JP2004308607A - エンジン弁とその製造方法 - Google Patents

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Isao Shirayanagi
伊佐雄 白柳
Yosuke Shirayanagi
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    • F01L2303/00Manufacturing of components used in valve arrangements

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Abstract

【課題】近年の弁傘の直径に比して小径の弁杆を用いるエンジン弁において、弁傘と弁杆との結合が確実で製造の簡単なエンジン弁及びその製造方法を提供する。
【解決手段】エンジン弁10を、外周に弁面21を有する弁傘20の中央部に軸線と同軸に配された筒状のボス24を設け、そのボスに設けたボス孔へ周方向の多数の周溝32を設けた弁杆30の一端を嵌合させ、ボスの外面を求芯方向へ変形させてボス孔の内面を周溝の溝内へ膨出させて結合する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は車両用の小型4行程エンジンの量産用として好適なエンジン弁とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両用エンジンのエンジン弁はポペット弁が使用されており、その鍛造には図6(a)で示す冷間据え込み鍛造法、同図(b)で示す熱間押出し成形法、あるいは、同図(c)で示す熱間据え込み鍛造法などが用いられる。そこでは、ロッド状の鋼材イを素材として、その一端を冷間で、あるいは高周波コイルによって赤熱させた状態で長さ方向を詰め外径を膨大させ、他端を弁杆素材チとして残し、膨大頭部ハを一体に設けた半成品を作る工程と、前記膨大頭部ハを冷間で、あるいは高周波コイルニによって赤熱して鍛造し、弁傘ホを形成する工程が含まれている。なお、図中、ヘは鋼材イをクランプするための支持型、トは鋼材イの端部を押圧する据え込み型である。
【0003】
他方、近年のエンジン高速化に伴って、弁杆の径に比して弁傘の径が鍛造可能な範囲を越えて大径のエンジン弁が、設計上の理由で要求されている。そこで、最近はエンジン弁を弁傘と弁杆とに分け、鍛造された弁傘の部分に弁杆を摩擦溶接したり、弁杆の一端に弁傘素材となる材料を焼結したり、あるいは、弁傘を鍛造するべき素材に弁杆を結合するための連結孔を加工し、弁杆となる素材を圧入して合体させ、その後、加熱し金型の中で両者を同時に変形させて成形する鍛造法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−194404号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのような弁傘素材と弁杆素材とを結合した後、弁傘素材を鍛造して成形する従来の鍛造法では、成形を要する大部分が弁傘であるにもかかわらず、弁傘と弁杆とを同時に加熱していたので加熱に大電力を要するばかりか、既に引抜き工程を経て成形され、鍛造加工を要しない弁杆を無用に加熱するため、弁杆が弁傘と結合されたとき最大応力を受ける連結部の強度を不安定にする不具合があった。
【0006】
また、軽量化された近時のエンジン弁では弁傘部分にチタン合金その他軽量な材質が使用されたり、弁傘部分が焼結材であったりして、同時に加熱し同時に成形する従来の工法では、弁傘素材と弁杆素材とを密着させることが容易でなく、エンジン弁の強度を低下させないための特殊な加工法を必要とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、物の発明によれば、外周に弁面を有する弁傘の中央部に軸線と同軸に配された筒状のボスを設け、そのボスに設けたボス孔へ周方向の多数の周溝を設けた弁杆の一端を嵌合させ、前記ボスの外面を求芯方向へ変形させてボス孔の内面を周溝の溝内へ膨出させて結合することによって解決される。また、製法の発明によれば、弁杆素材の嵌合されるボス孔を設けた弁傘素材と、その弁傘素材のボス孔に嵌合される嵌合部に多数の周溝を設けた弁杆素材とを用意し、弁杆素材を弁傘素材のボス孔に圧入固定した後、弁傘素材の表面を誘導加熱し、その外面を軸方向に開閉する金型によって挟圧して弁傘を成形することによって解決される。
【0008】
【作用】
弁傘と弁杆との結合は、弁傘に設けられたボスの外周を挟圧することによってボスに設けたボス孔の内径を縮小させ、それによって、ボス孔へ嵌合させた弁杆の周溝の中へ弁傘をなすボスの肉が入り込み、弁杆が軸方向へ移動するのが阻止されて抜け止め作用が強化される。また、弁傘の成形工程において弁傘素材たるオニオンを加熱する際、弁杆の外周に設けた周溝がボス孔との間に環状空間を形成しているので、加熱されたオニオンから弁杆への伝熱を遮断する。
【0009】
【発明の実施の態様】
以下、本願発明の実施の一形態を説明する。図1中、10はこの発明に係るエンジン弁である。エンジン弁10は外周に円錐状の弁面21を有する弁傘20と、その弁傘20の中央部へ連結され、そこから一側へ伸びる弁杆30からなっている。31は弁杆30の遊端に設けた周知のコッタ溝である。
【0010】
前記弁傘20は円板形の弁板23からなり、その一側には周縁部に前記弁面21を設けたやや厚肉の弁リング22と、中央部に筒状のボス24が設けられている。24aはボス24の内面に形成されたボス孔であり、そこには弁杆30が嵌合される。前記弁リング22とボス24の間は前記弁板23から突出した数個のリブ25によって連結されて補強されるとともに、各リブ25、25の間は平面図中で扇形をした数個の肉抜き26によって軽量化が図られている例で示した。弁傘20は薄肉に設ける従来型に勿論適用可能である。
【0011】
弁杆30は引き抜き加工された棒状の鋼材からなり、前記コッタ溝31と反対側の端部外周に、多数の細い溝からなる周溝32が設けられている。周溝32は弁杆30の外径を呼び径とするねじとして構成し、ねじ用の市販の転造ロールを用いて廉価に加工されるが、他の加工法を用いたり、同程度の形状と大きさをもつ三角形の山あるいは台形の山によって作られた円周溝の多数で構成されることもある。
【0012】
このように作られた弁傘20と弁杆30とは、弁傘20に設けたボス孔24aへ弁杆30の周溝32の山の部分で圧入したうえ、ボス24の外周を圧搾してボス孔24aの内径を縮め、周溝32の谷の中まで膨出させ挟圧して結合してある。よって、弁杆30がボス孔24aによって緊密かつ強固に結着される上、周溝32とその周溝32の中を満たしたボス孔24a側の肉によって抜け止めされるので、両者の間に高い結合強度が得られる。
【0013】
つぎに、上記エンジン弁10の製造方法を説明する。まず、弁傘20を製造するため図2で示す弁傘素材28と、弁杆30を製造するための弁杆素材35がそれぞれ準備される。弁傘素材28は頂部をなす比較的大径の部分と、その下部に設けられた端面が小径に削られた部分を有し、それらの間が円弧状の凹面34となっている。24aは前記小径に削られた端面の中心部に設けられた前記ボス孔である。また、弁杆素材35は一端に前記ボス孔24aへ嵌合される嵌合部36を有する。嵌合部36の外面には断面が三角形の多数の周溝37、37が形成されている。
【0014】
弁傘素材28と弁杆素材35は第1工程で軽く圧入して、図3で示すように仮結合され、いわゆるオニオン33が形成される。この状態ではボス孔24aの内面に、嵌合部36に設けられた周溝37の頂部が圧縮状態で当接し、周溝37の谷の部分が断面三角形の環状空間38として残される。
【0015】
この仮結合されたオニオン33は図4で示す次工程において、高周波加熱装置の加熱コイル41の中に保持し通電することにより、弁傘素材28が誘導加熱される。なお、弁傘素材28は高周波加熱特有の表皮効果によって表面が強く加熱される。このとき加熱された弁傘素材28の熱はボス24から弁杆素材35へ伝えられるが、両者は互いに接触している周溝37の頂部のみで伝熱が行われ、前記断面三角形の環状空間38の部分には直接の伝熱がないので、弁杆素材35は通電中も弁傘素材28より低い温度に保たれる。
【0016】
加熱されたオニオン33は、図5で示すように、受け型42によって支持される。受け型42には逃げ孔42aが設けられており、弁杆素材35が逃げ孔42aに挿通されると、弁傘素材28の下面が受け型42のキャビティによって支持される。押し型43が上方から下降すると、両金型42、43の間に弁傘素材28が挟圧されて弁傘20が成形される。
【0017】
この弁傘素材28の成形の際、ボス24の外面が受け型42によって外方から軸線方向へ、いわゆる、求芯方向へ向かう方向の外力を受けるから、前記ボス孔24aをなしている材料が内径を縮小する側へ移動して、前記周溝37によって形成された断面三角形の環状空間38を充填する。よって、弁傘素材28と弁杆素材35とが強固に連結され、かつ、弁杆素材35の抜脱が防止される。
【0018】
なお、上記実施態様では、弁傘素材28に塑性加工を加えて弁傘20を成形する工程の中で、ボス24の外面を押圧しボス孔24aの内径を縮小させる工程を同時に行っているが、この工程は発明の構成上、必須の要件ではなく、ボス孔24aの内径を縮小させる工程のみ別個に独立に行ってもよいことは勿論のことである。
【0019】
【発明の効果】
請求項1の発明は、エンジン弁は弁傘に設けたボス孔へ、外周に周溝を設けた弁杆の一端を嵌合させて構成したものであるから、弁杆の直径と弁傘の直径とを生産技術上の制約をうけることなく選択できる利点がある。また、弁傘と弁杆との結合が単純な圧入に加えて、ボスの外面を求芯方向へ変形させてボスの内面を周溝内へ食い込ませて結合してあるから、結合が極めて強固に行われ弁面が弁口へ着座する際の強い衝撃に十分に耐え得る。
【0020】
請求項2の発明は、エンジン弁を弁傘と弁杆とに分けて予備成形し、両者を仮結合した後に弁傘を誘導加熱し鍛造して成形するものであるから、弁傘の加熱に際して弁杆が過度に加熱されるのを防止でき、弁傘と弁杆との結合部の強度が高いエンジン弁が得られる。
などの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の一例であるエンジン弁を示し、(a)は平面図、(b)はそのA−A断面図である。
【図2】エンジン弁を製造する素材を示す工程図である。
【図3】エンジン弁を製造する弁傘素材と弁杆素材とを連結した状態を示す工程図であり、要部を拡大して示してある。
【図4】エンジン弁を製造する弁傘素材を加熱する工程を示す工程図である。
【図5】エンジン弁を製造する弁傘素材を熱間鍛造する工程を示す工程図であり、金型の断面図である。
【図6】エンジン弁を製造する従来の製造方法を示す工程図であり、(a)は冷間据え込み鍛造法、(b)は熱間押出し成形法、(c)は熱間据え込み鍛造法をそれぞれ示すものである。
【符号の説明】
10・・・・エンジン弁
20・・・・弁傘
21・・・・弁面
22・・・・弁リング
23・・・・弁板
24・・・・ボス
24a・・・・ボス孔
25・・・・リブ
26・・・・肉抜き
28・・・・弁傘素材
30・・・・弁杆
31・・・・コッタ溝
32・・・・周溝
33・・・・オニオン
34・・・・凹面
35・・・・弁杆素材
36・・・・嵌合部
37・・・・周溝
38・・・・環状空間
41・・・・加熱コイル
42・・・・受け型
42a・・・・逃げ孔
43・・・・押し型

Claims (2)

  1. 外周に弁面を有する弁傘の中央部に軸線と同軸に配された筒状のボスを設け、そのボスに設けたボス孔へ周方向の多数の周溝を設けた弁杆の一端を嵌合させ、前記ボスの外面を求芯方向へ変形させてボス孔の内面を周溝の溝内へ膨出させて結合してなるエンジン弁。
  2. 弁杆素材の嵌合されるボス孔を設けた弁傘素材と、その弁傘素材のボス孔に嵌合される嵌合部に多数の周溝を設けた弁杆素材とを用意し、弁杆素材を弁傘素材のボス孔に圧入固定した後、弁傘素材の表面を誘導加熱し、その外面を軸方向に開閉する金型によって挟圧して弁傘を成形するエンジン弁の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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