部13と第1金型14aとの間には間隙が形成される。ここで、第5成形面26に形成された固定突起と、折曲部12において射出成形により固定突起に対応する箇所に形成された図示しない成形品11の凹部とが係合することにより、折曲部12を、傾斜コア23及びスライドコア25から外れることなく確実に左方へ移動させることができる。
【0033】
次いで、図6のE矢視線で示すように、第1金型14aを例えば1m後退させて各金型14a、14bを型開きする。このとき、アンダーカット部13と第1金型14aとの間には間隙が形成されているために、アンダーカット部13の外面は第1金型14aに接触せず、各金型14a、14bの型開きの際のアンダーカット部13の干渉を防止することができる。
【0034】
続いて、図7のF矢視線で示すように、押出し板により傾斜コア23をバックコア18との型合せ面に沿って前進させる。このときの前進距離は、例えば前方へ200mm、左方へ20mmである。そして、傾斜コア23は、その前端縁が成形品11の背面に当接した後に前進に伴い成形品11を前方へ押圧する。このため、成形品11は前方へ移動し、折曲部12と傾斜コア23との間には、傾斜コア23の前進及び成形品11の前方への移動に伴い間隙が形成される。
【0035】
次いで、ロボットアーム等によって成形品11を把持して成形用金型14から離型する。ここで、折曲部12と傾斜コア23との間には間隙が形成されているために、折曲部12が傾斜コア23に接触することなく成形品11を成形用金型14から容易に離型することができる。
【0036】
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 本実施形態の成形用金型14は、成形品11の外面及びアンダーカット部13の外面を成形する第1金型14aと、第1金型14aの後方に位置する第2金型14bとから主に構成されている。第2金型14bの側方にはバックコア18及び傾斜コア23が順番に当接され、各金型14a、14b並びにバックコア18及び傾斜コア23はキャビティ29を形成する金型を構成している。そして、射出成形後にバックコア18の後退によって形成された空間に傾斜コア23が後退するように構成されている。
【0037】
このため、成形品11を成形する合成樹脂材料をキャビティ29に射出するときには、キャビティ29を形成する金型はそれぞれ強固に固定され、合成樹脂材料の高い射出圧力による移動を防止してキャビティ29の形状変化を防止することができる。さらに、傾斜コア23は、前進に伴い第2金型14bに向かって移動し、第4成形面24において前端縁以外の箇所と成形品11の背面との間に間隙が形成される。よって、従来の成形用金型のように成形品11の背面に接触した状態で傾斜コア23を揺動させないために、成形品11の背面の形状を限定する必要がない。このため、成形品形状の自由度を得ることができる。
【0038】
・ 成形品11の端部にはアンダーカット部13を介して折曲部12が形成され、傾斜コア23の切欠かれた部分にはスライドコア25が当接されている。キャビティ29は第2金型14b、バックコア18、傾斜コア23及びスライドコア25を第1金型14aに対して型締めすることにより形成され、スライドコア25は傾斜コア23とともに後退するように構成されている。このため、成形品11の端部に折曲部12が形成されているときにも各金型14a、14bの型開きの際の折曲部12の干渉を防止し、容易に型開きすることができる。
【0039】
・ 傾斜コア23及びスライドコア25は、折曲部12を挟持した状態で後退(内側へ引込む)し、この後退によりアンダーカット部13は第1金型14aから離型するように構成されている。さらに、傾斜コア23及びスライドコア25の後退に伴い傾斜コア23の第4成形面24は成形品11の背面から離間するように構成されている。このため、傾斜コア23及びスライドコア25の後退に伴いアンダーカット部13が第1金型14aから離型することにより、各金型14a、14bの型開きの際のアンダーカット13部の干渉をより確実に防止してより容易に型開きすることができる。さらに、傾斜コア23が成形品11の背面から離間することにより、傾斜コア23と成形品11の背面との摺接によって成形品11の背面に傷が発生するのを防止することができる。
【0040】
・ バックコア18及び傾斜コア23は第1スライドキー30を介して連結され、傾斜コア23及びスライドコア25は連結キー31を介して連結されている。このため、第1スライドキー30及び連結キー31は連結部材としてそれぞれ作用し、バックコア18の後退に伴い傾斜コア23及びスライドコア25を容易に後退させることができる。
【0041】
・ バックコア18の後方にはストッパ22が配設され、各金型14a、14bを型締めするときにはストッパ22の前面右側部とバックコア18の後端面とが係合してバックコア18の後退を規制している。このため、ストッパ22はバックコア18の固定部材として作用し、合成樹脂材料の高い射出圧力によりバックコア18が後退してキャビティ29が形状変化するのをより確実に防止することができる。
【0042】
・ 第1金型14aとスライドコア25との型合せ面は、折曲部12の外面の右端部よりも左方に位置している。このため、成形品11を車両に外装するときには、成形品11においてPL面に対応する箇所に形成されるラインの外方からの視認を困難にすることができる。よって、車両に外装された成形品11の意匠性を向上させることができる。
【0043】
尚、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記成形品11を車両に外装されるフェンダー等に変更してもよい。
・ 前記折曲部12を省略し、傾斜コア23が後退するときには成形品11と傾斜コア23との間を真空に吸引する等によってアンダーカット部13が傾斜コア23に密着するように構成してもよい。このように構成した場合は、成形用金型14のスライドコア25を省略することができる。
【0044】
・ 前記固定ピン28を省略してもよい。
・ 第5成形面26に形成された固定突起を固定凹部に変更してもよい。
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
【0045】
(1)前記バックコアと端部内面成形用コアとの型合せ面は、型開き方向に対してアンダーカット部に向かうに従いアンダーカット部に接近する傾斜状に形成され、バックコア及び端部内面成形用コアは連結部材により連結されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の成形用金型。この構成によれば、端部内面成形用コアを容易に後退させることができる。
【0046】
(2)前記端部内面成形用コアとスライドコアとの型合せ面は、型開き方向に対してアンダーカット部に向かうに従いアンダーカット部に接近する傾斜状に形成され、端部内面成形用コア及びスライドコアは連結部材により連結されている請求項2又は請求項3に記載の成形用金型。この構成によれば、スライドコアを端部内面成形用コアとともに容易に後退させることができる。
【0047】
(3)合成樹脂材料からなるとともに端部にアンダーカット部を有する成形品の製造方法であって、請求項1から請求項3、上記(1)及び上記(2)のいずれか一項に記載の成形用金型を用い、射出成形後にバックコアを後退させ、バックコアの後退によって形成された空間に端部内面成形用コアを後退させて型開きすることによりアンダーカット部が離型することを特徴とする成形品の製造方法。この構成によれば、射出成形後にバックコア及び端部内面成形用コアを後退させるという簡単な操作で、合成樹脂材料の射出圧力によるキャビティを形成する金型の移動を防止することができるとともに成形品形状の自由度を得ることができる。
【0048】
(4)上記(3)の成形品の製造方法により製造されることを特徴とする成形品。この構成によれば、成形品形状の自由度を容易に得ることができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の成形用金型によれば、合成樹脂材料の射出圧力によるキャビティを形成する金型の移動を防止することができるとともに成形品形状の自由度を得ることができる。
【0050】
請求項2に記載の発明の成形用金型によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、容易に型開きすることができる。
請求項3に記載の発明の成形用金型によれば、請求項2に記載の発明の効果に加え、より容易に型開きすることができるとともに、成形品に傷が発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の成形用金型の右側部を示す要部断面図。
【図2】成形品を成形する合成樹脂材料をキャビティに射出した状態を示す要部断面図。
【図3】バックコアを後退させた状態を示す要部断面図。
【図4】折曲部が左方へ移動した状態を示す要部断面図。
【図5】(a)は第1スライドキーを示す要部断面図、(b)は連結キーを示す要部断面図。
【図6】第1金型及び第2金型を型開きした状態を示す要部断面図。
【図7】傾斜コアを前進させた状態を示す要部断面図。
【図8】成形品を示す要部断面図。
【符号の説明】
11…成形品、12…折曲部、13…アンダーカット部、14…成形用金型、14a…第1金型、14b…第2金型、18…バックコア、23…端部内面成形用コアとしての傾斜コア、25…スライドコア、29…キャビティ。

Claims (3)

  1. 合成樹脂材料からなるとともに端部にアンダーカット部を有する成形品を射出成形するための成形用金型であって、成形品の外面及びアンダーカット部の外面を成形する第1金型と、成形品の内面中央部を成形する第2金型と、第2金型の側方に設けられ、成形品の内面端部及びアンダーカット部の内面を成形する端部内面成形用コアと、第2金型と端部内面成形用コアとの間に設けられ、後退することにより端部内面成形用コアが後退できる空間を形成可能に構成されているバックコアとを備え、第2金型、端部内面成形用コア及びバックコアを第1金型に対して型締めすることにより成形品を成形するためのキャビティを形成し、射出成形後にバックコアの後退によって形成された前記空間に端部内面成形用コアが後退して型開きすることによりアンダーカット部が離型するように構成されていることを特徴とする成形用金型。
  2. 前記成形品の端部にはアンダーカット部を介して折曲部が形成され、端部内面成形用コアの側方に設けられるとともに折曲部の外面を成形するスライドコアを備え、端部内面成形用コアは成形品の内面端部並びにアンダーカット部及び折曲部の内面を成形するように構成されるとともにキャビティは第2金型、端部内面成形用コア、バックコア及びスライドコアを第1金型に対して型締めすることにより形成され、射出成形後にバックコアの後退によって形成された前記空間にスライドコアが端部内面成形用コアとともに後退して型開きすることによりアンダーカット部が離型するように構成されている請求項1に記載の成形用金型。
  3. 前記端部内面成形用コア及びスライドコアは折曲部を挟持した状態で後退し、この後退に伴い成形品が端部内面成形用コアの外面から離型するように構成されている請求項2に記載の成形用金型。
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