JP2004508227A - 有価文書 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、彫刻凹版印刷によって印刷された画像を備えたデータ担体および彫刻凹版印刷方法、ならびに該彫刻凹版印刷方法を実行するための印刷版および該印刷版の作成方法に関するものである。
【0002】
彫刻凹版印刷に関しては、印刷版の印刷(すなわちインキ転写)領域が、印刷版の表面における窪みとして存在する。これら窪みは、適当な彫刻工具またはエッチングによって作成される。実際の印刷作業に先立って、彫込みがされた印刷版上にインキが施されるが、インキが上記窪み内にのみ残存するように、ストリッピングドクターブレードまたはワイピングシリンダを用いて、印刷版の表面から余剰のインキが取り除かれる。次に、通常は紙であるサブストレートが印刷版上に押し付けられてから取り外されると、インキがサブストレートの表面に付着して、そこに印刷された画像を形成する。もし透明なインキが用いられたとすると、インキ層の厚さが色調を決定する。高い押圧力がサブストレート材料に加えられると、このサブストレートの裏面にも浮出し模様が付随して現れる。
【0003】
凹版印刷技術は、輪転グラビア印刷と彫刻凹版印刷とに区別される。輪転グラビア印刷において印刷版は、例えば電子ビーム、またはレーザービーム、または彫刻機によって作成される。輪転グラビア印刷に関しては、印刷された画像のグレーレベルまたは色価の差異が、印刷版に規則正しく配置された、密度、サイズおよび/または深さの異なる多数のセルによって生み出されることに特徴がある。
【0004】
これに対して、彫刻凹版印刷においては、多数の直線状の窪みが印刷版に形成されて画像を形成する。彫刻凹版印刷のための機械的に製作される印刷版においては、通常先細の彫刻工具が用いられるために、より幅広い線は彫込み深さがより深くなる。さらに、彫り込まれた線のインキ受容量、したがって印刷された線の不透明度は、彫込み深さの増大に伴って増大する。彫刻凹版印刷版のエッチングにおいては、版の非印刷領域が化学的に不活性なラッカーでカバーされる。次に露出された版表面のエッチングによって、インキを受容するための窪みが形成され、これらの線の深さは、エッチング時間と線の幅とによって左右される。
【0005】
彫刻凹版印刷技術、特に鋼版彫刻凹版印刷技術は、素人でも見分けが容易で、かつ他の通常の印刷法では複製が不可能な、特徴のある印刷された画像を提供する。もし印刷版における彫込みが十分に深ければ、彫刻凹版印刷で印刷されたデータ担体は、浮出し加工およびインキ付けによって、触感によって認知可能なレリーフを形成する印刷された画像が与えられる。したがって、鋼版彫刻凹版印刷は、偽造防止に関する高度な規格を満足する、例えば銀行券、株券、債券、証書、商品券、セキュリティラベル等の特殊なセキュリティ文書および有価文書における印刷データ担体として用いられるのが好ましい。
【0006】
国際公開第97/48555号パンフレットには、機械で複製可能な彫刻凹版印刷版の製作方法が開示されている。原図の線が検知され、かつ各線の表面が測定される。例えば回転彫刻機またはレーザービームのような彫刻工具を用いて、表面の外郭が最初に彫り込まれて、表面がきれいに縁取られる。次にこの表面の縁取られた領域が、同じまたは別の彫刻工具によって削られて、全表面が原図の線に沿って精密に彫り込まれる。彫刻工具の形式および動作に応じて、印刷インキのためのインキトラップとして役立つ粗面の基本模様が、削られた窪みの底面に生成される。
【0007】
従来の方法においては、彫刻凹版印刷によって形成された画像を十分に触知できるようにするために、インキを極めて厚く施すことが必要であった。しかしながら、インキを厚く施すことは、同時にインキの消費量の増大を意味し、生産コストの上昇を招く。さらに、従来技術においては、彫り込まれた領域のすべてをインキで満たすために印刷版に供給されるインキの量を増やして、印刷された画像に触知可能な構造を与えなければならなかった。かくして、ストリッピングドクターブレードまたはワイピングシリンダによって、より多い余剰のインキを印刷版の表面からが取り除かなければならず、これは拭い取られたインキの廃棄処理の問題を発生させる。
【0008】
本発明の課題は、同時にインキを節約しながら、通常の彫刻凹版印刷手法による印刷された画像に比較して印刷された画像の色彩効果を変えることなく、印刷された画像の触知性を保持または改善することにある。
【0009】
この課題は、独立請求項によって解決される。従属請求項の内容はその展開である。
【0010】
本発明の彫刻凹版印刷版は、少なくとも一つの彫り込まれた領域を印刷版表面に備え、上記彫り込まれた領域は、エッジ領域が内側領域よりも深い彫込み深さを有する一つ以上の構造要素を有し、上記エッジ領域および上記内側領域は直接的に隣接し、かつ該内側領域が、印刷版表面よりも低い台地を形成している。本発明の彫刻凹版印刷版に彫り込まれる画像は、上記のような構造要素を複数備えていることが好ましい。
【0011】
印刷された領域のレリーフ構造は、従来技術によって印刷された画像に比較してより複雑なために、エッジ領域と内側領域との間の彫込み深さの差は、本発明によって形成された画像における触知性を増大させる。印刷された領域は、裸の指でなぞったときに触知可能な溝形の断面形状を有する。触知可能なエッジ領域から内側領域への頻繁な交代によって、彫刻凹版印刷画像特有の触知印象が強められる。もし彫り込まれた領域が対応する寸法を有するとすると、印刷された画像における隆起と窪みとの移り変わりが明瞭に触知することができ、異なるエッジ領域および内側領域を個々に識別することが可能になる。
【0012】
それに加えて、触知を確実にするのに十分なインキは、エッジ領域のみに転写されることを必要とするために、印刷された画像の触知性は維持または向上するにも拘わらず、インキは節約される。内側領域においては、所望の色調を得るのに十分なインキさえ転写されればよい。したがって、内側領域は、エッジ領域よりも浅く印刷版に彫り込まれなければならず、これによって、彫込み領域のインキ受容量が明らかに低減する。それに加えて、特に深く彫りこまれた大面積の領域にインキが満たされた場合に生じる、印刷作業中における彫り込まれた領域からのインキのはね出し、または彫り込まれた領域からの印刷されるサブストレートの表面へのインキの不完全な転写のような印刷トラブルを回避することができる。
【0013】
上記印刷版におけるエッジ領域の断面形状はいかなる形状でもよいが、楔形または台形が目的に適っている。エッジ領域が階段形状を有するようにする、すなわちエッジ領域自体が種々の彫込み深さを有するようにすることも可能である。印刷された画像に複数の構造要素がある場合、エッジ領域が互いに同じ形状であっても、個々に異なる形状であってもよい。例えば、一つの構造要素のエッジ領域は楔形に彫り込まれ、他の構造要素は台形に彫り込まれることも可能である。
【0014】
楔形および台形の寸法には制限はない、すなわち縦横比および角度は専門家により自由に選択される。
【0015】
内側領域は、印刷版の表面よりも低くなっており、台地のような断面形状に、すなわち、内側領域の表面が印刷版の表面に平行であることが好ましい形状に形成されている。内側領域が印刷版の表面に対して傾斜した形状を有することも勿論可能である。
【0016】
内側領域の表面には、印刷インキのためのインキトラップとして役立つ粗面の基本模様を設けることができる。これは、内側領域の寸法が長さも幅も約100μmであるときに都合がよい。粗面の基本模様は、底面の長さおよび幅が少なくとも100μmの台形または四角形のエッジ領域にも設けることができる。粗面の基本模様は、例えば国際公開第97/48555号パンフレットに記載された方法によって、印刷版の彫込み時に削り取られた表面に形成される。
【0017】
エッジ領域と内側領域とは直接当接し、すなわち直接的に隣接して、印刷版の表面と同一高さの堤によって隔てられてはいない。後の印刷された画像においては、エッジ領域と内側領域とが、印刷されていない領域によって隔てられてはいない。
【0018】
構造要素のエッジ領域および内側領域の彫込み深さと幅は、後の印刷された画像における対応する印刷された構造要素が所望の幅とインキ層の厚さと色調とを生じるように専門家によって選択される。
【0019】
もし市販の彫刻凹版印刷用インキが使われた場合には、エッジ領域の彫込み深さは約60μmから150μmの範囲内であり、内側領域の彫込み深さは約10μmから120μmの範囲内である。
【0020】
エッジ領域の彫込み深さは約100μmから150μmの範囲内が好ましく、内側領域の彫込み深さは60μmから100μmの範囲内が好ましい。かかる彫込み深さにおいては、インキがすでに不透明で、もはや透明効果を有しないインキ層の厚さが、市販の彫刻凹版印刷用インキを用いて印刷された画像中に得られ、すなわち、深く彫り込まれた印刷版によって生成される印刷された画像は単一色調を有する。隠して生成された印刷された画像は、表面全体に亘って単一色調を有し、色のコントラストがないにも拘わらず、触感によって検知可能である。
【0021】
彫込み深さが約60μm未満であると、印刷された画像においてインキは透明性を有する。このような彫込み深さにおいてはもはや不透明ではなく、すなわち、印刷された画像中の色調はインキ層の厚さに左右される。もしこのような彫込み深さが選択されると、印刷された画像は、触感によって検知可能で、かつ内側領域に対してカラーコントラストを有するエッジを備えた印刷された画像を設けることができる。さらに、不透明なエッジ領域を透明な内側領域に組み合わせることもできる。
【0022】
もし内側領域が、印刷版の表面に平行な台地としてではなく、傾斜面として構成されている場合には、透明なインキを用いて内側領域に、明から暗への色の移行を生成させることができる。
【0023】
さらに、エッジ領域の彫込み深さは、例えば彫込み線に沿って連続的または段階的に増減させることができる。もし印刷された画像中に本発明による複数の構造要素が設けられている場合、エッジ領域および内側領域は同一または互いに異なる彫込み深さを有することができる。
【0024】
エッジ領域および内側領域における彫込み深さの変化だけで、印刷された画像における組合せの可能性およびデザインの大きな変化を生成させることができる。
【0025】
エッジ領域および内側領域の彫込み幅は主として所望の印刷される画像によって決定される。エッジ領域の彫込み幅は120μmから500μmの範囲内である。内側領域の彫込み幅は、構造要素の彫込み幅と、エッジ領域の彫込み幅と、内側領域の彫込み深さとからなる構造要素の彫込みによって必然的に決定される。
【0026】
上記構造要素は、いかなる寸法の要素、例えば種々の幅の線、好ましくは3mm以上の幅を有する線、または、例えば円形、三角形、四角形または非対称な外形を有する構造、絵記号、文字またはその他の記号、特に英数字等を伴ういかなる要素をも表すことができる。また複数の構造要素を、数および形式に関係なく組み合わせることもできる。勿論、本発明により印刷された線および/または要素を、例えば通常の彫刻凹版印刷、オフセット印刷のような他の印刷法によって形成された線および/または要素と組み合わせることもできる。
【0027】
本発明による彫刻凹版印刷版は、高速回転の先細の彫刻工具を用いた彫込みによって作成されることが好ましい。印刷されるべき表面の外形形状にしたがって、彫刻工具によって印刷版の表面に種々の選択された彫込み深さをもった窪みが形成され、かつ印刷作業のためにインキが満たされる。印刷時に印刷版の窪みからインキがサブストレートの表面に転写される。印刷版の処理されていない、すなわち彫られていない表面からはインキが転写されない。
【0028】
上述した方法によってデータ担体が印刷されると、本発明による印刷版の上述した窪みの形状に応じてデザインされた印刷画像がデータ担体上に出現する。この本発明によるデータ担体は、彫刻凹版印刷により形成され、かつエッジ領域と内側領域とにおいて厚さが異なるインキ層を備えた少なくとも一つの構造要素によって特徴づけられる。エッジ領域および内側領域は直接的に隣接しており、エッジ領域は、内側領域よりも厚いインキ層を備え、内側領域はエッジ領域よりも低い台地として形成される。印刷された画像におけるインキ層領域の幅およびインキ層の厚さのような寸法は、本発明による印刷版の上述した彫込み深さおよび幅の値と、印刷に用いられたインキとに応じて決定される。しかしながら、エッジ領域と内側領域との間の移行部分および印刷された画像におけるエッジおよびコーナーは、彫込まれた印刷版におけるように完璧に正確に範囲を決めることはできない。エッジ領域と内側領域との間の移行部分および印刷された画像におけるエッジおよびコーナーは、使用されたインキの組成および粘度に応じて、かつ印刷版の彫込み深さに応じて多少流動的である。
【0029】
上述したように、印刷された領域のレリーフ構造は、従来技術によって印刷された画像に比較してずっと複雑なために、エッジ領域と内側領域との間のインキの厚さの差により、印刷された画像における本発明により形成された構造要素の触知性が高められる。印刷された領域の溝状の輪郭を有する断面形状は、裸の指でなぞったときの触感でよりよく認知できる。もし彫り込まれた領域が対応する寸法を有するとすると、触知可能なエッジ領域から内側領域への頻繁な交代によって、印刷された画像における隆起と窪みとの移り変わりが明瞭に触知することができ、異なるエッジ領域および内側領域を個々に識別することが可能になる。
【0030】
それに加えて、内側領域はエッジ領域よりもインキが少ないので、印刷された画像の触知性は同じかまたは向上するにも拘わらず、インキが節約される。
【0031】
エッジ領域および内側領域のインキ層の厚さの選択により、通常の彫刻凹版印刷用のインキによって、不透明にも、或る程度透明にも、半透明にも印刷することができる。適切な層厚さおよび背景色の目的に適った選択により、種々の明るさの色彩および色飽和が得られる。もしインキ層の厚さが十分に異なっていれば、なんら補助手段を用いることなく人間の目で直ちに視ることができるコントラストが得られる。これは通常の照明条件および通常の観察距離を前提条件とする。
【0032】
本発明による印刷において、もし不透明なインキが用いられたとすると、印刷された画像は、インキの濃さに関係なく表面全体に亘って同一の色調を有し、かつ色のコントラストはないが触感で認知できるエッジを有する。
【0033】
本発明による印刷において、もし透明なインキが用いられたとすると、印刷された画像における色調はインキ層の厚さに左右される。したがって、印刷された画像は、インキ層の厚さに従って、内側領域に対しカラーコントラストを有する触知可能なエッジ、または透明な内側領域と組み合わされた不透明なエッジを備えることができる。
【0034】
デザインの変化の可能性に関する印刷版の彫込みについての説明は、内側領域およびエッジ領域のインキ層にそのままあてはまる。
【0035】
紙、プラスチックフォイル、プラスチックフォイルを積層した紙、ワニスを塗った紙、および多層複合材料のような、彫刻凹版印刷に使用することができるすべてのサブストレートが本発明の印刷方法に適している。特に本発明の方法は、セキュリティ文書および有価文書、例えば銀行券、株券、債券、証書、商品券、セキュリティラベル等のような、偽造防止に関して高度の規格を満足させなければならないデータ担体の印刷に適している。本発明のさらなる実施の形態および利点を、以下に図面を参照して説明する。図に示されたプロポーションは、必ずしも実際の関係を示すものではなく、特に明瞭性の改善に資するものである。
【0036】
図1は、インキを受容するための幅aを有する彫込み3を表面2に備えた本発明の印刷版1の詳細を示す断面図である。幅aは約3mmまで、またはそれ以上とすることができる。この彫込みは、2個のエッジ領域4,5と内側領域6とからなり、エッジ領域は内側領域に直接的に隣接している。内側領域の表面には、インキトラップ7としての粗面の基本模様がさらに形成されている。エッジ領域5は楔形で、エッジ領域4は台形である。楔形の変形においては、底面の幅dは0μm、または彫込み工具が空間的広がりを有することから約0μmに等しく、10μmに達してもよい。台形またはその他の四辺形においては、dが10μmから500μmまでの範囲である。もし彫込みにおける彫込み工具として球形チップを備えた円錐が用いられた場合は、コーナーおよびエッジが円形に彫られることを考慮すべきである。したがってエッジ領域の形状は、例えば丸い尖端を備えた楔形となる。しかしながら、2個のエッジ領域の代わりに、一方のエッジ領域のみをより深く彫り込むことも可能である。この実施の形態は、例えば自由な形の完結した線、または円のような閉じた形状の境界の一方側に用いるのに都合がよい。同様に、境界は一部領域のみにおいて、より深く彫り込むことができる。エッジ領域は、彫込み深さ、彫込み幅、および側面角度α,βによって特徴づけられ、もし複数のエッジ領域があるとすると、これらは互いに同じまたは異なる彫込み深さ、彫込み幅、および側面角度を有することができる。ここでは、エッジ領域4が、彫込み深さtR、彫込み幅b、および側面角度α,βを有する。同様に、エッジ領域5は、彫込み深さtRおよび側面角度α,βと、彫込み幅cを有する。印刷版の表面に垂直な線に対する側面角度α,βは30度から60度の範囲が好ましく、互いに独立的に選択することができる。エッジ領域が同一形式、すなわち、楔形か台形を有し、同一の彫込み深さ、彫込み幅、および側面角度を有するのが目的に適っている。内側領域は、エッジ領域の彫込み深さtRよりも浅い彫込み深さtIを有する。内側領域の彫込み幅eは、彫込み幅aと、エッジ領域の寸法と、彫込み深さtIとに左右される。
【0037】
図2は、従来技術による彫込み面9を備えた印刷版8の断面を示す。インキを受容する機能を有しかつインキトラップ11を備えた彫込み10は、本発明のような大小の彫込み深さを有する領域を備えていない。彫込み深さtは、彫り込まれた領域全体に亘って一定である。本発明により形成されたのではないレリーフを備えた表面の触知性は、彫込み深さtと彫込み幅fによって決定される。彫込み深さが一定であると、削られた内側領域の容積に関し本発明による印刷版に比較してインキ受容領域の容積が大きいので、同じ触知性を得るのにより多量のインキを必要とし、しかも不透明インキが用いられた場合、色彩効果は本発明による印刷版と同じである。
【0038】
図3は、データ担体としての銀行券の概略図を示す。銀行券には通常、異なる形式の印刷が施されている。図示の銀行券は、例えば背景模様13はオフセット印刷で施された細線(組紐飾り模様)で、通し番号14は凸版で印刷されている。さらに、印刷された画像15は数字5を表す。印刷された画像15は通常の彫刻凹版印刷によって印刷されている。
【0039】
例えば図1の印刷版で形成された本発明の印刷模様は、ここに具体例として示された銀行券の一部旅域にのみ形成施され、人物像を表す印刷領域16からなる。画題の種々の中間調が、線の間隔および/または幅の変化によって表現されている。人物像中に現れている各線は、本発明により印刷された構造要素に対応する。各構造要素のエッジ領域および内側領域は継ぎ目なく隣接し、エッジ領域が内側領域よりも厚いインキ層を備えた、異なる厚さのインキ層を備えた彫刻凹版印刷によって印刷されている。特に印刷されるべき領域に膨大な数の線要素が用いられる場合、すなわち印刷された画像中の線構造が高密度である場合、本発明によるインキ節約効果が顕著になること明らかである。この人物像においては、例えば毛髪領域17が高い線密度を備えて領域である。さらに、上記毛髪領域17が、画題に基づく人物像における人物表面の約半分を占めており、かつ人物像が銀行券の表面の約半分から三分の一を占めていると仮定すると、数十億枚の銀行券の製造規模において膨大な量のインキ消費量の節減、したがって製造コストの低減となる。
【0040】
図4は、図3の人物像に示された個々の毛髪を印刷するための例えば図1に示されているd=0μmの印刷版を用いて印刷された本発明によるデータ担体の詳細な断面図を示す。印刷作業において、データ担体12は印刷版上に圧接され、これによりデータ担体12は、彫り込まれた領域3を備えた印刷版の表面構造によって浮出し加工が施され、同時に彫り込まれた領域3からのインキ22がデータ担体の上面18に転写される。サブストレートの印刷がされていない表面とインキ領域表面19,20,21とのレベル差は、エッジ領域のインキ層の厚さDRおよび内側領域のインキ層の厚さDIによって定義される。印刷された領域は、内側領域のインキ層よりもエッジ領域のインキ層の方が厚いことによって特徴づけられ、触知可能な印刷模様を残している。この場合、エッジ領域19と21とのインキ層の厚さは同じで楔形の輪郭を有している。しかしながら、エッジ領域19と21とが異なるインキ層の厚さおよび/または異なる輪郭を有する実施の形態も同様に作成可能である。インキ層の厚さに応じてインキは透明または不透明を呈し、その結果、エッジ領域および内側領域は、インキ層が極めて厚い場合には均質の表面に見え、インキ層が薄い場合は、視覚的に領域の識別が可能である。
【0041】
内側領域のインキ層の厚さがエッジ領域のインキ層の厚さに比較して薄いという本発明の実施の形態の利点は、明らかにインキの節減を可能にすることである。しかしながら、エッジ領域のインキ層の厚さが内側領域に比較して厚いことによって、印刷された画像のレリーフのエッジ領域が強調されるので、同時に、印刷された画像の触知性は維持または増大される。インキ節減効果は、不透明インキを用いた実施の形態において特に顕著である。或る程度のインキ層の厚さがあれば、これ以上は色調の印象が変化せず、すなわち、これ以上厚くインキを施しても、印刷された画像は濃くならずに飽和値に達する。均質な色調を得るためには、最大に濃い色調を生じるのに十分な厚さで内側領域を印刷すればよい。これによってインキが節約され、製造コストが相応に低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の印刷版の詳細な断面図
【図2】
従来の印刷版の詳細な断面図
【図3】
銀行券の正面図
【図4】
印刷されたデータ担体の詳細な断面図
【符号の説明】
1 印刷版
2 印刷版の表面
3 彫込み
4,5 エッジ領域
6 内側領域
7 インキトラップ
12 データ担体
Claims (21)
- 少なくとも一つの彫り込まれた領域を表面に備えた、印刷された画像を生成させるための彫刻凹版印刷版であって、
前記彫り込まれた領域は、エッジ領域が内側領域よりも深い彫込み深さを有する一つ以上の構造要素を有し、前記エッジ領域および前記内側領域は直接的に隣接し、かつ該内側領域が、印刷版表面よりも低い台地を形成していることを特徴とする彫刻凹版印刷版。 - 前記エッジ領域が、楔形または台形に形成されていることを特徴とする請求項1記載の彫刻凹版印刷版。
- 前記エッジ領域が、丸い尖端を備えた楔形に形成されていることを特徴とする請求項1記載の彫刻凹版印刷版。
- 前記内側領域の表面に、インキトラップとして役立つ粗面の基本模様が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の彫刻凹版印刷版。
- 前記エッジ領域が、60μmから150μmまで、好ましくは100μmから150μmまでの彫込み深さtRを有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の彫刻凹版印刷版。
- 前記内側領域が、10μmから120μmまで、好ましくは60μmから100μmまでの彫込み深さtIを有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の彫刻凹版印刷版。
- 前記エッジ領域および前記内側領域は、前記印刷された画像内のすべての印刷された領域が裸眼で視たときに同一色調を有するような彫込み深さをそれぞれ有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の彫刻凹版印刷版。
- 前記エッジ領域は、120μmから500μmまでの彫込み幅bと、0μmから500μmまでの底面幅dとを有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の彫刻凹版印刷版。
- 前記構造要素が、文字および/または絵記号の形状に形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の彫刻凹版印刷版。
- 前記構造要素が、線の形状に形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の彫刻凹版印刷版。
- 前記線が、0.1mmから5mmまで、好ましくは0.5mmから3mmまでの幅aを有することを特徴とする請求項10記載の彫刻凹版印刷版。
- 彫刻凹版印刷によって形成された、インキ層を有する少なくとも一つの印刷された画像領域を備えたデータ担体であって、
前記印刷された画像領域は、内側領域におけるインキ層の厚さがもエッジ領域におけるインキ層の厚さよりも厚い一つ以上の印刷された構造要素を有し、かつ前記内側領域における前記インキ層が、前記エッジ領域のインキ層よりも低い台地を形成していることを特徴とするデータ担体。 - 前記エッジ領域と前記内側領域との間における前記インキ層の厚さの差が触感で認知可能であることを特徴とする請求項12記載のデータ担体。
- 前記エッジ領域が、楔形または台形に形成されていることを特徴とする請求項12または13記載のデータ担体。
- 前記エッジ領域と前記内側領域とが同一の色調を有することを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載のデータ担体。
- 前記エッジ領域が前記内側領域よりも濃い色調を有することを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載のデータ担体。
- 前記印刷された構造要素が、文字および/または絵記号の形状に形成されていることを特徴とする請求項12から16のいずれかに記載のデータ担体。
- 前記印刷された構造要素が、線の形状に形成されていることを特徴とする請求項12から16のいずれかに記載のデータ担体。
- 前記線が、0.1mmから5mmまで、好ましくは0.5mmから3mmまでの幅aを有することを特徴とする請求項18記載のデータ担体。
- 彫刻凹版印刷によって表面に印刷するための彫刻凹版印刷版の作成方法であって、
印刷版表面を備えた印刷版を提供し、
彫り込まれた領域が、内側領域よりもエッジ領域の方が深い彫込み深さを有する一つ以上の構造要素を有し、前記エッジ領域および前記内側領域が直接的に隣接し、かつ該内側領域が印刷版表面よりも低い台地を形成するように、彫込み工具を用いて前記印刷版表面に少なくとも一つの彫り込まれた領域を彫り込むことを特徴とする彫刻凹版印刷版の作成方法。 - 請求項1から11のいずれかにに記載された印刷版を用いて、印刷された画像を印刷するための彫刻凹版印刷方法。
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