JP2004502811A - 複合材料およびポリエチレンテレフタレートの再利用方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は複合材料およびポリエチエンテレフタレートを再利用する方法に関し、この方法は、複合材料およびポリエチエンテレフタレートの加溶媒分解を、場合によっては触媒の存在下で実施すること、ならびに複合材料のマトリックスおよびポリエチエンテレフタレートの分解生成物を含む加溶媒分解生成物を、複合材料の他の構成成分およびポリエチレンテレフタレートからの他の存在しうる不純物から分離することからなる。
Description
【0001】
本発明は、複合材料およびポリエチレンテレフタレートを再利用する(upgrading)(使用する)方法に関する。このような方法により、処理された複合材料およびポリエチレンテレフタレートの各構成要素の新規な使用が可能となる。
【0002】
本出願では、表現「複合材料」は、熱硬化性樹脂である有機マトリックスおよび少なくとも1種の性質の異なる他成分を含む何らかの材料を意味すると理解されている。好適には、本発明による方法で用いうる複合材料は、ガラス、ボロン、カーボンあるいはアラミドで強化された熱硬化性樹脂からなるマトリックスを含む材料であり、またそれは、さらに金属プレートを備えていてもよい。
【0003】
複合材料は、それらの優れた機械的性質および耐化学薬品性を考慮して、航空機、自動車、航空宇宙、建設、あるいは土木工学、特に液体輸送用パイプの製造、およびエレクトロニクス、特に電子カードなどの多くの産業で、非常に広範に使用されている。
【0004】
複合材料のリサイクルは産業界の今日の関心事である。実際以前は、複合材料で作られた製品はごみ投棄場に捨てられていた。しかし、現在、ごみ投棄場の数は一定の割合で減少しており、廃棄物の処理に関する規制は益々厳しくなっている。したがって、これらの複合材料を処理する方法を開発することが不可避となっている。
【0005】
さらに、ポリエチレンテレフタレート(PET)の広範な、特に飲料ボトル製造用としての使用には、リサイクルのために大きなコストが必要とされている。
【0006】
複合材料に関して、3つの主な再利用(使用)経路が提案されている:
機械的処理によるもの;
熱分解によるもの;
加溶媒分解によるもの。
【0007】
機械的処理は複合材料を粉砕し、次に通常それを新しい複合材料の強化剤として使用することからなる。
【0008】
熱分解による処理では、非常に強い毒性でありうる無機残渣、オイルおよびガスへと複合材料を転化するために、非常に高レベルへの加熱が利用される。強化繊維を回収することは可能であるが、それらの機械的性質は低下している。
【0009】
不飽和ポリエステル型のマトリックスをもつ複合材料の加溶媒分解による処理が、特許出願EP 693527およびWO 94/25517に記載されている。しかし、特許出願WO 94/25517に記載された方法では、繊維は複合材料マトリックスから機械的に分離され、強化繊維を除去された複合材料粉末にグリコール分解が実施される。特許出願EP 693527に記載された方法では、複合材料を数百ミクロンのオーダーの径をもつ、非常に細かい粒子に粉砕し、次にこの粉砕された材料をグリコール分解することが想定されている。この方法では強化繊維の回収ができない。
【0010】
グリコール分解による複合材料マトリックスの分解生成物は、本質的にポリオールである。これらのポリオールの好適なリサイクル経路は、ポリウレタン・フォームの調製であろう。しかし、加溶媒分解で使用される溶媒の比率が大きいために、これらのポリオールは遊離の形態で溶媒を含み、このようにして回収されたポリオールは過度に高い水酸基価をもつ。
【0011】
ポリエチレンテレフタレートについては、ポリエチレンテレフタレート廃棄物の様々な出所が存在する。主な出所の1つは飲料パッケージからのものである。この出所から回収されたポリエチレンテレフタレートは、数々の種類の廃棄材、特にパッケージ用のストッパー、接着剤およびラベルなどを含む。しかし、そのリサイクルは、費用はかかるが、複合材料のそれより一般に容易である。
【0012】
PET(ポリエチレンテレフタレート)、とりわけPET廃棄物のグリコール分解はよく知られている。それにより、主な用途が、イソシアネートの配合および添加後の硬質ポリウレタン・フォームの製造であるポリオールが得られる。しかし、単なるグリコール分解により得られたポリオールには欠点がある。
【0013】
これらの欠点は主に:
(i)過大な粘度;
(ii)剛性のないポリウレタン材料および寸法安定性が非常に悪いフォームとなる、2に等しい水酸基の官能基数;
(iii)固体層が遅かれ早かれ沈積することになる、ポリオールの貯蔵安定性の欠如;
(iv)ある特定の発泡剤との相溶性の低さ。
【0014】
したがって、プロセスを修正することによりこれらの欠点を直す必要がある。今日までに考案された全ての修正は、ポリオールおよび/またはポリウレタン・フォームの製造コストを実質的に増大させる。
【0015】
可能な主な修正は次の通りである:
・米国特許第4,664,019号および5,360,900号に記載されるような、トリオールあるいはポリヒドロキシル化された分子(グリセロール、ペンタエリスルトール、α−メチルグルコシド)を用いる共グリコール分解。しかし、この修正ではポリオールの粘度が増加し、このために貯蔵安定性が悪くなる大きなリスクが生じる。
【0016】
・米国特許第4,559,370号および4,539,341号に記載されているような、貯蔵安定性を向上させ、粘度を低下させる、二価の酸(アジピン酸、フタル酸など)を用いる後エステル化。しかし、この修正ではプロセス時間が長くなり、原材料のコストが上昇する。
【0017】
・米国特許第4,701,477号に記載されているような、貯蔵安定性を向上させ粘度を低下させる、アルキレン(エチレン、プロピレン)オキシドを用いる後処理。この場合にもまた、プロセス時間が長くなり、専門家向け設備を使用する必要がある(発熱反応、加圧反応器)。
【0018】
・米国特許第4,469,824号および4,664,019号に記載されるような、貯蔵安定性を向上させることができ、PETのグリコール分解から得られるモノエチレングリコールを除去することができる後蒸留。しかし、プロセス時間は長くなり、副生成物が生じる。
【0019】
・過剰のグリコールを用いるグリコール分解、それに続く過剰の遊離グリコールの減圧蒸留。この場合には、狭い分子量分布をもつポリオールを得るための、粘度を低下させ、貯蔵安定性を向上させることができると期待されるいかなる再平衡化反応も起こらない。これらの方法では、米国特許第4,758,607号に記載されるように、膜掻き取り法(scraped film technique)を用いる高真空下の蒸留プラントか、あるいは特許出願PCT/FR97/00984に記載されるように、触媒を失活させた後、中程度の真空下のプラントが用いられる。しかし、処理時間は実質的に長くなる。
【0020】
・ポリウレタン−イソシアヌレートが得られるように、過剰のイソシアネート(NCOインデックス>150)中でポリウレタンを調製することによる、ポリオール官能基数の少なさの補償。しかし、フォームを製造するコストはイソシアネートの量に直接関連しており、大幅に上昇する。
【0021】
このような事情において、複合材料およびポリエチレンテレフタレートを処理し、過大な追加コストなしに回収された様々な製品の再利用を可能にする方法を開発することができれば,特に利点があるであろう。
【0022】
本発明者等は、長く詳細な研究の後、場合によっては触媒の存在下で、複合材料およびポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解を実施すること、ならびに複合材料のマトリックスおよびポリエチレンテレフタレートの分解生成物を含む加溶媒分解生成物を、固体複合材料の他の構成成分および存在しうる他のポリエチレンテレフタレートの不純物から分離することからなる、複合材料を再利用する(使用する)方法を見出すという功績を得た。
【0023】
第1に、本発明による方法は複合材料の有機マトリックスの分解生成物を、他の様々な成分から、特に全ての強化成分および出発材料に存在しうる様々な金属成分から分離することを可能にする。これらの強化材料および金属成分は通常再利用される。
【0024】
次に、最も驚くべきことに、本発明者等は、複合材料およびポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解から得られる加溶媒分解生成物は全く安定で、また加溶媒分解生成物をさらに補正あるいは変性する工程をとらなくても、ポリウレタン・フォームの調製に適するということを発見した。
【0025】
本発明の趣旨では、表現「加溶媒分解生成物」は、加溶媒分解で得られる生成物、すなわち溶媒中に存在するマトリックスおよび/またはポリエチレンテレフタレートの分解生成物を意味すると理解されている。
【0026】
本発明による方法の好適な実施形態において、複合材料およびポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解は同時に実施され、次に複合材料のマトリックスおよびポリエチレンテレフタレートの分解生成物を含む加溶媒分解生成物が、複合材料の他の構成成分および他の存在しうる不純物から分離される。
【0027】
この実施形態では、たった一回の加溶媒分解工程とたった一回の固形物からの分離工程だけを実施することが可能となる。この実施形態ではさらに、同一の反応器で複合材料およびポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解を実施することができる。
【0028】
本発明による方法の、別の好適な実施形態によれば、複合材料の加溶媒分解が初めに実施され、次に複合材料マトリックス分解生成物を含む加溶媒分解生成物が、複合材料の他の構成成分から分離され、次に複合材料マトリックス分解生成物を含む加溶媒分解生成物が、ポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解を実施するために使用される。
【0029】
本発明による方法のさらに別の好適な方法によれば、ポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解が初めに実施され、次にポリエチレンテレフタレートの分解生成物を含む加溶媒分解生成物が、存在しうるポリエチレンテレフタレートの不純物から分離され、次にポリエチレンテレフタレートの分解生成物を含む加溶媒分解生成物が、複合材料の加溶媒分解を実施するのに使用される。
【0030】
この実施形態には、ポリエチレンテレフタレート(PET)の大量の加溶媒分解生成物を複合材料の加溶媒分解のために供用するという利点がある。実際に、PETはすでに加溶媒分解されており、複合材料と共に反応器内で場所を占有しない。それはまた、反応混合物の沸騰温度を上げることを可能にする。このことから、大気圧で、より高い反応温度が可能になるので、反応速度が増加する。
【0031】
前記のように、通常、ポリエチレンテレフタレートは他の不純物、特にボトルの製造に使用されるストッパー、ラベルあるいは接着剤を含んでいる。したがって、加溶媒分解生成物からこれらの不純物を分離しなければならない。
【0032】
このように、本発明による方法は、複合材料およびポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解で得られる全ての材料をリサイクルするという利点がある。
【0033】
本出願では、表現「グリコール分解」は、少なくとも2個のアルコール官能基を含むか、あるいは少なくとも1個のアルコール官能基と少なくとも1個のアミン官能基も含む化合物の作用のもとで、有機マトリックスを分解する反応を意味すると理解されている。
【0034】
加溶媒分解は、多価アルコールもしくは一価アルコール、あるいはアミン、酸などの活性水素(labile hydrogen)原子を含む任意の化学薬品である反応性溶媒の助けで実施される。
【0035】
本発明による方法は、マトリックスが、エポキシ樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステルからなる群から選択され、場合によっては強化されており、また/あるいは金属成分の上に配置されているか、あるいは金属成分を被覆している熱硬化性樹脂である複合材料を再利用するのに特に適する。
【0036】
有機マトリックスが強化されている場合、強化材は、繊維、チップ、織布、不織布などの形態のガラス、カーボン、アラミドなどからなる。
【0037】
一実施形態によれば、本発明による方法は、エポキシ樹脂、特に以下の式をもついくつかの工業用脂環式樹脂などの、内部にエステル結合を含むエポキシ樹脂を基とする複合体に適用される:
【0038】
【化1】
【0039】
さらに、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物などの酸無水物で硬化させた、他のいかなるタイプのエポキシ樹脂にも、特にビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE)、ビスエポキシシクロヘキシルメチルアジペート、エポキシ−ノボラックに対して、この方法を好適に適用することができる。
【0040】
反応時間をより長くすると、いかなるタイプの硬化剤、特にトリエチレンテトラミンなどのアミン、あるいはエポキシ官能性重合触媒などで硬化された、いかなるタイプのエポキシ樹脂にも適用することができる。
【0041】
本発明による方法の好適な実施形態によれば、加溶媒分解は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコール、ビスフェノールAなどのポリフェノール、モノエタノールアミンなどのアミノアルコールを含む群から選択される溶媒を用いて実施されるグリコール分解である。
【0042】
溶媒は複合材料に対して過剰な容積で存在する。好適には、溶媒の量は、複合材料が完全に覆われるのに必要な量である。
【0043】
本発明による方法の好適な実施形態によれば、オルトチタン酸テトラブチルなどのチタンから誘導される有機金属化合物、遷移金属、特にZn、Mn、Coなどの誘導体、アニオンを伴うアルカリおよびアルカリ土類金属、水酸化物、酸化物、カルボン酸塩、アミンのようなブレンステッド塩基などの通常のエステル交換触媒から選択される触媒が用いられる。
【0044】
触媒は、溶媒と処理される複合材料の合計重量に対しての重量で、0.005%以上、好ましくは0.05%と5%の間、なお一層好ましくは約0.2から2%の量で用いられる。
【0045】
使用される触媒の量は、言うまでもなく、処理される複合体と使用される溶媒に依存する。上限値は存在しない。しかし、明白な経済的理由で、溶媒および処理される複合材料の合計重量に対して重量で5%を超えないことが好ましい。最適な量は、比較的短時間で、好ましくは10時間未満に全てが分解されることを可能にする量である。
【0046】
好適な実施形態によれば、本発明による方法は、反応性加溶媒分解溶媒としてモノエタノールアミンを用いて実施され、このとき、モノエタノールアミン自体が触媒作用するという利点があるため、触媒なしで加溶媒分解を実施することができる。
【0047】
加溶媒分解反応は高温で実施され、好適には120および300℃の間、好ましくは170および250℃の間、なお一層好ましくは180および240℃の間の温度で、さらに特別に好適な方法としては、簡略化するために、溶媒の沸点でそれを実施することができる。
【0048】
好適な実施形態によれば、本発明による方法には、次のような連続する工程が含まれる:
−処理される複合材料およびポリエチレンテレフタレートを、数十センチメートル程度より小さい大きさの細片に細断すること、
−これらの細片を、過剰の溶媒中で、場合によっては触媒の存在下で、ゆっくりと攪拌しながら、120および300℃の間の温度で0.5から12時間反応させること、
−加溶媒分解生成物を固形物から分離すること、
−様々な固形物を仕分けすることで、回収目的で金属および強化材料を単離すること、
−場合によっては、洗浄、液体除去および乾燥によりいかなる有機材料からも強化材料を除くこと。
【0049】
別の好適な実施形態によれば、本発明による方法には、次のような連続する工程が含まれる:
−処理される複合材料を、数十センチメートル程度より小さい大きさの細片に細断すること、
−これらの細片を、過剰の溶媒中で、場合によっては触媒の存在下で、ゆっくりと攪拌しながら、120および300℃の間の温度で0.5から12時間反応させること、
−加溶媒分解生成物を固形物から分離すること、
−様々な固形物を仕分けすることで、回収目的で金属および/または強化材料を単離すること、
−場合によっては、洗浄、液体除去および乾燥によりいかなる有機材料からも強化材料を除くこと、
−複合材料の加溶媒分解で得られた加溶媒分解生成物をポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解に利用すること。
【0050】
さらに別の好適な実施形態によれば、本発明による方法には、次のような連続する工程が含まれる:
−処理されるポリエチレンテレフタレートを、好ましくは、数十センチメートル程度より小さい大きさの細片に細断すること、
−これらの細片を、過剰の溶媒中で、場合によっては触媒の存在下で、ゆっくりと攪拌しながら、120および300℃の間の温度で0.5から12時間反応させること、
−加溶媒分解生成物を存在しうる固形物から分離すること、
−ポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解で得られた加溶媒分解生成物を、複合材料の加溶媒分解に利用すること、
−加溶媒分解生成物を固形物から分離すること、
−様々な固形物を仕分けすることで、回収目的で金属および/または強化材料を単離すること、
−場合によっては、洗浄、液体除去および乾燥によりいかなる有機材料からも強化材料を除くこと。
【0051】
好適には、この方法は、強化材料として繊維を含む複合体に適用される。実際この方法により、機械的強度を全く失っておらず、したがって新規な再利用用途に用いることができる繊維を回収することができる。
【0052】
本発明による方法はまた、複合材料およびポリエチレンテレフタレートの、本質的にポリオールからなる加溶媒分解生成物を、完全に満足できる品質をもつポリウレタン・フォームをそれから製造するように、再利用することを可能にする。したがって、本発明による方法には、好適には、複合材料のマトリックスおよびポリエチレンテレフタレートの分解生成物を含む加溶媒分解生成物から、ポリウレタン・フォームを調製するさらなる工程が含まれる。
【0053】
ポリウレタン・フォームの調製は、通常の方法で、好ましくは、本発明による方法により回収されたポリオールに対して1から1.1当量のイソシアネートで実施される。本発明により得られたポリウレタン・フォームは優れた寸法安定性を示す。
【0054】
本発明による方法が電子カードのリサイクルに用いられる場合には、本発明による方法を適応する前に、それらの有害な物質(コンデンサ、水銀サーキットブレーカ、バッテリなど)を取り除く予備的な工程を実施すると好適である。
【0055】
特に電子カードの場合には、回収された金属を再利用することのみが含まれる現行の方法と異なり、全ての構成成分が単離され分離され、それらを再利用することができる。
【0056】
本発明による方法は、発電所の水パイプ、電子カード、自動車部品、建設業で使用される材料を再利用するのに特に有用である。
【0057】
本発明は、例示のためにのみ与えられる以下の実施例を用いてより詳細に説明されるであろう。
【0058】
実施例
実施例1:テトラヒドロ無水フタル酸で硬化させたビスフェノールAジグリシジルエーテル系樹脂のグリコール分解
使用樹脂の同定:
この実施例では、以下の一般式のビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE)系樹脂が使用される:
【0059】
【化2】
【0060】
この樹脂は、Nの平均値が0.15の程度であり、エポキシ当量(EEW)が1モルとなるのに必要な樹脂量は187gであるということに特徴がある。
【0061】
この樹脂はテトラヒドロ無水フタル酸で硬化された。
【0062】
硬化は、反応促進剤としてベンジルジメチレンアミン(BDMA)を用いて次のようにして実施された。
【0063】
反応器で、100重量部のBADGE、78重量部のテトラヒドロ無水フタル酸および1重量部のBDMAを混合する。この混合物を、100℃で2時間、次に150℃で4時間加熱した。
【0064】
実施例1a:ジエチレングリコール中のグリコール分解
上で調製された樹脂の、径が1から2.5mmの顆粒状材料が用いられる。15gのこれら顆粒状材料を75mLのジエチレングルコールに入れ、98mgのオルトチタン酸テトラブチルを触媒として加える。
【0065】
十分に還流させながら(245℃)3時間反応させた後、顆粒状材料は完全に溶解する。
【0066】
実施例1b:モノエタノールアミン中でのグリコール分解
上で調製された樹脂の、径が1から2.5mmの顆粒状材料が用いられる。15gのこれら顆粒状材料を75mLのモノエタノールアミンに入れ、触媒を全く添加しない。
【0067】
十分に還流させながら(170℃)2時間反応させた後、顆粒状材料は完全に溶解する。
【0068】
この実施例から、無水物により硬化させたエポキシ樹脂のグリコール分解は容易であるということが明らかである。
【0069】
実施例2:ヘキサヒドロ無水フタル酸で硬化させたビスフェノールAジグリシジルエーテル系樹脂のグリコール分解
使用樹脂:
実施例1と同じ樹脂が用いられたが、それをヘキサヒドロ無水フタル酸により硬化させた。このために、250.2gの樹脂、196.4gのヘキサヒドロ無水フタル酸および2.6gのベンジルジメチルアミンが用いられた。
【0070】
この反応混合物をトレイの上に注ぎ、平均厚さが3mmの板を得た。様々な大きさの顆粒状材料を得るためにこの板を砕き、以下のバッチを得るためにふるいにかけて分離した。
【0071】
バッチ1:0.3×4×5cm
バッチ2:1から2.5mm
バッチ3:0.63から1mm
バッチ4:<0.63mm
様々なグリコール分解試験が245℃の温度で実施された。
【0072】
最初の一連の試験(試験1から5)を、オルトチタン酸テトラブチルの存在下に、様々な量のジエチレングリコール中で実施し、次に第2の一連の試験(試験6から8)を触媒なしに、モノエタノールアミン中で実施した。
【0073】
それぞれの場合に、顆粒状材料の完全溶解に必要な時間を求めた。
【0074】
試験条件および得られた結果が下表1および2に与えられている。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
実施例2b
用いられる触媒の量を変えて、3つの試験がここで実施された(試験9から11)。これらの試験では、1〜1.25mmの顆粒状材料の形態にある、この実施例の樹脂15gを75mLのDEGに入れて用いた。
【0078】
様々な量のオルトチタン酸を下表3に示されたように添加し、溶解が終了する時間を各試験で求めた。これらの値は表3に与えられている。
【0079】
【表3】
【0080】
実施例3:ガラス/無水物硬化BADGEエポキシのグリコール分解
発電所の安全システムに水を循環するために使用される管を用いた。これらの管は、無水物タイプの硬化剤を用いて、SEPMA社によりCIBA LY 556(ビスフェノールA)の名称で販売されているエポキシ樹脂で製造されており、それらはシラン・タイプのサイジングを施されたガラス繊維のフィラメント巻き(filamentary coil)で強化されている。
【0081】
これらの管を約4×5×0.5cmの破片を得るために破砕した。
【0082】
500mLの反応器で、この複合体の30.8gの破片を、162.25gのDEGおよび0.055gのオルトチタン酸テトラブチルに加えた。窒素を連続的に流しながらこの混合物を245℃で8時間攪拌した。
【0083】
2時間経たない内に、繊維が分離し始めた。
【0084】
反応終了後、混合物を濾過した。2つの分画、ポリオールとDEGの混合物からなるグリコール分解生成物、およびグリコール分解生成物が含浸された繊維を得た。
【0085】
この繊維をベンジルアルコール、次にアセトンで洗浄した。
【0086】
次に、回転式エバポレータを用いてメタノールを留去した後、洗浄濾液をグリコール分解生成物と混合した。
【0087】
回収されたポリオールの分析は、それらが実施例2bで得られたものと同じであるということを示している。
【0088】
実施例4:トリエチレンテトラミン硬化BADGEエポキシ樹脂のグリコール分解
樹脂の同定:
触媒なしで、28gのトリエチレンテトラミン(TETA)を用いて、200gのBADGEを室温で7日間、次に200℃で2時間硬化させた。
【0089】
グリコール分解
上で得られた14.66gの硬化エポキシ樹脂、73.5gのDEGおよび0.08gのオルトチタン酸テトラブチルを反応器に入れた。
【0090】
混合物を245℃で14時間反応させた。
【0091】
14時間後に、グリコール分解は完了した。
【0092】
実施例5
この実施例では、部品を取り付けていない新しい電子カードを用いた。このカードはガラス繊維で強化された、数層のエポキシ樹脂からなる。銅あるいは別種の金属シートがこれらの層の間に挟み込まれている。
【0093】
このカード(70.6g)を細かく切断した。353.5gのDEGおよび0.4gのオルトチタン酸テトラブチルと一緒にこの細片を反応器に入れた。反応媒体を初期にはゆっくりと攪拌し、次により激しく攪拌して、245℃で12時間30分グリコール分解を実施した。この反応をモニタするために、反応の間に様々な試料を取った。
【0094】
サイズ排除クロマトグラフィによる分析は、2時間の反応後、グリコール分解生成物の組成はそれ以上変化しないということを示した。得られたグリコール分解生成物はオリゴマーの多い混合物である。
【0095】
UV分析は278nmと285nmの吸光度が徐々に増加することを示す。2時間15分と8時間30分の反応の間で、吸光度は0.22から0.6へと増加した。
【0096】
IRおよびUV分析は、樹脂がかなり芳香族型であること、恐らくBADGE樹脂の系統のものであることを明らかにしている。しかし、この吸収はまた芳香族アミン型の硬化剤に由来するものでもありうる。硬化剤は酸無水物ではない。
【0097】
これらの結果は、DEGに溶解する化学種に導く解重合が遅いということを示している。対照的に、かなり全般的な解重合が起こり溶解した後は、グリコール分解生成物の分子量は、さらなるグリコール分解の間に変化しないと考えられる。
【0098】
反応終了後には、一方では263.7gのグリコール分解生成物(グリコール分解生成物1)、他方では、グリコール分解生成物をいっぱいに含むガラス繊維、ならびに金属が濾過により回収された。
【0099】
金属をメチルアルコールで洗浄し、次に乾燥した。
【0100】
ガラス繊維の液体を除き、こうして除去された50.6gのグリコール分解生成物(グリコール分解生成物2)をグリコール分解生成物1に加えた。
【0101】
液体が除去されたこれらのガラス繊維を1.2Lのジメチルホルムアミドで、次に1Lのメチルアルコールで洗浄し、それらを乾燥させた。
【0102】
この乾燥の後、ガラス繊維を金属小片から手で分離し、その金属を前に分離されたものに加えた。
【0103】
ガラス繊維は主にマットの形態であったが、織布の形態もあった。
【0104】
35.5gのガラス繊維と9gの金属を、このようにして回収した。
【0105】
グリコール分解生成物1および2を蒸留し、それによってDEGとポリオールを回収した。
【0106】
実施例6:本発明による、硬化樹脂およびポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解によるポリオールの調製
広い粒径範囲(1mm未満の細片から30×40mmの破片まで)にわたって存在するBADGE/HP硬化樹脂のグリコール分解を、触媒としてのオルトチタン酸テトラブチルの存在下にDEGを用い、実施例1.aに従って実施する。
【0107】
初期の組成は次の通りである:
−100gの硬化樹脂;
−159gのDEG;
−0.51gのTi(OBu)4。
【0108】
還流させながら3時間加熱した後、小さな固体片は全てなくなり、大きな片が完全に消滅したと認められるのに、還流させながら6.5時間加熱する必要があった。
【0109】
次に、約2mmの顆粒化PET(ボトル予備成形の製造廃棄物)91gを加える。PETは、還流させながら加熱すると、1.5時間経たない内に「溶解」する。さらに1時間加熱を継続した。
【0110】
水酸基(OH)価=481、平均官能基数2.22をもつポリオール組成物350gが回収される。これらの値は計算で得られる。
【0111】
得られた生成物には6カ月を超える貯蔵安定性がある。
【0112】
実施例7:実施例6で得られたポリオールによるポリウレタン・フォームの調製
ポリウレタン・フォームが実施例6で得られたポリオールから調製される。
【0113】
カップに、通常の添加物(DMCHA(触媒)、SR 242(安定剤)、HCFC 141b(発泡剤))を加えて均一にした直後に、実施例6のポリオール、NCOインデックスが110に相当する量のイソシアネート(NCO(イソシアネート)が31.2%のPMDI)を加える。
【0114】
次に、回転刃を用いて、混合物を2000回転/分で攪拌する(攪拌開始時がゼロ時間)。10ないし20秒攪拌した後、混合物を平行6面体容器(l×L×h:15/17/18cm)に注ぎ、フォームを自由膨張させる。室温で4日間熟成させた後、特性評価のためフォームを立方体に切断する。このフォームは(7)と参照され指定される。
【0115】
比較のために、同じ手順に従って、PETのグリコール分解/エステル化により得られた、官能基数2.00のポリオール組成物(ポリオール−PETと参照され指定される)からポリウレタン・フォームが調製される。室温で4日間熟成させた後、特性評価のためフォームを立方体に切断する。このフォームは(GLY 23)と参照され指定される。
【0116】
これらのフォームの通常の特性評価、すなわちクリーム・タイム(T cream)、ゲル・タイム(T gel)およびタックフリー・タイム(T tack)が求められる。
【0117】
得られたフォームの特性評価は下表4に与えられている。
【0118】
【表4】
【0119】
開放系でのエージング試験を1週間から1年にわたって実施した。
【0120】
1週間後に、変形し始めるフォーム(GLY 23)の立方片と異なり、フォーム(7)から切り出された立方片には認められるような変形は全く見られない。
【0121】
1年後に、フォーム(7)から切り出された立方片には、認められるような変形は全く見られないが、対照的に、フォーム(GLY 23)からの立方片は、大きく変形している。
【0122】
それらに60℃で0.27kg/cm2の圧力を加えるとき、フォーム(7)からの立方片には、限られた変形が見られたが、フォーム(GLY 23)からの立方片は完全に潰れた。
本発明は、複合材料およびポリエチレンテレフタレートを再利用する(upgrading)(使用する)方法に関する。このような方法により、処理された複合材料およびポリエチレンテレフタレートの各構成要素の新規な使用が可能となる。
【0002】
本出願では、表現「複合材料」は、熱硬化性樹脂である有機マトリックスおよび少なくとも1種の性質の異なる他成分を含む何らかの材料を意味すると理解されている。好適には、本発明による方法で用いうる複合材料は、ガラス、ボロン、カーボンあるいはアラミドで強化された熱硬化性樹脂からなるマトリックスを含む材料であり、またそれは、さらに金属プレートを備えていてもよい。
【0003】
複合材料は、それらの優れた機械的性質および耐化学薬品性を考慮して、航空機、自動車、航空宇宙、建設、あるいは土木工学、特に液体輸送用パイプの製造、およびエレクトロニクス、特に電子カードなどの多くの産業で、非常に広範に使用されている。
【0004】
複合材料のリサイクルは産業界の今日の関心事である。実際以前は、複合材料で作られた製品はごみ投棄場に捨てられていた。しかし、現在、ごみ投棄場の数は一定の割合で減少しており、廃棄物の処理に関する規制は益々厳しくなっている。したがって、これらの複合材料を処理する方法を開発することが不可避となっている。
【0005】
さらに、ポリエチレンテレフタレート(PET)の広範な、特に飲料ボトル製造用としての使用には、リサイクルのために大きなコストが必要とされている。
【0006】
複合材料に関して、3つの主な再利用(使用)経路が提案されている:
機械的処理によるもの;
熱分解によるもの;
加溶媒分解によるもの。
【0007】
機械的処理は複合材料を粉砕し、次に通常それを新しい複合材料の強化剤として使用することからなる。
【0008】
熱分解による処理では、非常に強い毒性でありうる無機残渣、オイルおよびガスへと複合材料を転化するために、非常に高レベルへの加熱が利用される。強化繊維を回収することは可能であるが、それらの機械的性質は低下している。
【0009】
不飽和ポリエステル型のマトリックスをもつ複合材料の加溶媒分解による処理が、特許出願EP 693527およびWO 94/25517に記載されている。しかし、特許出願WO 94/25517に記載された方法では、繊維は複合材料マトリックスから機械的に分離され、強化繊維を除去された複合材料粉末にグリコール分解が実施される。特許出願EP 693527に記載された方法では、複合材料を数百ミクロンのオーダーの径をもつ、非常に細かい粒子に粉砕し、次にこの粉砕された材料をグリコール分解することが想定されている。この方法では強化繊維の回収ができない。
【0010】
グリコール分解による複合材料マトリックスの分解生成物は、本質的にポリオールである。これらのポリオールの好適なリサイクル経路は、ポリウレタン・フォームの調製であろう。しかし、加溶媒分解で使用される溶媒の比率が大きいために、これらのポリオールは遊離の形態で溶媒を含み、このようにして回収されたポリオールは過度に高い水酸基価をもつ。
【0011】
ポリエチレンテレフタレートについては、ポリエチレンテレフタレート廃棄物の様々な出所が存在する。主な出所の1つは飲料パッケージからのものである。この出所から回収されたポリエチレンテレフタレートは、数々の種類の廃棄材、特にパッケージ用のストッパー、接着剤およびラベルなどを含む。しかし、そのリサイクルは、費用はかかるが、複合材料のそれより一般に容易である。
【0012】
PET(ポリエチレンテレフタレート)、とりわけPET廃棄物のグリコール分解はよく知られている。それにより、主な用途が、イソシアネートの配合および添加後の硬質ポリウレタン・フォームの製造であるポリオールが得られる。しかし、単なるグリコール分解により得られたポリオールには欠点がある。
【0013】
これらの欠点は主に:
(i)過大な粘度;
(ii)剛性のないポリウレタン材料および寸法安定性が非常に悪いフォームとなる、2に等しい水酸基の官能基数;
(iii)固体層が遅かれ早かれ沈積することになる、ポリオールの貯蔵安定性の欠如;
(iv)ある特定の発泡剤との相溶性の低さ。
【0014】
したがって、プロセスを修正することによりこれらの欠点を直す必要がある。今日までに考案された全ての修正は、ポリオールおよび/またはポリウレタン・フォームの製造コストを実質的に増大させる。
【0015】
可能な主な修正は次の通りである:
・米国特許第4,664,019号および5,360,900号に記載されるような、トリオールあるいはポリヒドロキシル化された分子(グリセロール、ペンタエリスルトール、α−メチルグルコシド)を用いる共グリコール分解。しかし、この修正ではポリオールの粘度が増加し、このために貯蔵安定性が悪くなる大きなリスクが生じる。
【0016】
・米国特許第4,559,370号および4,539,341号に記載されているような、貯蔵安定性を向上させ、粘度を低下させる、二価の酸(アジピン酸、フタル酸など)を用いる後エステル化。しかし、この修正ではプロセス時間が長くなり、原材料のコストが上昇する。
【0017】
・米国特許第4,701,477号に記載されているような、貯蔵安定性を向上させ粘度を低下させる、アルキレン(エチレン、プロピレン)オキシドを用いる後処理。この場合にもまた、プロセス時間が長くなり、専門家向け設備を使用する必要がある(発熱反応、加圧反応器)。
【0018】
・米国特許第4,469,824号および4,664,019号に記載されるような、貯蔵安定性を向上させることができ、PETのグリコール分解から得られるモノエチレングリコールを除去することができる後蒸留。しかし、プロセス時間は長くなり、副生成物が生じる。
【0019】
・過剰のグリコールを用いるグリコール分解、それに続く過剰の遊離グリコールの減圧蒸留。この場合には、狭い分子量分布をもつポリオールを得るための、粘度を低下させ、貯蔵安定性を向上させることができると期待されるいかなる再平衡化反応も起こらない。これらの方法では、米国特許第4,758,607号に記載されるように、膜掻き取り法(scraped film technique)を用いる高真空下の蒸留プラントか、あるいは特許出願PCT/FR97/00984に記載されるように、触媒を失活させた後、中程度の真空下のプラントが用いられる。しかし、処理時間は実質的に長くなる。
【0020】
・ポリウレタン−イソシアヌレートが得られるように、過剰のイソシアネート(NCOインデックス>150)中でポリウレタンを調製することによる、ポリオール官能基数の少なさの補償。しかし、フォームを製造するコストはイソシアネートの量に直接関連しており、大幅に上昇する。
【0021】
このような事情において、複合材料およびポリエチレンテレフタレートを処理し、過大な追加コストなしに回収された様々な製品の再利用を可能にする方法を開発することができれば,特に利点があるであろう。
【0022】
本発明者等は、長く詳細な研究の後、場合によっては触媒の存在下で、複合材料およびポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解を実施すること、ならびに複合材料のマトリックスおよびポリエチレンテレフタレートの分解生成物を含む加溶媒分解生成物を、固体複合材料の他の構成成分および存在しうる他のポリエチレンテレフタレートの不純物から分離することからなる、複合材料を再利用する(使用する)方法を見出すという功績を得た。
【0023】
第1に、本発明による方法は複合材料の有機マトリックスの分解生成物を、他の様々な成分から、特に全ての強化成分および出発材料に存在しうる様々な金属成分から分離することを可能にする。これらの強化材料および金属成分は通常再利用される。
【0024】
次に、最も驚くべきことに、本発明者等は、複合材料およびポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解から得られる加溶媒分解生成物は全く安定で、また加溶媒分解生成物をさらに補正あるいは変性する工程をとらなくても、ポリウレタン・フォームの調製に適するということを発見した。
【0025】
本発明の趣旨では、表現「加溶媒分解生成物」は、加溶媒分解で得られる生成物、すなわち溶媒中に存在するマトリックスおよび/またはポリエチレンテレフタレートの分解生成物を意味すると理解されている。
【0026】
本発明による方法の好適な実施形態において、複合材料およびポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解は同時に実施され、次に複合材料のマトリックスおよびポリエチレンテレフタレートの分解生成物を含む加溶媒分解生成物が、複合材料の他の構成成分および他の存在しうる不純物から分離される。
【0027】
この実施形態では、たった一回の加溶媒分解工程とたった一回の固形物からの分離工程だけを実施することが可能となる。この実施形態ではさらに、同一の反応器で複合材料およびポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解を実施することができる。
【0028】
本発明による方法の、別の好適な実施形態によれば、複合材料の加溶媒分解が初めに実施され、次に複合材料マトリックス分解生成物を含む加溶媒分解生成物が、複合材料の他の構成成分から分離され、次に複合材料マトリックス分解生成物を含む加溶媒分解生成物が、ポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解を実施するために使用される。
【0029】
本発明による方法のさらに別の好適な方法によれば、ポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解が初めに実施され、次にポリエチレンテレフタレートの分解生成物を含む加溶媒分解生成物が、存在しうるポリエチレンテレフタレートの不純物から分離され、次にポリエチレンテレフタレートの分解生成物を含む加溶媒分解生成物が、複合材料の加溶媒分解を実施するのに使用される。
【0030】
この実施形態には、ポリエチレンテレフタレート(PET)の大量の加溶媒分解生成物を複合材料の加溶媒分解のために供用するという利点がある。実際に、PETはすでに加溶媒分解されており、複合材料と共に反応器内で場所を占有しない。それはまた、反応混合物の沸騰温度を上げることを可能にする。このことから、大気圧で、より高い反応温度が可能になるので、反応速度が増加する。
【0031】
前記のように、通常、ポリエチレンテレフタレートは他の不純物、特にボトルの製造に使用されるストッパー、ラベルあるいは接着剤を含んでいる。したがって、加溶媒分解生成物からこれらの不純物を分離しなければならない。
【0032】
このように、本発明による方法は、複合材料およびポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解で得られる全ての材料をリサイクルするという利点がある。
【0033】
本出願では、表現「グリコール分解」は、少なくとも2個のアルコール官能基を含むか、あるいは少なくとも1個のアルコール官能基と少なくとも1個のアミン官能基も含む化合物の作用のもとで、有機マトリックスを分解する反応を意味すると理解されている。
【0034】
加溶媒分解は、多価アルコールもしくは一価アルコール、あるいはアミン、酸などの活性水素(labile hydrogen)原子を含む任意の化学薬品である反応性溶媒の助けで実施される。
【0035】
本発明による方法は、マトリックスが、エポキシ樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステルからなる群から選択され、場合によっては強化されており、また/あるいは金属成分の上に配置されているか、あるいは金属成分を被覆している熱硬化性樹脂である複合材料を再利用するのに特に適する。
【0036】
有機マトリックスが強化されている場合、強化材は、繊維、チップ、織布、不織布などの形態のガラス、カーボン、アラミドなどからなる。
【0037】
一実施形態によれば、本発明による方法は、エポキシ樹脂、特に以下の式をもついくつかの工業用脂環式樹脂などの、内部にエステル結合を含むエポキシ樹脂を基とする複合体に適用される:
【0038】
【化1】
【0039】
さらに、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物などの酸無水物で硬化させた、他のいかなるタイプのエポキシ樹脂にも、特にビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE)、ビスエポキシシクロヘキシルメチルアジペート、エポキシ−ノボラックに対して、この方法を好適に適用することができる。
【0040】
反応時間をより長くすると、いかなるタイプの硬化剤、特にトリエチレンテトラミンなどのアミン、あるいはエポキシ官能性重合触媒などで硬化された、いかなるタイプのエポキシ樹脂にも適用することができる。
【0041】
本発明による方法の好適な実施形態によれば、加溶媒分解は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコール、ビスフェノールAなどのポリフェノール、モノエタノールアミンなどのアミノアルコールを含む群から選択される溶媒を用いて実施されるグリコール分解である。
【0042】
溶媒は複合材料に対して過剰な容積で存在する。好適には、溶媒の量は、複合材料が完全に覆われるのに必要な量である。
【0043】
本発明による方法の好適な実施形態によれば、オルトチタン酸テトラブチルなどのチタンから誘導される有機金属化合物、遷移金属、特にZn、Mn、Coなどの誘導体、アニオンを伴うアルカリおよびアルカリ土類金属、水酸化物、酸化物、カルボン酸塩、アミンのようなブレンステッド塩基などの通常のエステル交換触媒から選択される触媒が用いられる。
【0044】
触媒は、溶媒と処理される複合材料の合計重量に対しての重量で、0.005%以上、好ましくは0.05%と5%の間、なお一層好ましくは約0.2から2%の量で用いられる。
【0045】
使用される触媒の量は、言うまでもなく、処理される複合体と使用される溶媒に依存する。上限値は存在しない。しかし、明白な経済的理由で、溶媒および処理される複合材料の合計重量に対して重量で5%を超えないことが好ましい。最適な量は、比較的短時間で、好ましくは10時間未満に全てが分解されることを可能にする量である。
【0046】
好適な実施形態によれば、本発明による方法は、反応性加溶媒分解溶媒としてモノエタノールアミンを用いて実施され、このとき、モノエタノールアミン自体が触媒作用するという利点があるため、触媒なしで加溶媒分解を実施することができる。
【0047】
加溶媒分解反応は高温で実施され、好適には120および300℃の間、好ましくは170および250℃の間、なお一層好ましくは180および240℃の間の温度で、さらに特別に好適な方法としては、簡略化するために、溶媒の沸点でそれを実施することができる。
【0048】
好適な実施形態によれば、本発明による方法には、次のような連続する工程が含まれる:
−処理される複合材料およびポリエチレンテレフタレートを、数十センチメートル程度より小さい大きさの細片に細断すること、
−これらの細片を、過剰の溶媒中で、場合によっては触媒の存在下で、ゆっくりと攪拌しながら、120および300℃の間の温度で0.5から12時間反応させること、
−加溶媒分解生成物を固形物から分離すること、
−様々な固形物を仕分けすることで、回収目的で金属および強化材料を単離すること、
−場合によっては、洗浄、液体除去および乾燥によりいかなる有機材料からも強化材料を除くこと。
【0049】
別の好適な実施形態によれば、本発明による方法には、次のような連続する工程が含まれる:
−処理される複合材料を、数十センチメートル程度より小さい大きさの細片に細断すること、
−これらの細片を、過剰の溶媒中で、場合によっては触媒の存在下で、ゆっくりと攪拌しながら、120および300℃の間の温度で0.5から12時間反応させること、
−加溶媒分解生成物を固形物から分離すること、
−様々な固形物を仕分けすることで、回収目的で金属および/または強化材料を単離すること、
−場合によっては、洗浄、液体除去および乾燥によりいかなる有機材料からも強化材料を除くこと、
−複合材料の加溶媒分解で得られた加溶媒分解生成物をポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解に利用すること。
【0050】
さらに別の好適な実施形態によれば、本発明による方法には、次のような連続する工程が含まれる:
−処理されるポリエチレンテレフタレートを、好ましくは、数十センチメートル程度より小さい大きさの細片に細断すること、
−これらの細片を、過剰の溶媒中で、場合によっては触媒の存在下で、ゆっくりと攪拌しながら、120および300℃の間の温度で0.5から12時間反応させること、
−加溶媒分解生成物を存在しうる固形物から分離すること、
−ポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解で得られた加溶媒分解生成物を、複合材料の加溶媒分解に利用すること、
−加溶媒分解生成物を固形物から分離すること、
−様々な固形物を仕分けすることで、回収目的で金属および/または強化材料を単離すること、
−場合によっては、洗浄、液体除去および乾燥によりいかなる有機材料からも強化材料を除くこと。
【0051】
好適には、この方法は、強化材料として繊維を含む複合体に適用される。実際この方法により、機械的強度を全く失っておらず、したがって新規な再利用用途に用いることができる繊維を回収することができる。
【0052】
本発明による方法はまた、複合材料およびポリエチレンテレフタレートの、本質的にポリオールからなる加溶媒分解生成物を、完全に満足できる品質をもつポリウレタン・フォームをそれから製造するように、再利用することを可能にする。したがって、本発明による方法には、好適には、複合材料のマトリックスおよびポリエチレンテレフタレートの分解生成物を含む加溶媒分解生成物から、ポリウレタン・フォームを調製するさらなる工程が含まれる。
【0053】
ポリウレタン・フォームの調製は、通常の方法で、好ましくは、本発明による方法により回収されたポリオールに対して1から1.1当量のイソシアネートで実施される。本発明により得られたポリウレタン・フォームは優れた寸法安定性を示す。
【0054】
本発明による方法が電子カードのリサイクルに用いられる場合には、本発明による方法を適応する前に、それらの有害な物質(コンデンサ、水銀サーキットブレーカ、バッテリなど)を取り除く予備的な工程を実施すると好適である。
【0055】
特に電子カードの場合には、回収された金属を再利用することのみが含まれる現行の方法と異なり、全ての構成成分が単離され分離され、それらを再利用することができる。
【0056】
本発明による方法は、発電所の水パイプ、電子カード、自動車部品、建設業で使用される材料を再利用するのに特に有用である。
【0057】
本発明は、例示のためにのみ与えられる以下の実施例を用いてより詳細に説明されるであろう。
【0058】
実施例
実施例1:テトラヒドロ無水フタル酸で硬化させたビスフェノールAジグリシジルエーテル系樹脂のグリコール分解
使用樹脂の同定:
この実施例では、以下の一般式のビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE)系樹脂が使用される:
【0059】
【化2】
【0060】
この樹脂は、Nの平均値が0.15の程度であり、エポキシ当量(EEW)が1モルとなるのに必要な樹脂量は187gであるということに特徴がある。
【0061】
この樹脂はテトラヒドロ無水フタル酸で硬化された。
【0062】
硬化は、反応促進剤としてベンジルジメチレンアミン(BDMA)を用いて次のようにして実施された。
【0063】
反応器で、100重量部のBADGE、78重量部のテトラヒドロ無水フタル酸および1重量部のBDMAを混合する。この混合物を、100℃で2時間、次に150℃で4時間加熱した。
【0064】
実施例1a:ジエチレングリコール中のグリコール分解
上で調製された樹脂の、径が1から2.5mmの顆粒状材料が用いられる。15gのこれら顆粒状材料を75mLのジエチレングルコールに入れ、98mgのオルトチタン酸テトラブチルを触媒として加える。
【0065】
十分に還流させながら(245℃)3時間反応させた後、顆粒状材料は完全に溶解する。
【0066】
実施例1b:モノエタノールアミン中でのグリコール分解
上で調製された樹脂の、径が1から2.5mmの顆粒状材料が用いられる。15gのこれら顆粒状材料を75mLのモノエタノールアミンに入れ、触媒を全く添加しない。
【0067】
十分に還流させながら(170℃)2時間反応させた後、顆粒状材料は完全に溶解する。
【0068】
この実施例から、無水物により硬化させたエポキシ樹脂のグリコール分解は容易であるということが明らかである。
【0069】
実施例2:ヘキサヒドロ無水フタル酸で硬化させたビスフェノールAジグリシジルエーテル系樹脂のグリコール分解
使用樹脂:
実施例1と同じ樹脂が用いられたが、それをヘキサヒドロ無水フタル酸により硬化させた。このために、250.2gの樹脂、196.4gのヘキサヒドロ無水フタル酸および2.6gのベンジルジメチルアミンが用いられた。
【0070】
この反応混合物をトレイの上に注ぎ、平均厚さが3mmの板を得た。様々な大きさの顆粒状材料を得るためにこの板を砕き、以下のバッチを得るためにふるいにかけて分離した。
【0071】
バッチ1:0.3×4×5cm
バッチ2:1から2.5mm
バッチ3:0.63から1mm
バッチ4:<0.63mm
様々なグリコール分解試験が245℃の温度で実施された。
【0072】
最初の一連の試験(試験1から5)を、オルトチタン酸テトラブチルの存在下に、様々な量のジエチレングリコール中で実施し、次に第2の一連の試験(試験6から8)を触媒なしに、モノエタノールアミン中で実施した。
【0073】
それぞれの場合に、顆粒状材料の完全溶解に必要な時間を求めた。
【0074】
試験条件および得られた結果が下表1および2に与えられている。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
実施例2b
用いられる触媒の量を変えて、3つの試験がここで実施された(試験9から11)。これらの試験では、1〜1.25mmの顆粒状材料の形態にある、この実施例の樹脂15gを75mLのDEGに入れて用いた。
【0078】
様々な量のオルトチタン酸を下表3に示されたように添加し、溶解が終了する時間を各試験で求めた。これらの値は表3に与えられている。
【0079】
【表3】
【0080】
実施例3:ガラス/無水物硬化BADGEエポキシのグリコール分解
発電所の安全システムに水を循環するために使用される管を用いた。これらの管は、無水物タイプの硬化剤を用いて、SEPMA社によりCIBA LY 556(ビスフェノールA)の名称で販売されているエポキシ樹脂で製造されており、それらはシラン・タイプのサイジングを施されたガラス繊維のフィラメント巻き(filamentary coil)で強化されている。
【0081】
これらの管を約4×5×0.5cmの破片を得るために破砕した。
【0082】
500mLの反応器で、この複合体の30.8gの破片を、162.25gのDEGおよび0.055gのオルトチタン酸テトラブチルに加えた。窒素を連続的に流しながらこの混合物を245℃で8時間攪拌した。
【0083】
2時間経たない内に、繊維が分離し始めた。
【0084】
反応終了後、混合物を濾過した。2つの分画、ポリオールとDEGの混合物からなるグリコール分解生成物、およびグリコール分解生成物が含浸された繊維を得た。
【0085】
この繊維をベンジルアルコール、次にアセトンで洗浄した。
【0086】
次に、回転式エバポレータを用いてメタノールを留去した後、洗浄濾液をグリコール分解生成物と混合した。
【0087】
回収されたポリオールの分析は、それらが実施例2bで得られたものと同じであるということを示している。
【0088】
実施例4:トリエチレンテトラミン硬化BADGEエポキシ樹脂のグリコール分解
樹脂の同定:
触媒なしで、28gのトリエチレンテトラミン(TETA)を用いて、200gのBADGEを室温で7日間、次に200℃で2時間硬化させた。
【0089】
グリコール分解
上で得られた14.66gの硬化エポキシ樹脂、73.5gのDEGおよび0.08gのオルトチタン酸テトラブチルを反応器に入れた。
【0090】
混合物を245℃で14時間反応させた。
【0091】
14時間後に、グリコール分解は完了した。
【0092】
実施例5
この実施例では、部品を取り付けていない新しい電子カードを用いた。このカードはガラス繊維で強化された、数層のエポキシ樹脂からなる。銅あるいは別種の金属シートがこれらの層の間に挟み込まれている。
【0093】
このカード(70.6g)を細かく切断した。353.5gのDEGおよび0.4gのオルトチタン酸テトラブチルと一緒にこの細片を反応器に入れた。反応媒体を初期にはゆっくりと攪拌し、次により激しく攪拌して、245℃で12時間30分グリコール分解を実施した。この反応をモニタするために、反応の間に様々な試料を取った。
【0094】
サイズ排除クロマトグラフィによる分析は、2時間の反応後、グリコール分解生成物の組成はそれ以上変化しないということを示した。得られたグリコール分解生成物はオリゴマーの多い混合物である。
【0095】
UV分析は278nmと285nmの吸光度が徐々に増加することを示す。2時間15分と8時間30分の反応の間で、吸光度は0.22から0.6へと増加した。
【0096】
IRおよびUV分析は、樹脂がかなり芳香族型であること、恐らくBADGE樹脂の系統のものであることを明らかにしている。しかし、この吸収はまた芳香族アミン型の硬化剤に由来するものでもありうる。硬化剤は酸無水物ではない。
【0097】
これらの結果は、DEGに溶解する化学種に導く解重合が遅いということを示している。対照的に、かなり全般的な解重合が起こり溶解した後は、グリコール分解生成物の分子量は、さらなるグリコール分解の間に変化しないと考えられる。
【0098】
反応終了後には、一方では263.7gのグリコール分解生成物(グリコール分解生成物1)、他方では、グリコール分解生成物をいっぱいに含むガラス繊維、ならびに金属が濾過により回収された。
【0099】
金属をメチルアルコールで洗浄し、次に乾燥した。
【0100】
ガラス繊維の液体を除き、こうして除去された50.6gのグリコール分解生成物(グリコール分解生成物2)をグリコール分解生成物1に加えた。
【0101】
液体が除去されたこれらのガラス繊維を1.2Lのジメチルホルムアミドで、次に1Lのメチルアルコールで洗浄し、それらを乾燥させた。
【0102】
この乾燥の後、ガラス繊維を金属小片から手で分離し、その金属を前に分離されたものに加えた。
【0103】
ガラス繊維は主にマットの形態であったが、織布の形態もあった。
【0104】
35.5gのガラス繊維と9gの金属を、このようにして回収した。
【0105】
グリコール分解生成物1および2を蒸留し、それによってDEGとポリオールを回収した。
【0106】
実施例6:本発明による、硬化樹脂およびポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解によるポリオールの調製
広い粒径範囲(1mm未満の細片から30×40mmの破片まで)にわたって存在するBADGE/HP硬化樹脂のグリコール分解を、触媒としてのオルトチタン酸テトラブチルの存在下にDEGを用い、実施例1.aに従って実施する。
【0107】
初期の組成は次の通りである:
−100gの硬化樹脂;
−159gのDEG;
−0.51gのTi(OBu)4。
【0108】
還流させながら3時間加熱した後、小さな固体片は全てなくなり、大きな片が完全に消滅したと認められるのに、還流させながら6.5時間加熱する必要があった。
【0109】
次に、約2mmの顆粒化PET(ボトル予備成形の製造廃棄物)91gを加える。PETは、還流させながら加熱すると、1.5時間経たない内に「溶解」する。さらに1時間加熱を継続した。
【0110】
水酸基(OH)価=481、平均官能基数2.22をもつポリオール組成物350gが回収される。これらの値は計算で得られる。
【0111】
得られた生成物には6カ月を超える貯蔵安定性がある。
【0112】
実施例7:実施例6で得られたポリオールによるポリウレタン・フォームの調製
ポリウレタン・フォームが実施例6で得られたポリオールから調製される。
【0113】
カップに、通常の添加物(DMCHA(触媒)、SR 242(安定剤)、HCFC 141b(発泡剤))を加えて均一にした直後に、実施例6のポリオール、NCOインデックスが110に相当する量のイソシアネート(NCO(イソシアネート)が31.2%のPMDI)を加える。
【0114】
次に、回転刃を用いて、混合物を2000回転/分で攪拌する(攪拌開始時がゼロ時間)。10ないし20秒攪拌した後、混合物を平行6面体容器(l×L×h:15/17/18cm)に注ぎ、フォームを自由膨張させる。室温で4日間熟成させた後、特性評価のためフォームを立方体に切断する。このフォームは(7)と参照され指定される。
【0115】
比較のために、同じ手順に従って、PETのグリコール分解/エステル化により得られた、官能基数2.00のポリオール組成物(ポリオール−PETと参照され指定される)からポリウレタン・フォームが調製される。室温で4日間熟成させた後、特性評価のためフォームを立方体に切断する。このフォームは(GLY 23)と参照され指定される。
【0116】
これらのフォームの通常の特性評価、すなわちクリーム・タイム(T cream)、ゲル・タイム(T gel)およびタックフリー・タイム(T tack)が求められる。
【0117】
得られたフォームの特性評価は下表4に与えられている。
【0118】
【表4】
【0119】
開放系でのエージング試験を1週間から1年にわたって実施した。
【0120】
1週間後に、変形し始めるフォーム(GLY 23)の立方片と異なり、フォーム(7)から切り出された立方片には認められるような変形は全く見られない。
【0121】
1年後に、フォーム(7)から切り出された立方片には、認められるような変形は全く見られないが、対照的に、フォーム(GLY 23)からの立方片は、大きく変形している。
【0122】
それらに60℃で0.27kg/cm2の圧力を加えるとき、フォーム(7)からの立方片には、限られた変形が見られたが、フォーム(GLY 23)からの立方片は完全に潰れた。
Claims (15)
- 複合材料およびポリエチエンテレフタレートの加溶媒分解を場合によっては触媒の存在下で実施すること、ならびに複合材料のマトリックスおよびポリエチエンテレフタレートの分解生成物を含む加溶媒分解生成物を、複合材料の他の構成成分および他の存在しうるポリエチレンテレフタレートの不純物から分離すること、からなる複合材料およびポリエチエンテレフタレートを使用する方法。
- 複合材料およびポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解が同時に実施され、次に複合材料のマトリックスおよびポリエチレンテレフタレートの分解生成物を含む加溶媒分解生成物が、複合材料の他の構成成分および他の存在しうるポリエチレンテレフタレートの不純物から分離される請求項1に記載の方法。
- 複合材料の加溶媒分解が初めに実施され、次に複合材料マトリックスの分解生成物を含む加溶媒分解生成物が、複合材料の他の構成成分から分離され、次に複合材料マトリックスの分解生成物を含む加溶媒分解生成物が、ポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解を実施するために使用される請求項1に記載の方法。
- ポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解が初めに実施され、次にポリエチレンテレフタレートの分解生成物を含む加溶媒分解生成物が、存在しうる不純物から分離され、次にポリエチレンテレフタレートの分解生成物を含む加溶媒分解生成物が、複合材料の加溶媒分解を実施するのに使用される請求項1に記載の方法。
- 複合材料が、エポキシ樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステルを含む群から選択される熱硬化性樹脂であるマトリックスを含み、前記樹脂が場合によっては強化されており、また金属成分の上に配置されているか、あるいは金属成分を被覆している請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- マトリックスが、繊維、チップ、織布、不織布などの形態のガラス、カーボン、アラミドなどで強化されている請求項1または請求項5のいずれかに記載の方法。
- 加溶媒分解が、一価アルコール、アミン、酸などの活性水素を含む化学薬品を含む群から、好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコール、ビスフェノールAなどのポリフェノール、モノエタノールアミンなどのアミノアルコールを含む群から選択される反応性溶媒を過剰に用いて実施される請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
- 触媒が、オルトチタン酸テトラブチルなどのチタンから誘導される有機金属化合物、遷移金属、特にZn、Mn、Coの誘導体、アニオンを伴うアルカリおよびアルカリ土類金属、水酸化物、酸化物、カルボン酸塩、アミンなどのブレンステッド塩基のような通常のエステル交換触媒を含む群から選択される請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
- 触媒が、複合材料と溶媒の合計重量に対しての重量で、0.005%以上、好ましくは0.05%と5%の間、なお一層好ましくは約0.2から2%の量で用いられる請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
- グリコール分解が、120℃から300℃、好ましくは170℃から250℃、なお一層好ましくは180℃と240℃の温度で実施される請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
- −処理される複合材料およびポリエチレンテレフタレートを、数十センチメートル程度より小さい大きさの細片に細断すること、
−これらの細片を、過剰の溶媒中で、場合によっては触媒の存在下で、ゆっくりと攪拌しながら、120および300℃の間の温度で0.5から12時間反応させること、
−加溶媒分解生成物を固形物から分離すること、
−様々な固形物を仕分けすることで、回収目的で金属および強化材料を単離すること、
−場合によっては、洗浄、液体除去および乾燥によりいかなる有機材料からも強化材料を除くこと、
からなる連続する工程を含む請求項2および請求項5から10のいずれか一項に記載の方法。 - −処理される複合材料を、数十センチメートル程度より小さい大きさの細片に細断すること、
−これらの細片を、過剰の溶媒中で、場合によっては触媒の存在下で、ゆっくりと攪拌しながら、120および300℃の間の温度で0.5から12時間反応させること、
−加溶媒分解生成物を固形物から分離すること、
−様々な固形物を仕分けすることで、回収目的で金属および/または強化材料を単離すること、
−場合によっては、洗浄、液体除去および乾燥によりいかなる有機材料からも強化材料を除くこと、
−複合材料の加溶媒分解で得られた加溶媒分解生成物をポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解に利用すること、
からなる連続する工程を含む請求項3および請求項5から10のいずれか一項に記載の方法。 - −処理されるポリエチレンテレフタレートを、好ましくは、数十センチメートル程度より小さい大きさの細片に細断すること、
−これらの細片を、過剰の溶媒中で、場合によっては触媒の存在下で、ゆっくりと攪拌しながら、120および300℃の間の温度で0.5から12時間反応させること、
−加溶媒分解生成物を存在しうる固形物から分離すること、
−ポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解で得られた加溶媒分解生成物を、複合材料の加溶媒分解に利用すること、
−加溶媒分解生成物を固形物から分離すること、
−様々な固形物を仕分けすることで、回収目的で金属および/または強化材料を単離すること、
−場合によっては、洗浄、液体除去および乾燥によりいかなる有機材料からも強化材料を除くこと、
からなる連続する工程を含む請求項4から10のいずれか一項に記載の方法。 - 複合材料マトリックスおよびポリエチレンテレフタレートの分解生成物を含む加溶媒分解生成物からポリウレタン・フォームを調製する工程をさらに含む請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
- 特にポリウレタン・フォームを製造するために、発電所の水用パイプ、電子カード、自動車部品、建設業およびポリエチレンテレフタレート業界で使用される材料を再利用するために、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法を利用すること。
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