JP2004346792A - 燃料蒸散防止装置の異常検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パージ通路に設けられたキャニスタ9、パージ制御弁10と、運転状態に応じてパージ制御弁10を開閉する制御手段20と、吸気管圧力Pbを検出する手段18と、大気圧PAを検出する手段と、燃料温度TT、タンク内温度TTNおよび外気温度TGの少なくとも1つを検出する手段と、燃料タンク内圧力Ptを検出する手段19と、異常判定条件成立時に吸気管圧力Pbに応じてパージ量を調整する手段と、異常判定条件成立時での燃料タンク内圧力Ptに基づいて異常を検出する手段と、燃料温度TT、タンク内温度TTNおよび外気温度TGの少なくとも1つを比較基準値と比較して大きい場合に異常判定条件を不成立とする異常判定条件検出手段20とを含む。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関において燃料タンク内で発生する燃料ガスの蒸散を防止する燃料蒸散防止装置に関し、特に燃料ガスの漏洩などの異常を検出するための燃料蒸散防止装置の異常検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車などの内燃機関においては、燃料タンク内で発生する燃料ガスが大気中へ放出されるのを防止するために、燃料蒸散防止装置の装着が義務付けられている。
【0003】
従来、この種の燃料蒸散防止装置は、内燃機関の運転状態(回転速度および負荷状態など)を検出するセンサ手段と、内燃機関に燃料を供給する燃料タンクと内燃機関の吸気管との間を連通するパージ通路と、パージ通路の途中に設けられたキャニスタとを備えている。
【0004】
また、燃料タンク内で発生した燃料ガスを吸着するキャニスタは、大気側に開放された大気口を有し、キャニスタと吸気管との途中には、パージ制御弁が設けられている。キャニスタ内の吸着体は、燃料タンクと吸気管とを連通するパージ通路の途中において燃料ガスを随時吸着する。
【0005】
さらに、燃料蒸散防止装置は、キャニスタ内の吸着体の飽和を防止して機能を維持させるため、内燃機関の運転状態に応じてパージ制御弁を開閉制御する燃料蒸散防止制御手段(マイクロコンピュータからなる)を有する。
【0006】
燃料蒸散防止制御手段は、内燃機関の運転状態に応じてパージ制御弁を開閉し、キャニスタに吸着された燃料ガスを吸気管内に適宜排出、導入して、空気と燃料の混合気中に混入させることにより、燃料の蒸散を防止するようになっている。
【0007】
通常、このような燃料蒸散防止装置において、燃料タンク内圧力に基づいてキャニスタの大気口の閉塞、パージ制御弁の開放不能、吸気管側パージ通路の破損などの燃料蒸散防止装置の異常を検出する異常検出装置が設けられている(例えば特許文献1参照)。
【0008】
この燃料蒸散防止装置の異常を検出する異常検出装置によれば、燃料タンクで発生し、キャニスタに吸着され、パージバルブの開制御により吸気管に流れ込む燃料ガス濃度により、燃料蒸散防止装置のリーク異常検出を禁止するようにし、異常検出の精度を高めるようになっている。
【0009】
しかしながら、燃料ガス濃度は異常判定を行う以前のパージバルブの開制御によりキャニスタから吸気管に導入されるパージエア量と、空燃比フィードバック信号を含む運転状態とに基づいてパージエア燃料ガスの濃度を検出しているので、パージバルブを閉じてタンクを密閉状態とし異常判定を行っている工程での燃料ガス濃度の変化による燃料タンク内圧力へ影響が考慮されず、異常検出性能の悪化や誤検出を招くおそれがある。
【0010】
また、燃料タンク内での燃料蒸散の発生し易さは、同じ燃料温度、タンク内温度、外気温度であっても大気圧の影響によって異なるため、異常検出性能の悪化や誤検出を招くおそれがある。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−357163号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の燃料蒸散防止装置の異常検出装置は、パージバルブを閉じてタンクを密閉状態とし異常判定を行っている工程での燃料タンク内圧力へ影響が考慮されていないので、各種環境条件の違いなどによって異常検出性が悪化してしまい、結局、正確に異常検出することができないという問題点があった。
【0013】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、異常判定を行っている工程での異常判定条件の成立を判定するための燃料温度、前記タンク内温度、前記外気温度の少なくとも1つの禁止条件判定値を設定することにより、信頼性を向上させた燃料蒸散防止装置の異常検出装置を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る燃料蒸散防止装置の異常検出装置は、内燃機関の運転状態を検出するセンサ手段と、前記内燃機関に燃料を供給する燃料タンクと前記内燃機関の吸気管との間を連通するパージ通路の途中に設けられて、前記燃料タンク内で発生した燃料ガスを吸着するキャニスタと、前記キャニスタに設けられて大気側に開放された大気口と、前記キャニスタと前記吸気管との途中に設けられたパージ制御弁と、前記内燃機関の運転状態に応じて前記パージ制御弁を開閉制御し、前記キャニスタに吸着された燃料ガスを前記吸気管内に適宜導入して燃料の蒸散を防止する燃料蒸散防止制御手段とからなる燃料蒸散防止装置の異常を検出するための異常検出装置であって、前記センサ手段は、前記内燃機関の負荷状態として吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段あるいは吸気管圧力を検出する吸気管圧力検出手段および大気圧を検出する大気圧検出手段を含むとともに、外気温度を検出する外気温度検出手段と、前記燃料タンク内の燃料温度を検出する燃料温度検出手段と、前記燃料タンク内のガス温度を検出するタンク内温度検出手段との少なくとも1つと、前記燃料タンク内の圧力を燃料タンク内圧力として検出する燃料タンク内圧力検出手段を含み、前記燃料蒸散防止制御手段は、前記大気口を閉塞する大気口閉塞手段と、前記パージ制御弁および前記大気口の両方を閉塞して前記燃料蒸散防止装置の全体を密閉状態にする密閉化手段と、前記内燃機関の運転状態に基づいて前記燃料蒸散防止装置の異常判定条件の成立を検出する異常判定条件検出手段と、前記異常判定条件の成立時に前記吸気管圧力に応じて前記パージ制御弁の開閉量を制御してパージ量を調整するパージ量調整手段と、前記異常判定条件の成立時での前記燃料タンク内圧力に基づいて前記燃料蒸散防止装置の異常を検出する異常検出手段とを有し、前記異常判定条件検出手段は、前記燃料温度、前記タンク内温度、前記外気温度の少なくとも1つの検出値に応じて異常判定を禁止する条件成立制限手段を含むことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1による燃料蒸散防止装置の異常検出装置を示すブロック構成図である。図1において、エアクリーナ1を介して吸入された空気は、エアフローセンサ2、スロットルバルブ3およびサージタンク4を有する吸気管5を介して、内燃機関の本体を構成するエンジン6の各気筒に吸入される。
【0016】
エアフローセンサ2は、吸気管5を通過してエンジン6に供給される吸入空気量を測定し、測定結果は電子制御ユニット(以下、「ECU」という)20に出力される。スロットルバルブ3は、運転者によるアクセルペダル(図示せず)の操作量に応じて、エンジン6への吸気量を調節する。
【0017】
また、吸気管5にはインジェクタ7が設けられており、インジェクタ7は、吸気管5内に燃料を噴射する。また、吸気管5には、各種のセンサ手段と関連した燃料蒸散防止装置を介して、エンジン6に燃料を供給するための燃料タンク8が連通されている。
【0018】
センサ手段は、エンジン6の運転状態(エンジン回転速度:回転数Ne、および、負荷状態:充填効率Ecなど)を検出するために、エアフローセンサ2、スロットル開度センサ12、吸気温度センサ13、水温センサ14、空燃比センサ(O2センサ)16、クランク角センサ17、吸気管圧力センサ18、燃料タンク内圧力センサ19、燃料レベルゲージ27、車速センサ29、大気圧センサ30、外気温度センサ31、燃料温度センサ32およびタンク内温度センサ33を含む。
【0019】
スロットル開度センサ12は、スロットルバルブ3の回転軸に設けられて、スロットル開度を検出し、吸気温度センサ13は、吸気管5に設けられて、吸気温度を検出し、水温センサ14は、エンジン6の冷却水温度を検出し、空燃比センサ16は、エンジン6の排気管15に設けられて、空燃比フィードバック信号を生成する。
【0020】
クランク角センサ17は、エンジン6の回転速度(回転数Ne)に対応したクランク角信号を生成し、吸気管圧力センサ18は、吸気管5のサージタンク4に設けられて、吸気管5内の吸気管圧力Pbを検出する。燃料タンク内圧力センサ19は、燃料タンク8に設けられて、燃料タンク内圧力Ptを検出し、燃料レベルゲージ27は、燃料タンク8内の燃料レベルLtを検出する。
【0021】
車速センサ29は、エンジン6を搭載した車両28の車軸付近に設けられて、車速を検出する。大気圧センサ30は、外気の圧力を大気圧PAとして検出し、外気温度センサ31は、外気温度TGを検出し、燃料温度センサ32は、燃料タンク8内の燃料温度TTを検出し、タンク内温度センサ33は、燃料タンク8内の温度TTNを検出する。上記センサ手段の各検出情報は、運転状態を示す情報としてECU20に出力される。
【0022】
燃料蒸散防止装置は、パージ通路に設けられたキャニスタ9と、キャニスタ9と吸気管5との途中に設けられたパージ制御弁10と、パージ制御弁10を開閉制御して燃料の蒸散を防止する燃料蒸散防止制御手段(ECU20に含まれる)とにより構成される。
【0023】
パージ通路は、燃料タンク8と吸気管5との間を連通する。キャニスタ9は、吸着体としての活性炭を内蔵しており、パージ通路の途中に設けられて、燃料タンク8内で発生した燃料ガスを吸着する。キャニスタ9には、大気口11が設けられており、大気口11は、大気口制御弁26を介して大気側に開放されている。大気口制御弁26は、ECU20と関連した大気口閉塞手段を構成しており、ECU20の制御下で大気口11を開閉制御する。
【0024】
また、ECU20内の燃料蒸散防止制御手段は、エンジン6の運転状態に応じてパージ制御弁10を開閉制御し、キャニスタ9に吸着された燃料ガスを吸気管5内に適宜導入して燃料の蒸散を防止する。すなわち、燃料蒸散防止制御手段は、エンジン6の運転状態に応じて定まるパージ弁制御量(パージ量に対応したデューティ制御量)によりパージ制御弁10を開弁し、キャニスタ9に吸着された燃料ガスを、吸気管5内の負圧により吸気管5内にパージさせる。
【0025】
このとき、大気口制御弁26および大気口11を介してキャニスタ9に導入された空気は、キャニスタ9内の活性炭を通過する際に、活性炭から脱離された燃料ガスを含んだ空気(パージエア)として、吸気管5内にパージされる。
【0026】
ECU20は、CPU21、ROM22およびRAM23などを有するマイクロコンピュータにより構成され、エンジン6の空燃比制御および点火時期制御などの各種制御を行う。ECU20内の入出力インターフェイス24は、各種のセンサ手段からの検出情報を取り込むとともに、駆動回路25を介して、各種アクチュエータに対する制御信号を出力する。
【0027】
すなわち、ECU20内のCPU21は、ROM22に格納されている制御プログラムおよび各種マップに基づいて空燃比フィードバック制御演算を行い、駆動回路25を介してインジェクタ7を駆動する。
【0028】
また、ECU20は、運転状態に応じて、エンジン6の点火時期制御、排ガス還流(EGR)制御およびアイドル回転数制御などの周知のエンジン制御を行うとともに、パージ制御弁10および大気口制御弁26を開閉制御する。
【0029】
また、ECU20は、キャニスタから吸気管に導入される燃料ガスの濃度を検出する燃料ガス濃度検出手段を有し、エンジン6に吸入されるパージエア量と、空燃比フィードバック信号を含む運転状態とに基づいて、パージエアの燃料ガスの濃度を演算する。
【0030】
また、ECU20は、大気口制御弁26を制御して大気口11を閉塞する大気口閉塞手段と、パージ制御弁10および大気口11の両方を閉塞して燃料蒸散防止装置の全体を密閉状態にする密閉化手段と、運転状態に基づいて、燃料蒸散防止装置の異常判定条件の成立を検出する異常判定条件検出手段とを有する。
【0031】
さらに、ECU20は、異常判定条件の成立時に吸気管圧力Pbに応じてパージ制御弁10の開閉量を制御してパージ量を調整するパージ量調整手段と、異常判定条件の成立時でのパージ量に応じた燃料タンク内圧力Ptに基づいて燃料蒸散防止装置の異常を検出する異常検出手段とを有する。
【0032】
ECU20内の異常判定条件検出手段は、異常検出条件の成立を制限する条件成立制限手段を含み、条件成立制限手段は、燃料温度TT、タンク内温度TTNまたは外気温度TGの少なくとも1つに応じて異常判定を禁止する。
【0033】
以下、図2のフローチャートを参照しながら、図1に示したこの発明の実施の形態1による異常検出動作について概略的に説明する。図2は、ECU20による全体の処理ルーチンであり、一定時間毎に呼び出されて実行される。
【0034】
図2において、まず、現在の運転状態が異常判定条件を満たしているか否かを判定し(ステップS101)、運転状態が異常判定条件を満たしていない(すなわち、不成立)と判定されれば、各種パラメータを初期化するとともに各種フラグをリセットして(ステップS102)、図2の処理ルーチンを抜け出る。
【0035】
初期化ステップS102において、ECU20は、パージ制御弁10に対するパージデューティDpを、エンジン回転数Neと充填効率Ec(エンジン回転数Neおよび吸入空気量から求められる)とによりマッピングされた値に設定する。
【0036】
また、大気口11を閉じてパージ導入中(燃料タンク内圧力Ptを負圧側に減圧中)の経過時間と、燃料タンク内圧力Ptが目標圧力Poに到達してからの密閉時間(燃料タンク内圧力Ptが負圧側の目標圧力Poに到達した後に動作する)と、大気圧近傍からの密閉時間とを計測するタイマTMを初期化(TM=0)する。
【0037】
さらに、大気口制御弁26が開放駆動してキャニスタ9の大気口11を開放するとともに、燃料タンク内圧力Ptの目標到達フラグおよび目標未到達時間超過フラグと、大穴リーク蒸散テストフラグおよび小穴リーク蒸散テストフラグと、減圧時の差圧異常フラグとを全てリセットする。
【0038】
一方、ステップS101において、運転状態が異常判定条件を満たしている(すなわち、成立)と判定されれば、大穴リーク蒸散テストフラグのセット状態を判定し(ステップS120)、セットされていると判定されれば、大穴リーク蒸散テスト処理(ステップS121)を実行して、図2の処理ルーチンを抜け出る。
【0039】
また、ステップS120において、大穴リーク蒸散テストフラグがリセットされていると判定されれば、続いて、燃料タンク内圧力Ptの目標未到達時間超過フラグのセット状態を判定し(ステップS122)、セットされていると判定されれば、時間超過時の処理(ステップS123)を実行して、図2の処理ルーチンを抜け出る。
【0040】
また、ステップS122において、目標未到達時間超過フラグがリセットされている(時間超過していない)と判定されれば、続いて、目標到達フラグの状態を判定する(ステップS103)。すなわち、燃料タンク内圧力センサ19から検出される燃料タンク内圧力Ptが目標圧力Poに到達したことがあるか否かを判定する。
【0041】
ステップS103において、目標到達フラグがリセットされている(未だに、燃料タンク内圧力Ptが目標圧力Poに到達していない)と判定されれば、大気口制御弁26を閉じてキャニスタ9の大気口11を閉成する(ステップS104)。
【0042】
また、パージデューティDpを、吸気管圧力Pbからマッピングされた値TPRG1(Pb)に設定する(ステップS105)。このとき、パージデューティDpは、次式のように、燃料レベルLtに応じた補正係数K(Lt)により補正される。
Dp=TPRG1(Pb)×K(Lt)
【0043】
次に、燃料タンク内圧力Ptが目標圧力Po以下に到達しているか否かを判定し(ステップS106)、Pt>Po(すなわち、NO)と判定されれば、目標未到達時間超過判定処理(ステップS124)を実行して、図2の処理ルーチンを抜け出る。
【0044】
また、ステップS106において、Pt≦Po(すなわち、YES)と判定されれば、目標到達フラグをセットする(ステップS107)。続いて、このときの燃料タンク内圧力PtをP3として格納し、タイマTMを初期化(TM=0)して(ステップS108)、図2の処理ルーチンを抜け出る。なお、ここでは図示しないが、燃料タンク内圧力Ptが目標圧力Poに到達した後において、タイマTMは、常にインクリメントされているものとする。
【0045】
一方、ステップS103において、目標到達フラグがセットされている(すでに燃料タンク内圧力Ptが目標圧力Poに到達していた)と判定されれば、小穴リーク蒸散テストフラグの状態を判定し(ステップS125)、セットされていると判定されれば、小穴リーク蒸散テスト処理(ステップS126)を実行して、図2の処理ルーチンを抜け出る。
【0046】
また、ステップS125において、小穴リーク蒸散テストフラグがリセットされていれば、続いて、減圧時の差圧異常フラグの状態を判定し(ステップS127)、セットされていると判定されれば、減圧時の差圧異常処理(ステップS128)を実行して、図2の処理ルーチンを抜け出る。
【0047】
また、ステップS127において、減圧時の差圧異常フラグがリセットされていると判定されれば、パージデューティDp=0として(ステップS109)、サージタンク4への燃料ガスの流入を止め、燃料蒸散防止装置を密閉する。
【0048】
続いて、タイマTMが所定時間TP1以上に達しているか否かを判定し(ステップS110)、TM<TP1(すなわち、NO)と判定されれば、燃料タンク内圧力Ptが目標圧力Poに到達して密閉された時点から所定時間TP1が経過していないので、直ちに図2の処理ルーチンを抜け出る。
【0049】
また、ステップS110において、TM≧TP1(すなわち、YES)と判定されれば、目標圧力Poに到達後の密閉時点から所定時間TP1以上経過しているので、現在(所定時間TP1の経過時)の燃料タンク内圧力Pt(=P4)と前回(タイマ計測開始時)の燃料タンク内圧力P3とのタンク差圧ΔP4を求める(ステップS111)。
【0050】
続いて、タンク差圧ΔP4が、異常差圧Pdよりも大きいか否かを判定し(ステップS112)、ΔP4>Pd(すなわち、YES)と判定されれば、減圧時異常フラグをセット(ステップS113)した後、キャニスタ9の大気口11を開放して(ステップS129)、図2の処理ルーチンを抜け出る。
【0051】
また、ステップS112において、ΔP4≦Pd(すなわち、NO)と判定されれば、正常状態と確定(ステップS114)して、キャニスタ9の大気口11を開き(ステップS115)、異常判定終了(異常判定条件が常に不成立となるようにする)として(ステップS116)、図2の処理ルーチンを抜け出る。
【0052】
次に、図3〜図9を参照しながら、図2内の各処理ステップS101、S121、S123、S124、S126、S128について具体的に説明する。まず、図3および図4を参照しながら、図2内の異常判定条件の成立判定処理(ステップS101)について説明する。
【0053】
図3は、条件成立判定ステップS101を具体的に示すフローチャートである。図3において、まず、燃料タンク8内に設けられた燃料温度センサ32にて検出された燃料温度TTを比較基準値TTMONと比較し、燃料温度が比較基準値TTMONよりも小さいか否かを判定する(ステップS101Z)。
【0054】
ステップS101Zにおいて、燃料温度TTが比較基準値TTMON以上(すなわち、NO)と判定されれば、異常判定条件の不成立確定ステップS101Dに進み、図3の処理ルーチンを抜け出る。
【0055】
また、ステップS101Zにおいて、燃料温度TTが比較基準値TTMONよりも小さい(すなわち、YES)と判定されれば、その他の条件成立確定ステップS101Aに進む。
【0056】
ステップS101Aにおいて、運転状態に基づいて算出されたパージエアの燃料ガス濃度を比較基準値PGN(PA)と比較し、燃料ガス濃度が比較基準値PGN(PA)よりも小さいか否かを判定する。この場合、燃料ガス濃度に対する比較基準値PGN(PA)は、大気圧センサ30から検出される大気圧PAに応じて設定される。燃料ガス濃度が比較基準値PGN(PA)以上(すなわち、NO)と判定されれば、異常判定条件の不成立確定ステップS101Dに進み、図3の処理ルーチンを抜け出る。
【0057】
また、ステップS101Aにおいて、燃料ガス濃度が比較基準値PGN(PA)よりも小さい(すなわち、YES)と判定されれば、その他の条件成立確定ステップS101Bに進む。他の条件をチェックし、条件不成立と判定されれば異常判定条件の不成立確定ステップS101Dに進み、図3の処理ルーチンを抜け出る。他方、条件成立と判定されれば、異常判定条件の成立確定ステップS101Cに進み、図3の処理ルーチンを抜け出る。
【0058】
これにより、燃料が蒸散しやすく、燃料タンク8内の圧力に影響を与えやすい燃料温度TTが高い状態では異常判定条件が成立と判定され、異常診断を禁止するので、異常誤検出の可能性が低減され、診断の検出精度を高めることができる。
【0059】
次に、図4を参照しながら、図2内の目標未到達時間超過判定処理(ステップS124)について説明する。図4において、まず、燃料タンク内圧力Ptが大気圧PAに近い状態で大気口11を閉成して、パージ燃料を導入した時点からの時間をチェックするために、タイマTMが所定のチェック時間TPCHK以上に達したか否かを判定する(ステップS124A)。
【0060】
ステップS124Aにおいて、TM<TPCHK(すなわち、NO)と判定されれば、チェック時間TPCHKが経過していないので、直ちに図4の処理ルーチンを抜け出る。
【0061】
一方、ステップS124Aにおいて、TM≧TPCHK(すなわち、YES)と判定されれば、大気口11を閉成したにもかかわらず、燃料タンク内圧力Ptが長時間にわたって負圧側の目標圧力Poに到達しないので、大穴リーク異常の可能性が高いものと見なし、大穴リーク蒸散テストの準備を行う。
【0062】
すなわち、パージデューティDpを0にセットしてパージ制御弁10を閉じるとともに、キャニスタ9の大気口11を開放して燃料タンク内圧力Ptを大気圧PAに復帰させ、目標未到達時間超過フラグをセットして(ステップS124B)、図4の処理ルーチンを抜け出る。
【0063】
次に、図5のフローチャートを参照しながら、図2内の時間超過時処理(ステップS123)について説明する。図5において、まず、燃料タンク内圧力Ptが復帰圧力PA1(大気圧PAに近い設定値)以上の値に復帰したか否かを判定する(ステップS123A)。
【0064】
ステップS123Aにおいて、Pt<PA1(すなわち、NO)と判定されれば、燃料タンク内圧力Ptが大気圧PAの近傍に復帰していないので、直ちに図6の処理ルーチンを抜け出る。
【0065】
また、ステップS123Aにおいて、Pt≧PA1(すなわち、YES)と判定されれば、燃料タンク内圧力Ptが大気圧PA側に復帰しているので、大穴リーク蒸散テストを開始するための初期設定を行う(ステップS123B)。
【0066】
すなわち、ステップS123Bにおいては、大気圧PAの近傍からの密閉状態の経過時間を計測するために、タイマTMを初期化するとともに、大気口11を閉成して燃料蒸散防止装置を密閉状態とし、大穴リーク蒸散テストフラグをセットする。
【0067】
続いて、密閉開始時点での燃料タンク内圧力PtをP1として格納し(ステップS123C)、図5の処理ルーチンを抜け出る。
【0068】
次に、図6を参照しながら、図2内の大穴リーク蒸散テスト処理(ステップS121)について説明する。図6は、大穴リーク蒸散テスト処理ステップS121を具体的に示すフローチャートである。上述した通り、大穴リーク蒸散テスト処理ステップS121は、燃料タンク内圧力Ptが大気圧PAに近い状態において、キャニスタ9を含む燃料蒸散防止装置を密閉した状態で実行される。
【0069】
図6において、まず、タイマTMが所定時間TP1以上に達しているか否かを判定し(ステップS121A)、TM<TP1(すなわち、NO)と判定されれば、燃料タンク内圧力Ptが大気圧PAの近傍で燃料蒸散防止装置を密閉した時点から所定時間TP1が経過していないので、直ちに図6の処理ルーチンを抜け出る。
【0070】
また、ステップS121Aにおいて、TM≧TP1(すなわち、YES)と判定されれば、燃料タンク内圧力Ptが大気圧PAの近傍で密閉した時点から所定時間TP1以上経過しているので、現在(所定時間TP1の経過時)の燃料タンク内圧力Pt(=P2)と前回(タイマ計測開始時)の燃料タンク内圧力P1とのタンク差圧ΔP2を求める(ステップS121B)。
【0071】
続いて、タンク差圧ΔP2が、大穴リーク異常差圧PdLよりも小さいか否かを判定し(ステップS121C)、ΔP2≧PdL(すなわち、NO)と判定されれば、蒸散燃料による圧力上昇が大きいと見なされるので、目標圧力Poに到達できなかった原因が蒸散燃料によるものと判断し、正常状態と確定して(ステップS121D)、キャニスタ9の大気口11を開放する(ステップS121F)。
【0072】
また、ステップS121Cにおいて、ΔP2<PdL(すなわち、YES)と判定されれば、蒸散燃料による圧力上昇が小さいと見なされるので、大穴リーク異常と確定して(ステップS121E)、キャニスタ9の大気口11を開放する(ステップS121F)。
【0073】
最後に、異常判定終了(異常判定条件が常に不成立となるようにする)として(ステップS121G)、図6の処理ルーチンを抜け出る。
【0074】
次に、図7のフローチャートを参照しながら、図2内の減圧時の差圧異常時処理(ステップS128)について説明する。図7において、ステップS128A〜S128Cは、前述(図5参照)のステップS123A〜S123Cにそれぞれ対応している。
【0075】
まず、パージ制御弁10を閉成して大気口11を開放した状態で、燃料タンク内圧力Ptが復帰圧力PA1以上の値に復帰したか否かを判定する(ステップS128A)。
【0076】
ステップS128Aにおいて、Pt<PA1(すなわち、NO)と判定されれば、燃料タンク内圧力Ptが大気圧PAの近傍に復帰していないので、直ちに図7の処理ルーチンを抜け出る。
【0077】
また、ステップS128Aにおいて、Pt≧PA1(すなわち、YES)と判定されれば、燃料タンク内圧力Ptが大気圧PA側に復帰しているので、小穴リーク蒸散テストを開始するための初期設定を行う(ステップS128B)。
【0078】
すなわち、ステップS128Bにおいては、大気圧PAの近傍からの密閉状態の経過時間を計測するために、タイマTMを初期化するとともに、大気口11を閉成して燃料蒸散防止装置を密閉状態とし、小穴リーク蒸散テストフラグをセットする。
【0079】
続いて、密閉開始時点での燃料タンク内圧力PtをP1として格納し(ステップS128C)、図7の処理ルーチンを抜け出る。
【0080】
次に、図8を参照しながら、図2内の小穴リーク蒸散テスト処理(ステップS126)について説明する。図8は、小穴リーク蒸散テスト処理ステップS126を具体的に示すフローチャートであり、各ステップS126A〜S126Gは、前述(図6参照)のステップS121A〜S121Gにそれぞれ対応している。
【0081】
図8において、まず、タイマTMが所定時間TP1以上に達しているか否かを判定し(ステップS126A)、TM<TP1(すなわち、NO)と判定されれば、燃料タンク内圧力Ptが大気圧PAの近傍で燃料蒸散防止装置を密閉した時点から所定時間TP1が経過していないので、直ちに図8の処理ルーチンを抜け出る。
【0082】
また、ステップS126Aにおいて、TM≧TP1(すなわち、YES)と判定されれば、燃料タンク内圧力Ptが大気圧PAの近傍で密閉した時点から所定時間TP1以上経過しているので、現在(所定時間TP1の経過時)の燃料タンク内圧力Pt(=P2)と前回(タイマ計測開始時)の燃料タンク内圧力P1とのタンク差圧ΔP2を求める(ステップS126B)。
【0083】
続いて、タンク差圧ΔP4とΔP2との差圧ΔP(=ΔP4−ΔP2)を求め、差圧ΔPが、小穴リーク異常差圧PdS以上か否かを判定し(ステップS126C)、ΔP<PdS(すなわち、NO)と判定されれば、リーク成分が小さいので、正常状態と確定して(ステップS126D)、キャニスタ9の大気口11を開放する(ステップS126F)。
【0084】
また、ステップS126Cにおいて、ΔP≧PdS(すなわち、YES)と判定されれば、リーク成分が大きいので、小穴リーク異常と確定して(ステップS126E)、キャニスタ9の大気口11を開放する(ステップS126F)。
【0085】
この場合、ステップS126Cにおいて、負圧状態(パージ遮断直後)でのタンク差圧ΔP4から大気圧近傍(大気口遮断直後)でのタンク差圧ΔP2を除去した差圧ΔPを用いて小穴リーク異常が判定される。
【0086】
なぜなら、大気圧近傍でのタンク差圧ΔP2は、燃料蒸散による圧力上昇分に相当するので、負圧側でのタンク差圧ΔP4から燃料蒸散の影響を除去して実際のリーク成分のみをチェックするためである。
【0087】
最後に、異常判定終了(異常判定条件が常に不成立となるようにする)として(ステップS126G)、図8の処理ルーチンを抜け出る。
【0088】
このように、燃料タンク8内で燃料蒸散が発生し易い燃料温度TTの高い場合は異常判定条件を不成立とし、診断を禁止することにより誤検出なく良好な異常検出性を維持することができる。
【0089】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、異常検出条件の成立判定に燃料温度センサ32から検出される燃料タンク8内の燃料温度TTを用いたが、タンク内温度センサ33から検出されるタンク内温度TTNあるいは外気温度センサ31から検出される外気温度TGを用いて比較基準値と比較してもよい。
【0090】
なお、異常判定条件の成立判定処理は、前述(図3参照)のフローチャートと同様であり、ステップS101Z内の燃料温度TTならびに比較基準値TTMONがタンク内温度TTN、外気温度TGならびにおのおのに対応した比較基準値に置き換わるのみである。
【0091】
すなわち、燃料温度TTの高い場合と同様にタンク内温度TTN、外気温度TGが高い場合も燃料タンク8内での燃料蒸散が発生し易くなるため、異常判定条件が不成立とし誤判定する可能性は低減することができる。
【0092】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1では、燃料温度TTの絶対値を比較基準値と比較し異常判定条件の成立判定を行っているが、さらに燃料温度TTの変化を比較基準値と比較して異常変低条件の成立判定を行ってもよい。
【0093】
以下、燃料温度変化ΔTTと比較基準値を比較するこの発明の実施の形態3について説明する。図9は、この発明の実施の形態3における異常判定条件の成立判定処理を示すフローチャートである。異常判定条件の成立判定処理において、S101A〜S101D,S101Zは前述(図3参照)のフローチャートと同様であり、ステップS101Yの燃料温度変化量ΔTTの比較基準値DTTMONとの比較が追加されるのみである。
【0094】
図9において、燃料タンク8内に設けられた燃料温度センサ32にて検出された燃料温度TTの変化量ΔTTを比較基準値DTTMONと比較し、燃料温度変化量が比較基準値DTTMONよりも小さいか否かを判定する(ステップS101Y)。
【0095】
ステップS101Yにおいて、燃料温度変化量が比較基準値DTTMON以上(すなわち、NO)と判定されれば、異常判定条件の不成立確定ステップS101Dに進み、図9の処理ルーチンを抜け出る。
【0096】
また、ステップS101Yにおいて、燃料温度変化量が比較基準値DTTMONよりも小さい(すなわち、YES)と判定されれば、その他の条件成立確定ステップS101Aに進む。ステップS101A以下の処理は図3と同様であり、ここでは詳述を省略する。
【0097】
これにより、燃料タンク8内の燃料の蒸散量の変化により、タンク内の圧力変化に影響を与えやすい燃料温度変化ΔTTが大きい状態では異常判定条件が成立と判定され、異常診断を禁止するので異常誤検出の可能性がさらに低減され、診断の検出精度を高めることができる。
【0098】
実施の形態4.
なお、上記実施の形態3では、異常検出条件の成立判定に燃料温度センサ32から検出される燃料タンク8内の燃料温度変化量ΔTTを用いたが、タンク内温度センサ33から検出されるタンク内温度変化ΔTTNあるいは外気温度センサ31から検出される外気温度変化量ΔTGを用いて比較基準値と比較してもよい。
【0099】
なお、異常判定条件の成立判定処理は、前述(図9参照)のフローチャートと同様であり、ステップS101Y内の燃料温度変化量ΔTTならびに比較基準値DTTMONがタンク内温度変化量ΔTTN、外気温度変化量ΔTGならびにおのおのに対応した比較基準値に置き換わるのみである。
【0100】
すなわち、燃料温度変化量ΔTTの大きい場合と同様に、タンク内温度変化量ΔTTN、外気温度変化量ΔTGが大きい場合も、燃料タンク8内の燃料の蒸散量の変化が大きくタンク内の圧力変化に影響を与えやすくなるため、このような状態では異常判定条件が不成立とし誤判定する可能性は低減することができる。
【0101】
実施の形態5.
なお、上記実施の形態1〜4では、燃料ガス濃度による条件成立判定において、大穴リーク異常および小穴リーク異常に対応させた比較基準値を特に考慮しなかったが、大穴リーク異常または小穴リーク異常に応じて燃料温度、タンク内温度、外気温度の個別の比較基準値を設定してもよい。
【0102】
以下、判定される異常状態に応じて比較基準値を個別に設定したこの発明の実施の形態5について説明する。図10および図11は、この発明の実施の形態5による大穴リーク蒸散テスト処理および小穴リーク蒸散テスト処理をそれぞれ示すフローチャートである。
【0103】
図10および図11において、ステップS121A〜S121GおよびS126A〜S126Gは、前述(図6および図8参照)と同様の処理であり、ここでは詳述を省略する。また、図10および図11内の各ステップS101XおよびS101Wは、それぞれ、前述(図9参照)の異常判定条件処理内のステップS101Yに対応している。
【0104】
図10内の大穴リーク用の比較基準値DTTMONLは、図11内の小穴リーク用の比較基準値DTTMONSよりも大きい値に設定されている。なぜなら、大穴リークの場合には燃料温度変化ΔTTによる蒸散燃料の発生量の変化による燃料タンク内圧力Ptへの影響が小さいので、図10内のステップS121Eにおいて大穴リーク異常を確定し易くするためである。
【0105】
一方、小穴リークの場合には、燃料温度変化ΔTTによる蒸散燃料の発生量の変化による燃料タンク内圧力Pthへの影響が大きいので、図11内のステップS126Eにおける小穴リーク異常の確定を抑制して、異常の誤判定を防止するためである。
【0106】
図10示す大穴リーク蒸散テスト処理内のステップS101Xにおいては、比較的大きな大穴リーク用の比較基準値DTTMONLを用いて、燃料温度変化が十分に小さい(すなわち、YES)と判定されれば、大穴リーク異常を確定するステップS121Eに進む。このとき、比較基準値DTTMONLが大きいので、燃料温度変化に関して広い条件下で異常が確定される。
【0107】
一方、ステップS101Xにおいて、燃料温度変化が比較基準値DTTMONL以上である(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS121Eをスキップして、キャニスタ9の大気口11を開放するステップS121Fに進む。ステップS101XにおいてNOと判定された場合には、正常状態を確定するステップS121Dに進むことがなく、正常状態および異常状態のいずれの確定も行われない。したがって、最終的な正否確定は、次回の異常判定結果にゆだねられる。
【0108】
図11に示す小穴リーク蒸散テスト処理内のステップS101Wにおいては、比較的小さな小穴リーク用の比較基準値DTTMONSに基づいて、燃料温度変化が十分に小さい(すなわち、YES)と判定されれば、小穴リーク異常を確定するステップS126Eに進む。このとき、比較基準値DTTMONSが小さいので、燃料温度変化に関して狭い条件下で異常が確定されることになり、小穴リーク異常を誤確定する可能性は抑制される。
【0109】
一方、ステップS101Wにおいて、燃料温度変化が比較基準値DTTMONS以上である(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS126Eをスキップして、大気口11を開放するステップS121Fに進む。この場合も、ステップS101WにおいてNOと判定された場合には、正常状態を確定するステップS126Dに進むことがなく、最終的な正否確定は、次回の異常判定結果にゆだねられる。
【0110】
このように、燃料タンク内圧力Ptに基づいて想定される燃料蒸散防止装置の異常状態(大穴リークおよび小穴リーク)に応じて、比較基準値を個別に設定することにより、大穴リーク異常を確実に判定することができるとともに、小穴リーク異常の検出を制限して誤判定を防止することができる。
【0111】
すなわち、燃料蒸散防止装置のリーク異常の度合い(燃料タンク8のキャップ外れやパージ通路の配管外れなど)に応じて、燃料蒸散の発生し易さを考慮した適切な比較基準値により、良好な異常検出性を維持することができる。
【0112】
実施の形態6.
なお、上記実施の形態1〜5では、燃料温度、タンク内ガス温度、外気温度ならびにおのおのの温度変化に対する比較基準値を固定データとしているが、大気圧PAに応じて比較基準値を変化させてもよい。
【0113】
図12と図13は、この発明の実施の形態6により可変設定される比較基準値TTMON(PA)とDTTMON(PA)を示す説明図である。図12は、大気圧PAに応じて可変設定される燃料温度の比較基準値TTMON(PA)を示し、図13は、大気圧PA応じて可変設定される燃料温度変化量の比較基準値DTTMON(PA)を示している。
【0114】
このように、パラメータを用いて比較基準値を設定することにより、さらに正確な比較基準値に基づいて異常判定条件の成立可否を判定することができる。
【0115】
上述した実施の形態によれば、燃料温度、タンク内温度、外気温度の少なくとも1つの検出値に応じて異常判定を禁止するので、信頼性を向上させた燃料蒸散防止装置の異常検出装置が得られる効果がある。
【0116】
また、燃料温度、タンク内温度、外気温度検出手段の少なくとも1つが所定値以上変化した場合に、異常判定を禁止するので、信頼性を向上させた燃料蒸散防止装置の異常検出装置が得られる効果がある。
【0117】
また、燃料タンク内圧力に基づいて想定される複数の異常状態(具体的には大穴リーク、小穴リーク、極小穴リーク)に応じて複数の禁止条件判定値(TTMON、DTTMON、DTTMONS、DTTMONL)を個別に設定し、複数の異常状態に応じて禁止条件判定値を切替えて異常判定を禁止するので、信頼性を向上させた燃料蒸散防止装置の異常検出装置が得られる効果がある。
【0118】
また、燃料タンク内圧力に基づいて想定される複数の異常状態(具体的には大穴リーク、小穴リーク、極小穴リーク)に応じた燃料タンク内圧力の計測工程(減圧目標値到達までの行程、減圧時密閉行程、小穴リーク蒸散テスト行程、大穴リーク蒸散テスト行程)に応じて計測工程毎の禁止条件判定値を個別に設定し、複数の異常状態に応じたタンク内圧力の計測工程に応じて禁止条件判定値(TTMON,DTTMON)を切替えて異常判定を禁止するようにしたので、信頼性を向上させた燃料蒸散防止装置の異常検出装置が得られる効果がある。
【0119】
また、燃料温度、タンク内温度、外気温度の少なくとも1つの禁止条件判定値を、大気圧により補正し異常判定を禁止するようにしたので、信頼性を向上させた燃料蒸散防止装置の異常検出装置が得られる効果がある。
【0120】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、燃料温度、タンク内温度、外気温度の少なくとも1つの検出値に応じて燃焼蒸散防止装置の異常判定を禁止するようにしたので、信頼性を向上させた燃料蒸散防止装置の異常検出装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示すブロック構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による処理動作を示すフローチャートである。
【図3】図2内の異常判定条件処理(ステップS101)を具体的に示すフローチャートである。
【図4】図2内の目標未到達時間超過判定処理(ステップS124)を具体的に示すフローチャートである。
【図5】図2内の時間超過時処理(ステップS123)を具体的に示すフローチャートである。
【図6】図2内の大穴リーク蒸散テスト処理(ステップS121)を具体的に示すフローチャートである。
【図7】図2内の減圧時差圧異常時処理(ステップS128)を具体的に示すフローチャートである。
【図8】図2内の小穴リーク蒸散テスト処理(ステップS126)を具体的に示すフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態3による図2内の異常判定条件処理(ステップS101)を具体的に示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態5による大穴リーク蒸散テスト処理を具体的に示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態5による小穴リーク蒸散テスト処理を具体的に示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態6により大気圧に応じて可変設定される燃料温度の比較基準値を示す説明図である。
【図13】この発明の実施の形態6により大気圧に応じて可変設定される燃料温度変化量の比較基準値を示す説明図である。
【符号の説明】
1 エアクリーナ、2 エアフローセンサ、3 スロットルバルブ、4 サージタンク、5 吸気管、6 エンジン、7 インジェクタ、8 燃料タンク、9キャニスタ、10 パージ制御弁、11 大気口、12 スロットル開度センサ、13 吸気温度センサ、14 水温センサ、15 排気管、16 空燃比センサ、17 クランク角センサ、18 吸気管圧力センサ、19 燃料タンク内圧力センサ、20 ECU、21 CPU、25 駆動回路、26 大気口制御弁、27 燃料レベルゲージ、28 車両、29 車速センサ、30 大気圧センサ、31 外気温度センサ、32 燃料温度センサ、33 タンク内温度センサ、Lt 燃料レベル、Ne エンジン回転数、Pb 吸気管圧力、Pt 燃料タンク内圧力、TA 吸気温度、TT 燃料温度、TTN タンク内温度、TG外気温度、TTMON 比較基準値、TP1 所定時間(密閉時間)、TPL(TA) 吸気温度に応じた大穴リーク用の密閉時間、TPS(TA) 吸気温度に応じた小穴リーク用の密閉時間、ΔP2 タンク差圧。
Claims (5)
- 内燃機関の運転状態を検出するセンサ手段と、
前記内燃機関に燃料を供給する燃料タンクと前記内燃機関の吸気管との間を連通するパージ通路の途中に設けられて、前記燃料タンク内で発生した燃料ガスを吸着するキャニスタと、
前記キャニスタに設けられて大気側に開放された大気口と、
前記キャニスタと前記吸気管との途中に設けられたパージ制御弁と、
前記内燃機関の運転状態に応じて前記パージ制御弁を開閉制御し、前記キャニスタに吸着された燃料ガスを前記吸気管内に適宜導入して燃料の蒸散を防止する燃料蒸散防止制御手段と
からなる燃料蒸散防止装置の異常を検出するための異常検出装置であって、
前記センサ手段は、
前記内燃機関の負荷状態として吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段あるいは吸気管圧力を検出する吸気管圧力検出手段および大気圧を検出する大気圧検出手段を含むとともに、
外気温度を検出する外気温度検出手段と、前記燃料タンク内の燃料温度を検出する燃料温度検出手段と、前記燃料タンク内のガス温度を検出するタンク内温度検出手段との少なくとも1つと、
前記燃料タンク内の圧力を燃料タンク内圧力として検出する燃料タンク内圧力検出手段を含み、
前記燃料蒸散防止制御手段は、
前記大気口を閉塞する大気口閉塞手段と、
前記パージ制御弁および前記大気口の両方を閉塞して前記燃料蒸散防止装置の全体を密閉状態にする密閉化手段と、
前記内燃機関の運転状態に基づいて前記燃料蒸散防止装置の異常判定条件の成立を検出する異常判定条件検出手段と、
前記異常判定条件の成立時に前記吸気管圧力に応じて前記パージ制御弁の開閉量を制御してパージ量を調整するパージ量調整手段と、
前記異常判定条件の成立時での前記燃料タンク内圧力に基づいて前記燃料蒸散防止装置の異常を検出する異常検出手段と
を有し、
前記異常判定条件検出手段は、前記燃料温度、前記タンク内温度、前記外気温度の少なくとも1つの検出値に応じて異常判定を禁止する条件成立制限手段を含む
ことを特徴とする燃料蒸散防止装置の異常検出装置。 - 請求項1に記載の燃料蒸散防止装置の異常検出装置において、
前記条件成立制限手段は、前記燃料温度、前記タンク内温度、前記外気温度検出手段の少なくとも1つが所定値以上変化した場合に、異常判定を禁止する
ことを特徴とする燃料蒸散防止装置の異常検出装置。 - 請求項1または2に記載の燃料蒸散防止装置の異常検出装置において、
前記条件成立制限手段は、前記燃料タンク内圧力に基づいて想定される複数の異常状態に応じて複数の禁止条件判定値を個別に設定し、前記複数の異常状態に応じて前記複数の禁止条件判定値を切替えて異常判定を禁止する
ことを特徴とする燃料蒸散防止装置の異常検出装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の燃料蒸散防止装置の異常検出装置において、
前記条件成立制限手段は、前記想定される複数の異常状態に応じた燃料タンク内圧力の計測工程に応じて計測工程毎の禁止条件判定値を個別に設定し、前記複数の異常状態に応じたタンク内圧力の計測工程に応じて禁止条件判定値を切替えて異常判定を禁止する
ことを特徴とする燃料蒸散防止装置の異常検出装置。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の燃料蒸散防止装置の異常検出装置において、
前記条件成立制限手段は、前記燃料温度、前記外気温度、前記タンク内温度検出手段の少なくとも1つの禁止条件判定値を大気圧により補正し異常判定を禁止する
ことを特徴とする燃料蒸散防止装置の異常検出装置。
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