JP2004352135A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】シートベルトおよびハイト装置を有する車両用シートの提供、作動の確実性の向上、構成の簡素化、コストダウン。
【構成】車体側に取付ける車体側プレート6と車両用シート1との間にリンク機構からなるハイト装置10を設けて高さ調節自在に構成し、該車両用シート1には緊急時着座者を車両用シート1に拘束するシートベルト30を設け、前記車両用シート1の背凭シート3の上部の、リトラクター31から伸びるシートベルト30を通すショルダーアンカー部32を設けた側の車両用シート1には、緊急時前記ハイト装置10の後側回動アーム11の回動を該後側回動アーム11の下部側の軸周りにおいて停止させるハイトロック装置40を設け、もって、シートベルト30の端部を係止するベルト係止用アンカー部33およびシートベルト30の中間部のバックル35を着脱自在に係合させるタングプレート34を前記車体側プレート6に設けた車両用シート。
【選択図】 図2
【構成】車体側に取付ける車体側プレート6と車両用シート1との間にリンク機構からなるハイト装置10を設けて高さ調節自在に構成し、該車両用シート1には緊急時着座者を車両用シート1に拘束するシートベルト30を設け、前記車両用シート1の背凭シート3の上部の、リトラクター31から伸びるシートベルト30を通すショルダーアンカー部32を設けた側の車両用シート1には、緊急時前記ハイト装置10の後側回動アーム11の回動を該後側回動アーム11の下部側の軸周りにおいて停止させるハイトロック装置40を設け、もって、シートベルト30の端部を係止するベルト係止用アンカー部33およびシートベルト30の中間部のバックル35を着脱自在に係合させるタングプレート34を前記車体側プレート6に設けた車両用シート。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、シートベルトを一体状に組み込んだ車両用シートにリンク機構からなるハイト装置を設けたものである。
【0002】
【従来技術】
従来、緊急時着座者を車両用シートに拘束するためのシートベルトが通常は引出されたときに弛まないように巻き取るとともに緊急時には引出されるのをロックするリトラクターと、シートベルトの端部を係止するベルト係止用アンカー部と、シートベルトの中間部のバックルを着脱自在に係合させるタングプレートと、前記車両用シートの背凭シートの上部の、リトラクターから伸びるシートベルトを通すショルダーアンカー部との夫々からなるシートベルトを車両用シートに一体状に設けた構成は公知である(特許文献1)。
また、従来、車両用シートをハイト装置を介して取付け、高さ調節自在にした構成も公知である。(特許文献2)。
また、従来、車両用シートを高さ調節自在にハイト装置を介して取付け、このハイト装置をシートベルトに所定以上の荷重が掛かったとき、ハイト装置の上下をロックするハイトロック機構を設けた構成も公知である。(特許文献3)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−59770号公報、(2−5頁、図1)
【0004】
【特許文献2】
特公平1−21012号公報、(1〜3頁、図1、図4)
【0005】
【特許文献3】
特開2001−163091号公報、(1〜3頁、図1〜図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知例のうち特開2002−59770号公報(公知例1)に記載されたものは、シートベルトが受ける衝撃荷重を考慮して背凭フレームの構成について工夫したシートベルト組み込み(一体型)車両用シートである。
しかし、シートベルト組み込み車両用シートは通常の車両シートに対してシートベルトに掛かる荷重をも支受するため、大幅に入力荷重が増加し、特に、シートベルト組み込みんだための前方向へ掛かる負荷が極めて大きくなる。そのため、公知例1では背凭シートのフレームに補強部材を設け、車両シートの変形を防止しているが、車両用シートの高さ調節はできないという課題がある。
即ち、公知例1では背凭シートのフレームに補強部材を設けることで、シートベルト組み込み車両用シートを実現しているが、ハイト装置を設けていないので、車両用シートの高さ調節はできない。
一方、特公平1−21012号公報(公知例2)のように、ハイト装置を設けた車両用シートは多数あるが、シートベルトを組み込む構成の記載はなく、ハイト装置を設けた車両用シートにおいてシートベルト組み込み車両用シートは実用化されていない。
ハイト装置を設けたとき、シートベルト組み込みんだための前方向へ掛かる極めて大きな荷重による変形を防ぐことが困難であり、単純にハイト装置を設けた車両用シートにシートベルトを組み込むには、相当な重量の増加とコストの増加が発生する。
そのため、ハイト装置を設けた車両用シートにおいてシートベルト組み込み車両用シートは実用化されていない。
また、特開2001−163091号公報(公知例3)には、ハイト装置の上下をシートベルトに荷重が掛かったときロックするハイトロック構成が、記載されているが、シートベルトの組み付けに関しては一つのアンカブラケットが記載されているに過ぎず、公知例3はシートベルトに荷重が掛かったときにアンカブラケットの高さを変更させないようにすることが目的であり、その他の記載はなく、やはり、ハイト装置を設けた車両用シートにおいてシートベルト組み込み車両用シートは実用化されていない。
しかして、通常、シートベルトは肩と腰の左右両側の3点を支持するのが一般的であり、衝撃を受けたシートベルトは左右のベルト係止用アンカー部およびバックルとショルダーアンカー部の3点で支持され、公知例1ではショルダーアンカー部に掛かる荷重を考慮して背凭フレームを補強している。
しかし、ショルダーアンカー部を背凭シートに設けたシートベルト一体型車両用シートではベルト係止用アンカー部およびバックルの2点を車体側に取付けることで支持が可能になるが、ハイト装置を設けた車両用シートではシートベルトのショルダーアンカー部まで車両用シートに設けると、荷重が座席フレームとハイト装置との取付部分に集中して支持できないから、公知例3のハイト装置を設けた車両用シートではシートベルトのショルダーアンカー部を車体側に設けて緊急時の荷重の一部を車体側に逃がすことで、シートベルトに掛かる荷重を支持しているのである。
このように、ハイト装置を設けた車両用シートでシートベルトのショルダーアンカー部まで一体に設けた従来例はないが、シートベルトの取付およびハイト装置の後側回動アームの回動を停止させるハイトロック装置の構成を工夫すると、ハイト装置を設けたシートベルト一体型車両用シートの提供が可能となる。
【0007】
【発明の目的】
一体式シートベルトおよびハイト装置を有する車両用シートの提供、作動確認テストの容易化、作動の確実性の向上、構成の簡素化、コストダウン。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車体側に取付ける車体側プレート6と車両用シート1との間にリンク機構からなるハイト装置10を設けて高さ調節自在に構成し、該車両用シート1には緊急時着座者を車両用シート1に拘束するシートベルト30を設け、前記車両用シート1の背凭シート3の上部の、リトラクター31から伸びるシートベルト30を通すショルダーアンカー部32を設けた側の車両用シート1には、緊急時前記ハイト装置10の後側回動アーム11の回動を該後側回動アーム11の下部側の軸周りにおいて停止させるハイトロック装置40を設け、もって、シートベルト30の端部を係止するベルト係止用アンカー部33およびシートベルト30の中間部のバックル35を着脱自在に係合させるタングプレート34を前記車体側プレート6に設けた車両用シート、および、車体側に取付ける車体側プレート6と車両用シート1との間にリンク機構からなるハイト装置10を設けて高さ調節自在に構成し、緊急時着座者を車両用シート1に拘束するシートベルト30が引出されたときには弛まないように巻き取るとともに緊急時には引出されるのをロックするリトラクター31と、シートベルト30の端部を係止するベルト係止用アンカー部33と、シートベルト30の中間部のバックル35を着脱自在に係合させるタングプレート34と、前記車両用シート1の背凭シート3の上部のリトラクター31から伸びるシートベルト30を通すショルダーアンカー部32との夫々からなるシートベルト30を車両用シート1に一体状に設け、前記ショルダーアンカー部32を設けた側の車両用シート1には緊急時前記ハイト装置10の後側回動アーム11の回動を該後側回動アーム11の下部側の軸周りにおいて停止させるハイトロック装置40を設けた車両用シートとしたものであり、シートベルト30に所定以上の荷重が掛かると、ハイトロック装置40がこれを感知し、ハイト装置10の後側回動アーム11が回動するのを後側回動アーム11の下部側の軸周りにおいてロックして、ハイト装置10に掛かる荷重を支持する。また、ベルト係止用アンカー部33およびバックル35を係合させるタングプレート34に掛かる荷重は車体側プレート6により支持するので、シートベルト30に掛かる荷重は分散され、車両用シート1の背凭シート3の上部に一体状にショルダーアンカー部32を設けても、ショルダーアンカー部32に掛かる荷重は、車両用シート1のフレームにより十分に支持する。
本発明は、前記ハイトロック装置40は、所定以上の荷重を受けたシートベルト30の緊張を感知すると回動するベルト負荷感知アーム41と、ベルト負荷感知アーム41の回動によりアンロック状態からロック位置に移動する係合フック42と、該係合フック42が継脱する係合溝43を有するロックアーム44とにより構成し、ロックアーム44はハイト装置10の後側回動アーム11と同一軸心状態に設け、前記係合溝43は、前記ロックアーム44の外周に、前記ロックアーム44を車体側に取付ける下側取付軸49中心に円弧状に配置形成した車両用シートとしたものであり、ハイト装置10に掛かる荷重は後側回動アーム11の下部側の軸周りにおいてロックして支持するので、実質上車体により支持することになり、その分、車両用シート1全体が支受する荷重を減少させられる。
本発明は、前記車体側プレート6はスライドレール50により構成し、該スライドレール50のアッパーレール51に前記ベルト負荷感知アーム41およびロックアーム44を取付けた車両用シートとしたものであり、ベルト係止用アンカー部33およびバックル35を係合させるタングプレート34に掛かる荷重はスライドレール50が支持し、スライドレール50により車両用シート1全体の前後位置を調節できる。
【0009】
【実施例】
本発明の実施例を図面により説明すると、1は車両用シート、2は車両用シート1の座席シート、3は座席シート2にリクライニング装置(図示省略)を介して傾斜角度調節自在に設けた背凭シートである。
しかして、座席シート2の座席フレーム5と車体側に取付ける車体側プレート6との間には、座席シート2の高さを調節するハイト装置10を設ける。ハイト装置10の構成は任意であり、一例を示すと、座席フレーム5の後側左右側両面に後側回動アーム11の一端を回動自在に上側取付軸12により軸着し、後側回動アーム11の他端を車体側プレート6に下側取付軸13により回動自在に夫々軸着する。
【0010】
座席フレーム5の前側左右側両面に前側回動アーム14の上部を回動自在に前側取付軸15により軸着し、前側回動アーム14の下部を車体側プレート6に取付軸16により回動自在に夫々軸着する。
前記後側回動アーム11または前側回動アーム14の何れか一方を回動させるようにして、操作機構18を構成する。19はロッド、20はセクターギヤ、21はハイト作動用回動部材、22は作動用回動部材21の歯部23に噛合う歯車、24は操作ダイヤルである。
したがって、ハイト装置10は、座席フレーム5および車体側プレート6と、後側回動アーム11および前側回動アーム14とによりリンクを構成し、後側作動用回動部材21が後側回動アーム11を回動させ、後側回動アーム11は座席フレーム5の後部を上下させ、これに連動して前側回動アーム14も回動して、座席シート2を車体側プレート6に対して上下させる。
なお、ハイト装置10の構成は、後側回動アーム11と前側回動アーム14とを平行リンクのように連動させずに、後側回動アーム11と前側回動アーム14とを個別に回動させて座席シート2の前後夫々を独立させて上下させるように構成してもよい。
【0011】
しかして、車両用シート1にはシートベルト30を装備する(図1)。シートベルト30の一端は車両用シート1(車体側プレート6も含まれる)の所望位置に設けたリトラクター31に出入り自在に取付ける。リトラクター31は公知の構成であり、シートベルト30が引出されたときには弛まないように巻き取るとともに、緊急時にはシートベルト30が引出されるのをロックするように構成されている。
リトラクター31から伸びるシートベルト30の端部は前記背凭シート3の背凭フレームの上部に設けたショルダーアンカー部32から出入り自在に挿通させ、前記ショルダーアンカー部32を設けた側に位置するベルト係止用アンカー部33に係止する。ショルダーアンカー部32とベルト係止用アンカー部33との間のシートベルト30の中間部にはタングプレート34を設け、タングプレート34はベルト係止用アンカー部33と反対側に設けたバックル35に着脱自在に係合させる。
【0012】
しかして、ベルト係止用アンカー部33およびバックル35は車体側プレート6に取付け、リトラクター31は車両用シート1の所望位置に取付け、これによりシートベルト30は車両用シート1に一体的に設ける。即ち、シートベルト30に関する構成品は車両用シート1に取付け、シートベルト一体型車両用シート1として車体に取付けるように構成する。
この場合の車両用シート1とは車体側プレート6を含めたものであり、車体に取付けられる前の状態に相当する。
【0013】
しかして、所定以上の荷重がシートベルト30に掛かると、前記ショルダーアンカー部32側のハイト装置10の後側回動アーム11の回動を下側取付軸13の軸周りにおいてロックするハイトロック装置40を設ける。
ハイトロック装置40は、シートベルト30に所定以上の荷重が掛かると、この荷重を感知してハイト装置10による車両用シート1の上下動をロックするものである。
ハイトロック装置40は、所定以上の荷重を受けたシートベルト30の緊張を感知するベルト負荷感知アーム41と、ベルト負荷感知アーム41によりアンロック状態からロック位置に移動する係合フック42と、係合フック42が継脱する係合溝43を有するロックアーム44とにより構成し、ハイトロック装置40は電動部材を介さずに機械的に所定以上の荷重を感知作動する。
【0014】
ベルト負荷感知アーム41の基部はアーム取付軸45により車体側プレート6に回動自在に取付け、ベルト負荷感知アーム41の先端には前記ベルト係止用アンカー部33を取付けたアンカー取付軸46を取付ける。
したがって、ベルト負荷感知アーム41は車体側プレート6に取付けられ、ベルト係止用アンカー部33はベルト負荷感知アーム41を介して車体側プレート6によりシートベルト30に掛かる荷重を車体側に分散させて支持する。
また、ベルト負荷感知アーム41の先端にベルト係止用アンカー部33をアンカー取付軸46を介して取付けることで、シートベルト30の何れかの場所に僅かに掛かった荷重(所謂静的テスト)をベルト負荷感知アーム41が検知でき、シートベルト30に実際の衝撃荷重を掛けたテスト(所謂動的テスト)をしなくても、ハイトロック装置40の作動確認テストを行える。
【0015】
しかして、ロックアーム44の一端は座席フレーム5に回動自在に上側取付軸12と同心上に配置される上側取付軸48により軸着し、ロックアーム44の他端は車体側プレート6に下側取付軸13と同心上に配置される下側取付軸49により回動自在に軸着する。ロックアーム44には下側取付軸49を中心とする円弧形状のハイト用作動孔47を設け、ハイト用作動孔47には前記ベルト係止用アンカー部33を取付けたアンカー取付軸46を移動自在に挿通する。
また、ロックアーム44の外周縁には下側取付軸49を中心とする円弧状に複数の係合溝43を形成し、該係合溝43に係合フック42を係合させるように構成する。
したがって、係合フック42と係合溝43は、下側取付軸49(下側取付軸13)の軸周りのロックアーム44を介して後側回動アーム11の回動をロックすることで、ロックに伴う荷重を下側取付軸13を取付けた車体側プレート6により支持するように構成する。
【0016】
前記係合フック42の基部は前記アーム取付軸45に固定し、係合フック42はベルト負荷感知アーム41と一体回動するように構成する。
前記係合フック42は、ロックアーム44の係合溝43の下面側に位置させ、ベルト負荷感知アーム41の感知したときの回動方向と係合フック42が係合溝43に係合する方向とを一致させる。
この場合、係合フック42とベルト負荷感知アーム41は一体に構成してもよい。
【0017】
しかして、ベルト負荷感知アーム41には、所定の荷重が掛かるまでアンロック方向に付勢するバネ(図示省略)等を設ける。バネ等の付勢部材の付勢力は、着座者がシートベルト30を締めるために、タングプレート34を持って引き出してバックル35に係合させる通常の操作に支障がない力に設定し、緊急時のシートベルト30の荷重の感知と、通常のシートベルト30の操作の際の係合フック42の係合防止とを両立させている。
【0018】
しかして、前記車体側プレート6は前記車両用シート1を車体に前後位置調節自在にするスライドレール50のアッパーレール51により構成し、スライドレール50のアッパーレール51に前記ベルト負荷感知アーム41およびロックアーム44を取付ける。52はスライドレール50のロアーレールである。
【0019】
次に作用を述べる。
車両用シート1に着座し、シートベルト30のタングプレート34を持って引き出し、タングプレート34をバックル35に係合させる。
次に、操作ダイヤル24を回すと、後側作動用回動部材21がロッド19を押し引きして後側回動アーム11を回動させ、後側回動アーム11は座席フレーム5の後部を上下させ、これに連動して前側回動アーム14も回動して座席フレーム5の前部を上下させ、座席シート2(車両用シート1)全体を車体側プレート6に対して上下させる。
【0020】
しかして、背凭シート3にショルダーアンカー部32を設けてシートベルト30を装着した車両用シート1では、緊急時にシートベルト30が緊張して着座者を車両用シート1に保持(拘束)させると、この着座者を保持させる荷重は、シートベルト30を通すショルダーアンカー部32とベルト係止用アンカー部33とバックル35を介して車両用シート1に掛かるため、従来、左右のベルト係止用アンカー部33およびバックル35とショルダーアンカー部32の3点に掛かる荷重を支持しうる強度に各フレームを構成したシートベルト一体型車両用シートは存在するが、ハイト装置10を設けたシートベルト一体型車両用シート1は実用化されていない。
【0021】
これは、ショルダーアンカー部32を背凭シート3に設けたシートベルト一体型車両用シート1ではベルト係止用アンカー部33およびバックル35をスライドレール50に取付け、3点の内2点を車体側により支持するが、ハイト装置10を設けた車両用シート1ではシートベルト30のショルダーアンカー部32まで車両用シート1に設けると、ショルダーアンカー部32に掛かる荷重の集中による座席フレーム5とハイト装置10との取付部分の変形を防止できず、従来の車両用シート1では、シートベルト30のショルダーアンカー部32を車体側に設け、ショルダーアンカー部32に掛かる荷重は車体側に逃がしていたのであり、ハイト装置10を設けたシートベルト一体型車両用シートは実用化されていないのである。
【0022】
そこで、本願は、ショルダーアンカー部32を設けた側のハイト装置10の後側回動アーム11の回動を停止させるハイトロック装置40のロックアーム44を後側回動アーム11の下側取付軸13周り(下側取付軸49)に設けることで、ハイト装置10を設けた車両用シート1へのシートベルト30の一体化を実現した(なお、公知例3ではハイト装置およびハイトロック機構が記載されているが、公知例3のハイトロック機構は、座席シート側に設けたバックルの高さが、シートベルトに荷重が掛かってシートが上動することで変化するのを防止するためであり、本願のハイトロック装置40のショルダーアンカー部32の荷重を支持する構成とは目的を異にしている)。
ハイトロック装置40は、所定以上の荷重を受けたシートベルト30の緊張を感知するベルト負荷感知アーム41の基部をアーム取付軸45により車体側プレート6に回動自在に取付け、ベルト負荷感知アーム41の先端には前記ベルト係止用アンカー部33を取付けたアンカー取付軸46を取付けているから、通常状態では、係合フック42は係合溝43に係合せず、後側回動アーム11を回動させて車両用シート1を車体側に対して上下させ、アーム取付軸45はロックアーム44のハイト用作動孔47内を移動するが、所定の荷重が着座者に掛かり、この荷重によりシートベルト30がリトラクター31より引き出されるように作用すると、ベルト係止用アンカー部33がベルト負荷感知アーム41の先端を牽引し、ベルト負荷感知アーム41はアーム取付軸45中心に回動する。
【0023】
したがって、ハイトロック装置40は、ベルト係止用アンカー部33を車体側プレート6(スライドレール50)に取付けながら、シートベルト30に掛かる荷重をベルト負荷感知アーム41により感知する。
アーム取付軸45には係合フック42を固定しているから、ベルト負荷感知アーム41が荷重を感知して回動すると、係合フック42がベルト負荷感知アーム41と一体回動してアンロック状態からロック位置に移動し、ロックアーム44の係合溝43に係合してロックし、ハイトロック装置40のロックにより後側回動アーム11の上下何れの方向の回動も固定される。
即ち、係合フック42は車体側プレート6(スライドレール50)に取付けたアーム取付軸45に固定しているので、係合フック42が係合溝43に係合するとロックアーム44を介して後側回動アーム11の回動を阻止する。
【0024】
この場合、ロックアーム44はアーム取付軸45により車体側プレート6(スライドレール50)に取付けているので、後側回動アーム11(ロックアーム44)を回動させようとする荷重は車体側プレート6(スライドレール50)を介して車体側で支持するので、ハイト装置10の変位量を少なくし、ハイトロック装置40により車両用シート1が衝撃で上下するのを抑制または防止する。
また、シートベルト30の一端を取付けたベルト係止用アンカー部33は、ベルト負荷感知アーム41を介して車体側プレート6(スライドレール50)に取付けられているので、座席フレーム5を含めた車両用シート1のフレームに掛かるシートベルト30の荷重の負担を減少させられ、全体を軽量化できる。
また、ハイトロック装置40の感知装置はベルト負荷感知アーム41により機械的に構成するので、構成が簡素であり、配線も不要であり、しかも、作動確実である。
【0025】
即ち、シートベルト30の中間部分が着座者の身体を締める張り具合では、実際の衝撃荷重を掛けてみなくては、作動の確実性を確認できないが、ベルト負荷感知アーム41の先端に直接ベルト係止用アンカー部33を取付けているので、シートベルト30の何れかの場所に僅かに掛かった荷重(所謂静的テスト)は全てベルト負荷感知アーム41を回動させるように作用して確実に感知できる。
したがって、シートベルト30に実際の衝撃荷重を掛けたテスト(所謂動的テスト)をしなくても、所定の荷重をシートベルト30に掛けた所謂静的テストで作動を確認できる。
また、ハイトロック装置40は、ロックアーム44に、係合溝43および用作動孔47を形成して構成しているから、構成を簡素にして安価にできる。
【0026】
【効果】
請求項1および請求項2の発明では、リンク機構からなるハイト装置10を有する車両用シートであっても、シートベルト30を一体状に装備可能であり、しかも、簡易な構成で実現でき、コストダウンできる。
請求項3では、ハイト装置10に掛かる荷重を後側回動アーム11の下部側の軸周りにおいてロックして支持するので、車両用シート1全体が支受する荷重を減少させ、シートベルト30を一体状に装備できる。
請求項4では、スライドレール50により車両用シート1全体の前後位置を調節できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両シートの斜視図。
【図2】シートベルトの取付け状態を示す斜視図。
【図3】座席フレームの側面図。
【図4】ハイトロック装置のベルト負荷感知アームを取付ける状態を示した側面図。
【図5】ハイト装置の一部とハイトロック装置の一部を示した通常状態の側面図。
【図6】シートを上動させた状態の側面図。
【図7】ハイトロック状態の側面図。
【符号の説明】
1…車両用シート、2…座席シート、3…背凭シート、5…座席フレーム、6…スライドレール、7…アッパーレール、8…ロアーレール、10…ハイト装置、11…後側回動アーム、12…後側取付軸、13…取付軸、14…前側回動アーム、15…前側取付軸、16…取付軸、18…操作機構、19…ロッド、20…セクターギヤ、21…作動用回動部材、22…歯車、30…シートベルト、31…リトラクター、32…ショルダーアンカー部、33…ベルト係止用アンカー部、34…タングプレート、35…バックル、40…ハイトロック装置、41…ベルト緊張感知アーム、42…係合フック、43…係合溝、44…ロックアーム、45…アーム取付軸、46…アンカー取付軸、48…上側取付軸、49…下側取付軸、6…車体側プレート、51…アッパーレール、52…ロアーレール。
【産業上の利用分野】
本発明は、シートベルトを一体状に組み込んだ車両用シートにリンク機構からなるハイト装置を設けたものである。
【0002】
【従来技術】
従来、緊急時着座者を車両用シートに拘束するためのシートベルトが通常は引出されたときに弛まないように巻き取るとともに緊急時には引出されるのをロックするリトラクターと、シートベルトの端部を係止するベルト係止用アンカー部と、シートベルトの中間部のバックルを着脱自在に係合させるタングプレートと、前記車両用シートの背凭シートの上部の、リトラクターから伸びるシートベルトを通すショルダーアンカー部との夫々からなるシートベルトを車両用シートに一体状に設けた構成は公知である(特許文献1)。
また、従来、車両用シートをハイト装置を介して取付け、高さ調節自在にした構成も公知である。(特許文献2)。
また、従来、車両用シートを高さ調節自在にハイト装置を介して取付け、このハイト装置をシートベルトに所定以上の荷重が掛かったとき、ハイト装置の上下をロックするハイトロック機構を設けた構成も公知である。(特許文献3)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−59770号公報、(2−5頁、図1)
【0004】
【特許文献2】
特公平1−21012号公報、(1〜3頁、図1、図4)
【0005】
【特許文献3】
特開2001−163091号公報、(1〜3頁、図1〜図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知例のうち特開2002−59770号公報(公知例1)に記載されたものは、シートベルトが受ける衝撃荷重を考慮して背凭フレームの構成について工夫したシートベルト組み込み(一体型)車両用シートである。
しかし、シートベルト組み込み車両用シートは通常の車両シートに対してシートベルトに掛かる荷重をも支受するため、大幅に入力荷重が増加し、特に、シートベルト組み込みんだための前方向へ掛かる負荷が極めて大きくなる。そのため、公知例1では背凭シートのフレームに補強部材を設け、車両シートの変形を防止しているが、車両用シートの高さ調節はできないという課題がある。
即ち、公知例1では背凭シートのフレームに補強部材を設けることで、シートベルト組み込み車両用シートを実現しているが、ハイト装置を設けていないので、車両用シートの高さ調節はできない。
一方、特公平1−21012号公報(公知例2)のように、ハイト装置を設けた車両用シートは多数あるが、シートベルトを組み込む構成の記載はなく、ハイト装置を設けた車両用シートにおいてシートベルト組み込み車両用シートは実用化されていない。
ハイト装置を設けたとき、シートベルト組み込みんだための前方向へ掛かる極めて大きな荷重による変形を防ぐことが困難であり、単純にハイト装置を設けた車両用シートにシートベルトを組み込むには、相当な重量の増加とコストの増加が発生する。
そのため、ハイト装置を設けた車両用シートにおいてシートベルト組み込み車両用シートは実用化されていない。
また、特開2001−163091号公報(公知例3)には、ハイト装置の上下をシートベルトに荷重が掛かったときロックするハイトロック構成が、記載されているが、シートベルトの組み付けに関しては一つのアンカブラケットが記載されているに過ぎず、公知例3はシートベルトに荷重が掛かったときにアンカブラケットの高さを変更させないようにすることが目的であり、その他の記載はなく、やはり、ハイト装置を設けた車両用シートにおいてシートベルト組み込み車両用シートは実用化されていない。
しかして、通常、シートベルトは肩と腰の左右両側の3点を支持するのが一般的であり、衝撃を受けたシートベルトは左右のベルト係止用アンカー部およびバックルとショルダーアンカー部の3点で支持され、公知例1ではショルダーアンカー部に掛かる荷重を考慮して背凭フレームを補強している。
しかし、ショルダーアンカー部を背凭シートに設けたシートベルト一体型車両用シートではベルト係止用アンカー部およびバックルの2点を車体側に取付けることで支持が可能になるが、ハイト装置を設けた車両用シートではシートベルトのショルダーアンカー部まで車両用シートに設けると、荷重が座席フレームとハイト装置との取付部分に集中して支持できないから、公知例3のハイト装置を設けた車両用シートではシートベルトのショルダーアンカー部を車体側に設けて緊急時の荷重の一部を車体側に逃がすことで、シートベルトに掛かる荷重を支持しているのである。
このように、ハイト装置を設けた車両用シートでシートベルトのショルダーアンカー部まで一体に設けた従来例はないが、シートベルトの取付およびハイト装置の後側回動アームの回動を停止させるハイトロック装置の構成を工夫すると、ハイト装置を設けたシートベルト一体型車両用シートの提供が可能となる。
【0007】
【発明の目的】
一体式シートベルトおよびハイト装置を有する車両用シートの提供、作動確認テストの容易化、作動の確実性の向上、構成の簡素化、コストダウン。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車体側に取付ける車体側プレート6と車両用シート1との間にリンク機構からなるハイト装置10を設けて高さ調節自在に構成し、該車両用シート1には緊急時着座者を車両用シート1に拘束するシートベルト30を設け、前記車両用シート1の背凭シート3の上部の、リトラクター31から伸びるシートベルト30を通すショルダーアンカー部32を設けた側の車両用シート1には、緊急時前記ハイト装置10の後側回動アーム11の回動を該後側回動アーム11の下部側の軸周りにおいて停止させるハイトロック装置40を設け、もって、シートベルト30の端部を係止するベルト係止用アンカー部33およびシートベルト30の中間部のバックル35を着脱自在に係合させるタングプレート34を前記車体側プレート6に設けた車両用シート、および、車体側に取付ける車体側プレート6と車両用シート1との間にリンク機構からなるハイト装置10を設けて高さ調節自在に構成し、緊急時着座者を車両用シート1に拘束するシートベルト30が引出されたときには弛まないように巻き取るとともに緊急時には引出されるのをロックするリトラクター31と、シートベルト30の端部を係止するベルト係止用アンカー部33と、シートベルト30の中間部のバックル35を着脱自在に係合させるタングプレート34と、前記車両用シート1の背凭シート3の上部のリトラクター31から伸びるシートベルト30を通すショルダーアンカー部32との夫々からなるシートベルト30を車両用シート1に一体状に設け、前記ショルダーアンカー部32を設けた側の車両用シート1には緊急時前記ハイト装置10の後側回動アーム11の回動を該後側回動アーム11の下部側の軸周りにおいて停止させるハイトロック装置40を設けた車両用シートとしたものであり、シートベルト30に所定以上の荷重が掛かると、ハイトロック装置40がこれを感知し、ハイト装置10の後側回動アーム11が回動するのを後側回動アーム11の下部側の軸周りにおいてロックして、ハイト装置10に掛かる荷重を支持する。また、ベルト係止用アンカー部33およびバックル35を係合させるタングプレート34に掛かる荷重は車体側プレート6により支持するので、シートベルト30に掛かる荷重は分散され、車両用シート1の背凭シート3の上部に一体状にショルダーアンカー部32を設けても、ショルダーアンカー部32に掛かる荷重は、車両用シート1のフレームにより十分に支持する。
本発明は、前記ハイトロック装置40は、所定以上の荷重を受けたシートベルト30の緊張を感知すると回動するベルト負荷感知アーム41と、ベルト負荷感知アーム41の回動によりアンロック状態からロック位置に移動する係合フック42と、該係合フック42が継脱する係合溝43を有するロックアーム44とにより構成し、ロックアーム44はハイト装置10の後側回動アーム11と同一軸心状態に設け、前記係合溝43は、前記ロックアーム44の外周に、前記ロックアーム44を車体側に取付ける下側取付軸49中心に円弧状に配置形成した車両用シートとしたものであり、ハイト装置10に掛かる荷重は後側回動アーム11の下部側の軸周りにおいてロックして支持するので、実質上車体により支持することになり、その分、車両用シート1全体が支受する荷重を減少させられる。
本発明は、前記車体側プレート6はスライドレール50により構成し、該スライドレール50のアッパーレール51に前記ベルト負荷感知アーム41およびロックアーム44を取付けた車両用シートとしたものであり、ベルト係止用アンカー部33およびバックル35を係合させるタングプレート34に掛かる荷重はスライドレール50が支持し、スライドレール50により車両用シート1全体の前後位置を調節できる。
【0009】
【実施例】
本発明の実施例を図面により説明すると、1は車両用シート、2は車両用シート1の座席シート、3は座席シート2にリクライニング装置(図示省略)を介して傾斜角度調節自在に設けた背凭シートである。
しかして、座席シート2の座席フレーム5と車体側に取付ける車体側プレート6との間には、座席シート2の高さを調節するハイト装置10を設ける。ハイト装置10の構成は任意であり、一例を示すと、座席フレーム5の後側左右側両面に後側回動アーム11の一端を回動自在に上側取付軸12により軸着し、後側回動アーム11の他端を車体側プレート6に下側取付軸13により回動自在に夫々軸着する。
【0010】
座席フレーム5の前側左右側両面に前側回動アーム14の上部を回動自在に前側取付軸15により軸着し、前側回動アーム14の下部を車体側プレート6に取付軸16により回動自在に夫々軸着する。
前記後側回動アーム11または前側回動アーム14の何れか一方を回動させるようにして、操作機構18を構成する。19はロッド、20はセクターギヤ、21はハイト作動用回動部材、22は作動用回動部材21の歯部23に噛合う歯車、24は操作ダイヤルである。
したがって、ハイト装置10は、座席フレーム5および車体側プレート6と、後側回動アーム11および前側回動アーム14とによりリンクを構成し、後側作動用回動部材21が後側回動アーム11を回動させ、後側回動アーム11は座席フレーム5の後部を上下させ、これに連動して前側回動アーム14も回動して、座席シート2を車体側プレート6に対して上下させる。
なお、ハイト装置10の構成は、後側回動アーム11と前側回動アーム14とを平行リンクのように連動させずに、後側回動アーム11と前側回動アーム14とを個別に回動させて座席シート2の前後夫々を独立させて上下させるように構成してもよい。
【0011】
しかして、車両用シート1にはシートベルト30を装備する(図1)。シートベルト30の一端は車両用シート1(車体側プレート6も含まれる)の所望位置に設けたリトラクター31に出入り自在に取付ける。リトラクター31は公知の構成であり、シートベルト30が引出されたときには弛まないように巻き取るとともに、緊急時にはシートベルト30が引出されるのをロックするように構成されている。
リトラクター31から伸びるシートベルト30の端部は前記背凭シート3の背凭フレームの上部に設けたショルダーアンカー部32から出入り自在に挿通させ、前記ショルダーアンカー部32を設けた側に位置するベルト係止用アンカー部33に係止する。ショルダーアンカー部32とベルト係止用アンカー部33との間のシートベルト30の中間部にはタングプレート34を設け、タングプレート34はベルト係止用アンカー部33と反対側に設けたバックル35に着脱自在に係合させる。
【0012】
しかして、ベルト係止用アンカー部33およびバックル35は車体側プレート6に取付け、リトラクター31は車両用シート1の所望位置に取付け、これによりシートベルト30は車両用シート1に一体的に設ける。即ち、シートベルト30に関する構成品は車両用シート1に取付け、シートベルト一体型車両用シート1として車体に取付けるように構成する。
この場合の車両用シート1とは車体側プレート6を含めたものであり、車体に取付けられる前の状態に相当する。
【0013】
しかして、所定以上の荷重がシートベルト30に掛かると、前記ショルダーアンカー部32側のハイト装置10の後側回動アーム11の回動を下側取付軸13の軸周りにおいてロックするハイトロック装置40を設ける。
ハイトロック装置40は、シートベルト30に所定以上の荷重が掛かると、この荷重を感知してハイト装置10による車両用シート1の上下動をロックするものである。
ハイトロック装置40は、所定以上の荷重を受けたシートベルト30の緊張を感知するベルト負荷感知アーム41と、ベルト負荷感知アーム41によりアンロック状態からロック位置に移動する係合フック42と、係合フック42が継脱する係合溝43を有するロックアーム44とにより構成し、ハイトロック装置40は電動部材を介さずに機械的に所定以上の荷重を感知作動する。
【0014】
ベルト負荷感知アーム41の基部はアーム取付軸45により車体側プレート6に回動自在に取付け、ベルト負荷感知アーム41の先端には前記ベルト係止用アンカー部33を取付けたアンカー取付軸46を取付ける。
したがって、ベルト負荷感知アーム41は車体側プレート6に取付けられ、ベルト係止用アンカー部33はベルト負荷感知アーム41を介して車体側プレート6によりシートベルト30に掛かる荷重を車体側に分散させて支持する。
また、ベルト負荷感知アーム41の先端にベルト係止用アンカー部33をアンカー取付軸46を介して取付けることで、シートベルト30の何れかの場所に僅かに掛かった荷重(所謂静的テスト)をベルト負荷感知アーム41が検知でき、シートベルト30に実際の衝撃荷重を掛けたテスト(所謂動的テスト)をしなくても、ハイトロック装置40の作動確認テストを行える。
【0015】
しかして、ロックアーム44の一端は座席フレーム5に回動自在に上側取付軸12と同心上に配置される上側取付軸48により軸着し、ロックアーム44の他端は車体側プレート6に下側取付軸13と同心上に配置される下側取付軸49により回動自在に軸着する。ロックアーム44には下側取付軸49を中心とする円弧形状のハイト用作動孔47を設け、ハイト用作動孔47には前記ベルト係止用アンカー部33を取付けたアンカー取付軸46を移動自在に挿通する。
また、ロックアーム44の外周縁には下側取付軸49を中心とする円弧状に複数の係合溝43を形成し、該係合溝43に係合フック42を係合させるように構成する。
したがって、係合フック42と係合溝43は、下側取付軸49(下側取付軸13)の軸周りのロックアーム44を介して後側回動アーム11の回動をロックすることで、ロックに伴う荷重を下側取付軸13を取付けた車体側プレート6により支持するように構成する。
【0016】
前記係合フック42の基部は前記アーム取付軸45に固定し、係合フック42はベルト負荷感知アーム41と一体回動するように構成する。
前記係合フック42は、ロックアーム44の係合溝43の下面側に位置させ、ベルト負荷感知アーム41の感知したときの回動方向と係合フック42が係合溝43に係合する方向とを一致させる。
この場合、係合フック42とベルト負荷感知アーム41は一体に構成してもよい。
【0017】
しかして、ベルト負荷感知アーム41には、所定の荷重が掛かるまでアンロック方向に付勢するバネ(図示省略)等を設ける。バネ等の付勢部材の付勢力は、着座者がシートベルト30を締めるために、タングプレート34を持って引き出してバックル35に係合させる通常の操作に支障がない力に設定し、緊急時のシートベルト30の荷重の感知と、通常のシートベルト30の操作の際の係合フック42の係合防止とを両立させている。
【0018】
しかして、前記車体側プレート6は前記車両用シート1を車体に前後位置調節自在にするスライドレール50のアッパーレール51により構成し、スライドレール50のアッパーレール51に前記ベルト負荷感知アーム41およびロックアーム44を取付ける。52はスライドレール50のロアーレールである。
【0019】
次に作用を述べる。
車両用シート1に着座し、シートベルト30のタングプレート34を持って引き出し、タングプレート34をバックル35に係合させる。
次に、操作ダイヤル24を回すと、後側作動用回動部材21がロッド19を押し引きして後側回動アーム11を回動させ、後側回動アーム11は座席フレーム5の後部を上下させ、これに連動して前側回動アーム14も回動して座席フレーム5の前部を上下させ、座席シート2(車両用シート1)全体を車体側プレート6に対して上下させる。
【0020】
しかして、背凭シート3にショルダーアンカー部32を設けてシートベルト30を装着した車両用シート1では、緊急時にシートベルト30が緊張して着座者を車両用シート1に保持(拘束)させると、この着座者を保持させる荷重は、シートベルト30を通すショルダーアンカー部32とベルト係止用アンカー部33とバックル35を介して車両用シート1に掛かるため、従来、左右のベルト係止用アンカー部33およびバックル35とショルダーアンカー部32の3点に掛かる荷重を支持しうる強度に各フレームを構成したシートベルト一体型車両用シートは存在するが、ハイト装置10を設けたシートベルト一体型車両用シート1は実用化されていない。
【0021】
これは、ショルダーアンカー部32を背凭シート3に設けたシートベルト一体型車両用シート1ではベルト係止用アンカー部33およびバックル35をスライドレール50に取付け、3点の内2点を車体側により支持するが、ハイト装置10を設けた車両用シート1ではシートベルト30のショルダーアンカー部32まで車両用シート1に設けると、ショルダーアンカー部32に掛かる荷重の集中による座席フレーム5とハイト装置10との取付部分の変形を防止できず、従来の車両用シート1では、シートベルト30のショルダーアンカー部32を車体側に設け、ショルダーアンカー部32に掛かる荷重は車体側に逃がしていたのであり、ハイト装置10を設けたシートベルト一体型車両用シートは実用化されていないのである。
【0022】
そこで、本願は、ショルダーアンカー部32を設けた側のハイト装置10の後側回動アーム11の回動を停止させるハイトロック装置40のロックアーム44を後側回動アーム11の下側取付軸13周り(下側取付軸49)に設けることで、ハイト装置10を設けた車両用シート1へのシートベルト30の一体化を実現した(なお、公知例3ではハイト装置およびハイトロック機構が記載されているが、公知例3のハイトロック機構は、座席シート側に設けたバックルの高さが、シートベルトに荷重が掛かってシートが上動することで変化するのを防止するためであり、本願のハイトロック装置40のショルダーアンカー部32の荷重を支持する構成とは目的を異にしている)。
ハイトロック装置40は、所定以上の荷重を受けたシートベルト30の緊張を感知するベルト負荷感知アーム41の基部をアーム取付軸45により車体側プレート6に回動自在に取付け、ベルト負荷感知アーム41の先端には前記ベルト係止用アンカー部33を取付けたアンカー取付軸46を取付けているから、通常状態では、係合フック42は係合溝43に係合せず、後側回動アーム11を回動させて車両用シート1を車体側に対して上下させ、アーム取付軸45はロックアーム44のハイト用作動孔47内を移動するが、所定の荷重が着座者に掛かり、この荷重によりシートベルト30がリトラクター31より引き出されるように作用すると、ベルト係止用アンカー部33がベルト負荷感知アーム41の先端を牽引し、ベルト負荷感知アーム41はアーム取付軸45中心に回動する。
【0023】
したがって、ハイトロック装置40は、ベルト係止用アンカー部33を車体側プレート6(スライドレール50)に取付けながら、シートベルト30に掛かる荷重をベルト負荷感知アーム41により感知する。
アーム取付軸45には係合フック42を固定しているから、ベルト負荷感知アーム41が荷重を感知して回動すると、係合フック42がベルト負荷感知アーム41と一体回動してアンロック状態からロック位置に移動し、ロックアーム44の係合溝43に係合してロックし、ハイトロック装置40のロックにより後側回動アーム11の上下何れの方向の回動も固定される。
即ち、係合フック42は車体側プレート6(スライドレール50)に取付けたアーム取付軸45に固定しているので、係合フック42が係合溝43に係合するとロックアーム44を介して後側回動アーム11の回動を阻止する。
【0024】
この場合、ロックアーム44はアーム取付軸45により車体側プレート6(スライドレール50)に取付けているので、後側回動アーム11(ロックアーム44)を回動させようとする荷重は車体側プレート6(スライドレール50)を介して車体側で支持するので、ハイト装置10の変位量を少なくし、ハイトロック装置40により車両用シート1が衝撃で上下するのを抑制または防止する。
また、シートベルト30の一端を取付けたベルト係止用アンカー部33は、ベルト負荷感知アーム41を介して車体側プレート6(スライドレール50)に取付けられているので、座席フレーム5を含めた車両用シート1のフレームに掛かるシートベルト30の荷重の負担を減少させられ、全体を軽量化できる。
また、ハイトロック装置40の感知装置はベルト負荷感知アーム41により機械的に構成するので、構成が簡素であり、配線も不要であり、しかも、作動確実である。
【0025】
即ち、シートベルト30の中間部分が着座者の身体を締める張り具合では、実際の衝撃荷重を掛けてみなくては、作動の確実性を確認できないが、ベルト負荷感知アーム41の先端に直接ベルト係止用アンカー部33を取付けているので、シートベルト30の何れかの場所に僅かに掛かった荷重(所謂静的テスト)は全てベルト負荷感知アーム41を回動させるように作用して確実に感知できる。
したがって、シートベルト30に実際の衝撃荷重を掛けたテスト(所謂動的テスト)をしなくても、所定の荷重をシートベルト30に掛けた所謂静的テストで作動を確認できる。
また、ハイトロック装置40は、ロックアーム44に、係合溝43および用作動孔47を形成して構成しているから、構成を簡素にして安価にできる。
【0026】
【効果】
請求項1および請求項2の発明では、リンク機構からなるハイト装置10を有する車両用シートであっても、シートベルト30を一体状に装備可能であり、しかも、簡易な構成で実現でき、コストダウンできる。
請求項3では、ハイト装置10に掛かる荷重を後側回動アーム11の下部側の軸周りにおいてロックして支持するので、車両用シート1全体が支受する荷重を減少させ、シートベルト30を一体状に装備できる。
請求項4では、スライドレール50により車両用シート1全体の前後位置を調節できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両シートの斜視図。
【図2】シートベルトの取付け状態を示す斜視図。
【図3】座席フレームの側面図。
【図4】ハイトロック装置のベルト負荷感知アームを取付ける状態を示した側面図。
【図5】ハイト装置の一部とハイトロック装置の一部を示した通常状態の側面図。
【図6】シートを上動させた状態の側面図。
【図7】ハイトロック状態の側面図。
【符号の説明】
1…車両用シート、2…座席シート、3…背凭シート、5…座席フレーム、6…スライドレール、7…アッパーレール、8…ロアーレール、10…ハイト装置、11…後側回動アーム、12…後側取付軸、13…取付軸、14…前側回動アーム、15…前側取付軸、16…取付軸、18…操作機構、19…ロッド、20…セクターギヤ、21…作動用回動部材、22…歯車、30…シートベルト、31…リトラクター、32…ショルダーアンカー部、33…ベルト係止用アンカー部、34…タングプレート、35…バックル、40…ハイトロック装置、41…ベルト緊張感知アーム、42…係合フック、43…係合溝、44…ロックアーム、45…アーム取付軸、46…アンカー取付軸、48…上側取付軸、49…下側取付軸、6…車体側プレート、51…アッパーレール、52…ロアーレール。
Claims (4)
- 車体側に取付ける車体側プレート6と車両用シート1との間にリンク機構からなるハイト装置10を設けて高さ調節自在に構成し、該車両用シート1には緊急時着座者を車両用シート1に拘束するシートベルト30を設け、前記車両用シート1の背凭シート3の上部の、リトラクター31から伸びるシートベルト30を通すショルダーアンカー部32を設けた側の車両用シート1には、緊急時前記ハイト装置10の後側回動アーム11の回動を該後側回動アーム11の下部側の軸周りにおいて停止させるハイトロック装置40を設け、もって、シートベルト30の端部を係止するベルト係止用アンカー部33およびシートベルト30の中間部のバックル35を着脱自在に係合させるタングプレート34を前記車体側プレート6に設けた車両用シート。
- 車体側に取付ける車体側プレート6と車両用シート1との間にリンク機構からなるハイト装置10を設けて高さ調節自在に構成し、緊急時着座者を車両用シート1に拘束するシートベルト30が引出されたときには弛まないように巻き取るとともに緊急時には引出されるのをロックするリトラクター31と、シートベルト30の端部を係止するベルト係止用アンカー部33と、シートベルト30の中間部のバックル35を着脱自在に係合させるタングプレート34と、前記車両用シート1の背凭シート3の上部のリトラクター31から伸びるシートベルト30を通すショルダーアンカー部32との夫々からなるシートベルト30を車両用シート1に一体状に設け、前記ショルダーアンカー部32を設けた側の車両用シート1には緊急時前記ハイト装置10の後側回動アーム11の回動を該後側回動アーム11の下部側の軸周りにおいて停止させるハイトロック装置40を設けた車両用シート。
- 請求項1または請求項2において、前記ハイトロック装置40は、所定以上の荷重を受けたシートベルト30の緊張を感知すると回動するベルト負荷感知アーム41と、ベルト負荷感知アーム41の回動によりアンロック状態からロック位置に移動する係合フック42と、該係合フック42が継脱する係合溝43を有するロックアーム44とにより構成し、ロックアーム44はハイト装置10の後側回動アーム11と同一軸心状態に設け、前記係合溝43は、前記ロックアーム44の外周に、前記ロックアーム44を車体側に取付ける下側取付軸49中心に円弧状に配置形成した車両用シート。
- 請求項3において、前記車体側プレート6はスライドレール50により構成し、該スライドレール50のアッパーレール51に前記ベルト負荷感知アーム41およびロックアーム44を取付けた車両用シート。
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