JP2004337958A - マーキング判定方法及びマーキング判定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】赤外線センサは、レーザービームの照射位置である走査ライン72を含み、この走査ラインよりもXレイフィルム12の搬送方向下流側の所定範囲の領域が検出領域74となるように設けられており、レーザービームの照射位置から放出される赤外線のみならず、既にレーザービームが照射されてXレイフィルム上に形成された複数のドット16Aから放出された赤外線も合わせて、赤外線センサによって検出することができる。これにより、赤外線センサからの出力が安定し、この出力をしきい値と比較することにより、誤印字や印字不良等の発生を的確に検出することができる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光材料などの被印字体にレーザービームを照射して、被印字体に視認可能なドット状の文字や記号等の所定のマーキングパターンを形成するレーザーマーキングに係り、詳細には、マーキング位置やパーキングパターンの適否を判定するマーキング判定方法及びマーキング判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザー光を利用することにより、感光材料などの被印字体の表面にドット状のマーキングパターンを形成することができる。レーザー光を用いて被印字体に印字する場合、レーザー発振器によって発振したレーザー光をスポット状に集光したレーザービームとして被印字体に照射し、被印字体に熱変形等を生じさせることによりドットを形成する。また、レーザービームを走査することにより、文字や記号等に応じたドットマトリックスを形成する。
【0003】
一方、レーザービームを用いた感光材料等へのドットマーキングでは、ドットを形成するときにのみレーザー光を発振し、ドットマーキングを行わない空白部分ではレーザー発振を停止し、エネルギー消費の節約と共に発熱を抑え、発熱によって被印字体である感光材料に熱かぶり等の品質低下が生じるのを防止するようにしている。
【0004】
このために、レーザー発振器では、極めて短時間のオン/オフ(発振/停止)を頻繁に繰返すことになっている。
【0005】
ところで、極めて短時間のオン/オフを高頻度で繰返して発振させたレーザービームによってドットマーキングを行うと、内部部品の故障や外部からのノイズ等によってマーキング抜けや、誤ったタイミングでのマーキング等が生じることがあり、このような印字不良を防止するために、インラインによる検査が必要となる。
【0006】
レーザービームを用いた加工等におけるインライン検査方法としては、レーザービームを被印字体などの被加工物に照射して加工するときに、被加工物上のレーザービームの照射位置から放出される赤外線を検出して、温度測定を行う方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、レーザービームなどのエネルギービームを用いて穴あけ加工などを行うときに、加工穴周辺の溶融物から発生する赤外線や熱電子を検出し、その強度及び時間的変化から加工状態を判別する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)
さらに、包装材料などの薄肉の樹脂フィルムに対するレーザー加工を行うときにも、レーザービームの照射位置における被加工物の表面温度を検出して、加工状態を判断することが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0008】
しかし、被印字体として感光材料を用い、感光材料にレーザービームを照射してドットマーキングを行うときには、一つのドットに対するレーザービームの照射時間が極めて短いため、レーザービームを照射したときに、照射位置からの放出エネルギーも極めて小さい。このために、レーザービームを照射したときに、その照射位置からの放出エネルギーを検出するためには、高感度で応答性の高いセンサを用いる必要がある。
【0009】
センサの感度に対してはセンサ素子の素子冷却を強化することにより向上させることができるが、このためには、検出装置の大型化が必要となり、コスト面からも困難となっている。また、応答性が数10μsecのオーダーのセンサは、現状では得られておらず、レーザービームを照射したときに、その照射位置からの放出エネルギーを的確に検出することは、実質的に困難となっている。
【0010】
一方、マーキングの評価方法としては、CCDカメラなどと画像処理を組み合わせることにより、適正なドットマーキングが施されているか否かを判断する方法が考えられる。
【0011】
しかし、感光材料に対して可視光域の光を使用することは、感光材料の製品品質を損ねてしまうという問題がある。このために、レーザービームを用いて感光材料へドットマーキングを施したときに、マーキング結果の判定を行うためには、抜取り検査等に頼らざるを得ない状況となっている。
【0012】
しかしながら、抜取り検査では、マーキング結果の判定は、長尺の感光材料1本分のマーキングが終了した後であり、マーキング抜け等の不良を検出すると、多量の感光材料が無駄になってしまうという問題が生じてしまう。また、検査漏れが生じると、多量の不良品を生産してしまうことになるという問題が生じる。
【0013】
【特許文献1】
特公昭59−50434号
【特許文献2】
特開昭62−77195号公報
【特許文献3】
特開平10−305377号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、感光材料などの被印字体にレーザービーム(レーザー光)を照射してドットマーキングを行うときに、製品品質を損ねることなくマーキング状態を簡単にかつ的確に判定することができるマーキング判定方法及びマーキング判定装置を提案することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のマーキング判定方法は、被印字体を搬送しながらレーザー光を照射して、被印字体上の所定位置に形成したドットの配列によってマーキングパターンを形成するときのマーキング判定方法であって、赤外線センサを、前記レーザー光の照射位置よりも前記被印字体の搬送方向下流側で前記レーザー光が照射されることにより前記被印字体に形成される複数の前記ドットを検出可能に配置し、前記被印字体上から放出される赤外線量に応じた前記赤外線センサの出力と予め設定しているしきい値とを比較して、マーキングの適否を判定することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、被印字体にレーザー光を照射してドット配列のマーキングパターンを形成するとき、赤外線センサを用いて被印字体上から放出される赤外線を検出する。このとき、赤外線の検出領域を、レーザー光が照射されることにより被印字体上に形成される複数のドットが含まれるようにする。
【0017】
これにより、被印字体にドット配列を形成したときに、赤外線センサの応答性や検出制度にかかわらず、赤外線センサの出力が安定する。また、多量の赤外線を検出することができるので、赤外線センサの出力が大きくなり、高いS/N比が得られる。
【0018】
したがって、この赤外線センサの出力と、予め設定しているしきい値を比較することにより、適正なマーキングが行われているか否かを適正に判定することができる。
【0019】
このような本発明のマーキング判定方法においては、前記赤外線センサの前記被印字体上からの前記赤外線の検出領域に、前記被印字体上への前記レーザー光の照射位置を含むものであっても良い。これにより、被印字体上にマーキングパターンが形成されるときに、赤外線センサの出力が大きくなり、より的確なマーキング判定が可能となる。
【0020】
また、本発明のマーキング判定方法においては、前記被印字体上で前記マーキングパターンを形成するように設定されたマーキング領域で、前記赤外線センサの出力が前記しきい値に満たないときに、印字不良と判定すればよく、また、前記被印字体上で前記マーキングパターンを形成するように設定されたマーキング領域を外れた領域で、前記赤外線センサの出力が前記しきい値を越えたときに、誤印字と判定すれば良い。
【0021】
このような判定を行うときには、マーキング領域に対するしきい値と、マーキング領域を外れた非マーキング領域に対するしきい値を別々に設定し、マーキング状況に合わせてしきい値を切り替えるようにしても良く、これにより、より一層、的確なマーキング判定が可能となる。
【0022】
このような本発明が適用されるマーキング判定装置は、被印字体を搬送する搬送手段と、所定位置で前記搬送手段によって搬送される被印字体へレーザー光を照射してドットを形成可能なレーザー発振手段と、前記レーザー発振手段を制御して前記被印字体の所定位置にドット配列によるマーキングパターンを形成するレーザー制御手段と、を含むマーキング装置によって前記被印字体へのマーキングの適否を判定するマーキング判定装置であって、前記レーザー発振手段によって発振された前記レーザー光が前記被印字体上に照射されるレーザー照射位置よりも被印字体の搬送方向下流側でレーザー光が照射されることにより被印字体に形成される複数の前記ドットを検出可能に設けられた赤外線センサと、前記被印字体上から放出される赤外線の量に応じた前記赤外線センサの出力と、予め設定されているしきい値を比較することにより前記被印字体へのマーキングの適否を判定する判定手段と、を含むものであれば良い。
【0023】
また、本発明のマーキング判定装置は、前記赤外線センサの前記被印字体上からの前記赤外線の検出領域に、前記被印字体上への前記レーザー光の照射位置を含んでいることがより好ましい。
【0024】
このような本発明のマーキング判定装置においては、前記判定手段が、前記被印字体上で前記マーキングパターンを形成するように設定されたマーキング領域で、前記赤外線センサの出力が前記しきい値に満たないときに、印字不良と判定すればよく、また、前記判定手段が、前記被印字体上で前記マーキングパターンを形成するように設定されたマーキング領域を外れた領域で、前記赤外線センサの出力が前記しきい値を越えたときに、誤印字と判定すればよい。
【0025】
さらに、本発明のマーキング判定装置は、前記マーキング装置が、少なくとも前記被印字体へのレーザー光の照射開始を示すトリガー信号を出力するときに、前記判定手段が、前記トリガー信号に基づいてマーキングの適否を判定することを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、マーキング装置から出力されるトリガー信号に基づいて、赤外線センサの検出領域がマーキング領域であるか非マーキング領域であるかを判断する。このとき、少なくともマーキング開始を示すトリガー信号が入力されれば、マーキング領域及び非マーキング領域を判断可能となる。
【0027】
これにより、インラインで被印字体へのマーキングの適否を的確に判定することができる。
【0028】
このような本発明では、例えば、被印字体の搬送量をロータリーエンコーダ等によって検出しながら、判定手段の判定結果を合わせることにより、誤印字や印字不良の発生領域を特定することが可能となる。
【0029】
これにより、マーキング後に、該当領域を抜き出すようにすれば、マーキング装置の生産性を低下させることなく、被印字体の損失を抑えることが可能となる。
【0030】
このような本発明に適用される被印字体としては、特に、写真感光材料が好ましく、写真感光材料の製品品質を低下させることなく、適正なマーキングされた製品を生産することが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1には、本実施の形態に適用したマーキング装置10の概略構成を示している。このマーキング装置10では、被印字体として医療用写真感光材料の一種であるXレイフィルム12を適用しており、マーキング装置10では、このXレイフィルム12を搬送する過程で、Xレイフィルム12の表面にレーザービームLBを照射することにより、文字や記号等のマーキングパターンを形成する。
【0032】
図2に示すように、Xレイフィルム12は、支持体としてPET(ポリエチレンテレフタレート)を用いて形成したベース層14と、このベース層14の少なくとも一方の面に形成された乳剤層16と、を含んで構成された写真感光材料となっている。
【0033】
図1に示すように、Xレイフィルム12は、巻芯18にロール状に巻き取られた原反などとして、例えばスキッド20に巻芯18が軸支されて搭載された状態でマーキング装置10に装填される。マーキング装置10に装填されたXレイフィルム12は、例えば巻芯18の下方側で最外層から引出される。
【0034】
マーキング装置10には、スキッド20に隣接してパスロール22、24が上下に配置されている。最外層から引出されたXレイフィルム12は、下方側のパスロール22に巻き掛けられて上方側へ向かれた後、パスロール24に巻き掛けられることにより水平方向へ向けられる。
【0035】
パスロール24の搬送方向下流側(図1の矢印A方向側)には、小ロール26、28が対で配置され、この小ロール26、28の間にフィードロール30が配置されており、Xレイフィルム12は、小ロール26、28の間でメインフィードロール30に巻き掛けられる。なお、以下では、Xレイフィルム12の搬送方向を矢印A方向として示す。
【0036】
メインフィードロール30は、外周面に多数の小孔(図示省略)が形成されており、図示しない負圧源からこれらの小孔に供給される負圧によって、外周面に巻き掛けられるXレイフィルム12を吸着保持するサクションロールとなっている。また、メインフィードロール30は、図示しない駆動手段の駆動力によって回転駆動される。
【0037】
これにより、Xレイフィルム12は、メインフィードロール30に巻き掛けられることにより、メインフィードロール30の回転数に応じた移動速度(ライン速度)で搬送される。
【0038】
小ロール28の下流側には、プリントロール32が配置されており、小ロール28に巻き掛けられて水平方向へ送り出されたXレイフィルム12は、このプリントロール32に巻き掛けられる。
【0039】
プリントロール32の下方側には、パスロール34、36が配置されており、パスロール36の上方側には、サブフィードロール38が配置されている。
【0040】
プリントロール32に巻き掛けられることにより下方へ向けられたXレイフィルム12は、パスロール34、36に巻き掛けられた後、上方へ向けられてサブフィードロール38に巻き掛けられる。
【0041】
サブフィードロール38には、バックアップロール40が対向して配置されている。また、サブフィードロール38は、図示しない駆動手段の駆動力によって回転駆動される。これにより、Xレイフィルム12は、サブフィードロール38とバックアップロール40に挟持されて送り出される。
【0042】
サブフィードロール38からのXレイフィルム12の送り出し方向下流側には、反転ロール42が配置され、反転ロール42の略下方側には、巻芯44が設けられている。
【0043】
Xレイフィルム12は、反転ロール42に巻き掛けられた後に巻芯44に巻き付けられるようになっており、これにより、Xレイフィルム12は、巻芯44にロール状に巻き取られる。なお、プリントロール32を通過してから反転ロール42に達するまでの間にスリット刃を配置して、Xレイフィルム12を所定幅で裁断し、裁断したそれぞれのXレイフィルム12を別々の巻芯に巻き取るようにしても良い。
【0044】
一方、プリントロール32の近傍には、マーキングヘッド46が設けられている。マーキングヘッド46は、レーザー発振器48及びビーム偏向器50を備えており、レーザー発振器48によって発振したレーザー光をビーム偏向器50で偏向しながら、Xレイフィルム12へレーザービームLBとして照射する。
【0045】
本実施の形態では、レーザービームLBとしてCO2レーザーを用いており、レーザー発振器48は、パルス状の駆動信号に基づいて所定波長のCO2レーザーを発振する。
【0046】
ビーム偏向器50は、例えば、AOM(音響光学装置)を備えており、偏向信号が入力されることにより、この偏向信号に基づいて、レーザー発振器48によって発振したレーザービームLBを、Xレイフィルム12の搬送方向と直交する方向である幅方向に沿って走査する。なお、マーキングヘッド46では、ビーム偏向器50によって走査されるレーザービームLBを、集光レンズ等の図示しない光学系によってXレイフィルム12上で所定のスポット径の焦点を結ぶように結像させる。
【0047】
マーキング装置10には、レーザー駆動部54、マーキング制御部56及び巻取り制御部58が設けられている。
【0048】
レーザー駆動部54には、Xレイフィルム12に記録すべき文字や記号等のマーキングパターンに対応したパターン信号が入力される。なお、このパターン信号は、マーキング制御部58にあらかじめ入力されて記憶されているものであってもよく、また、巻取り制御部58から所定のタイミングでマーキング制御部56に入力されてもよく、さらに、マーキング装置10が接続している図示しない生産管理コンピュータなどの上位コンピュータ等から入力されるものであっても良い。
【0049】
レーザー駆動部54は、このパターン信号に基づいてレーザー発振器48へ駆動信号を出力してレーザー発振器48を駆動し、レーザービームLBを射出すると共に、ビーム偏向器50へ偏向信号を出力してレーザービームLBを偏向することにより、レーザービームLBをXレイフィルム12上に走査する。マーキング装置10では、Xレイフィルム12の移動方向を副走査方向とし、Xレイフィルム12の幅方向を主走査方向として、Xレイフィルム12上にレーザービームLBを走査しながら照射する。
【0050】
Xレイフィルム12は、レーザービームLBが照射されることにより、レーザービームLBのエネルギーを吸収する。これにより、図3に示すように、Xレイフィルム12には、乳剤層16の表面に対して例えば略凹状となるドット16Aが形成される。
【0051】
レーザー駆動部54では、このときのに、パターン信号に応じてレーザー発振器48のオン/オフ(発振/停止)を行うと共に、レーザービームLBを偏向する。これにより、Xレイフィルム12には、パターン信号に応じたドットパターンのマーキングパターンMPが形成される。
【0052】
なお、図3では、一例として5×5ドットの配列で複数のアルファベットを形成した例を示している。また、図3では、レーザービームLBによってXレイフィルム12上(乳剤層16)に形成されるドット16Aを黒塗りで示している。
【0053】
Xレイフィルム12は、乳剤層16がレーザービームLBの熱エネルギーを吸収して溶融する過程で、ドット16Aの内部に多数の微細な気泡が生じる。本実施の形態では、一例として、このときに乳剤層16に形成されるドット16Aの突量(例えば周囲の突量)を10μm以下、各気泡の大きさ(直径)を1μm〜5μmとするようにしている。
【0054】
Xレイフィルム12は、ドット16Aの内部に多数の気泡が形成されることで、これらの気泡間で多数の境界膜が形成されることになり、これらの境界膜によって光の乱反射が助長される。これにより、ドット16Aの内外で反射光量が大きく変化することで、Xレイフィルム12が未現像か現像済みか、あるいは濃度の濃淡にかかわらず、個々のドット16Aの認識、視認が可能となるようにすると共にドット16Aの視認性向上が図られるようにしている。
【0055】
このようなドット16Aを形成するためのレーザービームLBの照射時間は、レーザー発振器48の発振波長(レーザービームLBの波長)が、例えば9.3μm、9.6μmなどの9μm帯で1μsec〜15μsecの範囲となる。なお、レーザー発振器48の発振波長が例えば10.6μmなどの10μm帯のときには、レーザービームLBの照射時間を5μsec〜18μsecの範囲とすることにより上記したドット16Aを形成することが可能であるが、本実施の形態では、作業効率(マーキング効率)の向上を図るために、9μm帯の波長のレーザービームLBを発振するレーザー発振器48を用いている。
【0056】
一方、図1に示すように、マーキング装置10には、プリントロール32にロータリーエンコーダ(RE)60を取り付けている。このロータリーエンコーダ60は、プリントロール32の図示しない回転軸と一体に回転し、プリントロール32の回転角をパルス信号に変換して出力する。
【0057】
巻取り制御部58には、このロータリーエンコーダ60と共に、メインフィードロール30、サブフィードロール38及び巻芯44等を回転駆動する駆動手段などが接続しており、巻取り制御部58は、Xレイフィルム12をスキッド20から引出して、所定の移動速度(ライン速度)で搬送し、巻芯44にロール状に巻き取るようにしている。このときに、巻取り制御部58では、ロータリーエンコーダ60の出力するパルス信号からXレイフィルム12の移動速度を検出して、所定の移動速度でXレイフィルム12の搬送を行うようにしている。
【0058】
また、マーキング装置10には、例えばパスロール24、36等にウエブテンションピックアップ62が設けられており、巻取り制御部58は、これらのウエブテンションピックアップ62によって検出されるXレイフィルム12のテンションが一定となるようにメインフィードロール30、サブフィードロール38、巻芯44等の回転速度を制御して、Xレイフィルム12に弛みや必要以上に大きなテンションが生じるのを防止しながら、Xレイフィルム12の搬送及び巻芯44への巻取りを行うようにしている。
【0059】
さらに、マーキング装置10には、パスロール22、24の間にウエブエッジコントロールセンサ64が設けられており、巻取り制御部58は、このウエブエッジコントロールセンサ64によって、スキッド20から引出すXレイフィルム12の幅方向の位置を検出し、Xレイフィルム12の幅方向の端部が一定位置を通過するように巻芯18の位置(軸方向に沿った位置)を制御し、Xレイフィルム12の横ズレを防止するようにしている。
【0060】
また、巻取り制御部58は、図示しないセンサによって巻芯18の回転速度を検出し、巻芯18の回転速度とXレイフィルム12の移動速度から巻き径をXレイフィルム12の残量及び有無を判断し、Xレイフィルム12が無くなったと判断すると、Xレイフィルム12を減速、停止し、巻芯18から引出したXレイフィルム12の後端部に新たなXレイフィルム12の先端が接続されることにより、Xレイフィルム12の搬送を開始する。
【0061】
これにより、マーキング装置10では、複数の原反から引出したXレイフィルム12のそれぞれに連続してマーキング処理を施すようにしている。
【0062】
一方、マーキング制御部56にもロータリーエンコーダ60が接続しており、マーキング制御部56は、ロータリーエンコーダ60から出力されるパルス信号を読み込むことにより、Xレイフィルム12の移動量をカウントし、カウント値が予め設定された量に達する毎に、マーキングヘッド46によってXレイフィルム12にマーキングパターンMPを形成するように、レーザー駆動部54へパターン信号を出力する。
【0063】
すなわち、マーキング制御部56は、Xレイフィルム12の長手方向に沿って所定間隔でマーキングパターンMPを形成するようにレーザー駆動部54の作動タイミングを制御している。
【0064】
このように構成されているマーキング装置10では、スキッド20に搭載されているXレイフィルム12をスキッド20から引き出し、このXレイフィルム212を所定の移動速度で搬送しながらプリントロール32へ巻き掛け、この後に、巻芯44にロール状に巻き取る。
【0065】
このとき、マーキング装置10では、所定量のXレイフィルム12がプリントロール32を通過する毎に、マーキングヘッド46からレーザービームLBを走査しながら射出する。
【0066】
これにより、Xレイフィルム12に所定間隔でマーキングパターンMPを形成し、マーキングパターンMPを形成したXレイフィルム12を、巻芯44に巻き取るようにしている。
【0067】
ところで、図1及び図4に示すように、マーキング装置10には、プリントロール32の近傍に赤外線センサ66が設けられ、この赤外線センサ66がマーキング判定部68に接続して、マーキング判定器70を構成している。赤外線センサ66は、プリントロール32に巻きかけられるXレイフィルム12上の所定領域内から放出される赤外線(熱線)を検出して、検出した熱線の量に応じた電気信号(電圧)をマーキング判定部68へ出力する。すなわち、赤外線センサ66は、被測定物の表面温度を非接触で検出するのに用いられて温度センサとなっている。
【0068】
被測定物であるXレイフィルム12は、レーザービームLBが乳剤層16に照射されることにより、このレーザービームLBの熱エネルギーを吸収して乳剤層16ないしこの乳剤層16が設けられているベース層14に溶融が生じる。このときに、Xレイフィルム12では、レーザービームLBの照射位置に温度上昇が生じる。また、Xレイフィルム12は、上昇温度に応じてレーザービームLBの照射位置から赤外線を放出する。
【0069】
これにより、赤外線センサ66は、Xレイフィルム12の表面から放出される赤外線を吸収して、吸収した赤外線の量に応じた電圧vを、マーキング判定部68へ出力する。
【0070】
一方、図4及び図5に示すように、本実施の形態に適用したマーキング装置10では、一例として赤外線センサ66を、マーキングヘッド52よりもXレイフィルム12の搬送方向の下流側に、Xレイフィルム12の表面の垂直線に対して、所定の角度だけ傾斜させて配置している。また、赤外線センサ66は、Xレイフィルム12の表面上の所定範囲の領域から放出される赤外線を検出するようになっている。
【0071】
なお、本実施の形態では、このときの赤外線センサ66の傾斜角度を40°としているが、傾斜角度は、これに限るものではなく、マーキングヘッド46から射出されるレーザービームLBの影響を受けることなく、Xレイフィルム12の表面の所定領域から放出される赤外線を確実に検出可能であれば、任意の角度で傾斜させることができる。
【0072】
また、本実施の形態では、赤外線センサ66を、マーキングヘッド46に対してXレイフィルム12の搬送方向下流側に配置しているが、これに限らず、マーキングヘッド46の上流側に配置しても良い。
【0073】
図3及び図5に示すように、この赤外線センサ66は、Xレイフィルム12上の検出領域74が、レーザービームLBの照射位置である走査ライン72よりも、Xレイフィルム12の搬送方向下流側となっており、レーザービームLBが照射されることによりXレイフィルム12にドット16Aが形成されたときに、この検出領域74内には、複数のドット16Aが入るようになっている。
【0074】
なお、図3及び図5では、Xレイフィルム12上でレーザービームLBが走査される位置である走査ライン72を一点鎖線で示し、赤外線センサ66によるXレイフィルム12上の検出領域74を二点鎖線で示している。
【0075】
これにより、赤外線センサ66は、レーザービームLBの照射が終了することにより形成された複数のドット16Aのそれぞれから放出される赤外線を検出して、検出した赤外線の領域応じた電圧vを出力するようになっている。
【0076】
すなわち、レーザービームLBが照射されて形成されたドット16Aは、レーザービームLBの照射が終了すると、徐々に温度が低下するが、温度低下中でも赤外線を放出する。赤外線センサ66は、冷却途中のドット16Aから放出する赤外線も含めて検出するようにしている。
【0077】
また、赤外線センサ66の検出領域74内には、レーザービームLBの照射位置(走査ライン72)が含まれるようになっている。これにより、赤外線センサ66は、レーザービームLBの照射が終了したドット16Aから放出される赤外線のみならず、レーザービームLBが照射されることによる溶融中の乳剤層16ないしベース層14(ドット16A)から放出される赤外線を含めて検出し、検出した赤外線の量に応じた電圧vを出力する。
【0078】
本実施の形態では、一例として、直径が0.2mmのドット16Aを0.2mmピッチで形成し、赤外線センサ66のスポット径(半径)2.0mmとしており、この赤外線センサ66をの角度で傾斜させることにより、図3に示すように、Xレイフィルム12上の検出領域74が楕円状となる。
【0079】
図6(A)には、ライン速度を10m/minでXレイフィルム12を移動させたときに、レーザービームLBの照射位置(走査ライン72)であるマーキング中心に対する赤外線センサ66の検出領域74の中心(スポット中心)位置に応じた赤外線センサ66の出力(電圧v)を示している。なお、横軸は、マーキング中心に対するスポット中心の、Xレイフィルム12の搬送方向下流側へのズレ量を示している。
【0080】
このように、Xレイフィルム12上にドット16Aを形成するときに、ドット16Aから放出される赤外線を検出するためには、マーキング中心とスポット中心を一致させることが最も好ましいが、少なくともマーキング中心が検出領域74A内に入るように、赤外線センサ66のスポット中心を設定することにより、ドット16Aから放出される赤外線を検出することができる。
【0081】
一方、図6(B)には、赤外線センサ66のスポット中心を、マーキング中心に対してXレイフィルム12を搬送方向下流側に移動させたときの、ライン速度に応じた赤外線センサ66の出力する電圧vの測定値を示している。なお、横軸のマイナス(−)側は、マーキング位置よりも上流側を示している。また、マーキング装置10では、Xレイフィルム12を0〜200m/minの搬送速度で搬送しながらマーキング可能となっているが、ライン速度の一例として、10m/min(菱形マーク)、50m/min(矩形マーク)、100m/min(三角マーク)及び150m/min(円形マーク)を選択して変化させている。
【0082】
図6(B)に示すように、スポット位置をXレイフィルム12の搬送方向上流側へ移動させたときには、ドット16Aから放出される熱を効率的に検出することができなくなるために、赤外線センサ66の出力が大きく低下するが、スポット位置を、Xレイフィルム12の搬送方向上流側にわずかにずらすことにより、安定した出力が得られる。
【0083】
ここから、2.0mmのスポット径に対して、マーキング位置に対するスポット位置のズレを、マーキング位置よりもXレイフィルム12の搬送方向の下流側へ1mmから3mmの範囲とすることにより、Xレイフィルム12の搬送速度にかかわらず、赤外線センサ66から比較的大きな出力が得られる。
【0084】
また、マーキング位置を通過した加工済みを含む複数のドット16Aから放出される赤外線を検出することにより、赤外線センサ66から安定した大きな出力を得ることができる。これと共に、赤外線センサ66の出力が大きく(高くなる)ことにより、赤外線センサ66の出力信号のS/N比が向上することになる。
【0085】
図6(C)には、赤外線センサ66を、Xレイフィルム12の搬送方向の下流側に配置した時と、赤外線センサ66をXレイフィルム12の搬送方向と直交する方向に配置して、所定の角度(40°)に傾斜させたときの、Xレイフィルム12上のスポット中心から赤外線センサ66の距離である照準距離に応じた赤外線センサ66の出力の測定結果を示している。なお、この測定は、ライン速度を10m/minとして、標準照準距離が90mmの赤外線センサ66を用いている。
【0086】
この測定結果が示すように、赤外線センサ66をXレイフィルム12の搬送方向下流側に配置することにより、照準距離が長くなっても出力が大きく低下してしまうことがない。
【0087】
一方、マーキング装置10での生産性の向上を図るためには、Xレイフィルム12のライン速度を高くする必要があるが、このときに、Xレイフィルム12から放出される赤外線を用いて、Xレイフィルム12に形成したマーキングパターンMPの適否を適正に判定するためには、応答性が極めて高くかつ高感度の赤外線センサを用いる必要があるが、このためには、装置の大型化や高コスト化が必要となる。
【0088】
図7(A)及び図7(B)には、上記構成の赤外線センサ66を用いて、Xレイフィルム12にマーキングパターンMPを形成した時の、赤外線センサ66の出力電圧の変化を示している。
【0089】
このとき、図7(A)は、Xレイフィルム12のライン速度を0m/minに近い速度に設定したとの赤外線センサ66の出力を示し、図7(B)は、ライン速度を150m/minとしたときの出力を示しており、ライン速度が低い時には、マーキングパターンMPのドット配列に応じて赤外線センサ66の出力が変化する。また、ライン速度が速い場合でも、マーキングパターンMPに応じた出力変化が得られる。
【0090】
すなわち、応答性及び検出感度から、単にレーザービームLBが照射されることにより溶融しているドット16Aを検出することが実質的に困難な赤外線センサ66を用いて、マーキングパターンMPに応じた出力を得られるようにしている。
【0091】
一方、図4に示すように、マーキング制御部56は、プリントロール32の回転角に応じたパルス信号を出力するロータリーエンコーダ60が接続している。マーキング制御部56は、ロータリーエンコーダ60から入力されるパルス信号をカウントして、Xレイフィルム12の移動量を積算し、積算値であるXレイフィルム12の移動量が所定量に達するごとにマーキングヘッド46を作動させてマーキングを行うようにパターン信号を出力する。
【0092】
また、マーキング制御部56は、レーザー駆動部54が駆動信号Osと偏向信号Psの出力を開始するタイミングで、マーキング開始を示すトリガー信号Tgsをマーキング判定部68へ出力し、1パターンのマーキングが終了して、レーザー駆動部54が駆動信号Os及び偏向信号Psの出力を停止するタイミングで、マーキング終了を示すトリガー信号Tgeをマーキング判定部68へ出力するようになっている。
【0093】
すなわち、マーキング判定部68には、Xレイフィルム12の移動速度にかからず、Xレイフィルム12の移動量が予め設定された量に達する毎にトリガー信号Tgsが入力され、また、レーザービームLBの走査が終了するタイミングに基づいてトリガー信号Tgeが入力される。
【0094】
これにより、マーキング判定部68では、トリガー信号Tgs、TgeからXレイフィルム12へのマーキング中であるか否かの確認が可能となっている。なお、マーキング中であるか否かの判定は、少なくともトリガー信号Tgsを用いて判断することができるので、少なくともトリガー信号Tgsが入力されるものであれば良い。
【0095】
一方、マーキング判定部68には、赤外線センサ66から入力される電圧vに対するしきい値が設定されており、マーキング判定部68は、このしきい値と電圧vを比較することにより、適正なマーキングがなされているか否かを判定する。
【0096】
ここで、まず、図8に示すフローチャートに沿ってマーキング判定部68でのマーキング判定処理を説明する。
【0097】
このフローチャートは、例えばマーキング装置10でXレイフィルム12の搬送処理を開始することにより実行され、マーキングパターンMPの印字エラーが検出されない状態でXレイフィルム12の搬送(マーキング装置10でのXレイフィルム12のマーキング処理)を停止することにより終了する。なお、判定結果は、マーキング開始タイミングを示すトリガー信号Tgsのオンされるタイミングで出力するようにしている。
【0098】
このフローチャートでは、所定の時間間隔で赤外線センサ66から出力される電圧vを読み込む(ステップ100)。この時間は、例えば赤外線センサ66の応答時間に基づいて設定されており、応答性の高いセンサでは短くなり、応答性の低いセンサでは長くなる。
【0099】
また、マーキング判定部68には、赤外線センサ66の応答性と精度、Xレイフィルム12に形成するマーキングパターンMP、検出領域74内のドット16Aの数等に基づいて予め設定されたしきい値Thが記憶されている。
【0100】
このしきい値Thは、例えば、Xレイフィルム12に適正なマーキングパターンMPを形成したときに、赤外線センサ66が出力する電圧vに基づいて設定されている。すなわち、赤外線センサ66の応答時間内での、検出領域74内のドット16Aの数(通過するドット16Aを含む)、それぞれのドット16Aから放出される赤外線の量等に基づいてしきい値Thを設定することができる。
【0101】
次のステップ102では、読み込んだ電圧vが、このしきい値Thに達しているか否かを判断し、電圧vがしきい値Thに達しているか又は、電圧vがしきい値Thを越えているときには、ステップ102で肯定判定して、ステップ104へ移行し、判定フラグFをセットする(F=1)。なお、この判定フラグFは、このフローチャートの実行に先立ってリセットされている。
【0102】
これにより、Xレイフィルム12にレーザービームLBが照射されてマーキングパターンMPを構成する複数のドット16Aが形成され、赤外線センサ66の出力する電圧vがしきい値Thに達した時には、判定フラグFがセットされる。また、レーザービームLBが射出されないか、レーザービームLBの出力が低下するなどしてXレイフィルム12に適正なドット16Aが形成されないときには、判定フラグFがリセット状態(F=0)となる。
【0103】
このようにして赤外線センサ66の出力する電圧vを確認しながら、次のステップ106では、マーキング制御部58からマーキングパターンMPを形成するためのレーザービームLBの走査開始を示すトリガー信号Tgsが入力されたか否かを確認し、ステップ108では、ひとつのマーキングパターンMPの形成(印字)が終了して、レーザービームLBの照射を終了したことを示すトリガー信号Tgeが入力されたか否かを確認する。
【0104】
ここで、マーキング制御部58からトリガー信号Tgsが入力されると、ステップ106で肯定判定してステップ110へ移行する。このステップ110では、判定フラグFの状態からトリガー信号Tgsが入力されるまでの間で、赤外線センサ66の出力がしきい値Thを越えたか否かを確認し、判定フラグFがリセット状態(F=0)であれば、ステップ110で否定判定して、ステップ100へ移行し、新たな赤外線センサ66からの出力の読み込みを開始する。
【0105】
また、トリガー信号Tgeが入力された時には、ステップ108で肯定判定してステップ112へ移行する。このステップ112では、判定フラグFがセット状態(F=1)であると肯定判定して、ステップ114へ移行し、判定フラグFをリセットした後に、新たにステップ100からの処理を開始する。
【0106】
すなわち、マーキング装置10では、マーキング制御部58からトリガー信号Tgsが出力された後、トリガー信号Tgeが出力されるまでの間に、Xレイフィルム12へレーザービームLBを走査しながら照射してマーキングパターンMPを形成する。
【0107】
ここから、図9(A)に示すように、Xレイフィルム12に適正なマーキングが行われているとき、トリガー信号Tgeが入力されてからトリガー信号Tgsが入力されるまでの間では、非印字領域であり赤外線センサ66の出力が、しきい値Thを越えることがなく、判定フラグFは、リセット状態に保持される。また、トリガー信号Tgsが入力されてからトリガー信号Tgeが入力されるまでの間では、判定フラグFがセット状態(F=1)となる。
【0108】
これに対して、例えば、マーキング制御部56からマーキング信号Msが出力されたにもかかわらず、レーザー駆動部54が作動しなかったり、レーザー駆動部54から駆動信号Os及び偏向信号Psが出力されたにもかかわらずレーザーヘッド46が駆動しないことがある。
【0109】
このときには、図9(B)に示すように、トリガー信号Tgsが入力された後の赤外線センサ66の出力がしきい値Thに達せず、判定フラグFがリセット状態となる。
【0110】
これにより、図8のフローチャートでは、ステップ112で否定判定して、ステップ116へ移行する。このステップ116では、印字不良が発生したと判断して、印字エラーを出力する。なお、印字エラーの出力タイミングは、前記したごとく、次のトリガー信号Tgsがオンするタイミングとしている(図9(B)参照)。
【0111】
また、ノイズ等が原因となってレーザー駆動部54が駆動信号Osを出力したり、駆動信号Osと偏向信号Psを出力してマーキングヘッド46を駆動させてしまったり、駆動信号Osが入力されていないにもかからずマーキングヘッド46からレーザービームLBがXレイフィルム12へ向けて射出されてしまうことがある。
【0112】
このときには、図9(C)に示すように、トリガー信号Tgeが入力された後の赤外線センサ66の出力がしきい値Thを越えてしまい、判定フラッグFがセット状態となる。
【0113】
これにより、図8のフローチャートでは、ステップ110で肯定判定して、ステップ118へ移行する。このステップ118では、非印字領域に印字された誤印字が発生したとして、次にトリガー信号Tgsがオンするタイミングで印字エラーを出力する(図9(C)参照)。
【0114】
このように、マーキング判定部68では、赤外線センサ66を用いるときに、赤外線センサ66の検出領域74を、レーザービームLBの照射位置である走査ライン72よりもXレイフィルム12の搬送方向下流側で、複数のドット16Aが含まれるようにすることにより、赤外線センサ66の応答性や検出精度にかかわらず、Xレイフィルム12への誤印字や印字不良等を確実に検出することができる。
【0115】
このときに、赤外線センサ66の検出領域74内に、レーザービームLBの照射位置である走査ライン72が含まれることにより、誤印字や印字不良をより高精度で確実に検出することができる。
【0116】
一方、マーキング装置10では、印字エラーが検出されることにより、例えば、Xレイフィルム12の搬送を停止するなどして、印字エラーが生じた状態で、Xレイフィルム12に対するマーキング処理を中断する。
【0117】
これにより、印字エラーが生じたXレイフィルムを生産してしまうことによる損失を防止することができる。
【0118】
また、マーキング制御部58で、Xレイフィルム12の搬送量を計測していることから、マーキング判定部68から印字エラーの判定が入力されたときに、印字エラーの発生した領域を特定し、このXレイフィルム12に対するマーキング処理後や、マーキング処理したXレイフィルム12に対する新たな処理を行うときに、該当部分の抜き取りを行うようにしても良い。
【0119】
このようなときには、Xレイフィルム12に対するマーキング処理を中断する必要がなくなるので、Xレイフィルム12の生産性を低下させることなく、印字エラーが生じた領域が製品化されてしまうのを確実に防止することができる。
【0120】
一方、本実施の形態では、誤印字や印字不良の発生を検出するようにしたが、赤外線センサ66の応答性や検出精度の向上が図られることにより、検出領域74を狭めることができる。これと共に、Xレイフィルム12に形成したドットパターンに応じてしきい値Thを適切に設定することにより、Xレイフィルム12に所定の文字や記号が適切に形成されたか否かの判断も可能となる。
【0121】
また、印字領域内にマーキングパターンを形成するときに、ドット抜け等の印字不良が発生したか否かを検出するときには、マーキングパターンMPとなる個々の文字や記号などのドットパターンに応じてしきい値Thを高くすることが好ましく、また、非印字領域に文字やドットやドットパターンが形成される誤印字を検出するときには、しきい値Thが低いことが好ましい。
【0122】
ここから、非印字領域と印字領域で異なるしきい値Thを設定し、非印字領域と印字領域でしきい値Thを切り替えて印字エラーの判定を行うようにしても良い。
【0123】
図10には、このときの印字エラーの判定処理の概略を示している。なお、図10では、印字領域に対するしきい値Thをしきい値Th1とし、非印字領域に対するしきい値Thをしきい値Th2(ただし、Th1>Th2)としている。また、このフローチャートにおいても、印字エラーを出力刷るタイミングを、トリガー信号Tgsのオンタイミングに合わせるようにすることができる。
【0124】
このフローチャートでは、最初のステップ120で、赤外線センサ66から出力される電圧vを読み込み、次のステップ122では、読み込んだ電圧vと非印字領域に対して設定されているしきい値Th2を比較し、ステップ124で電圧vがしきい値Th2を越えているか否かを確認する。
【0125】
電圧vがしきい値Th2を越えていないときには、ステップ124で否定判定してステップ126へ移行し、トリガー信号Tgsが入力されたか否かを確認する。
【0126】
これにより、トリガー信号Tgsが入力されるとステップ126で肯定判定してステップ128へ移行し、赤外線センサ66から出力される電圧vを読み込む。この後、ステップ130では、この電圧vと印字領域に対して設定されているしきい値Th1を比較し、ステップ132では、電圧vがしきい値Th1を越えているかを確認する。このときに、電圧vがしきい値Th1を越えているときには、ステップ132で肯定判定してステップ134へ移行し、トリガー信号Tgeが入力されたか否かを確認し、トリガー信号Tgeが入力されることにより、ステップ134で肯定判定してステップ120へ戻るようにする。
【0127】
ここで、非印字領域において、赤外線センサ66の出力する電圧vがしきい値Th2を越えてしまったときには、ステップ124で肯定判定してステップ118へ移行し、印字エラー(誤印字)の発生を出力する。
【0128】
このときに、しきい値Th2を低く設定することにより、例えば単発的にレーザー発振器48が作動してひとつないし小数のドット16Aが形成されてしまったときにも、この誤印字を確実に検出することができる。
【0129】
また、印字領域において、一つないし少数(複数)のドット16Aが欠落した時には、赤外線センサ66から出力される電圧vが低下する。これにより、電圧vがしきい値Th1に達しなくなることによりステップ132で否定判定されると、ステップ116へ移行し、印字不良の印字エラーを出力することができる。
【0130】
このように印字領域と非印字領域とでしきい値Th(しきい値Th1、Th2)を切り替えることにより、より確実な印字エラーの発生を検出することが可能となる。
【0131】
また、図6(B)に示すように、Xレイフィルム12の搬送速度にかかわらず、赤外線センサ66が安定した出力となるので、例えば、多数本のXレイフィルム12を連続して処理するために、処理中のXレイフィルム12に新たなXレイフィルム12を接続するとき、Xレイフィルム12の搬送速度が低下したり、搬送を停止するようにしても、印字エラーの的確な検出が可能となる。
【0132】
なお、本実施の形態では、Xレイフィルム12の搬送方向下流側に赤外線センサ66を配置して説明したが、図11(A)に示すように、Xレイフィルム12の幅方向側に赤外線センサ66を配置するようにしても良い。
【0133】
このときには、図11(B)に示すように、赤外線センサ66の検出領域74Aは、マーキングパターンMPの印字方向とは直交する方向が長軸方向となる楕円状となる。
【0134】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の一例を示すものであり、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、しきい値Thを予めマーキング判定部68に記憶させているが、これに限らず、Xレイフィルム12に形成するドットパターン(パーキングパターンMP)のパターン信号に合わせて設定されたしきい値Thが入力されるものであっても良く、また、マーキング装置10の作動状況に応じてオペレータ等が図示しないキー操作によって入力するものであってもよい。
【0135】
また、図8及び図9のフローチャートでは、印字領域と非印領域をトリガー信号Tgs、Tgeに基づいて切り替えるようにしたが、これに限らず、トリガー信号TgsとマーキングパターンMPの印字時間に基づいて、印字領域と非品時領域を判断するようにしても良く、これにより、少なくとも、トリガー信号Tgsのみを用いた適正な判定が可能となる。
【0136】
また、本実施の形態では、トリガー信号Tgsがオンするタイミングで判定結果(印字エラー)を出力するようにしたが、判定結果は任意のタイミングで出力するものであればよい。
【0137】
さらに、本実施の形態では、赤外線センサ66の検出領域74に走査ライン72を含むようにしたが、赤外線センサ66の検出領域74は、少なくとも走査ライン72よりもXレイフィルム12の搬送方向下流側で、複数のドット16Aが含まれるものであれば良い。
【0138】
また、本実施の形態では。Xレイフィルム12に最適なドット16Aを形成するために、CO2レーザーを用いたが、これに限らず、各種の半導体レーザー等の任意のレーザー光を用いることができる。
【0139】
なお、本実施の形態では、医療用感光材料であるXレイフィルム12へのマーキングを例に説明したが、これに限らず任意の構成及び用途の写真感光材料へのマーキングに適用することができる。また、本発明は、写真感光材料に限らず、任意のシート体を被印字体としたマーキングに適用することができる。
【0140】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、赤外線センサによってレーザー照射位置よりも被印字体の搬送方向下流側で、レーザー光が照射されることにより被印字体に形成された複数のドットのそれぞれから放出される赤外線を検出できるようにする。
【0141】
これにより、赤外線センサの応答性や検出精度にかかわらず、的確なマーキング判定が可能となるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用したマーキング装置の概略構成図である。
【図2】本実施の形態に感光材料として適用したXレイフィルム12の概略構成図である。
【図3】Xレイフィルムに形成するマーキングパターンと赤外線センサの検出領域の一例を示す概略図である。
【図4】Xレイフィルムへのマーキングとマーキング結果の判定を示すマーキング装置の要部の概略構成図である。
【図5】プリントロール近傍の要部の概略斜視図である。
【図6】(A)はマーキング位置に対する赤外線センサのスポット中心位置のズレに応じた出力電圧を示す概略図、(B)はマーキン位置に対するXレイフィルムの搬送方向に沿ったスポット位置におけるライン速度に応じた出力電圧を示す概略図、(C)は照準距離の変化に対する赤外線センサの出力電圧を示す概略図である。
【図7】(A)及び(B)はXレイフィルムのライン速度に応じた赤外線センサの出力電圧の変化を示す線図である。
【図8】赤外線センサを用いたマーキング判定の一例を示す流れ図である。
【図9】トリガー信号Tgs及びTgeに応じた赤外線センサの出力電圧と印字エラー判定の概略を示すタイミングチャートであり、(A)は正常状態を示し、(B)は印字不良の一例を示し、(C)は誤印字の一例を示している。
【図10】マーキング判定の他の一例を示す流れ図である。
【図11】(A)は赤外線センサの配置の他の一例を示すプリントロール近傍の概略図、(B)は(A)の配置におけるXレイフィルム上の検出領域を示す概略図である。
【符号の説明】
10 マーキング装置
12 Xレイフィルム(感光材料、被印字体)
16 乳剤層
16A ドット
32 プリントロール
46 マーキングヘッド(レーザー発振手段)
48 レーザー発振器(レーザー発振手段)
54 レーザー駆動部
56 マーキング制御部
58 巻取り制御部
60 ロータリーエンコーダ
66 赤外線センサ
68 マーキング判定部(判定手段)
70 マーキング判定器
72 走査ライン
74 検出領域
MP マーキングパターン
LB レーザービーム(レーザー光)
Claims (9)
- 被印字体を搬送しながらレーザー光を照射して、被印字体上の所定位置に形成したドットの配列によってマーキングパターンを形成するときのマーキング判定方法であって、
赤外線センサを、前記レーザー光の照射位置よりも前記被印字体の搬送方向下流側で前記レーザー光が照射されることにより前記被印字体に形成される複数の前記ドットを検出可能に配置し、
前記被印字体上から放出される赤外線量に応じた前記赤外線センサの出力と予め設定しているしきい値とを比較して、マーキングの適否を判定することを特徴とするマーキング判定方法。 - 前記赤外線センサの前記被印字体上からの前記赤外線の検出領域に、前記被印字体上への前記レーザー光の照射位置を含むことを特徴とする請求項1に記載のマーキング判定方法。
- 前記被印字体上で前記マーキングパターンを形成するように設定されたマーキング領域で、前記赤外線センサの出力が前記しきい値に満たないときに、印字不良と判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマーキング判定方法。
- 前記被印字体上で前記マーキングパターンを形成するように設定されたマーキング領域を外れた領域で、前記赤外線センサの出力が前記しきい値を越えたときに、誤印字と判定することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のマーキング判定方法。
- 被印字体を搬送する搬送手段と、所定位置で前記搬送手段によって搬送される被印字体へレーザー光を照射してドットを形成可能なレーザー発振手段と、前記レーザー発振手段を制御して前記被印字体の所定位置にドット配列によるマーキングパターンを形成するレーザー制御手段と、を含むマーキング装置によって前記被印字体へのマーキングの適否を判定するマーキング判定装置であって、
前記レーザー発振手段によって発振された前記レーザー光が前記被印字体上に照射されるレーザー照射位置よりも被印字体の搬送方向下流側でレーザー光が照射されることにより被印字体に形成される複数の前記ドットを検出可能に設けられた赤外線センサと、
前記被印字体上から放出される赤外線の量に応じた前記赤外線センサの出力と、予め設定されているしきい値を比較することにより前記被印字体へのマーキングの適否を判定する判定手段と、
を含むことを特徴とするマーキング判定装置。 - 前記赤外線センサの前記被印字体上からの前記赤外線の検出領域に、前記被印字体上への前記レーザー光の照射位置を含んでいることを特徴とする請求項5に記載のマーキング判定装置。
- 前記判定手段が、前記被印字体上で前記マーキングパターンを形成するように設定されたマーキング領域で、前記赤外線センサの出力が前記しきい値に満たないときに、印字不良と判定することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のマーキング判定装置。
- 前記判定手段が、前記被印字体上で前記マーキングパターンを形成するように設定されたマーキング領域を外れた領域で、前記赤外線センサの出力が前記しきい値を越えたときに、誤印字と判定することを特徴とする請求項5から請求項7の何れか1項に記載のマーキング判定装置。
- 前記マーキング装置が、少なくとも前記被印字体へのレーザー光の照射開始を示すトリガー信号を出力するときに、前記判定手段が、前記トリガー信号に基づいてマーキングの適否を判定することを特徴とする請求項5から請求項8の何れか1項に記載のマーキング判定装置。
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