JP2004332016A - 金属造粒粉末体及びその製造方法、並びに金属粉末体 - Google Patents

金属造粒粉末体及びその製造方法、並びに金属粉末体 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた流動性を備えた金属造粒粉末体、及び金属造粒粉末体の製造方法、並びに金属粉末体を提供する。
【解決手段】金属粉末を造粒してなる金属造粒粉末に、流動性改善剤を添加してなる金属造粒粉末体である。金属粉末を造粒して金属造粒粉末を製造する造粒工程と、前記金属粉末に流動性改善剤を添加する添加工程と、を備えてなる金属造粒粉末体の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、金属造粒粉末体、及び金属造粒粉末体の製造方法、並びに金属粉末体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、金属の微粉末を造粒し、得られた造粒粉末を使用して、一般の粉末冶金法により各種部品を製造する方法がある。この従来の粉末冶金法では、相対密度(真密度に対する相対値)が十分に高い部品を製造することが困難である。
ここで、部品の相対密度が低いと、以下のような欠点がある。すなわち、
(1)一般構造材料では、強度不足や機能性が欠如する虞がある。
(2)ステンレス鋼の場合、溶解材に比較して耐食性が劣るため、Ni、Mo、Cr等の合金元素を多量に含有させて、低い耐食性を補っている。
(3)磁性材料では、たとえ磁気特性が優れていても、適用範囲が限定される。
(4)難加工性材料、例えば高速度鋼等は成形できず、粉末冶金法での部品の生産は限定されている。
【0003】
そこで、このような欠点を解決するため、例えば、平均粒径が1〜100μmの水アトマイズ金属原料粉末にバインダを加えて造粒して得られる、平均粒径が10〜250μmの水アトマイズ金属粉末の造粒粉末が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−106804号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、平均粒径が約1〜100μmの金属原料粉末を使用して得られた造粒粉末は、金型への充填が不均一になり易い、あるいは、この造粒粉末をプレス成形して得た成形体の重量にばらつきが生じ易い、成形体を焼結して得られる焼結部品の密度がばらつき易い等の欠点が未だ残ることから、さらに流動性を向上させることが望まれている。
【0005】
本発明は、このような従来の造粒粉末を改良することを課題とするものであり、優れた流動性を備えた金属造粒粉末体、及び金属造粒粉末体の製造方法、並びに金属粉末体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は、金属粉末を造粒してなる金属造粒粉末に、流動性改善剤を添加してなる金属造粒粉末体を提供するものである。
【0007】
この構成を備えた金属造粒粉末体は、優れた流動性を備えることができる。したがって、前記金属造粒粉末体の金型等への充填性を向上させることができる。
また、この金属造粒粉末体を使用してプレス成形して得た成形体の重量を均一化させることができる。さらに、成形体を焼結して得られる焼結部品の密度を均一化させることもできる。
【0008】
前記金属粉末としては、水アトマイズ法により製造されたものを使用することができる。
【0009】
また、前記流動性改善剤としては、少なくとも無水シリカを含んでいるものを使用することができる。この前記流動性改善剤として無水シリカを含んでいるものを使用することで、無水シリカの持つシラノール基が金属造粒粉末の表面に作用して、さらに優れた流動性を付与することができる。
【0010】
この無水シリカとしては、SiOを95重量%以上含んだものを好適に使用することができる。また、前記無水シリカとしては、一次粒子の平均粒径が、50nm以下のものを好適に使用することができる。
【0011】
そしてまた、この流動性改善剤は、前記金属造粒粉末に対し、0.01重量%〜0.5重量%、さらに好ましくは、0.01重量%〜0.1重量%の範囲で添加することができる。
【0012】
前記流動性改善剤の前記金属造粒粉末に対する添加量が、0.01重量%未満であると、十分な流動性の改善が行われない傾向にある。また、前記流動性改善剤の前記金属造粒粉末に対する添加量が、0.5重量%を越えると、この金属造粒粉末体を使用して得た成形体の成形密度や、焼結体の焼結密度が低下する傾向にある。
【0013】
また、前記金属造粒粉末としては、合金からなり、当該合金成分として少なくともシリコンを含んでいるものを好適に使用することができる。
【0014】
なお、この流動性の値は、JIS Z 2502に基づいて測定した値である。
【0015】
また、本発明は、金属粉末を造粒して金属造粒粉末を製造する造粒工程と、前記金属粉末に流動性改善剤を添加する添加工程と、を備えてなる金属造粒粉末体の製造方法を提供するものである。
【0016】
この製造方法によれば、優れた流動性を備えた金属造粒粉末体を得ることができる。したがって、金属造粒粉末体の金型等への充填性を向上させることができる。また、この金属造粒粉末体を使用してプレス成形して得た成形体の重量を均一化させることができる。さらに、成形体を焼結して得られる焼結部品の密度を均一化させることもできる。
【0017】
本発明にかかる製造方法では、前記金属粉末を水アトマイズ法によりを製造することができる。
【0018】
また、本発明にかかる製造方法では、前記流動性改善剤として、少なくとも無水シリカを含んでいるものを使用することができる。この無水シリカとしては、SiOを95重量%以上含んだものを好適に使用することができる。そしてまた、前記無水シリカとしては、一次粒子の平均粒径が、50nm以下のものを好適に使用することができ、さらに好ましくは、15nm以下のものを使用することができる。
【0019】
さらにまた、本発明にかかる製造方法では、この流動性改善剤は、前記金属造粒粉末に対し、0.01重量%〜0.5重量%、さらに好ましくは、0.01重量%〜0.1重量%の範囲で添加することができる。
【0020】
そしてまた、本発明にかかる製造方法では、前記金属造粒粉末として、合金からなり、当該合金成分として少なくともシリコンを含んでいるものを使用することができる。
【0021】
さらにまた本発明は、金属粉末に、流動性改善剤を添加してなる金属粉末体を提供するものである。この構成を備えた金属粉末体は、優れた流動性を備えることができる。
【0022】
前記金属粉末体の構成要素である前記金属粉末としては、水アトマイズ法により製造したものを使用することができる。
【0023】
また、本発明にかかる金属粉末体の構成要素である流動性改善剤としては、少なくとも無水シリカを含んでいるものを使用することができる。この無水シリカとしては、SiOを95重量%以上含んだものを好適に使用することができる。また、前記無水シリカとしては、一次粒子の平均粒径が、50nm以下のものを好適に使用することができ、さらに好ましくは、15nm以下のものを使用することができる。
【0024】
そしてまた、本発明にかかる金属粉末体で使用される流動性改善剤は、前記金属造粒粉末に対し、0.01重量%〜0.5重量%、さらに好ましくは、0.01重量%〜0.1重量%の範囲で添加することができる。
【0025】
そしてまた本発明は、金属粉末に対し、無水シリカを0.01重量%〜0.5重量%の範囲で含んでなる金属粉末体を提供するものである。この構成を備えた金属粉末体も、優れた流動性を備えることができる。
【0026】
なお、この流動性の値は、上記と同様の方法によって測定した値である。
【0027】
前記金属粉末としては、例えば、鉄、鉄合金(例えば、ステンレス鋼、珪素鋼、構造用鋼、工具鋼、高速度鋼、アルニコ合金、センダスト合金、パーメンジュール合金、パーマロイ合金等)、ニッケル、ニッケル合金(パーマロイ等)、クロム、クロム合金、コバルト、コバルト合金、チタン、チタン合金等の金属粉末を好適に使用することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施の形態にかかる金属造粒粉末体及びその製造方法、並びに金属粉末体について説明する。
【0029】
なお、以下に記載される実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施の形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
(金属造粒粉末体及びその製造方法)
本実施の形態にかかる金属造粒粉末体の構成要素である金属造粒粉末は、水アトマイズ法により製造された金属原料粉末を造粒装置に投入し、バインダ(結合樹脂)を添加して混合して造粒することにより得られる。
【0030】
本実施の形態では、表1に示す化学成分を備え、平均粒径が2〜60μm程度のステンレス鋼(SUS316L)を金属原料粉末として用いた。
【0031】
【表1】
Figure 2004332016
なお、本実施の形態では、水アトマイズ法により製造された金属原料粉末を使用したが、これに限定されるものではなく、所望により、例えば、ガスアトマイズ法等、他の方法により製造された金属原料粉末を使用してもよいし、水アトマイズ法により製造された金属原料粉末と、他の方法により製造された金属原料粉末を混合したものを使用してもよい。
【0032】
前記造粒法としては、混合造粒法、強制造粒法、熱利用造粒法のいずれを使用しても良いが、好ましくは、回転皿や、回転円筒や、回転円錐等を使用する転動方式の混合造粒法を使用する。
【0033】
また、バインダとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ワックス等の有機物や、水と有機物の混合物等を使用することができる。このバインダの添加量は、金属原料粉末の重量に対して、バインダ中の有効成分で0.1重量%〜10重量%、さらに好ましくは、0.2重量%〜5重量%であり、所望により可塑剤等を添加してもよい。
【0034】
なお、本実施の形態では、造粒装置として転動流動造粒装置(株式会社パウレック製)を使用した。この転動流動造粒装置に金属原料粉末50kgを供給し、回転ディスク部を回転させながらバインダとしてメチルアルコールを溶媒とするPVP(ポリビニルピロリドン)5%溶液を連続的に供給して造粒した。この際の給気量(空気)は約8.5m3/hr、給気温度は70℃、回転ディスク部の回転数は約205rpmで、造粒粉末の温度は約35℃であった。また、バインダの供給量は約110g/分であり、造粒時間は120〜180分で、乾燥時間は約10分であった。
【0035】
このようにして、平均粒径が10〜150μm程度の金属造粒粉末を得た。
【0036】
次に、この金属造粒粉末に対し、表2に示す添加量(重量%)で、無水シリカを混合した。この無水シリカとしては、SiOが95重量%以上含有されており、一次粒子の平均粒径が、50nm以下のものを使用した。金属造粒粉末と無水シリカの混合は、V型ブレンダーを使用し、約20分間行った。このようにして、無水シリカが添加された金属造粒粉末体(実施例1〜実施例6、比較例1)を得た。
【0037】
【表2】
Figure 2004332016
(成形体及び焼結体の製造)
前述したブランク、実施例1〜6、比較例1の各々について、プレス機を使用して成型圧力5t/cmで加圧成形し、直径50mm、厚さ20mmの円盤状試験片を製造した。次に、これらの円盤状試験片の密度(成形密度:g/cm)を測定した。この結果を表3に示す。
【0038】
次に、前記円盤状試験片を水素雰囲気の焼結炉において1350℃で3時間焼結した後、密度(焼結密度:g/cm)を測定した。この結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
Figure 2004332016
表3から、本発明にかかる実施例1〜6は、ブランクに比べ、成形密度、焼結密度の両方ともブランクと有意差無く、正常な値が得られていることが判る。
【0040】
また、実施例1〜6から得られた焼結体に残存している無水シリカは、無水シリカ添加量0.1%までは、無添加品と有意差が無く均一分散されているが、添加量0.5%を超えてくると、凝集現象がみられる。
(金属粉末体の製造)
次に、水アトマイズ法により製造され、表1に示す化学成分を備え、平均粒径が2〜60μm程度のステンレス鋼(SUS316L)からなる金属原料粉末に対し、表4に示す添加量(重量%)で、無水シリカを混合した。この無水シリカは、SiOが95重量%以上含有されており、一次粒子の平均粒径が、50nm以下のものを使用した。金属造粒粉末と無水シリカの混合は、0.01%〜1.0%とし、V型混合機を使用し、約20分間行った。このようにして、無水シリカが添加された金属粉末体(実施例7〜12、比較例2を得た。
【0041】
次に、ブランク(流動性改善剤を添加しないもの)、実施例7〜12、比較例2について、見かけ密度(g/m)、流動性、安息角を前記と同様の方法で測定した。この結果を表4に示す。
【0042】
【表4】
Figure 2004332016
表4から、本発明にかかる実施例7〜12は、ブランク及び比較例2に比べ、流動性が改善され、安息角が小さくなっていることが判る。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態にかかる金属造粒粉末体及び金属粉末体は流動性が大幅に改善された。

Claims (17)

  1. 金属粉末を造粒してなる金属造粒粉末に、流動性改善剤を添加してなる金属造粒粉末体。
  2. 前記金属粉末は、水アトマイズ法により製造されてなる請求項1記載の金属造粒粉末体。
  3. 前記流動性改善剤は、少なくともSiOを95重量%以上含んでなる無水シリカを含んでなる請求項1または請求項2記載の金属造粒粉末体。
  4. 前記SiOは、一次粒子の平均粒径が、50nm以下である請求項3記載の金属造粒粉末体。
  5. 前記流動性改善剤は、前記金属造粒粉末に対し、0.01重量%〜0.5重量%の範囲で添加されてなる請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の金属造粒粉末体。
  6. 前記金属造粒粉末は合金からなり、当該合金成分として少なくともシリコンを含んでなる請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の金属造粒粉末体。
  7. 金属粉末を造粒して金属造粒粉末を製造する造粒工程と、
    前記金属粉末に流動性改善剤を添加する添加工程と、を備えてなる金属造粒粉末体の製造方法。
  8. 水アトマイズ法により前記金属粉末を製造する請求項7記載の金属造粒粉末体の製造方法。
  9. 前記流動性改善剤は、少なくともSiOを95重量%以上含んでなる無水シリカを含んでなる請求項7または請求項8記載の金属造粒粉末体の製造方法。
  10. 前記SiOは、一次粒子の平均粒径が、50nm以下である請求項9記載の金属造粒粉末体の製造方法。
  11. 前記流動性改善剤を、前記金属造粒粉末に対し、0.01重量%〜0.5重量%の範囲で添加する請求項7ないし請求項10のいずれか一項に記載の金属造粒粉末体の製造方法。
  12. 前記金属造粒粉末は合金からなり、当該合金成分として少なくともシリコンを含んでなる請求項7ないし請求項11のいずれか一項に記載の金属造粒粉末体の製造方法。
  13. 金属粉末に、流動性改善剤を添加してなる金属粉末体。
  14. 前記金属粉末は、水アトマイズ法により製造されてなる請求項13記載の金属粉末体。
  15. 前記流動性改善剤は、少なくともSiOを95重量%以上含んでなる無水シリカを含んでなる請求項13または請求項14記載の金属粉末体。
  16. 前記無水シリカは、一次粒子の平均粒径が、50nm以下である請求項15記載の金属粉末体。
  17. 前記流動性改善剤は、前記金属粉末に対し、0.01重量%〜0.5重量%の範囲で添加されてなる請求項13ないし請求項16のいずれか一項に記載の金属粉末体。
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