JP2004352191A - 航空機用車輪支持機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】航空機の機体から下方に向けて連結され、機体の車輪13を支持する懸架装置を備えた航空機用車輪支持機構であって、懸架装置は、航空機の機体側に下方に向けて連結され、車輪13に対する上下方向の振動を緩衝する上下動サスペンション1と、航空機の車輪13の車軸52を回転自在に支持し、前記車輪13に対する前後方向の振動を緩衝するクランク軸構造体(前後動サスペンション)5と、一端部を航空機の機体側に回転自在に支持し、他端部を支持するとともに、途中部を上下動サスペンション1の下端位置に支持する前後アーム7とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空機において車輪を支持する支持機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、航空機用車輪支持機構としては、例えば、オレオ式緩衝装置等の上下動を抑制する緩衝機構が用いられている。着陸時の降下速度に基づく機体の運動エネルギは、このような緩衝機構によって吸収され、滑走路で発生した衝撃力が弱められて機体に伝えられる。
【0003】
また、従来の航空機用車輪支持機構としては、例えば、機体に連結されたシリンダ内に往復動可能かつ相対回転不能に嵌合されたラムの端部に機体の前後方向に揺動可能に支持した前後アームの前端部及び後端部に車軸をそれぞれ取り付けた支持機構が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−54497号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、航空機においては、着陸時の滑走路への進入速度が時速300km程度となる場合があり、着陸時に車輪のタイヤには、加速衝撃と呼ばれる水平方向への大きな衝撃が加わる。このため、着陸の瞬間に、車輪のタイヤから煙が上がってタイヤ表面が溶けて、タイヤ材料が滑走路に付着してしまう。滑走路上に付着したタイヤ材料は、雨等によって濡れると、その上を通過する航空機の車輪をスリップさせ、航空機運航の安全性を低下させるという問題がある。また、時々、滑走路に付着したタイヤ材料を除去するために滑走路を閉鎖しなければならず、運航スケジュールが過密化するという問題がある。
【0006】
また、タイヤ表面が溶けるため、パンクが発生し易くなり、航空機運航の安全性を直接的に損なわせるおそれがある。パンクが発生すると、滑走路が一時閉鎖され、その結果、運航スケジュールが過密化し、航空機運航の安全性が低下するおそれもある。
【0007】
さらに、超音速機が離陸の際に炎上して墜落するという悲惨な大事故が最近発生した。この事故の原因は、滑走路上に落ちていた金属片に、超音速機の車輪が高速で衝突してタイヤが破裂し、破片が燃料タンク又はエンジンに衝突したことにあると考えられている。このようなことから、滑走路上の障害物に車輪が衝突した場合であってもタイヤが破裂することを防止することができる機構の開発が強く望まれている。
【0008】
しかしながら、従来の支持機構は、専ら上下方向の衝撃を抑制するものであるため、上述したような課題の原因となる加速衝撃を充分に抑制することは困難である。また、特許文献1に開示された支持機構によれば、前後アームが揺動可能であり、車輪が前後方向に所定範囲で移動可能となるため、加速衝撃に対して若干の抑制性能を有するとも考えられるが、着陸時に加わる極めて大きな加速衝撃を考慮すると、その抑制性能は充分であるとはいえず、上述した課題を解決するには至っていない。
【0009】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、着陸時のタイヤに加わる衝撃を緩和することができ、また、滑走路上の障害物に車輪が衝突した際のタイヤに加わる衝撃を緩和することができる航空機用車輪支持機構を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1)航空機の機体から下方に向けて連結され、上記機体の車輪(例えば、車輪13)を支持する懸架装置を備えた航空機用車輪支持機構であって、
上記懸架装置は、
航空機の機体側に下方に向けて連結され、車輪に対する上下方向の振動を抑制する上下動サスペンション(例えば、上下動サスペンション1)と、
上記航空機の車輪の車軸(例えば、車軸52)を回転自在に支持し、上記車輪に対する前後方向の振動を抑制する前後動サスペンション(例えば、クランク軸構造体5)と、
一端部(例えば、前端部7a)を上記航空機の機体側に回転自在に支持し、他端部(例えば、後端部7b)を上記前後動サスペンションに支持するとともに、途中部(例えば、途中部7c)を上記上下動サスペンションの下端位置に支持する前後アーム(例えば、前後アーム7)と
を備えたことを特徴とする航空機用車輪支持機構(図1参照)。
【0011】
(1)の発明によれば、前後動サスペンションと、当該前後動サスペンションを支持する前後アーム及び上下動サスペンションとの作用によって、車輪が、車軸回りに回転を始めるとともに上下方向及び前後方向に運動をするため、当該運動をしている間、機体の重量が車輪に直接加わらない。従って、この間には、車輪のタイヤの発煙を著しく抑制することができる。さらに、車輪を支持する前後動サスペンションが設けられた前後アームの他端部(例えば、後端部)は、上下動サスペンションによって所定範囲で移動可能となるため、タイヤが滑走路に接触する際の衝撃を抑制することができる。
【0012】
また、前後動サスペンション及び上下動サスペンションの作用による着陸時の車輪の移動が終了すると、車輪には機体の重量が直接加わることとなるが、その際、車輪は既に滑走路に接触して回転しているため、その時の車輪のスリップ量は小さくなる。従って、着陸時に車輪のタイヤが溶けることを防止することができる。その結果、溶けたタイヤ材料が滑走路上に付着することを防止することができ、また、タイヤが擦り減ることによるパンクの発生を防止することができる。従って、航空機運航の安全性を向上させることができる。
【0013】
また、滑走中に滑走路上の障害物に車輪が衝突した場合でも、前後動サスペンションが作動して、車輪を後方向へ逃がし、さらに、車輪を支持する前後動サスペンションが設けられた前後アームの他端部(例えば、後端部)が、上下動サスペンションによって所定範囲で移動可能となるため、車輪に対する衝撃を緩和することができる。従って、障害物に車輪が衝突した場合におけるタイヤの破裂を防止することができ、この点からも、航空機運航の安全性を向上させることができる。
【0014】
(2) 上記(1)に記載の航空機用車輪支持機構であって、
上記前後動サスペンションは、
上記前後アーム(例えば、前後アーム7)の他端部(例えば、前端部7a)に回転可能に支持された支持部(例えば、支持部51)と、
上記支持部及び上記車輪(例えば、車輪13)の車軸(例えば、車軸52)を連結する連結アーム(例えば、連結アーム7)と
からなるクランク軸構造体(例えば、クランク軸構造体5)を備えている
請求項1に記載の航空機用車輪支持機構(図1参照)。
【0015】
(2)の発明によれば、着陸の際に、クランク軸構造体が作動して、車輪が、車軸回りに回転を始めるとともに支持部を中心として後上方へ角変位するため、角変位している間は、機体の重量が車輪に直接加わらない。従って、角変位している間、すなわち、クランク軸構造体が作動している間は、車輪のタイヤの発煙を著しく抑制することができる。さらに、車輪を支持する前後動サスペンションが設けられた前後アームの他端部(例えば、後端部)は、上下動サスペンションによって所定範囲で移動可能であるため、タイヤが滑走路に接触する際の衝撃を抑制することができる。
【0016】
また、車軸が支持部の鉛直上方に位置して角変位が終了すると、車輪には機体の重量が直接加わることとなるが、その際、車輪は既に滑走路に接触して回転しているため、その時の車輪のスリップ量は小さくなる。従って、着陸時に車輪のタイヤが溶けることを防止することができる。その結果、溶けたタイヤ材料が滑走路上に付着することを防止することができ、また、タイヤが擦り減ることによるパンクの発生を防止することができる。従って、航空機運航の安全性を向上させることができる。
【0017】
また、滑走中に滑走路上の障害物に車輪が衝突した場合でも、クランク軸構造体が作動して、車輪が支持部を中心として後方へ角変位して逃げ、さらに、車輪を支持する前後動サスペンションが設けられた前後アームの他端部(例えば、後端部)が、上下動サスペンションによって所定範囲で移動可能となるため、車輪に対する衝撃を緩和することができる。従って、障害物に車輪が衝突した場合におけるタイヤの破裂を防止することができ、この点からも、航空機運航の安全性を向上させることができる。
【0018】
さらに、本発明には、機体の方向を滑らかに変える作用もあるため、上下動サスペンションに加わる負担が小さくなる。これによって、上下動サスペンションが簡単化、軽量化され、これを支える部材も軽量化できることとなる。現用の降着装置は、車輪が平面の動きを与えられていないために、入力に対して応答が不完全である。これに対し、本発明は、車輪に上下前後の平面の自由度を与えているため、入力に対して完全応答が実現する。これによって、機体が受ける衝撃力が減少し、機体の軽量化も可能になる。
【0019】
本発明は、さらに以下のようなものを提供する。
(3) 上記(2)に記載の航空機用車輪支持機構であって、
上記支持部(例えば、支持部51)は、当該支持部の回転に対して抵抗力を加える回転減衰機構(例えば、磁石付きロータ275等)を介して、上記前後アーム(例えば、前後アーム7)の他端部(例えば、後端部7b)に支持されていることを特徴とする(図7参照)。
【0020】
(3)の発明によれば、回転減衰機構によって支持部の回転に対して抵抗力が加えられるため、滑走の際に支持部を中心としてクランク軸構造体が過度に振動することを防止することができる。従って、安定して滑走を行うことができる。
【0021】
本発明は、さらに以下のようなものを提供する。
(4) 上記(2)又は(3)に記載の航空機用車輪支持機構であって、
上記懸架装置は、支持部(例えば、支持部51)の回転作動を制御する制御手段(例えば、制御手段6)を備えていることを特徴とする(図1参照)。
【0022】
(4)の発明によれば、制御手段により、クランク軸構造体の作動中に、支持部の回転に負荷をかけることができるので、滑走の際に支持部を中心としてクランク軸構造体が過度に振動することを防止することができる。従って、安定して滑走を行うことができる。
【0023】
また、本発明は、以下のようなものを提供する。
(5) 上記(4)に記載の航空機用車輪支持機構であって、
上記制御手段(例えば、制御手段6)は、着陸前に、支持部(例えば、支持部51)を回転させて車軸(例えば、車軸52)を上記支持部の鉛直下方に移動させ、その姿勢で上記支持部を拘束してクランク軸構造体(例えば、クランク軸構造体5)を静止させ、着陸直前にその拘束を解除することを特徴とする(図1参照)。
【0024】
(5)の発明によれば、制御手段により、着陸前においてクランク軸構造体を拘束することができるため、クランク軸構造体が強風によって振動することを防止することができる。従って、着陸前の安定した飛行を確保することができる。
【0025】
また、本発明は、以下のようなものを提供する。
(6) 上記(2)〜(5)のいずれか1に記載の航空機用車輪支持機構であって、
上記車輪(例えば、車輪13)を制動する制動機構(例えば、制動機構4)を備え、
上記制動機構は、車輪の制動面(例えば、ブレーキロータ414)を制動部材(例えば、パッド413)で押圧して制動するものであり、
上記制動部材は、リンク機構(例えば、リンク機構42)を介して、前後アーム(例えば、前後アーム7)に連結されており、上記リンク機構は、クランク軸構造体(例えば、クランク軸構造体5)と平行な位置関係を維持するように構成されていることを特徴とする(図1参照)。
【0026】
(6)の発明によれば、クランク軸構造体が作動して、車輪が支持部回りに角変位しても、制動機構が車輪の角変位に追従するため、制動機構を常に正常に作動させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の航空機用車輪支持機構の第1実施形態について図面に基づいて説明する。以下においては、本発明の航空機用車輪支持機構に好適な実施形態として、本発明を軽飛行機に適用した場合について説明する。勿論、本発明の航空機用車輪支持機構を適用可能な航空機は、軽飛行機に限定されるものではない。
【0028】
図1は、第1実施形態の航空機用車輪支持機構を模式的に示す全体側面略図であり、図2は、第1実施形態の航空機用車輪支持機構に係る上下動サスペンションを模式的に示す縦断面図である。図3は、第1実施形態の航空機用車輪支持機構に係る前後動サスペンションを模式的に示す縦断面図であり、図4は、当該前後動サスペンションの分解斜視図である。なお、図4は、前後アーム7とクランク軸構造体(前後動サスペンション)5の連結アーム53とが平行である状態における分解斜視図である。
【0029】
航空機の機体(図示せず)下部のトラニオンフォーク2には、連結部2aが形成されており、連結部2aには、下方に向けて上下動サスペンション1が連結されている。また、トラニオンフォーク2と機体とは、サイドブレース8により連結されている。トラニオンフォーク2の下端には、連結部2bを介して、前後アーム7の前端部(一端部)7aが回転自在に支持されている。前後アーム7の後端部(他端部)7bには、クランク軸構造体(前後動サスペンション)5が支持されており、前後アーム7の途中部7cには、上下動サスペンション1の下端部が連結されている。
【0030】
この上下動サスペンション1は、車輪13に対する上下方向の振動を抑制するものであり、図2に示すように、アッパーチューブ23とボトムチューブ24とを備え、緩衝装置21を内蔵している。アッパーチューブ23の上端部は、トラニオンフォーク2の連結部2aに連結され、ボトムチューブ24の下端部は、前後アーム7の途中部7cに連結されている。緩衝装置21では、伸縮する際にコイルスプリング211によって弾性力が作用し、また、封入されたオイル212がオリフィス213を通過する際に減衰力が発生する。なお、コイルスプリング211に代えて、空気バネ等を採用することも可能である。
【0031】
クランク軸構造体(前後動サスペンション)5は、前後アーム7の後端部(他端部)7bに転がり軸受31を介して回転自在に支持された支持部51と、支持部51の一端と車輪13の車軸52の一端とを連結する連結アーム53とからなる。車軸52には転がり軸受32を介して車輪13が回転自在に支持される。
なお、図3では、転がり軸受31としてローラーベアリングを用いており、転がり軸受32としてボールベアリングを用いている。
【0032】
制御手段6は、トルク発生器61と制御部62(図4参照)とからなる。トルク発生器61としては、例えば、モーター、発電機、ブレーキ等を用いることができる。トルク発生器61は、支持部51の回転トルク及び回転角を制御することが可能であり、制御部62は、トルク発生器61の作動を制御する。さらに、トルク発生器61と支持部51との間には、変速機(図示せず)が設けられている。
【0033】
また、図3に示すように、制動機構4は、ディスクブレーキ41を備えており、このディスクブレーキ41は、ブレーキロータ(制動面)414をパッド(制動部材)413によって挟圧することにより、車輪13を制動する。パッド413は、ブラケット411に内蔵されたキャリパ415に保持されている。
【0034】
ブラケット411は、転がり軸受(図中ではローラーベアリング)33を介して車軸52に回転自在に支持され、さらに、リンク機構42を介して、前後アーム7の突出部22に連結されている(図1参照)。リンク機構42は、リンク421の一端が突出部22にピン423を介して回転自在に連結され、リンク421の他端がブラケット411の延長部412の先端にピン422を介して回転自在に連結され、クランク軸構造体5と平行な位置関係を維持するように構成されている。なお、リンク機構42は、図4に示すように、2組のリンク421及びピン422、423からなるものである。なお、本発明においては、ブラケット411を連結アーム53に固定することにより、リンク機構42を省略することが可能であり、制動機構4及びその取付構造の簡略化や軽量化を図ることができる。
【0035】
次に、第1実施形態の航空機用車輪支持機構の作動について、図5を用いて説明する。
図5は、第1実施形態の航空機用車輪支持機構の着陸時の作動を連続して示す側面図である。図中、白抜きの矢印は各構成要素の動作方向を示す。
【0036】
着陸前になると、制御部62(図示せず)からトルク発生器61に信号が送られ、トルク発生器61により支持部51の回転が制御されることにより、車軸52が支持部51の鉛直下方に位置した姿勢で支持部51が拘束され、クランク軸構造体(前後動サスペンション)5が静止する(図5(a)参照)。
【0037】
次に、制御部62は、高度センサ(図示せず)からの信号に基づいて、着陸直前の状態を判断する。着陸直前になると、制御部62からトルク発生器61に信号が送られ、トルク発生器61による支持部51の拘束が解除され、クランク軸構造体5の拘束が解かれる。
【0038】
着陸時、滑走路に車輪13が接触すると(図5(b)参照)、後方向に衝撃力が発生する。この衝撃力によって、車輪13は、車軸52回りに回転を始めるとともに、支持部51を中心として図中反時計回りに角変位を始め、180°まで角変位する(図5(c)参照)。この間、機体の重量は、車輪13には直接伝わらない。
【0039】
ところで、車輪13が滑走路にスリップ接触している際の摩擦仕事量Wは、スリップ接触する量Sと車輪に加わる荷重Mとの積となる。そして、角変位の間、機体の重量は車輪13に直接加わらないので、荷重Mは極端に小さくなる。従って、摩擦仕事量Wは非常に小さくなるので、車輪13のタイヤ131が発煙することは殆どない。
【0040】
車輪13が支持部51回りに180°角変位すると、上下動サスペンション1の作動が始まり、前後アーム7の後端部(他端部)7bが所定範囲内で、前端部(一端部)7aを中心として反時計回りに移動するため(図5(d)参照)、車輪13に対する上下方向及び前後方向の衝撃が弱められて機体に伝わる。このとき、車輪13には機体の荷重が直接加わることになるが、車輪13は既に滑走路に接触して回転しているので、車輪に対する後方向への衝撃は殆ど加わらない。
従って、この間に、車輪13のタイヤ131が発煙することは殆どない。なお、上下動サスペンション1のストロークは、オイルロックにより止められる。
【0041】
そして、着陸後、車輪13は、図5(d)に示す状態で滑走路上を滑走する。滑走中、滑走路に障害物(凸部等)がある場合、車輪13は、凸部に乗り上げる際に、支持部51回りに角変位して、後方向へ逃げる(図5(e)参照)。
これにより、車輪13に加わる前方向からの衝撃が、後方向へ逃がされて緩和される。また、車輪13が後方向へ逃げることにより、車輪13に対する衝撃の持続時間が長くなるので、瞬間的な衝撃力が弱くなる。
【0042】
さらに、図中では示していないが、車輪13が凸部に乗り上げる際には、上下動サスペンション1の作動により、前後アーム7の後端部(他端部)7bが所定範囲内で、前端部(一端部)7aを中心として反時計回りに移動し得るので、車輪13から機体に伝えられる上下方向及び前後方向の衝撃が弱められる。従って、滑走中に、車輪13が障害物に衝突しても、車輪13に加わる衝撃は小さいものとなるので、タイヤ131の破裂を防止することができる。
【0043】
また、車輪13が支持部51回りに角変位する際、制動機構4のリンク機構42は、次のように作動する。すなわち、リンク機構42は、クランク軸構造体5と平行な位置関係を維持するように構成されているので、車輪13が支持部51回りに角変位すると、その際のクランク軸構造体5の作動状態と平行な位置関係を維持した作動を行う(図5(b)〜(e)参照)。従って、車輪13が支持部51回りに角変位しても、制動機構4のディスクブレーキ41は常に正常に作動し得る状態に維持される。
【0044】
以上、第1実施形態の航空機用車輪支持機構について説明したが、トルク発生器61に発電機を採用して、支持部51の回転に対して抵抗力を加える回転減衰機構としてもよい。この回転減衰機構は、支持部51の回転を利用して、界磁巻線により励起される磁界と電機子巻線とを相対移動させることにより、発電機を作動させて発電するように構成される。
このような回転減衰機構によって車輪13を前後円運動させる変位エネルギを発電機により電気エネルギに変換することにより、車輪13の前後円運動を減衰させることができ、さらに、得られた電気エネルギをバッテリーに供給して活用することも可能となる。
【0045】
図6は、第1実施形態の航空機用車輪支持機構に係る回転減衰機構の制御ブロック図である。
回転減衰機構は、機体の運動状態を検出する状態検出センサ328と、磁界が電機子巻線に対して変化するように界磁巻線に通電して励磁する励磁電源部329と、状態検出センサ328の検出情報に基づいて磁界と電機子巻線との相対移動に対する減衰力を増加させるように励磁電源部329を駆動制御する減衰機構用制御部330とを備えている。
【0046】
従って、状態検出センサ328により、機体の運動状態を検出し、この検出情報に基づき、減衰機構用制御部330により磁界と電機子巻線との相対移動に対する減衰力を増加させるように励磁電源部329を駆動制御すれば、より迅速に上記回転減衰機構により車輪の前後円運動を減衰させることができる。
【0047】
状態検出センサ328は、具体的には、機体の運動状態として、車輪の前後方向の変位、ばね下加速度、ばね上加速度、機体の速度、操舵角等を検出する各種のセンサで構成され、各センサからの検出信号が減衰機構用制御部330に入力される。
【0048】
励磁電源部329は、界磁巻線により励磁される磁界を電機子巻線に対して相対的に移動させるものであり、具体的には、磁界を電機子巻線に対して回転させるために、バッテリー327から供給される直流を任意の周波数の交流に変換するインバータ回路等で構成される。
【0049】
減衰機構用制御部330では、状態検出センサ328からの情報を解析して、不足する減衰力を算出し、この不足分を補うために、励磁電源部329を駆動制御して、界磁巻線に磁束線の変化を増大させるような電流を供給する。これにより、フレミングの右手の法則に従い、電機子巻線により大きな誘導電流が流れるため、界磁巻線に励磁される磁界との間でフレミングの左手の法則に従うトルクが発生し、このトルクを減衰力として、発電機に連結された支持部51の回動を減衰させることができる。なお、励磁電源部329から供給する電流は、車輪の前後円運動に対応させて向き(正負)を反転変化させる必要がある。なお、上述したような減衰機構用制御部330の機能を制御部62にもたせ、減衰機構用制御部330を省略することも可能である。
【0050】
また、回転減衰機構として、磁石付きロータを利用する回転減衰機構を採用することも可能である。
図7(a)は、磁石付きロータを利用する回転減衰機構を適用した前後動サスペンションの断面図であり、図7(b)は、図7(a)に示した磁石付きロータの正面図である。
【0051】
図7に示したように、磁石付きロータ275を利用する減衰機構では、ケース272内において、支持部51の先端に取り付けた板状の磁石付きロータ275と、ケース272の内壁面とに、互いを磁力によって固定し合うようにして永久磁石271a、271bが対向させて取り付けられている。すなわち、車輪が前後動(前後円運動)して支持部51が回動すると、支持部51の回動に連動して磁石付きロータ275も回動するが、磁石付きロータ275の回動に対して永久磁石271a、271b間に作用する吸着力と反発力とにより抵抗力が生じることになるので、車輪の前後動(前後円運動)を減衰させることができる。
【0052】
なお、回転減衰機構としては、上述した例に限定されず、例えば、粘性流体の粘性抵抗を利用するもの等を挙げることができる。また、これらの回転減衰機構は、後述する第2実施形態においても適用することが可能である。
【0053】
[第2実施形態]
次に、本発明の航空機用車輪支持機構の第2実施形態について図面に基づいて説明する。
図8は、第2実施形態の航空機用車輪支持機構を模式的に示す全体側面略図である。
【0054】
航空機の機体111下部には連結部102aが形成されており、連結部102aには、下方に向けて上下動サスペンション101が連結されている。
上下動サスペンション101は、アッパーチューブ123とボトムチューブ124とを備え、緩衝装置(図示せず)を内蔵している。なお、この緩衝装置については、第1実施形態と同様のものであり、既に説明済であるので、ここでの説明は省略する。上下動サスペンション101のアッパーチューブ123の上端部が、機体111下部に形成された連結部102aと連結されている。
【0055】
アッパーチューブ123の前側面には、連結部108aが形成され、機体111に形成された連結部108bと、サイドブレース108により連結されている。アッパーチューブ123の連結部108aの下部には、連結部109aが形成され、この連結部109aには、リンク109の上端が連結されている。一方、リンク109の下端には、前後アーム107の前端部(一端部)107aが回転自在に支持されている。
【0056】
このように、本発明においては、必ずしも、前後アーム7の前端部(一端部)107aが、直接、機体111に回転自在に支持される必要はない。機体111に設けられた部材(図8においては、上下動サスペンション101のアッパーチューブ123)等に回転自在に支持されることとしてもよく、リンク機構(リンク109及び連結部109a、109b)を介して支持されることとしてもよい。さらに、図8に示すように、機体111に設けられた部材(アッパーチューブ123)等に、リンク機構(リンク109及び連結部109a、109b)を介して、前後アーム107の前端部(一端部)107aが支持されることとしてもよい。
【0057】
また、前後アーム107の後端部(他端部)107bには、クランク軸構造体(前後動サスペンション)105が支持されており、前後アーム107の途中部107cには、上下動サスペンション101の下端部が連結されている。
【0058】
クランク軸構造体(前後動サスペンション)105は、第1実施形態におけるクランク軸構造体5と同様の構成を有するものである。すなわち、前後アーム107の後端部(他端部)107bに転がり軸受(図示せず)を介して回転自在に支持された支持部151と、支持部151の一端と車輪113の一端とを連結する連結アーム153とからなる。車軸152には転がり軸受(図示せず)を介して車輪113が回転自在に支持される。
【0059】
制御手段106は、トルク発生器161と制御部(図示せず)とからなる。トルク発生器161としては、第1実施形態と同様のものを採用することができる。トルク発生器161は、支持部151の回転トルク及び回転角を制御することが可能であり、制御部は、トルク発生器161の作動を制御する。さらに、トルク発生器161と支持部151との間には、変速機(図示せず)が設けられている。さらに、制動機構104は、第1実施形態と同様に、ディスクブレーキ141を備えており、制動機構104のブラケット511は、転がり軸受(図示せず)を介して車軸152に回転自在に支持され、さらに、リンク機構142を介して、前後アーム107の突出部122に連結されている。リンク機構142は、リンク521の一端が突出部122にピン523を介して回転自在に連結され、リンク521の他端がブラケット511の延長部512の先端にピン422を介して回転自在に連結され、クランク軸構造体105と平行関係を維持するように構成されている。なお、リンク機構142は、図8に示すように、2組のリンク521及びピン522、523からなるものである。
なお、第1実施形態と同様に、ブラケット511を連結アーム153に固定することにより、リンク機構142を省略することが可能であり、制動機構104及びその取付構造の簡略化や軽量化を図ることができる。
【0060】
次に、第2実施形態の航空機用車輪支持機構の作動について、図9を用いて説明する。
図9は、第2実施形態の航空機用車輪支持機構の着陸時の作動を連続して示す側面図である。図中、白抜きの矢印は各構成要素の動作方向を示す。
【0061】
着陸前になると、制御部からトルク発生器161に信号が送られ、トルク発生器161により支持部151の回転が制御されることにより、車軸152が支持部151の鉛直下方に位置した姿勢で支持部151が拘束され、クランク軸構造体(前後動サスペンション)105が静止する(図9(a)参照)。
【0062】
次に、制御部は、高度センサ(図示せず)からの信号に基づいて、着陸直前の状態を判断する。着陸直前になると、制御部からトルク発生器161に信号が送られ、トルク発生器161による支持部151の拘束が解除され、クランク軸構造体105の拘束が解かれる。
【0063】
着陸時、滑走路に車輪113が接触すると(図9(b)参照)、後方向に衝撃力が発生する。この衝撃力によって、車輪113は、車軸152回りに回転を始めるとともに、支持部151を中心として図中反時計回りに角変位を始め、180°まで角変位する(図9(c)参照)。この間、機体の重量は、車輪113には直接伝わらないので、第1実施形態と同様に、車輪113のタイヤ231が発煙することは殆どない。
【0064】
車輪113が支持部151回りに180°角変位すると、上下動サスペンション101の作動が始まり、前後アーム107の後端部(他端部)107bが所定範囲内で、略反時計回りに移動するため(図9(d)参照)、車輪113には機体111の荷重が直接加わることになるが、車輪113は既に滑走路に接触して回転しているので、車輪113のタイヤ231が発煙することは殆どない。なお、上下動サスペンション101のストロークは、オイルロックにより止められる。
【0065】
そして、着陸後、車輪113は、図9(d)に示す状態で滑走路上を滑走する。滑走中、滑走路に障害物(凸部等)がある場合、車輪113は、凸部に乗り上げる際に、支持部151回りに変位して、後方向へ逃げる(図9(e)参照)。
これにより、車輪113に加わる前方向からの衝撃が、後方向へ逃がされて緩和される。また、車輪113が後方向へ逃げることにより、車輪113に対する衝撃の持続時間が長くなるので、瞬間的な衝撃力が弱くなる。
【0066】
さらに、図中では示していないが、車輪113が凸部に乗り上げる際には、上下動サスペンション101の作動により、前後アーム107の後端部(他端部)107bが所定範囲内で、前端部(一端部)107aを中心として反時計回りに移動し得るので、車輪113から機体111に伝えられる上下方向及び前後方向の衝撃が弱められる。従って、滑走中に、車輪113が障害物に衝突しても、車輪113に加わる衝撃は小さいものとなるので、タイヤ231の破裂を防止することができる。
【0067】
また、車輪113が支持部151回りに変位する際、制動機構104のリンク機構142は、次のように作動する。すなわち、リンク機構142は、クランク軸構造体105と平行な位置関係を維持するように構成されているので、車輪113が支持部151回りに変位すると、その際のクランク軸構造体105の作動状態と平行な位置関係を維持した作動を行う(図9(b)〜(e)参照)。従って、車輪113が支持部151回りに変位しても、制動機構104のディスクブレーキ141は常に正常に作動し得る状態に維持される。
【0068】
以上、本発明の航空機用車輪支持機構の実施形態について説明したが、さらに、本発明の航空機用車輪支持機構においては、以下のような構成を採用することが可能である。
(A)第1実施形態の航空機用車輪支持機構においては、前後動サスペンションは、クランク軸構造体を備えていたが、本発明の航空機用車輪支持機構において、前後動サスペンションは、偏心円筒を備えていてもよい。
また、本発明に係る前後動サスペンションが備えるクランク軸構造体は、第1、2実施形態とは異なる構造を有していてもよい。
【0069】
図10(a)〜(c)は、それぞれ本発明の航空機用車輪支持機構に係る前後動サスペンションが備えるクランク軸構造体を模式的に示す図である。
図10(a)は、第1、2実施形態の航空機用車輪支持機構に係る前後動サスペンションが備えるクランク軸構造体の構造を示している。
支持部51と車軸52とは平行となっており、支持部51の一端と車軸52の一端とが連結アーム53により連結されている。
【0070】
図10(b)は、本発明の航空機用車輪支持機構に係る前後動サスペンションが備えるクランク軸構造体の構造を示している。
支持部51と、2本の車軸52とは平行となっており、支持部51の両端と2本の車軸52の一端とがそれぞれ連結アーム53により連結されている。
【0071】
図10(c)は、本発明の航空機用車輪支持機構に係る前後動サスペンションが備えるクランク軸構造体の構造を示している。
2本の支持部51と、車軸とは平行となっており、2本の支持部51の一端と車軸52の両端とがそれぞれ連結アーム53により連結されている。
【0072】
勿論、本発明の航空機用車輪支持機構に係る前後動サスペンションが備えるクランク軸構造体の構造は、図10(a)〜(c)に示した例に限定されるものではない。また、車軸は、クランク軸構造体の連結アームと一体的に形成され、クランク軸構造体に含まれることとしてもよく、クランク軸構造体の連結アームとは別体として形成され、クランク軸構造体には含まれないこととしてもよい。
【0073】
また、クランク軸構造体の材質は、特に限定されるものではないが、カーボンファイバーであることが望ましい。クランク軸構造体をカーボンファイバーにより作製することにより、クランク軸構造体を軽量化することができ、また、クランク軸構造体に基づく衝撃緩和性能を増大させることができるからである。
【0074】
また、本発明は、以下のようなものを提供する。
(I)航空機の機体には、下方へ向けて緩衝機構(例えば、上下動サスペンション1)が連結され、上記緩衝機構の下端部に、前後アーム(例えば、前後アーム7)が上記機体の前後方向に揺動可能に支持され、
上記前後アームの前端部(例えば、前端部7a)は、可動機構(例えば、連結部2b)を介して、少なくとも上記前後アームの後端部(例えば、後端部7b)が所定範囲で移動可能となるように、上記機体に連結される一方、
上記前後アームの後端部には、車輪(例えば、車輪13)を回転自在に支持する懸架機構が設けられ、
上記懸架機構は、上記前後アームの後端部に回転可能に支持された水平支持軸(例えば、支持部51)と、上記車輪を回転自在に支持する車軸(例えば、車軸52)と、上記水平支持軸及び上記車軸に対して直角に位置して上記水平支持軸の一端及び上記車軸の一端を連結する連結アーム(例えば、連結アーム7)とからなるクランク軸構造体(例えば、クランク軸構造体5)を備えていることを特徴とする航空機用車輪支持機構(図1参照)。
【0075】
(I)の発明によれば、着陸の際に、クランク軸構造体が作動して、車輪が、車軸回りに回転を始めるとともに水平支持軸回りに後上方へ角変位するため、角変位している間は、機体の重量が車輪に直接加わらない。従って、角変位している間、すなわち、クランク軸構造体が作動している間は、車輪のタイヤの発煙を著しく抑制することができる。さらに、車輪を支持する懸架機構が設けられた前後アームの後端部は、緩衝機構によって所定範囲で移動可能であるため、タイヤが滑走路に接触する際の衝撃を緩衝することができる。
【0076】
また、車軸が水平支持軸の鉛直上方に位置して角変位が終了すると、車輪には機体の重量が直接加わることとなるが、その際、車輪は既に滑走路に接触して回転しているため、その時の車輪のスリップ量は小さくなる。従って、着陸時に車輪のタイヤが溶けることを防止することができる。その結果、溶けたタイヤ材料が滑走路上に付着することを防止することができ、また、タイヤが擦り減ることによるパンクの発生を防止することができる。従って、航空機運航の安全性を向上させることができる。
【0077】
また、滑走中に滑走路上の障害物に車輪が衝突した場合でも、クランク軸構造体が作動して、車輪が水平支持軸回りに後方へ角変位して逃げ、さらに、車輪を支持する懸架機構が設けられた前後アームの後端部が、緩衝機構によって所定範囲で移動するため、車輪に対する衝撃を緩和することができる。従って、障害物に車輪が衝突した場合におけるタイヤの破裂を防止することができ、この点からも、航空機運航の安全性を向上させることができる。
【0078】
本発明は、さらに以下のようなものを提供する。
(II) 上記(I)に記載の航空機用車輪支持機構であって、
上記水平支持軸(例えば、支持部51)は、当該水平支持軸の回転に対して抵抗力を加える回転減衰機構(例えば、磁石付きロータ275等)を介して、前後アーム(例えば、前後アーム7)の後端部(例えば、後端部7b)に支持されていることを特徴とする(図7参照)。
【0079】
(II)の発明によれば、回転減衰機構によって水平支持軸の回転に対して抵抗力が加えられるため、滑走の際に水平支持軸を中心としてクランク軸構造体が過度に振動することを防止することができる。従って、安定して滑走を行うことができる。
【0080】
本発明は、さらに以下のようなものを提供する。
(III) 上記(I)又は(II)に記載の航空機用車輪支持機構であって、
上記懸架機構は、水平支持軸(例えば、支持部51)の回転作動を制御する制御手段(例えば、制御手段6)を備えていることを特徴とする(図1参照)。
【0081】
(III)の発明によれば、制御手段により、クランク軸構造体の作動中に、水平支持軸の回転に負荷をかけることができるので、滑走の際に水平支持軸を中心としてクランク軸構造体が過度に振動することを防止することができる。従って、安定して滑走を行うことができる。
【0082】
本発明は、さらに以下のようなものを提供する。
(IV) 上記(III)に記載の航空機用車輪支持機構であって、
上記制御手段(例えば、制御手段6)は、着陸前に、水平支持軸(例えば、支持部51)を回転させて車軸(例えば、車軸52)を上記水平支持軸の鉛直下方に移動させ、その姿勢で上記水平支持軸を拘束してクランク軸構造体(例えば、クランク軸構造体5)を静止させ、着陸直前にその拘束を解除することを特徴とする(図1参照)。
【0083】
(IV)の発明によれば、制御手段により、着陸前においてクランク軸構造体を拘束することができるため、クランク軸構造体が強風によって振動することを防止することができる。従って、着陸前の安定した飛行を確保することができる。
【0084】
本発明は、さらに、以下のようなものを提供する。
(V) 上記(I)〜(IV)のいずれか1に記載の航空機用車輪支持機構であって、
上記車輪(例えば、車輪13)を制動する制動機構(例えば、制動機構4)を備え、
上記制動機構は、車輪の制動面(例えば、ブレーキロータ414)を制動部材(例えば、パッド413)で押圧して制動するものであり、
上記制動部材は、リンク機構(例えば、リンク機構42)を介して、前後アーム(例えば、前後アーム7)に連結されており、上記リンク機構は、クランク軸構造体(例えば、クランク軸構造体5)と平行な位置関係を維持するように構成されていることを特徴とする(図1参照)。
【0085】
(V)の発明によれば、クランク軸構造体が作動して、車輪が水平支持軸回りに角変位しても、制動機構が車輪の角変位に追従するため、制動機構を常に正常に制動作動させることができる。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、車輪のタイヤの発煙を抑制することができ、タイヤが滑走路に接触する際の衝撃を抑制することができる。
また、着陸時に車輪のタイヤが溶けることを防止することが可能であるため、溶けたタイヤ材料が滑走路上に付着することを防止し得るとともに、タイヤが擦り減ることによるパンクの発生を防止することができ、その結果、航空機運航の安全性を高めることができる。
さらに、滑走路上の障害物に車輪が衝突した場合におけるタイヤの破裂を防止することも可能であり、この点からも、航空機運航の安全性を向上させることができる。
【0087】
また、本発明によれば、支持部が回転減衰機構を介して前後アームに他端部に支持される構成とすると、滑走の際に支持部を中心としてクランク軸構造体が過度に振動することを防止することができ、安定して滑走を行うことができる。
【0088】
また、本発明によれば、懸架装置が支持部の回転作動を制御する制御手段を備えた構成とすると、制御手段により、クランク軸構造体の作動中に、支持部の回転に負荷をかけることができるので、滑走の際に支持部を中心としてクランク軸構造体が過度に振動することを防止することができる。従って、安定して滑走を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の航空機用車輪支持機構を模式的に示す全体側面略図である。
【図2】第1実施形態の航空機用車輪支持機構に係る上下動サスペンションを模式的に示す縦断面図である。
【図3】第1実施形態の航空機用車輪支持機構に係る前後動サスペンションを模式的に示す縦断面図である。
【図4】第1実施形態の航空機用車輪支持機構に係る前後動サスペンションの分解斜視図である。
【図5】第1実施形態の航空機用車輪支持機構の着陸時の作動を連続して示す側面図である。
【図6】第1実施形態の航空機用車輪支持機構に係る回転減衰機構の制御ブロック図である。
【図7】(a)は、磁石付きロータを利用する回転減衰機構を適用した前後動サスペンションの断面図であり、(b)は、(a)に示した磁石付きロータの正面図である。
【図8】第2実施形態の航空機用車輪支持機構を模式的に示す全体側面略図である。
【図9】第2実施形態の航空機用車輪支持機構の着陸時の作動を連続して示す側面図である。
【図10】(a)〜(c)は、それぞれ本発明の航空機用車輪支持機構に係る前後動サスペンションが備えるクランク軸構造体を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1、101 上下動サスペンション
2 トラニオンフォーク
4、104 制御機構
5、105 クランク軸構造体(前後動サスペンション)
6、106 制御手段
7、107 前後アーム
7a、107a 前端部(一端部)
7b、107b 後端部(他端部)
7c、107c 途中部
8、108 サイドブレース
13、113 車輪
21 緩衝装置
22、122 突出部
23、123 アッパーチューブ
24、124 ボトムチューブ
31、33 転がり軸受(ローラーベアリング)
32 転がり軸受(ボールベアリング)
41、141 ディスクブレーキ
42、142 リンク機構
51、151 支持部
52、152 タイヤ
53、153 連結アーム
61、161 トルク発生器
62 制御部
102a、108a、108b、109a 連結部
109、421、521 リンク
111 機体
131、231 タイヤ
211 コイルスプリング
212 オイル
213 オリフィス
271a 永久磁石N極
271b 永久磁石S極
272 ケース
275 磁石付きロータ
327 バッテリー
328 状態検出センサ
329 励磁電源部
330 減衰機構用制御部
411、511 ブラケット
412、512 延長部
413 パッド(制動部材)
414 ブレーキロータ(制動面)
415 キャリパ
422、423 ピン
Claims (4)
- 航空機の機体から下方に向けて連結され、前記機体の車輪を支持する懸架装置を備えた航空機用車輪支持機構であって、
前記懸架装置は、
航空機の機体側に下方に向けて連結され、車輪に対する上下方向の振動を抑制する上下動サスペンションと、
前記航空機の車輪の車軸を回転自在に支持し、前記車輪に対する前後方向の振動を抑制する前後動サスペンションと、
一端部を前記航空機の機体側に回転自在に支持し、他端部を前記前後動サスペンションに支持するとともに、途中部を前記上下動サスペンションの下端位置に支持する前後アームと
を備えたことを特徴とする航空機用車輪支持機構。 - 前記前後動サスペンションは、
前記前後アームの他端部に回転可能に支持された支持部と、
前記支持部及び前記車輪の車軸を連結する連結アームと
からなるクランク軸構造体を備えている
請求項1に記載の航空機用車輪支持機構。 - 前記支持部は、当該支持部の回転に対して抵抗力を加える回転減衰機構を介して、前記前後アームの他端部に支持されている請求項2に記載の航空機用車輪支持機構。
- 前記懸架装置は、支持部の回転作動を制御する制御手段を備えている請求項2又は3に記載の航空機用車輪支持機構。
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