JP2004359703A - シロキサン共重合体及びその製造方法並びにそれを用いた熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

シロキサン共重合体及びその製造方法並びにそれを用いた熱硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【解決手段】下記式で表される構造を有するシロキサン共重合体。
【化1】
Figure 2004359703

【効果】本発明のシリコーン共重合体は、比較的低温での加熱処理により容易に硬化樹脂被膜を形成することができる特性を有する。この硬化樹脂被膜は、ケトン等の有機溶剤に対する耐性も高く、更に高湿条件下においても銅等の金属基板への接着性・密着性及び耐久性にも優れる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性、耐溶剤性、基材への接着性・密着性に優れる新規なイミド結合及びエポキシ反応性基を有するシロキサン共重合体、その製造方法及び該シロキサン共重合体を含む熱硬化性樹脂組成物、その硬化樹脂被膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミド樹脂は、耐熱性及び電気絶縁性に優れていることから、電子部品等の樹脂ワニス及びフレキシブルプリント基板材料として広く用いられている。しかしながら、ポリイミド樹脂は剛直であるため可とう性に乏しく、ガラス転移点が高いため使用勝手が悪く、また有機溶剤に対して溶解性が乏しいといった問題点があった。そこで、シリコーン変性したポリイミド樹脂が種々提案されている(例えば、特許文献1,2:特開平10−195278号公報、特開平8−34851号公報参照)。これらのシリコーン変性ポリイミド樹脂には、上記のポリイミド樹脂の欠点を補いつつ、更に基材への密着力及び電気特性の向上が認められる。
【0003】
しかし、従来のシリコーン変性ポリイミド樹脂の合成は、酸二無水物とジアミン化合物を反応させ、ポリアミック酸を合成した後、150℃以上の高温での閉環ポリイミド化反応が必要となるなど、合成条件は過酷であり、かつ時間がかかるといった問題点を有していた。そのため、従来のシリコーン変性ポリイミド樹脂と同等以上の機能を有し、より簡便に合成することができ、更に熱硬化性である樹脂材料が要求されていた。かかる点から、本発明者は、比較的穏和な反応であるヒドロシリレーションにより容易にイミドシリコーン樹脂が得られることを見いだした(特願2002−259317参照)。このイミドシリコーン樹脂の熱硬化性樹脂被膜は耐溶剤性、耐湿性等に優れるものであるが、100℃程度の硬化温度では長時間の硬化時間を必要とし、短時間で硬化させるためには200℃を超える硬化温度が必要であり、使用可能な材料及び分野が限定されてしまう場合がある。
【0004】
また、ビスナジイミド−ポリシロキサン交互共重合体にエポキシ樹脂を配合した組成物が電子材料、特に半導体封止樹脂用途に有効であることが提案されている(例えば、特許文献3:特開2003−20337号公報参照)。しかしながら、本組成物では、ビスナジイミド−ポリシロキサン交互共重合体はエポキシ樹脂と反応することなく、単に低応力化、耐熱性向上のために添加剤として使用されている。このため、経時でビスナジイミド−ポリシロキサン交互共重合体とエポキシ樹脂との相分離が生じやすくなり、信頼性に劣ることが考えられる。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−195278号公報
【特許文献2】
特開平8−34851号公報
【特許文献3】
特開2003−20337号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記要求に応えることのできる信頼性に優れた新規なシロキサン共重合体及びその製造方法並びにそれを用いた熱硬化性樹脂組成物及びその硬化樹脂被膜を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、本発明に至った。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表される構造を有するシロキサン共重合体を提供する。
【0008】
【化10】
Figure 2004359703
(式中、Aは2価の有機基、Bは独立に下記に示される(B)群の式から選ばれ、これらの式において略同一方向にのびた2個の単結合部がイミド環に結合して環を形成している3価の基であり、Yは下記一般式(2)で表される2価の基であり、p及びqは1以上の整数で、2≦p+q≦200、rは2〜8の整数であり、Dは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基、Gは水素原子又はグリシジル基を表す。)
【0009】
【化11】
Figure 2004359703
(上記各式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。)
【0010】
【化12】
Figure 2004359703
(式中、Rは独立に1価の有機基を表し、mは0〜100の整数である。)
【0011】
また、本発明は、下記一般式(4)で表されるオルガノポリシロキサンと、下記一般式(5)で表されるイミド化合物及び下記一般式(6)で表される不飽和結合含有化合物とを付加反応させることを特徴とするシロキサン共重合体の製造方法を提供する。
【化13】
Figure 2004359703
(式中、Rは独立に1価の有機基を表し、mは0〜100の整数である。)
【0012】
【化14】
Figure 2004359703
(式中、Aは2価の有機基、Cは独立に下記に示される(C)群の式から選ばれる2価の基を表す。)
【0013】
【化15】
Figure 2004359703
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。)
【0014】
【化16】
Figure 2004359703
(式中、rは2〜8の整数であり、Dは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基、Gは水素原子又はグリシジル基を表す。)
【0015】
更に、本発明は、上記シロキサン共重合体100質量部、エポキシ樹脂1〜100質量部、硬化促進剤0.001〜20質量部を含んでなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物、及びこのシロキサン共重合体を含む熱硬化性樹脂組成物を200℃以下の温度で硬化させてなることを特徴とする硬化樹脂被膜を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
[シロキサン共重合体]
本発明のシロキサン共重合体は、上記の通り、下記一般式(1)で表される構造を有する。
【化17】
Figure 2004359703
(式中、Aは2価の有機基で、好ましくは下記(A)群の式から選ばれるものが好ましい。Bは独立に下記に示される(B)群の式から選ばれ、これらの式において略同一方向にのびた2個の単結合部がイミド環に結合して(なお、式中結合部位を・印で示す)環を形成している3価の基であり、Yは下記一般式(2)で表される2価の基であり、p及びqは1以上の整数で、2≦p+q≦200、好ましくは2≦p+q≦140の整数であり、rは2〜8の整数、好ましくは2〜3の整数であり、Dは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基、Gは水素原子又はグリシジル基を表す。)
【0017】
なお、このシロキサン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量は1,000〜100,000、特に3,000〜50,000であることが好ましい。
また、0.1≦p/(p+q)≦0.9、より好ましくは0.3≦p/(p+q)≦0.8である。p/(p+q)が0.1未満であると密着性が悪くなり、0.9を超えると架橋点が少ないため、良好な硬化被膜が得られないことがある。
【0018】
【化18】
Figure 2004359703
(式中、Rは非置換又は置換の炭素原子数が1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基等の1価炭化水素基であり、xは1〜20、好ましくは1〜10の整数である。)
【0019】
【化19】
Figure 2004359703
(上記各式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。)
【0020】
【化20】
Figure 2004359703
【0021】
ここで、上記(A)群におけるRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。
【0022】
また、上記一般式(2)の1価の有機基であるRとしては、非置換又は置換の炭素原子数1〜12、好ましくは1〜8の1価炭化水素基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基、2−(トリメトキシシリル)エチル基等のトリアルコキシシリル化アルキル基等の他、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリーロキシ基、シアノ基、トリメチルシロキシ基等を挙げることができる。
【0023】
なお、シロキサン共重合体としては、特に下記一般式(3)の構造を有するものが好ましい。
【化21】
Figure 2004359703
(式中、Rは独立に上記の通りの1価の有機基、Aは上記の通りの2価の有機基を表し、mは0〜100の整数、p及びqは1以上の整数であり、2≦p+q≦200、好ましくは2≦p+q≦140であり、0.1≦p/(p+q)≦0.9、好ましくは0.3≦p/(p+q)≦0.8である。)
【0024】
[シロキサン共重合体の製造]
<オルガノポリシロキサン>
本発明のシロキサン共重合体の合成のためには、下記一般式(4)で表される末端のケイ素原子に結合した2個の水素原子を有するオルガノポリシロキサンが用いられる。
【化22】
Figure 2004359703
(式中、Rは独立に上記の通りの1価の有機基を表し、mは0〜100の整数、好ましくは0〜60の整数である。)
【0025】
前記オルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。以下に、更に好ましい具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0026】
【化23】
Figure 2004359703
【0027】
これらのオルガノポリシロキサンは、1種単独でも2種以上を組合わせても使用することができる。
【0028】
<イミド化合物>
本発明のシロキサン共重合体の合成のためには、下記一般式(5)で表される2個の付加反応活性炭素−炭素二重結合を有するイミド化合物が用いられる。
【化24】
Figure 2004359703
(式中、Aは上記の通りの2価の有機基、Cは独立に下記に示される(C)群の式から選ばれる2価の基を表す。)
【0029】
【化25】
Figure 2004359703
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。)
【0030】
なお、これらの中では、下記式のものが好ましい。
【化26】
Figure 2004359703
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。)
【0031】
また、下記一般式で表されるイミド化合物を用いることもできる。
【化27】
Figure 2004359703
(式中、Aは上記の通りの2価の有機基を表す。)
以下に、本発明で用いるイミド化合物の具体例を示すが、これに限定されるものではない。
【0032】
【化28】
Figure 2004359703
【0033】
これらのイミド化合物は、1種単独でも2種以上組合わせても使用することができる。
【0034】
イミド化合物の反応性については、環内オレフィン性炭素−炭素二重結合(即ち、−CH=CH−で表される2価の基)と共に、アリル基等のオレフィン性炭素−炭素二重結合(1価の基、例えば、−CH=CH)とを1分子中に共有するイミド化合物の場合、実質上、前者(2価の基)はヒドロシリレーション反応(≡SiH基との付加反応)には関与せず、不活性であり、もっぱら後者(アリル基等)が前記反応に対し活性を有する。
【0035】
<不飽和結合含有化合物>
本発明のシロキサン共重合体を得るために、更に下記一般式(6)の不飽和結合含有化合物が用いられる。
【化29】
Figure 2004359703
(式中、rは2〜8の整数であり、Dは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基、Gは水素原子又はグリシジル基を表す。)
【0036】
本発明で用いられる一般式(6)で示される不飽和結合含有化合物の具体例を以下に示す。
これらの化合物はビニル基、アリル基等の不飽和結合かつエポキシ基と反応する水酸基、エポキシ基を有する化合物であり、本発明のシロキサン共重合体と熱硬化性樹脂組成物の一成分であるエポキシ化合物が反応することで、被膜の高強度化、信頼性の向上を図ることができる。
【0037】
【化30】
Figure 2004359703
【0038】
<付加反応>
本発明に係るシロキサン共重合体の製造方法は、上記式(5),(6)のオレフィン性炭素−炭素二重結合含有化合物と上記式(4)のオルガノポリシロキサンとをヒドロシリレーションにより付加させるものであるが(例えば、≡SiHとCH=CH−又は−CH=CH−との付加反応)、当該反応に際して用いられる触媒は、従来より公知の触媒でよく、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金のカルボニル錯体等の白金系触媒、トリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム等のロジウム系触媒、ビス(シクロオクタジエニル)ジクロロイリジウム等のイリジウム系触媒が好適に用いられる。
前記付加反応用触媒の使用量は、触媒としての有効量でよく、特に限定されないが、通常、上記式(5)のイミド化合物及び式(6)の不飽和結合含有化合物と上記オルガノポリシロキサンの合計量100質量部に対して0.001〜20質量部、好ましくは、0.01〜5質量部程度である。
【0039】
また、上記付加反応には、上記反応原料の種類等により、溶媒を用いなくてもよいが、必要に応じて溶媒を使用しても差し支えない。溶媒を用いる場合の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、エチレングリコールブチルエーテルアセテート等のエーテル系化合物、ヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン等の極性溶剤が挙げられる。
反応温度は特に制限されることはないが、好ましくは60℃〜120℃の範囲であり、また、反応時間は、通常30分〜12時間程度である。
【0040】
更に、上記付加反応において、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(即ち、≡SiH基)を2個以上有するオルガノポリシロキサンの≡SiH基の当量をαとし、1分子中に2個以上のオレフィン性炭素−炭素二重結合を有する式(5)のイミド化合物及び式(6)の不飽和結合含有化合物中のヒドロシリレーション反応に活性なオレフィン性炭素−炭素二重結合の当量をβとした場合、両者の配合比は、通常、0.5≦α/β≦1.5、より好ましくは0.7≦α/β≦1.3である。前記比の値がこの範囲を超えると、小さすぎても、逆に多すぎても得られたシロキサン共重合体から良好な硬化樹脂被膜が得られない場合がある。
【0041】
また、式(5)のイミド化合物中のヒドロシリレーション反応の活性なオレフィン性炭素−炭素二重結合の当量をγ、式(6)の不飽和結合含有化合物のヒドロシリレーション反応に活性なオレフィン性炭素−炭素二重結合の当量をδとした場合、両者の配合比は通常、0.1≦γ/(γ+δ)≦0.9、より好ましくは0.2≦γ/(γ+δ)≦0.8である。前記比の値が0.1未満であると密着性が悪くなることがあり、0.9を超えると架橋点が少ないため良好な硬化被膜が得られないことがある。
【0042】
[シロキサン共重合体熱硬化樹脂組成物]
本発明のシロキサン共重合体を含有する熱硬化性樹脂組成物は、本発明のシロキサン重合体、エポキシ樹脂及び硬化促進剤を含む。
エポキシ樹脂の例としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジグリシジルビスフェノールA等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジグリシジルビスフェノールF等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、トリフェニロールプロパントリグリシジルエーテル等のトリフェニルメタン型エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の環状脂肪族エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジメチルグリシジルフタレート等のグリシジルエステル系樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン等のグリシジルアミン系樹脂などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上併用して用いることができる。更に必要に応じて1分子中にエポキシ基を1つ含む単官能エポキシ化合物を添加してもよい。
【0043】
エポキシ樹脂の添加量は、シロキサン共重合体100質量部に対し、エポキシ樹脂1〜100質量部、好ましくは5〜50質量部である。上記の範囲を超えると硬化不良が生じたり、硬化物がもろくなることがある。
【0044】
また、硬化促進剤の例としては、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等の有機ホスフィン化合物、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエタノールアミン等のアミノ化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物が挙げられる。これら硬化促進剤の添加量は、シロキサン共重合体100質量部に対して0.001〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部である。10質量部を超えるとポットライフが悪くなる場合がある。
【0045】
本発明のシロキサン共重合体を含有する熱硬化性樹脂組成物は、シロキサン共重合体、エポキシ樹脂及び硬化促進剤の組合せにより常温で液状、粉末状、フィルム状タイプと種々の形状を得ることができる。また、使用の利便性を考慮して溶剤で希釈して使用しても差し支えない。この場合、使用可能な溶剤は前記熱硬化性樹脂組成物と相溶するものであればよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、エチレングリコールブチルエーテルアセテート等のエーテル系化合物、ヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、ジメチルアセトアミド等の極性溶剤が挙げられる。
【0046】
[その他の成分等]
更に、本発明のシロキサン共重合体を含有する熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて無機質充填剤を配合しても差し支えない。この無機質充填剤の例としては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、カーボンブラック、マイカ、クレー、カオリン、ガラスビーズ、窒化アルミニウム、亜鉛華、炭酸カルシウム、酸化チタン等を挙げることができる。これらの無機質充填剤は、1種単独でも2種以上を組合わせても使用することができる。また、その配合量は特に制限はないが、好ましくは前記シロキサン共重合体とエポキシ樹脂との合計量100質量部に対して1〜500質量部程度である。
【0047】
また、本発明のシロキサン共重合体を含む熱硬化性樹脂組成物には、導電性を付与するために必要に応じて導電性物質を配合した樹脂組成物としてもよい。この導電性物質の例としては金、銀、銅、ニッケル等の金属粒子、プラスチック等の表面を金属で被覆した粒子、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性ポリマーが挙げられる。これらの導電性物質は、1種単独でも2種以上組合わせても使用することができる。また、その配合量は特に制限はないが、好ましくはシロキサン共重合体とエポキシ樹脂との合計量100質量部に対して100〜1,000質量部程度である。
【0048】
更に、本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化樹脂被膜と基材との接着性・密着性を向上させるために、必要に応じてカーボンファンクショナルシランを添加してもよい。カーボンファンクショナルシランの例としては、γ−グリシドシキプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−(γ−アミノプロピル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組合わせても使用することができる。また、カーボンファンクショナルシランの配合量は、通常、シロキサン共重合体とエポキシ樹脂との合計量100質量部に対して0.1〜10質量部程度である。
【0049】
[熱硬化性樹脂被膜]
上記シロキサン共重合体を含有する熱硬化性樹脂被膜は、無溶剤もしくは上記付加反応に際して使用可能な上記トルエン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールブチルエーテルアセテート等の溶剤に溶解して、ガラス、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属、ガラス等の基材もしくはPETフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチック基材からなる基板上に塗布し、溶剤を蒸発・除去して製膜した後に、40℃〜200℃、好ましくは80℃〜150℃の範囲の温度条件で、0.01〜30時間、好ましくは0.1〜20時間加熱することにより、表面が平滑で、アルコール類、ケトン類、トルエン類等に対する耐溶剤性に優れた良好な硬化樹脂被膜を与える。硬化樹脂被膜は、形成方法にもよるが、1μm〜1cm程度の範囲内で任意なものとすることができる。また、得られた硬化樹脂被膜は、基材との接着性・密着性に優れたものである。
【0050】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0051】
[実施例1](シロキサン共重合体の合成)
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えた2Lフラスコ内に、下記式:
【化31】
Figure 2004359703
で表されるオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するイミド化合物114質量部(0.2モル)、平均的に下記構造式:
【化32】
Figure 2004359703
で表されるオルガノポリシロキサン290質量部(0.4モル)、ジアリルビスフェノールA61質量部(0.2モル)及びトルエン500質量部を加え、2質量%の塩化白金酸のエタノール溶液を0.3質量部添加し、90℃で5時間撹拌した。得られた反応生成物から溶媒を除去して、目的とするシロキサン共重合体405質量部を得た。このシロキサン共重合体の外観は淡黄色透明の粘稠体であった。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量は10,500であった。
GPC分析、IR分析の結果、得られたシロキサン共重合体は、平均的に下記構造式で表されるものであることがわかった。
【0052】
【化33】
Figure 2004359703
【0053】
以下に、IR分析の結果を示す。
・IR分析:
アルカンC−H伸縮:2,962cm−1
イミドC=O伸縮:1,778cm−1、1,714cm−1
イミドC−N伸縮:1,379cm−1
Si−C伸縮:1,260cm−1
Si−O−Si伸縮:1,099cm−1
【0054】
[実施例2](シロキサン共重合体の合成)
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えた2Lフラスコ内に、下記式:
【化34】
Figure 2004359703
で表されるオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するイミド化合物160質量部(0.28モル)、平均的に下記構造式:
【化35】
Figure 2004359703
で表されるオルガノポリシロキサン290質量部(0.4モル)、ジアリルビスフェノールA37質量部(0.12モル)及びトルエン500質量部を加え、2質量%の塩化白金酸のエタノール溶液を0.3質量部添加し、90℃で5時間撹拌した。得られた反応生成物から溶媒を除去して、目的とするシロキサン共重合体430質量部を得た。このシロキサン共重合体の外観は淡黄色透明の固体であった。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量は17,000であった。
GPC分析、IR分析の結果、得られたシロキサン共重合体は、平均的に下記構造式で表されるものであることがわかった。
【0055】
【化36】
Figure 2004359703
【0056】
以下に、IR分析の結果を示す。
・IR分析:
アルカンC−H伸縮:2,962cm−1
イミドC=O伸縮:1,778cm−1、1,714cm−1
イミドC−N伸縮:1,379cm−1
Si−C伸縮:1,260cm−1
Si−O−Si伸縮:1,099cm−1
【0057】
[実施例3](シロキサン共重合体の合成)
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えた2Lフラスコ内に、下記式:
【化37】
Figure 2004359703
で表されるオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するイミド化合物102質量部(0.2モル)、平均的に下記構造式:
【化38】
Figure 2004359703
で表されるオルガノポリシロキサン586.4質量部(0.4モル)及びトルエン800質量部を加え、2質量%の塩化白金酸のエタノール溶液を0.5質量部添加し、90℃で2時間撹拌した。その後、ジアリルビスフェノールA170質量部(0.28モル)を滴下し、90℃で3時間撹拌した。得られた反応生成物から溶媒を除去して、目的とするシロキサン共重合体684質量部を得た。このシロキサン共重合体の外観は淡黄色透明の液状であり、粘度は33.2Pa・sであった。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量は7,600であった。
GPC分析、IR分析の結果、得られたシロキサン共重合体は、平均的に下記構造式で表されるものであることがわかった。
【0058】
【化39】
Figure 2004359703
【0059】
以下に、IR分析の結果を示す。
・IR分析:
アルカンC−H伸縮:2,963cm−1
イミドC=O伸縮:1,771cm−1、1,704cm−1
イミドC−N伸縮:1,379cm−1
Si−C伸縮:1,260cm−1
Si−O−Si伸縮:1,099cm−1
【0060】
[比較例1](シロキサン共重合体の合成)
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えた1Lフラスコ内に、下記式:
【化40】
Figure 2004359703
で表されるオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するイミド化合物100質量部(0.175モル)、平均的に下記構造式:
【化41】
Figure 2004359703
で表されるオルガノポリシロキサン128質量部(0.176モル)及びトルエン200質量部を加え、2質量%の塩化白金酸のエタノール溶液を0.2質量部添加し、90℃で5時間撹拌した。得られた反応生成物から溶媒を除去して目的とするシロキサン共重合体218質量部を得た。このシロキサン共重合体の外観は淡黄色透明の固体であった。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量は12,000であった。
GPC分析、IR分析の結果、得られたイミドシリコーン樹脂は、平均的に下記構造式で表されるものであることがわかった。
【0061】
【化42】
Figure 2004359703
【0062】
[実施例4](硬化樹脂被膜の作製)
上記実施例1〜3で得られたシロキサン共重合体及び比較例1のシロキサン共重合体を表1の配合比でそれぞれ熱硬化性樹脂組成物を作成した。なお、希釈溶剤を用いた場合は溶剤に濃度が30質量%になるように溶解して樹脂溶液とした。なお、GTはジグリシジルトルイジンを表し、TGAPMはテトラグリシジルジアミノジフェニルメタンを表し、2−MIは2−メチルイミダゾールを表す。
前記各樹脂組成物を60℃の温度で30分間、更に150℃の温度で1時間加熱し、硬化樹脂被膜(厚さ:120μm)を作製し、硬化後の物性を測定した。その結果を表2に示す。
【0063】
更に、前記各樹脂組成物を、それぞれ、ガラス基板上に塗布し、60℃の温度で30分間、更に150℃の温度で1時間加熱し、硬化樹脂被膜(厚さ90μm)を作製した。上記で得られたガラス基板上に密着した状態の各硬化樹脂被膜をメチルエチルケトン還流下に60分間浸漬した後、被膜の表面の変化の有無を観察した。その結果を表3に示す。なお、「表面平滑」との表示は、硬化樹脂被膜表面がメチルエチルケトンにより膨潤して、前記表面に変形、凹凸等が生じていないことを示す。
【0064】
また、前記各樹脂組成物を、それぞれ、銅基板及びガラス基板上に塗布し、60℃の温度で30分間、更に150℃の温度で1時間加熱し、硬化樹脂被膜(厚さ:15μm)を各基板上に形成させた。次いで、2.1気圧の飽和水蒸気中に72時間放置した後又は150℃の熱風循環機の中に240時間放置した後、各基板上の前記各硬化被膜について、碁盤目剥離テスト(JIS K5400)を行い、高温高湿条件放置後の接着性を評価した。その結果を表3に示す。
なお、表3中の数値(分子/分母)は、分画数100(分母)当たり、剥離しなかった分画数(分子)を表す。即ち、100/100の場合は全く剥離せず、0/100の場合はすべて剥離したことを示す。
【0065】
次に、前記各樹脂組成物を、それぞれ、銅基板に塗布し、前記と同様な条件で硬化樹脂被膜(厚さ:15μm)を銅基板上に形成させた。これを試験片として、2mmφのマンドレルにより屈曲追従性を調べた。その結果を表3に示す。
なお、○との表示は、屈曲追従性が良好であり、被膜の基材からの剥離又は硬化被膜の破断が生じていないことを表す。
【0066】
【表1】
Figure 2004359703
【0067】
【表2】
Figure 2004359703
【0068】
【表3】
Figure 2004359703
【0069】
【発明の効果】
本発明のシリコーン共重合体及びそれを用いた熱硬化性樹脂組成物は、比較的低温での加熱処理により容易に硬化樹脂被膜を形成することができる特性を有する。この硬化樹脂被膜は、ケトン等の有機溶剤に対する耐性も高く、更に高湿条件下においても銅等の金属基板への接着性・密着性及び耐久性にも優れる。従って、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、ダイボンド材、アンダーフィル材、各種金属の表面保護、半導体素子の保護材、各種電子回路基板の表面保護材及び層間接着剤、耐熱接着剤、耐熱塗料、導電接着剤バインダー等として有用である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される構造を有するシロキサン共重合体。
    Figure 2004359703
    (式中、Aは2価の有機基、Bは独立に下記に示される(B)群の式から選ばれ、これらの式において略同一方向にのびた2個の単結合部がイミド環に結合して環を形成している3価の基であり、Yは下記一般式(2)で表される2価の基であり、p及びqは1以上の整数で、2≦p+q≦200、rは2〜8の整数であり、Dは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基、Gは水素原子又はグリシジル基を表す。)
    Figure 2004359703
    (上記各式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。)
    Figure 2004359703
    (式中、Rは独立に1価の有機基を表し、mは0〜100の整数である。)
  2. 下記一般式(3)の構造を有することを特徴とする請求項1記載のシロキサン共重合体。
    Figure 2004359703
    (式中、Rは独立に1価の有機基、Aは2価の有機基を表し、mは0〜100の整数、p及びqは1〜100の整数である。)
  3. 請求項1又は2記載のシロキサン共重合体100質量部、エポキシ樹脂1〜100質量部、硬化促進剤0.001〜20質量部を含んでなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  4. 下記一般式(4)で表されるオルガノポリシロキサンと、下記一般式(5)で表されるイミド化合物及び下記一般式(6)で表される不飽和結合含有化合物とを付加反応させることを特徴とする請求項1記載のシロキサン共重合体の製造方法。
    Figure 2004359703
    (式中、Rは独立に1価の有機基を表し、mは0〜100の整数である。)
    Figure 2004359703
    (式中、Aは2価の有機基、Cは独立に下記に示される(C)群の式から選ばれる2価の基を表す。)
    Figure 2004359703
    (式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。)
    Figure 2004359703
    (式中、rは2〜8の整数であり、Dは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基、Gは水素原子又はグリシジル基を表す。)
  5. 前記一般式(5)中のCが下記式:
    Figure 2004359703
    (式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。)
    で表される2価の基であることを特徴とする請求項4記載のシロキサン共重合体の製造方法。
  6. 請求項3記載のシロキサン共重合体を含む熱硬化性樹脂組成物を200℃以下の温度で硬化させてなることを特徴とする硬化樹脂被膜。
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