JP2005013902A - 浮遊物吸引除去装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】上流側から下流側へゆっくりと流れる下水の水面に浮遊している浮遊物を除去する浮遊物吸引除去装置において、小さな浮遊物を確実に水面から除去することと浮遊物の除去効率を向上させることとを可能にする。
【解決手段】浮遊物20を先端の吸込口24から吸引する吸込管25と、吸込管25内に吸引圧を発生させる送風機26と、吸引した浮遊物20を溜める貯留部27と、貯留部27に溜まった浮遊物20を排出する排出口28と、浮遊物20の上流側から下流側への移動を堰止める堰体29とが設けられ、堰体29は上流側から下流側へ傾斜したガイド面52を有し、吸込口24はガイド面52の最も下流側寄りの部分に面した位置に配置されている。
【選択図】 図2
【解決手段】浮遊物20を先端の吸込口24から吸引する吸込管25と、吸込管25内に吸引圧を発生させる送風機26と、吸引した浮遊物20を溜める貯留部27と、貯留部27に溜まった浮遊物20を排出する排出口28と、浮遊物20の上流側から下流側への移動を堰止める堰体29とが設けられ、堰体29は上流側から下流側へ傾斜したガイド面52を有し、吸込口24はガイド面52の最も下流側寄りの部分に面した位置に配置されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば下水処理場の沈砂池に流入する下水(汚水や雨水)等の水面に浮遊している浮遊物を除去する浮遊物吸引除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、下水処理施設においては、図11に示すように、流入下水W(原水)から沈砂等の沈殿物を除去する設備として沈砂池1が設けられており、沈砂池1の上流側には流入ゲート2が設けられ、下流側には流出ゲート3が設けられている。また、流入ゲート2と流出ゲート3との間には、下水W中の固形物や浮遊物を捕捉する除塵機4が設けられている。この除塵機4は、バータイプのスクリーン5と、スクリーン5で捕捉された固形物や浮遊物をかき取るレーキ装置とで構成されている。
【0003】
これによると、流入ゲート2の開口部6から沈砂池1内に流れ込んだ下水Wは上流側から下流側へ向かってゆっくりした流速で流れる。この際、下水W中の固形物や浮遊物は、除塵機4のスクリーン5で捕捉され、レーキ装置でかき取られて除去される。
【0004】
しかしながら上記の従来形式では、水面に浮遊している直径数ミリ以下のオイルボールや発泡スチロールといった小さな浮遊物を上記除塵機4で除去することは困難であり、沈砂池1の下流側で行われる水処理工程に大きな負荷を与えてしまうといった問題があった。
【0005】
上記問題の対策として、図12に示すように、回収ノズル10を用いて、浮遊物を吸引除去することが考えられる。この回収ノズル10は、吸込口11を有し、フロート12の浮力によって水面14に浮かんでいる。また、回収ノズル10には、真空ポンプやコンプレッサー等で吸引する吸引ホース13が接続されている。
【0006】
これによると、水面14に浮遊している小さな浮遊物は、吸込口11から吸込まれ、吸引ホース13内を通って除去される(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−309571号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来形式では、沈砂池1内に流入した浮遊物は下水Wの流れに伴って水面14を拡散しながら上流側から下流側へ流れるため、多量の浮遊物が、回収ノズル10から吸込まれずに、そのまま下流側へ流れ去ってしまうといった問題があり、浮遊物の除去効率が悪かった。
【0009】
本発明は、小さな浮遊物を確実に水面から除去することができ、浮遊物の除去効率を向上させることが可能な浮遊物吸引除去装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1発明は、上流側から下流側に向けて流れる原水の水面に浮遊している浮遊物を除去する浮遊物吸引除去装置であって、上記浮遊物を先端の吸込口から吸引する吸込管と、吸込管内に吸引圧を発生させる吸引圧発生手段と、吸引した浮遊物を溜める貯留部と、貯留部に溜まった浮遊物を排出する排出部とが設けられ、上記吸込口は、浮遊物の上流側から下流側への移動を堰き止める堰体の上流側に面した位置に設けられているものである。
【0011】
これによると、上流側から下流側へ流れている原水の水面に浮遊している浮遊物は、堰体によって堰き止められるため、堰体の上流側に集められ、吸込口から吸い込まれ、吸込管を経て貯留部に溜められる。このように、浮遊物は、堰体の下流側へ流れ去ることなく、堰体の上流側に集められて吸込口から吸引されるため、小さな浮遊物を確実に水面から除去することができ且つ浮遊物の除去効率が向上する。
【0012】
本第2発明は、堰体は、水面上から水面下に没入するとともに原水の流れ方向に対して横切って配置され、且つ、平面視において上流側から下流側へ傾斜したガイド面を有しており、上記ガイド面の最も下流側の部分に吸込口が配置されているものである。
【0013】
これによると、上流側から下流側へ流れている原水の水面に浮遊している浮遊物は、堰体によって堰き止められ、ガイド面に案内されてガイド面の最も下流側寄りの部分に集められ、吸込口から吸い込まれて除去される。このように、浮遊物は、堰体の下流側へ流れ去ることなく、堰体のガイド面の最も下流側寄りの部分に集められて吸込口から吸引されるため、小さな浮遊物を確実に水面から除去することができ且つ浮遊物の除去効率が向上する。
【0014】
本第3発明は、吸込管の先端部に、水面に浮く浮体が設けられ、水面の上下変動に応じて浮体と共に吸込口が昇降するように構成されているものである。
これによると、水面の上下変動に応じて浮体が昇降するとともに、吸込口が昇降して水面の変動に追随するため、水面から吸込口までの間隔は常にほぼ一定に保たれ、これにより、安定した吸引力が得られる。
【0015】
本第4発明は、堰体は、水面に浮かんだ状態で、水面の上下変動に応じて昇降自在に構成され、吸込管の先端部が堰体に取付けられており、吸込口が堰体と共に昇降自在に構成されているものである。
【0016】
これによると、浮遊物は、堰体の下流側へ流れ去ることなく、堰体の上流側に集められて吸込口から吸引されるため、小さな浮遊物を除去することができ且つ浮遊物の除去効率が向上する。さらに、水面の上下変動に応じて吸込口が堰体と一体に昇降するため、水面が変動しても、水面から吸込口までの間隔はほぼ一定に保たれ、これにより、安定した吸引力が得られる。尚、堰体が浮体の役割も兼ねているため、浮体が不要となり、コストダウンが図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。尚、従来のものと同じ部材については同一の符号を付記して説明を省略する。
【0018】
流入ゲート2と除塵機4との間には、上流側から下流側に向けて流れる下水W(原水の一例)の水面14に浮遊している浮遊物20を除去する浮遊物吸引除去装置21が設けられている。
【0019】
上記浮遊物吸引除去装置21の構成を以下に説明する。
浮遊物吸引除去装置21は、本体部23と、浮遊物20を先端の吸込口24から吸引する吸込管25と、吸込管25内に吸引圧を発生させる送風機26(吸引圧発生手段の一例)と、吸引した浮遊物20を溜める貯留部27と、貯留部27に溜まった浮遊物20を排出する排出口28(排出部の一例)と、浮遊物20の上流側から下流側への移動を堰き止める堰体29とで構成されている。
【0020】
上記本体部23は傾斜した円筒状に形成され、内部には、多孔板32と濾し網33とで構成される円筒状のストレーナー34が設けられている。本体部23の上部には、上部開口部30と、この上部開口部30を閉じる蓋体35とが設けられている。上記蓋体35は、ストレーナー34の二次側空間37に連通する内部空間38を有しており、複数のボルト36によって着脱自在に取付けられている。
【0021】
上記吸込管25は、吸込口24を有する第1の管体25aと、本体部23に接続された第2の管体25bと、これら第1および第2の管体25a,25bを接続する伸縮継手25cとで構成されている。
【0022】
上記吸込口24は下方ほど拡大した円錐状に形成されている。また、上記伸縮継手25cは、蛇腹状に形成され、上下方向に伸縮自在に構成されている。さらに、吸込管25の先端部(すなわち第1の管体25aの下端部)には、水面14に浮く浮体41(フロート)がアーム50を介して複数設けられている。これにより、第1の管体25aには浮体41による浮力が作用し、吸込口24と水面14との上下間には、一定の間隔Sが形成される。尚、上記第2の管体25bには吸込用バルブ40(図1参照)が設けられている。
【0023】
上記送風機26の吸込口は吸気管42を介して蓋体35に接続され、この吸気管42には吸気用バルブ43(図1参照)が設けられている。また、送風機26の吐出口に接続された排気管44には排気用バルブ45が設けられている。
【0024】
また、蓋体35には、逆洗水をストレーナー34の二次側空間37内へ供給する逆洗水供給管46が接続されており、この逆洗水供給管46には逆洗用バルブ47(図1参照)が設けられている。
【0025】
上記貯留部27は、ストレーナー34の下方の空間およびストレーナー34の外周面と本体部23の内周面との間の空間に形成されている。また、上記排出口28は本体部23の下部に形成されており、さらに、本体部23の下部には、排出用バルブ48を介して排出管49が接続されている。
【0026】
上記堰体29は、水面上から水面下に没入するとともに下水Wの流れ方向に対して横切って配置され、且つ、平面視において、幅方向の中央部Aが下流側へ屈曲したV形状に形成されている。これにより、堰体29の上流側に向いた面は上流側から下流側へ傾斜したガイド面52として形成されている。尚、堰体29の幅方向の両端部は沈砂池1の両側壁53に固定されている。また、上記吸込口24は、ガイド面52の最も下流側の部分すなわち上記中央部Aに位置している。
【0027】
尚、図2に示すように、浮遊物吸引除去装置21には、ストレーナー34の上流側(一次側)と下流側(二次側)との差圧を検出する差圧計51が設けられている。
【0028】
以下、上記構成における作用を説明する。
吸込用バルブ40と吸気用バルブ43と排気用バルブ45とを開き、逆洗用バルブ47と排出用バルブ48とを閉じた状態で、送風機26を作動させることにより、吸込管25内の空気が吸引され、吸込管25内に大気圧より低い吸引圧(=負圧)が発生する。
【0029】
また、流入ゲート2の開口部6から沈砂池1内に流れ込んだ下水Wは上流側から下流側へ向かってゆっくりした流速で流れる。この際、下水Wの水面14に浮遊している浮遊物20は、上流側から流れて来て、堰体29によって堰き止められ、ガイド面52に案内されて中央部A(すなわち、ガイド面52の最も下流側の部分)に集められ、上記吸引圧によって吸込口24から吸込管25内に吸込まれる。
【0030】
このようにして吸込まれた浮遊物20は、吸込管25内を通って本体部23内に流れ込み、貯留部27に貯留する。また、ストレーナー34によって浮遊物20が除かれた清浄な空気は、ストレーナー34の二次側空間37から蓋体35の内部空間38を通過し、吸気管42と送風機26と排気管44とを通って沈砂池1内に排気される。
【0031】
上記のように、浮遊物20は、堰体29の下流側へ流れ去ることなく、堰体29の中央部Aに集められて吸込口24から吸込まれるため、直径数ミリ以下のオイルボールや発泡スチロール等の小さな浮遊物20であっても確実に水面14から除去することができ且つ除去効率が向上する。
【0032】
また、水面14が上下変動した場合、水面14の上下変動に応じて浮体41が上下動し、浮体41の上下動に追随して伸縮継手25cが上下に伸縮し、吸込口24が昇降する。このように、水面14の変動に追随して吸込口24が昇降するため、水面14から吸込口24までの間隔が常にほぼ一定の間隔Sに保たれ、これにより、安定した吸引力が得られる。
【0033】
また、貯留部27に貯留する浮遊物20の量が増加し、ストレーナー34の目詰まりが増大して、差圧計51で検出される差圧が一定値を超えた場合、以下のようにして上記ストレーナー34を逆洗するとともに浮遊物20を本体部23内から排出する。
【0034】
すなわち、送風機26を停止し、吸込用バルブ40と吸気用バルブ43とを閉じ、逆洗用バルブ47と排出用バルブ48とを開く。そして、逆洗水供給管46から逆洗水を勢い良く供給する。これにより、逆洗水は、蓋体35の内部空間38を経てストレーナー34の二次側空間37から一次側へ流れた後、排出口28から排出され、排出用バルブ48と排出管49とを流れて浮遊物集積場(図示せず)へ送られる。この際、ストレーナー34に付着していたり貯留部27に貯留されていた浮遊物20は、上記逆洗水と共に、排出口28から排出され、排出用バルブ48と排出管49とを流れて浮遊物集積場(図示せず)へ送られる。これにより、ストレーナー34が逆洗されて洗浄され、本体部23内の浮遊物20が排出される。
【0035】
さらに、ストレーナー34を交換する場合、ボルト36を取外して蓋体35を本体部23から外し、ストレーナー34を上部開口部30から斜め上方へ引き抜いて取り出す。その後、逆の手順で、新しいストレーナー34を本体部23内に装着すればよい。
【0036】
上記第1の実施の形態では、図3に示すように堰体29を平面視においてV形状に形成しているが、第2の実施の形態として、図4に示すように、平面視において、平板状の堰体29を流れ方向に対して傾斜させて設け、堰体29の一側端に対して他側端を下流側に位置させている。これにより、堰体29の上流側に向いた面は上流側から下流側へ傾斜したガイド面52として形成されている。また、上記吸込口24は、ガイド面52の最も下流側の部分すなわち堰体29の他側部Bに位置している。
【0037】
これによると、下水Wの水面14に浮遊している浮遊物20は、上流側から流れて来て、堰体29によって堰き止められ、ガイド面52に案内されて他側部B(すなわち、ガイド面52の最も下流側の部分)に集められ、吸引圧によって吸込口24から吸込管25内に吸込まれる。
【0038】
尚、上記第2の実施の形態では、堰体29の一側端に対して他側端を下流側に位置させているが、反対に、他側端に対して一側端を下流側に位置させ、吸込口24を堰体29の一側部に配置してもよい。
【0039】
さらに、第3の実施の形態として、図5に示すように、堰体29は、平面視において、幅方向の中央部Aが上流側へ屈曲した逆V形状に形成されている。これにより、堰体29の上流側に向いた面は上流側から下流側へ傾斜したガイド面52として形成されている。また、上記吸込口24は、ガイド面52の最も下流側の部分すなわち堰体29の両側部B,Cの2箇所に配置されている。尚、この場合、2台の浮遊物吸引除去装置21を並設してもよいし、図5の仮想線に示すように、1台の浮遊物吸引除去装置21の吸込管25を途中から2つに分岐してもよい。
【0040】
これによると、浮遊物20は、上流側から流れて来て、堰体29によって堰き止められ、ガイド面52に案内されて両側部B,C(すなわち、ガイド面52の最も下流側の部分)に集められ、吸引圧によって両吸込口24から吸込管25内に吸込まれる。
【0041】
尚、上記第1および第3の実施の形態では、図3,図5に示すように、堰体29は中央部Aが屈曲したV形状又は逆V形状に形成されているが、中央部Aを円弧状に形成してもよい。
【0042】
次に、第4の実施の形態として、図6に示すように、平板状の堰体29を流れ方向に対して直交させて設けてもよい。この際、吸込口24は、堰体29の上流側向きの面に沿った複数箇所(又は1箇所)に配置されている。尚、この場合、複数台の浮遊物吸引除去装置21を並設してもよいし、図6の仮想線に示すように、1台の浮遊物吸引除去装置21の吸込管25を途中から複数に分岐してもよい。
【0043】
次に、第5の実施の形態として、図7に示すように、堰体29は下部が上流側で且つ上部が下流側となるように傾斜して設けられている。
次に、第6の実施の形態を図8,図9に基づいて説明する。
【0044】
堰体61は、内部に中空部62を備え、水面上から水面下に没入した状態で浮かんでおり、下水Wの流れ方向に対して横切って配置され、且つ、平面視において、幅方向の中央部Aが下流側へ屈曲したV形状に形成されている。堰体61の両側端は両側壁53に設けられた案内部材63の凹部63a内に挿入されており、これにより、堰体61は、上記案内部材63によって、上下方向に案内されながら昇降自在に保持されるとともに上下流方向において固定されている。
【0045】
また、吸込管25の先端部(すなわち第1の管体25aの下端部)は堰体61の中央部Aにおける上流側向きの面に一体的に取付けられており、第1の管体25aには堰体61による浮力が作用している。
【0046】
これによると、水面14に浮遊している浮遊物20は、上流側から流れて来て、堰体61によって堰き止められ、ガイド面52に案内されて中央部A(すなわち、ガイド面52の最も下流側の部分)に集められ、吸引圧によって吸込口24から吸込管25内に吸込まれる。
【0047】
また、図8の仮想線で示すように、水面14が上下変動した場合、水面14の上下変動に応じて伸縮継手25cが上下方向に伸縮し、堰体61と一体に吸込口24が昇降する。このように、水面14の変動に追随して吸込口24が昇降するため、水面14から吸込口24までの間隔が常にほぼ一定の間隔Sに保たれ、これにより、安定した吸引力が得られる。尚、堰体61が浮体の役割も兼ねているため、第1の実施の形態のような浮体41(図2参照)が不要となり、コストダウンが図れる。
【0048】
尚、上記第6の実施の形態では、図9に示すように、V形状に形成した堰体61を水面14に昇降自在に浮かせているが、図4に示したように平板状の堰体61を流れ方向に対して傾斜させたものであってもよく、或いは、図5に示したように堰体61を逆V形状に形成したものであってもよく、さらには、図6に示したように平板状の堰体29を流れ方向に対して直交させたものであってもよい。
【0049】
また、上記第6の実施の形態では、図8に示すように、堰体61の内部に中空部62を形成することで、堰体61の浮力を確保しているが、堰体61を水に浮く材質で製作したり、上記中空部62に水に浮く部材を挿入して浮力を確保してもよい。
【0050】
尚、上記各実施の形態では、吸込管25内の吸引圧は、浮遊物20だけを吸い上げて水を吸い上げないような値に設定されているが、吸込管25の途中に水分を分離するミストセパレーターを設けてもよい。
【0051】
また、上記各実施の形態では、吸込管25を第1および第2の管体25a,25bと伸縮継手25cとで構成しているが、第7の実施の形態として、吸込管25を図10に示すように構成してもよい。すなわち、第1の管体25aの上部を第2の管体25bの下部に差し込んで、第1の管体25aを第2の管体25bに対して上下方向へスライド自在にしている。尚、第1の管体25aの上端部には、第1の管体25aの外周面と第2の管体25bの内周面との間をシールするシール材66(Oリング等)が設けられている。
【0052】
これによると、水面14が上下変動した場合、水面14の上下変動に応じて浮体41が上下動し、第1の管体25aが第2の管体25bに対して上下方向へスライドすることにより、吸込口24が昇降する。このように、水面14の変動に追随して吸込口24が昇降するため、水面14から吸込口24までの間隔が常にほぼ一定の間隔Sに保たれ、これにより、安定した吸引力が得られる。
【0053】
上記各実施の形態では、本体部23内に円筒状のストレーナー34を設けているが、平板状やコーン状のストレーナーを用いてもよい。また、浮遊物20を吸込む際、空気はストレーナー34の外側から内側へ流れるが、内側から外側へ流れるようにしてもよい。さらに、ストレーナー34を多孔板32と濾し網33とで構成しているが、多孔板32のみ或いは濾し網33のみで構成してもよい。
【0054】
上記各実施の形態では、原水の一例として、沈砂池1に流入する下水Wを挙げたが、下水Wのみに限定されるものではない。また、浮遊物吸引除去装置21を沈砂池1に設置したが、沈砂池1のみに限定されるものではない。
【0055】
【発明の効果】
以上のように本第1発明では、浮遊物は、堰体の下流側へ流れ去ることなく、堰体の上流側に集められて吸込口から吸引されるため、小さな浮遊物を確実に水面から除去することができ且つ浮遊物の除去効率が向上する。
【0056】
また、本第2発明では、浮遊物は、堰体の下流側へ流れ去ることなく、堰体のガイド面の最も下流側寄りの部分に集められて吸込口から吸引されるため、小さな浮遊物を確実に水面から除去することができ且つ浮遊物の除去効率が向上する。
【0057】
また、本第3発明では、水面から吸込口までの間隔が常にほぼ一定に保たれるため、安定した吸引力が得られる。
また、本第4発明では、水面から吸込口までの間隔がほぼ一定に保たれるため、安定した吸引力が得られる。また、堰体が浮体の役割も兼ねているため、浮体が不要となり、コストダウンが図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における浮遊物吸引除去装置の一部を断面にした側面図である。
【図2】同、浮遊物吸引除去装置の断面図である。
【図3】同、浮遊物吸引除去装置の堰体の形状と吸込口の配置を示す平面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における浮遊物吸引除去装置の堰体の形状と吸込口の配置を示す平面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における浮遊物吸引除去装置の堰体の形状と吸込口の配置を示す平面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態における浮遊物吸引除去装置の堰体の形状と吸込口の配置を示す平面図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態における浮遊物吸引除去装置の堰体と吸込管との断面図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態における浮遊物吸引除去装置の断面図である。
【図9】同、浮遊物吸引除去装置の堰体の形状と吸込口の配置を示す平面図である。
【図10】本発明の第7の実施の形態における浮遊物吸引除去装置の堰体と吸込管との断面図である。
【図11】従来の沈砂池の図である。
【図12】従来の浮遊物回収ノズルの図である。
【符号の説明】
14 水面
20 浮遊物
21 浮遊物吸引除去装置
24 吸込口
25 吸込管
26 送風機(吸引圧発生手段)
27 貯留部
28 排出口(排出部)
29 堰体
41 浮体
52 ガイド面
61 堰体
W 下水(原水)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば下水処理場の沈砂池に流入する下水(汚水や雨水)等の水面に浮遊している浮遊物を除去する浮遊物吸引除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、下水処理施設においては、図11に示すように、流入下水W(原水)から沈砂等の沈殿物を除去する設備として沈砂池1が設けられており、沈砂池1の上流側には流入ゲート2が設けられ、下流側には流出ゲート3が設けられている。また、流入ゲート2と流出ゲート3との間には、下水W中の固形物や浮遊物を捕捉する除塵機4が設けられている。この除塵機4は、バータイプのスクリーン5と、スクリーン5で捕捉された固形物や浮遊物をかき取るレーキ装置とで構成されている。
【0003】
これによると、流入ゲート2の開口部6から沈砂池1内に流れ込んだ下水Wは上流側から下流側へ向かってゆっくりした流速で流れる。この際、下水W中の固形物や浮遊物は、除塵機4のスクリーン5で捕捉され、レーキ装置でかき取られて除去される。
【0004】
しかしながら上記の従来形式では、水面に浮遊している直径数ミリ以下のオイルボールや発泡スチロールといった小さな浮遊物を上記除塵機4で除去することは困難であり、沈砂池1の下流側で行われる水処理工程に大きな負荷を与えてしまうといった問題があった。
【0005】
上記問題の対策として、図12に示すように、回収ノズル10を用いて、浮遊物を吸引除去することが考えられる。この回収ノズル10は、吸込口11を有し、フロート12の浮力によって水面14に浮かんでいる。また、回収ノズル10には、真空ポンプやコンプレッサー等で吸引する吸引ホース13が接続されている。
【0006】
これによると、水面14に浮遊している小さな浮遊物は、吸込口11から吸込まれ、吸引ホース13内を通って除去される(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−309571号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来形式では、沈砂池1内に流入した浮遊物は下水Wの流れに伴って水面14を拡散しながら上流側から下流側へ流れるため、多量の浮遊物が、回収ノズル10から吸込まれずに、そのまま下流側へ流れ去ってしまうといった問題があり、浮遊物の除去効率が悪かった。
【0009】
本発明は、小さな浮遊物を確実に水面から除去することができ、浮遊物の除去効率を向上させることが可能な浮遊物吸引除去装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1発明は、上流側から下流側に向けて流れる原水の水面に浮遊している浮遊物を除去する浮遊物吸引除去装置であって、上記浮遊物を先端の吸込口から吸引する吸込管と、吸込管内に吸引圧を発生させる吸引圧発生手段と、吸引した浮遊物を溜める貯留部と、貯留部に溜まった浮遊物を排出する排出部とが設けられ、上記吸込口は、浮遊物の上流側から下流側への移動を堰き止める堰体の上流側に面した位置に設けられているものである。
【0011】
これによると、上流側から下流側へ流れている原水の水面に浮遊している浮遊物は、堰体によって堰き止められるため、堰体の上流側に集められ、吸込口から吸い込まれ、吸込管を経て貯留部に溜められる。このように、浮遊物は、堰体の下流側へ流れ去ることなく、堰体の上流側に集められて吸込口から吸引されるため、小さな浮遊物を確実に水面から除去することができ且つ浮遊物の除去効率が向上する。
【0012】
本第2発明は、堰体は、水面上から水面下に没入するとともに原水の流れ方向に対して横切って配置され、且つ、平面視において上流側から下流側へ傾斜したガイド面を有しており、上記ガイド面の最も下流側の部分に吸込口が配置されているものである。
【0013】
これによると、上流側から下流側へ流れている原水の水面に浮遊している浮遊物は、堰体によって堰き止められ、ガイド面に案内されてガイド面の最も下流側寄りの部分に集められ、吸込口から吸い込まれて除去される。このように、浮遊物は、堰体の下流側へ流れ去ることなく、堰体のガイド面の最も下流側寄りの部分に集められて吸込口から吸引されるため、小さな浮遊物を確実に水面から除去することができ且つ浮遊物の除去効率が向上する。
【0014】
本第3発明は、吸込管の先端部に、水面に浮く浮体が設けられ、水面の上下変動に応じて浮体と共に吸込口が昇降するように構成されているものである。
これによると、水面の上下変動に応じて浮体が昇降するとともに、吸込口が昇降して水面の変動に追随するため、水面から吸込口までの間隔は常にほぼ一定に保たれ、これにより、安定した吸引力が得られる。
【0015】
本第4発明は、堰体は、水面に浮かんだ状態で、水面の上下変動に応じて昇降自在に構成され、吸込管の先端部が堰体に取付けられており、吸込口が堰体と共に昇降自在に構成されているものである。
【0016】
これによると、浮遊物は、堰体の下流側へ流れ去ることなく、堰体の上流側に集められて吸込口から吸引されるため、小さな浮遊物を除去することができ且つ浮遊物の除去効率が向上する。さらに、水面の上下変動に応じて吸込口が堰体と一体に昇降するため、水面が変動しても、水面から吸込口までの間隔はほぼ一定に保たれ、これにより、安定した吸引力が得られる。尚、堰体が浮体の役割も兼ねているため、浮体が不要となり、コストダウンが図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。尚、従来のものと同じ部材については同一の符号を付記して説明を省略する。
【0018】
流入ゲート2と除塵機4との間には、上流側から下流側に向けて流れる下水W(原水の一例)の水面14に浮遊している浮遊物20を除去する浮遊物吸引除去装置21が設けられている。
【0019】
上記浮遊物吸引除去装置21の構成を以下に説明する。
浮遊物吸引除去装置21は、本体部23と、浮遊物20を先端の吸込口24から吸引する吸込管25と、吸込管25内に吸引圧を発生させる送風機26(吸引圧発生手段の一例)と、吸引した浮遊物20を溜める貯留部27と、貯留部27に溜まった浮遊物20を排出する排出口28(排出部の一例)と、浮遊物20の上流側から下流側への移動を堰き止める堰体29とで構成されている。
【0020】
上記本体部23は傾斜した円筒状に形成され、内部には、多孔板32と濾し網33とで構成される円筒状のストレーナー34が設けられている。本体部23の上部には、上部開口部30と、この上部開口部30を閉じる蓋体35とが設けられている。上記蓋体35は、ストレーナー34の二次側空間37に連通する内部空間38を有しており、複数のボルト36によって着脱自在に取付けられている。
【0021】
上記吸込管25は、吸込口24を有する第1の管体25aと、本体部23に接続された第2の管体25bと、これら第1および第2の管体25a,25bを接続する伸縮継手25cとで構成されている。
【0022】
上記吸込口24は下方ほど拡大した円錐状に形成されている。また、上記伸縮継手25cは、蛇腹状に形成され、上下方向に伸縮自在に構成されている。さらに、吸込管25の先端部(すなわち第1の管体25aの下端部)には、水面14に浮く浮体41(フロート)がアーム50を介して複数設けられている。これにより、第1の管体25aには浮体41による浮力が作用し、吸込口24と水面14との上下間には、一定の間隔Sが形成される。尚、上記第2の管体25bには吸込用バルブ40(図1参照)が設けられている。
【0023】
上記送風機26の吸込口は吸気管42を介して蓋体35に接続され、この吸気管42には吸気用バルブ43(図1参照)が設けられている。また、送風機26の吐出口に接続された排気管44には排気用バルブ45が設けられている。
【0024】
また、蓋体35には、逆洗水をストレーナー34の二次側空間37内へ供給する逆洗水供給管46が接続されており、この逆洗水供給管46には逆洗用バルブ47(図1参照)が設けられている。
【0025】
上記貯留部27は、ストレーナー34の下方の空間およびストレーナー34の外周面と本体部23の内周面との間の空間に形成されている。また、上記排出口28は本体部23の下部に形成されており、さらに、本体部23の下部には、排出用バルブ48を介して排出管49が接続されている。
【0026】
上記堰体29は、水面上から水面下に没入するとともに下水Wの流れ方向に対して横切って配置され、且つ、平面視において、幅方向の中央部Aが下流側へ屈曲したV形状に形成されている。これにより、堰体29の上流側に向いた面は上流側から下流側へ傾斜したガイド面52として形成されている。尚、堰体29の幅方向の両端部は沈砂池1の両側壁53に固定されている。また、上記吸込口24は、ガイド面52の最も下流側の部分すなわち上記中央部Aに位置している。
【0027】
尚、図2に示すように、浮遊物吸引除去装置21には、ストレーナー34の上流側(一次側)と下流側(二次側)との差圧を検出する差圧計51が設けられている。
【0028】
以下、上記構成における作用を説明する。
吸込用バルブ40と吸気用バルブ43と排気用バルブ45とを開き、逆洗用バルブ47と排出用バルブ48とを閉じた状態で、送風機26を作動させることにより、吸込管25内の空気が吸引され、吸込管25内に大気圧より低い吸引圧(=負圧)が発生する。
【0029】
また、流入ゲート2の開口部6から沈砂池1内に流れ込んだ下水Wは上流側から下流側へ向かってゆっくりした流速で流れる。この際、下水Wの水面14に浮遊している浮遊物20は、上流側から流れて来て、堰体29によって堰き止められ、ガイド面52に案内されて中央部A(すなわち、ガイド面52の最も下流側の部分)に集められ、上記吸引圧によって吸込口24から吸込管25内に吸込まれる。
【0030】
このようにして吸込まれた浮遊物20は、吸込管25内を通って本体部23内に流れ込み、貯留部27に貯留する。また、ストレーナー34によって浮遊物20が除かれた清浄な空気は、ストレーナー34の二次側空間37から蓋体35の内部空間38を通過し、吸気管42と送風機26と排気管44とを通って沈砂池1内に排気される。
【0031】
上記のように、浮遊物20は、堰体29の下流側へ流れ去ることなく、堰体29の中央部Aに集められて吸込口24から吸込まれるため、直径数ミリ以下のオイルボールや発泡スチロール等の小さな浮遊物20であっても確実に水面14から除去することができ且つ除去効率が向上する。
【0032】
また、水面14が上下変動した場合、水面14の上下変動に応じて浮体41が上下動し、浮体41の上下動に追随して伸縮継手25cが上下に伸縮し、吸込口24が昇降する。このように、水面14の変動に追随して吸込口24が昇降するため、水面14から吸込口24までの間隔が常にほぼ一定の間隔Sに保たれ、これにより、安定した吸引力が得られる。
【0033】
また、貯留部27に貯留する浮遊物20の量が増加し、ストレーナー34の目詰まりが増大して、差圧計51で検出される差圧が一定値を超えた場合、以下のようにして上記ストレーナー34を逆洗するとともに浮遊物20を本体部23内から排出する。
【0034】
すなわち、送風機26を停止し、吸込用バルブ40と吸気用バルブ43とを閉じ、逆洗用バルブ47と排出用バルブ48とを開く。そして、逆洗水供給管46から逆洗水を勢い良く供給する。これにより、逆洗水は、蓋体35の内部空間38を経てストレーナー34の二次側空間37から一次側へ流れた後、排出口28から排出され、排出用バルブ48と排出管49とを流れて浮遊物集積場(図示せず)へ送られる。この際、ストレーナー34に付着していたり貯留部27に貯留されていた浮遊物20は、上記逆洗水と共に、排出口28から排出され、排出用バルブ48と排出管49とを流れて浮遊物集積場(図示せず)へ送られる。これにより、ストレーナー34が逆洗されて洗浄され、本体部23内の浮遊物20が排出される。
【0035】
さらに、ストレーナー34を交換する場合、ボルト36を取外して蓋体35を本体部23から外し、ストレーナー34を上部開口部30から斜め上方へ引き抜いて取り出す。その後、逆の手順で、新しいストレーナー34を本体部23内に装着すればよい。
【0036】
上記第1の実施の形態では、図3に示すように堰体29を平面視においてV形状に形成しているが、第2の実施の形態として、図4に示すように、平面視において、平板状の堰体29を流れ方向に対して傾斜させて設け、堰体29の一側端に対して他側端を下流側に位置させている。これにより、堰体29の上流側に向いた面は上流側から下流側へ傾斜したガイド面52として形成されている。また、上記吸込口24は、ガイド面52の最も下流側の部分すなわち堰体29の他側部Bに位置している。
【0037】
これによると、下水Wの水面14に浮遊している浮遊物20は、上流側から流れて来て、堰体29によって堰き止められ、ガイド面52に案内されて他側部B(すなわち、ガイド面52の最も下流側の部分)に集められ、吸引圧によって吸込口24から吸込管25内に吸込まれる。
【0038】
尚、上記第2の実施の形態では、堰体29の一側端に対して他側端を下流側に位置させているが、反対に、他側端に対して一側端を下流側に位置させ、吸込口24を堰体29の一側部に配置してもよい。
【0039】
さらに、第3の実施の形態として、図5に示すように、堰体29は、平面視において、幅方向の中央部Aが上流側へ屈曲した逆V形状に形成されている。これにより、堰体29の上流側に向いた面は上流側から下流側へ傾斜したガイド面52として形成されている。また、上記吸込口24は、ガイド面52の最も下流側の部分すなわち堰体29の両側部B,Cの2箇所に配置されている。尚、この場合、2台の浮遊物吸引除去装置21を並設してもよいし、図5の仮想線に示すように、1台の浮遊物吸引除去装置21の吸込管25を途中から2つに分岐してもよい。
【0040】
これによると、浮遊物20は、上流側から流れて来て、堰体29によって堰き止められ、ガイド面52に案内されて両側部B,C(すなわち、ガイド面52の最も下流側の部分)に集められ、吸引圧によって両吸込口24から吸込管25内に吸込まれる。
【0041】
尚、上記第1および第3の実施の形態では、図3,図5に示すように、堰体29は中央部Aが屈曲したV形状又は逆V形状に形成されているが、中央部Aを円弧状に形成してもよい。
【0042】
次に、第4の実施の形態として、図6に示すように、平板状の堰体29を流れ方向に対して直交させて設けてもよい。この際、吸込口24は、堰体29の上流側向きの面に沿った複数箇所(又は1箇所)に配置されている。尚、この場合、複数台の浮遊物吸引除去装置21を並設してもよいし、図6の仮想線に示すように、1台の浮遊物吸引除去装置21の吸込管25を途中から複数に分岐してもよい。
【0043】
次に、第5の実施の形態として、図7に示すように、堰体29は下部が上流側で且つ上部が下流側となるように傾斜して設けられている。
次に、第6の実施の形態を図8,図9に基づいて説明する。
【0044】
堰体61は、内部に中空部62を備え、水面上から水面下に没入した状態で浮かんでおり、下水Wの流れ方向に対して横切って配置され、且つ、平面視において、幅方向の中央部Aが下流側へ屈曲したV形状に形成されている。堰体61の両側端は両側壁53に設けられた案内部材63の凹部63a内に挿入されており、これにより、堰体61は、上記案内部材63によって、上下方向に案内されながら昇降自在に保持されるとともに上下流方向において固定されている。
【0045】
また、吸込管25の先端部(すなわち第1の管体25aの下端部)は堰体61の中央部Aにおける上流側向きの面に一体的に取付けられており、第1の管体25aには堰体61による浮力が作用している。
【0046】
これによると、水面14に浮遊している浮遊物20は、上流側から流れて来て、堰体61によって堰き止められ、ガイド面52に案内されて中央部A(すなわち、ガイド面52の最も下流側の部分)に集められ、吸引圧によって吸込口24から吸込管25内に吸込まれる。
【0047】
また、図8の仮想線で示すように、水面14が上下変動した場合、水面14の上下変動に応じて伸縮継手25cが上下方向に伸縮し、堰体61と一体に吸込口24が昇降する。このように、水面14の変動に追随して吸込口24が昇降するため、水面14から吸込口24までの間隔が常にほぼ一定の間隔Sに保たれ、これにより、安定した吸引力が得られる。尚、堰体61が浮体の役割も兼ねているため、第1の実施の形態のような浮体41(図2参照)が不要となり、コストダウンが図れる。
【0048】
尚、上記第6の実施の形態では、図9に示すように、V形状に形成した堰体61を水面14に昇降自在に浮かせているが、図4に示したように平板状の堰体61を流れ方向に対して傾斜させたものであってもよく、或いは、図5に示したように堰体61を逆V形状に形成したものであってもよく、さらには、図6に示したように平板状の堰体29を流れ方向に対して直交させたものであってもよい。
【0049】
また、上記第6の実施の形態では、図8に示すように、堰体61の内部に中空部62を形成することで、堰体61の浮力を確保しているが、堰体61を水に浮く材質で製作したり、上記中空部62に水に浮く部材を挿入して浮力を確保してもよい。
【0050】
尚、上記各実施の形態では、吸込管25内の吸引圧は、浮遊物20だけを吸い上げて水を吸い上げないような値に設定されているが、吸込管25の途中に水分を分離するミストセパレーターを設けてもよい。
【0051】
また、上記各実施の形態では、吸込管25を第1および第2の管体25a,25bと伸縮継手25cとで構成しているが、第7の実施の形態として、吸込管25を図10に示すように構成してもよい。すなわち、第1の管体25aの上部を第2の管体25bの下部に差し込んで、第1の管体25aを第2の管体25bに対して上下方向へスライド自在にしている。尚、第1の管体25aの上端部には、第1の管体25aの外周面と第2の管体25bの内周面との間をシールするシール材66(Oリング等)が設けられている。
【0052】
これによると、水面14が上下変動した場合、水面14の上下変動に応じて浮体41が上下動し、第1の管体25aが第2の管体25bに対して上下方向へスライドすることにより、吸込口24が昇降する。このように、水面14の変動に追随して吸込口24が昇降するため、水面14から吸込口24までの間隔が常にほぼ一定の間隔Sに保たれ、これにより、安定した吸引力が得られる。
【0053】
上記各実施の形態では、本体部23内に円筒状のストレーナー34を設けているが、平板状やコーン状のストレーナーを用いてもよい。また、浮遊物20を吸込む際、空気はストレーナー34の外側から内側へ流れるが、内側から外側へ流れるようにしてもよい。さらに、ストレーナー34を多孔板32と濾し網33とで構成しているが、多孔板32のみ或いは濾し網33のみで構成してもよい。
【0054】
上記各実施の形態では、原水の一例として、沈砂池1に流入する下水Wを挙げたが、下水Wのみに限定されるものではない。また、浮遊物吸引除去装置21を沈砂池1に設置したが、沈砂池1のみに限定されるものではない。
【0055】
【発明の効果】
以上のように本第1発明では、浮遊物は、堰体の下流側へ流れ去ることなく、堰体の上流側に集められて吸込口から吸引されるため、小さな浮遊物を確実に水面から除去することができ且つ浮遊物の除去効率が向上する。
【0056】
また、本第2発明では、浮遊物は、堰体の下流側へ流れ去ることなく、堰体のガイド面の最も下流側寄りの部分に集められて吸込口から吸引されるため、小さな浮遊物を確実に水面から除去することができ且つ浮遊物の除去効率が向上する。
【0057】
また、本第3発明では、水面から吸込口までの間隔が常にほぼ一定に保たれるため、安定した吸引力が得られる。
また、本第4発明では、水面から吸込口までの間隔がほぼ一定に保たれるため、安定した吸引力が得られる。また、堰体が浮体の役割も兼ねているため、浮体が不要となり、コストダウンが図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における浮遊物吸引除去装置の一部を断面にした側面図である。
【図2】同、浮遊物吸引除去装置の断面図である。
【図3】同、浮遊物吸引除去装置の堰体の形状と吸込口の配置を示す平面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における浮遊物吸引除去装置の堰体の形状と吸込口の配置を示す平面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における浮遊物吸引除去装置の堰体の形状と吸込口の配置を示す平面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態における浮遊物吸引除去装置の堰体の形状と吸込口の配置を示す平面図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態における浮遊物吸引除去装置の堰体と吸込管との断面図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態における浮遊物吸引除去装置の断面図である。
【図9】同、浮遊物吸引除去装置の堰体の形状と吸込口の配置を示す平面図である。
【図10】本発明の第7の実施の形態における浮遊物吸引除去装置の堰体と吸込管との断面図である。
【図11】従来の沈砂池の図である。
【図12】従来の浮遊物回収ノズルの図である。
【符号の説明】
14 水面
20 浮遊物
21 浮遊物吸引除去装置
24 吸込口
25 吸込管
26 送風機(吸引圧発生手段)
27 貯留部
28 排出口(排出部)
29 堰体
41 浮体
52 ガイド面
61 堰体
W 下水(原水)
Claims (4)
- 上流側から下流側に向けて流れる原水の水面に浮遊している浮遊物を除去する浮遊物吸引除去装置であって、上記浮遊物を先端の吸込口から吸引する吸込管と、吸込管内に吸引圧を発生させる吸引圧発生手段と、吸引した浮遊物を溜める貯留部と、貯留部に溜まった浮遊物を排出する排出部とが設けられ、上記吸込口は、浮遊物の上流側から下流側への移動を堰き止める堰体の上流側に面した位置に設けられていることを特徴とする浮遊物吸引除去装置。
- 堰体は、水面上から水面下に没入するとともに原水の流れ方向に対して横切って配置され、且つ、平面視において上流側から下流側へ傾斜したガイド面を有しており、上記ガイド面の最も下流側の部分に吸込口が配置されていることを特徴とする請求項1記載の浮遊物吸引除去装置。
- 吸込管の先端部に、水面に浮く浮体が設けられ、水面の上下変動に応じて浮体と共に吸込口が昇降するように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の浮遊物吸引除去装置。
- 堰体は、水面に浮かんだ状態で、水面の上下変動に応じて昇降自在に構成され、吸込管の先端部が堰体に取付けられており、吸込口が堰体と共に昇降自在に構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の浮遊物吸引除去装置。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2003183642A JP2005013902A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 浮遊物吸引除去装置 |
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Cited By (5)
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2003
- 2003-06-27 JP JP2003183642A patent/JP2005013902A/ja active Pending
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