JP2004362929A - 放電ランプ - Google Patents
放電ランプ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004362929A JP2004362929A JP2003159630A JP2003159630A JP2004362929A JP 2004362929 A JP2004362929 A JP 2004362929A JP 2003159630 A JP2003159630 A JP 2003159630A JP 2003159630 A JP2003159630 A JP 2003159630A JP 2004362929 A JP2004362929 A JP 2004362929A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- discharge lamp
- film
- arc tube
- oxide
- coating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J61/00—Gas-discharge or vapour-discharge lamps
- H01J61/02—Details
- H01J61/30—Vessels; Containers
- H01J61/35—Vessels; Containers provided with coatings on the walls thereof; Selection of materials for the coatings
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J61/00—Gas-discharge or vapour-discharge lamps
- H01J61/84—Lamps with discharge constricted by high pressure
- H01J61/86—Lamps with discharge constricted by high pressure with discharge additionally constricted by close spacing of electrodes, e.g. for optical projection
Landscapes
- Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)
Abstract
【課題】発光管の長さや形状を変えることなく、また、反射鏡に新たな冷却構造を設けることなく、ランプ点灯時における発光管封止部内の溶接部の温度上昇を抑え、溶接部の劣化を防ぎ、ランプ寿命が長く、光学特性の安定した放電ランプを提供する。
【解決手段】石英ガラス製の発光管の両側に連設された封止部を有し、該封止部に保持された一対の電極が該発光管内で対向配置された放電ランプにおいて、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等との混合物又は珪酸のアルカリ金属塩及び金属酸化物等を含有する皮膜が形成された放電ランプである。放電ランプの温度上昇を効果的に抑えるには、皮膜は放熱性すべき箇所、即ち、放熱をすべき箇所に放電ランプ封止部、リード部の露出している部分、発光管の一方の封止部端部に備え付けられた口金部、反射鏡外面に形成することが好ましい。また、皮膜の膜厚は10〜100μm が好ましい。
【選択図】図3
【解決手段】石英ガラス製の発光管の両側に連設された封止部を有し、該封止部に保持された一対の電極が該発光管内で対向配置された放電ランプにおいて、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等との混合物又は珪酸のアルカリ金属塩及び金属酸化物等を含有する皮膜が形成された放電ランプである。放電ランプの温度上昇を効果的に抑えるには、皮膜は放熱性すべき箇所、即ち、放熱をすべき箇所に放電ランプ封止部、リード部の露出している部分、発光管の一方の封止部端部に備え付けられた口金部、反射鏡外面に形成することが好ましい。また、皮膜の膜厚は10〜100μm が好ましい。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にプロジェクタ装置やファイバー照明機器等の光源として用いられる超高圧放電ランプに関し、特に、放熱性に優れた超高圧放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プロジェクタ装置は、高画質化、小型化、高輝度化、静音化が進んでおり、それに伴い、プロジェクタ装置に用いられる放電ランプもまた、小型化、高輝度化が要求されている。プロジェクタ装置用の放電ランプには、元々温度が高くなるという問題がある。それに加えて、放電ランプの小型化、高輝度化のために、凹面反射鏡を小型化し、高輝度実現のために放電ランプへの入力電力を増加させ、静音化のために放電ランプ冷却用ファンを減速し、安全性向上のために放電ランプ反射鏡の通風口を塞ぐといった方策が採られている。しかし、これらの方策は点灯中の放電ランプの温度を一層高くする原因となっている。
【0003】
また、放電ランプ点灯中における発光管封止部の金属箔と外部リードの溶接部の温度上昇が問題であると指摘されている。この温度の上限は、350〜400℃が望ましいことが指摘されている。例えば、420℃以上の温度で放電ランプの点灯時間が100時間以上になると、金属箔と外部リードの溶接部に酸化が起こり、封止部分が剥離し、溶断し、その結果放電ランプは点灯不能になる。
【0004】
これらの対策として、従来、発光管封止部内の金属箔を長くして、前記溶接部を発光管発光部の熱源から離して温度上昇を抑える方法や、特許第3275755号公報(特許文献1参照)などに示されるように、反射鏡に通風口を設ける等で前記溶接部の温度上昇を抑える方法が知られている。しかし、金属箔を長くすると必然的に発光管の長さが長くなり放電ランプが大型化するし、また、発光管を反射鏡から突出させなければならないという問題がある。また、反射鏡に通風口を設けると、発光管破裂時の破裂片飛散の危険があり、そのために破裂片飛散を抑止するため構造を工夫する必要があり、コストアップになるという問題がある。
【0005】
このような背景の下、放電ランプの小型化、高輝度化、低コスト、安全性向上に対処するため、新たな温度上昇の防止方法が求められている。封止管部の周面に放熱フィンを設け、放熱フィンの表面を赤外線放射率の高い酸化珪素、酸化アルミニウム、クロム酸銅等からなる塗膜を形成する方法が特開2002−151005号公報(特許文献2参照)に開示され、発光管の外面の上半分に石英ガラスよりも赤外線放射率の高いジルコン酸珪素、酸化マンガン、酸化コバルトや酸化鉄等からなる塗膜を形成する方法が特開2002−1509999号公報(特許文献3参照)に開示され、封止部に反射膜を設け該反射膜に石英ガラスよりも熱輻射率の大きい窒化アルミニウムを含ませる方法が特許第3290645号公報(特許文献4参照)に開示されている。
【0006】
しかし、特開2002−151005号公報記載の放電ランプは、放熱フィンの突起の大きさによっては、ランプ内の発光管からリフレクターに反射した光が遮られるという問題があり、光が遮られないものが求められている。また、特開2002−1509999号公報記載の放電ランプは、発光管に可視光反射膜、可視・赤外反射膜、石英ガラスより赤外放射率の高い膜の三層を形成する必要があり、工程が複雑になり、コストアップになるという問題がある。更に、特許第3290645号公報記載の放電ランプは、発光管の光が集光する部分に膜を形成し、光を反射させるものであるが、光が集光して温度上昇を防ぐのみならず、発光管からの光とそれ以外の発熱を防止するものが求められている。
【0007】
【特許文献1】
特許第3275755号公報
【特許文献2】
特開2002−151005号公報
【特許文献3】
特開2002−1509999号公報
【特許文献4】
特許第3290645号公報
【特許文献5】
特開平1−223191号公報
【特許文献6】
特開昭63−207868号公報
【特許文献7】
特開平3−47883号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の放電ランプの温度上昇防止方法とは異なり、発光管の長さや形状を変えることなく、また、反射鏡に新たな冷却構造を設けることなく、放電ランプ点灯時に、発光管封止部内の溶接部の温度を上限400℃以下にし、溶接部の劣化を防ぎ、放電ランプ寿命が長く、光学特性の安定した放電ランプを、特別な構造や加工を行うことなく、簡便な構成で実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、石英ガラス製の発光管の両側に連設された封止部を有し、該封止部に保持された一対の電極が該発光管内で対向配置された放電ランプにおいて、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等との混合物から形成せしめた皮膜を備えた放電ランプである。
【0010】
アルコキシシランは、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランの少なくとも1種を含有する。これらのアルコキシシランを混合使用することもできる。更にチタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドを混合させることができる。チタンアルコキシドやアルミニウムアルコキシドは、アルコキシシランと共加水分解を受けて、チタンやアルミニウムを主鎖に含む皮膜を形成することができる。
【0011】
本発明は、更に、石英ガラス製の発光管の両側に連設された封止部を有し、該封止部に保持された一対の電極が該発光管内で対向配置された放電ランプにおいて、珪酸アルカリ金属塩の水溶液と金属酸化物との混合物から形成せしめた皮膜を備えた放電ランプである。
【0012】
珪酸のアルカリ金属塩は、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム及び珪酸リチウムから選択される少なくとも1種を含有することができる。特に、珪酸ナトリウムと珪酸カリウムとを混合して使用するのがよい。
【0013】
皮膜形成成分の一種である金属酸化物は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムの少なくとも1種を含有することができる。これらを混合使用することもできる。金属酸化物の他にカオリンを含有することもできる。更に、金属酸化物として、酸化チタン、酸化錫、酸化銅、酸化鉄、酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化アンチモン、酸化硼素、酸化バリウム、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム等の金属酸化物の少なくとも1種を含有することができる。
【0014】
金属酸化物は、重量で前記アルコキシシラン又は珪酸アルカリ金属塩1に対して0.5〜70添加するのが好ましい。また、カオリンは、重量で前記アルコキシシラン又は珪酸アルカリ金属塩1に対して0.1〜20.0添加することが好ましい。
【0015】
皮膜は、原則的には放電ランプの前面部(2)(図1参照)等を除いた任意の箇所に設けることができる。放電ランプの温度上昇を効果的に抑えるには、皮膜は放熱すべき箇所、即ち、放電ランプ封止部及び/又はリード部の露出している部分、前記発光管の一方の封止部端部に備え付けられた口金部に、また、皮膜は、反射鏡外面に形成するのが好ましい。皮膜の膜厚は、10〜100μm であることが好ましい。
【0016】
本発明の放電ランプは、発光管の両側に連設された封止部を有し、該封止管部に保持された一対の電極が該発光管内で対向配置された放電ランプにおいて、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等との混合物から形成せしめた皮膜又は珪酸アルカリ金属塩の水溶液と金属酸化物等との混合物から形成せしめた皮膜を備えた放電ランプである。皮膜は、原則的には放電ランプの前面部(2)等を除いた任意の箇所に設けることができるが、放電ランプの温度上昇を効果的に抑えるには、皮膜は放熱すべき箇所、即ち、放電ランプ封止部及び/又はリード部の露出している部分、前記発光管の一方の封止部端部に備え付けられた口金部に、また、皮膜は、反射鏡外面に形成するのが好ましい。この放電ランプは、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等との混合物から形成せしめた皮膜又は珪酸アルカリ金属塩の水溶液と金属酸化物等との混合物から形成せしめた皮膜を備えるので、高温に耐え、かつ表面部に強固に固着する皮膜を直接形成しているので、放電ランプの寿命が長くなるという特徴をもつ。
【0017】
本発明における皮膜は、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等との混合物又は珪酸アルカリ金属塩の水溶液と金属酸化物等との混合物から形成せしめたものである。金属酸化物としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムの少なくとも1種を含有することが好ましい。更に、カオリンを含有することもできる。他に、酸化チタン、酸化錫、酸化銅、酸化鉄、酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化アンチモン、酸化硼素、酸化バリウム、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム等の金属酸化物の少なくとも1種を含有することができる。金属酸化物以外に、窒化硼素、窒化アルミニウム、窒化ジルコニウム、窒化錫、窒化ストロンチウム、窒化チタン、窒化バリウムや窒化珪素等の窒化物を含有することができる。
【0018】
アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等との混合物から形成せしめた皮膜は、基本的には、アルコキシシランの加水分解・縮合により形成されるものである。即ち、アルコキシシランが加水分解をしてコロイダルシリカの表面に存在するシラン基とも結合しながら、皮膜を形成する。アルコキシシランの加水分解によって皮膜を形成することは、例えば、特開平1−223191号公報(特許文献5参照)、特開昭63−207868号公報(特許文献6参照)、特開平3−47883号公報(特許文献7参照)等に記載されている。
【0019】
上記特開平1−223191号公報、特開昭63−207868号公報、特開平3−47883号公報等には、遠赤外線放射性に優れたコーティング組成物が記載されている。しかしながら、上記コーティング組成物は、ヒータや加熱器等において、加熱効果を高めることを目的にしており、本願発明は、温度の高い物体から熱を放射し、温度上昇を抑えようとするもので、その目的及び効果の点で、異なるものである。
【0020】
皮膜中に含有させる金属酸化物、カオリンや窒化物等は、その粒径を15μm〜100nmとするのがよい。より好ましくは、10μm〜80nmの粒径のものを使用する。この粒径のものを使用することにより、皮膜の表面が滑らかで綺麗になるとともに放熱の効率が高まる。
【0021】
カオリンは、チタンアルコキシドやアルミニウムアルコキシドを含めたアルコキシシラン又は珪酸のアルカリ金属塩1に対して重量で0.1〜20添加することが好ましい。また、金属酸化物の添加量は、チタンアルコキシドやアルミニウムアルコキシドを含めたアルコキシシラン又は珪酸のアルカリ金属塩1に対して重量で0.5〜70であることが好ましい。これは、皮膜形成性を維持しながら、高い放熱性能を保持するためである。
【0022】
アルコキシシランは水が存在すると加水分解・縮合が起こるので、使用直前までは水の存在しない状態に保つのがよい。即ち、水溶性溶媒の溶液として、水の存在しない状態で保存しておくのである。使用時に、アルコキシシランの水溶性溶媒溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等とを混合し、対象物体である放電ランプに、塗布し皮膜を形成せしめる。コロイダルシリカ水分散液の水は、アルコキシシランの加水分解・縮合に寄与する。同時に、アルコキシシランがその加水分解の過程でコロイダルシリカのシラノール基と反応しコロイダルシリカを抱き込んだ形で皮膜を形成することができる。コロイダルシリカは、膜形性、膜の保持性及び放熱性、遮熱性に寄与する。
【0023】
コロイダルシリカの水分散液中のコロイダルシリカの量は、10〜60重量%程度である。この量は、コロイダルシリカの原料であるシリケートの加水分解に使用する水の量で適宜調製することができる。また、シリケートの加水分解後、水を加えて調製することもできる。コロイダルシリカ(固形分)は、アルコキシシラン1に対して重量で0.05〜1で使用することが好ましい。
【0024】
また、チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドを混合させることができる。チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドは、単体として使用してもよいし、溶液として使用することもできる。溶液として使用する場合には、チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドの有機溶媒の溶液状態で使用してもよいし、アルコキシシランの溶液に更にチタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドを混合してもよい。そして、チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドは、アルコキシシランの珪素原子に対してチタン及び/又はアルミニウム原子が0.01〜0.5の割合で添加されることが好ましい。チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドは、水によりアルコキシシランとともに共加水分解し、チタン及び又はアルミニウムを主鎖に含む皮膜を形成する。
【0025】
アルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン(モノ有機基置換アルコキシシラン)、ジアルコキシシラン(ジ有機基置換アルコキシシラン)等を使用することができる。これらアルコキシシランを適宜混合して使用することもできる。アルコキシシランは、使用直前までは、水の存在しない状態、即ち、水を含まない溶液の状態に保持する。溶液に使用する溶媒は、水の溶解する水溶性の溶媒を使用する。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホオキシド、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド等の溶媒である。中でも、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルフォルムアミド、メチルアセトアミド等の溶媒が好適に使用できる。
【0026】
アルコキシシランの具体的な例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、ジチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等であり、更には、置換基にエポキシ基、水酸基、カルボキシル基等の官能基を有していてもよい。チタンアルコキシドの具体的な例としては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、アルミニウムアルコキシドの具体的な例としては、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシド等を使用することができる。但し、これらに限定されるものではない。
【0027】
皮膜形成時に、アルコキシシラン溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等を混合し懸濁液となし、この懸濁液を対象物である放電ランプに塗布し皮膜を形成せしめる。金属酸化物、カオリンや窒化物は、粉末状態のものを混合する。このとき、懸濁液の粘度が高くなるようであれば、必要に応じて、溶剤や水を添加して、粘度を調整する。このようにして得た懸濁液を対象物に塗布することにより、本発明の皮膜を得ることができる。懸濁液を対象物に筆塗り、スプレー、ローラー、印刷等により塗布し、常温又は加温にて乾燥後、更に、必要に応じて、80℃〜300℃で熱処理することにより、金属表面や各種表面との密着度の高い皮膜を得ることができる。懸濁液の塗布は、石英ガラスや、金属同士のスポット溶接部にも行うことができる。皮膜を設ける箇所は、先に述べたように、原則的には放電ランプの前面部(2)等を除いた任意の箇所に設けることができるが、放電ランプの温度上昇を効果的に抑えるには、皮膜は放熱すべき箇所、即ち、放電ランプ封止部及び/又はリード部の露出している部分、前記発光管の一方の封止部端部に備え付けられた口金部に、また、皮膜は、反射鏡外面に形成するのが好ましい。
【0028】
皮膜形成のために珪酸のアルカリ金属塩を使用することができる。珪酸のアルカリ金属塩としては、具体的には、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムや珪酸リチウムを使用することができる。珪酸ナトリウム、珪酸カリウムや珪酸リチウム等の珪酸塩は、水溶液として供給されるので、珪酸のアルカリ金属塩の水溶液に金属酸化物、カオリンや窒化物を添加、混合し、更に、必要に応じて水を加えて懸濁液となし、この懸濁液を対象物に塗布することにより、本発明における皮膜を得ることができる。懸濁液を対象物に筆塗り、スプレー、ローラー、印刷等により塗布し、常温又は加温にて乾燥後、更に、必要に応じて、80℃〜300℃で熱処理することにより、金属表面や各種表面との密着度の高い皮膜を得ることができる。懸濁液の塗布は、石英ガラスや、金属同士のスポット溶接部にも行うことができる。皮膜を設ける箇所は、先に述べたように、原則的には放電ランプの前面部(2)等を除いた任意の箇所に設けることができるが、放電ランプの温度上昇を効果的に抑えるには、皮膜は放熱すべき箇所、即ち、放電ランプ封止部及び/又はリード部の露出している部分、前記発光管の一方の封止部端部に備え付けられた口金部に、また、皮膜は、反射鏡外面に形成するのが好ましい。
【0029】
珪酸アルカリ金属塩は、具体的には、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムや珪酸リチウムを使用する。珪酸ナトリウム単独、珪酸カリウム単独でも使用しうるが、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムの両者を混合使用するのが好ましい。混合使用する際、珪酸ナトリウムと珪酸カリウムの割合は重量比で、珪酸カリウム1に対して珪酸ナトリウム0.5〜7(固形分ベース)が好ましい。これは、珪酸ナトリウムの量が多いと、水分除去が困難、即ち、皮膜の乾燥が不十分となり皮膜の形成が難しく、また、珪酸カリウムの量が多いと膜形性能が低下するので、適量の珪酸ナトリウムと珪酸カリウムを併用使用するのが好ましい。
【0030】
皮膜は、適度の厚みをもって放電ランプに形成する。皮膜は、放電ランプの放熱すべき箇所に形成する。放電ランプで発生する熱は、皮膜を介して放出され、放電ランプ各部の温度の上昇を抑えることができる。放電ランプの温度上昇を抑えることにより、放電ランプの寿命を延ばすことができる。発光管封止部内の金属箔と外部リード溶接部分の温度上昇を抑止するため、電極心棒と金属箔との溶接部を含有する部分から金属箔と外部リードとの溶接部分を含まない部分までの封止部に皮膜を形成することができる。また、発光管の外部リード部に形成し、発光管外部とリードとの溶接部分の熱を放射することができる。
【0031】
前面開口部を有する反射鏡の閉塞部側の放電ランプ口金部分と発光管封止部からの外部リード部分においては、口金と外部リードの部分がその材質の違いに基づく膨張率に違いがあるので、発光管からの熱伝導により昇温され、口金のみが膨張し、口金と外部リードとの溶接部分が外れる不具合が生じる現象がみられる。本発明では、それを防ぐため、口金部分に放熱作用のある皮膜を形成し、口金の熱を放出し、口金の熱膨張を抑止することができる。
【0032】
更には、反射鏡の内面温度を耐熱温度以下にするため、反射鏡の外面に本皮膜を形成し、反射鏡外面への放熱を利用し、反射鏡内面の温度を低下すると同時に、放電ランプの温度上昇を抑えることができる。
【0033】
本皮膜の膜厚は、或る程度の厚さがないと放熱効果は十分に発現しないが、逆に厚さが大きすぎると皮膜に蓄熱作用が起こり、放熱効果が不十分になる。本発明の実験によると、膜厚は10〜100μmが好ましく、更には100μm以下が好ましく、30〜80μmが特に好ましい。
【0034】
本発明における皮膜は、優れた抗ヒートショック性、耐熱性、放熱性、遮熱性等の特性を有する。また、蓄熱したエネルギーを遠赤外線として空気中に放射する能力が高く、放射率0.95という高い数値を示す。内部に蓄積した熱を遠赤外線という電磁波に変換して効率よく放射し、物体の温度上昇を抑えることができる。効率良く遠赤外線を放射するということは、内部に蓄積した熱を遠赤外線という電磁波に変換して効率よく放熱することを意味し、結果として温度上昇を抑える効果をもたらす。これは空気対流という手段を用いずに効率よく放熱するという結果をもたらす。従来遠赤外線の放射能力が高いとされている物質(例えば、ゼオライト、コージェライト、アパタイト、ドロマイト等)の放射特性を見ると、4ミクロン乃至14ミクロンの波長全ての領域にわたって高い遠赤外線の放射特性をもつわけではなく、波長によって放射率に相違がある。多くの場合、9ミクロン波長前後の鎮域で放射率が下がる傾向が見られる。一方、本発明が提供する組成物の放射する遠赤外線は4ミクロン乃至14ミクロン波長の全ての領域にわたって0.9以上の放射率を維持し、非常に放射効率の高いものとなっている。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をその実施形態に基づい説明する。放電ランプ1は、図1に示したように、反射鏡3付きの放電ランプである。発光管6を図2に示した。放電ランプの温度は、図6に示したように、金属箔と外部リードとの溶接部12(4)で測定した。まず、皮膜を、図3に示すように、電極心棒と金属箔との溶接部を含む部分から発光管外部とリードとの溶接部分を含まない部分までの封止部15に形成した。次に、図4に示すように、封止部より突出した外部リード14に皮膜を形成した。更に、図7に示したように、反射鏡外面11に皮膜を形成した。この場合、反射鏡の温度を10の位置で測定した。
【0036】
【実施例1】
メチルトリメトキシシラン300重量部、ジメチルジメトキシシラン170重量部、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン30重量部、テトラブトキシチタン20重量部をN−メチルピロリドン480重量部に溶解した溶液、シリカ固形分として20重量%の酸性コロイダルシリカの水分散液1000重量部とを混合した。混合液の750重量部をとり、この混合液750重量部に、カオリン110重量部、酸化珪素粉末435重量部、酸化アルミニウム粉末190重量部及び酸化ジルコニウム粉末120重量部を加え、攪拌混合して、懸濁液を得た。この懸濁液を所定部分に塗布し、大気中で風乾した。塗膜厚は48μmであった。続いて95℃で30分乾燥し、更に、100℃で60分熱処理した。
【0037】
図3に示した電極心棒と金属箔との溶接部を含む部分から金属箔と外部リードとの溶接部分を含まない部分までの封止部15に懸濁液を塗布して皮膜を形成した場合、図6に示した発光管封止部の端部にある発光管外部とリードとの溶接部12(4)の温度は、皮膜を形成しないときは375℃であったが、皮膜を形成したときは338℃であった。皮膜を形成することにより、該溶接部に於ける温度は、37℃低下した。このように、皮膜を形成することにより、放電ランプの温度が顕著に低下したことが認められる。この際、塗膜の厚みを10μm未満では放熱効果はほとんど認められなかった。また、塗膜の厚みが100〜200μmに範囲で形成したところ、蓄熱効果が大きくなるのため、同様に放熱性果は認められなかった。塗膜の厚みが10〜100μmの範囲で、放熱効果が認められる。
【0038】
【実施例2】
珪酸ナトリウムの54.5重量%水溶液16重量部、珪酸カリウムの30.0重量%水溶液12重量部を混合し、水20重量部を更に添加して希釈した水溶液に、二酸化珪素の微粉末18.0重量部、酸化アルミニウムの微粉末12.0重量部及びカオリン8重量部を添加、混合した懸濁液を調製した。この懸濁液を同様に、図3に示した電極心棒と金属箔との溶接部を含む部分から金属箔と外部リードとの溶接部分を含まない部分までの封止部15に懸濁液を塗布し、大気中で風乾した。塗膜厚は48μmであった。図6に示した発光管封止部の端部にある発光管外部とリードとの溶接部12(4)の温度は、懸濁液を塗布しないときは375℃であったが、懸濁液を塗布したときは340℃であった。懸濁液を塗布することにより、該溶接部12(4)に於ける温度は、35℃低下した。このように、懸濁液を塗布することにより、放電ランプの温度が顕著に低下したことが認められる。
【0039】
尚、図6において4で示した溶接部を皮膜で形成すると、溶接部の温度は375℃で、皮膜を形成しない場合の375℃と相違なく、放熱効果は認められなかった。これは、前記溶接部における接触抵抗の発熱作用のある部分に本皮膜を形成すると、皮膜が保温効果の役割を果たし、放熱効果が実現できなかったものと考えられる。
【0040】
【実施例3】
更に、図4に示したように、外部リード14に実施例1の懸濁液で皮膜を形成した。この場合、溶接部の温度は345℃であり、皮膜を形成しない場合が361℃であった。このように、外部リードに皮膜を形成することにより、16℃の温度低下効果が認められた。同様に、実施例2の懸濁液を図4に示した外部リードに塗布した。この場合、溶接部の温度は348℃であり、懸濁液を塗布しない場合が361℃であった。このように、外部リード14に懸濁液を塗布することにより、13℃の温度低下効果が認められた。
【0041】
【実施例4】
次に、放電ランプに皮膜を形成した場合の放電ランプの寿命を調べた。寿命試験において、反射鏡の大きさは、65mm、横70mm、f=7とし、電力は定格の20%増しである240Wとした。このときの溶接部における温度は、実施例1の懸濁液で皮膜を形成した場合で395℃、皮膜を形成しない場合は430℃であった。皮膜を形成していない場合は、放電ランプの点灯時間が100時間を超えると、前記溶接部の酸化が起こり、封止部が剥離した。一方、図3に示した電極心棒と金属箔との溶接部を含む部分から発光管外部とリードとの溶接部分を含まない部分までの封止部15に実施例1、実施例2の懸濁液で皮膜を形成した場合、そして、図4に示した外部リード14に皮膜を形成した場合は、いずれも、点灯時間1500時間を超えても、前記溶接部分の酸化が発生せず、充分に放電ランプの機能を果たしていることを認めた。
【0042】
また、実施例2の懸濁液で皮膜を封止部に形成した場合、発光管の発光部外面、つまり、封止部より外径が大きくなっている発光管部の温度低下は見られなかった。このことから、上記箇所への本皮膜の形成は、発光管発光部分の動作温度低下をさせる悪影響が無いといえる。温度は、皮膜を形成しない場合が941℃、皮膜を形成した場合は940℃であった。
【0043】
【実施例5】
図5に示す口金部分13に皮膜を形成して、同様に寿命試験を行った。試験方法は、前記と同様の反射鏡を用い、前記と同様の240W入力で行った。実施例1及び実施例2の懸濁液で皮膜を形成したランプと放熱作用のある皮膜を形成しない放電ランプで、口金部分の酸化が明らかに異なることが認められた。皮膜を形成していない放電ランプは、点灯時間100時間も満たないうちに口金部分が酸化した。このことは、口金の酸化が早いランプの方の温度が高いことを示している。口金に皮膜を形成してないランプは、点灯時間300時間で口金部分が溶断し、点灯不能となった。一方、口金に皮膜を形成した放電ランプは、いずれも、点灯時間1500時間でも問題なく点灯していることを認めた。
【0044】
【実施例6】
反射鏡の外面に実施例1の懸濁液で皮膜を形成した場合の温度測定を行った。
図7に示したように、反射鏡の温度を3の位置で測定した。反射鏡外面に皮膜を形成した場合と皮膜を形成しない場合では、皮膜を形成しない場合が599℃、皮膜を形成した場合が562℃で37℃の放熱効果が得られた。このことから、放電ランプに皮膜を形成することで、放電ランプの特に温度が高い箇所の温度上昇を抑えることができることがわかる。
【0045】
【実施例7】
エチルトリエトキシシラン270重量部、ジエチルジエトキシシラン150重量部、テトラエトキシシラン30重量部、チタンテトラブトキシド20重量部をN−メチルピロリドン530重量部に溶解した。この溶液に、シリカ固形分として20重量%の酸性コロイダルシリカの水分散液1000重量部を混合した。混合液のうち550重量部に、カオリン77重量部、酸化珪素粉末315重量部、酸化アルミニウム粉末130重量部及び酸化ジルコニウム粉末80重量部を加え、攪拌混合して、懸濁液を得た。この懸濁液を所定部分に塗布し、大気中で風乾した。塗膜厚は48μmであった。同様に、加熱乾燥後、熱処理した。
【0046】
図3に示した電極心棒と金属箔との溶接部を含む部分から金属箔と外部リードとの溶接部分を含まない部分までの封止部15に皮膜を形成した場合、図6に示した発光管封止部の端部にある発光管外部とリードとの溶接部の温度12(4)は、皮膜を形成しないときは376℃であったが、皮膜を形成したときは339℃であった。皮膜を形成することにより、該溶接部に於ける温度は、37℃低下した。このように、皮膜を形成することにより、放電ランプの温度が顕著に低下したことが認められる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の放電ランプは、皮膜が形成されているので、放電ランプの熱を射することができ、温度上昇を抑えることができる。これにより、プロジェクタ装置の高画質化、小型化、高輝度化、静音化の要望からくる、放電ランプ温度上昇の問題に対応することができ、長寿命の放電ランプを提供することができる。このように、本発明の皮膜が優れた放熱効果が得られるのは、皮膜から遠赤外線が放射され、熱が遠赤外線の形で系外に放射されるためと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射鏡付き放電ランプの一例を示す図である
【図2】放電ランプ発光管の一例を示す図である
【図3】皮膜形成部分を示す図である
【図4】他の皮膜形成部分を示す図である
【図5】他の皮膜形成部分を示す図である
【図6】温度測定箇所を示す図である
【図7】温度測定箇所及び皮膜形成部分を示す図である
【符号の説明】
1 放電ランプ
2 前面部
3 反射鏡
4 溶接部
5 リード
6 発光管
8 金属箔
9 接続点
10、12 温度測定部位
11、13 放電ランプに形成した皮膜
14、15 放電ランプに形成した皮膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にプロジェクタ装置やファイバー照明機器等の光源として用いられる超高圧放電ランプに関し、特に、放熱性に優れた超高圧放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プロジェクタ装置は、高画質化、小型化、高輝度化、静音化が進んでおり、それに伴い、プロジェクタ装置に用いられる放電ランプもまた、小型化、高輝度化が要求されている。プロジェクタ装置用の放電ランプには、元々温度が高くなるという問題がある。それに加えて、放電ランプの小型化、高輝度化のために、凹面反射鏡を小型化し、高輝度実現のために放電ランプへの入力電力を増加させ、静音化のために放電ランプ冷却用ファンを減速し、安全性向上のために放電ランプ反射鏡の通風口を塞ぐといった方策が採られている。しかし、これらの方策は点灯中の放電ランプの温度を一層高くする原因となっている。
【0003】
また、放電ランプ点灯中における発光管封止部の金属箔と外部リードの溶接部の温度上昇が問題であると指摘されている。この温度の上限は、350〜400℃が望ましいことが指摘されている。例えば、420℃以上の温度で放電ランプの点灯時間が100時間以上になると、金属箔と外部リードの溶接部に酸化が起こり、封止部分が剥離し、溶断し、その結果放電ランプは点灯不能になる。
【0004】
これらの対策として、従来、発光管封止部内の金属箔を長くして、前記溶接部を発光管発光部の熱源から離して温度上昇を抑える方法や、特許第3275755号公報(特許文献1参照)などに示されるように、反射鏡に通風口を設ける等で前記溶接部の温度上昇を抑える方法が知られている。しかし、金属箔を長くすると必然的に発光管の長さが長くなり放電ランプが大型化するし、また、発光管を反射鏡から突出させなければならないという問題がある。また、反射鏡に通風口を設けると、発光管破裂時の破裂片飛散の危険があり、そのために破裂片飛散を抑止するため構造を工夫する必要があり、コストアップになるという問題がある。
【0005】
このような背景の下、放電ランプの小型化、高輝度化、低コスト、安全性向上に対処するため、新たな温度上昇の防止方法が求められている。封止管部の周面に放熱フィンを設け、放熱フィンの表面を赤外線放射率の高い酸化珪素、酸化アルミニウム、クロム酸銅等からなる塗膜を形成する方法が特開2002−151005号公報(特許文献2参照)に開示され、発光管の外面の上半分に石英ガラスよりも赤外線放射率の高いジルコン酸珪素、酸化マンガン、酸化コバルトや酸化鉄等からなる塗膜を形成する方法が特開2002−1509999号公報(特許文献3参照)に開示され、封止部に反射膜を設け該反射膜に石英ガラスよりも熱輻射率の大きい窒化アルミニウムを含ませる方法が特許第3290645号公報(特許文献4参照)に開示されている。
【0006】
しかし、特開2002−151005号公報記載の放電ランプは、放熱フィンの突起の大きさによっては、ランプ内の発光管からリフレクターに反射した光が遮られるという問題があり、光が遮られないものが求められている。また、特開2002−1509999号公報記載の放電ランプは、発光管に可視光反射膜、可視・赤外反射膜、石英ガラスより赤外放射率の高い膜の三層を形成する必要があり、工程が複雑になり、コストアップになるという問題がある。更に、特許第3290645号公報記載の放電ランプは、発光管の光が集光する部分に膜を形成し、光を反射させるものであるが、光が集光して温度上昇を防ぐのみならず、発光管からの光とそれ以外の発熱を防止するものが求められている。
【0007】
【特許文献1】
特許第3275755号公報
【特許文献2】
特開2002−151005号公報
【特許文献3】
特開2002−1509999号公報
【特許文献4】
特許第3290645号公報
【特許文献5】
特開平1−223191号公報
【特許文献6】
特開昭63−207868号公報
【特許文献7】
特開平3−47883号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の放電ランプの温度上昇防止方法とは異なり、発光管の長さや形状を変えることなく、また、反射鏡に新たな冷却構造を設けることなく、放電ランプ点灯時に、発光管封止部内の溶接部の温度を上限400℃以下にし、溶接部の劣化を防ぎ、放電ランプ寿命が長く、光学特性の安定した放電ランプを、特別な構造や加工を行うことなく、簡便な構成で実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、石英ガラス製の発光管の両側に連設された封止部を有し、該封止部に保持された一対の電極が該発光管内で対向配置された放電ランプにおいて、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等との混合物から形成せしめた皮膜を備えた放電ランプである。
【0010】
アルコキシシランは、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランの少なくとも1種を含有する。これらのアルコキシシランを混合使用することもできる。更にチタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドを混合させることができる。チタンアルコキシドやアルミニウムアルコキシドは、アルコキシシランと共加水分解を受けて、チタンやアルミニウムを主鎖に含む皮膜を形成することができる。
【0011】
本発明は、更に、石英ガラス製の発光管の両側に連設された封止部を有し、該封止部に保持された一対の電極が該発光管内で対向配置された放電ランプにおいて、珪酸アルカリ金属塩の水溶液と金属酸化物との混合物から形成せしめた皮膜を備えた放電ランプである。
【0012】
珪酸のアルカリ金属塩は、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム及び珪酸リチウムから選択される少なくとも1種を含有することができる。特に、珪酸ナトリウムと珪酸カリウムとを混合して使用するのがよい。
【0013】
皮膜形成成分の一種である金属酸化物は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムの少なくとも1種を含有することができる。これらを混合使用することもできる。金属酸化物の他にカオリンを含有することもできる。更に、金属酸化物として、酸化チタン、酸化錫、酸化銅、酸化鉄、酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化アンチモン、酸化硼素、酸化バリウム、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム等の金属酸化物の少なくとも1種を含有することができる。
【0014】
金属酸化物は、重量で前記アルコキシシラン又は珪酸アルカリ金属塩1に対して0.5〜70添加するのが好ましい。また、カオリンは、重量で前記アルコキシシラン又は珪酸アルカリ金属塩1に対して0.1〜20.0添加することが好ましい。
【0015】
皮膜は、原則的には放電ランプの前面部(2)(図1参照)等を除いた任意の箇所に設けることができる。放電ランプの温度上昇を効果的に抑えるには、皮膜は放熱すべき箇所、即ち、放電ランプ封止部及び/又はリード部の露出している部分、前記発光管の一方の封止部端部に備え付けられた口金部に、また、皮膜は、反射鏡外面に形成するのが好ましい。皮膜の膜厚は、10〜100μm であることが好ましい。
【0016】
本発明の放電ランプは、発光管の両側に連設された封止部を有し、該封止管部に保持された一対の電極が該発光管内で対向配置された放電ランプにおいて、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等との混合物から形成せしめた皮膜又は珪酸アルカリ金属塩の水溶液と金属酸化物等との混合物から形成せしめた皮膜を備えた放電ランプである。皮膜は、原則的には放電ランプの前面部(2)等を除いた任意の箇所に設けることができるが、放電ランプの温度上昇を効果的に抑えるには、皮膜は放熱すべき箇所、即ち、放電ランプ封止部及び/又はリード部の露出している部分、前記発光管の一方の封止部端部に備え付けられた口金部に、また、皮膜は、反射鏡外面に形成するのが好ましい。この放電ランプは、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等との混合物から形成せしめた皮膜又は珪酸アルカリ金属塩の水溶液と金属酸化物等との混合物から形成せしめた皮膜を備えるので、高温に耐え、かつ表面部に強固に固着する皮膜を直接形成しているので、放電ランプの寿命が長くなるという特徴をもつ。
【0017】
本発明における皮膜は、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等との混合物又は珪酸アルカリ金属塩の水溶液と金属酸化物等との混合物から形成せしめたものである。金属酸化物としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムの少なくとも1種を含有することが好ましい。更に、カオリンを含有することもできる。他に、酸化チタン、酸化錫、酸化銅、酸化鉄、酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化アンチモン、酸化硼素、酸化バリウム、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム等の金属酸化物の少なくとも1種を含有することができる。金属酸化物以外に、窒化硼素、窒化アルミニウム、窒化ジルコニウム、窒化錫、窒化ストロンチウム、窒化チタン、窒化バリウムや窒化珪素等の窒化物を含有することができる。
【0018】
アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等との混合物から形成せしめた皮膜は、基本的には、アルコキシシランの加水分解・縮合により形成されるものである。即ち、アルコキシシランが加水分解をしてコロイダルシリカの表面に存在するシラン基とも結合しながら、皮膜を形成する。アルコキシシランの加水分解によって皮膜を形成することは、例えば、特開平1−223191号公報(特許文献5参照)、特開昭63−207868号公報(特許文献6参照)、特開平3−47883号公報(特許文献7参照)等に記載されている。
【0019】
上記特開平1−223191号公報、特開昭63−207868号公報、特開平3−47883号公報等には、遠赤外線放射性に優れたコーティング組成物が記載されている。しかしながら、上記コーティング組成物は、ヒータや加熱器等において、加熱効果を高めることを目的にしており、本願発明は、温度の高い物体から熱を放射し、温度上昇を抑えようとするもので、その目的及び効果の点で、異なるものである。
【0020】
皮膜中に含有させる金属酸化物、カオリンや窒化物等は、その粒径を15μm〜100nmとするのがよい。より好ましくは、10μm〜80nmの粒径のものを使用する。この粒径のものを使用することにより、皮膜の表面が滑らかで綺麗になるとともに放熱の効率が高まる。
【0021】
カオリンは、チタンアルコキシドやアルミニウムアルコキシドを含めたアルコキシシラン又は珪酸のアルカリ金属塩1に対して重量で0.1〜20添加することが好ましい。また、金属酸化物の添加量は、チタンアルコキシドやアルミニウムアルコキシドを含めたアルコキシシラン又は珪酸のアルカリ金属塩1に対して重量で0.5〜70であることが好ましい。これは、皮膜形成性を維持しながら、高い放熱性能を保持するためである。
【0022】
アルコキシシランは水が存在すると加水分解・縮合が起こるので、使用直前までは水の存在しない状態に保つのがよい。即ち、水溶性溶媒の溶液として、水の存在しない状態で保存しておくのである。使用時に、アルコキシシランの水溶性溶媒溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等とを混合し、対象物体である放電ランプに、塗布し皮膜を形成せしめる。コロイダルシリカ水分散液の水は、アルコキシシランの加水分解・縮合に寄与する。同時に、アルコキシシランがその加水分解の過程でコロイダルシリカのシラノール基と反応しコロイダルシリカを抱き込んだ形で皮膜を形成することができる。コロイダルシリカは、膜形性、膜の保持性及び放熱性、遮熱性に寄与する。
【0023】
コロイダルシリカの水分散液中のコロイダルシリカの量は、10〜60重量%程度である。この量は、コロイダルシリカの原料であるシリケートの加水分解に使用する水の量で適宜調製することができる。また、シリケートの加水分解後、水を加えて調製することもできる。コロイダルシリカ(固形分)は、アルコキシシラン1に対して重量で0.05〜1で使用することが好ましい。
【0024】
また、チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドを混合させることができる。チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドは、単体として使用してもよいし、溶液として使用することもできる。溶液として使用する場合には、チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドの有機溶媒の溶液状態で使用してもよいし、アルコキシシランの溶液に更にチタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドを混合してもよい。そして、チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドは、アルコキシシランの珪素原子に対してチタン及び/又はアルミニウム原子が0.01〜0.5の割合で添加されることが好ましい。チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドは、水によりアルコキシシランとともに共加水分解し、チタン及び又はアルミニウムを主鎖に含む皮膜を形成する。
【0025】
アルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン(モノ有機基置換アルコキシシラン)、ジアルコキシシラン(ジ有機基置換アルコキシシラン)等を使用することができる。これらアルコキシシランを適宜混合して使用することもできる。アルコキシシランは、使用直前までは、水の存在しない状態、即ち、水を含まない溶液の状態に保持する。溶液に使用する溶媒は、水の溶解する水溶性の溶媒を使用する。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホオキシド、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド等の溶媒である。中でも、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルフォルムアミド、メチルアセトアミド等の溶媒が好適に使用できる。
【0026】
アルコキシシランの具体的な例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、ジチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等であり、更には、置換基にエポキシ基、水酸基、カルボキシル基等の官能基を有していてもよい。チタンアルコキシドの具体的な例としては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、アルミニウムアルコキシドの具体的な例としては、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシド等を使用することができる。但し、これらに限定されるものではない。
【0027】
皮膜形成時に、アルコキシシラン溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物等を混合し懸濁液となし、この懸濁液を対象物である放電ランプに塗布し皮膜を形成せしめる。金属酸化物、カオリンや窒化物は、粉末状態のものを混合する。このとき、懸濁液の粘度が高くなるようであれば、必要に応じて、溶剤や水を添加して、粘度を調整する。このようにして得た懸濁液を対象物に塗布することにより、本発明の皮膜を得ることができる。懸濁液を対象物に筆塗り、スプレー、ローラー、印刷等により塗布し、常温又は加温にて乾燥後、更に、必要に応じて、80℃〜300℃で熱処理することにより、金属表面や各種表面との密着度の高い皮膜を得ることができる。懸濁液の塗布は、石英ガラスや、金属同士のスポット溶接部にも行うことができる。皮膜を設ける箇所は、先に述べたように、原則的には放電ランプの前面部(2)等を除いた任意の箇所に設けることができるが、放電ランプの温度上昇を効果的に抑えるには、皮膜は放熱すべき箇所、即ち、放電ランプ封止部及び/又はリード部の露出している部分、前記発光管の一方の封止部端部に備え付けられた口金部に、また、皮膜は、反射鏡外面に形成するのが好ましい。
【0028】
皮膜形成のために珪酸のアルカリ金属塩を使用することができる。珪酸のアルカリ金属塩としては、具体的には、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムや珪酸リチウムを使用することができる。珪酸ナトリウム、珪酸カリウムや珪酸リチウム等の珪酸塩は、水溶液として供給されるので、珪酸のアルカリ金属塩の水溶液に金属酸化物、カオリンや窒化物を添加、混合し、更に、必要に応じて水を加えて懸濁液となし、この懸濁液を対象物に塗布することにより、本発明における皮膜を得ることができる。懸濁液を対象物に筆塗り、スプレー、ローラー、印刷等により塗布し、常温又は加温にて乾燥後、更に、必要に応じて、80℃〜300℃で熱処理することにより、金属表面や各種表面との密着度の高い皮膜を得ることができる。懸濁液の塗布は、石英ガラスや、金属同士のスポット溶接部にも行うことができる。皮膜を設ける箇所は、先に述べたように、原則的には放電ランプの前面部(2)等を除いた任意の箇所に設けることができるが、放電ランプの温度上昇を効果的に抑えるには、皮膜は放熱すべき箇所、即ち、放電ランプ封止部及び/又はリード部の露出している部分、前記発光管の一方の封止部端部に備え付けられた口金部に、また、皮膜は、反射鏡外面に形成するのが好ましい。
【0029】
珪酸アルカリ金属塩は、具体的には、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムや珪酸リチウムを使用する。珪酸ナトリウム単独、珪酸カリウム単独でも使用しうるが、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムの両者を混合使用するのが好ましい。混合使用する際、珪酸ナトリウムと珪酸カリウムの割合は重量比で、珪酸カリウム1に対して珪酸ナトリウム0.5〜7(固形分ベース)が好ましい。これは、珪酸ナトリウムの量が多いと、水分除去が困難、即ち、皮膜の乾燥が不十分となり皮膜の形成が難しく、また、珪酸カリウムの量が多いと膜形性能が低下するので、適量の珪酸ナトリウムと珪酸カリウムを併用使用するのが好ましい。
【0030】
皮膜は、適度の厚みをもって放電ランプに形成する。皮膜は、放電ランプの放熱すべき箇所に形成する。放電ランプで発生する熱は、皮膜を介して放出され、放電ランプ各部の温度の上昇を抑えることができる。放電ランプの温度上昇を抑えることにより、放電ランプの寿命を延ばすことができる。発光管封止部内の金属箔と外部リード溶接部分の温度上昇を抑止するため、電極心棒と金属箔との溶接部を含有する部分から金属箔と外部リードとの溶接部分を含まない部分までの封止部に皮膜を形成することができる。また、発光管の外部リード部に形成し、発光管外部とリードとの溶接部分の熱を放射することができる。
【0031】
前面開口部を有する反射鏡の閉塞部側の放電ランプ口金部分と発光管封止部からの外部リード部分においては、口金と外部リードの部分がその材質の違いに基づく膨張率に違いがあるので、発光管からの熱伝導により昇温され、口金のみが膨張し、口金と外部リードとの溶接部分が外れる不具合が生じる現象がみられる。本発明では、それを防ぐため、口金部分に放熱作用のある皮膜を形成し、口金の熱を放出し、口金の熱膨張を抑止することができる。
【0032】
更には、反射鏡の内面温度を耐熱温度以下にするため、反射鏡の外面に本皮膜を形成し、反射鏡外面への放熱を利用し、反射鏡内面の温度を低下すると同時に、放電ランプの温度上昇を抑えることができる。
【0033】
本皮膜の膜厚は、或る程度の厚さがないと放熱効果は十分に発現しないが、逆に厚さが大きすぎると皮膜に蓄熱作用が起こり、放熱効果が不十分になる。本発明の実験によると、膜厚は10〜100μmが好ましく、更には100μm以下が好ましく、30〜80μmが特に好ましい。
【0034】
本発明における皮膜は、優れた抗ヒートショック性、耐熱性、放熱性、遮熱性等の特性を有する。また、蓄熱したエネルギーを遠赤外線として空気中に放射する能力が高く、放射率0.95という高い数値を示す。内部に蓄積した熱を遠赤外線という電磁波に変換して効率よく放射し、物体の温度上昇を抑えることができる。効率良く遠赤外線を放射するということは、内部に蓄積した熱を遠赤外線という電磁波に変換して効率よく放熱することを意味し、結果として温度上昇を抑える効果をもたらす。これは空気対流という手段を用いずに効率よく放熱するという結果をもたらす。従来遠赤外線の放射能力が高いとされている物質(例えば、ゼオライト、コージェライト、アパタイト、ドロマイト等)の放射特性を見ると、4ミクロン乃至14ミクロンの波長全ての領域にわたって高い遠赤外線の放射特性をもつわけではなく、波長によって放射率に相違がある。多くの場合、9ミクロン波長前後の鎮域で放射率が下がる傾向が見られる。一方、本発明が提供する組成物の放射する遠赤外線は4ミクロン乃至14ミクロン波長の全ての領域にわたって0.9以上の放射率を維持し、非常に放射効率の高いものとなっている。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をその実施形態に基づい説明する。放電ランプ1は、図1に示したように、反射鏡3付きの放電ランプである。発光管6を図2に示した。放電ランプの温度は、図6に示したように、金属箔と外部リードとの溶接部12(4)で測定した。まず、皮膜を、図3に示すように、電極心棒と金属箔との溶接部を含む部分から発光管外部とリードとの溶接部分を含まない部分までの封止部15に形成した。次に、図4に示すように、封止部より突出した外部リード14に皮膜を形成した。更に、図7に示したように、反射鏡外面11に皮膜を形成した。この場合、反射鏡の温度を10の位置で測定した。
【0036】
【実施例1】
メチルトリメトキシシラン300重量部、ジメチルジメトキシシラン170重量部、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン30重量部、テトラブトキシチタン20重量部をN−メチルピロリドン480重量部に溶解した溶液、シリカ固形分として20重量%の酸性コロイダルシリカの水分散液1000重量部とを混合した。混合液の750重量部をとり、この混合液750重量部に、カオリン110重量部、酸化珪素粉末435重量部、酸化アルミニウム粉末190重量部及び酸化ジルコニウム粉末120重量部を加え、攪拌混合して、懸濁液を得た。この懸濁液を所定部分に塗布し、大気中で風乾した。塗膜厚は48μmであった。続いて95℃で30分乾燥し、更に、100℃で60分熱処理した。
【0037】
図3に示した電極心棒と金属箔との溶接部を含む部分から金属箔と外部リードとの溶接部分を含まない部分までの封止部15に懸濁液を塗布して皮膜を形成した場合、図6に示した発光管封止部の端部にある発光管外部とリードとの溶接部12(4)の温度は、皮膜を形成しないときは375℃であったが、皮膜を形成したときは338℃であった。皮膜を形成することにより、該溶接部に於ける温度は、37℃低下した。このように、皮膜を形成することにより、放電ランプの温度が顕著に低下したことが認められる。この際、塗膜の厚みを10μm未満では放熱効果はほとんど認められなかった。また、塗膜の厚みが100〜200μmに範囲で形成したところ、蓄熱効果が大きくなるのため、同様に放熱性果は認められなかった。塗膜の厚みが10〜100μmの範囲で、放熱効果が認められる。
【0038】
【実施例2】
珪酸ナトリウムの54.5重量%水溶液16重量部、珪酸カリウムの30.0重量%水溶液12重量部を混合し、水20重量部を更に添加して希釈した水溶液に、二酸化珪素の微粉末18.0重量部、酸化アルミニウムの微粉末12.0重量部及びカオリン8重量部を添加、混合した懸濁液を調製した。この懸濁液を同様に、図3に示した電極心棒と金属箔との溶接部を含む部分から金属箔と外部リードとの溶接部分を含まない部分までの封止部15に懸濁液を塗布し、大気中で風乾した。塗膜厚は48μmであった。図6に示した発光管封止部の端部にある発光管外部とリードとの溶接部12(4)の温度は、懸濁液を塗布しないときは375℃であったが、懸濁液を塗布したときは340℃であった。懸濁液を塗布することにより、該溶接部12(4)に於ける温度は、35℃低下した。このように、懸濁液を塗布することにより、放電ランプの温度が顕著に低下したことが認められる。
【0039】
尚、図6において4で示した溶接部を皮膜で形成すると、溶接部の温度は375℃で、皮膜を形成しない場合の375℃と相違なく、放熱効果は認められなかった。これは、前記溶接部における接触抵抗の発熱作用のある部分に本皮膜を形成すると、皮膜が保温効果の役割を果たし、放熱効果が実現できなかったものと考えられる。
【0040】
【実施例3】
更に、図4に示したように、外部リード14に実施例1の懸濁液で皮膜を形成した。この場合、溶接部の温度は345℃であり、皮膜を形成しない場合が361℃であった。このように、外部リードに皮膜を形成することにより、16℃の温度低下効果が認められた。同様に、実施例2の懸濁液を図4に示した外部リードに塗布した。この場合、溶接部の温度は348℃であり、懸濁液を塗布しない場合が361℃であった。このように、外部リード14に懸濁液を塗布することにより、13℃の温度低下効果が認められた。
【0041】
【実施例4】
次に、放電ランプに皮膜を形成した場合の放電ランプの寿命を調べた。寿命試験において、反射鏡の大きさは、65mm、横70mm、f=7とし、電力は定格の20%増しである240Wとした。このときの溶接部における温度は、実施例1の懸濁液で皮膜を形成した場合で395℃、皮膜を形成しない場合は430℃であった。皮膜を形成していない場合は、放電ランプの点灯時間が100時間を超えると、前記溶接部の酸化が起こり、封止部が剥離した。一方、図3に示した電極心棒と金属箔との溶接部を含む部分から発光管外部とリードとの溶接部分を含まない部分までの封止部15に実施例1、実施例2の懸濁液で皮膜を形成した場合、そして、図4に示した外部リード14に皮膜を形成した場合は、いずれも、点灯時間1500時間を超えても、前記溶接部分の酸化が発生せず、充分に放電ランプの機能を果たしていることを認めた。
【0042】
また、実施例2の懸濁液で皮膜を封止部に形成した場合、発光管の発光部外面、つまり、封止部より外径が大きくなっている発光管部の温度低下は見られなかった。このことから、上記箇所への本皮膜の形成は、発光管発光部分の動作温度低下をさせる悪影響が無いといえる。温度は、皮膜を形成しない場合が941℃、皮膜を形成した場合は940℃であった。
【0043】
【実施例5】
図5に示す口金部分13に皮膜を形成して、同様に寿命試験を行った。試験方法は、前記と同様の反射鏡を用い、前記と同様の240W入力で行った。実施例1及び実施例2の懸濁液で皮膜を形成したランプと放熱作用のある皮膜を形成しない放電ランプで、口金部分の酸化が明らかに異なることが認められた。皮膜を形成していない放電ランプは、点灯時間100時間も満たないうちに口金部分が酸化した。このことは、口金の酸化が早いランプの方の温度が高いことを示している。口金に皮膜を形成してないランプは、点灯時間300時間で口金部分が溶断し、点灯不能となった。一方、口金に皮膜を形成した放電ランプは、いずれも、点灯時間1500時間でも問題なく点灯していることを認めた。
【0044】
【実施例6】
反射鏡の外面に実施例1の懸濁液で皮膜を形成した場合の温度測定を行った。
図7に示したように、反射鏡の温度を3の位置で測定した。反射鏡外面に皮膜を形成した場合と皮膜を形成しない場合では、皮膜を形成しない場合が599℃、皮膜を形成した場合が562℃で37℃の放熱効果が得られた。このことから、放電ランプに皮膜を形成することで、放電ランプの特に温度が高い箇所の温度上昇を抑えることができることがわかる。
【0045】
【実施例7】
エチルトリエトキシシラン270重量部、ジエチルジエトキシシラン150重量部、テトラエトキシシラン30重量部、チタンテトラブトキシド20重量部をN−メチルピロリドン530重量部に溶解した。この溶液に、シリカ固形分として20重量%の酸性コロイダルシリカの水分散液1000重量部を混合した。混合液のうち550重量部に、カオリン77重量部、酸化珪素粉末315重量部、酸化アルミニウム粉末130重量部及び酸化ジルコニウム粉末80重量部を加え、攪拌混合して、懸濁液を得た。この懸濁液を所定部分に塗布し、大気中で風乾した。塗膜厚は48μmであった。同様に、加熱乾燥後、熱処理した。
【0046】
図3に示した電極心棒と金属箔との溶接部を含む部分から金属箔と外部リードとの溶接部分を含まない部分までの封止部15に皮膜を形成した場合、図6に示した発光管封止部の端部にある発光管外部とリードとの溶接部の温度12(4)は、皮膜を形成しないときは376℃であったが、皮膜を形成したときは339℃であった。皮膜を形成することにより、該溶接部に於ける温度は、37℃低下した。このように、皮膜を形成することにより、放電ランプの温度が顕著に低下したことが認められる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の放電ランプは、皮膜が形成されているので、放電ランプの熱を射することができ、温度上昇を抑えることができる。これにより、プロジェクタ装置の高画質化、小型化、高輝度化、静音化の要望からくる、放電ランプ温度上昇の問題に対応することができ、長寿命の放電ランプを提供することができる。このように、本発明の皮膜が優れた放熱効果が得られるのは、皮膜から遠赤外線が放射され、熱が遠赤外線の形で系外に放射されるためと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射鏡付き放電ランプの一例を示す図である
【図2】放電ランプ発光管の一例を示す図である
【図3】皮膜形成部分を示す図である
【図4】他の皮膜形成部分を示す図である
【図5】他の皮膜形成部分を示す図である
【図6】温度測定箇所を示す図である
【図7】温度測定箇所及び皮膜形成部分を示す図である
【符号の説明】
1 放電ランプ
2 前面部
3 反射鏡
4 溶接部
5 リード
6 発光管
8 金属箔
9 接続点
10、12 温度測定部位
11、13 放電ランプに形成した皮膜
14、15 放電ランプに形成した皮膜
Claims (13)
- 石英ガラス製の発光管の両側に連設された封止部を有し、該封止部に保持された一対の電極が該発光管内で対向配置された放電ランプにおいて、アルコキシシランの溶液、コロイダルシリカの水分散液及び金属酸化物との混合物から形成せしめた皮膜を備えた放電ランプ。
- 前記アルコキシシランが、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランの少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
- チタンアルコキシド及び/又はアルミニウムアルコキシドを更に混合せしめたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放電ランプ。
- 石英ガラス製の発光管の両側に連設された封止部を有し、該封止部に保持された一対の電極が該発光管内で対向配置された放電ランプにおいて、珪酸アルカリ金属塩の水溶液と金属酸化物との混合物から形成せしめた皮膜を備えた放電ランプ。
- 前記珪酸のアルカリ金属塩は、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム及び珪酸リチウムから選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項4に記載の放電ランプ。
- 前記金属酸化物は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の放電ランプ。
- カオリンを含有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の放電ランプ。
- 前記金属酸化物は、重量で前記アルコキシシラン又は珪酸アルカリ金属塩1に対して0.5〜70添加することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の放電ランプ。
- 前記カオリンは、重量で前記アルコキシシラン又は珪酸アルカリ金属塩1に対して0.1〜20添加することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の放電ランプ。
- 前記皮膜が、放電ランプ封止部及び/又はリード部の露出している部分に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の放電ランプ。
- 前記皮膜が、前記発光管の一方の封止部端部に備え付けられた口金部に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の放電ランプ。
- 前記皮膜が、反射鏡外面に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の放電ランプ。
- 前記皮膜の膜厚が、10μm〜100μm であることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の放電ランプ。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003159630A JP2004362929A (ja) | 2003-06-04 | 2003-06-04 | 放電ランプ |
| PCT/JP2004/007704 WO2004109745A1 (ja) | 2003-06-04 | 2004-06-03 | 放電ランプ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003159630A JP2004362929A (ja) | 2003-06-04 | 2003-06-04 | 放電ランプ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004362929A true JP2004362929A (ja) | 2004-12-24 |
Family
ID=33508526
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003159630A Withdrawn JP2004362929A (ja) | 2003-06-04 | 2003-06-04 | 放電ランプ |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004362929A (ja) |
| WO (1) | WO2004109745A1 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007287435A (ja) * | 2006-04-14 | 2007-11-01 | Ushio Inc | 放電ランプおよび放電ランプ装置 |
| JP2009524185A (ja) * | 2006-01-17 | 2009-06-25 | オスラム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 高圧放電ランプ |
| JP2016001563A (ja) * | 2014-06-12 | 2016-01-07 | 江東電気株式会社 | 放電ランプ及びハロゲンランプ |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3395515B2 (ja) * | 1996-04-03 | 2003-04-14 | ウシオ電機株式会社 | ショートアーク型メタルハライドランプ |
| JPH1092385A (ja) * | 1996-09-12 | 1998-04-10 | Matsushita Electron Corp | 管 球 |
-
2003
- 2003-06-04 JP JP2003159630A patent/JP2004362929A/ja not_active Withdrawn
-
2004
- 2004-06-03 WO PCT/JP2004/007704 patent/WO2004109745A1/ja not_active Ceased
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009524185A (ja) * | 2006-01-17 | 2009-06-25 | オスラム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 高圧放電ランプ |
| JP2007287435A (ja) * | 2006-04-14 | 2007-11-01 | Ushio Inc | 放電ランプおよび放電ランプ装置 |
| JP2016001563A (ja) * | 2014-06-12 | 2016-01-07 | 江東電気株式会社 | 放電ランプ及びハロゲンランプ |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| WO2004109745A1 (ja) | 2004-12-16 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US20210404631A1 (en) | Wavelength conversion device, manufacturing method thereof, and related illumination device | |
| JP4857939B2 (ja) | 放電ランプ | |
| CN102306609B (zh) | 紫外线照射装置、紫外线照射方法、紫外线照射装置的制造方法 | |
| JP2004359811A (ja) | 放熱性、遮熱性に優れた組成物及び皮膜 | |
| JP2004362929A (ja) | 放電ランプ | |
| JP2015230983A (ja) | 紫外線発光装置用透光性部材、紫外線発光装置およびその製造方法 | |
| JP5120519B2 (ja) | 光源装置 | |
| CN101877301B (zh) | 紫外线照射装置 | |
| JP2006524885A (ja) | 赤外線放射器および照明装置 | |
| JP2005120278A (ja) | 光学反射塗料およびそれにより形成した光学反射塗膜 | |
| JP2012198997A (ja) | ロングアーク型メタルハライドランプ及び光照射装置 | |
| US20030039711A1 (en) | UV curing system for heat sensitive substances | |
| WO2021111724A1 (ja) | 波長変換素子、波長変換装置および発光システム | |
| JP2005317742A (ja) | 密閉構造体用放熱装置 | |
| JP5150640B2 (ja) | 電気ランプ | |
| JP4333212B2 (ja) | 光源装置 | |
| JP2010060855A (ja) | 光学装置 | |
| JP3938153B2 (ja) | 光学装置とその部品 | |
| JP4466198B2 (ja) | 光源装置 | |
| JP4517986B2 (ja) | 光源装置及び光源装置の製造方法 | |
| JP4609224B2 (ja) | 光源装置 | |
| JP2015207479A (ja) | 光照射装置およびロングアーク型放電ランプ | |
| WO2004114363A1 (ja) | 光照射装置、光照射装置用ランプおよび光照射方法 | |
| JP2002075271A (ja) | 照明装置 | |
| JP2012195266A (ja) | 光照射装置及びロングアーク型メタルハライドランプ |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |