JP2004358917A - シート用パッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発泡成形型20に伸縮性不織布14をセットし、発泡原料32を注入して発泡させることで、裏面に伸縮性不織布14が一体化させたシート用パッド10を製造するに際し、発泡成形型20に伸縮性不織布14の所定箇所を貫通して支持する複数の装着ピン28を設けるとともに、伸縮性不織布14における装着ピン28によって貫通される部分に補強シート16を取り付け、このようにして補強された伸縮性不織布14を発泡成形型20にセットする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用や家具用のシートに用いられるシート用パッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動車用シートのためのクッションパッドにおいては、シートフレームとの摩擦による破損や異音発生を抑制するために、パッドの裏面にフェルトや粗毛布などの裏打ち材を一体的に積層する場合が多い。かかる裏打ち材は、一般に、上型に設けた装着ピンを介して上型にセットされ、下型に発泡原料を注入して発泡させることにより、発泡体であるパッド本体の裏面に積層一体化されている。
【0003】
このような裏打ち材として、下記特許文献1には、着座時の違和感や不快感を解消し、座り心地を改善するために、熱可塑性ポリウレタンエラストマーのスパンボンド不織布のような伸縮性不織布を用いる技術が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特許第3056605号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記伸縮性不織布は乗り心地向上という観点からは非常に有効であるが、反面、製造時においては、該不織布単独では柔らかすぎ、また腰がないため、以下のような問題がある。
【0006】
すなわち、(1)伸縮性不織布を上型にセットする作業者が置き場から伸縮性不織布を取る際に、重ねて複数枚同時に取ってしまい、そのままセットしてしまう。(2)伸縮性不織布を装着ピンに差し込みにくいことから、最近の製造ラインの高速化も相俟って時間的にぎりぎりで発泡成形型にセットしている。(3)そのため、十分にセットしきれずに装着ピンから外れることがある。(4)また、セット後に発泡成形型が閉まる勢いで外れてしまい、補修、不良の対象となる。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、裏面に伸縮性不織布が一体化されたシート用パッドの製造作業性を大幅に改善して、不良率、補修率を低減し、ひいてはコストダウンを図ることができるシート用パッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のシート用パッドの製造方法は、発泡成形型に伸縮性不織布をセットし、該発泡成形型内に発泡原料を注入して発泡させることで、裏面に前記伸縮性不織布が一体化させたシート用パッドを製造する方法であって、前記発泡成形型に前記伸縮性不織布の所定箇所を貫通して該伸縮性不織布を支持する複数の装着ピンを設けるとともに、前記伸縮性不織布における前記装着ピンによって貫通される部分に補強層を設け又は硬化処理により補強して、この補強された伸縮性不織布を前記発泡成形型にセットすることを特徴とする。
【0009】
上記補強層としては、例えば、伸縮性不織布に補強シートを取り付けることで設けることができる。
【0010】
かかる本発明の製造方法では、伸縮性不織布における装着ピンの貫通予定位置に補強層を設け又は硬化処理を施すことで該貫通予定位置を補強しておき、この補強された箇所に装着ピンを差し込んで、伸縮性不織布を発泡成形型にセットする。このように、部分的に補強された伸縮性不織布を用いて発泡成形型にセットするので、取り扱いやすく作業者の負担が軽減されて装着ミスが低減し、また伸縮性不織布の外れなどに起因する不良率、補修率を大幅に低減することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
本実施形態に係るシート用パッドは、図3に示すように、自動車用シートのためのシートクッションパッド10であり、軟質ポリウレタンフォームなどの弾力性を持つ合成樹脂発泡成形体からなるパッド本体12と、該パッド本体12の裏面(下面)の略全体にわたって一体成形された伸縮性不織布14とからなる。
【0013】
伸縮性不織布14としては、弾性繊維からなる不織布であって、150%以上の破断伸びを有する伸縮性不織布が好適である。より詳細には、ポリウレタン系又はゴム系エラストマーからなる弾性繊維を素材とし、例えばスパンボンド法又はメルトブロー法により製造された不織布であって、軟質ポリウレタンフォーム程度の高伸度と高回復率を示す伸縮性不織布を選択し使用することが望ましく、破断伸びは150〜600%であることが好ましく、また、目付け量は50〜300g/m2程度のものが好ましく用いられる。このような特性を持つ伸縮性不織布としては、熱可塑性ポリウレタンエラストマーのスパンボンド不織布(例えば「エスパンシオーネ」(商品名)、鐘紡株式会社製)、スチレン・水添ポリイソプレンブロックコポリマーからなるメルトブロー不織布(例えば「セプトンMB」(商品名)、株式会社クラレ製)などが挙げられる。
【0014】
シートクッションパッド10の製造に用いる発泡成形型20は、図1に示すように、上方に開口する下型22と、下型22の一辺側に配されたヒンジ部24を介して回動可能に設けられて下型22の上面開口を開閉する上型26とを備えてなる。詳細には、下型22は、パッドの表面(上面)側を成形する型であり、それに対応した凹部を有する。また、上型26は、パッドの裏面(下面)側を成形する型であり、上記凹部を閉じることにより、すり合わせ面(PL部)の内側において、下型22との間にパッド形状に対応する発泡空間であるキャビティを形成する。
【0015】
上型26には、その内面に伸縮性不織布14をセットするため、複数の装着ピン28が所定箇所に設けられている。装着ピン28は、図2に示すように、上型26の内面からキャビティ内に突出するように設けられ、先端がテーパ状に尖っており、伸縮性不織布14の所定箇所に突き刺して貫通させることで、伸縮性不織布14をキャビティ内の上型26表面に着脱可能に係止する。装着ピン28の配設位置及び個数は、伸縮性不織布14を上型26の内面に全体的にわたって支持することができれば特に限定されず、例としてこの実施形態では、シートクッションパッド10の前端部と後端部においてそれぞれ左右2箇所に設けている(図1、図3、図4参照)。
【0016】
伸縮性不織布14には、装着ピン28が貫通する部分に補強シート16が取り付けられている。補強シート16は、装着ピン28の周りを囲める程度の大きさを有するシート材であり、伸縮性不織布14よりも伸縮性の低いシート材であれば、例えば、粗毛布やフェルトなどの非伸縮性又は低伸縮性の布の他、紙や樹脂製シートなどを用いることもできる。好ましくは、低目付(目付け量50〜200g/m2)の粗毛布を用いることである。また、補強シート16の伸縮性不織布14への取り付け方法としては、縫製や接着剤を用いた方法の他、ステープラーやタグなどで固定することもできる。
【0017】
上記発泡成形型20を用いてシートクッションパッド10を製造する際には、図1に示すように、上記した補強シート16により補強した伸縮性不織布14を、上型26の内面にセットする。詳細には、補強シート16が取り付けられた部分を上型26の装着ピン28に押し当てて、図2に示すように、該装着ピン28を突き刺し、伸縮性不織布14とともに補強シート16を貫通させる。この場合に、伸縮性不織布14単独では、柔らかく腰がないため装着しにくいが、貫通部に補強シート16が重ね合わされているため、安定的に装着することができる。
【0018】
次いで、図1に示すように注入装置30から下型22の凹部に発泡原料32を注入し、上型26を閉じてキャビティ内で発泡硬化させる。その後、上型26を開いて、脱型することにより、シートクッションパッド10が得られる。
【0019】
図3,4に示すように、得られたシートクッションパッド10は、裏面に伸縮性不織布14が一体成形されたものであり、この伸縮性不織布14は発泡原料が含浸した一体成形後にも伸びを有するため、座り心地の上で違和感や不快感がなく、ストローク感及び反発感にも優れる。ここで、補強シート16は、装着ピン28周りの一部に設けられているのみであるため、このような伸縮性不織布14の特性を阻害するものではない。なお、図3,4における符合18は、装着ピン28の跡、即ち発泡成形時の装着ピン28によって成型される穴を示している。
【0020】
以上説明した本実施形態によれば、伸縮性不織布14における装着ピン28の貫通予定位置に補強シート16を取り付けておいて、このようにして補強した伸縮性不織布14を、装着ピン28を介して上型26にセットするので、伸縮性不織布14の取り扱い性が改善され、作業者の負担が軽減されるので、装着ミスを低減することができる。また、装着ピン28の貫通部が補強シート16で補強されているため、伸縮性不織布14のセット後における外れが防止され、不良率、補修率を大幅に低減することができる。
【0021】
なお、上記実施形態においては、補強シート16を伸縮性不織布14のパッド本体12側の面に設けて、製品状態で補強シート16が外部に露出しないようにしているが、補強シート16は表面側に露出するように設けることもできる。
【0022】
また、上記実施形態においては、装着ピン28の貫通部を補強するために、伸縮性不織布14に補強シート16を取り付けて補強層を形成する構成を採用したが、かかる補強層は、例えば合成樹脂を伸縮性不織布14に塗布して該合成樹脂からなる塗膜を形成することにより設けることもできる。また、このように補強層を形成する代わりに、硬化処理により補強することもできる。硬化処理としては、例えば、スプレーなどを用いて伸縮性不織布14の一部に合成樹脂溶液を含浸させて硬化させる手法、伸縮性不織布14の一部を熱プレスにより融着させて硬化させる手法などが挙げられる。
【0023】
【発明の効果】
本発明のシート用パッドの製造方法であると、伸縮性不織布における装着ピンの貫通予定位置に補強層を設け又は硬化処理を施すことで該貫通予定位置を補強しておき、このようにして補強した伸縮性不織布を用いて発泡成形型にセットするので、作業者の負担が軽減されて装着ミスが低減し、伸縮性不織布の外れなどに起因する不良率、補修率を大幅に低減することができ、ひいてはコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態における発泡成形型の断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】実施形態におけるシートクッションパッドの断面図である。
【図4】実施形態におけるシートクッションパッドの底面図である。
【符号の説明】
10……シートクッションパッド
12……パッド本体
14……伸縮性不織布
16……補強シート(補強層)
20……発泡成形型
22……下型
26……上型
28……装着ピン
Claims (3)
- 発泡成形型に伸縮性不織布をセットし、該発泡成形型内に発泡原料を注入して発泡させることで、裏面に前記伸縮性不織布が一体化させたシート用パッドを製造する方法であって、
前記発泡成形型に前記伸縮性不織布の所定箇所を貫通して該伸縮性不織布を支持する複数の装着ピンを設けるとともに、前記伸縮性不織布における前記装着ピンによって貫通される部分に補強層を設け、この補強された伸縮性不織布を前記発泡成形型にセットする
ことを特徴とするシート用パッドの製造方法。 - 前記補強層が前記伸縮性不織布に補強シートを取り付けることで設けられた請求項1記載のシート用パッドの製造方法。
- 発泡成形型に伸縮性不織布をセットし、該発泡成形型内に発泡原料を注入して発泡させることで、裏面に前記伸縮性不織布が一体化させたシート用パッドを製造する方法であって、
前記発泡成形型に前記伸縮性不織布の所定箇所を貫通して該伸縮性不織布を支持する複数の装着ピンを設けるとともに、前記伸縮性不織布における前記装着ピンによって貫通される部分を硬化処理により補強して、この補強された伸縮性不織布を前記発泡成形型にセットする
ことを特徴とするシート用パッドの製造方法。
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| JP2003162937A JP4220311B2 (ja) | 2003-06-06 | 2003-06-06 | シート用パッドの製造方法 |
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- 2003-06-06 JP JP2003162937A patent/JP4220311B2/ja not_active Expired - Fee Related
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