JP2004356570A - 電界効果型トランジスタ及び同電界効果型トランジスタを搭載した半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度に閾値電圧を設定することができる電界効果型トランジスタ及び同電界効果型トランジスタを搭載した半導体装置を提供する。
【解決手段】電界効果型トランジスタのチャネル層におけるキャリアの濃度を増減させる閾値電圧変更層を設け、この閾値電圧変更層により前記電界効果型トランジスタの閾値電圧を変更する電界効果型トランジスタとする。特に、前記閾値電圧変更層は半導体基板に形成する。また、閾値電圧変更層は、不純物のイオン注入により形成する。かかる電界効果型トランジスタを搭載した半導体装置とした。
【選択図】 図1
【解決手段】電界効果型トランジスタのチャネル層におけるキャリアの濃度を増減させる閾値電圧変更層を設け、この閾値電圧変更層により前記電界効果型トランジスタの閾値電圧を変更する電界効果型トランジスタとする。特に、前記閾値電圧変更層は半導体基板に形成する。また、閾値電圧変更層は、不純物のイオン注入により形成する。かかる電界効果型トランジスタを搭載した半導体装置とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界効果型トランジスタ及び同電界効果型トランジスタを搭載した半導体装置に関するものであり、特に閾値電圧を精度よく設定可能とした電界効果型トランジスタ及び同電界効果型トランジスタを搭載した半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話やPDA(Personal Digital Assistance)などの移動体通信装置においては、高周波信号を利用しているため、高周波集積回路であるMMIC(Microwave Monolithic Integrated Circuit)を使用して高周波信号の送受信を行っている。
【0003】
かかるMMICにおいては、ディジタル制御回路を内蔵したスイッチICやロジック回路を内蔵したスイッチICなどの付加価値を高めたものが要求されている。
【0004】
上記スイッチICには、閾値電圧の異なったデプリーション型電界効果トランジスタ(以下、「DFET」という。)と、エンハンスメント型電界効果トランジスタ(以下、「EFET」という。)とを用いており、これらを同一基板上に設けて構成している。
【0005】
同一基板上に閾値電圧の異なるDFETとEFETとを有する半導体装置を形成するために、EFETのゲートコンタクト層は、ゲートコンタクト層形成後にエッチングして薄膜化しており、EFETのゲート電極とキャリア供給層との距離を、DFETのゲート電極とキャリア供給層との距離よりも短くすることで、EFETとDFETの閾値電圧を異ならせていた(例えば特許文献1参照。)。
【0006】
すなわち、図9を用いながら簡単に説明すると、DFET120とEFET121とを有する半導体装置119は、はじめに、半絶縁性GaAs基板111の上にアンドープのGaAsからなるバッファ層112、アンドープGaAsからなるチャネル層113、AlGaAsからなる障壁層114をエピタキシャル成長により順次形成している。
【0007】
特に、障壁層114は、AlGaAsからなるスペーサ層114a、n型不純物をドープしたAlGaAsからなる電子供給層114b、アンドープのAlGaAsからなるゲートコンタクト層114cをこの順に形成している。
【0008】
そして、半絶縁性GaAs基板111上面にレジスト膜からなるマスクを形成して、素子形成領域以外の障壁層114、チャネル層113、バッファ層112を順次エッチング除去することにより素子分離を行い、その後、半絶縁GaAs基板111に絶縁膜115を形成している。
【0009】
絶縁膜115の形成後、絶縁膜115のDFET120における埋め込みゲート領域114d及びEFET121における埋め込みゲート領域114eには、エッチングによってゲート開口部115a、115bをそれぞれ形成している。
【0010】
そして、DFET120におけるゲート開口部115aは適宜のレジスト膜によって閉塞し、EFET121におけるゲート開口部115bから、ゲートコンタクト層114cをエッチングすることにより、EFET121側のゲートコンタクト層114cのみを薄くしている。
【0011】
その後、DFET120におけるゲート開口部115aを閉塞していたレジストマスクを除去して、ゲート開口部115a、115bからゲートコンタクト層114cに不純物を拡散させて埋め込みゲート領域114d、114eをそれぞれ形成している。
【0012】
そして、DFET120及びEFET121には、ゲート電極118a、118bをそれぞれ形成し、さらに、ソース電極116a、116b、ドレイン電極117a、117bを形成して、DFET120とEFET121を同時に形成している。
【0013】
【特許文献1】
特開平2−148740号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の電界効果型トランジスタにあっては、所望の閾値電圧を正確な値で実現するためには、ゲートコンタクト層を数nmの精度でエッチングする必要があるものの、エッチングでは、数nmの精度を実現することが困難であったため、閾値電圧を高精度に調整した電界効果型トランジスタを安定的に製造することができず、製品の歩留まりを低下させるおそれがあった。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1に係る本発明では、電界効果型トランジスタのチャネル層におけるキャリアの濃度を増減させる閾値電圧変更層を設け、この閾値電圧変更層により電界効果型トランジスタの閾値電圧を変更する構成とした。
【0016】
また、請求項2に係る本発明では、閾値電圧変更層を基板に設ける構成とした。
【0017】
また、請求項3に係る本発明では、閾値電圧変更層を、不純物のイオン注入により形成する構成とした。
【0018】
また、請求項4に係る本発明では、半導体基板上に、閾値電圧の異なる複数個の電界効果型トランジスタを形成した半導体装置において、複数個の電界効果型トランジスタのうちの少なくとも一個の電界効果型トランジスタは、チャネル層におけるキャリアの濃度を増減させる閾値電圧変更層を設け、この閾値電圧変更層により電界効果型とランジスタの閾値電圧を変更する構成とした。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の電界効果型トランジスタは、ソース・ドレイン間に形成したチャネル層でのキャリアの濃度を増減させることによって閾値電圧を変更する閾値電圧変更層を設けたものである。
【0020】
このように、閾値電圧変更層を設けることにより電界効果型トランジスタの閾値電圧を変更することによって、電界効果型トランジスタの閾値電圧を高精度かつ任意に変更することができる。しかも、そのような電界効果型トランジスタを安定して製造することができ、製品の歩留まりを向上させることができる。
【0021】
閾値電圧変更層は、チャネル層でのキャリアの濃度を増減させることができればどこに形成してもよいが、半導体基板に形成した場合には、その後の製造工程として従来の製造工程をそのまま利用することができ、製造コストが増大するのを防止することができる。
【0022】
また、閾値電圧変更層は、種々の形成方法によって形成することができるが、特に不純物のイオン注入によって形成した場合には、注入する不純物の濃度や量を精度よく制御することができるので、電界効果型トランジスタの閾値電圧をより一層高精度に調整することができる。
【0023】
なお、閾値電圧変更層は、チャネル層でのキャリアとして機能する電子又は正孔の濃度を増減させるものであればよく、p型又はn型のいずれの極性のものであってもよい。
【0024】
以下に、本実施形態の半導体装置1の具体的な構造及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
本実施形態の半導体装置1は、図1に示すように、閾値電圧の異なるDFET2とEFET3を同一基板11上に形成したものであり、特に半絶縁性GaAs基板11のEFET形成領域8部分に閾値電圧変更層10を設けている。
【0026】
この閾値電圧変更層10の深さ条件と、閾値電圧変更層10中に含まれるp型不純物の濃度条件は、EFET3の閾値電圧を所定の値とすることができる条件としている。
【0027】
このようにしてEFET3の内部に閾値電圧変更層10を設けたことにより、ソース・ドレイン間をキャリアが移動する経路となるチャネル層13において高い移動度をもったキャリアの濃度を増減させて閾値電圧を変更することができ、従来のエッチングによる閾値電圧の変更に比べて、高い精度で閾値電圧の変更を行うことができる。
【0028】
更に、閾値電圧変更層10は、アンドープGaAsよりなるバッファ層12を形成する前に、EFET形成領域8の半絶縁性GaAs基板11内部に形成するため、閾値電圧変更層10を形成した後の製造工程には従来の製造工程をそのまま利用することができる。
【0029】
以下において、本実施形態の半導体装置1の製造方法を図2〜図8を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
まず、図2に示すように、半絶縁性GaAs基板11上には、EFET形成領域8部分を開口した、レジスト膜9からなるマスクを形成し、イオン注入によりp型不純物を導入する。
【0031】
次に、図3に示すように、レジスト膜9を除去した後、高温でアニール処理を行って、閾値電圧変更層10を形成する。ここで形成する閾値電圧変更層10の深さ及び閾値電圧変更層10に含まれるp型不純物の濃度は、それぞれ所望の深さ及び濃度としている。特に、この閾値電圧変更層10をイオン注入によって形成する工程では、注入するイオンのドーズ量と注入するイオンに印加する加速電圧を正確かつ任意に制御することが可能なため、従来の、エッチングによる閾値電圧変更の制御に比べて、高精度かつ任意に閾値電圧を変更することができる。
【0032】
次に、半絶縁性GaAs基板11上には、アンドープGaAsよりなるバッファ層12、アンドープGaAsよりなるチャネル層13、AlGaAsよりなる障壁層14をエピタキシャル成長により順次形成する。
【0033】
特に、AlGaAsよりなる障壁層14は、アンドープAlGaAsよりなるスペーサ層14aと、n型不純物をドープしたAlGaAsよりなるキャリア供給層14bと、アンドープAlGaAsよりなるゲートコンタクト層14cとを順次積層して構成している。
【0034】
ここでのエピタキシャル成長は、閾値電圧変更層10を形成した後の製造工程であるため、DFET形成領域7とEFET形成領域8に対して従来の製造工程をそのまま利用できる。
【0035】
キャリア供給層14bにドープするn型不純物は、例えばシリコン(Si)が一般的であり、半絶縁性GaAs基板11に埋め込まれる閾値電圧変更層10にドープするp型不純物は、例えば亜鉛(Zn)が一般的である。
【0036】
次に、DFET形成領域7とEFET形成領域8との間、及びその他の素子の形成予定領域以外の領域における障壁層14、チャネル層13、バッファ層12を順次エッチングして図4に示すように素子間分離を行う。エッチングには、例えばリン酸と過酸化水素水と水の混合液を用いている。
【0037】
次に、半絶縁性GaAs基板11には、CVD(Chemical Vapor Deposition)により窒化珪素(SiN)からなる絶縁膜15を形成する。
【0038】
その後、絶縁膜15上面には適宜のレジストマスクを形成してエッチングを行うことにより図6に示すように、絶縁膜15にゲート開口部15a、15bを形成する。
【0039】
次に、図7に示すように、絶縁膜15をマスクとしてゲート開口部15a、15bから気相拡散法によりp型不純物である亜鉛(Zn)をゲートコンタクト層14cに拡散させ埋め込みゲート領域14d、14eを形成する。このとき、DFET2とEFET3の埋め込みゲート領域14d、14eは同時に形成されるため、埋め込みゲート領域14d、14eの深さと、埋め込みゲート領域14d、14e内部に含まれるp型不純物の濃度は同じとなる。ただし、EFET形成領域8の半絶縁性GaAs基板11内部の所定の場所に予めp型不純物をイオン注入した閾値電圧変更層10を形成しているため、EFET3のチャネル層13に蓄積される高い移動度を持ったキャリアの濃度が低くなり最終的に形成されるEFET3の閾値電圧は、最終的に形成されるDFET2の閾値電圧に比べ+側へシフトすることとなる。
【0040】
次に、図8に示すように、半絶縁性GaAs基板11には、各埋め込みゲート領域14d、14eの上部に、チタン(Ti)、白金(Pt)、金(Au)を順次蒸着することにより、ゲート電極18a、18bを形成する。
【0041】
次に、DFET2とEFET3のソース・ドレインをそれぞれ形成する部分の絶縁膜15を図示しないレジスト膜をマスクとしてエッチングにより除去してソース開口部とドレイン開口部を形成し、このソース開口部とドレイン開口部にそれぞれソース電極16a、16bとドレイン電極17a、17bを形成して、図1に示すように、同一基板11上に閾値電圧の異なるDFET2とEFET3を形成する。
【0042】
この製造方法によれば、EFET形成領域8において、半絶縁性GaAs基板11内部の所定の場所に形成する閾値電圧変更層10の深さと、閾値電圧変更層10中のp型不純物の濃度と、ゲートコンタクト層14c内部に形成した埋め込みゲート領域14eの深さと、埋め込みゲート領域14e中のp型不純物の濃度を適切に設定することによって、EFET3の閾値電圧を高精度かつ任意に変更できる。
【0043】
さらに上記の製造方法によって製造した電界効果型トランジスタにおいて、閾値電圧変更層10をイオン注入によって形成する工程では、注入するイオンのドーズ量と注入するイオンに印加する加速電圧を適切に制御することができるため、従来のエッチングによる閾値電圧の変更を行って製造した電界効果型トランジスタに比べて閾値電圧を高精度かつ任意に変更することができる。
【0044】
そのため、高精度で、かつ任意に閾値電圧を変更することが可能な、電界効果型トランジスタを安定的に製造することができ、製品の歩留まりを向上させることができる。
【0045】
なお、上記の説明では、DFET2、EFET3として、高周波特性がよい、ノイズが少ない、消費電力が低い、高速動作が可能である等の理由で近年電界効果型トランジスタの主流となっている高電子移動度電界効果型トランジスタであるHEMT(High Electron Mobility Transistor)を例にとって説明したが、本発明における電界効果型トランジスタはHEMTに限られるものではない。
【0046】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、電界効果型トランジスタのチャネル層におけるキャリアの濃度を増減させる閾値電圧変更層を設け、この閾値電圧変更層により電界効果型トランジスタの閾値電圧を変更しているため、高精度かつ任意に閾値電圧を変更できる電界効果型トランジスタを安定して製造することができ、製品の歩留まりを向上させることができる。
【0047】
請求項2記載の本発明によれば、閾値電圧変更層を基板に設けているため、閾値電圧変更層を形成した後の製造工程では、従来の製造工程をそのまま用いることができるので新規の製造装置にかかるコストを削減できる。
【0048】
請求項3記載の本発明によれば、閾値電圧変更層を不純物のイオン注入により形成しているため、注入するイオンのドーズ量と注入するイオンに印加する加速電圧を正確かつ任意に制御することができ、より一層高精度かつ任意に閾値電圧を変更することができる。
【0049】
請求項4記載の本発明によれば、半導体基板上に、閾値電圧の異なる複数個の電界効果型トランジスタを形成した半導体装置において、複数個の電界効果型トランジスタのうちの少なくとも一個の電界効果型トランジスタは、チャネル層におけるキャリアの濃度を増減させる閾値電圧変更層を設け、この閾値電圧変更層により電界効果型トランジスタの閾値電圧を変更しているため、同一基板上に高精度かつ任意に変更した異なる閾値電圧を有する複数個の電界効果型トランジスタを安定的に製造することができ、製品の歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体装置の断面模式図である。
【図2】半導体装置の製造工程説明図である。
【図3】半導体装置の製造工程説明図である。
【図4】半導体装置の製造工程説明図である。
【図5】半導体装置の製造工程説明図である。
【図6】半導体装置の製造工程説明図である。
【図7】半導体装置の製造工程説明図である。
【図8】半導体装置の製造工程説明図である。
【図9】従来の半導体装置の断面模式図である。
【符号の説明】
1 半導体装置
2 DFET
3 EFET
7 DFET形成領域
8 EFET形成領域
9 レジスト
10 閾値電圧変更層
11 半絶縁性基板
12 バッファ層
13 チャネル層
14 障壁層
14a スペーサ層
14a キャリア供給層
14c ゲートコンタクト層
14d,14e 埋め込みゲート領域
15 絶縁膜
15a,15b ゲート開口部
16a,16b ソース電極
17a,17b ドレイン電極
18a,18b ゲート電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界効果型トランジスタ及び同電界効果型トランジスタを搭載した半導体装置に関するものであり、特に閾値電圧を精度よく設定可能とした電界効果型トランジスタ及び同電界効果型トランジスタを搭載した半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話やPDA(Personal Digital Assistance)などの移動体通信装置においては、高周波信号を利用しているため、高周波集積回路であるMMIC(Microwave Monolithic Integrated Circuit)を使用して高周波信号の送受信を行っている。
【0003】
かかるMMICにおいては、ディジタル制御回路を内蔵したスイッチICやロジック回路を内蔵したスイッチICなどの付加価値を高めたものが要求されている。
【0004】
上記スイッチICには、閾値電圧の異なったデプリーション型電界効果トランジスタ(以下、「DFET」という。)と、エンハンスメント型電界効果トランジスタ(以下、「EFET」という。)とを用いており、これらを同一基板上に設けて構成している。
【0005】
同一基板上に閾値電圧の異なるDFETとEFETとを有する半導体装置を形成するために、EFETのゲートコンタクト層は、ゲートコンタクト層形成後にエッチングして薄膜化しており、EFETのゲート電極とキャリア供給層との距離を、DFETのゲート電極とキャリア供給層との距離よりも短くすることで、EFETとDFETの閾値電圧を異ならせていた(例えば特許文献1参照。)。
【0006】
すなわち、図9を用いながら簡単に説明すると、DFET120とEFET121とを有する半導体装置119は、はじめに、半絶縁性GaAs基板111の上にアンドープのGaAsからなるバッファ層112、アンドープGaAsからなるチャネル層113、AlGaAsからなる障壁層114をエピタキシャル成長により順次形成している。
【0007】
特に、障壁層114は、AlGaAsからなるスペーサ層114a、n型不純物をドープしたAlGaAsからなる電子供給層114b、アンドープのAlGaAsからなるゲートコンタクト層114cをこの順に形成している。
【0008】
そして、半絶縁性GaAs基板111上面にレジスト膜からなるマスクを形成して、素子形成領域以外の障壁層114、チャネル層113、バッファ層112を順次エッチング除去することにより素子分離を行い、その後、半絶縁GaAs基板111に絶縁膜115を形成している。
【0009】
絶縁膜115の形成後、絶縁膜115のDFET120における埋め込みゲート領域114d及びEFET121における埋め込みゲート領域114eには、エッチングによってゲート開口部115a、115bをそれぞれ形成している。
【0010】
そして、DFET120におけるゲート開口部115aは適宜のレジスト膜によって閉塞し、EFET121におけるゲート開口部115bから、ゲートコンタクト層114cをエッチングすることにより、EFET121側のゲートコンタクト層114cのみを薄くしている。
【0011】
その後、DFET120におけるゲート開口部115aを閉塞していたレジストマスクを除去して、ゲート開口部115a、115bからゲートコンタクト層114cに不純物を拡散させて埋め込みゲート領域114d、114eをそれぞれ形成している。
【0012】
そして、DFET120及びEFET121には、ゲート電極118a、118bをそれぞれ形成し、さらに、ソース電極116a、116b、ドレイン電極117a、117bを形成して、DFET120とEFET121を同時に形成している。
【0013】
【特許文献1】
特開平2−148740号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の電界効果型トランジスタにあっては、所望の閾値電圧を正確な値で実現するためには、ゲートコンタクト層を数nmの精度でエッチングする必要があるものの、エッチングでは、数nmの精度を実現することが困難であったため、閾値電圧を高精度に調整した電界効果型トランジスタを安定的に製造することができず、製品の歩留まりを低下させるおそれがあった。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1に係る本発明では、電界効果型トランジスタのチャネル層におけるキャリアの濃度を増減させる閾値電圧変更層を設け、この閾値電圧変更層により電界効果型トランジスタの閾値電圧を変更する構成とした。
【0016】
また、請求項2に係る本発明では、閾値電圧変更層を基板に設ける構成とした。
【0017】
また、請求項3に係る本発明では、閾値電圧変更層を、不純物のイオン注入により形成する構成とした。
【0018】
また、請求項4に係る本発明では、半導体基板上に、閾値電圧の異なる複数個の電界効果型トランジスタを形成した半導体装置において、複数個の電界効果型トランジスタのうちの少なくとも一個の電界効果型トランジスタは、チャネル層におけるキャリアの濃度を増減させる閾値電圧変更層を設け、この閾値電圧変更層により電界効果型とランジスタの閾値電圧を変更する構成とした。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の電界効果型トランジスタは、ソース・ドレイン間に形成したチャネル層でのキャリアの濃度を増減させることによって閾値電圧を変更する閾値電圧変更層を設けたものである。
【0020】
このように、閾値電圧変更層を設けることにより電界効果型トランジスタの閾値電圧を変更することによって、電界効果型トランジスタの閾値電圧を高精度かつ任意に変更することができる。しかも、そのような電界効果型トランジスタを安定して製造することができ、製品の歩留まりを向上させることができる。
【0021】
閾値電圧変更層は、チャネル層でのキャリアの濃度を増減させることができればどこに形成してもよいが、半導体基板に形成した場合には、その後の製造工程として従来の製造工程をそのまま利用することができ、製造コストが増大するのを防止することができる。
【0022】
また、閾値電圧変更層は、種々の形成方法によって形成することができるが、特に不純物のイオン注入によって形成した場合には、注入する不純物の濃度や量を精度よく制御することができるので、電界効果型トランジスタの閾値電圧をより一層高精度に調整することができる。
【0023】
なお、閾値電圧変更層は、チャネル層でのキャリアとして機能する電子又は正孔の濃度を増減させるものであればよく、p型又はn型のいずれの極性のものであってもよい。
【0024】
以下に、本実施形態の半導体装置1の具体的な構造及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
本実施形態の半導体装置1は、図1に示すように、閾値電圧の異なるDFET2とEFET3を同一基板11上に形成したものであり、特に半絶縁性GaAs基板11のEFET形成領域8部分に閾値電圧変更層10を設けている。
【0026】
この閾値電圧変更層10の深さ条件と、閾値電圧変更層10中に含まれるp型不純物の濃度条件は、EFET3の閾値電圧を所定の値とすることができる条件としている。
【0027】
このようにしてEFET3の内部に閾値電圧変更層10を設けたことにより、ソース・ドレイン間をキャリアが移動する経路となるチャネル層13において高い移動度をもったキャリアの濃度を増減させて閾値電圧を変更することができ、従来のエッチングによる閾値電圧の変更に比べて、高い精度で閾値電圧の変更を行うことができる。
【0028】
更に、閾値電圧変更層10は、アンドープGaAsよりなるバッファ層12を形成する前に、EFET形成領域8の半絶縁性GaAs基板11内部に形成するため、閾値電圧変更層10を形成した後の製造工程には従来の製造工程をそのまま利用することができる。
【0029】
以下において、本実施形態の半導体装置1の製造方法を図2〜図8を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
まず、図2に示すように、半絶縁性GaAs基板11上には、EFET形成領域8部分を開口した、レジスト膜9からなるマスクを形成し、イオン注入によりp型不純物を導入する。
【0031】
次に、図3に示すように、レジスト膜9を除去した後、高温でアニール処理を行って、閾値電圧変更層10を形成する。ここで形成する閾値電圧変更層10の深さ及び閾値電圧変更層10に含まれるp型不純物の濃度は、それぞれ所望の深さ及び濃度としている。特に、この閾値電圧変更層10をイオン注入によって形成する工程では、注入するイオンのドーズ量と注入するイオンに印加する加速電圧を正確かつ任意に制御することが可能なため、従来の、エッチングによる閾値電圧変更の制御に比べて、高精度かつ任意に閾値電圧を変更することができる。
【0032】
次に、半絶縁性GaAs基板11上には、アンドープGaAsよりなるバッファ層12、アンドープGaAsよりなるチャネル層13、AlGaAsよりなる障壁層14をエピタキシャル成長により順次形成する。
【0033】
特に、AlGaAsよりなる障壁層14は、アンドープAlGaAsよりなるスペーサ層14aと、n型不純物をドープしたAlGaAsよりなるキャリア供給層14bと、アンドープAlGaAsよりなるゲートコンタクト層14cとを順次積層して構成している。
【0034】
ここでのエピタキシャル成長は、閾値電圧変更層10を形成した後の製造工程であるため、DFET形成領域7とEFET形成領域8に対して従来の製造工程をそのまま利用できる。
【0035】
キャリア供給層14bにドープするn型不純物は、例えばシリコン(Si)が一般的であり、半絶縁性GaAs基板11に埋め込まれる閾値電圧変更層10にドープするp型不純物は、例えば亜鉛(Zn)が一般的である。
【0036】
次に、DFET形成領域7とEFET形成領域8との間、及びその他の素子の形成予定領域以外の領域における障壁層14、チャネル層13、バッファ層12を順次エッチングして図4に示すように素子間分離を行う。エッチングには、例えばリン酸と過酸化水素水と水の混合液を用いている。
【0037】
次に、半絶縁性GaAs基板11には、CVD(Chemical Vapor Deposition)により窒化珪素(SiN)からなる絶縁膜15を形成する。
【0038】
その後、絶縁膜15上面には適宜のレジストマスクを形成してエッチングを行うことにより図6に示すように、絶縁膜15にゲート開口部15a、15bを形成する。
【0039】
次に、図7に示すように、絶縁膜15をマスクとしてゲート開口部15a、15bから気相拡散法によりp型不純物である亜鉛(Zn)をゲートコンタクト層14cに拡散させ埋め込みゲート領域14d、14eを形成する。このとき、DFET2とEFET3の埋め込みゲート領域14d、14eは同時に形成されるため、埋め込みゲート領域14d、14eの深さと、埋め込みゲート領域14d、14e内部に含まれるp型不純物の濃度は同じとなる。ただし、EFET形成領域8の半絶縁性GaAs基板11内部の所定の場所に予めp型不純物をイオン注入した閾値電圧変更層10を形成しているため、EFET3のチャネル層13に蓄積される高い移動度を持ったキャリアの濃度が低くなり最終的に形成されるEFET3の閾値電圧は、最終的に形成されるDFET2の閾値電圧に比べ+側へシフトすることとなる。
【0040】
次に、図8に示すように、半絶縁性GaAs基板11には、各埋め込みゲート領域14d、14eの上部に、チタン(Ti)、白金(Pt)、金(Au)を順次蒸着することにより、ゲート電極18a、18bを形成する。
【0041】
次に、DFET2とEFET3のソース・ドレインをそれぞれ形成する部分の絶縁膜15を図示しないレジスト膜をマスクとしてエッチングにより除去してソース開口部とドレイン開口部を形成し、このソース開口部とドレイン開口部にそれぞれソース電極16a、16bとドレイン電極17a、17bを形成して、図1に示すように、同一基板11上に閾値電圧の異なるDFET2とEFET3を形成する。
【0042】
この製造方法によれば、EFET形成領域8において、半絶縁性GaAs基板11内部の所定の場所に形成する閾値電圧変更層10の深さと、閾値電圧変更層10中のp型不純物の濃度と、ゲートコンタクト層14c内部に形成した埋め込みゲート領域14eの深さと、埋め込みゲート領域14e中のp型不純物の濃度を適切に設定することによって、EFET3の閾値電圧を高精度かつ任意に変更できる。
【0043】
さらに上記の製造方法によって製造した電界効果型トランジスタにおいて、閾値電圧変更層10をイオン注入によって形成する工程では、注入するイオンのドーズ量と注入するイオンに印加する加速電圧を適切に制御することができるため、従来のエッチングによる閾値電圧の変更を行って製造した電界効果型トランジスタに比べて閾値電圧を高精度かつ任意に変更することができる。
【0044】
そのため、高精度で、かつ任意に閾値電圧を変更することが可能な、電界効果型トランジスタを安定的に製造することができ、製品の歩留まりを向上させることができる。
【0045】
なお、上記の説明では、DFET2、EFET3として、高周波特性がよい、ノイズが少ない、消費電力が低い、高速動作が可能である等の理由で近年電界効果型トランジスタの主流となっている高電子移動度電界効果型トランジスタであるHEMT(High Electron Mobility Transistor)を例にとって説明したが、本発明における電界効果型トランジスタはHEMTに限られるものではない。
【0046】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、電界効果型トランジスタのチャネル層におけるキャリアの濃度を増減させる閾値電圧変更層を設け、この閾値電圧変更層により電界効果型トランジスタの閾値電圧を変更しているため、高精度かつ任意に閾値電圧を変更できる電界効果型トランジスタを安定して製造することができ、製品の歩留まりを向上させることができる。
【0047】
請求項2記載の本発明によれば、閾値電圧変更層を基板に設けているため、閾値電圧変更層を形成した後の製造工程では、従来の製造工程をそのまま用いることができるので新規の製造装置にかかるコストを削減できる。
【0048】
請求項3記載の本発明によれば、閾値電圧変更層を不純物のイオン注入により形成しているため、注入するイオンのドーズ量と注入するイオンに印加する加速電圧を正確かつ任意に制御することができ、より一層高精度かつ任意に閾値電圧を変更することができる。
【0049】
請求項4記載の本発明によれば、半導体基板上に、閾値電圧の異なる複数個の電界効果型トランジスタを形成した半導体装置において、複数個の電界効果型トランジスタのうちの少なくとも一個の電界効果型トランジスタは、チャネル層におけるキャリアの濃度を増減させる閾値電圧変更層を設け、この閾値電圧変更層により電界効果型トランジスタの閾値電圧を変更しているため、同一基板上に高精度かつ任意に変更した異なる閾値電圧を有する複数個の電界効果型トランジスタを安定的に製造することができ、製品の歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体装置の断面模式図である。
【図2】半導体装置の製造工程説明図である。
【図3】半導体装置の製造工程説明図である。
【図4】半導体装置の製造工程説明図である。
【図5】半導体装置の製造工程説明図である。
【図6】半導体装置の製造工程説明図である。
【図7】半導体装置の製造工程説明図である。
【図8】半導体装置の製造工程説明図である。
【図9】従来の半導体装置の断面模式図である。
【符号の説明】
1 半導体装置
2 DFET
3 EFET
7 DFET形成領域
8 EFET形成領域
9 レジスト
10 閾値電圧変更層
11 半絶縁性基板
12 バッファ層
13 チャネル層
14 障壁層
14a スペーサ層
14a キャリア供給層
14c ゲートコンタクト層
14d,14e 埋め込みゲート領域
15 絶縁膜
15a,15b ゲート開口部
16a,16b ソース電極
17a,17b ドレイン電極
18a,18b ゲート電極
Claims (4)
- 電界効果型トランジスタのチャネル層におけるキャリアの濃度を増減させる閾値電圧変更層を設け、この閾値電圧変更層により前記電界効果型トランジスタの閾値電圧を変更することを特徴とする電界効果型トランジスタ。
- 前記閾値電圧変更層は、半導体基板に形成したことを特徴とする請求項1記載の電界効果型トランジスタ。
- 前記閾値電圧変更層は、不純物のイオン注入により形成することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電界効果型トランジスタ。
- 半導体基板上に、閾値電圧の異なる複数個の電界効果型トランジスタを搭載した半導体装置において、
前記複数個の電界効果型トランジスタのうちの少なくとも一個の電界効果型トランジスタは、チャネル層におけるキャリアの濃度を増減させる閾値電圧変更層を設け、この閾値電圧変更層により前記電界効果型トランジスタの閾値電圧を変更することを特徴とする半導体装置。
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