JP2004335706A - 半導体素子の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、多数のシリコン系薄膜が積層された構成をもつ半導体素子を、効率よく形成することができる半導体素子の形成方法、さらには、ロット間の特性のばらつきが少なく、より優れた均一性と特性をもつ半導体素子の形成方法、および密着性、耐環境性などに優れた半導体素子を提供することを目的としている。
【解決手段】基板上にシリコン系薄膜からなる複数のpin接合をもつ半導体素子を高周波プラズマCVD法により形成する方法であって、第一の半導体層を形成する工程と、前記第一の半導体層の表面を、0.01〜0.5重量%の水分を含む部材で接触させて覆う工程と、前記部材を取り除く工程と、前記第一の半導体層上に第二の半導体層を形成する工程とをこの順序で行なうことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体素子の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高周波プラズマCVD法は、大面積化や低温形成が容易であり、プロセススループットが向上するという利点を有し、シリコン系薄膜の形成方法として有力な手段である。
【0003】
シリコン系薄膜からなる半導体接合を有する半導体素子の例として太陽電池を考えてみると、化石燃料を利用した既存のエネルギーに比べて、シリコン系薄膜を用いた太陽電池は、エネルギー源が無尽蔵であること、発電過程がクリーンであるという利点があるものの、普及を進めるためには、発電電力量あたりの単価をさらに下げることが必要である。そのために、低コスト化を実現する生産技術の確立や、光電変換効率を高めるための技術の確立、さらには安定して所望の特性をもつ半導体素子を形成するための均一性に関する技術や、屋外に設置されることが多いという実使用条件を考慮した耐環境性を高めるための技術は、重要な技術課題となっている。
【0004】
シリコン系薄膜からなる半導体接合を有する半導体素子の生産方法としては、単一の半導体形成容器で所望とする導電型の半導体層を順次形成する方法、不純物ガスの混入を防ぐためにバッチ方式と呼ばれるp層、i層、n層を独立の半導体形成容器で形成する方法などが知られている。また、不純物の混合を防ぎ、低コスト化を実現する生産方法として、米国特許4,400,409号には、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)方式を採用した、連続プラズマCVD法が開示されている。さらに、さらなる特性と生産性の向上に対して、特開2002−170973には、半導体界面にて酸素雰囲気中に曝す工程を有することを特徴とする半導体素子の形成方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
開示されている高周波プラズマ法は、半導体素子の形成方法として優れたものであるが、pin接合が複数含まれている場合や、p層、i層、n層が多層構成になっている場合には、必要となる半導体形成容器の数が増加することになる。ここで、半導体素子の形成工程において、すべての半導体形成容器が連続的に連結され、半導体層を連続的に形成する構成とした場合には、一部の半導体形成容器のメンテナス・点検・修理などが必要となる度に、装置全体の稼動を静止させる必要がある。また、半導体の形成の途中で大気中に取り出すような場合、堆積条件、環境条件、保管条件にもよるが、各ロット間での特性、特に光電変換効率のばらつきが認められることがある。
【0006】
本発明は、多数のシリコン系薄膜が積層された構成をもつ半導体素子を、効率よく形成することができる半導体素子の形成方法、さらには、ロット間の特性のばらつきが少なく、より優れた均一性と特性をもつ半導体素子の形成方法、および密着性、耐環境性などに優れた半導体素子を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板上にシリコン系薄膜からなる複数のpin接合をもつ半導体素子を高周波プラズマCVD法により形成する方法であって、第一の半導体層を形成する工程と、前記第一の半導体層の表面を0.01〜0.5重量%の水分を含む部材で接触させて覆う工程と、前記部材を取り除く工程と、前記第一の半導体層上に第二の半導体層を形成する工程とをこの順序で行なうことを特徴とする半導体素子の形成方法を提供する。
【0008】
本発明において、前記部材が10g/cmから100g/cmの圧力で前記第一の半導体表面に接触していることが好ましい。より好ましくは20g/cmから80g/cmである。
【0009】
本発明において、前記第一の半導体表面を前記部材で接触させて覆う工程においての前記第一の半導体表面の温度が、前記部材を取り除く工程においての前記第一の半導体表面の温度より高く、その間で徐々に温度を低下させることが好ましい。
【0010】
本発明において、前記第一の半導体表面を前記部材で接触させて覆う工程から前記部材を取り除く工程までの少なくとも一部に大気中に保持する工程を有することが好ましい。前記部材で接触させて覆う工程を真空中で行って、その後、大気中において保管し、また、前記部材を取り除く工程を真空中で行なうことが好ましいが、前記部材で接触させて覆う工程と前記部材を取り除く工程を大気中で行っても良い。また、乾燥窒素雰囲気中に保持することが好ましい。また、密閉空間中に保持することが好ましい。
【0011】
本発明において、前記部材は不織布からなることが好ましい。
【0012】
本発明の好適な様態として、前記第一の半導体層が一導伝型半導体からなり、前記第二の半導体層が該一導伝型半導体と異なる他導伝型半導体からなる構成や、前記第一の半導体層が及び、前記第二の半導体層が同じ導伝型半導体からなる構成が挙げられる。
【0013】
本発明の好適な様態として、前記高周波プラズマCVD法が、ロール・ツー・ロール法であることが挙げられる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0015】
Roll to Roll法では、従来から基板を分離するために、アラミド紙やPETなどのフィルムが用いられてきたが、半導体層の形成の途中で、大気中に取り出すような場合、堆積条件、環境条件、保管条件にもよるが、各ロット間での特性、特に光電変換効率のばらつきが認められることがあった。我々は、鋭意研究を重ねた結果、半導体表面を覆う部材の処理方法やロールの扱いによって、部材の水分量と光電変換効率のばらつきとの間に相関があることを見出した。これは、基板を分離している部材からの水分が半導体層に表面に影響を与えていると考えられた。
【0016】
そこで、部材として0.05mmのアラミド紙(デュポン社製のノーメックス)を用いて、後に述べる図1の手順にて水分量を変えた部材を用い、途中まで半導体素子を形成し、乾燥窒素雰囲気中、密閉空間に1日放置して、引き続いて、残りの半導体素子を形成したところ、部材の水分量によって、光電変換効率のばらつきが大きくなる領域が見られた。水分量が0.5%より多いと光電変換効率の低下の傾向が見られ、ロット間の光電変換効率のばらつきが大きくなる傾向が認められた。また、水分量が0.01%以下では、ロット間の光電変換効率のばらつきが大きくなる傾向が見られた。
【0017】
光電変換効率がばらつく原因の詳細は不明であるが、半導体層界面に適度に形成される微細な酸素原子層によりドーパントの拡散を抑制する効果と、水分の半導体層への吸着、或いは、結合による半導体層の変性が原因であると考えられる。ただし、過剰に進むと半導体層の変性が増大して、シリーズ抵抗の増大、曲線因子(以下FF)の低下につながり、光電変換効率の低下、光電変換効率のばらつきが起こると考えられる。他方、水分量が少ない場合、部材のこしが強くなり、半導体表面に部材が、均一に接触していないことが分かった。このために、半導体層が変性した層の形成が不均一になり、光電変換効率のばらつきが大きくなったものと考えられる。
【0018】
また、以上のことから、均一に接触していないと光電変換効率のばらつきが起こると考えられる。本発明者らの知見によれば、部材が半導体層に接触している圧力が、10g/cmから100g/cmの間が好ましい。
【0019】
前記第一の半導体表面を前記部材で接触させて覆う工程においての前記第一の半導体表面の温度が、前記部材を取り除く工程においての前記第一の半導体表面の温度より高く、その間で徐々に温度を低下させることが好ましい。温度が高いほうが反応は進みやすいく、また、反応が進むにつれて反応自体が遅くなるので、部材に接触した直後に温度が高く、その後、徐々に低くなるほうが、最初にある程度速く半導体層が変性が進み、その後、温度の低下と厚さの増大により徐々に進むようになるので、厚さが均一でばらつきの少なくなり、光電変換効率のばらつきが少なくなると考えられる。また、界面での応力を緩和すると考えられるので、密着性も向上する。
【0020】
本発明は、真空中など減圧下で保管されている場合はより条件が安定であるが、一方、真空環境に維持する装置などが必要となる。前記第一の半導体表面を前記部材で接触させて覆う工程から前記部材を取り除く工程までの少なくとも一部に大気中に保持する工程を有することによって、メンテナンスをしていない装置で、必要に応じて半導体素子の一部のpin接合を作り、保管しておくことも可能であるため、トータル的な生産性を向上させることが可能になる。また半導体形成装置を複数台準備しておき、メンテナンス頻度の高い半導体層をより多くの半導体形成装置で形成するように行なうことにより、生産性をより高めることが可能になる。また、このとき、乾燥窒素雰囲気中や密閉空間中で保持することにより、より温度などの環境条件が安定するので光電変換効率のばらつきが少なくなる。従って、乾燥窒素雰囲気中に保持することがより好ましく、また、密閉空間中に保持することがより好ましい。
【0021】
前記部材は、例えば、繊維状のものである不織布、ポリエチレン、ポリエステル、PET、ポリイミド、ポリアミドなどの樹脂類などを用いることができるが、適度に水分を保持できる素材であることから不織布が好ましい。
【0022】
前記第一の半導体層がp層、または、n層などの一導伝型半導体で形成され、前記第二の半導体層がn層、または、p層などの一導伝型半導体と異なる他導電型からなる半導体で形成される場合、該界面では、逆方向接合となるため整流性を持つと光電変換効率の低下につながる。そこで、なるべく欠陥等を介した電流が流れることが重要であり、かつ、導電型層としての特性を維持するため、過剰な不純物の相互拡散は少なくする必要がある。本発明では、半導体が変性した層が形成されるので不純物の相互拡散が少なく、かつ、界面には欠陥が多く存在し、その効果が特に認められ、好適である。
【0023】
前記第一の半導体層と及び前記第二の半導体層が同じ導電型からなる半導体で形成される場合、導電型層の間に水分によって半導体層が変性した層ができ、第二の半導体層をpn界面側に好適ドーパント濃度に高くしても、第一の半導体層側へのドーパントの拡散を抑制することができる。また、半導体層が変性した層を内部に形成することにより、ワイドギャップ化がはかられ、入射光の吸収を抑制することができるために好ましい。また、半導体層が変性した層が入射光を散乱される効果をもつために、光吸収層の入射光の吸収量が増加することが期待できる。
【0024】
本発明の好適な適用例として、ロール・ツー・ロール法が挙げられる。
【0025】
図1は本発明の半導体素子を形成する方法の一例を示したものである。図1において、101は基板、102は部材である。本発明では以下の手順で形成を行なう。
【0026】
(a)第一の半導体層までを形成する。
【0027】
(b)基板101に部材102を接触させて覆う。
【0028】
(c)保管。
【0029】
(d)基板101から部材102を取り除く。
【0030】
(e)第二の半導体層以降を形成する。
【0031】
図2には可撓性基板を用いた場合の一例を示している。
【0032】
(a)は部材で覆う工程を示している。
【0033】
部材送り出し器204より、部材203が送り出され、可撓性基板201と交互に巻き取りボビン202に巻き取られる。このとき、可撓性基板201は引っ張り応力を受けて巻かれており、部材203は可撓性基板201にある圧力で押し付けられている。このとき、可撓性基板が巻かれる圧力Pは、P=f/r/dで表される。ここで、fは引っ張り応力、rは半径、dは基板幅である。
【0034】
同様に(b)は部材を取り除く工程を示している。
【0035】
可撓性基板201と交互に巻かれた送り出しボビン205から部材巻き取り器206に部材203が巻き取られ、可撓性基板201から部材203が取り除かれる。可撓性基板は送り出される。
【0036】
本発明の形成方法が好適に用いられる半導体素子として、特開2002−170973に説明されている光起電力素子が挙げられる。
【0037】
(実施例)
以下の実施例では、半導体素子として太陽電池を例に挙げて本発明を具体的にするが、これらの実施例は本発明の内容を何ら限定するものではない。
【0038】
(実施例1)
図4に示した堆積膜形成装置401を用い、以下の手順で図3に示した光起電力素子を形成した。図3は本発明のシリコン系薄膜を有する光起電力素子301の一例を示す模式的な断面図である。図中の302は基板、303は反射層、304は第一のpin接合を有する光起電力素子、305は第二のpin接合を有する光起電力素子、306は透明電極である。
【0039】
図4は、本発明のシリコン系薄膜及び光起電力素子を製造する堆積膜形成装置の一例を示す模式的な断面図である。図4に示す堆積膜形成装置401は、基板送り出し容器408、半導体形成用真空容器410〜413、基板巻き取り容器409が、ガスゲート414を介して結合することによって構成されている。この堆積膜形成装置401には、各容器及び各ガスゲートを貫いて帯状の導電性基板402がセットされる。帯状の導電性基板402は、基板送り出し容器408に設置された送り出しボビン404から巻き出され、基板巻き取り容器409で巻き取りボビン405に巻き取られる。このとき、部材巻き取り器406で部材403が送り出しボビン404より巻き取られる。部材送り出し器407で部材403が巻き取りボビン405に巻き取られる。半導体形成用真空容器410〜413は、それぞれプラズマ生起領域を形成する堆積室を有している。また、基板402を加熱するためにヒーター416を有している。
【0040】
不図示の高周波導入部には、不図示の高周波電源から高周波電力を印加することによってグロー放電を生起させ、それによって原料ガスを分解し導電性基板402上に半導体層を堆積させる。また、各半導体形成用真空容器410〜413には、原料ガスや希釈ガスを導入するためのガス導入管115が接続されている。また、不図示の排気系が接続されている。
【0041】
まず、ステンレス(SUS430BA)からなる帯状の基板(幅50cm、長さ1500m、厚さ0.125mm)を十分に脱脂、洗浄し、不図示の連続スパッタリング装置に装着し、Ag電極をターゲットとして厚さ100nmのAg薄膜をスパッタ蒸着させた。さらにZnOターゲットを用いて、厚さ2.0μmのZnO薄膜をAg薄膜の上にスパッタ蒸着し、帯状の導電性基板402を形成した。
【0042】
次に基板送り出し容器408に、導電性基板402を巻いた送り出しボビン404を装着し、導電性基板402を搬入側のガスゲート414、半導体形成用真空容器410〜413、搬出側のガスゲート414を介し、基板巻き取り容器409まで通し、帯状の導電性基板402がたるまないように80kgで引っ張り応力を加えた。半径がだんだん大きくなると圧力も変化するが、約20から60g/cmの圧力で巻かれている。
【0043】
このとき、部材送り出し器407には水分量を調整した厚さ0.05mmのアラミド紙(デュポン社製のノーメックス)をセットし、基板402とともに巻き取りボビン405に巻き取られるようにした。基板送り出し容器408、半導体形成用真空容器410〜413、基板巻き取り容器409を不図示の真空ポンプからなる真空排気系により、6.7×10−4Pa(5×10−6Torr)以下まで充分に真空排気した。部材の水分量は、130℃オーブンにおいて乾燥し、乾燥時間で調整した。
【0044】
水分量は部材を1.0gとなるようにカットし、カールフィッシャー水分計(京都電子製 MKC−510)にて、その水分量を測定し決定した。その結果を表1に示す。
【0045】
真空排気系を作動させつつ、半導体形成用真空容器411、412、413へガス導入管415から原料ガス及び希釈ガスを供給した。同時に不図示の各ゲートガス供給管から、各ガスゲート414にゲートガスとして500sccmのHガスを供給した。この状態で真空排気系の排気能力を調整して、半導体形成用真空容器411、412、413内の圧力を所定の圧力に調整した。形成条件は表2に示す通りである。
【0046】
半導体形成用真空容器411、412、413内の圧力が安定したところで、基板送り出し容器408から基板巻き取り容器409の方向に、導電性基板402の移動を開始した。
【0047】
次に、半導体形成用真空容器411、412、413内の堆積室内にグロー放電を生起し、導電性基板402上に、アモルファスn型半導体層、微結晶i型半導体層、微結晶p型半導体層を形成しボトムセルのpin接合を形成した。p層を形成した後に、強制的に冷却することなく、部材を接触させて、巻き取りボビン405に巻き取っている。
【0048】
ボトムセルのpin接合の形成が終了したら、基板巻き取り容器409をリークして、導電性基板402を取り出して、乾燥窒素雰囲気中、密閉環境で堆積膜形成装置401の準備ができるまで、24時間保存した。
【0049】
その後、続いて、トップセルのpin接合の形成を行なった。基板送り出し容器408に、導電性基板402を巻いたボビンを装着し、導電性基板402を搬入側のガスゲート414、半導体形成用真空容器410〜413、搬出側のガスゲート414を介し、基板巻き取り容器409まで通し、帯状の導電性基板402がたるまないように80kgで引っ張り応力を加えた。そして、基板送り出し容器408、半導体形成用真空容器410〜413、基板巻き取り容器409を不図示の真空ポンプからなる真空排気系により、6.7×10−4Pa(5×10−6Torr)以下まで充分に真空排気した。
【0050】
真空排気系を作動させつつ、半導体形成用真空容器411、412、413へガス導入管415から原料ガス及び希釈ガスを供給した。同時に不図示の各ゲートガス供給管から、各ガスゲート414にゲートガスとして500sccmのHガスを供給した。この状態で真空排気系の排気能力を調整して、半導体形成用真空容器411、412、413内の圧力を所定の圧力に調整した。形成条件は表3に示す通りである。
【0051】
半導体形成用真空容器411、412、413内の圧力が安定したところで、基板送り出し容器408から基板巻き取り容器409の方向に、導電性基板402の移動を開始した。
【0052】
次に、半導体形成用真空容器411、412、413内の堆積室内にグロー放電を生起し、導電性基板402上に、アモルファスn型半導体層、アモルファスi型半導体層、微結晶p型半導体層を形成しトップセルのpin接合を形成した。
【0053】
次に不図示の連続モジュール化装置を用いて、形成した帯状の光起電力素子を36cm×22cmの太陽電池モジュールに加工した。このようにして部材の水分量を変えて、5サンプル(実施例1−A〜実施例1−C、比較例1−A、比較例1−B)を作製した。1サンプルにつき、10ロット作製した中から、1000枚のモジュールを無作為に抽出して、山下電装株式会社製のYSS−150を使用し、AM1.5のスペクトル、強度100mW/cmで光照射した状態で電流電圧特性を測定した。測定した電流電圧特性から光電変換効率[η(%)] を求めた。また、温度85℃、湿度85%に30分、その後、70分かけて温度−20℃まで下げて、30分保持再び70分かけて85℃、85%まで戻すサイクルを100回繰り返し、その後、碁盤目テープ法(切り傷の隙間間隔1mm、升目の数100)を用いて、密着性を調べた。
【0054】
結果は光電変換効率の分布を実施例1−Bの平均値を1として相対値として図5に示す。また、結果をまとめて、表6に示す。
【0055】
結果は図5に示すとおり、比較例1−Aは若干、光電変換効率の平均値の低下と光電変換効率のばらつきの増加が見られた。実施例1−Aから実施例1−Cはほとんど同等の分布が得られている。比較例1−Bの平均値はほぼ同等であるが、光電変換効率のばらつきが若干増加している。密着性は実施例1−A〜実施例1−C、比較例1−Aは0から3個の剥がれであったのに対し、比較例1−Bのみ、若干多く、9個であった。
【0056】
以上のことから、水分量が0.01%から0.5%の間で、光電変換効率が良好で、かつ、光電変換効率のばらつきの小さな光起電力素子が得られ、かつ、密着性、耐環境性に優れることが分かった。
【0057】
(実施例2)
図4に示した堆積膜形成装置401を用い、以下の手順で図3に示した光起電力素子を形成した。
【0058】
表2と表4の条件で作製した以外は、実施例1と同様に行った。
【0059】
結果をまとめて、表7に示す。
【0060】
比較例1−Aは若干、光電変換効率の平均値の低下と光電変換効率のばらつきの増加が見られた。実施例1−Aから実施例1−Cはほとんど同等の分布が得られている。比較例1−Bの平均値はほぼ同等であるが、光電変換効率のばらつきが若干増加している。密着性は実施例1−A〜実施例1−C、比較例1−Aは0から4個の剥がれであったのに対し、比較例1−Bのみ、若干多く、11個であった。
【0061】
以上のことから、水分量が0.01%から0.5%の間で、光電変換効率が良好で、かつ、光電変換効率のばらつきの小さな光起電力素子が得られ、かつ、密着性、耐環境性に優れることが分かった。
【0062】
【表1】
Figure 2004335706
【0063】
【表2】
Figure 2004335706
【0064】
【表3】
Figure 2004335706
【0065】
【表4】
Figure 2004335706
【0066】
【表5】
Figure 2004335706
【0067】
【表6】
Figure 2004335706
【0068】
【発明の効果】
本発明により、多数のシリコン系薄膜が積層された構成をもつ半導体素子を、効率よく形成することができ、さらには、ロット間の特性のばらつきが少なく、より優れた均一性と特性をもつ半導体素子を形成することが可能であり、さらには、密着性、耐環境性などに優れた半導体素子を形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体素子を形成する方法を示す模式的な図
【図2】他の本発明の半導体素子を形成する方法を示す模式的な図
【図3】本発明の形成方法が好適に用いられる半導体素子を含む光起電力素子の一例を示す模式的な断面図
【図4】本発明の形成方法が好適に用いられる半導体素子を製造する堆積膜形成装置の一例を示す模式的な断面図
【図5】光起電力素子の光電変換効率の分布
【符号の説明】
101 基板
102 部材
201 基板
202 巻き取りボビン
203 部材
204 部材送り出し器
205 送り出しボビン
206 部材巻き取り器
301 光起電力素子
302 基板
303 反射層
304 第一の光起電力素子
305 第二の光起電力素子
306 透明電極
401 堆積膜形成装置
402 基板
403 部材
404 送り出しボビン
405 巻き取りボビン
406 部材巻き取り器
407 部材送り出し器
408 基板送り出し容器
409 基板巻き取り容器
410、411、412、413 半導体形成用真空容器
414 ガスゲート
415 ガス導入管
416 ヒーター

Claims (10)

  1. 基板上にシリコン系薄膜からなる複数のpin接合をもつ半導体素子を高周波プラズマCVD法により形成する方法であって、
    第一の半導体層を形成する工程と、
    前記第一の半導体層の表面を、0.01〜0.5重量%の水分を含む部材で接触させて覆う工程と、
    前記部材を取り除く工程と、
    前記第一の半導体層上に第二の半導体層を形成する工程とをこの順序で行なうことを特徴とする半導体素子の形成方法。
  2. 前記部材が10g/cmから100g/cmの圧力で前記第一の半導体表面に接触していることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の形成方法。
  3. 前記第一の半導体表面を前記部材で接触させて覆う工程においての前記第一の半導体表面の温度が、前記部材を取り除く工程においての前記第一の半導体表面の温度より高く、その間で徐々に温度を低下させることを特徴とする請求項1〜2に記載の半導体素子の形成方法。
  4. 前記第一の半導体表面を前記部材で接触させて覆う工程から前記部材を取り除く工程までの少なくとも一部に、大気中に保持する工程を有することを特徴とした請求項1〜3に記載の半導体素子の形成方法。
  5. 前記工程中に、さらに、乾燥窒素雰囲気中に保持する工程を有することを特徴とした請求項1〜4に記載の半導体素子の形成方法。
  6. 前記工程中に、さらに、密閉空間中に保持する工程を有することを特徴とした請求項1〜5に記載の半導体素子の形成方法。
  7. 前記部材は不織布からなることを特徴とする請求項1〜6に記載の半導体素子の形成方法。
  8. 前記第一の半導体層が一導伝型半導体からなり、前記第二の半導体層が該一導伝型半導体と異なる他導伝型半導体からなることを特徴とする請求項1〜7に記載の半導体素子の形成方法。
  9. 前記第一の半導体層及び、前記第二の半導体層が同じ導伝型半導体からなることを特徴とする請求項1〜7に記載の半導体素子の形成方法。
  10. 前記高周波プラズマCVD法が、ロール・ツー・ロール法であることを特徴とした請求項1〜9に記載の半導体素子の形成方法。
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