JP2004506431A - 単一ラベルオリゴヌクレオチド・プローブ - Google Patents

単一ラベルオリゴヌクレオチド・プローブ Download PDF

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Abstract

核酸配列の検出と分析のためのプローブと方法が提供される。このプローブは単一ラベルオリゴヌクレオチド・プローブであり、その蛍光発光は、プローブ対標的ハイブリダイゼーションおよび解離に応じて変化する。前記方法は、このプローブを用いて、1個の、または、多数個の核酸座位を分析するためのものである。本発明はさらに、融解曲線分析、遺伝子型分析、および、病原体検出のために単一ラベルプローブの蛍光変化を用いる方法、および、核酸増幅のリアルタイムモニターにおいて特定配列の定量を実行する方法にも関する。

Description

【0001】
<発明の分野>
本発明は、単一ラベルのオリゴヌクレオチド・プローブであって、その蛍光発光が、プローブ−標的ハイブリダイゼーションおよび解離に応じて変化することを特徴とするプローブの使用による核酸配列の斉一な検出分析法に関し、特に、前記プローブによる1個または多数個の核酸座位の分析法に関する。本発明はさらに、解離曲線分析、遺伝子型決定および病原体検出のための単一ラベルのプローブにおける蛍光変化の使用、および、核酸増幅のリアルタイムモニターにおける特異的配列の定量法に関する。
【0002】
<発明の背景>
プローブ・ハイブリダイゼーションは、核酸配列の検出、分析および定量のために広く用いられている方法である。広く用いられる技法としてはサザーンハイブリダイゼーション、ドットブロッティング、ゲルシフトアッセイ、および、溶液による斉一定量法が含まれるが、これらはしばしばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)と併用される。これらの技法に使用される基本的装置としては、電気泳動ゲル、スライドグラス上に固定されたDNAアレイ、ビーズ、膜または微細滴定プレート、および、LightCycler装置(Roche Molecular Biochemicals)、 ABI PRISM7700配列検出装置(PE Applied Biosystems)、および、iCycler装置 (Bio−Rad Laboratories)のような斉一定量用装置、などが挙げられる。増幅工程と一緒に用いられる斉一定量法・検出法は、一つの連続的な流れの中で増幅と分析を実行するので、この二つの工程間でサンプルを移動する必要性を無くす、または、極小にする。斉一定量を有効に動作させるための一つのキー要素は、プローブ−標的ハイブリダイゼーションから生じ、遊離プローブの洗浄・除去を要することなく検出可能なレポーター・シグナルである。
【0003】
現在の斉一定量法は、核酸結合染料、例えば、臭化エチジウムとSYBRグリーンI染料をレポーター分子として用いるか(Higuchi、米国特許第5,994,056号、および、Wittwer等、米国特許第6,174,670号)、または、プローブ上に固定された最小2個の蛍光体を用いるか、そのいずれかである。この2個の蛍光体は、別々のオリゴヌクレオチドに個別に付着する、供与体・受容体ペアであってもよく(米国特許第6,174,670号、および、Di Cesare、米国特許第5,716,784号)、または、単一オリゴヌクレオチドに付着するレポーター・消光体ペアであってもよい(Mayrand、米国特許第5,691,146号、Pitner等、米国特許第5,888,739号、および、Livak等、米国特許第6,030,787号)。DNA結合色素を用いた斉一定量は便利ではあるが、限定した配列情報しか得られない。二染料系に基づく方法は、その染料同士が供与体−受容体の染料の組み合わせであれ、供与体−消光体の染料の組み合わせであれ、より高い検出特異性を与える。この方法は、ハイブリダイゼーション・プローブ定量法(米国特許第6,174,670号)、Taqman定量法(米国特許第5,691,146号)、分子ビーコン定量法(Tyagi et al., 1998, Nature Biotechnology 4:359−363)、および、その変法である、スコルピオンズ・プライマー装置(Whitcombe et al., 1999, Nature Biotechnology 17:804−807)などの系に使用されている。
【0004】
ハイブリダイゼーション・プローブ・アッセイでは、ある特定の配列の有無を検出するのに2個のオリゴヌクレオチド・プローブを用いる。プローブを標的にアニールさせることによって、二つの染料を接近させると、一方のプローブ上の供与体染料と、他方のプローブ上の受容体の間に、蛍光共鳴エネルギー転移が生じ、この時レポーターシグナルが検出される。一旦これらのプローブがハイブリダイズすると、一方のプローブ下の領域に、配列変異が無いかどうかを調べることが可能である。これは、そのサンプルを加熱して、そのプローブの解離(「融解」とも呼ばれる)によってシグナル消失の起こる温度をモニターすることによって実現される。配列変異は、参照サンプルに対する、融解温度(Tm)の移動によって検出され、このTm変位は、ソフトウェアによる計算(Schuetz et al.,1999,BioTechniques27:1218−1224)によって予測が可能である。しかしながら、2番目のプローブ下の領域は、配列変異の有無に関して分析にあずからない「盲点域」となる可能性がある。このような盲点域の存在は、大きなDNA断片に対し、配列変異に関して分析する必要があって、複数のプローブペアを用いなければならない場合に問題となるだろう。
【0005】
Taqmanおよび分子ビーコンアッセイはいずれも、レポーターと消光体染料を結合した単一オリゴヌクレオチド・プローブを用いる。このオリゴヌクレオチド・プローブが標的配列にハイブリダイズすると、レポーターと消光体は、ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性か、または、標的配列にハイブリダイズする際に生じる構造変化か、そのいずれかによって分離される。現在の方法では、これらの二重ラベルプローブを合成するのは比較的難しい。さらに、Taqmanプローブは、ハイブリダイゼーションの間接的な測定にしかならない。なぜなら、レポーターと消光体とが、ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性で分離されると、シグナルが出続けるからである。
【0006】
エネルギー転移以外の手段によって蛍光体の蛍光効率に変化をもたらすやり方が従来から報告されている。フルオレセン族に属する様々な染料はpHに対して感受性を持つが、その発光強度は、そのpKaよりも低いpHでは減少し、そのpKa以上のpHでは増加する(Sjoeback et al.,1995.Spectrochim Acta A51,L7)。さらに、フルオレセンは、生体高分子に結合させると50%以上消光する(Der−Balian et al.,1988.Analytical Biochemistry 173:9)。これらは、外的因子によって誘発される一般的蛍光変化である。さらに、蛍光ラベルオリゴヌクレオチドと、その未ラベル相補鎖とがアニールすると、プローブ蛍光の消光や、また、二重鎖DNAの形成と同時に発光波長の移動をもたらすことも知られている(Cooper et al., 1990. Biochemistry 29:9261−9268; Lee et al., 1994. Analytical Biochemistry 220:377−383; Yguerabide et al., 1996. Analytical Biochemistry 241:238−247)。蛍光強度変化は、下記を用いても起こることが明らかにされている。すなわち、未結合染料と個別のヌクレオチドまたはヌクレオチド分子(Seidel et al., 1996. J. Phys. Chem. 100:5541−5543)、RNA基質とリボザイムとの相互作用(Walter et al., 1997. RNA 3:392−404)、および、非対称シアニン染料でラベルしたプローブによる核酸二重鎖形成(Ishiguro et al., 1996. Nucleic Acids Research 24:4992−4997; Svanvik et al., 2000. Analytical Biochemistry 281:26−35)である。しかしながら、これらの参考文献は、配列依存性の蛍光を利用するプローブの構築を教示しない。
【0007】
上記から、本発明は、複数のオリゴヌクレオチド・プローブであって、それぞれが単一の蛍光染料を有するオリゴヌクレオチド・プローブを目的とする。これらのオリゴヌクレオチド・プローブは、プローブが標的配列にハイブリダイズすると、その蛍光染料の蛍光発光が影響されるように構築されている。本発明の一つの実施態様では、プローブが標的配列にハイブリダイズすると、蛍光染料がグアニン残基に近接して設置されることとなり、そのために蛍光発光が消光する。別の実施態様では、蛍光体は、オリゴヌクレオチド・プローブ構造の内の一つの塩基を置換し、ハイブリダイゼーション時において、この「仮想ヌクレオチド」がG残基に対して相補的な位置に置かれることとなり、そのために蛍光が消光する。その他の実施態様では、ハイブリダイゼーションが起こると蛍光発光が増加するようにプローブが構築される。そのような一つの実施態様では、蛍光体はG残基に付着し、そのために、ハイブリダイゼーション時蛍光が増加する。別のそのような実施態様では、蛍光体は塩基アナログに付着し、そのために、ハイブリダイゼーション時蛍光が増加する。さらに別のそのような実施態様では、蛍光体は、柔軟なリンカーを介して内部残基に付着し、そのために、ハイブリダイゼーション時蛍光発光に変化をもたらす。最後に、プローブ・システムの様々な実施例が提供される。
【0008】
本発明の一つの態様において、標的核酸を分析するためにプローブが提供される。このプローブは、蛍光検出体であって、標的核酸のある座位にほぼ相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドから事実上成る蛍光検出体、および、そのオリゴヌクレオチドの末端ヌクレオチドに結合する蛍光ラベルを含み、このプローブの前記オリゴヌクレオチド配列は、同プローブが標的核酸の座位にハイブリダイズすると、蛍光ラベルが、標的核酸のグアニン残基の近くに位置し、そのために蛍光ラベルの蛍光強度が消光するように選ばれることを特徴とする。一つの実施態様では、グアニン残基は、蛍光ラベルした末端ヌクレオチドの位置に対してポジション0、+1、+2、+3または+4に配される。
【0009】
本発明の別の態様では、標的核酸を分析するためのプローブが提供される。このプローブは、標的核酸のある座位にほぼ相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドを含み、さらに、仮想ヌクレオチドを有する残基を含み、蛍光染料が塩基によって置換され、従って、プローブが標的核酸にハイブリダイズすることによって蛍光染料からの蛍光発光量が変化する。
【0010】
本発明のさらに別の態様では、標的核酸を分析するための蛍光プローブシステムが提供される。このプローブシステムは、核酸のある座位に対してほぼ相補的な配列と、それに結合する蛍光ラベルとを含む単一ラベルのポリヌクレオチドから事実上成り、この単一ラベルポリヌクレオチドがその核酸座位にハイブリダイズすると、蛍光ラベルが、標的核酸の一残基に近接して設置されることとなり、そのために蛍光ラベルの蛍光強度が増大することを特徴とする。この増強プローブに関する様々な実施例が提供される。
【0011】
本発明のさらに別の態様では、標的核酸を分析するためのプローブが提供される。このプローブは、蛍光検出体であって、標的核酸のある座位に対してほぼ相補的な配列を有する単一ラベルオリゴヌクレオチドから事実上成る蛍光検出体、および、そのオリゴヌクレオチドの内部残基に結合する蛍光ラベルを含み、このプローブのオリゴヌクレオチド配列は、同プローブが標的核酸のその座位にハイブリダイズすると、蛍光ラベルからの蛍光発光強度が変化を受けるように選ばれる。
【0012】
さらに、サルモネラ属由来の標的核酸の有無を検出するためのオリゴヌクレオチド・プローブが提供される。このプローブは、下記のものから成るグループから選ばれる一つのヌクレオチド配列を含む、すなわち、
5’CCAAAAGGCAGCGTCTGTTCC(配列番号:3)、
5’CCAAAAGGCAGCGTCTGTTC(配列番号:4)、
5’CAAAAGGCAGCGTCTGTTCC(配列番号:5)、
5’CCAAAAGGCAGCGTCTGTT(配列番号:6)、
5’CAAAAGGCAGCGTCTGTT(配列番号:7)、
5’AAAAGGCAGCGTCTGTTC(配列番号:8)、
5’AAAAGGCAGCGTCTGTTCC(配列番号9)、および
5’AAAAGGCAGCGTCTGTT(配列番号:10)。
【0013】
本発明の別の態様では、本発明のプローブを使用する方法が提供される。一つのそのような実施態様では、生物サンプルにおける標的核酸の有無を決定するための方法が提供される。この方法は、第一の単一ラベルオリゴヌクレオチド・プローブと、サンプルとを混合する工程であって、前記第一プローブは、標的核酸配列のある座位に対してほぼ相補的なオリゴヌクレオチド配列と、このオリゴヌクレオチド配列の末端に結合する蛍光ラベルとを有し、蛍光ラベルはハイブリダイゼーション依存性蛍光発光を示し、第一プローブが標的核酸にハイブリダイズすることによって、蛍光ラベルが、標的核酸上のグアニン残基と相互作用をもつことができ、そのために、ラベルからの蛍光発光量が減少することになることを特徴とする工程;前記生物サンプルに照射する工程;および、ハイブリダイゼーション依存性蛍光発光をモニターする工程を含む。
【0014】
本発明のさらに別の態様では、生物サンプルにおける標的核酸配列の有無を決定するための方法が提供される。この方法は、単一ラベルオリゴヌクレオチド・プローブとサンプルを混合する工程であって、前記プローブは、標的核酸配列のある座位に対してほぼ相補的なオリゴヌクレオチド配列と、このオリゴヌクレオチド配列のG残基に結合する蛍光ラベルとを有し、蛍光ラベルはハイブリダイゼーション依存性蛍光発光を示し、オリゴヌクレオチドプローブが標的核酸配列にハイブリダイズすると、蛍光ラベルと標的核酸上のグアニン残基との相互作用が変化し、そのために、ラベルからの蛍光発光量が増加することになることを特徴とする工程、生物サンプルを照射する工程、および、ハイブリダイゼーション依存性蛍光発光をモニターする工程を含む。
【0015】
本発明のさらに別の局面では、標的核酸配列を含むサンプルを分析するための方法が提供される。この方法は、サンプルとオリゴヌクレオチド・プローブとを混合して、標的・プローブ混合物を生成する工程であって、そのプローブは蛍光ラベルを有する仮想ヌクレオチドを含み、蛍光ラベルは、プローブが標的核酸配列にハイブリダイズすると、それによって、蛍光ラベルからの蛍光発光量が変更されるようなやり方で位置づけられる工程;前記混合物を照明する工程;および、蛍光発光を温度の関数としてモニターする工程、の諸工程を含む。
【0016】
本発明のさらに別の態様では、生物サンプルにおける標的核酸配列の有無を決定するための方法が提供される。この方法は、生物サンプルと、単一ラベルオリゴヌクレオチド・プローブから事実上成る蛍光検出体とを混合する工程であって、前記単一ラベルオリゴヌクレオチド・プローブは標的核酸配列のある座位に対して相補的な配列と、それに付着するハイブリダイゼーション依存性発光を示す蛍光ラベルとを有するオリゴヌクレオチドを含み、プローブが標的核酸配列の内のある選択された分節にハイブリダイズすると蛍光ラベルの蛍光発光の増加がもたらされる工程;前記生物サンプルを照射する工程;および、ハイブリダイゼーション依存性蛍光発光をモニターする工程を含む。そのような一つの実施態様では、蛍光ラベルはオリゴヌクレオチド・プローブの一塩基に結合し、この塩基は、5−ニトロインドール、4−ニトロインドール、6−ニトロインドール、および、3−ニトロピロール・デオキシヌクレオチド類から成るグループから選ばれる。別のそのような実施態様では、蛍光ラベルはグアニン残基に付着し、モニター工程は、プローブが標的核酸にハイブリダイズした時に生ずる蛍光ラベルからの蛍光発光の増加をモニターすることを含む。さらに別の実施態様では、蛍光ラベルは、シアニン染料とLCRed 705から成るグループから選ばれる。
【0017】
本発明のさらに別の局面は、核酸配列を含む生物サンプルの分析用キットであり、このキットは、蛍光ラベルに結合するオリゴヌクレオチドを有する単一ラベルオリゴヌクレオチド・プローブから事実上成る蛍光検出体を含み、前記プローブは、同プローブが核酸分節のある座位にハイブリダイズすると、蛍光ラベルからの蛍光発光量が増加するように構成される蛍光検出実体;および、前記核酸配列の増幅のための諸成分とを含む。
【0018】
本発明の、さらなる特長は、下記の好ましい実施態様に関する詳細な説明を考察することによって当事者には自ずから明白となろう。ただし、下記の好ましい実施態様は、現在考えられる、本発明を実行するに際しての最善の方式を例示するものであるに過ぎない。
【0019】
<詳細な説明>
ある例示する実施態様では、本発明のプローブは斉一定量系(homogeneous assay system)で用いられる。この系では、核酸配列の検出と分析とが、標的ポリヌクレオチドの増幅と並行して実行される。別法として、本発明のプローブは、標的の増幅とは独立な、完了時点検出定量法(end−point detection assay)において使用されてもよい。単一ラベルオリゴヌクレオチド・プローブの結合部位は、一般に、標的核酸の内部に、通常は、標的増幅に使用されるプライマーの間に配される。しかしながら、ある実施態様では、プローブの標的配列に対するハイブリダイゼーションは、標的配列の末端近傍または末端で起こり、またある実施態様では、プローブ自身が標的増幅のプライマーとしても機能する方法と同様、プローブ−標的ハイブリダイゼーションが平滑末端を形成する。
【0020】
本申請書で使用される「オリゴヌクレオチド」という用語は、天然または修飾されたモノマーから成る直線的オリゴマー、または、デオキシリボヌクレオシド、リボヌクレオシド、蛋白核酸ヌクレオシド等を含む連結体であって、塩基対相互作用によって標的ポリヌクレオチドに特異的に結合することが可能なものを含む。
【0021】
本申請書で使用される「単一ラベルオリゴヌクレオチド」という用語は、一つの蛍光ラベルを有するオリゴヌクレオチドを含む。このラベルは様々なやり方でオリゴヌクレオチドに与えられることが可能である。その方法としては、例えば、リン酸糖骨格の末端やオリゴヌクレオチドの一塩基に結合させる等のやり方が挙げられる。あるいは、「仮想ヌクレオチド」構造の一部として、染料が一塩基を置換するのに使われてもよい。しかしながら、「単一ラベルオリゴヌクレオチド」という用語は、Taqmanプローブのような、多数の蛍光染料を付着させた構築体は除外する。
【0022】
オリゴヌクレオチドを文字の配列で表す場合は、別様に注記しない限り必ず、“A”はデオキシアデノシンを、“T”はチミジンを、“G”はデオキシグアノシンを、“C”はデオキシシチジンを表示するものと理解しなければならない。“(F)”は蛍光ラベルを表示する。
【0023】
「塩基」という用語は、オリゴヌクレオチドにおける位置を示すのに使用される場合、5−ニトリオール−2−デオキシヌクレオシドのような塩基アナログをも含む。
【0024】
「相補的」という用語は、互いに塩基が対になった二重螺旋を形成することが可能な核酸配列同士を指す。オリゴヌクレオチドを論ずる場合、「相補的」という用語は、対向する一本鎖を指し、オリゴヌクレオチドの個々の塩基を論ずる場合は、「相補的」という用語は、対向する一本鎖における位置または塩基を指す。「ほぼ相補的な」配列とは、少なくとも80%の相同性を有する2本の核酸配列同士である。従って、このような配列同士は、ミスマッチを有するものの、相互に塩基が対になった二重螺旋構造を形成するのに十分な相同性を持っている。
【0025】
本発明の一つの方法によれば、単一ラベルプローブは、プローブ−標的二重鎖の形成時や解離時に、蛍光発光効率(または強度)が変化するが、この方法は、標的鎖上の特定の残基の位置に関してある条件が満足されるようにプローブを位置づけることを含む。
【0026】
本発明の一つの実施態様では、特定の残基とは、標的鎖上の単一G残基である。この実施態様では、二重鎖形成および解離時の蛍光変化は、下記に模式的に示すように(垂直線は塩基対合を示す)、Gが蛍光ラベル(F)に対して、最初の突き出しているヌクレオチド(overhanging nucleotide)として配される場合もっとも顕著となる。
Figure 2004506431
これら二つの位置はそれぞれ「ポジション+1」を含む。蛍光変化は、より小さくはなるが、Gが下記のポジションの内のいずれにあっても観察される。
Figure 2004506431
Figure 2004506431
一方、下に示すようにポジション+3とポジション−1に単一G残基がある場合、検出蛍光に対してほとんど影響を与えない。
Figure 2004506431
Figure 2004506431
G残基がポジション+4にある場合にも僅かな蛍光変化が観察されている。
【0027】
標的鎖に1個以上のGがある場合、複数のG残基が、ポジション0、+1、+2、+3および+4の内のいずれにあっても、それらは、検出蛍光を変化させるのに有効である。上記のポジションは「割り当てポジション」である。割り当てポジションの前記表記法はG残基に関して示されたものであるが、割り当てポジションに対する同じ表記法が、この明細書全体を通じて他の実施態様に関しても用いられる。
【0028】
別の実施態様は「仮想ヌクレオチド」を組み込んでいる。この場合、蛍光染料そのものが塩基を置換する。この実施態様では、蛍光体は、標的鎖の相補位置(ポジション0)に位置するグアニン残基に直接アクセスする。グアニンが、5’方向か、3’方向かのどちらの+1にあっても蛍光変化は可能である。ポジション0にG以外の塩基があっても、仮想ヌクレオチド生成のために使用される蛍光染料によっては蛍光変化を生じるのに有効であるかもしれない。例えば、フルオレセンを仮想染料として用い、かつ、A残基がポジション0にあっても、ハイブリダイゼーション時蛍光の増加が観察されることがある。仮想ヌクレオチドは末端塩基であってもよく、あるいは、オリゴヌクレオチドの内部位置を占めていてもよい。
【0029】
本発明の別の実施態様では、G残基に付着するラベル付きプローブを用いることによって、二重鎖の形成や解離時に蛍光変化を容易にすることを可能とする。この実施態様でフルオレセンおよびフルオレセン誘導体を用いると、そのフルオレセンの付着するGそのものが、プローブが遊離してフリーになると、ラベルの消光に影響する。プローブ−標的二重鎖が形成されると、フルオレセンは、その付着していたGから切り離され、脱消光が起こり、蛍光が再び回復する。蛍光体がG残基に付着する場合も、ミスマッチ(mismatching)のAまたはTが0ポジションにある場合も、同様の結果が生ずることが考えられる。この実施態様では、−1や+1ポジションにG残基が無い場合に最善の結果が得られる。
【0030】
ある類似の実施態様では、蛍光体は、屈曲性に富むリンカーを介して残基に付着してもよい。この残基がAまたはTである場合、ハイブリダイゼーション時蛍光の増加が予想される。適当な屈曲性を与えるためにC6dTヌクレオチド(Glen Research, スターリング、バージニア州)を用いることによってこのようなプローブを構築してもよい。この構築体は、標的配列の検出にも、突然変異の検出にも、有効に使用可能と思われる。突然変異検出の場合、ミスマッチが、蛍光体と、蛍光体が結合する塩基との間の立体配置関係に影響を及ぼすことのないように、蛍光体は突然変異から十分に離れた場所に配されるだろう。
【0031】
本発明においては、多種多様な蛍光体がプローブ用ラベルとして使用が可能である。そのようなグループとしては、フルオレセンおよびその誘導体、例えば、JOE、FAM、ローダミン、Alexa Fluor 488、オレゴン緑色染料、エリスロシンおよびエオジン、Big Dyesのようなフルオレセン・シアニン結合体(conjugate)、および、BODIPYのようなビスピロメテン・ボロン−ジフロリド染料が挙げられるが、ただしこれらに限定されない。これらの染料をオリゴヌクレオチド・プローブに付着させると、標的が割り当てポジション(単数または複数)にG残基を持つ場合、プローブが相補的な標的鎖にアニーリングすると、蛍光は通常、消光する。しかしながら、前述したように、本発明の別の実施態様では、蛍光体をプローブのG残基に付着させることによって、蛍光変化の方向を逆転させることが可能である。この場合、相補鎖の割り当てポジションにはさらに別のG(単数または複数)が存在しないことが好ましい。
【0032】
同様に、本発明の別の実施態様では、蛍光体が5−ニトロインドール・2’−デオキシヌクレオチドのような「塩基アナログ」に付着している場合、蛍光増加が観察される。一般に、正常塩基と比較的安定な対合を形成する塩基アナログ、例えば、5−ニトロインドール、4−ニトロインドール、6−ニトロインドール、および、3−ニトロピロール・デオキシヌクレオシド類も有用である。その他の塩基アナログ、例えば、イノシン、5−イオド−2’−シチジン、および、ネビュラリン・デオキシドヌクレオシド類も正常塩基と弱い塩基対合を形成するが、一般に、二重鎖形成時および解離時に蛍光変化が観察可能となるためには、ポジション+1にG残基の無いことが必要である。
【0033】
本発明のさらに別の実施態様では、TOTO, YOYO, TO−PRO, Cy3, Cy5, Cy5.5, Cy7等のような、シアニンダイマー(二量体)およびモノマー(単量体)、あるいは、LCRed 705等のような染料を蛍光染料として使用してもよい。これらの蛍光染料を組み込んだプローブは、プローブハイブリダイゼーション時に、消光ではなく蛍光増強を示すことが明らかになっている。
【0034】
本発明のキットは単一蛍光染料によってラベルされたプローブを含む。このキットは、サンプルにおける特定の核酸配列の有無を検出するのに用いることも可能であるし、あるいは、標的をPCRのような増幅工程によって調製している際に、または、調製後に用いることも可能である。多数のプローブを、Tmや色、または、蛍光変化の方向に応じて多重に使用してもよい。複数の色から成るレポーターシグナルの検出は、単一波長励起によって、または、複数波長励起によって行われることができるだろう。本キットはさらに、分析対象の初期濃度の定量分析に用いることも可能である。
【0035】
本発明の標的増幅法には、オリゴヌクレオチド・プローブにハイブリダイズすることが可能な1個以上の標的の核酸配列を生成することができる、従来技術において核酸を増幅するための既知の適当な方法が含まれる。そのような適当な方法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、鎖変位増幅(SDA)、核酸配列増幅(NASBA)、縦列回転サイクル増幅(CRCA)、Qベータ複製増幅、等温性キメラプライマー依拠核酸増幅(ICAN)、転写性増幅(TMA)等が挙げられる。従って、PCRという用語を用いる場合、それは、別の、代替となり得る増幅法をも含むものと理解しなければならない。
【0036】
分析は、斉一定量系における増幅時に実行してもよい。例えば、米国特許第6,174,670号を参照されたい。別法として、標的の核酸を、増幅後に融解曲線分析を通じて調べてもよい。他の終末点分析法も本発明の技術的範囲内にあり、また、固定プローブや、ビオチンのような非蛍光性タグと共に用いられるプローブの使用も本発明の範囲に含まれる。また、増幅と無関係な核酸分析法も本発明の範囲内にあることを理解しなければならない。本発明のプローブをPCRによる斉一定量に用いる場合、プローブは、プライマー間に位置する一つの座位に対して相補的であってよい。別法として、プローブ自身が、プライマーの一つとして機能してもよい。
【0037】
病原体の速やかで特異的な検出が、単一ラベルプローブを用い、リアルタイムPCRや、PCR後融解分析において実行可能である。病原体としては、サルモネラ菌、病原性大腸菌(例えば大腸菌O157:H7)、リステリア菌、黄色ブドウ球菌、コレラ菌、および、ボツリヌス菌が挙げられるが、ただしこれらに限定されない。PCRに適用可能な標本としては、食品サンプル、大便、組織ホモジェネート、洗浄液等が挙げられる。単一ラベルプローブは突然変異検出にも使用が可能である。突然変異の実例としては、第V因子Leiden、ヘモグロビンCおよびS等の突然変異、メチレンテトラヒドロ葉酸レダクダーゼの熱不安定性突然変異、第II因子(プロトロンビン)G20210A突然変異、ヘモクロマトーシス関連性突然変異C187GおよびG845A、および、嚢胞性線維症F508del突然変異が挙げられるが、ただしこれらに限定されない。これらのリストはただ例示のために挙げるものであって、完全網羅的なものを意図するものではないことを理解しなければならない。
【0038】
(実施例)
実施例1:グアニン消光用の例示の単一ラベルプローブと標的配列
下記は、標的配列の検出または突然変異の検出に使用が可能なプローブの実施例である。PCR増幅に使用が可能なプライマーの実施例も提供される。
サルモネラ菌検出には、遺伝子SpaQ(GenBank、アクセス#U29364)由来のDNA断片は、例えば、SQF(5’TGGATGATTTAGTGTTTGC(配列番号:1))とSQR(5’CGCCCGTAAGAGAGTAAAAC(配列番号:2))をプライマーとして用いてPCRで増幅が可能であり、増幅を検出するには様々のプローブの使用が可能である。
SQP1 5’CCAAAAGGCAGCGTCTGTTCC(配列番号:3)
SQP2 5’CCAAAAGGCAGCGTCTGTTC (配列番号:4)
SQP3 5’CAAAAGGCAGCGTCTGTTCC (配列番号:5)
SQP4 5’CCAAAAGGCAGCGTCTGTT  (配列番号:6)
SQP5 5’CAAAAGGCAGCGTCTGTT   (配列番号:7)
SQP6 5’AAAAGGCAGCGTCTGTTC   (配列番号:8)
SQP7 5’AAAAGGCAGCGTCTGTTCC  (配列番号:9)
SQP8 5’AAAAGGCAGCGTCTGTT     (配列番号:10)
ここに蛍光ラベルは、プローブの3’または5’末端のいずれかに付着される。
5’末端ラベルのプローブは、3’リン酸の添加によってその伸張を阻止されていてもよい。前記プローブは、下記の標的配列の一つにハイブリダイズし、 その配列は、前記プライマーによって増幅される分節の中に含まれる。
SQT1 5’AGGAACAGACGCTGCCTTTTGGC
(配列番号:11)
SQT2 5’AGGAACAGACGCTACCTTTTGGC
(配列番号:12)
SQT3 5’AGGAACAAACGCTACCTTTTGGC
(配列番号:13)
この設計により、G残基は、どのプローブを用いるかに応じて、標的鎖のポジション−1と0、0と+1、または、+1と+2に配される。用いる特定の蛍光ラベルに応じて、蛍光消光または増光が、プローブ−標的二重鎖の解離によって観察されることになる。融解曲線分析を用いることによって、サルモネラ属の中のいくつかの亜種を検出するに際し、高度の選択性と感度が実現される。融解曲線分析は、PCR増幅中に、または、その後に実行してもよい。
【0039】
第V因子Leiden(G1691A)の突然変異の遺伝子型の決定は、下記のような単一ラベルプローブを用いたPCR融解分析によって実行することが可能である。そのプローブとは、
FVP1 5’CTGTATTCCTCGCCTGTC (配列番号:14)
FVP2 5’TGTATTCCTCGCCTGTC  (配列番号:15)
FVP3 5’CTGTATTCCTCGCCTGT  (配列番号:16)
このプローブは、5’末端で(好ましくは3’リン酸を添加して)、または、3’末端のいずれかでラベルが可能である。これらのプローブは、下記のいずれかの配列、または、少なくとも約80%のホモロジーを有するFVT1またはFVT2の変種配列を有する第V因子遺伝子(Genbankアクセス#L32764)の分節にハイブリダイズするように使用される。
FVT1 5’TGGACAGGCGAGGAATACAGGT
(配列番号:17)
(野生型)
FVT2 5’TGGACAGGCAAGGAATACAGGT
(配列番号:18)
(Leiden突然変異)、
プローブの標的に対するハイブリダイゼーションによってG残基は、標的鎖のポジション0と+1、または、+1と+2のいずれかに配される。第V遺伝子の標的配列を含む断片は、下記のようなプライマーによって、すなわち、FVF (5’GAGAGACATCGCCTCTGGGCTA (配列番号:19))およびFVR (5’TGTTATCACACTGGTGCTAA(配列番号:20))で増幅が可能である。第V因子Leiden突然変異(一つのC:Aミスマッチ)は二重鎖が不安定であり、これが融解分析で検出可能なTmの低下を招くことから、正常型とは区別される。
【0040】
ヘモグロビンC(HbC)およびS(HbS)突然変異(Genbank、アクセス#U01317)の遺伝子型分析は、下記のような単一ラベルプローブによるPCR後融解分析によって実現が可能である。すなわち、そのプローブとは、
BGP1 5’CTGACTCCTGTGGAGAAGTCTG
(配列番号:21)
BGP2 5’TGACTCCTGTGGAGAAGTCTG
(配列番号:22)
このプローブは、5’末端(3’リン酸の添加を伴う)、または、3’末端のいずれかでラベルすることが可能である。これらのプローブは、下記の内のいずれか
BGT1 5’CGGCAGACTTCTCCTCAGGAGTCAGGT
(配列番号:23)
(野生型)
BGT2 5’CGGCAGACTTCTCCACAGGAGTCAGGT
(配列番号:24)
(HbS突然変異)
BGT3 5’CGGCAGACTTCTCCTTAGGAGTCAGGT
(配列番号:25)
(HbC突然変異)、
または、80%のホモロジーを有するBGT1、BGT2、または、BGT3の変種配列を有する標的配列とハイブリダイズする。プローブ−標的ハイブリダイゼーションによってG残基は、標的鎖のポジション0と+1、または、+1と+2に配される。前記突然変異を含む断片は、BGF(5’ACACAACTGTGTTCACTAGC(配列番号:26))およびBGR (5’CAACTTCATCCACGTTCACC(配列番号:27))のようなプライマーで増幅が可能である。HbS(完全適合)およびHbC(G:TおよびT:Tの連続ミスマッチ)遺伝子型は、野生型(T:Tミスマッチ)とTmの差に基づいて区別が可能である。
【0041】
メチレンテトラヒドロ葉酸レダクダーゼ(Genebank、アクセス#U09806)の、熱不安定性突然変異の遺伝子型分析は、下記から成るグループから選ばれる単一ラベルプローブを用いた融解分析によって行ってもよい。
MFP1 5’TGCGTGATGATGAAATCGGCTCC
(配列番号:28)
MFP2 5’TGCGTGATGATGAAATCGGCTC
(配列番号:29)
MFP3 5’TGCGTGATGATGAAATCGGCT
(配列番号:30)
このプローブは、5’末端(3’リン酸の添加を伴う)、または、3’末端のいずれかでラベルすることが可能である。これらのプローブは、下記の内のいずれか
MFT1 5’CGGGAGCCGATTTCATCATCACGCAGC
(配列番号:31)
(野生型)
MFT2 5’CGGGAGTCGATTTCATCATCACGCAGC
(配列番号:32)
(突然変異)
または、80%のホモロジーを有するその変種配列を有する標的配列とハイブリダイズする。プローブ対標的ハイブリダイゼーションによってG残基は、5’−ラベルプローブに対してはポジション+1に配され、また、3’−ラベルプローブに対しては、ポジション0と+1、0、+1と+2、または、+1、+2と+3に配される。
メチレンテトラヒドロ葉酸レダクダーゼの断片は、MFF (5’TGAAGGAGAAGGTGTCTGCGGGA(配列番号:33)およびMFR (5’AGGACGGTGCGGTGAGAGTG(配列番号:34)のようなプライマーによって、増幅が可能である。この突然変異は、もっとも安定なG:Tミスマッチをもたらすが、これは、特に増幅後融解分析における、二重鎖の不安定化に基づいて識別が可能である。
【0042】
第II因子(またはプロトロンビンと呼ばれる)G20210A突然変異(Genbankアクセス#M17262およびM33691)の遺伝子型分析は、F2P 5’TCTCAGCAAGCCTCAATGCT(配列番号:35)のような単一ラベルプローブによるPCR後融解分析によって行ってもよい。このプローブは、5’末端(3’リン酸の添加を伴う)、または、3’末端のいずれにラベルしてもよい。これらのプローブは、下記の内のいずれか
F2T1 5’GGGAGCATTGAGGCTCGCTGAGAGT
(配列番号:36)
(野生型)
F2T2 5’GGGAGCATTGAGGCTTGCTGAGAGT
(配列番号:37)
(突然変異)、
または、少なくとも約80%のホモロジーを有するその変種配列を有する標的配列とハイブリダイズする。プローブ−標的ハイブリダイゼーションによってG残基は、プローブが5’−ラベルされている場合はポジション+1に配され、プローブが3’−ラベルされている場合はポジション+1、+2と+3に配される。前記突然変異部位を含む断片は、F2F (5’ATTGATCAGTTTGGAGAGTAGGGG(配列番号:38))およびF2F (5’GAGCTGCCCATGAATAGCACT(配列番号:39))のようなプライマーによって、増幅が可能である。この野生型二重鎖はC:Aミスマッチを有するが、その二重鎖の不安定性に基づいて突然変異と区別することが可能である。
【0043】
ヘモクロマトーシス関連突然変異C187G(Genbank、アクセス#Z92910)の遺伝子型分析は、下記の単一ラベルプローブによる融解分析によって行ってもよい。
HHDP1 5’CACACGCCGACTCTCATCATCATAGAAC
(配列番号:40)
HHDP2 5’ACACGGCGACTCTCATCATCATAGAAC
(配列番号:41)
HHDP3 5’CACACGGCGACTCTCATCATCATAGAA
(配列番号:42)
このプローブは、5’末端(3’リン酸の添加を伴う)、または、3’末端のいずれにラベルしてもよい。これらのプローブは、下記の内のいずれか
HHDT1 5’TGTTCTATGATCATGAGAGTCGCCGTGTGGA                 (配列番号:43)(野生型)
HHDT2 5’TGTTCTATGATGATGAGAGTCGCCGTGTGGA                 (配列番号:44)(突然変異)、
の標的配列、または、少なくとも約80%のホモロジーを有するその変種とハイブリダイズする。プローブ−標的ハイブリダイゼーションによってG残基は、5’−ラベルプローブに対してはポジション0と+1、または、+1と+2に配され、3’−ラベルプローブに対しては、ポジション0または+1に配される。前記突然変異を含む断片は、HHDF (5’CACATGGTTAAGGCCTGTTG(配列番号:45)およびHHDR (5’GATCCCACCCTTTCAGACTC(配列番号:46)のようなプライマーによって、増幅が可能である。この突然変異は野生型と区別が可能である。なぜなら野生型はC:Cミスマッチを持ち、Tmが低いからである。
【0044】
ヘモクロマトーシス関連突然変異G845A(Genebank、アクセス#Z92910)の遺伝子型分析は、下記の単一ラベルプローブによる、PCR後の融解分析によって実行が可能である。
HCYP1 5’CACCTGGCACGTATATCTCTG
(配列番号:47)
HCYP2 5’ACCTGGCACGTATATCTCTG
(配列番号:48)
このプローブは、5’末端(3’リン酸の添加を伴う)、または、3’末端のいずれにラベルしてもよい。これらのプローブは、下記の内のいずれか
HCYT1 5’AGCAGAGATATACGTGCCAGGTGGA
(配列番号:49)(野生型)
HCYT2 5’AGCAGAGATATACGTACCAGGTGGA
(配列番号:50)(突然変異)
の標的配列、または、少なくとも約80%のホモロジーを有するその変種とハイブリダイズする。プローブ−標的ハイブリダイゼーションによってG残基は、5’−ラベルプローブにおいてはポジション0と+1、または、+1と+2に配され、3’−ラベルプローブにおいては、ポジション+1に配される。前記突然変異部位を含む断片は、HCYF (5’TGGCAAGGGTAAACAGATCC(配列番号:51)およびHCYR (5’TACCTCCTCAGGCACTCCTC(配列番号:52)のようなプライマーによって、増幅が可能である。突然変異(C:Aミスマッチ)は、Tmの低いことによって野生型との区別が可能である。
【0045】
嚢胞線維症に関連してよく見られる3塩基対欠失の遺伝子型は、下記から成るグループから選ばれる単一ラベルプローブによって検出が可能である。
CFP1 5’ATAGGAAACACCAAAGATGATATTTTC
(配列番号:53)
CFP2 5’ATAGGAAACACCAAAGATGATATTTT
(配列番号:54)
このプローブは、5’末端(3’リン酸の添加を伴う)、または、3’末端のいずれにラベルしてもよく、下記の内のいずれか
CFT1  5’AGAAAATATCATCTTTGGTGTTTCCTATGA                  (配列番号:55)(野生型)
CFT2  5’AGAAAATATCATTGGTGTTTCCTATGA
(配列番号:56)(欠失突然変異)
または、少なくとも約80%のホモロジーを有するその変種とハイブリダイズする。プローブ−標的ハイブリダイゼーションによってG残基は、5’−ラベルではポジション+1に、3’−ラベルでは、ポジション+1に配される。この突然変異部位(Genbank、アクセス#M55115)を含む断片は、CFF (5’GGAGGCAAGTGAATCCTGAG(配列番号:57))および(5’CCTCTTCTAGTTGGCATGCT(配列番号:58))のようなプライマーによって、増幅が可能である。突然変異により、二重鎖の不安定化、および、対応するTmの低下がもたらされる。
【0046】
前記実施例の全てにおいて、蛍光体は、5’または3’末端のヌクレオチドに与えられ、かつ、標的鎖の0、+1または+2ポジションに少なくとも1個のG残基が配される。蛍光体は、それがG残基に十分にアクセスできる限りにおいて、オリゴヌクレオチドプローブ末端よりも内側のヌクレオチドの上に配されてもよいことを理解しなければならない。例えば、従来技術で既知の、適当なリンカー構造が与えられる限り、蛍光体は、末端よりも一塩基内側にリンクされてもよく、こうしてもポジション+1、0または−1(蛍光体の位置に対して)に配されるG残基によってその蛍光の消光が可能である。他にも、リンカーに、蛍光体のG残基に対するアクセスを可能とするほど十分な弾力性を持たせるような構造があるならば、それは本発明の技術的範囲内にあるものと考えられる。
【0047】
実施例2:3’−ラベルプローブによってモニターされるプローブ−標的解離
表1に示すDNAオリゴヌクレオチドを、従来の脱保護の後、脱塩工程と、セファデックスG−25カラムとC−逆相HPLCによる精製工程を伴った固相でのフォスフォラミダイト化学を用いた標準DNA合成法によって調製した。このプローブオリゴヌクレオチドの3’末端を、フルオレセンCPGカラムサポート(カタログ番号BGX−6190−1, BioGenex Inc.、サンラモン、カリフォルニア州)を用いて、蛍光分子(C環状リンカーを備えた5−カルボキシフルオレセン体)でラベルした。
【0048】
リアルタイム急速PCR熱サイクル装置(LightCycler instrument, Roche Molecular Biochemicals、インディアナポリス、インディアナ州)を用いて、プローブが標的から変性する(すなわち、解離する)際の蛍光発光の変化をモニターした。サンプルの成分は、0.1 μMのプローブオリゴヌクレオチド、0.12または0.24 μMの標的、5 mM MgCl、0.25 mg/mlの牛血清アルブミン(BSA)、および、50 mMのトリスバッファー(あらかじめ調製された結晶、25℃においてpH8.3)であった。先ず、プローブの標的に対するアニーリングを確実なものにするため、サンプルを95℃で変性させ、次に急速に冷却した。次に、温度を、加熱勾配0.2℃/秒で40℃から97℃に変化させながら、蛍光発光強度を測定した。サンプルの励起は470 nmで行った。蛍光出力は、530 nmを中心とする20 nm帯域フィルターを用いて、装置のステップ測定モードにより検出した。セットAとBでは、温度が増加し、プローブの融解温度(Tm)(セットAでは76℃、セットBでは66℃)を通過すると蛍光の増加が観察された(図1)。蛍光の増加の程度は、標的の量が大きいほど大きかった。蛍光変化は、蛍光データの一次導関数を、温度に対してプロットすることによってさらに明らかになった(図2)。セットCでは、蛍光強度は、あったとしても、ごく僅かな変化しか示さなかった。
【0049】
【表1】
Figure 2004506431
【0050】
実施例3:塩基アナログの蛍光シグナルに対する作用
(実施例2)のセットBで記載したプローブ3’末端のG残基を、表2に示す様々の塩基アナログによって置換した。塩基アナログはフォスフォラミダイト(Glen Research、スターリング、ヴァージニア州)として得、DNA合成時にオリゴヌクレオチドの中に取り込ませた。プローブが標的から解離した場合の蛍光強度の変化は実施例2の場合と同様に測定した。プローブが標的にハイブリダイズした場合の蛍光変化は蛍光測定器で測定した。各サンプルは0.1 μMのプローブと、0.12 μMの標的を含んでいた。プローブ−標的のアニーリングの際、蛍光の発光波長にほとんど変化はなかった。塩基アナログ、すなわち、5−ニトロインドールと5−イオド−2’−シチジン・デオキシヌクレオシドを有するサンプルは、プローブ−標的ハイブリダイゼーション時に蛍光増加を示し、プローブが標的から解離した後、蛍光減少を示した。標的鎖においてポジション+1におけるGをTに変えた場合、6−メトキシアミノプリン(これは蛍光変化を生じなかった)を除いては、ハイブリダイゼーション時には蛍光シグナル増加が、プローブ解離時には蛍光消光が、これらの塩基アナログを始め、その他の塩基アナログにも認められた。蛍光変化の方向は、元のG残基の場合の逆であった(表2)。
【0051】
【表2】
Figure 2004506431
【0052】
実施例4:5’ラベルプローブによってモニターされるプローブ標的解離−グアニンの位置と用量効果
表3に示すオリゴヌクレオチド類は、Operon Technologies Inc(アラメダ、カリフォルニア州)から入手した。これらのプローブオリゴヌクレオチドは27ヌクレオチド長であり、チオウレア結合Cアルキル鎖に付着させた5−フルオレセン分子を用いて5’末端でラベルし、3−リン酸により伸張を阻止している。標的ヌクレオチドはプローブに対して相補的であるが、ただし3’末端において4個の余分に突き出したヌクレオチドを有する。プローブ解離時における蛍光強度の変化を観察するため、蛍光の連続モニターを行いながら、プローブ(0.2 μM)と標的(0.4 μM)との相補的ペアを、50 mMトリスpH8.3、3 mM MgCl、および、250 μg/ml BSAの存在下にアニールさせ、0.1℃/秒で90℃に加熱した。プローブ解離による蛍光の変化率(パーセント)は、融解遷移点の上で測定した蛍光の直線的減少を、融解遷移点未満の値に外挿して決定した。その結果、プローブ−標的解離時に著明な蛍光変化が起きるためには、標的鎖のポジション0、+1または+2において少なくとも1個のGが必要であることが明らかになった。蛍光変化量は、G残基が三つの全てのポジションを占めた時に最大となった。ポジション+3はすれすれの所で有効であった。同様の結果から(図示せず)、ポジション+4における1個のGもかろうじて有効であることが明らかになった。ポジション−1は、あったとしてもほとんど有効ではなく、その作用は、ポジション−1から+3まで全くG残基が存在しない場合とほぼ匹敵した(表3)。
【0053】
【表3】
Figure 2004506431
【0054】
実施例5:5’ラベルプローブによってモニターされるプローブ−標的解離:ラベル下の塩基の作用
実施例4で記載したものと同じ中心構築体を有するオリゴヌクレオチドを、その配列に、表4に示すような僅かな変化を加えて調製した。これらのオリゴヌクレオチドを用いて、実施例4の場合と同様に、プローブ−標的解離時における蛍光発光強度の変化を測定した。結果から、標的鎖のポジション0に1個のGが存在すると、プローブ標的解離時に、蛍光の有意な増加が得られることが判明した(セットW)。
ポジション0にC残基があると、蛍光変化は逆方向に起こった。すなわち、C残基は5’がラベルされたG残基による消光に干渉するので、蛍光シグナルは二重鎖の融解時に再び低下した(表4)。しかし、この効果は、−1または+1ポジションにG残基が無い場合にもっとも著明に見られる。
【0055】
【表4】
Figure 2004506431
【0056】
実施例6:5’ラベルしたプローブを用いた蛍光消光による増幅と定量のモニタ
3’末端をリン酸でブロックした5’−フルオレセンラベル27ヌクレオチド長オリゴヌクレオチド・プローブ5’CCAGGAAAACATAGTAAAAAATGGAAT(配列番号:62)を用いて、リポ蛋白リパーゼ遺伝子(Genbank、アクセス#AF050163)由来の断片の増幅を検出した。プローブは、標的鎖がフルオレセンラベルに対してポジション0と+1にG残基を持つように、位置決めした。PCR反応は、それぞれ0.2 mMのdATP, dGTP, dCTP, dTTP、0.1 μMプローブ、3 mM MgCl、KlenTaqポリメラーゼ(AB Peptides、セントルイス、ミズーリ州、0.4U/反応)、50 mMトリス(pH8.3, 25℃)、BSA(500 μg/ml)を用いて行った。プライマーは、5’GAATCGTGGTTTATCAAGTCATTAAAATCA(配列番号:63)(0.25 μM)、および、5’GTGTTGATACTTGAACATTATTTAGCTACAA(配列番号:64)(0.5 μM)であった。スタートの鋳型は、反応当たり10、10、10、10、10、100、10および0コピーの精製PCR産物である。蛍光モニターと共に、急速サイクルPCRを、LightCycler装置を用いて10 μlの容量で行った。増幅は、94℃で変性、50℃でアニーリング、1℃/秒で54℃に遷移、3℃/秒で74℃に遷移、および、74℃で10秒間伸張し、169bpの産物を得た。蛍光は、54℃で、サイクル毎に一度得た。増幅は45サイクルで39分を要した。図3は、背景レベルを越える消光の相対値を、サイクル数に対してプロットした蛍光データを示す。元の蛍光データは、1)逆数(蛍光値の逆数)を取ること、2)関係するサイクルのインターバルをこえて各曲線についてバックグラウンドレベルの比例調整(LightCyclerのソフトウェア)すること、3)各サイクルにおいて各サンプル値から、鋳型不在の場合の対照値を差し引くこと、によって調整した。その結果、本システムでは反応当たり僅か1コピーでも検出可能であり、かつ、鋳型の初期コピー数を安定に定量化することが可能であることが示された。
【0057】
実施例7:3’−ラベルプローブによる増幅、検出、およびサルモネラ菌株の遺伝子型分析
サルモネラ基準株収集体C由来の16種のサルモネラ抗原性亜種を、カナダ、カルガリー大学のサルモネラ遺伝子保存センターより入手した。これらの亜種(疾病予防センターの株番号151−85, 3472−64, 346−86, 409−85, 156−87, 678−94, 2584−68, 287−86, 750−72, 2703−76, 1363−65, 347−78, 2439−64, 5039−68、および、株S6623と、パスツール研究所のE88.374)は、サルモネラの遺伝的に多様な側面を表している。なぜなら、Salmonella entericaおよびSalmonella bongoriiの7種の亜種すべてを代表しているからである。大腸菌基準収集体由来の5種の大腸菌株についてもネガティブ・コントロールとして入手した。これらの細菌をルリア培地で一晩培養し、そのゲノムDNAを鋳型調製キット(Roche Molecular Biochemicals、高純度PCR鋳型調製キット)を用いて精製した。オリゴヌクレオチド・プライマーSQF(配列番号:1)とSQR(配列番号:2)を用いてSpaQ遺伝子を増幅した。プローブSQP1(配列番号:3)、SQP2(配列番号:4)およびSQP3(配列番号:5)は、実施例2で記載したのと同様にして、その3’末端をカルボキシフルオレセンでラベルした。プローブSQP8(配列番号:10)は、実施例4で記載したのと同様に、フルオレセンで5’末端をラベルした。PCR反応を実施例6と同様にして行った。ただし以下を例外条件とした、すなわち、0.5 μMのプライマーSQF、0.25 μMのプライマーSQR、dTTPの代わりに0.6 mMのdUTP、前記プローブの内の一つを0.2 μM、4 mMのMgCl、TaqStart抗体(Clontech、パロアルト、カリフォルニア州、10 ng/反応)の添加、BSA(250 μg/ml)、および、反応当たり各DNA2 ngである。蛍光モニター下で、PCRをLightCycler装置を用いて10 μl容量のサンプルに対して行った。増幅条件は、94℃(0秒、20℃/秒の遷移速度)、55℃(10秒、20℃/秒の遷移速度)、74℃(10秒、2℃/秒の遷移速度)であった。融解曲線分析を、40PCRサイクルの終了時に、0.2℃/秒の昇温速度を用いて行った。16種類のサルモネラ亜種の全てが、融解曲線分析によって検出された。すなわち、曲線分析により相応のTmにおいて融解ピークが得られた(プローブSQP1(配列番号:3)では64℃と54℃;SQP2(配列番号:4)では62℃と52℃;SPQ3(配列番号:5)では61℃と51℃;およびプローブSQP8(配列番号:10)では60℃と50℃)。一方、大腸菌種は全く検出されなかった。サルモネラ亜種IVとVIは、プローブ・アンプリコン二重鎖の融解温度が10℃移動することに基づいて、他の亜種と容易に区別された。
【0058】
実施例8:5’−ラベルしたプローブによる遺伝子型分析
下記の実施例全てにおいて、実施例6で行ったのと同様な蛍光モニターによるPCRを実施した。ただし、各反応サンプルは、0.5 μMの各プライマー、KlenTaqポリメラーゼの代わりに0.4UのTaqポリメラーゼ(Roche Molecular Biochemicals、インディアナポリス、インディアナ州)、および、50 ngの精製ゲノムDNAを含んでいた。温度遷移速度は、20℃/秒となるようにプログラムされ、別様に指示しない限り維持時間は0秒を用いた。融解曲線分析は、95℃に加熱し、40℃で60秒アニーリングし、フルオレセン蛍光を連続測定下における0.1℃/秒80℃加熱による融解することによって行った。ここで示される全ての対立遺伝子について、その特徴的なTm移動を表5にまとめた。この表はまた、単一ラベルプローブは予測的ツールとしての利用が可能であることを示す。
【0059】
第V因子――第V遺伝子Leidenに対して未知の遺伝子型を持つ100個のゲノムDNAサンプルを、地域大学病理学者連合(ARUP、ソールトレーク市、ユタ州)に委託された臨床サンプルから入手した。第V因子遺伝子座を、プライマーFVF(配列番号:19)とFVR(配列番号:20)を用いて増幅し、単一フルオレセン5’−ラベルプローブFVP1(配列番号:14)によって分析した。急速サイクルPCRを、94℃における変性、50℃における10秒間のアニーリング、1℃/秒で72℃への遷移のサイクルを45サイクル実施し、222bpの産物を得た。PCR後、94℃へ加熱、40℃における2分間のアニーリング、フルオレセン蛍光を連続的に測定しながら0.1℃/秒で75℃への遷移を行って自動的に融解曲線分析を実行した。増幅には41分を、融解プロトコールには9分を要した。結果を、供与体−レポーター染料結合による通例のハイブリダイゼーション・プローブ定量法(Lay et al., 1997. Clinical Chemistry 43:2262−2267)による結果と比較した。両方法における一致度は100%であった。特徴的なTm移動により、87個の野生型サンプル、12個のヘテロサンプル、および、1個のホモ突然変異サンプルが特定された(図4)。
【0060】
ベータグロビン――急速サイクルPCR(プライマーBGF(配列番号:26)およびBGR(配列番号:27))を、94℃における変性、50℃における10秒間のアニーリング、1℃/秒での70℃への遷移を35サイクル実施し、110bpの産物を得た。PCR後、95℃へ加熱、40℃における30秒間のアニーリング、フルオレセン蛍光を連続的に測定しながら0.1℃/秒で80℃加熱による融解を行って自動的に融解曲線分析を実行した。増幅には35分を、融解プロトコールには9分を要した。3種全ての対立遺伝子(野生型、HbS、HbC)の遺伝子型が特徴的なTm変位によって同定された。
【0061】
メチレンテトラヒドロ葉酸レダクダーゼ――急速サイクルPCR(プライマーMFF(配列番号:33)およびMFR(配列番号:34))において、94℃における変性、および、60℃における20秒間のアニーリング/伸張というサイクルを40サイクル実施し、198bpの産物を得た。各反応にTaqStart(商標)抗体(88 ng)を加えた。増幅には27分を、融解プロトコールには8分を要した。遺伝子型分析は5’−フルオレセン−ラベルプライマーMFP1(配列番号:28)を用いて行った。野生型、突然変異型の遺伝子型を特徴的なTm変位によって特定した。
【0062】
第II因子(プロトロンビン)――急速サイクルPCR(プライマーF2F(配列番号:38)およびF2R(配列番号:39))において、94℃における変性、58℃における15秒間のアニーリング、および、1℃/秒で72℃への遷移というサイクルを35サイクル実施し、154bpの産物を得た。融解曲線分析を、5’−フルオレセン−ラベルプローブF2P(配列番号:35)を用いて実施した。増幅には29分を、融解プロトコールには8分を要した。突然変異および野生型対立遺伝子を特徴的Tm変位によって区別した。
【0063】
遺伝性ヘモクロマトーシス――急速サイクルPCR(突然変異C187GについてはプライマーHHDF(配列番号:45)およびHHDR(配列番号:46)、および、突然変異G845AについてはプライマーHCYFとHCYF)において、94℃における変性、60℃における10秒間のアニーリング、および、1℃/秒で72℃への遷移というサイクルを35−50サイクル実施した。融解曲線分析を、C187G対立遺伝子については5’−フルオレセン−ラベルプローブHHDP1(配列番号:40)を、G845A対立遺伝子については同様プローブHCYP1(配列番号:47)を用いて実施した。野生型および突然変異対立遺伝子を特徴的なTm変位によって特定した。
【0064】
嚢胞遷移症――急速サイクルPCR(プライマーCFF(配列番号:57)およびCFR(配列番号:58))において、95℃における変性、60℃における20秒間のアニーリングというサイクルを44サイクル実施し、256bpの産物を得た。TaqStart抗体(88 ng)を各反応に加えた。融解分析を5’−フルオレセンラベルプライマーCFP1(配列番号:53)を用いて行った。欠失対立遺伝子を、その特徴的Tm変位により野生型対立遺伝子と区別した。
【0065】
【表5】
Figure 2004506431
【0066】
実施例9:プローブ多重化による突然変異検出
3’−フルオレセンラベルオリゴヌクレオチド・プローブY5’CTTGATGAGGATCCCAAAGACCACCCCCAAGACCAC(F)(配列番号:65)、および、その5’末端をブラックホール消光染料(BH1、BioSearch Technologies, ノバト、カリフォルニア州)でラベルした第二のオリゴヌクレオチドプローブZ5’(F)ACCAGCAGAATGCCAACCA(配列番号:66)を調製した。標的鎖上で、一つのG残基が、フルオレセンラベルに対してポジション0に配された。さらに下記のものを調製した。すなわち、55ヌクレオチド長の、4個の標的オリゴヌクレオチドであって、一つは、両プローブに対して完全に相補的であるもの;2番目はプローブY(配列番号:65)の下部で単一塩基ミスマッチを有するもの;3番目はプローブZ(配列番号:66)の下部で単一塩基ミスマッチを有するもの;4番目は、プローブY(配列番号:65)とプローブZ(配列番号:66)のそれぞれの下部に1個ずつのミスマッチを有するものである。この2個のプローブを同時に標的にハイブリダイズさせ、蛍光モニターによる融解分析を実施例2の場合と同様にして行った。プローブZ(配列番号:66)(消光染料を備える)が鋳型から解離すると(Tm=70℃)蛍光の増加が観察され、フルオレセンラベルプローブY(配列番号:65)が解離すると(Tm=77.5℃)、別の蛍光の増加が続いて起こった。フルオレセンラベルプローブ(図5A)下部における単一塩基ミスマッチ、並びに、消光プローブ(図5B)下部における単一塩基ミスマッチのいずれも、それぞれのミスマッチに特徴的な下方へ向かうTm変位によって検出された。二重ミスマッチ(すなわち、各プローブについて1個のミスマッチ)もはっきりと検出された(図5B)。
【0067】
実施例10:消光プローブと脱消光プローブの比較
フルオレセン、JOR、Cy5、およびLCRed 705の各染料を5’末端に付着させて、オリゴヌクレオチド・プローブ(27ヌクレオチド長)を合成した。また、ポジション0と+1に2個のG残基を有する、38ヌクレオチド長の相補鎖を調製した。プローブをこの相補鎖にハイブリダイズさせ、実施例4に記載されたやり方で、プローブの解離の際の蛍光変化を測定した。ただし、この例では、励起や発光検出に適当なフィルターを使用した。蛍光強度のパーセント変化率は、フルオレセンで28%、JOEで20%であり、いずれもハイブリダイゼーションによって消光を示し、二重鎖解離によって脱消光を示した。また、Cy5で−11%、LCRed 705で−12%であり、この場合はハイブリダイゼーションによって発光増強を、二重鎖解離によって消光を示した。
【0068】
実施例11:仮想ヌクレオチドとしてフルオレセンで内部ラベルされたオリゴヌクレオチド・プローブの消光/発光増強による遺伝子型分析
第V因子Leiden(G1691A)遺伝子座(Genbank、アクセス#L32764)に対する相補的なオリゴヌクレオチドを、Operon(アラメダ、カリフォルニア州)から入手し、それ以上精製せずにそのまま使用した。フルオレセン−ONフォスフォラミダイト(Clontech、パロアルト、カリフォルニア州)を、プローブの変動性塩基に対して相補的なポジションに組み込み、また、このプローブを3’−リン酸で伸張をブロックした(図6)。従って、フルオレセンラベルは、配列CTGTATTCCTFGCCTGTCCAGG−P(配列番号:67)の中に「仮想ヌクレオチド」として組み込まれたことになる。第V因子遺伝子座にハイブリダイズすると、フルオレセンはGまたはA残基のいずれかと向き合うことになる。
フルオレセンモニターを伴うPCRを、急速サイクル、リアルタイムPCR装置(LightCycler, Roche Molecular Biochemicals、インディアナポリス、インディアナ州)を用いて10 μl容量サンプルにて実施した。プローブを、プライマーFVF(配列番号:19)(0.5 μM)とFVR(配列番号:20)(0.25 μM)とともにPCR増幅混合物に加えた。各反応は、0.1 μMのフルオレセンラベルプローブ、各200 μMのdNTP (dATP, dCTP, dGTP, dTTP)、50 mMトリスpH8.3 (25℃)、3 mM MgCl2、500 μg/mlの牛血清アルブミン、0.4 UのTaqポリメラーゼ(Roche Molecular Biochemicals)、TaqStart抗体(88 ng, Clontech)、および、50 ngの精製ゲノムDNAにおいて行われた。
【0069】
既知の遺伝子型を持つゲノムDNAを従来の研究(Lay M.J. and C.T., Wittwer.Clin. Chem., 43:12, 2262−2267, 1997)から得た。急速サイクルPCRにおいて、95℃における変性、50℃における10秒間のアニーリング、および、1℃/秒で72℃への遷移というサイクルを45サイクル実施し、222bpの産物を得た。特に指定しない温度遷移速度は20℃/秒にプログラムし、維持時間は0秒とした。PCR後、フルオレセン蛍光を連続的に測定しながら、95℃へ加熱、40℃における30秒間のアニーリング、0.1℃/秒で75℃加熱による融解を行って自動的に融解曲線分析を実行した。
【0070】
蛍光融解曲線分析では市販のLightCyclerソフトウェアを用いた。ただし温度に関する蛍光の、負の導関数ではなく、正の導関数をY軸にプロットした。導関数の多項推定のために用いる温度間隔は8℃とし、ディジタルフィルターを用いた。
野生型のホモ接合体では、F:G対向、フルオレセン蛍光の消光、および、58.4℃のTmが得られ、一方、第VLeidenのホモ接合体では、F:A対向、蛍光増強および同様のTmが得られた。ヘテロ接合体では、F:GとF:Aの両対向が得られ、蛍光は中間レベルであった。遺伝子型は、他の例の場合と同様、各対立遺伝子の特徴的Tmではなく、蛍光の変化の方向によって決定される。全ての遺伝子型を相互に明瞭に区別することが可能であった。
【0071】
仮想ヌクレオチドの別の使用例としては、配列番号:3のアナログ、すなわち、5’CCAAAAGGNAGCGTCTGTTCC(配列番号:59)によるサルモネラ菌の検出がある。ここにNは蛍光ラベルを含む仮想ヌクレオチドである。この場合ハイブリダイゼーション時に消光が起こり、その際、前記仮想ヌクレオチドは、相補鎖の0ポジションのGに近接設置される。
【0072】
実施例12:G残基に蛍光ラベルを設けたオリゴヌクレオチド・プローブの脱消光による遺伝子型分析
蛍光モニター下におけるPCRを実施例11に記載したやり方で実行した。ただし下記を変更した。すなわち、第V因子遺伝子座を、5’AGAATAAATGTTATCACACTGGTGCTAA(配列番号:68、0.5 μM)と5’GACATCGCCTCTGGGCTA(配列番号:69、0.06 μM)のプライマーを8:1モル比で用いて非対称増幅した。また、各反応液はTaqStart抗体を含まず、200 mMトリスpH8.7(25℃)、および、0.2 μMのフルオレセンラベルプローブ5’GGCAGGAATACAGG(F)(配列番号:70)を含む。ここに下線を引いたGはLeiden突然変異に向き合うものである。
急速サイクルPCRを、始めに95℃で5秒間インキュベートし、その後変性(86℃)、アニーリング(55℃、10秒間)、および、伸張(1℃/秒で55℃から72℃へ遷移)というサイクルを45から60サイクル実施した。これによってヒトDNAサンプルから226bpの産物を得た。PCR後、95℃へ加熱、65℃への冷却、さらに0.25℃/秒で30℃に冷却、および、フルオレセン蛍光を連続的に測定しながら0.05℃/秒で65℃加熱による融解を行って融解曲線分析を実行した。別様に指示しない限り、温度遷移速度は20℃/秒に、維持時間は0にプログラムされた。蛍光融解曲線分析は、市販のLightCyclerソフトウェアを用いて行い、通例に従って、蛍光の、負の一次導関数を温度に対してプロットした。
【0073】
プローブ−標的ハイブリダイゼーションにより蛍光の増加が得られた。野生型のホモ接合体の遺伝子型(G:C適合)ではTmは53℃であり、さらに低い45℃のTmを持つ第V因子Leidenのホモ接合体の遺伝子型(G:Tミスマッチ)とは簡単に区別された。ヘテロ接合体の遺伝子型では、両方のTm値が見られた(図7)。
【0074】
プローブと同方向のプライマーを、対向プライマーよりも少量加えて実行される非対称PCRにおいて最善の結果が得られた。45サイクルを行った場合、1:4のプライマー非対称で最大シグナルが得られた。60サイクルでは1:8比が最適であった。1:8比に比べると、1:16比では脱消光ピーク面積は62%、1:4比では85%、1:2比では37%であった。このプローブシステムでは、プライマー濃度が対称的(等しい)であるとシグナルは得られなかった。
【0075】
実施例13:消光プローブの最適化
プローブ1と標的P(表3)による融解曲線分析を実施例4と同様にして実施した。ただし、バッファーpHと陽イオン濃度を変更した。バッファーpHの作用を、100 mM KCl、10 mMトリス溶液で、HClにより各種pHに調整した溶液で調べた(図8a、黒塗りひし形)。融解曲線データのピーク面積値を比べることによって相対的シグナル強度の比較が可能である。至適pHは7.4−8.0であり、最高シグナルはpH7.6−7.8で得られた。バッファー陽イオン濃度の作用を、様々の濃度のKClを10 mMトリスpH8.3溶液に添加して調べた(図8b、黒塗り丸)。シグナルは、10または20 mMのKCl濃度ではきわめて低くかった。良好なシグナルは50−200 mM KClで観察され、最高結果は約100 mMで得られた。同様の陽イオン作用は、陽イオンを、バッファーの一部として、例えば、トリス+およびトリシン+と共に与えた場合にも(ただしこれらに限定されない)得られた。PCRと適合する100 mMトリスpH7.8を用いると良好なシグナルを得ることができる。
【0076】
実施例14:脱消光プローブの最適化、および、pHによる消光と脱消光の互換性
セットV(表4)のプローブと標的を用いて、ハイブリダイゼーション時に脱消光する(シグナル強度を増す)プローブシステムについてさらに調べた。融解曲線分析を、プローブ・標的混合物を95℃に加熱し0秒間、40℃に冷却15秒間、その後連続モニターしながら0.1℃/秒の勾配で94℃加熱によって行った。
図9はバッファーpHが、シグナル強度とシグナル変化の方向に及ぼす影響を示す。この図では、バッファーは、500 μg/mlのBSAを含む100 mMトリスである。pHが8よりもアルカリになると、プローブはハイブリダイゼーション時に脱消光する。一方、pHが8よりも酸性になると、プローブはハイブリダイゼーション時に消光する。言い換えると、消光または脱消光は必ずしも全てプローブの性質によるものではなく、プローブ/温度結合によるものでもなく、バッファー条件(陽イオン濃度やpH)にも依存する。このことはさらに図8aでも示される(白抜きひし形と白抜き三角)。この図では、蛍光を、それぞれ、10 mMのトリス・バッファーおよび10 mMの2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール・バッファーを用い7.2−9.0および8.7−10.7のpH範囲で、160 mMのKClの存在下に調べた。脱消光シグナルはpH8.0−10.7で得られ、最高結果はpH8.6以上で見られた。pH8.0周辺ではシグナルはほとんど見られず、さらに酸性のpHでは僅かな消光が認められた。2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパノールから成るバッファー液はまた、本用途に有用な基本的バッファー液用としても使用された。
【0077】
図8b(白抜き丸)は陽イオンの脱消光シグナルに対する作用を示す。シグナルは10−20 mM KClではきわめて低いが、50−320 mM KClでは強く、最良の結果は80−160 mM KClで得られた。同様の陽イオン作用が、Li, Na, Cs、テトラメチルアンモニウム+イオンでも、あるいは、陽イオンを、バッファーの一部として、例えば、トリス+およびトリシン+と共に与えた場合にも(ただしこれらに限定されない)得られた。PCRと適合し、かつ、実施例12でも用いた200 mMトリスpH8.7−8.8を用いると良好なシグナルが得られた。グリセロールやテトラペンチルアンモニウム+のような化合物は脱消光シグナルを抑制した。
【0078】
実施例15:融解ピーク面積の、PCRアニーリング温度に関連した、プローブTmに対する依存性
様々のTmを有する単一ラベルプローブを用いて、プローブ・標的融解時に見られる、プローブTm、PCRアニーリング温度、および、蛍光強度変化の間の関係を調べた。前述の実施例と同様、シグナル強度は、融解曲線データから得られるピーク面積比によって評価した。いずれも5’−フルオレセンでラベルされ、3’リン酸末端を有する、下記の6個のプローブを、ヘモクロマトーシスに関連するG845A多形性領域(Genbank、アクセス#Z92910)と相補的となるように設計した。
プローブ−a(21ヌクレオチド長):
プローブHCYP2+1個の3’C残基
プローブ−b(21ヌクレオチド長):
プローブ−aと同じ、ただし4塩基が3’方向に変位
プローブ−c(17ヌクレオチド長):
プローブ−aと同じ、ただし3’末端の4塩基を除去・平滑化
プローブ−d(17ヌクレオチド長):
プローブ−bと同じ、ただし3’末端の4塩基を除去・平滑化
プローブ−e(13ヌクレオチド長):
プローブ−cと同じ、ただし3’末端の4塩基を除去・平滑化
プローブ−f(13ヌクレオチド長):
プローブ−dと同じ、ただし3’末端の4塩基を除去・平滑化
非対称増幅を、0.0625 μMのプライマーHCYRと、0.5 μMのプライマー5’GGCTGGATAACCTTGGCTGTA(配列番号:71)により、実施例8の反応混合液をTaqStart抗体(88 ng)と併用して実行した。94℃0秒、60℃10秒、および、5℃/秒で72℃へ加熱するPCRサイクルを50サイクル実施し、次に、最終的に94℃へ加熱、35℃へ冷却10秒間保持、および、連続蛍光測定をしながら勾配0.1℃/秒で80℃への加熱を行った。各融解曲線導関数についてピーク面積を求め、同じプローブで、PCR無しの合成鋳型から得たピーク面積によって正規化した。プローブ−cのピーク面積を100とした時の、プローブ−aとプローブ−bの相対的ピーク面積を求めた。プローブ−dのピーク面積を100とした時のプローブ−bとプローブ−fの相対的ピーク面積比を求めた。ピーク面積値を、プローブのTmに対してプロットした(図10)。最大ハイブリダイゼーションシグナルは、プローブTmがPCRアニーリング温度よりも約5℃下回る時に観察された。サイクル毎に蛍光をモニターする必要のない実施態様では、プローブTmが、PCRのアニーリング温度よりも0−10℃、もっとも好ましくは約5℃低くなるようにプローブ長を調節するのが好ましい。多くの場合プライマーTmはPCRのアニーリング温度付近にあるから、至適プローブTmもプライマーTmよりも約5℃低くなる。
【0079】
プローブがアニーリング温度よりも高いTmを持つ場合に見られるシグナル強度の減少は、PCR中のプローブの加水分解か、プローブによるポリメラーゼ伸張の阻止によるPCR効率の低下のいずれかによるものと考えられる。至適Tmよりも低いTmを持つプローブに観察されるシグナル強度の減少は、冷却時産物鎖がアニールすることによりプローブのための結合部位が少なくなるためか、または、一本鎖の中に二次構造の形成されるためと考えられる。
【0080】
これまで好ましい実施態様を参照しながら本発明を詳細に説明してきたけれども、前記請求項に記述され定義される本発明の精神と技術的範囲内においてなお数々の変種および修正が存在することを理解しなければならない。
【配列表】
Figure 2004506431
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<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 32
cgggagtcga tttcatcatc acgcagc                     27
<210> 33
<211> 23
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 33
tgaaggagaa ggtgtctgcg gga                       23
<210> 34
<211> 20
Figure 2004506431
Figure 2004506431
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【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、表1に示す3組のプローブと標的における蛍光測定データを示す。セットA(実線)、セットB(点線)、セットC(一点鎖線)。
【図2】図2は、図1に示したデータのdF/dTプロットであり、融解曲線を融解ピークに変換したものである。
【図3】図3は、サイクル数対蛍光消光相対値のプロット図である。
【図4】図4AとBは、第V因子遺伝子に対する融解曲線データのプロット図である。図4Aは蛍光対温度を示し、図4Bは一次導関数dF/dT対温度を示す。
【図5】図5AとBは、多重プローブによる突然変異分析における融解曲線を示す。図5Aは、両プローブ共ミスマッチ無し、対、フルオレセン・プローブ存在下でミスマッチの場合を示し、図5Bは、両プローブ共ミスマッチ無し、対、消光プローブ存在下におけるミスマッチ、または、両プローブ存在下におけるミスマッチの場合を示す。
【図6】図6は、内部ラベルされたフルオレセン・プローブによる、第VLeiden(G1691A)の、斉一リアルタイム遺伝子型分析の結果を示す。この図では融解曲線を、蛍光の一次導関数プロットとして表す。野生型ホモ接合(実線)、突然変異ホモ接合(鎖線)、ヘテロ遺伝子型(点線)の曲線が示されている。
【図7】図7は、フルオレセン脱消光プローブによる、第V因子Leiden遺伝子型分析を示す。野性型ホモ接合、突然変異ホモ接合、ヘテロ遺伝子型、および、ネガティブ・コントロールに関する融解曲線が、負の一次導関数として表されている。
【図8】図8aと8bは、融解曲線から得られたピーク面積、対、バッファーpH(図8a)、または、バッファーの陽イオン濃度(8b)のプロット図である。消光プローブによるデータ(黒塗り印)と、脱消光プローブによるデータ(白抜き印)はそれぞれ下記のバッファー条件下に得られたものである。10 mMトリスと100−160 mM KCl(四角)、10 mMトリスpH8.3−8.8(丸)、および、10 mM 2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、160 mM KCl(三角)。
【図9】図9は脱消光プローブにおける融解曲線データのプロット図であり、蛍光変化のレベルと方向がバッファーのpHによって影響されることを示す。バッファーのpH7.2、pH7.7、pH8.2、pH8.8における曲線が示されている。
【図10】図10は、融解ピーク面積対プローブTmのプロット図である。

Claims (30)

  1. 標的核酸を分析するための蛍光プローブシステムであって、
    前記核酸の座位に対してほぼ相補的な配列、および、塩基アナログである末端ヌクレオチドに付着する蛍光ラベルを含む単一ラベルポリヌクレオチドから事実上成る標的核酸を分析し、
    前記単一ラベルポリヌクレオチドの前記核酸の座位へのハイブリダイゼーション時に、前記蛍光ラベルは、標的核酸の一残基の近くに配され、その結果、蛍光ラベルの蛍光強度の増加がもたらされることを特徴とする蛍光プローブシステム。
  2. 前記塩基アナログは、5−ニトロインドール、4−ニトロインドール、6−ニトロインドール、3−ニトロピロール、5−イオド−シチジン、イノシン、および、ヌブラリン・デオキシヌクレオシド類から成るグループから選ばれることを特徴とする請求項1のプローブシステム。
  3. 前記標的核酸は、一つの相補的位置にC残基を有することを特徴とする請求項1のプローブシステム。
  4. 標的核酸を分析するためのプローブであって、
    前記標的核酸の座位に対してほぼ相補的な配列を有する単一ラベルオリゴヌクレオチド、および、前記オリゴヌクレオチドの塩基アナログである内部残基に結合する蛍光ラベルから事実上成る蛍光検出体を含み、
    前記プローブのオリゴヌクレオチド配列は、該プローブの前記標的核酸の座位へのハイブリダイゼーション時に、前記蛍光ラベルからの蛍光発光量が、該プローブの該標的核酸に対するハイブリダイゼーションによって変化するように選択されることを特徴とするプローブ。
  5. 生物サンプルにおける標的核酸の有無を確定するための方法であって、
    単一ラベルオリゴヌクレオチド・プローブをサンプルと混合する工程であって、
    前記プローブは、前記標的核酸の座位とほぼ相補的なオリゴヌクレオチド配列と、前記オリゴヌクレオチド配列のG残基と結合する蛍光ラベルとを有し、
    前記蛍光ラベルはハイブリダイゼーション依存性蛍光発光を呈するものであって、その蛍光発光においては、前記オリゴヌクレオチド・プローブが前記標的核酸とハイブリダイズすると、蛍光ラベルとG残基との相互作用を変化させ、それによってラベルからの蛍光発光が増加することになることを特徴とする工程と;
    生物サンプルを照射する工程と;
    ハイブリダイゼーション依存性蛍光発光をサンプル温度の関数としてモニターする工程と;
    を含む方法。
  6. 前記G残基が前記オリゴヌクレオチド配列の末端残基を含むことを特徴とする請求項5の方法。
  7. 前記標的核酸の座位が、前記G残基に対する相補位置にC残基を有することを特徴とする請求項6の方法。
  8. 前記オリゴヌクレオチド配列の前記標的核酸に対するハイブリダイゼーションによって、突き出し部が前記標的核酸の前記C残基に隣接して形成されることを特徴とする請求項7の方法。
  9. ポジション−1、+1および+2にG以外の残基が配されることを特徴とする請求項8の方法。
  10. 前記標的核酸のポジション−1と+1にグアニン残基が存在しないことを特徴とする請求項6の方法。
  11. 前記プローブとサンプルは、pH>8.0の液の中で混合されることを特徴とする請求項5の方法。
  12. 前記溶液は、約200 mMのトリス濃度を有することを特徴とする請求項11の方法。
  13. 前記蛍光ラベルは、フルオレセン、フルオレセン誘導体、および、フルオレセン−シアニン接合体から成るグループから選ばれ、かつ、陽イオン濃度が約50−200 mMであることを特徴とする請求項11の方法。
  14. 前記溶液は、トリス+、トリシン+、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、および、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロペンジオールから成るグループから選ばれるバッファーをさらに含むことを特徴とする、請求項11の方法。
  15. 前記ハイブリダイゼーション依存性蛍光発光が非対称PCR実行時においてモニターされていることを特徴とする、請求項5の方法。
  16. 約45PCRサイクルが実行され、かつ、一対のPCRプライマーが1:4比で与えられることを特徴とする、請求項15の方法。
  17. 約60PCRサイクルが実行され、かつ、一対のPCRプライマーが1:8比で与えられることを特徴とする、請求項15の方法。
  18. 生物サンプルにおける標的核酸の有無を確定するための方法であって、
    前記生物サンプルを、前記標的核酸の選択された分節を増幅するように構成される一対のプライマー、および、単一ラベルオリゴヌクレオチド・プローブから事実上成る蛍光検出体と混合する工程であって、
    前記単一ラベルプローブは、前記標的核酸の選択された分節の座位に対して相補的な配列と、ハイブリダイゼーション依存性発光を示す付着した蛍光ラベルとを有するオリゴヌクレオチドを含み、従ってプローブが前記座位にハイブリダイズすると、蛍光ラベルの蛍光発光を増加させることになる工程と;
    ポリメラーゼを添加し、複数の増幅サイクルを通じて前記核酸配列の前記選択された分節を増幅する工程と;
    前記生物サンプルを照射する工程と;
    前記ハイブリダイゼーション依存性蛍光発光をモニターする工程と;
    を含むことを特徴とする方法。
  19. 前記プローブが前記標的核酸から解離する際に、−dF/dT最大値を確定する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項18の方法。
  20. 前記蛍光ラベルが、前記オリゴヌクレオチド・プローブの塩基と結合し、かつ、前記塩基が、4−ニトロインドール、5−ニトロインドール、6−ニトロインドール、および、3−ニトロピロール・デオキシヌクレオシド類から成るグループから選ばれることを特徴とする、請求項18の方法。
  21. 前記蛍光ラベルが、前記オリゴヌクレトチド・プローブの塩基と結合し、かつ、前記塩基が、イノシン、5−イオド−シチジン、および、ネブラリン・デオキシヌクレオシド類から成るグループから選ばれる請求項18の方法であって、
    グアニン以外の残基が、標的核酸上においてラベル位置に対してポジション+1に配されることを特徴とする方法。
  22. 前記蛍光ラベルはグアニン残基に付着し、かつ、前記モニター工程は、前記プローブが前記標的核酸にハイブリダイズする際に生じる、蛍光ラベルからの蛍光発光の増加をモニターすることを含むことを特徴とする、請求項18の方法。
  23. 前記蛍光ラベルが、シアニン染料およびLCRed 705から成るグループから選ばれることを特徴とする、請求項18の方法。
  24. 前記蛍光検出体が表面に固定化されており、前記混合工程が、サンプルを前記表面に接触させることを含むことを特徴とする、請求項18の方法。
  25. 請求項18の方法であって、
    第2の単一ラベルオリゴヌクレオチド・プローブから事実上成る第2の蛍光検出体を提供する工程であって、
    前記第2の単一ラベルオリゴヌクレオチド・プローブは、前記標的核酸の第2の選択された分節に対してほぼ相補的であり、かつ、その配列の末端に結合される第2の蛍光ラベルを有する第2のオリゴヌクレオチド配列を含み、
    第2の蛍光ラベルは、第1のプローブの蛍光発光とは異なる波長の、ハイブリダイゼーション依存性蛍光発光を呈し、第2のオリゴヌクレオチド・プローブの第2選択分節に対するハイブリダイゼーションは、第2のラベルからの蛍光発光に変化をもたらし、かつ、この蛍光シグナル変化は、第1の蛍光検出体の蛍光発光とは独立している工程と;
    第2のプローブの前記ハイブリダイゼーション依存性蛍光発光をモニターする工程と;
    をさらに含むことを特徴とする方法。
  26. 生物サンプルにおける標的核酸の有無を確定するための方法であって、
    前記生物サンプルを、単一ラベルオリゴヌクレオチド・プローブから事実上成る蛍光検出体と混合する工程であって、
    前記単一ラベルプローブは、前記標的核酸の一つの座位に対して相補的な配列と、その5’末端ヌクレオチドに付着し、かつ、ハイブリダイゼーション依存性発光を示す蛍光ラベルとを有するオリゴヌクレオチドを含み、前記プローブの前記座位に対するハイブリダイゼーションは前記蛍光ラベルからの蛍光発光を増加させる工程と;
    前記生物サンプルとプローブを、第2のオリゴヌクレオチドとポリメラーゼと混合する工程であって、
    プローブと第2のオリゴヌクレオチドは増幅において一対のプライマーとして作動する工程と;
    前記標的核酸を増幅する工程と;
    前記生物サンプルを照明する工程と;
    ハイブリダイゼーション依存性蛍光発光をモニターする工程と;
    を含むことを特徴とする方法。
  27. 前記5’末端ヌクレオチドはAまたはT残基であることを特徴とする請求項26の方法。
  28. 核酸配列を含む生物サンプル分析用キットであって、
    a.オリゴヌクレオチドの末端ヌクレオチドに蛍光ラベルを結合させた単一ラベルオリゴヌクレオチド・プローブから事実上成る蛍光検出体であって、
    前記末端ヌクレオチドは塩基アナログであり、前記プローブは、前記分節の一本鎖座位にハイブリダイズすると、プローブの座位に対するハイブリダイゼーションによって蛍光ラベルからの蛍光発光量が増加するように構成されている蛍光検出体と、
    b.前記核酸配列増幅用成分と、
    を含むキット。
  29. 前記成分は、前記核酸配列の一分節を増幅するように構成される一対のオリゴヌクレオチド・ペア、および、熱安定性DNAポリメラーゼを含むことを特徴とする、請求項28のキット。
  30. 請求項29のキットであって、
    第2の一本鎖の座位を含む、前記核酸配列の第2の分節を増幅するように構成される第2のプライマー・ペアと;
    第2の蛍光ラベルに結合する第2のオリゴヌクレオチドを有する第2の単一ラベルオリゴヌクレオチド・プローブから事実上成る第2の蛍光検出体であって、
    前記第2のプローブは、前記第2の座位にハイブリダイズすると、この第2のプローブの標的核酸に対するハイブリダイゼーションによって第2の蛍光ラベルからの蛍光発光量が増加または減少するように構成されていることを特徴とする第2の蛍光検出体と;
    をさらに含むキット。
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